JP2016201940A - 自動電圧調整システム及び自動電圧調整方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】水力発電所において系統母線の電圧及び配変母線の電圧の双方を考慮し、発電機の進相運転機能で無効電力を調整する自動電圧調整システム及び自動電圧調整方法を提供すること。【解決手段】送電線Aを介して上位系電気所Bと接続された水力発電所における系統母線2の電圧を調整する自動電圧調整システム1は、系統母線2に接続され、進相運転により無効電力を調整可能な発電機7と、一端が前記系統母線に接続され、他端が負荷側の配変母線3と接続され、配変母線3の電圧を調整する変圧器と、発電機7の進相運転及び変圧器10による配変母線3の電圧変動量を制御する自動電圧調整装置17と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、自動電圧調整システム及び自動電圧調整方法に関する。
従来より、水力発電所は、立地上の理由から、上位系電気所からかなり離れた場所に建設されている。そのため、フェランチ効果や軽負荷等によって進相無効電力が余剰し、水力発電所の系統母線の電圧が上昇しやすい。また、発電所の系統母線の電圧が上昇すると、同一の系統母線に接続している配変母線の電圧にも影響を与える。
余剰の進相無効電力を上位系電気所の変圧器のタップ等を用いて調整すると、上位系電気所の系統母線全体の電圧が下がり、広域に影響を与えてしまう。そのため、水力発電所では、発電機の進相運転機能で無効電力を吸収して調整している。無効電力の調整を行うための技術としては、例えば、特許文献1及び2のような技術が挙げられる。
特許文献1には、昇圧変圧器に負荷時タップ切替器を設け、タップを調整することで出力電圧や無効電力の制御を行うことによって系統への影響を低減する技術が提案されている。特許文献2には、電圧及び無効電力の制御目標値との偏差から変圧器タップや調相設備等を制御する技術が提案されている。
特許文献1及び2で提案されている技術は、無効電力の調整を行うという点で類似しているが、水力発電所の系統母線に関するものではない。そのため、特許文献1及び2で提案されている技術を水力発電所に適用するには、設備の構成及び運用を大幅に変更することになるため、コスト面及び設備の運用面から困難である。また、無効電力の調整を行う際には、系統母線の電圧だけでなく、水力発電所に接続する下位系統の配変母線の電圧への影響も考慮する必要がある。
したがって、水力発電所において系統母線の電圧及び配変母線の電圧の双方を考慮し、発電機の進相運転機能で無効電力を調整することが求められている。
そこで、本発明は、水力発電所において系統母線の電圧及び配変母線の電圧の双方を考慮し、発電機の進相運転機能で無効電力を調整することができる自動電圧調整システム及び自動電圧調整方法を提供する。
本発明の自動電圧調整システムは、送電線を介して上位系電気所と接続された水力発電所における系統母線の電圧を調整する自動電圧調整システムであって、前記系統母線に接続され、進相運転により無効電力を調整可能な発電機と、一端が前記系統母線に接続され、他端が負荷側の配変母線と接続され、前記配変母線の電圧を調整する変圧器と、前記発電機の進相運転及び前記変圧器による前記配変母線の電圧変動量を制御する自動電圧調整装置と、を備え、前記自動電圧調整装置は、前記系統母線の電圧が許容電圧を逸脱したことを検出する電圧検出部と、前記電圧検出部により前記許容電圧を逸脱したことが検出された場合、前記系統母線、前記配変母線及び前記発電機に関する初期データを設定する設定部と、前記設定部により設定された前記初期データに基づいて、前記系統母線の電圧を調整するための無効電力を算出する無効電力算出部と、前記無効電力算出部により算出された前記無効電力に基づいて、前記発電機が進相運転に必要な段数の候補を抽出する段数抽出部と、前記設定部により設定された前記初期データ及び前記無効電力算出部により算出された前記無効電力に基づいて、前記配変母線の前記変圧器の調整量として前記変圧器のタップ調整量を算出する変動量算出部と、前記段数抽出部により抽出された前記段数の候補及び前記変動量算出部により算出された前記変圧器のタップ調整量に基づいて、前記発電機の進相運転に最適な段数を決定する段数決定部と、前記段数決定部により決定された前記段数に応じて前記発電機に進相運転を行わせる発電機制御部と、を有することを特徴とする。
この発明によれば、発電機、系統母線及び配変母線に関する初期データ及び系統母線の電圧に基づいて、系統母線の電圧を調整するための無効電力を算出し、算出された無効電力に基づいて、発電機が進相運転に必要な段数の候補を抽出し、初期データ、系統母線の電圧及び算出された無効電力に基づいて、配変母線の変圧器の調整量として変圧器のタップ調整量を算出し、抽出された段数の候補及び変圧器のタップ調整量に基づいて、発電機の進相運転に最適な段数を決定し、決定された前記段数に応じて発電機に進相運転を行わせる。
これにより、系統母線の許容電圧及び配変母線の許容電圧の両方にとって適切な電圧で発電機の進相運転を行うことができる。よって、系統母線及び配変母線における良好な電力品質を維持することができる。
また、前記自動電圧調整装置は、前記発電機において選択可能な段数のうちの最大段数を電圧変動幅として選択する最適制御モードと、前記発電機において選択可能な段数のうちの最小段数を電圧変動幅として選択する電圧変化幅最小モードと、を選択する電圧変動幅選択部を更に備えることが好ましい。これにより、系統母線の状態に応じて発電機における進相運転の段数をより好適に設定することができる。
また、前記変圧器は、前記変圧器を遅延させずに動作させるための不感帯ゼロモードを有し、前記自動電圧調整装置は、前記変動量算出部により算出された前記変圧器のタップ調整量に基づいて、前記変圧器により前記配変母線の電圧を調整する必要があるか否かを判定し、前記変圧器が前記配変母線の電圧を調整する必要がある場合には、前記変圧器を不感帯ゼロモードにを切り替える切替部を更に備えることが好ましい。これにより、変圧器の遅延用の90リレーの不感帯により変圧器の動作に遅れが生じ、配変母線の電圧が許容範囲を逸脱してしまう時間を短縮することができる。よって、配変母線における良好な電力品質を維持することができる。
また、前記切替部は、前記変圧器を不感帯ゼロモードに切り替えた後に、前記系統母線の電圧が許容電圧の範囲内と判定された場合、不感帯ゼロモードを解除することが好ましい。これにより、系統母線の電圧が安定した後には、不感帯ゼロモードを解除することにより変圧器の設定を元の状態に戻し、通常の系統母線及び配変母線の運用を維持することができる。
また、前記自動電圧調整装置は、前記段数決定部により決定された前記段数で前記発電機に進相運転を行わせることができない場合、又は前記段数決定部により決定された前記段数で前記発電機に進相運転を行わせた後にも前記電圧検出部により前記許容電圧を逸脱したことが検出された場合には、警報表示のための信号を出力する警報表示出力部を更に備えることが好ましい。これにより、水力発電所や、制御所等の運転員に対して系統母線及び/又は配変母線の異常を好適に報知することができる。
本発明の自動電圧調整方法は、送電線を介して上位系電気所と接続された水力発電所における系統母線の電圧を自動電圧調整システムによって調整する自動電圧調整方法であって、前記自動電圧調整システムは、前記系統母線に接続され、進相運転により無効電力を調整可能な発電機と、一端が前記系統母線に接続され、他端が負荷側の配変母線と接続され、前記配変母線の電圧を調整する変圧器と、前記発電機の進相運転及び前記変圧器による前記配変母線の電圧変動量を制御する自動電圧調整装置と、を備え、前記電圧調整方法は、前記系統母線の電圧が許容電圧を逸脱したことを検出する電圧検出ステップと、前記電圧検出ステップにより前記許容電圧を逸脱したことが検出された場合、前記系統母線、前記配変母線及び前記発電機に関する初期データを設定する設定ステップと、前記設定ステップにより設定された前記初期データに基づいて、前記系統母線の電圧を調整するための無効電力を算出する無効電力算出ステップと、前記無効電力算出ステップにより算出された前記無効電力に基づいて、前記発電機が進相運転に必要な段数の候補を抽出する段数抽出ステップと、前記設定ステップにより設定された前記初期データ及び前記無効電力算出部により算出された前記無効電力に基づいて、前記配変母線の前記変圧器の調整量として前記変圧器のタップ調整量を算出する変動量算出ステップと、前記段数抽出ステップにより抽出された前記段数の候補及び前記変動量算出ステップにより算出された前記変圧器のタップ調整量に基づいて、前記発電機の進相運転に最適な段数を決定する段数決定ステップと、前記段数決定ステップにより決定された前記段数に応じて前記発電機に進相運転を行わせる発電機制御ステップと、を有することを特徴とする。
本発明によれば、水力発電所において系統母線の電圧及び配変母線の電圧の双方を考慮し、発電機の進相運転機能で無効電力を調整する自動電圧調整システム及び自動電圧調整方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る自動電圧調整システム1の構成を示す概略図である。図1に示すように、自動電圧調整システム1は、系統母線2と、配変母線3と、1次遮断器4と、変圧器5と、計器用変流器6と、発電機7と、計器用変圧器8と、1次遮断器9と、変圧器10と、計器用変流器11と、2次遮断器12と、計器用変圧器13と、遠隔監視制御装置14と、LRタップ調整器15と、発電機電圧・無効電力調整器16と、自動電圧調整装置17と、を備える。
図1は、本発明の一実施形態に係る自動電圧調整システム1の構成を示す概略図である。図1に示すように、自動電圧調整システム1は、系統母線2と、配変母線3と、1次遮断器4と、変圧器5と、計器用変流器6と、発電機7と、計器用変圧器8と、1次遮断器9と、変圧器10と、計器用変流器11と、2次遮断器12と、計器用変圧器13と、遠隔監視制御装置14と、LRタップ調整器15と、発電機電圧・無効電力調整器16と、自動電圧調整装置17と、を備える。
系統母線2は、水力発電所に設けられた母線である。系統母線2は、送電線Aを介して上位系電気所Bと接続される。
配変母線3は、1次遮断器9、変圧器10、計器用変流器11及び2次遮断器12を介して系統母線2と接続される。また、配変母線3は、負荷側と接続される。
配変母線3は、1次遮断器9、変圧器10、計器用変流器11及び2次遮断器12を介して系統母線2と接続される。また、配変母線3は、負荷側と接続される。
1次遮断器4は、一端が系統母線2と接続され、他端が変圧器5と接続される。また、1次遮断器4は、自動電圧調整装置17と通信接続される。
変圧器5は、一端が1次遮断器4と接続され、他端が、計器用変流器6と接続される。変圧器5は、配電用変圧器(#1Tr)である。
変圧器5は、一端が1次遮断器4と接続され、他端が、計器用変流器6と接続される。変圧器5は、配電用変圧器(#1Tr)である。
計器用変流器6は、一端が変圧器5と接続され、他端が発電機7と接続される。
発電機7は、水力発電所において発電を行い、発電した電力を系統母線2、送電線A等を介して供給する。発電機7は、計器用変流器6と接続される。また、発電機7は、遠隔監視制御装置14、発電機電圧・無効電力調整器16及び自動電圧調整装置17と通信接続される。発電機7は、後述するように進相運転により無効電力を調整可能である。
発電機7は、水力発電所において発電を行い、発電した電力を系統母線2、送電線A等を介して供給する。発電機7は、計器用変流器6と接続される。また、発電機7は、遠隔監視制御装置14、発電機電圧・無効電力調整器16及び自動電圧調整装置17と通信接続される。発電機7は、後述するように進相運転により無効電力を調整可能である。
計器用変圧器8は、系統母線2及び遠隔監視制御装置14と接続される。
1次遮断器9は、一端が系統母線2と接続され、他端が変圧器10と接続される。また、1次遮断器9は、自動電圧調整装置17と通信接続される。
1次遮断器9は、一端が系統母線2と接続され、他端が変圧器10と接続される。また、1次遮断器9は、自動電圧調整装置17と通信接続される。
変圧器10は、一端が1次遮断器9と接続され、他端が、計器用変流器11と接続される。また、変圧器10は、自動電圧調整装置17と通信接続される。
変圧器10は、一端が1次遮断器9と接続され、他端が、計器用変流器11と接続される。変圧器10は、自動電圧調整装置17と通信接続される。また、変圧器10は、配電用変圧器(#3Tr)である。
変圧器10は、一端が1次遮断器9と接続され、他端が、計器用変流器11と接続される。変圧器10は、自動電圧調整装置17と通信接続される。また、変圧器10は、配電用変圧器(#3Tr)である。
変圧器10は、負荷時タップ切替器(LR(Load Regulation)ともいう)を有しており、タップの段数を切り替えることにより配変母線2の電圧を調整することができる。切り替え動作には、LR手動又はLR自動があり、LR手動は、担当者が手動で負荷時タップ切替器を動かすものである。また、LR自動は、LRタップ調整器15又は自動電圧調整装置17によって自動的に負荷時タップ切替器を動作させるものである。
計器用変流器11は、一端が変圧器10と接続され、他端が2次遮断器12と接続される。
2次遮断器12は、一端が計器用変流器11と接続され、他端が配変母線3と接続される。
計器用変圧器13は、配変母線3と接続される。また、計器用変圧器13は、遠隔監視制御装置14と通信接続される。
2次遮断器12は、一端が計器用変流器11と接続され、他端が配変母線3と接続される。
計器用変圧器13は、配変母線3と接続される。また、計器用変圧器13は、遠隔監視制御装置14と通信接続される。
遠隔監視制御装置14は、電圧・電流検出部14aを有しており、水力発電所の遠隔制御を行う。具体的には、遠隔監視制御装置14の電圧・電流検出部14aは、計器用変圧器8により系統母線2の電圧を検出し、計器用変圧器13により配変母線3の電圧を検出する。
また、電圧・電流検出部14aは、計器用変流器6により発電機7からの出力電流を検出し、変圧器10からの出力電流を計器用変流器11により検出する。
遠隔監視制御装置14は、例えば、電圧・電流検出部14aで検出した出力電圧及び出力電流の値をLRタップ調整器15、発電機電圧・無効電力調整器16、自動電圧調整装置17、水力発電所と接続された制御所C等へ通知する。
また、電圧・電流検出部14aは、計器用変流器6により発電機7からの出力電流を検出し、変圧器10からの出力電流を計器用変流器11により検出する。
遠隔監視制御装置14は、例えば、電圧・電流検出部14aで検出した出力電圧及び出力電流の値をLRタップ調整器15、発電機電圧・無効電力調整器16、自動電圧調整装置17、水力発電所と接続された制御所C等へ通知する。
ここで、電力品質を一定に維持するために、系統母線2には許容電圧(上限値及び下限値)が設定されている。遠隔監視制御装置14は、電圧・電流検出部14aで検出される出力電圧に基づいて系統母線2の電圧が許容電圧を逸脱したことを検出する。そして、遠隔監視制御装置14は、系統母線2の電圧が許容電圧を逸脱したことを検出すると、自動電圧調整装置17を起動する。
LRタップ調整器15は、電圧検出部15aを有する。LRタップ調整器15は、LR自動に設定されている場合には、電圧検出部15aにより遠隔監視制御装置14を介して通知された配変母線3の電圧の値に基づいて変圧器10の負荷時タップ切替器を動作させる。
発電機電圧・無効電力調整器16は、電圧・電流検出部16aを有する。発電機電圧・無効電力調整器16は、遠隔監視制御装置14から発電機7の出力電圧及び出力電流を電圧・電流検出部16aにより検出し、発電機7の出力電圧及び出力電流に基づいて無効電力を算出する。そして、発電機電圧・無効電力調整器16は、算出した無効電力を基準無効電力と比較し、偏差があった場合には、無効電力が一定となるように発電機7の出力電圧を制御する。このように発電機電圧・無効電力調整器16は、系統母線2に出力する無効電力を設定する。
上述したLRタップ調整器15及び発電機電圧・無効電力調整器16の動作は、自動電圧調整装置17が起動されていない場合、すなわち、自動電圧調整装置17を使用しない場合における変圧器10のタップ切り替え動作及び発電機7の無効電力の設定動作に関するものである。
本実施形態に係る自動電圧調整システム1は、自動電圧調整装置17が起動されている場合、すなわち、自動電圧調整装置17を使用する場合には、以下に説明するように、LRタップ調整器15及び発電機電圧・無効電力調整器16ではなく、自動電圧調整装置17の制御によって発電機7の進相運転及び変圧器10による配変母線3の電圧変動量を自動的に制御する。
本実施形態に係る自動電圧調整システム1は、自動電圧調整装置17が起動されている場合、すなわち、自動電圧調整装置17を使用する場合には、以下に説明するように、LRタップ調整器15及び発電機電圧・無効電力調整器16ではなく、自動電圧調整装置17の制御によって発電機7の進相運転及び変圧器10による配変母線3の電圧変動量を自動的に制御する。
ここで、図2を参照しながら上位系電気所から離れた距離にある水力発電所における系統母線2の進相無効電力の調整について説明する。図2は、水力発電所における系統母線2の進相無効電力の調整について説明するための模式図である。
図2に示すように、水力発電所は、立地上の理由から、上位系電気所からかなり離れた場所に建設されている。そのため、フェランチ効果や軽負荷等によって進相無効電力が余剰しやすい。すなわち、図2の(1)に示すように、水力発電所の系統母線2の電圧が上昇し、系統母線2の電圧の上限値を超えてしまう。また、系統母線2の電圧が上限値を超えると、配変母線3の電圧の上限値等にも影響を与えてしまう。
系統母線2の電圧が上限値から逸脱しないように電圧を調整するために、上位系電気所の変圧器(図2では、LRTの記号で示す)により電圧を調整することが考えられる。しかし、図2の(2)に示すように、上位系電気所の変圧器(LRT)によって系統母線2の電圧を下げようとすると、上位系電気所の系統母線の電圧が下限値を下回ってしまう。上位系電気所の系統母線の電圧が下限値を下回ると、広域に電圧が下がってしまう。
そこで、発電機7の進相運転によって進相無効電力を吸収することが考えられる。図2の(3)に示すように、発電機7の進相運転によって進相無効電力を吸収することにより、上位系電気所の系統母線の電圧を維持したまま、系統母線2の電圧を上限値から下げることができる。また、系統母線2の電圧が変動すると、配変母線3の電圧にも影響を与えるため、系統母線2の電圧に応じて配変母線2の電圧も許容範囲内となるように調整することが必要となる。
なお、系統母線2の無効電力を調整するために、系統母線2に接続された変圧器のタップにより無効電力を調整する手法も考えられる。しかし、変圧器のタップによる無効電力の調整では無効電力の発生及び消費がないため、発電機7によって無効電力を調整することが好ましい。
なお、系統母線2の無効電力を調整するために、系統母線2に接続された変圧器のタップにより無効電力を調整する手法も考えられる。しかし、変圧器のタップによる無効電力の調整では無効電力の発生及び消費がないため、発電機7によって無効電力を調整することが好ましい。
発電機7の励磁電流(遅相・進相)による無効電力の調整には、系統母線に放出する無効電力を設定するAQR(Automatic reactive Power(Q) Regulator)運転と、電圧を維持するように無効電力を設定するAVR(Automatic Voltage Regulator)運転とがある。
本発明では、上述したように、系統母線2の進相無効電力の調整を目的としているため、系統母線に放出する無効電力を設定するAQR運転の方式を用いて発電機7の進相運転を行う。
本発明では、上述したように、系統母線2の進相無効電力の調整を目的としているため、系統母線に放出する無効電力を設定するAQR運転の方式を用いて発電機7の進相運転を行う。
図1に戻り、自動電圧調整装置17の構成について更に説明する。図1に示すように、自動電圧調整装置17は、電圧検出部171と、設定部172と、無効電力算出部173と、段数抽出部174と、変動量算出部175と、段数決定部176と、電圧変動幅選択部177と、切替部178と、発電機制御部179と、警報表示出力部180と、表示部181と、記憶部182と、を備える。自動電圧調整装置17は、例えば、操作装置、記憶装置、制御装置等から構成される。
電圧検出部171は、遠隔監視制御装置14からの通知により系統母線2の電圧が許容電圧を逸脱したことを検出する。
設定部172は、電圧検出部171により許容電圧を逸脱したことが検出された場合、系統母線2、配変母線3及び発電機7に関する初期データを設定する。
設定部172は、電圧検出部171により許容電圧を逸脱したことが検出された場合、系統母線2、配変母線3及び発電機7に関する初期データを設定する。
無効電力算出部173は、設定部172により設定された初期データに基づいて、系統母線2の電圧を調整するための無効電力を算出する。
段数抽出部174は、無効電力算出部173により算出された無効電力に基づいて、発電機7が進相運転に必要な段数の候補を抽出する。
段数抽出部174は、無効電力算出部173により算出された無効電力に基づいて、発電機7が進相運転に必要な段数の候補を抽出する。
変動量算出部175は、設定部172により設定された初期データ及び無効電力算出部173により算出された無効電力に基づいて、配変母線3の変圧器10の調整量として変圧器10のタップ調整量を算出する。
段数決定部176は、段数抽出部174により抽出された段数の候補及び変動量算出部175により算出された変圧器10のタップ調整量に基づいて、発電機7の進相運転に最適な段数を決定する。
電圧変動幅選択部177は、発電機7において選択可能な段数のうちの最大段数を電圧変動幅として選択する最適制御モードと、発電機7において選択可能な段数のうちの最小段数を電圧変動幅として選択する電圧変化幅最小モードと、を選択する。
切替部178は、変動量算出部175により算出された変圧器10のタップ調整量に基づいて、変圧器10により配変母線の電圧を調整する必要があるか否かを判定し、変圧器10が配変母線3の電圧を調整する必要がある場合には、変圧器10を不感帯ゼロモードに切り替える。
ここで、不感帯ゼロモードとは、変圧器10に設けられた遅延用の90リレーの不感帯をゼロに設定するモードである。不感帯ゼロモードに切り替えることにより、変圧器10は、90リレーの不感帯による配変母線3の電圧調整に遅れを生じることなく、即座に電圧調整を行うことができる。
ここで、不感帯ゼロモードとは、変圧器10に設けられた遅延用の90リレーの不感帯をゼロに設定するモードである。不感帯ゼロモードに切り替えることにより、変圧器10は、90リレーの不感帯による配変母線3の電圧調整に遅れを生じることなく、即座に電圧調整を行うことができる。
発電機制御部179は、段数決定部176により決定された段数に応じて発電機7に進相運転を行わせる。
警報表示出力部180は、段数決定部176により決定された段数で発電機7に進相運転を行わせることができない場合、又は段数決定部176により決定された段数で発電機7に進相運転を行わせた後にも電圧検出部171により許容電圧を逸脱したことが検出された場合には、警報表示のための信号を表示部181、制御所C等へ出力する。
表示部181は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)パネルで構成され、警報表示出力部180により出力された信号に基づいて、警報表示を行う。また、表示部181は、測定情報や時刻情報、設定情報等の各種情報を表示する。
記憶部182は、各種情報を記憶する。具体的には、記憶部182は、系統母線2及び配変母線3の目標電圧及び許容電圧、変圧器10のタップの諸元表、発電機7の無効電力対照表等を記憶する。
記憶部182は、各種情報を記憶する。具体的には、記憶部182は、系統母線2及び配変母線3の目標電圧及び許容電圧、変圧器10のタップの諸元表、発電機7の無効電力対照表等を記憶する。
次に、図3から図6を参照しながら本実施形態に係る自動電圧調整システム1の処理について説明する。図3は、本実施形態に係る自動電圧調整システム1の処理について示すフローチャートである。図4は、変圧器10のタップの諸元表である。図5は、調整無効電力を算出するための式を示す図である。図6は、発電機7の無効電力対照表である。
ステップS1において、遠隔監視制御装置14は、系統母線2の電圧が許容電圧の値(上限値又は下限値)を逸脱したことを検出する。
ステップS2において、遠隔監視制御装置14は、発電機7が運転中であるか否かを判定する。発電機7が運転中である場合(YES)には、ステップS4へ進む。発電機7が運転中でない場合(NO)には、ステップS3へ進む。
ステップS3において、遠隔監視制御装置14は、水力発電所における調整手段が無いと判断し、表示部181及び/又は制御所Cの表示装置に水力発電所における調整手段が無いことを示す表示を行う。そして、当該表示を参照した水力発電所及び/又は制御所Cの担当者は、発電機7の起動の可否の検討、他の電気所の電圧調整の検討等の他の調整を検討する。
ステップS4において、遠隔監視制御装置14は、自動電圧調整装置17を使用するように設定されているか否かを判定する。自動電圧調整装置17を使用する場合(YES)には、ステップS6へ進む。自動電圧調整装置17を使用しない場合(NO)には、ステップS5へ進む。
ステップS5において、自動電圧調整装置17を使用しないため、LRタップ調整器15又は手動により変圧器10の電圧調整を行う。また、発電機電圧・無効電力調整器16により発電機7の進相運転を行う。
ステップS6において、遠隔監視制御装置14は、自動電圧調整装置17を起動する。そして、自動電圧調整装置17の電圧検出部171は、遠隔監視制御装置14からの通知により系統母線2の電圧が許容電圧を逸脱したことを検出する。自動電圧調整装置17の設定部172は、系統母線2、配変母線3及び発電機7に関する初期データを設定する。
具体的には、設定部172は、初期データとして、系統母線2の短絡容量、発電機7の進相運転段数ごとの無効電力、系統母線2の目標電圧、系統母線2の許容電圧上限、変圧器10のタップ値及びタップ比、タップ値及び電圧調整幅、変圧器10のパーセントインピーダンス(%Z)、系統母線2の現在の電圧、配変母線3の現在の電圧、配変母線3の無効電力、発電機7の段数等を設定する。
なお、変圧器10のタップ値は、図4に示すように、一次側電圧、二次側電圧及びタップ比と関連付けて記憶される。また、タップ値は、電圧降下法を使用した予測処理で算出することが可能である。すなわち、タップ値は、電圧降下法を使用し、予測対象となる変圧器の1次側電圧、無効電力、パーセントインピーダンス(%Z)及び2次側電圧に基づいて算出される。
なお、変圧器10のタップ値は、図4に示すように、一次側電圧、二次側電圧及びタップ比と関連付けて記憶される。また、タップ値は、電圧降下法を使用した予測処理で算出することが可能である。すなわち、タップ値は、電圧降下法を使用し、予測対象となる変圧器の1次側電圧、無効電力、パーセントインピーダンス(%Z)及び2次側電圧に基づいて算出される。
ステップS7において、無効電力算出部173は、初期データに基づいて、系統母線2の電圧を調整するための系統母線2の目標調整無効電力及び最小調整無効電力を算出する。
具体的には、無効電力算出部173は、以下のような式を用いて無効電力を算出する。
系統母線2の目標調整電圧ΔVbest(V)=目標電圧V00−現在電圧V
系統母線2の最小調整電圧ΔVmin(V)=許容電圧上限V01−現在電圧V
系統母線2の目標調整無効電力ΔQbest=ΔVbest×短絡容量Ps/(ΔVbest+現在電圧V)
系統母線2の最小調整無効電力ΔQmin=ΔVmin×Ps/(ΔVmin+現在電圧V)
ここで、無効電力ΔQは、図5に示すように、無効電力ΔQ=調整電圧ΔV×短絡容量Ps/(調整電圧ΔV+現在電圧V)として算出することができる。
具体的には、無効電力算出部173は、以下のような式を用いて無効電力を算出する。
系統母線2の目標調整電圧ΔVbest(V)=目標電圧V00−現在電圧V
系統母線2の最小調整電圧ΔVmin(V)=許容電圧上限V01−現在電圧V
系統母線2の目標調整無効電力ΔQbest=ΔVbest×短絡容量Ps/(ΔVbest+現在電圧V)
系統母線2の最小調整無効電力ΔQmin=ΔVmin×Ps/(ΔVmin+現在電圧V)
ここで、無効電力ΔQは、図5に示すように、無効電力ΔQ=調整電圧ΔV×短絡容量Ps/(調整電圧ΔV+現在電圧V)として算出することができる。
ステップS8において、段数抽出部174は、記憶部182に記憶された段数無効電力対照表及び無効電力算出部173により算出された無効電力に基づいて、発電機7が進相運転に必要な段数の候補を抽出する。図4に示すように、無効電力対照表は、発電機7の進相運転段数と無効電力(MVar)とを関連付けて記憶している。
具体的には、段数抽出部174は、図4に示す段数無効電力対照表を参照し、無効電力算出部173により算出された目標調整無効電力ΔQbestと最小調整無効電力ΔQminとの間に存在する無効電力の段数の候補を抽出する。
例えば、目標調整無効電力ΔQbest=−12.6(MVar)であり、最小調整無効電力ΔQmin=−3.3(MVar)である場合には、段数抽出部174は、図4の段数無効電力対照表を参照し、発電機7が進相運転に必要な段数の候補として、段数4段・無効電力−4(MVar)、段数5段・無効電力−5(MVar)及び段数6段・無効電力−6(MVar)を抽出する。
例えば、目標調整無効電力ΔQbest=−12.6(MVar)であり、最小調整無効電力ΔQmin=−3.3(MVar)である場合には、段数抽出部174は、図4の段数無効電力対照表を参照し、発電機7が進相運転に必要な段数の候補として、段数4段・無効電力−4(MVar)、段数5段・無効電力−5(MVar)及び段数6段・無効電力−6(MVar)を抽出する。
ステップS9において、変動量算出部175は、設定部172により設定された初期データ及び無効電力算出部173により算出された無効電力に基づいて、配変母線3の変圧器10の調整量として変圧器10のタップ調整量を算出する。
具体的には、系統母線2の電圧変化量及び配変母線3の電圧変化量は、以下の式を用いて算出される。
系統母線2の電圧変化量ΔVb=無効電力ΔQ×系統母線2の現在電圧/(短絡容量Ps−無効電力ΔQ)
配変母線3の電圧変化量ΔVd=ΔVb×タップ比
また、変圧器10のタップ調整量は、
必要電圧調整量=(配変母線3の許容範囲下限)−(配変母線3の現在電圧V+(ΔVd))
タップ調整量=必要電圧調整量/(1段のタップ操作で変化する二次側電圧)
のように算出される。
具体的には、系統母線2の電圧変化量及び配変母線3の電圧変化量は、以下の式を用いて算出される。
系統母線2の電圧変化量ΔVb=無効電力ΔQ×系統母線2の現在電圧/(短絡容量Ps−無効電力ΔQ)
配変母線3の電圧変化量ΔVd=ΔVb×タップ比
また、変圧器10のタップ調整量は、
必要電圧調整量=(配変母線3の許容範囲下限)−(配変母線3の現在電圧V+(ΔVd))
タップ調整量=必要電圧調整量/(1段のタップ操作で変化する二次側電圧)
のように算出される。
例えば、現在のタップ値が3、タップ比が0.2875(図5参照)、系統母線2の現在電圧=22.7kV、配変母線2の現在電圧=6.40kV(許容範囲下限6.32kV、上限6.65kV)、短絡容量Ps=192MVA、1段のタップ操作で変化する二次側電圧が90Vである場合には、
(a)発電機7が進相運転に必要な段数が4のとき、
ΔVb=−4×22.7/(192+4)=−0.463kV
ΔVd=−0.463×0.2875=−0.133kV
必要電圧調整量=6.32−(6.40−0.133)=0.533kV=53V
タップ調整量=53/90=0.59≒1
よって、変圧器10のタップの変化は、3から4となる。
(b)発電機7が進相運転に必要な段数が6のとき、
ΔVb=−6×22.7/(192+6)=−0.688kV
ΔVd=−0.688×0.2875=−0.198kV
必要電圧調整量=6.32−(6.40−0.198)=0.118kV=118V
タップ調整量=118/90=1.31≒2
よって、変圧器のタップの変化は、3から5となる。
(a)発電機7が進相運転に必要な段数が4のとき、
ΔVb=−4×22.7/(192+4)=−0.463kV
ΔVd=−0.463×0.2875=−0.133kV
必要電圧調整量=6.32−(6.40−0.133)=0.533kV=53V
タップ調整量=53/90=0.59≒1
よって、変圧器10のタップの変化は、3から4となる。
(b)発電機7が進相運転に必要な段数が6のとき、
ΔVb=−6×22.7/(192+6)=−0.688kV
ΔVd=−0.688×0.2875=−0.198kV
必要電圧調整量=6.32−(6.40−0.198)=0.118kV=118V
タップ調整量=118/90=1.31≒2
よって、変圧器のタップの変化は、3から5となる。
ステップS10において、段数決定部176は、段数抽出部174により抽出された段数の候補及び変動量算出部175により算出された変圧器10のタップ調整量に基づいて、発電機7の進相運転に最適な段数を決定する。
具体的には、段数決定部176は、変圧器10のタップ値の上限と変動量算出部175により算出された変圧器10のタップ調整量とを比較して、変圧器10のタップ値の上限以下となる変圧器10のタップ調整量を抽出する。そして、段数決定部176は、抽出した変圧器10のタップ調整量に対応する発電機7の段数を最適な段数として決定する。なお、最適な段数は、複数存在してもよい。
例えば、発電機7が進相運転に必要な段数が4から6、現在のタップ値が3、変圧器10のタップ調整量が1又は2、タップ上限値が17である場合には、タップ調整後のタップ値は4又は5である。タップ上限値が17であるため、段数決定部176は、変圧器10のタップ調整量1又は2を抽出する。よって、段数決定部176は、発電機7の進相運転に最適な段数を、変圧器10のタップ調整量1又は2に対応する段数4から6に決定する。
具体的には、段数決定部176は、変圧器10のタップ値の上限と変動量算出部175により算出された変圧器10のタップ調整量とを比較して、変圧器10のタップ値の上限以下となる変圧器10のタップ調整量を抽出する。そして、段数決定部176は、抽出した変圧器10のタップ調整量に対応する発電機7の段数を最適な段数として決定する。なお、最適な段数は、複数存在してもよい。
例えば、発電機7が進相運転に必要な段数が4から6、現在のタップ値が3、変圧器10のタップ調整量が1又は2、タップ上限値が17である場合には、タップ調整後のタップ値は4又は5である。タップ上限値が17であるため、段数決定部176は、変圧器10のタップ調整量1又は2を抽出する。よって、段数決定部176は、発電機7の進相運転に最適な段数を、変圧器10のタップ調整量1又は2に対応する段数4から6に決定する。
ステップS11において、段数決定部176は、ステップS10において決定された最適な段数が発電機7で進相運転を可能な段数であるかどうか判定する。進相運転を可能な段数である(YES)場合には、ステップS13へ進む。進相運転を行わせることができない段数である(NO)場合には、ステップS12へ進む。
ステップS12において、電圧変動幅選択部177は、発電機7において選択可能な段数のうちの最大段数を電圧変動幅として選択する最適制御モードと、発電機7において選択可能な段数のうちの最小段数を電圧変動幅として選択する電圧変化幅最小モードと、を選択する。例えば、電圧変動幅選択部177は、最適制御モードを選択した場合には、図6に示す無効電力対照表のうちの最大段数である6段を電圧変動幅として選択する。
ステップS13において、切替部178は、段数決定部176により決定された段数に基づいて、変圧器10により配変母線3の電圧を調整する必要がないか否かを判定する。配変母線3の電圧を調整する必要がない場合(YES)には、ステップS15へ進む。配変母線3の電圧を調整する必要がある場合(NO)には、ステップS14へ進む。
ステップS14において、切替部178は、変圧器10が配変母線3の電圧を調整する必要がある場合には、変圧器10を不感帯ゼロモードに切り替える。そして、切替部178は、変圧器10を不感帯ゼロモードに切り替えた後に、ステップS15へ処理を移す。
ステップS15において、発電機制御部179は、段数決定部176により決定された段数に応じて発電機7に進相運転を開始させる。
ステップS16において、遠隔監視制御装置14は、系統母線2の電圧が許容電圧の範囲内であるかどうかを判定する。系統母線2の電圧が許容電圧の範囲内である場合(YES)には、ステップS18へ進む。系統母線2の電圧が許容電圧の範囲内にない場合(NO)には、ステップS17へ進む。
ステップS17において、警報表示出力部180は、警報表示のための信号を表示部181及び制御所Cへ出力する。
具体的には、警報表示出力部180は、段数決定部176により決定された段数で発電機7に進相運転を行わせることができない場合、又は段数決定部176により決定された段数で発電機7に進相運転を行わせた後にも電圧検出部171により許容電圧を逸脱したことが検出された場合には、警報表示のための信号を表示部181、制御所C等へ出力する。そして、例えば、制御所Cの運転員は、制御所Cの表示装置に表示される警告表示を参照することができる。
具体的には、警報表示出力部180は、段数決定部176により決定された段数で発電機7に進相運転を行わせることができない場合、又は段数決定部176により決定された段数で発電機7に進相運転を行わせた後にも電圧検出部171により許容電圧を逸脱したことが検出された場合には、警報表示のための信号を表示部181、制御所C等へ出力する。そして、例えば、制御所Cの運転員は、制御所Cの表示装置に表示される警告表示を参照することができる。
ステップS18において、切替部178は、ステップS17において系統母線2の電圧が許容電圧の範囲内と判定されたため、不感帯ゼロモードに設定されている場合には、不感帯ゼロモードを解除し、その後、処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態に係る自動電圧調整システム1によれば、発電機7、系統母線2及び配変母線3に関する初期データに基づいて、系統母線2の電圧を調整するための無効電力を算出し、算出された無効電力に基づいて、発電機7が進相運転に必要な段数の候補を抽出し、初期データ及び算出された無効電力に基づいて、配変母線3の変圧器10の調整量として変圧器10のタップ調整量を算出し、抽出された段数の候補及び変圧器10のタップ調整量に基づいて、発電機7の進相運転に最適な段数を決定し、決定された段数に応じて発電機7に進相運転を行わせる。
これにより、自動電圧調整システム1は、系統母線2の許容電圧の及び配変母線3の許容電圧の両方にとって適切な電圧で発電機の進相運転を行うことができる。よって、自動電圧調整システム1は、系統母線2及び配変母線3における良好な電力品質を維持することができる。また、自動電圧調整システム1は、既存設備に自動電圧調整装置17を追加することで実現することができるため、コスト面及び運用面で有利となる。
また、自動電圧調整システム1の自動電圧調整装置17は、発電機7において選択可能な段数のうちの最大段数を電圧変動幅として選択する最適制御モードと、発電機7において選択可能な段数のうちの最小段数を電圧変動幅として選択する電圧変化幅最小モードと、を選択する。これにより、自動電圧調整システム1は、発電機7における進相運転の段数をより好適に設定することができる。
また、自動電圧調整装置17は、算出された変圧器10のタップ調整量に基づいて、配変母線3の電圧を調整する必要があるか否かを判定し、配変母線3の電圧を調整する必要がある場合には、変圧器10を不感帯ゼロモードにを切り替える。これにより、変圧器10の遅延用の90リレーの不感帯により変圧器の動作に遅れが生じ、配変母線3の電圧が許容範囲を逸脱してしまう時間を短縮することができる。よって、自動電圧調整システム1は、配変母線における良好な電力品質を維持することができる。
また、自動電圧調整装置17は、変圧器10を不感帯ゼロモードに切り替えた後に、系統母線2の電圧が許容電圧の範囲内と判定された場合、不感帯ゼロモードを解除することが好ましい。これにより、系統母線2の電圧が安定した後には、不感帯ゼロモードを解除することにより変圧器10の設定を元の状態に戻し、通常の系統母線2及び配変母線3の運用を維持することができる。
また、自動電圧調整装置17は、決定された段数で発電機7に進相運転を行わせることができない場合、又は決定された段数で発電機7に進相運転を行わせた後にも許容電圧を逸脱したことが検出された場合には、警報表示のための信号を出力する。これにより、水力発電所や、制御所等の運転員に対して系統母線2や配変母線3の異常を好適に報知することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。例えば、上述した自動電圧調整装置17で実行するの自動電圧調整のための機能を制御所Cのシステムに組み込むことも可能である。これにより、例えば、図1の進相運転支援画面例に示すように、制御所Cの運転員に対して進相運転を支援する情報を提示することができる。
また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
1 自動電圧調整システム
2 系統母線
3 配変母線
7 発電機
10 変圧器
17 自動電圧調整装置
2 系統母線
3 配変母線
7 発電機
10 変圧器
17 自動電圧調整装置
Claims (6)
- 送電線を介して上位系電気所と接続された水力発電所における系統母線の電圧を調整する自動電圧調整システムであって、
前記系統母線に接続され、進相運転により無効電力を調整可能な発電機と、
一端が前記系統母線に接続され、他端が負荷側の配変母線と接続され、前記配変母線の電圧を調整する変圧器と、
前記発電機の進相運転及び前記変圧器による前記配変母線の電圧変動量を制御する自動電圧調整装置と、を備え、
前記自動電圧調整装置は、
前記系統母線の電圧が許容電圧を逸脱したことを検出する電圧検出部と、
前記電圧検出部により前記許容電圧を逸脱したことが検出された場合、前記系統母線、前記配変母線及び前記発電機に関する初期データを設定する設定部と、
前記設定部により設定された前記初期データに基づいて、前記系統母線の電圧を調整するための無効電力を算出する無効電力算出部と、
前記無効電力算出部により算出された前記無効電力に基づいて、前記発電機が進相運転に必要な段数の候補を抽出する段数抽出部と、
前記設定部により設定された前記初期データ及び前記無効電力算出部により算出された前記無効電力に基づいて、前記配変母線の前記変圧器の調整量として前記変圧器のタップ調整量を算出する変動量算出部と、
前記段数抽出部により抽出された前記段数の候補及び前記変動量算出部により算出された前記変圧器のタップ調整量に基づいて、前記発電機の進相運転に最適な段数を決定する段数決定部と、
前記段数決定部により決定された前記段数に応じて前記発電機に進相運転を行わせる発電機制御部と、を有することを特徴とする自動電圧調整システム。 - 前記自動電圧調整装置は、前記発電機において選択可能な段数のうちの最大段数を電圧変動幅として選択する最適制御モードと、前記発電機において選択可能な段数のうちの最小段数を電圧変動幅として選択する電圧変化幅最小モードと、を選択する電圧変動幅選択部を更に備える請求項1に記載の自動電圧調整システム。
- 前記変圧器は、前記変圧器を遅延させずに動作させるための不感帯ゼロモードを有し、
前記自動電圧調整装置は、前記変動量算出部により算出された前記変圧器のタップ調整量に基づいて、前記変圧器により前記配変母線の電圧を調整する必要があるか否かを判定し、前記変圧器が前記配変母線の電圧を調整する必要がある場合には、前記変圧器を不感帯ゼロモードに切り替える切替部を更に備える請求項1又は2に記載の自動電圧調整システム。 - 前記切替部は、前記変圧器を不感帯ゼロモードに切り替えた後に、前記系統母線の電圧が許容電圧の範囲内と判定された場合、不感帯ゼロモードを解除する請求項3に記載の自動電圧調整システム。
- 前記自動電圧調整装置は、前記段数決定部により決定された前記段数で前記発電機に進相運転を行わせることができない場合、又は前記段数決定部により決定された前記段数で前記発電機に進相運転を行わせた後にも前記電圧検出部により前記許容電圧を逸脱したことが検出された場合には、警報表示のための信号を出力する警報表示出力部を更に備える請求項1から4のいずれか一項に記載の自動電圧調整システム。
- 送電線を介して上位系電気所と接続された水力発電所における系統母線の電圧を自動電圧調整システムによって調整する自動電圧調整方法であって、
前記自動電圧調整システムは、
前記系統母線に接続され、進相運転により無効電力を調整可能な発電機と、
一端が前記系統母線に接続され、他端が負荷側の配変母線と接続され、前記配変母線の電圧を調整する変圧器と、
前記発電機の進相運転及び前記変圧器による前記配変母線の電圧変動量を制御する自動電圧調整装置と、を備え、
前記自動電圧調整方法は、
前記系統母線の電圧が許容電圧を逸脱したことを検出する電圧検出ステップと、
前記電圧検出ステップにより前記許容電圧を逸脱したことが検出された場合、前記系統母線、前記配変母線及び前記発電機に関する初期データを設定する設定ステップと、
前記設定ステップにより設定された前記初期データに基づいて、前記系統母線の電圧を調整するための無効電力を算出する無効電力算出ステップと、
前記無効電力算出ステップにより算出された前記無効電力に基づいて、前記発電機が進相運転に必要な段数の候補を抽出する段数抽出ステップと、
前記設定ステップにより設定された前記初期データ及び前記無効電力算出ステップにより算出された前記無効電力に基づいて、前記配変母線の前記変圧器の調整量として前記変圧器のタップ調整量を算出する変動量算出ステップと、
前記段数抽出ステップにより抽出された前記段数の候補及び前記変動量算出ステップにより算出された前記変圧器のタップ調整量に基づいて、前記発電機の進相運転に最適な段数を決定する段数決定ステップと、
前記段数決定ステップにより決定された前記段数に応じて前記発電機に進相運転を行わせる発電機制御ステップと、を有することを特徴とする自動電圧調整方法。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110994626A (zh) * | 2019-12-31 | 2020-04-10 | 云南电网有限责任公司昆明供电局 | 基于电压趋势预测的500-220kV区域电网自动电压控制方法 |
-
2015
- 2015-04-13 JP JP2015081714A patent/JP2016201940A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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