JP6406903B2 - 縫目構造 - Google Patents
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Description
そのため、フラットシーマは、肌着をはじめとして、水着、各種競技のユニフォーム、そしてウエットスーツなどスポーツウェアにおいて広く採用されている。
従って、本開示は、肌当たりが少なく、品位に優れる縫目構造を提供することを目的とする。
図1〜図3は、本実施形態の縫目構造1を模式的に示す図であり、図1は断面図、図2は縫目構造1の第1面2の平面図であり、図3は、縫目構造1の第2面3の平面図である。
テープ状部材14は、第2面3側に配置され、そしてテープ状部材14の接着部が、第1布帛4と、第2布帛5とを接着している。
本実施形態では、第1布帛4の第1端部4aの端面4cと、第2布帛5の第2端部5aの端面5cとが、第1縫目11及び第2縫目12の間に存在する。
なお、本開示では、品位の観点からは、第2布帛の第2端部の端面が第1縫目及び第2縫目の間に存在しなくともよい。
第2縫目に関しても、同様に、テープ状部材を含む部材をそれらの厚さ方向に繰り返し往復して貫通するように配置されることにより、縫目構造の強度が高くなる。
第1糸、第2糸及び飾り糸(並びに後述の第3糸及び第4糸)等の糸としては、当技術分野で、例えば、フラットシーム用に通常用いられるものが挙げられ、第1布帛及び第2布帛の伸びを阻害しないよう、伸びやすいものが好ましい。
上記テープ状部材としては、例えば、ポリエステル系の編物からなる基部と、ポリウレタン系のホットメルト接着剤と有するものが挙げられる。当該テープ状部材は、高温、例えば、150℃でプレスすることにより、第1布帛及び第2布帛を接着する。
本実施形態では、従来のフラットシーマミシンにおいて、4本針の外側2本の針及び針糸と、上飾り糸とを外した状態で、内側2本の針糸で第1縫目及び第2縫目を、そして下糸で第1の面の飾り糸とを形成する。
ミシン本体52は、略L字状であって、基台51から上方に向けて立上がる立上がり部54と、この立上がり部54の上端部からほぼ直角に屈曲し水平方向に延びる水平部55と、この水平部55の先端部に設けられる針棒案内部56とを有する。針棒案内部56には、針棒57が、上下方向に往復移動が可能な状態で、上端を針棒案内部56から上方に突出させた状態で収納されている。針棒57は、基台51に備えられる図示しないモータからの動力が伝達され、上下方向に往復駆動する。針棒案内部56の下部には、針棒57の下端部に、2本の針58が設けられている。2本の針58は、針棒57が駆動され上下に移動することに伴い、上下に移動する。
第1布帛4と第2布帛5とは、第2面3を形成する面を上側に向けて、第1端部4a及び第2端部5aを合わせた状態で、ラップフォーマー92に沿ってミシン50に進入する。
テープ状部材14は、テープ状部材供給部(図示せず)から、ガイド孔91を通って、布帛カッター90と針58との間に供給される。テープ状部材14には、張力調整手段(図示せず)によって、適切な張力がかけられている。テープ状部材14は、第1布帛4の第1端部4aと、第2布帛5の第2端部5aとを覆うように配置される。
次に、本開示の第2実施形態について説明する。なお、以下の説明では、第1実施形態とは異なる部分を主に説明し、共通する部分については、説明を省略する。
図8は、本実施形態の縫目構造1を模式的に示す断面図である。
また、本実施形態では、第1縫目11において、第1糸T1が、第1布帛4及びテープ状部材14を、第1布帛4及びテープ状部材14の厚さ方向Tに繰り返し往復して貫通するように配置されており、そして第2縫目12において、第2糸T2が、第2布帛5及びテープ状部材14を、第2布帛5及びテープ状部材14の厚さ方向Tに繰り返し往復して貫通するように配置されている。
次に、本開示の第3実施形態について説明する。なお、以下の説明では、第1実施形態と異なる部分を主に説明し、共通する部分については、説明を省略する。図9は、本実施形態の縫目構造1を模式的に示す断面図である。
本実施形態では、縫目構造1の第2面3が、着用者の肌側に用いられることを想定しているが、本実施形態では、着用時に、着用者が、第1縫目11及び第2縫目12を感じにくくなるため、肌当たりが向上する。
次に、本開示の第4実施形態について説明する。なお、以下の説明では、第2実施形態と異なる部分を主に説明し、共通する部分については、説明を省略する。図10は、本実施形態の縫目構造1を模式的に示す断面図である。
本実施形態では、縫目構造1が、第1縫目11及び第2縫目12に加え、第4縫目21及び第5縫目22を有し、第3縫目13において、飾り糸T3が、第1糸T1、第2糸T2、第3糸T4及び第4糸T5の間を掛け渡っているため、縫目構造1の強度が高くなる。
平2本針ミシン又は平3本針ミシンを用いる場合には、本開示の縫目構造は、例えば、第1布帛及び第2布帛を所望の位置に配置し、それらをテープ状部材で固定し、次いで、第1布帛、第2布帛及びテープ状部材に、第1縫目、第2縫目及び第3縫目を形成することにより形成されうる。
[例1]
本開示の効果を確認するための実験例として、図1〜図3に示される縫目構造のサンプルと、従来のフラットシームによる縫目構造のサンプル(針糸4本、下糸1本及び上飾り糸1本の6本の糸で縫目を形成したもの)と、従来の2本針両面飾り(オーバーロック後)による縫目構造のサンプルと、片切り2本針両面飾りによる縫目構造のサンプルとを作成し、それらの厚さを比較した。
本開示の縫目構造のサンプルでは、針糸及び飾り糸に、ポリエステル糸(50番)を用いた。その他のサンプルでは、針糸にはポリエステル糸(50番)、飾り糸にはポリーナ(110番)を用いた。
また、本開示の縫目構造のサンプルのテープ状部材側の面は、その表面が滑らかであり、その他のサンプルと比較して肌当たりが少なかった。
[態様1]
第1端部を有する第1布帛と、
第2端部を有する第2布帛であって、当該第2端部が延びる方向が第1端部が延びる方向と略並行になるように第1布帛と隣接して配置される第2布帛と、
第1糸により形成され、第1端部が延びる方向と略並行の方向に延びる第1縫目と、
第2糸により形成され、第2端部が延びる方向と略並行の方向に延びる第2縫目と、
飾り糸により形成された第3縫目と、
基部及び接着部を有するテープ状部材と、
を備え、第1面及び第2面を有する縫目構造であって、
第1縫目において、第1糸が、少なくとも第1布帛を、その厚さ方向に繰り返し往復して貫通するように配置されており、
第2縫目において、第2糸が、少なくとも第2布帛を、その厚さ方向に繰り返し往復して貫通するように配置されており、
第3縫目が第1面に配置され、そして第3縫目において、上記飾り糸が、少なくとも第1糸及び第2糸の間を繰り返し掛け渡るように配置されており、
上記テープ状部材が第2面に配置され、そして上記テープ状部材の接着部が、第1布帛と、第2布帛とを接着している、
ことを特徴とする、上記縫目構造。
第1布帛の第1端部の端面が、第1縫目及び第2縫目の間に存在する、態様1に記載の縫目構造。
[態様3]
第1布帛及び第2布帛が、第1端部及び第2端部が、上記縫目構造の厚さ方向に重複した状態で配置されている、態様1又は2に記載の縫目構造。
[態様4]
第1布帛及び第2布帛が、第1端部の端面と、第2端部の端面とが突き合わされた状態で配置されている、態様1又は2に記載の縫目構造。
第1縫目において、第1糸が、第1布帛及び上記テープ状部材を、それらの厚さ方向に繰り返し往復して貫通するように配置されており、そして第2縫目において、第2糸が、第2布帛及び上記テープ状部材を、それらの厚さ方向に繰り返し往復して貫通するように配置されている、態様1〜4のいずれか一項に記載の縫目構造。
[態様6]
上記基部が編物である、態様1〜5のいずれか一項に記載の縫目構造。
上記縫目構造が、第1縫目及び第2縫目の間に、第1縫目よりの第4縫目と、第2縫目よりの第5縫目とを有し、第4縫目では、第3糸が、少なくとも第1布帛を、その厚さ方向に繰り返し往復して貫通するように配置されており、第5縫目では、第4糸が、少なくとも第2布帛を、そらの厚さ方向に繰り返し往復して貫通するように配置されている、態様1〜6のいずれか一項に記載の縫目構造。
第3縫目において、上記飾り糸が、第1糸、第2糸、第3糸及び第4糸の中から選択される少なくとも2つの糸の間を掛け渡っている、態様7に記載の縫目構造。
[態様9]
フラットシーマミシン、平2本針ミシン又は平3本針ミシンにより形成された、態様1〜8のいずれか一項に記載の縫目構造。
[態様10]
態様1〜9のいずれか一項に記載の縫目構造を備える衣服。
2 第1面
3 第2面
4 第1布帛
4a 第1端部
4b 面
4c 端面
5 第2布帛
5a 第2端部
5c 端面
11 第1縫目
12 第2縫目
13 第3縫目
14 テープ状部材
14a 面
21 第4縫目
22 第5縫目
T1 第1糸
T2 第2糸
T3 飾り糸
T4 第3糸
T5 第4糸
W 幅
T 厚さ方向
D 方向
Claims (9)
- 第1端部を有する第1布帛と、
第2端部を有する第2布帛であって、当該第2端部が延びる方向が第1端部が延びる方向と略並行になるように第1布帛と隣接して配置される第2布帛と、
第1糸により形成され、第1端部が延びる方向と略並行の方向に延びる第1縫目と、
第2糸により形成され、第2端部が延びる方向と略並行の方向に延びる第2縫目と、
飾り糸により形成された第3縫目と、
基部及び接着部を有するテープ状部材と、
を備え、第1面及び第2面を有する縫目構造であって、
第1縫目において、第1糸が、少なくとも第1布帛を、その厚さ方向に繰り返し往復して貫通するように配置されており、
第2縫目において、第2糸が、少なくとも第2布帛を、その厚さ方向に繰り返し往復して貫通するように配置されており、
第3縫目が第1面に配置され、そして第3縫目において、前記飾り糸が、少なくとも第1糸及び第2糸の間を繰り返し掛け渡るように配置されており、
前記テープ状部材が第2面に配置され、そして前記テープ状部材の接着部が、第1布帛と、第2布帛とを跨いで接着している、
ことを特徴とする、前記縫目構造。 - 第1布帛の第1端部の端面及び第2布帛の第2端部の端面が、第1縫目及び第2縫目の間に存在し、
第1布帛及び第2布帛は、第1端部及び第2端部が前記縫目構造の厚さ方向に重複した状態で配置されている、請求項1に記載の縫目構造。 - 第1布帛及び第2布帛が、第1端部の端面と、第2端部の端面とが突き合わされた状態で配置されている、請求項1に記載の縫目構造。
- 第1縫目において、第1糸が、第1布帛及び前記テープ状部材を、それらの厚さ方向に繰り返し往復して貫通するように配置されており、そして第2縫目において、第2糸が、第2布帛及び前記テープ状部材を、それらの厚さ方向に繰り返し往復して貫通するように配置されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の縫目構造。
- 前記基部が編物である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の縫目構造。
- 前記縫目構造が、第1縫目及び第2縫目の間に、第1縫目よりの第4縫目と、第2縫目よりの第5縫目とを有し、第4縫目では、第3糸が、少なくとも第1布帛を、その厚さ方向に繰り返し往復して貫通するように配置されており、第5縫目では、第4糸が、少なくとも第2布帛を、それらの厚さ方向に繰り返し往復して貫通するように配置されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の縫目構造。
- 第3縫目において、前記飾り糸が、第1糸、第2糸、第3糸及び第4糸の中から選択される少なくとも2つの糸の間を掛け渡っている、請求項6に記載の縫目構造。
- フラットシーマミシン、平2本針ミシン又は平3本針ミシンにより形成された、請求項1〜7のいずれか一項に記載の縫目構造。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載の縫目構造を備える衣服。
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