JP2013153598A - 無効電力制御装置及び該無効電力制御装置を用いて発電機を運転する方法 - Google Patents

無効電力制御装置及び該無効電力制御装置を用いて発電機を運転する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、有効電力Pの値に関係なく供給可能な無効電力Qを増加させることができる無効電力制御装置及び該無効電力制御装置を用いて発電機を運転する方法を提供することを課題とする。
【解決手段】 発電機1から出力される無効電力Qを発電機1の運転状態に応じて設定される所定の設定値となるように、発電機1から出力される無効電力Qの値を前記所定の設定値に設定しつつ、運転可能領域A内となるように制御する制御部53を備え、制御部53は、発電機1から出力される有効電力Pを検出する有効電力検出手段51による有効電力Pの検出値poに対応する無効電力Qの値を運転可能領域A内の進相側の境界に近似する近似式に基づいて算出し、この無効電力Qの値を前記所定の設定値として自動電圧調整手段7に設定することにより発電機1を制御することを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、発電機から出力される無効電力を所定の値に設定しつつ、発電機を安全に運転するために設けられる運転可能領域内に発電機の出力を制御する無効電力制御装置及び該無効電力制御装置を用いて発電機を運転する方法に関する。
従来から、電力システムでは、負荷設備の正常な運転を保証するとともに、過電圧による寿命低下や絶縁破壊から電力系統設備を保護するために、受電端の電圧Vrを定格電圧に保つ必要があった。
この受電端の電圧Vrは、送電端の電圧Vsに対して送電線路の抵抗(成分)R及びリアクタンス(成分)Xによる電圧降下の影響によって低下する。また、送電線路のリアクタンスXには、インダクタンス(成分)Lと対地静電容量(成分)Cとが含まれる。このインダクタンスLは、エネルギーを蓄積することにより電流の上昇を抑制し、エネルギーを放出することにより電流の減少を抑制する働き(無効電力損失)を有する。また、対地静電容量Cは、エネルギーを蓄積することにより電圧の上昇を抑制し、エネルギーを放出することにより電圧の減少を抑制する働き(無効電力損失)を有する。
負荷設備にも、送電線路と同様に、抵抗(成分)Rとインダクタンス(成分)Lと対地静電容量(成分)Cとが含まれている。発電機は、これらの送電線路及び負荷設備のインダクタンスL及び対地静電容量Cによる無効電力損失に見合う無効電力Qを送電線路及び負荷設備に供給することにより、受電端の電圧Vrが送電端の電圧Vsに保たれるように制御されている。
発電機から供給する無効電力Qを制御する無効電力制御方式の中には、無効電力定値制御方式(以下、単に「AQR制御方式」と略する)と呼ばれる方式がある。このAQR制御方式は、図10に示すように、発電機1から出力される出力電圧Vgを検出する計器用変圧器(以下、単に「PT」と略する)2と、発電機1の出力電流Igを検出する計器用変流器(以下、単に「CT」と略する)3と、発電機1に供給させる無効電力Qを設定する無効電力設定器(以下、単に「AQR設定器」と略する)4Aと、AQR設定器4Aに設定された無効電力Qの設定値に基づき、発電機1の無効電力Qを調整可能な自動無効電力制御装置(以下、単に「AQR」と略する)5Aと、発電機1の出力電圧Vgを設定するための電圧設定器(以下、単に「90R」と略する)6と、90R6に設定された発電機1の出力電圧Vgに基づき、発電機1の出力電圧Vgを調整する自動電圧調整装置(以下、単に「AVR」と略する)7と、AVR7に従って発電機1を励磁する励磁装置8とを備えるシステムによって構成される。そして、AQR制御方式は、AQR設定器4Aに設定されている無効電力Qで一定となるように無効電力Qを制御する方式である(特許文献1 段落[0002]〜[0004]参照)。
このAQR制御方式では、PT2で検出された発電機1の出力電圧Vgと、CT3で検出された出力電流IgとをAQR5Aに入力し、この発電機1の出力電圧Vgと出力電流Igとから無効電力Qを検出する。そして、AQR5Aでは、AQR設定器4Aに設定されている、電力系統に供給する無効電力(基準無効電力)Q0と比較し、偏差があれば90R6を制御して、無効電力Qが基準無効電力Q0で一定となるように発電機1の出力電圧Vgを制御している。
無効電力Qの供給に過不足が生じると、受電端の電圧Vrが大きく変動する。特に、発電機1が負担する負荷が無負荷又は軽負荷の場合、受電端の電圧Vrは、送電端の電圧Vsより上昇し、過電圧の原因となりやすい(フェランチ効果)。
このような事象による受電端電圧Vrの適正な範囲の逸脱を防止するため、発電機1には、電力系統の状態や潮流に応じた無効電力Qの出力が求められる。一方、発電機1には図11で示すように、安全に運転できる出力の許容範囲(運転可能領域)Aが決められており、この運転可能領域A内に発電機1の出力が納まるように制御される。
この運転可能領域Aは、横軸(X軸)に有効電力P[W]をとり、縦軸(Y軸)に無効電力+Q(遅相),−Q(進相)[Var]をとり、その発電機1が取り得る出力の許容範囲の境界(線)を運転可能曲線Bで表現している。
発電機1の運転可能領域Aは、発電機1の3つの条件から決定される運転可能曲線Bによって囲まれる領域である。運転可能曲線Bは、励磁装置8から供給される励磁電流Ieが増加すること(過励磁状態)により発生する回転子コイル温度による制限条件によって決定される過励磁制限曲線(過励磁制限境界)B1と、発電機1の出力電流Igが増加すること(過電流状態)により発生する固定子コイル温度による制限条件によって決定される過電流制限曲線(過電流制限境界)B2と、励磁装置8から供給される励磁電流Ieが減少すること(低励磁状態)により発生する固定子端部の温度上昇による制限条件によって決定される低励磁制限曲線(低励磁制限境界)B3とから構成される。発電機1の運転可能領域Aは、この過励磁制限曲線B1と過電流制限曲線B2と低励磁制限曲線B3とによって囲まれ、且つ、有効電力Pが正の範囲(P≧0)の領域である。
そして、発電機1が供給する無効電力Qは、この運転可能領域A内で、負荷の状態に合わせて予め決められた所定の値の中から適切な基準無効電力Q0の設定値Qn(n=1,…)を選択して、この基準無効電力Q0の設定値Qnに基づいて供給される。この基準無効電力Q0は、4段階に変更可能に構成されており、基準無効電力Q0の設定値Qnは、4つの無効電力Qの値q1〜q4から構成されている。
特開平10−028399号公報
しかし、基準無効電力Q0の設定値Qnが一定値であるため、小型の水力発電設備のような供給可能な無効電力Qが少ない発電機1では、夜間の軽負荷時(又は無負荷時)に必要な無効電力Qを供給できず、他の電力設備から無効電力Qを供給しなければならなかった。
しかも、図11に示されているように、この基準無効電力Q0の設定値Qnは、定格点近傍の有効電力Pの値(Pr近傍)に対応する運転可能領域A内の無効電力Qの値を一定値として設定しており、有効電力Pの定格点から低い範囲では、取り得る無効電力Qの値に余裕を残していた。
よって、本発明は、かかる事情に鑑み、有効電力Pの値に関係なく供給可能な無効電力Qを増加させることができる無効電力制御装置及び該無効電力制御装置を用いて発電機を運転する方法を提供することを課題とする。
本発明に係る無効電力制御装置は、発電機から出力される無効電力Qを発電機の運転状態に応じて設定される所定の設定値となるように発電機を励磁して発電機の電圧を調整可能な自動電圧調整手段を用いて、発電機から出力される無効電力Qの値を前記所定の設定値に設定しつつ、発電機の出力が発電機を安全に運転するために設けられる運転可能領域内となるように制御する制御部を備え、制御部は、発電機から出力される有効電力Pを検出する有効電力検出手段による有効電力Pの検出値に対応する無効電力Qの値を運転可能領域内の進相側の境界に近似する近似式に基づいて算出し、この無効電力Qの値を前記所定の設定値として自動電圧調整手段に設定することにより発電機を制御することを特徴とする。
かかる構成によれば、発電機が出力する無効電力Qは、有効電力検出手段により検出される有効電力Pの検出値に基づく所定の設定値に設定される。制御部は、この所定の無効電力Qの設定値を運転可能領域内の進相側の境界に近似する近似式に基づいて算出する。算出された所定の無効電力Qの設定値は、有効電力Pの検出値に対応して求められ、運転可能領域内の進相側の境界近傍となるように設定される。つまり、この所定の無効電力Qの設定値は、定格点近傍の有効電力Pの値に対応する運転可能領域内の無効電力Qの一定値より、進相側に大きい値を取ることができる。しかも、所定の無効電力Qの設定値は、有効電力Pの検出値に対応して設定されているため、有効電力Pが定格点近傍においても、運転可能領域内の進相側の境界近傍となるように設定することができ、運転可能領域から外れることのないように設定される。このようにして、制御部は、有効電力Pの値に関係なく供給可能な無効電力Qを増加させることができる。
また、本発明によれば、運転可能領域は、発電機の低励磁状態による制限によって決定される低励磁制限境界、発電機の過励磁状態による制限によって決定される過励磁制限境界、及び、発電機の過電流状態による制限によって決定される過電流制限境界により形成され、且つ、有効電力Pが正の値の領域であって、無効電力Qの値を算出する近似式は、低励磁制限境界よりも遅相側の無効電力Qが算出されるように、運転可能領域における低励磁制限境界に近似する式であることが好ましい。
かかる構成によれば、制御部は、近似式に基づいて、運転可能領域内の進相側の境界近傍であって低励磁制限境界よりも遅相側の無効電力Qの値を所定の設定値として算出することができる。
また、本発明によれば、無効電力Qの値を算出する近似式は、有効電力検出手段により、運転可能領域内の有効電力Pの第1の検出値と該第1の検出値より小さい第2の検出値との間の有効電力Pの検出値に対応する無効電力Qの値を前記所定の設定値として算出可能な式であり、
Figure 2013153598
からなる式であって、定数a1,b1及びc1が進相側の運転可能領域に近似するように決定されることが好ましい。
かかる構成によれば、制御部は、
Figure 2013153598
からなる近似式に基づいて、有効電力Pの検出値ごとに、運転可能領域内の進相側の境界近傍であって低励磁制限境界よりも遅相側の無効電力Qの値を算出することができる。
また、本発明によれば、無効電力Qの値を算出する近似式は、有効電力検出手段により、運転可能領域内の有効電力Pの第1の検出値と該第1の検出値より小さい第2の検出値との間の有効電力Pの検出値に対応する無効電力Qの値を前記所定の設定値として算出可能な式であり、
Figure 2013153598
からなる式であって、定数b2及びc2が進相側の運転可能領域に近似するように決定されることが好ましい。
かかる構成によれば、制御部は、
Figure 2013153598
からなる近似式に基づいて、有効電力Pの検出値ごとに、運転可能領域内の進相側の境界近傍であって低励磁制限境界よりも遅相側の無効電力Qの値を算出することができる。
また、本発明によれば、無効電力Qの値を算出する近似式は、有効電力検出手段により、運転可能領域内の有効電力Pの第1の検出値と該第1の検出値より小さい第2の検出値との間の有効電力Pの検出値に対応する無効電力Qの値を前記所定の設定値として算出可能な式であり、第1の検出値と第2の検出値との間を複数の区間に分割し、この区間ごとに対応する無効電力Qを算出可能な式であることが好ましい。
かかる構成によれば、制御部は、第1の検出値と第2の検出値との間を分割する複数の区間のうち、有効電力Pの検出値が含まれる所定の有効電力Pの区間に対応する、運転可能領域内の進相側の境界近傍であって低励磁制限境界よりも遅相側の無効電力Qの値を所定の無効電力Qの設定値として算出することができる。
また、本発明によれば、無効電力Qの値を算出する近似式は、有効電力検出手段により、運転可能領域内の有効電力Pの第1の検出値と該第1の検出値より小さい第2の検出値との間の有効電力Pの検出値に対応する無効電力Qの値を前記所定の設定値として算出可能な式であり、第1の検出値と第2の検出値との間を複数の区間に分割し、この区間ごとに対応する無効電力Qを算出可能な前記近似式であることが好ましい。
かかる構成によれば、制御部は、第1の検出値と第2の検出値との間を分割する複数の区間のうち、有効電力Pの検出値が含まれる所定の有効電力Pの区間ごとの所定の近似式(例えば、
Figure 2013153598

Figure 2013153598
など)に基づいて、有効電力Pの検出値ごとに、運転可能領域内の進相側の境界近傍であって低励磁制限境界よりも遅相側の無効電力Qの値を算出して、その値を有効電力Pの検出値ごとに対応する所定の設定値として設定することができる。
また、本発明によれば、有効電力Pの第1の検出値は、発電機の定格値であることが好ましい。
かかる構成によれば、制御部が取り得る所定の無効電力Qの設定値は、発電機の有効電力Pの定格値近傍から第2の検出値までの間で、運転可能領域内の進相側の境界近傍となるように設定することができる。
また、本発明によれば、無効電力Qの値を算出する近似式は、低励磁制限境界又は過電流制限境界よりも遅相側の無効電力Qが算出されるように、運転可能領域における低励磁制限境界に近似する第1の式と過電流制限境界に近似する第2の式とからなることが好ましい。
かかる構成によれば、制御部は、第1の式と第2の式とからなる2つの近似式に基づいて、運転可能領域内の進相側の境界近傍であって低励磁制限境界又は過電流制限境界よりも遅相側の無効電力Qの値を所定の設定値として算出することができる。
また、本発明によれば、有効電力検出手段により検出される有効電力Pの検出値に対応する無効電力Qの値を上記記載の近似式に基づいて算出し、この無効電力Qの値を前記所定の設定値として自動電圧調整手段に設定して発電機を運転する第1の運転モードと、有効電力Pの検出値に関係なく一定の無効電力Qの値を前記所定の設定値として自動電圧調整手段に設定して発電機を運転する第2の運転モードと、を選択可能な運転モード選択手段を備えることが好ましい。
かかる構成によれば、発電機に求められている供給すべく無効電力Qの値によって、運転モード選択手段で運転モードを選択することができる。つまり、進相側の無効電力Qを大きく取る必要がある場合、第1の運転モードを選択し、進相側の無効電力Qを大きく取る必要がない場合、第2の運転モードを選択することができる。
本発明に係る無効電力制御装置を用いて発電機を運転する方法は、上記無効電力制御装置を用いて発電機を運転する方法であって、有効電力検出手段により発電機から出力される有効電力Pを検出する第1のステップと、無効電力制御装置の制御部により有効電力検出手段が検出した有効電力Pの検出値に対応する無効電力Qの値を運転可能領域内の進相側の境界に近似する近似式に基づいて算出する第2のステップと、無効電力制御装置の制御部によりこの算出された無効電力Qの値を前記所定の設定値として自動電圧調整手段により設定する第3のステップと、無効電力制御装置が設定した無効電力Qの前記所定の設定値となるように自動電圧調整手段を調整する第4のステップと、自動電圧調整手段により発電機から出力される無効電力Qを調整する第5のステップと、を備えることを特徴とする。
かかる構成によれば、発電機が出力する無効電力Qは、有効電力検出手段により検出される有効電力Pの検出値に基づく所定の設定値に設定される。制御部は、この所定の無効電力Qの設定値を運転可能領域内の進相側の境界に近似する近似式に基づいて算出する。算出された所定の無効電力Qの設定値は、有効電力Pの検出値に対応して求められ、運転可能領域内の進相側の境界近傍となるように設定される。つまり、この所定の無効電力Qの設定値は、定格点近傍の有効電力Pの値に対応する運転可能領域内の無効電力Qの一定値より、進相側に大きい値を取ることができる。しかも、所定の無効電力Qの設定値は、有効電力Pの検出値に対応して設定されているため、有効電力Pが定格点近傍においても、運転可能領域内の進相側の境界近傍となるように設定することができ、運転可能領域から外れることのないように設定される。このようにして、制御部は、有効電力Pの値に関係なく供給可能な無効電力Qを増加させることができる。
以上の如く、本発明に係る無効電力制御装置及び該無効電力制御装置を用いて発電機を運転する方法によれば、有効電力Pの値に関係なく供給可能な無効電力Qを増加させることができることができるという優れた効果を奏する。
本発明の第1実施形態に係る電力システムのブロック図である。 同実施形態に係る無効電力制御装置により無効電力Qを制御する発電機の運転可能領域を表す図であって、(a)は、その全体図を示し、(b)は、(a)の要部aの拡大図を示す。 同実施形態に係る無効電力制御装置による無効電力Qの設定のフローチャートを示す。 同実施形態に係る無効電力制御装置による無効電力Qの設定のフローチャートを示す。 同実施形態に係る無効電力制御装置による無効電力Qの設定のフローチャートを示す。 本発明の第2実施形態に係る無効電力制御装置により無効電力Qを制御する発電機の運転可能領域を表す図であって、(a)は、その全体図を示し、(b)は、(a)の要部bの拡大図を示す。 本発明の第3実施形態に係る無効電力制御装置により無効電力Qを制御する発電機の運転可能領域を表す図であって、(a)は、その全体図を示し、(b)は、(a)の要部cの拡大図を示す。 本発明の第4実施形態に係る無効電力制御装置により無効電力Qを制御する発電機の運転可能領域を表す図であって、(a)は、その全体図を示し、(b)は、(a)の要部dの拡大図を示す。 本発明の第5実施形態に係る無効電力制御装置により無効電力Qを制御する発電機の運転可能領域を表す図であって、(a)は、その全体図を示し、(b)は、(a)の要部eの拡大図を示す。 従来技術の電力システムのブロック図である。 従来技術の無効電力制御装置により無効電力Qを制御する発電機の運転可能領域を表す全体図を示す。
本発明の第1実施形態に係る無効電力制御装置(以下、単に「AQR」と略する)について、図1〜図5を参照しつつ説明する。図1に示すように、本実施形態に係るAQR5は、送電線路に接続されて系統連系される発電機1に付属して、主に送電線路及び負荷設備に無効電力Qを供給する電力システムに設けられる。
電力システムは、発電機1から出力される出力電圧Vgを検出する計器用変圧器(電圧検出手段,以下、単に「PT」と略する)2と、発電機1の出力電流Igを検出する計器用変流器(電流検出手段,以下、単に「CT」と略する)3と、発電機1に供給させる無効電力Qを設定する無効電力設定器(以下、単に「AQR設定器」と略する)4と、AQR設定器4に設定された無効電力Qの設定値に基づき、発電機1の無効電力Qを調整可能な無効電力制御装置(以下、単に「AQR」と略する)5と、発電機1の出力電圧Vgを設定するための電圧設定器(以下、単に「90R」と略する)6と、90R6に設定された発電機1の出力電圧Vgに基づき、発電機1の出力電圧Vgを調整する自動電圧調整装置(自動電圧調整手段,以下、単に「AVR」と略する)7と、AVR7に従って発電機1を励磁する励磁装置8とを備える。
発電機1は、3相交流発電機であって、具体的には、水力発電設備等の小型の同期発電機である。
PT2は、発電機1の主回路に接続されて、発電機1が出力する有効電力P及び無効電力Qを検出するために、発電機1の出力電圧Vgを検出する。そして、PT2は、AQR5及び90R6に接続されて、検出された出力電圧VgをAQR5及び90R6に入力する。
CT3は、発電機1の主回路に接続されて、発電機1が出力する有効電力P及び無効電力Qを検出するために、発電機1の出力電流Igを検出する。そして、CT3は、AQR5及び90R6に接続されて、検出された出力電流IgをAQR5及び90R6に入力する。
AQR設定器4は、AQR5が発電機1に供給させる無効電力Q(基準無効電力Q0)を設定する切替スイッチである。AQR設定器4は、有効電力Pの検出値poごとに対応して無効電力Qの値が進相側に大きくなる設定値QnをAQR5に設定して発電機1を運転可能な第1の運転モードと、有効電力Pの検出値poに関係ない所定の一定値である設定値QnをAQR5に設定して発電機1を運転可能な第2の運転モードとを切り換え可能な運転モード選択手段としても機能する。
この基準無効電力Q0は、5段階に変更可能に構成されている。基準無効電力Q0の設定値Qnは、有効電力Pの検出値poに関係なく一定値である第1〜第4の設定値Q1〜Q4と、有効電力Pの検出値poごとに対応して無効電力Qの値が進相側に大きくなる第5の設定値Q5とをからなる。
第1〜第4の設定値Q1〜Q4は、第2の運転モードに対応している。第1の設定値Q1は、図2(a)に示すように、遅相側の無効電力Qを2段階に分けたうちの一方の設定値(遅相側の任意の一定値,遅相2段設定値;Q1=q1)である。第2の設定値Q2は、2段階に分けた遅相側の無効電力Qのうちの他方の設定値(進相側の任意の一定値,遅相1段設定値;Q2=q2)である。第3の設定値Q3は、力率が1である設定値(力率1設定値;Q3=q3=0)である。第4の設定値Q4は、進相側の無効電力Qの任意の設定値(進相1段設定値;Q4=q4)である。
第5の設定値Q5は、図2(a)及び図2(b)に示すように、第1の運転モードに対応している。第5の設定値Q5は、PT2及びCT3から検出された有効電力Pの検出値poに対応する無効電力Qの値を運転可能領域A内の進相側の境界に近似する近似式に基づいて算出される設定値(進相2段設定値;Q5)である。無効電力Qの値を算出する近似式は、低励磁制限曲線(低励磁制限境界)B3よりも遅相側の無効電力Qが算出されるように、運転可能領域Aにおける低励磁制限曲線B3に近似する式である。
具体的には、無効電力Qの値を算出する近似式(以下、他の実施形態における近似式と区別するため、「第1の近似式」と称する)F1は、運転可能領域A内の有効電力Pの第1の検出値p1と該第1の検出値p1より小さい第2の検出値p2との間の有効電力Pの検出値poに対応する無効電力Qの値を第5の設定値Q5として算出可能な下記の式である。なお、有効電力Pの第1の検出値p1は、発電機1の定格値prである。第2の検出値p2は、低励磁制限曲線B3において、系統運用上必要と判断される最大の進相側無効電力Qを出力する運転点に対応する有効電力Pの値である。
Figure 2013153598
AQR5は、図1に示すように、発電機1から出力される有効電力Pを検出する有効電力検出手段51と、発電機1から出力される無効電力Qを検出する無効電力検出手段52と、発電機1から出力される無効電力Qを発電機1の運転状態に応じて設定される所定の設定値Qnとなるように制御する制御部53とを備える。
有効電力検出手段51は、PT2及びCT3に接続されて、PT2及びCT3から入力される発電機1の出力電圧Vg及び出力電流Igから有効電力Pの検出値poを検出する。
無効電力検出手段52は、PT2及びCT3に接続されて、PT2及びCT3から入力される発電機1の出力電圧Vg及び出力電流Igから無効電力Qの検出値qoを検出する。
制御部53は、発電機1を励磁して発電機1の出力電圧Vgを調整可能なAVR7を用いて、発電機1から出力される無効電力Qの値を所定の設定値Qnに設定しつつ、発電機1の出力が運転可能領域A内となるように制御する。
制御部53は、発電機1に供給させる無効電力Qの値を演算する演算部54と、演算部54により求められた無効電力Qの設定値Qnに基づいて90R6を制御する無効電力制御部55とを備える。
演算部54は、有効電力検出手段51による有効電力Pの検出値poに対応する無効電力Qの値を前記第1の近似式F1に基づいて算出し、この無効電力Qの値を前記所定の設定値Qn(Q1〜Q5)としてAQR5に設定するために、無効電力制御部55に出力する。
無効電力制御部55は、無効電力検出手段52により検出された無効電力Qの検出値qoと、演算部54で設定された発電機1の無効電力Qの設定値Qnとを比較して、偏差量△q(=Qn−qo)を90R6に入力する。
90R6は、AQR5に接続されて、AQR5からの偏差量△qに基づいてAVR7を制御する。90R6は、発電機1が送電線路や負荷設備に供給する基準無効電力Q0となるように、発電機1の出力電圧Vgを設定するために設けられている。つまり、90R6は、発電機1の出力電圧Vgが発電機1から出力される無効電力Qを偏差量△q相当分となる調整電圧値△Vを算出して、AVR7に入力することによりAVR7を制御する。
AVR7は、90R6からの調整電圧値△Vに基づいて、発電機1の出力(出力電流Ig及び出力電圧Vg、言い換えると、有効電力P及び無効電力Q)を励磁装置8で制御して調整する。
励磁装置8は、発電機1を励磁して発電機1の出力を制御(変更)するための励磁電流Ieを出力する。
次に、本実施形態に係るAQR5を用いて発電機1を運転する方法について、図3〜図5を参酌しつつ説明する。
まず、図3に示すように、発電機1に供給させる無効電力Qの設定値QnをAQR設定器4に設定する(ステップS1)。そして、第1の設定値Q1がAQR設定器4に設定される(ステップS2でYES)と、基準無効電力Q0を遅相2段設定値Q1とするAQR運転が行われる。つまり、AQR設定器4から制御部53の演算部54にq1が入力され(ステップS3)、演算部54から無効電力制御部55にq1が入力される。
第2の設定値Q2がAQR設定器4に設定される(ステップS2でNO、ステップS4でYES)と、基準無効電力Q0を遅相1段設定値Q2とするAQR運転が行われる。つまり、AQR設定器4から制御部53の演算部54にq2が入力され(ステップS5)、演算部54から無効電力制御部55にq2が入力される。
また、図4に示すように、第3の設定値Q3がAQR設定器4に設定される(ステップS4でNO、ステップS6でYES)と、基準無効電力Q0を力率1設定値Q3とするAQR運転が行われる。つまり、AQR設定器4から制御部53の演算部54にq3が入力され(ステップS7)、演算部54から無効電力制御部55にq3が入力される。
第4の設定値Q4がAQR設定器4に設定される(ステップS6でNO、ステップS8でYES)と、基準無効電力Q0を進相1段設定値Q4とするAQR運転が行われる。つまり、AQR設定器4から制御部53の演算部54にq4が入力され(ステップS9)、演算部54から無効電力制御部55にq4が入力される。
また、図5に示すように、第5の設定値Q5がAQR設定器4に設定される(ステップS8でNO、ステップS10でYES)と、基準無効電力Q0を進相2段設定値Q5とするAQR運転が行われる。つまり、AQR設定器4から制御部53の演算部54に進相2段運転である旨の信号が入力され、その旨が演算部54から無効電力制御部55に入力される。
有効電力検出手段51は、PT2及びCT3から入力された発電機1の出力電圧Vg及び出力電流Igから、発電機1から出力される有効電力P(の検出値po)を検出する(ステップS11,本発明の「第1のステップ」に相当)。
有効電力検出手段51は、検出した有効電力Pの検出値poを制御部53の演算部54に入力する。演算部54は、この有効電力Pの検出値poに対応する第5の設定値Q5を第1の近似式F1に基づいて算出する(ステップS12,本発明の「第2のステップ」に相当)。
演算部54は、この算出された無効電力Qの値を第5の設定値Q5として無効電力制御部55に入力する(ステップS13)。
無効電力制御部55は、このようにして演算部54から入力された無効電力Qの設定値Qnと、無効電力検出手段52で検出された無効電力Qの検出値qoとを比較して、その偏差量△qを90R6に入力する。つまり、無効電力制御部55は、無効電力検出手段52から検出される無効電力Qの検出値qoがこの設定値Qnとなるように90R6を制御する(ステップS14,本発明の「第3のステップ」に相当)。
90R6は、AQR5が設定した無効電力Qの前記所定の設定値Qnとなるように、調整電圧値△Vを出力して、AVR7を調整する(本発明の「第4のステップ」に相当)。
AVR7は、90R6からの調整電圧値△Vに基づき励磁装置8を制御して、発電機1から出力される無効電力Qを調整する(本発明の「第5のステップ」に相当)。
このようにして、発電機1が出力する無効電力Qは、有効電力検出手段51により検出される有効電力Pの検出値poに基づく所定の設定値Qnに設定される。制御部53は、この所定の無効電力Qの設定値Qnを運転可能領域A内の進相側の境界に近似する第1の近似式F1に基づいて算出する。算出された所定の無効電力Qの設定値Qnは、有効電力Pの検出値poに対応して求められ、運転可能領域A内の進相側の境界近傍となるように設定される。つまり、この所定の無効電力Qの設定値Qnは、定格点近傍の有効電力Pの値に対応する運転可能領域A内の無効電力Qの一定値(q4)より、進相側に大きい値(遅相側に小さい値)を取ることができる。しかも、所定の無効電力Qの設定値Qnは、有効電力Pの検出値poに対応して設定されているため、有効電力Pが定格点pr近傍においても、運転可能領域A内の進相側の境界近傍となるように設定することができ、運転可能領域Aから外れることのないように設定される。このようにして、制御部53は、有効電力Pの値に関係なく供給可能な無効電力Qを増加させることができる。
また、制御部53は、第1の近似式F1に基づいて、運転可能領域A内の進相側の境界近傍であって低励磁制限境界B3よりも遅相側の無効電力Qの値を所定の設定値Qnとして算出することができる。そして、制御部53は、第1の近似式F1に基づいて、有効電力Pの検出値poごとに、運転可能領域A内の進相側の境界近傍であって低励磁制限境界B3よりも遅相側の無効電力Qの値を算出することができる。
制御部53が取り得る所定の無効電力Qの設定値Qnは、発電機1の有効電力Pの定格値pr近傍から第2の検出値p2までの間で、運転可能領域A内の進相側の境界近傍となるように設定することができる。
発電機1に求められている供給すべく無効電力Qの値によって、運転モード選択手段で運転モードを選択することができる。つまり、進相側の無効電力Qを大きく取る必要がある場合、第1の運転モードを選択し、進相側の無効電力Qを大きく取る必要がない場合、第2の運転モードを選択することができる。
次に、第2実施形態に係る無効電力制御装置(以下、単に「AQR」と略する)について、図1及び図6を参照しつつ説明する。第2実施形態に係るAQR105は、第1実施形態に係るAQR5の変形例である。特に、AQR105の第1〜第4の設定値Q1〜Q4については、第1実施形態に係るAQR5の第1〜第4の設定値Q1〜Q4と同じであるため、その説明を省略し、第5の設定値Q105の設定方法について、詳細に説明する。
第5の設定値Q105は、図6(a)及び図6(b)に示すように、PT2及びCT3から検出された有効電力Pの検出値poに対応する無効電力Qの値を運転可能領域A内の進相側の境界に近似する近似式に基づいて算出される設定値(進相2段設定値;Q105)である。無効電力Qの値を算出する近似式は、低励磁制限曲線(低励磁制限境界)B3よりも遅相側の無効電力Qが算出されるように、運転可能領域Aにおける低励磁制限曲線B3に近似する式である。
具体的には、無効電力Qの値を算出する近似式(以下、「第2の近似式」と称する)F2は、運転可能領域A内の有効電力Pの第1の検出値p1と該第1の検出値p1より小さい第2の検出値p2との間の有効電力Pの検出値poに対応する無効電力Qの値を第5の設定値Q105として算出可能な下記の式である。なお、有効電力Pの第1の検出値p1は、発電機1の定格値prである。第2の検出値p2は、低励磁制限曲線B3において、系統運用上必要と判断される最大の進相側無効電力Qを出力する運転点に対応する有効電力Pの値である。
Figure 2013153598
このようにして、制御部53は、第2の近似式F2に基づいて、有効電力Pの検出値poごとに、運転可能領域A内の進相側の境界近傍であって低励磁制限境界B3よりも遅相側の無効電力Qの値を算出することができる。
次に、第3実施形態に係る無効電力制御装置(以下、単に「AQR」と略する)について、図1及び図7を参照しつつ説明する。第3実施形態に係るAQR205は、第1実施形態及び第2実施形態に係るAQR5,105の変形例である。特に、AQR205の第1〜第4の設定値Q1〜Q4については、第1実施形態に係るAQR5の第1〜第4の設定値Q1〜Q4と同じであるため、その説明を省略し、第5の設定値Q205の設定方法について、詳細に説明する。
第5の設定値Q205は、図7(a)及び図7(b)に示すように、PT2及びCT3から検出された有効電力Pの検出値poに対応する無効電力Qの値を運転可能領域A内の進相側の境界に近似する近似式に基づいて算出される設定値(進相2段設定値;Q205)である。無効電力Qの値を算出する近似式は、低励磁制限曲線(低励磁制限境界)B3よりも遅相側の無効電力Qが算出されるように、運転可能領域Aにおける低励磁制限曲線B3に近似する式である。
具体的には、無効電力Qの値を算出する近似式(以下、「第3の近似式」と称する)F3は、有効電力検出手段51により、運転可能領域A内の有効電力Pの第1の検出値p1と該第1の検出値p1より小さい第2の検出値p4との間の有効電力Pの検出値poに対応する無効電力Qの値を第5の設定値Q205として算出可能な式であって、第1の検出値p1と第2の検出値p4との間を複数の区間(本実施形態では、3つ)に分割し、この区間ごとに対応する無効電力Qの値を第5の設定値Q205として算出可能な下記の式である。なお、有効電力Pの第1の検出値p1は、発電機1の定格値prである。第2の検出値p4は、低励磁制限曲線B3において、系統運用上必要と判断される最大の進相側無効電力Qを出力する運転点に対応する有効電力Pの値である。
Figure 2013153598
このようにして、制御部53は、第1の検出値p1と第2の検出値p4との間を分割する複数の区間のうち、有効電力Pの検出値poが含まれる所定の有効電力Pの区間に対応する、運転可能領域A内の進相側の境界近傍であって低励磁制限境界B3よりも遅相側の無効電力Qの値を無効電力Qの第5の設定値Q205として算出することができる。
次に、第4実施形態に係る無効電力制御装置(以下、単に「AQR」と略する)について、図1及び図8を参照しつつ説明する。第4実施形態に係るAQR305は、第1〜第3実施形態に係るAQR5,105,205の変形例である。特に、AQR205の第1〜第4の設定値Q1〜Q4については、第1実施形態に係るAQR5の第1〜第4の設定値Q1〜Q4と同じであるため、その説明を省略し、第5の設定値Q305の設定方法について、詳細に説明する。
第5の設定値Q305は、図8(a)及び図8(b)に示すように、PT2及びCT3から検出された有効電力Pの検出値poに対応する無効電力Qの値を運転可能領域A内の進相側の境界に近似する近似式に基づいて算出される設定値(進相2段設定値;Q305)である。無効電力Qの値を算出する近似式は、低励磁制限曲線(低励磁制限境界)B3よりも遅相側の無効電力Qが算出されるように、運転可能領域Aにおける低励磁制限曲線B3に近似する式である。
具体的には、無効電力Qの値を算出する近似式(以下、「第4の近似式」と称する)F4は、有効電力検出手段51により、運転可能領域A内の有効電力Pの第1の検出値p1と該第1の検出値p1より小さい第2の検出値p6との間の有効電力Pの検出値poに対応する無効電力Qの値を第5の設定値Q305として算出可能な式であり、第1の検出値p1と第2の検出値p6との間を複数の区間に分割し、この区間ごとに対応する無効電力Qを算出可能な第2の近似式F2により算出される無効電力Qの値を第5の設定値Q305として算出可能な下記の式である。なお、有効電力Pの値p1〜p6は、それぞれの値の間隔が一定の幅△pとなるように決定されている。なお、有効電力Pの第1の検出値p1は、発電機1の定格値prである。第2の検出値p6は、低励磁制限曲線B3において、系統運用上必要と判断される最大の進相側無効電力Qを出力する運転点に対応する有効電力Pの値である。
Figure 2013153598
このように、制御部53は、第1の検出値p1と第2の検出値p6との間を分割する複数の区間のうち、有効電力Pの検出値poが含まれる所定の有効電力Pの区間ごとの所定の第2の近似式F2に基づいて、有効電力Pの検出値poごとに、運転可能領域A内の進相側の境界近傍であって低励磁制限境界B3よりも遅相側の無効電力Qの値を算出して、その値を有効電力Pの検出値poごとに対応する第5の設定値Q305として設定することができる。
次に、第5実施形態に係る無効電力制御装置(以下、単に「AQR」と略する)について、図1及び図9を参照しつつ説明する。第5実施形態に係るAQR405は、第1〜第4実施形態に係るAQR5,105,205,305の変形例である。特に、第5実施形態に係るAQR405は、過電流制限曲線B2と低励磁制限曲線B3とが交わる交点Yの有効電力Pの値pyが有効電力Pの定格値Prより小さい場合に適用される。また、AQR105の第1〜第4の設定値Q1〜Q4については、第1実施形態に係るAQR5の第1〜第4の設定値Q1〜Q4と同じであるため、その説明を省略し、第5の設定値Q405の設定方法について、詳細に説明する。
第5の設定値Q405は、図9(a)及び図9(b)に示すように、PT2及びCT3から検出された有効電力Pの検出値poに対応する無効電力Qの値を運転可能領域A内の進相側の境界に近似する近似式に基づいて算出される設定値(進相2段設定値;Q405)である。無効電力Qの値を算出する近似式は、低励磁制限曲線(低励磁制限境界)B3又は過電流制限曲線(過電流制限境界)B2よりも遅相側の無効電力Qが算出されるように、運転可能領域Aにおける低励磁制限曲線B3に近似する第1の式と過電流制限曲線B2に近似する第2の式とからなる。
具体的には、無効電力Qの値を算出する近似式(以下、「第5の近似式」と称する)F5は、有効電力検出手段51により、運転可能領域A内の有効電力Pの第1の検出値p1と該第1の検出値p1より小さい第2の検出値p3との間の有効電力Pの検出値poに対応する無効電力Qの値を第5の設定値Q405として算出可能な式であり、第1の検出値p1と第2の検出値p3との間を交点Yに対応する有効電力Pの値pyで分割し、この区間ごとに対応する無効電力Qを算出可能な第2の近似式F2により算出される無効電力Qの値を第5の設定値Q405として算出可能な下記の式である。なお、有効電力Pの第1の検出値p1は、発電機1の定格値prである。第2の検出値p3は、低励磁制限曲線B3において、系統運用上必要と判断される最大の進相側無効電力Qを出力する運転点に対応する有効電力Pの値である。
Figure 2013153598
このようにして、制御部53は、第1の式と第2の式とからなる2つの近似式からなる第5の近似式F5に基づいて、運転可能領域A内の進相側の境界近傍であって低励磁制限曲線B3又は過電流制限曲線B2よりも遅相側の無効電力Qの値を第5の設定値Q405として算出することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
第1〜第5実施形態に係るAQR5,105,205,305,405は、アナログ制御装置である例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、無効電力制御装置は、PLCなどによってデジタル制御可能に構成されたデジタル制御装置であってもよい。
第1〜第5実施形態に係るAQR5,105,205,305,405は、基準無効電力Q0の設定値Qnが5段階である例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、基準無効電力Qの設定値は、上記実施形態に係る第5の設定値のみから構成されていてもよい。なお、この第5の設定値に相当する設定値は、他の設定値より進相側に設けられていることが好ましい。
1…発電機、2…計器用変圧器(PT)、3…計器用変流器(CT)、4,4A…無効電力設定器(AQR設定器,運転モード選択手段)、5,105,205,305,405,5A…自動無効電力制御装置(AQR)、51…有効電力検出手段、52…無効電力検出手段、53…制御部、54…演算部、55…無効電力制御部、6…電圧設定器(90R)、7…自動電圧調整装置(AVR)、8…励磁装置、Vg…発電機の出力電圧、Ig…発電機の出力電流、Ie…励磁電流、P…有効電力、Q…無効電力、po…有効電力の検出値、qo…無効電力の検出値、pr…有効電力の定格値、qr…無効電力の定格値、Q0…基準無効電力、+Q…無効電力(遅相)、−Q…無効電力(進相)、Qn…基準無効電力Qの設定値、△q…偏差量、△V…調整電圧値、A…運転可能領域、B…運転可能曲線、B1…過励磁制限曲線(過励磁制限境界)、B2…過電流制限曲線(過電流制限境界)、B3…低励磁制限曲線(低励磁制限境界)、F1…第1近似式、F2…第2近似式、F3…第3近似式、F4…第4近似式、F5…第5近似式

Claims (10)

  1. 発電機から出力される無効電力Qを発電機の運転状態に応じて設定される所定の設定値となるように発電機を励磁して発電機の電圧を調整可能な自動電圧調整手段を用いて、発電機から出力される無効電力Qの値を前記所定の設定値に設定しつつ、発電機の出力が発電機を安全に運転するために設けられる運転可能領域内となるように制御する制御部を備える無効電力制御装置であって、
    制御部は、発電機から出力される有効電力Pを検出する有効電力検出手段による有効電力Pの検出値に対応する無効電力Qの値を運転可能領域内の進相側の境界に近似する近似式に基づいて算出し、この無効電力Qの値を前記所定の設定値として自動電圧調整手段に設定することにより発電機を制御することを特徴とする無効電力制御装置。
  2. 運転可能領域は、発電機の低励磁状態による制限によって決定される低励磁制限境界、発電機の過励磁状態による制限によって決定される過励磁制限境界、及び、発電機の過電流状態による制限によって決定される過電流制限境界により形成され、且つ、有効電力Pが正の値の領域であって、
    無効電力Qの値を算出する近似式は、低励磁制限境界よりも遅相側の無効電力Qが算出されるように、運転可能領域における低励磁制限境界に近似する式である請求項1に記載の無効電力制御装置。
  3. 無効電力Qの値を算出する近似式は、有効電力検出手段により、運転可能領域内の有効電力Pの第1の検出値と該第1の検出値より小さい第2の検出値との間の有効電力Pの検出値に対応する無効電力Qの値を前記所定の設定値として算出可能な式であり、

    Figure 2013153598
    からなる式であって、定数a1,b1及びc1が進相側の運転可能領域に近似するように決定される請求項1又は2に記載の無効電力制御装置。
  4. 無効電力Qの値を算出する近似式は、有効電力検出手段により、運転可能領域内の有効電力Pの第1の検出値と該第1の検出値より小さい第2の検出値との間の有効電力Pの検出値に対応する無効電力Qの値を前記所定の設定値として算出可能な式であり、
    Figure 2013153598
    からなる式であって、定数b2及びc2が進相側の運転可能領域に近似するように決定される請求項1又は2に記載の無効電力制御装置。
  5. 無効電力Qの値を算出する近似式は、有効電力検出手段により、運転可能領域内の有効電力Pの第1の検出値と該第1の検出値より小さい第2の検出値との間の有効電力Pの検出値に対応する無効電力Qの値を前記所定の設定値として算出可能な式であり、
    第1の検出値と第2の検出値との間を複数の区間に分割し、この区間ごとに対応する無効電力Qを算出可能な式である請求項1又は2に記載の無効電力制御装置。
  6. 無効電力Qの値を算出する近似式は、有効電力検出手段により、運転可能領域内の有効電力Pの第1の検出値と該第1の検出値より小さい第2の検出値との間の有効電力Pの検出値に対応する無効電力Qの値を前記所定の設定値として算出可能な式であり、
    第1の検出値と第2の検出値との間を複数の区間に分割し、この区間ごとに対応する無効電力Qを算出可能な請求項3又は4に記載の式である請求項1又は2に記載の無効電力制御装置。
  7. 有効電力Pの第1の検出値は、発電機の定格値である請求項3〜6のいずれか1項に記載の無効電力制御装置。
  8. 無効電力Qの値を算出する近似式は、低励磁制限境界又は過電流制限境界よりも遅相側の無効電力Qが算出されるように、運転可能領域における低励磁制限境界に近似する第1の式と過電流制限境界に近似する第2の式とからなる請求項1に記載の無効電力制御装置。
  9. 有効電力検出手段により検出される有効電力Pの検出値に対応する無効電力Qの値を請求項1〜8のいずれか1項に記載の近似式に基づいて算出し、この無効電力Qの値を前記所定の設定値として自動電圧調整手段に設定して発電機を運転する第1の運転モードと、有効電力Pの検出値に関係なく一定の無効電力Qの値を前記所定の設定値として自動電圧調整手段に設定して発電機を運転する第2の運転モードと、を選択可能な運転モード選択手段を備える請求項1〜8のいずれか1項に記載の無効電力制御装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の無効電力制御装置を用いて発電機を運転する方法であって、
    有効電力検出手段により発電機から出力される有効電力Pを検出する第1のステップと、
    無効電力制御装置の制御部により有効電力検出手段が検出した有効電力Pの検出値に対応する無効電力Qの値を運転可能領域内の進相側の境界に近似する近似式に基づいて算出する第2のステップと、
    無効電力制御装置の制御部によりこの算出された無効電力Qの値を前記所定の設定値として自動電圧調整手段により設定する第3のステップと、
    無効電力制御装置が設定した無効電力Qの前記所定の設定値となるように自動電圧調整手段を調整する第4のステップと、
    自動電圧調整手段により発電機から出力される無効電力Qを調整する第5のステップと、
    を備えることを特徴とする無効電力制御装置を用いて発電機を運転する方法。
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