以下に添付図面を参照して、本発明の実施形態である、画像形成装置の一例としてカラープリンタ2000を詳細に説明する。図1は、実施形態のカラープリンタ2000の概略構成を示す図である。
カラープリンタ2000は、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせてフルカラーの画像を形成するタンデム方式の多色カラープリンタである。
カラープリンタ2000は、光走査装置2010と、4つの感光体ドラム2030a,2030b,2030c,2030d(4つを総称する場合には感光体ドラム2030と称する。)と、4つのクリーニングユニット2031a,2031b,2031c,2031d(4つを総称する場合にはクリーニングユニット2031と称する。)と、4つの帯電装置2032a,2032b,2032c,2032d(4つを総称する場合には帯電装置2032と称する。)とを備える。さらに、カラープリンタ2000は、4つの現像ローラ2033a,2033b,2033c,2033d(4つを総称する場合には現像ローラ2033と称する。)と、4つのトナーカートリッジ2034a,2034b,2034c,2034d(4つを総称する場合にはトナーカートリッジ2034と称する。)とを備える。さらに、カラープリンタ2000は、転写ベルト2040と、転写ローラ2042と、定着ローラ2050と、給紙コロ2054と、レジストローラ対2056と、排紙ローラ2058と、給紙トレイ2060と、排紙トレイ2070と、通信制御装置2080と、濃度検出器2245と、4つのホームポジションセンサ2246a,2246b,2246c,2246d(4つを総称する場合にはホームポジションセンサ2246と称する。)と、プリンタ制御装置2090とを備える。
通信制御装置2080は、ネットワーク等を介した上位装置(例えばコンピュータ)との双方向の通信を制御する。
プリンタ制御装置2090は、カラープリンタ2000に備えられるそれぞれの部を統括的に制御する。プリンタ制御装置2090は、CPU(Central Processing Unit)、CPUで実行されるコードで記述されたプログラムおよびプログラムを実行する際に用いられる各種データが格納されているROM、作業用のメモリであるRAM、アナログデータをデジタルデータに変換するAD変換回路等を有する。そして、プリンタ制御装置2090は、上位装置からの要求に応じてそれぞれの部を制御するとともに、上位装置からの画像データを光走査装置2010に送る。
感光体ドラム2030a、帯電装置2032a、現像ローラ2033a、トナーカートリッジ2034a、およびクリーニングユニット2031aは、一組で使用される。これらは、ブラックの画像を形成する画像形成ステーション(Kステーションという場合もある)を構成する。
感光体ドラム2030b、帯電装置2032b、現像ローラ2033b、トナーカートリッジ2034b、およびクリーニングユニット2031bは、一組で使用される。これらは、シアンの画像を形成する画像形成ステーション(Cステーションという場合もある)を構成する。
感光体ドラム2030c、帯電装置2032c、現像ローラ2033c、トナーカートリッジ2034c、およびクリーニングユニット2031cは、一組で使用される。これらは、マゼンタの画像を形成する画像形成ステーション(Mステーションという場合もある)を構成する。
感光体ドラム2030d、帯電装置2032d、現像ローラ2033d、トナーカートリッジ2034d、およびクリーニングユニット2031dは、一組で使用される。これらは、イエローの画像を形成する画像形成ステーション(Yステーションという場合もある)を構成する。
それぞれの感光体ドラム2030は、何れも、その表面に感光層が形成されている。すなわち、それぞれの感光体ドラム2030の表面は、被走査面となる。なお、感光体ドラム2030a,2030b,2030c,2030dは、回転軸が平行に並んで配置され、例えば全て同一の方向(例えば図1における面内で矢印方向)に回転する。
なお、ここでは、XYZ3次元直交座標系において、それぞれの感光体ドラム2030の中心軸に平行な方向をY軸方向、それぞれの感光体ドラム2030の配列方向に沿った方向をX軸方向として説明する。
それぞれの帯電装置2032は、対応する感光体ドラム2030の表面をそれぞれ均一に帯電させる。光走査装置2010は、画像データ(ブラック画像データ、シアン画像データ、マゼンタ画像データ、イエロー画像データ)に基づいて、色毎に変調された光束を、対応する帯電された感光体ドラム2030の表面にそれぞれ照射する。これにより、それぞれの感光体ドラム2030の表面では、光が照射された部分だけ電荷が消失し、画像データに対応した潜像がそれぞれの感光体ドラム2030の表面にそれぞれ形成される。ここで形成された潜像は、感光体ドラム2030の回転に伴って対応する現像ローラ2033の方向に移動する。なお、この光走査装置2010の構成については詳細を後述する。
ところで、それぞれの感光体ドラム2030において、画像データが書き込まれる領域は、「有効走査領域」、「画像形成領域」、「有効画像領域」などと呼ばれている。
トナーカートリッジ2034aには、ブラックトナーが格納されている。ブラックトナーは、現像ローラ2033aに供給される。トナーカートリッジ2034bには、シアントナーが格納されている。シアントナーは、現像ローラ2033bに供給される。トナーカートリッジ2034cには、マゼンタトナーが格納されている。マゼンタトナーは、現像ローラ2033cに供給される。トナーカートリッジ2034dには、イエロートナーが格納されている。イエロートナーは、現像ローラ2033dに供給される。
それぞれの現像ローラ2033は、回転に伴って、対応するトナーカートリッジ2034からのトナーが、その表面に薄く均一に塗布される。そして、それぞれの現像ローラ2033の表面のトナーは、対応する感光体ドラム2030の表面に接すると、この表面における光が照射された部分にだけ移行し、そこに付着する。すなわち、それぞれの現像ローラ2033は、対応する感光体ドラム2030の表面に形成された潜像にトナーを付着させて顕像化させる。
転写ベルト2040は、ベルト回転機構に掛け渡されて、一定方向に回転する。転写ベルト2040は、外側の面が、それぞれの感光体ドラム2030a,2030b,2030c,2030dの表面に、光走査装置2010とは反対側の位置で接触する。また、転写ベルト2040は、外側の面が、転写ローラ2042と接触する。
ここで、それぞれの感光体ドラム2030の表面上におけるトナーが付着した像(トナー画像)は、感光体ドラム2030の回転に伴って転写ベルト2040の方向に移動する。そして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのそれぞれのトナー画像は、所定のタイミングで転写ベルト2040上に順次転写され、重ね合わされてカラー画像が形成される。転写ベルト2040上に形成されたカラー画像は、転写ベルト2040の移動に伴い、転写ローラ2042の方向に移動する。
給紙トレイ2060には、記録紙が格納されている。この給紙トレイ2060の近傍には、給紙コロ2054が配置されている。給紙コロ2054は、記録紙を給紙トレイ2060から1枚ずつ取り出し、レジストローラ対2056に搬送する。
レジストローラ対2056は、所定のタイミングで記録紙を転写ベルト2040と転写ローラ2042との間隙に向けて送り出す。これにより、転写ベルト2040上のカラー画像は、記録紙に転写される。ここで転写された記録紙は、定着ローラ2050に送られる。
定着ローラ2050は、熱と圧力とを記録紙に加える。これにより、定着ローラ2050は、トナーを記録紙上に定着させることができる。トナーが定着された記録紙は、排紙ローラ2058を介して排紙トレイ2070に送られ、排紙トレイ2070上に順次スタックされる。
それぞれのクリーニングユニット2031は、対応する感光体ドラム2030の表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。残留トナーが除去された感光体ドラム2030の表面は、再度対応する帯電装置2032に対向する位置に戻る。
濃度検出器2245は、転写ベルト2040の−X側(定着ローラ2050よりも転写ベルト2040の進行方向における上流側であって、4つの感光体ドラム2030よりも下流側の位置)に配置されている。濃度検出器2245は、一例として、図2に示されるように、3つの光学センサ2245a,2245b,2245cを有する。
光学センサ2245aは、転写ベルト2040における有効画像領域内の−Y側端部近傍(転写ベルト2040の幅方向の一方の端側)に対向する位置に配置される。光学センサ2245cは、転写ベルト2040における有効画像領域内の+Y側端部近傍(転写ベルト2040の幅方向の他方の端側)に対向する位置に配置される。光学センサ2245bは、主走査方向に関して、光学センサ2245aと光学センサ2245cのほぼ中央位置(転写ベルト2040の幅方向の中央位置)に配置されている。ここでは、主走査方向(Y軸方向)に関して、光学センサ2245aの中心位置をY1、光学センサ2245bの中心位置をY2、光学センサ2245cの中心位置をY3とする。
それぞれの光学センサ2245a,2245b,2245cは、何れも一例として、図3に示されるように、転写ベルト2040に向けて光(以下、検出用光ともいう)を射出するLED11、転写ベルト2040あるいは転写ベルト2040上のトナーパッドからの正反射光を受光する正反射光受光素子12、転写ベルト2040あるいは転写ベルト2040上のトナーパッドからの拡散反射光を受光する拡散反射光受光素子13を有している。それぞれの受光素子は、何れも受光量に応じた信号(光電変換信号)を出力する。
ホームポジションセンサ2246aは、感光体ドラム2030aにおける回転のホームポジションを検出する。ホームポジションセンサ2246bは、感光体ドラム2030bにおける回転のホームポジションを検出する。ホームポジションセンサ2246cは、感光体ドラム2030cにおける回転のホームポジションを検出する。ホームポジションセンサ2246dは、感光体ドラム2030dにおける回転のホームポジションを検出する。
図4は、光走査装置2010の光学系の構成を示す図である。図5は、光源2200aからポリゴンミラー2104までの光路、および、光源2200bからポリゴンミラー2104までの光路の一例を示す図である。図6は、光源2200cからポリゴンミラー2104までの光路、および、光源2200dからポリゴンミラー2104までの光路の一例を示す図である。図7は、ポリゴンミラー2104からそれぞれの感光体ドラム2030への光路の一例を示す図である。
つぎに、光走査装置2010の光学系の構成について説明する。光走査装置2010は、光学系として、4つの光源2200a,2200b,2200c,2200dと、4つのカップリングレンズ2201a,2201b,2201c,2201dと、4つの開口板2202a,2202b,2202c,2202dと、4つのシリンドリカルレンズ2204a,2204b,2204c,2204dとを有する。さらに、光走査装置2010は、光学系として、ポリゴンミラー2104と、4つの走査レンズ2105a,2105b,2105c,2105dと、6枚の折り返しミラー2106a,2106b,2106c,2106d,2108b,2108cとを有する。これらは、光学ハウジングの所定位置に組み付けられている。
なお、光走査装置2010は、電気系の回路も有するが、電気系の回路のついては図8以降において説明する。
それぞれの光源2200a,2200b,2200c,2200dは、複数の発光部が2次元配列された面発光レーザアレイを含んでいる。面発光レーザアレイの複数の発光部は、すべての発光部を副走査対応方向に伸びる仮想線上に正射影したときに、発光部間隔が等間隔となるように配置されている。それぞれの光源2200a,2200b,2200c,2200dは、一例として、垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)である。
カップリングレンズ2201aは、光源2200aから射出された光束の光路上に配置され、通過する光束を略平行光束とする。カップリングレンズ2201bは、光源2200bから射出された光束の光路上に配置され、通過する光束を略平行光束とする。カップリングレンズ2201cは、光源2200cから射出された光束の光路上に配置され、通過する光束を略平行光束とする。カップリングレンズ2201dは、光源2200dから射出された光束の光路上に配置され、通過光束を略平行光束とする。
開口板2202aは、開口部を有し、カップリングレンズ2201aを介した光束を整形する。開口板2202bは、開口部を有し、カップリングレンズ2201bを介した光束を整形する。開口板2202cは、開口部を有し、カップリングレンズ2201cを介した光束を整形する。開口板2202dは、開口部を有し、カップリングレンズ2201dを介した光束を整形する。
シリンドリカルレンズ2204aは、開口板2202aの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。シリンドリカルレンズ2204bは、開口板2202bの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。シリンドリカルレンズ2204cは、開口板2202cの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。シリンドリカルレンズ2204dは、開口板2202dの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
カップリングレンズ2201aと開口板2202aとシリンドリカルレンズ2204aとからなる光学系は、Kステーションの偏向器前光学系である。カップリングレンズ2201bと開口板2202bとシリンドリカルレンズ2204bとからなる光学系は、Cステーションの偏向器前光学系である。カップリングレンズ2201cと開口板2202cとシリンドリカルレンズ2204cとからなる光学系は、Mステーションの偏向器前光学系である。カップリングレンズ2201dと開口板2202dとシリンドリカルレンズ2204dとからなる光学系は、Yステーションの偏向器前光学系である。
ポリゴンミラー2104は、Z軸に平行な軸まわりに回転する2段構造の4面鏡を有し、それぞれの鏡が偏向反射面となる。そして、1段目(下段)の4面鏡では、シリンドリカルレンズ2204bからの光束およびシリンドリカルレンズ2204cからの光束がそれぞれ偏向され、2段目(上段)の4面鏡ではシリンドリカルレンズ2204aからの光束およびシリンドリカルレンズ2204dからの光束がそれぞれ偏向されるように配置されている。
また、シリンドリカルレンズ2204aおよびシリンドリカルレンズ2204bからのそれぞれの光束は、ポリゴンミラー2104の−X側に偏向され、シリンドリカルレンズ2204cおよびシリンドリカルレンズ2204dからのそれぞれの光束はポリゴンミラー2104の+X側に偏向される。
それぞれの走査レンズ2105a,2105b,2105c,2105dは、光束を対応する感光体ドラム2030近傍に集光する光学的パワー、およびポリゴンミラー2104の回転に伴って、対応する感光体ドラム2030の面上で光スポットが主走査方向に等速で移動するような光学的パワーを有している。
走査レンズ2105aおよび走査レンズ2105bは、ポリゴンミラー2104の−X側に配置されている。走査レンズ2105cおよび走査レンズ2105dは、ポリゴンミラー2104の+X側に配置されている。
そして、走査レンズ2105aおよび走査レンズ2105bは、Z軸方向に積層されている。走査レンズ2105bは、1段目の4面鏡に対向している。走査レンズ2105aは、2段目の4面鏡に対向している。
また、走査レンズ2105cおよび走査レンズ2105dは、Z軸方向に積層されている。走査レンズ2105cは、1段目の4面鏡に対向している。走査レンズ2105dは、2段目の4面鏡に対向している。
ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204aからの光束は、走査レンズ2105a、折り返しミラー2106aを介して、感光体ドラム2030aに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030aの長手方向に移動する。すなわち、この光スポットは、感光体ドラム2030a上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030aでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030aの回転方向が、感光体ドラム2030aでの「副走査方向」である。
また、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204bからの光束は、走査レンズ2105b、折り返しミラー2106bおよび折り返しミラー2108bを介して、感光体ドラム2030bに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030bの長手方向に移動する。すなわち、この光スポットは、感光体ドラム2030b上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030bでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030bの回転方向が、感光体ドラム2030bでの「副走査方向」である。
また、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204cからの光束は、走査レンズ2105c、折り返しミラー2106cおよび折り返しミラー2108cを介して、感光体ドラム2030cに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030cの長手方向に移動する。すなわち、この光スポットは、感光体ドラム2030c上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030cでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030cの回転方向が、感光体ドラム2030cでの「副走査方向」である。
また、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204dからの光束は、走査レンズ2105d、折り返しミラー2106dを介して、感光体ドラム2030dに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030dの長手方向に移動する。すなわち、この光スポットは、感光体ドラム2030d上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030dでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030dの回転方向が、感光体ドラム2030dでの「副走査方向」である。
なお、それぞれの折り返しミラー2106a,2106b,2106c,2106d,2108b,2108cは、ポリゴンミラー2104から対応する感光体ドラム2030に至る光路長が互いに一致するとともに、対応する感光体ドラム2030における光束の入射位置および入射角が何れも互いに等しくなるように、それぞれ配置されている。
ポリゴンミラー2104とそれぞれの感光体ドラム2030との間の光路上に配置される光学系は、走査光学系とも呼ばれている。ここでは、走査レンズ2105aと折り返しミラー2106aとからKステーションの走査光学系が構成されている。また、走査レンズ2105bと2枚の折り返しミラー2106b,2108bとからCステーションの走査光学系が構成されている。そして、走査レンズ2105cと2枚の折り返しミラー2106c,2108cとからMステーションの走査光学系が構成されている。さらに、走査レンズ2105dと折り返しミラー2106dとからYステーションの走査光学系が構成されている。なお、それぞれの走査光学系において、走査レンズ2105が複数のレンズから構成されていてもよい。
図8は、光走査装置2010の電気系の構成を示す図である。光走査装置2010は、電気系の構成として、インターフェイスユニット3101と、画像処理ユニット3102と、駆動制御ユニット3103とを備える。
インターフェイスユニット3101は、上位装置(例えばコンピュータ)から転送された画像データをプリンタ制御装置2090から取得する。そして、インターフェイスユニット3101は、取得した画像データを、後段の画像処理ユニット3102に受け渡す。
本例においては、インターフェイスユニット3101は、RGB形式、解像度が1200dpi、ビット数が8ビットの画像データを取得して、画像処理ユニット3102に受け渡す。
画像処理ユニット3102は、インターフェイスユニット3101から画像データを取得して、印刷方式に対応したカラーの画像データに変換する。一例として、画像処理ユニット3102は、RGB形式の画像データを、タンデム形式(CMYK形式)の画像データに変換する。また、画像処理ユニット3102は、データ形式の変換に加えて、画像データの高画質化等を図ることを目的とした画像処理も実行する。
本例においては、画像処理ユニット3102は、CMYK形式、解像度が1200dpi、ビット数が2ビットの画像データを出力する。なお、画像処理ユニット3102から出力される画像データの解像度は、1200dpiに限らず、どのようなものであってもよい。また、画像処理ユニット3102から出力される画像データの解像度を、第1解像度という。
駆動制御ユニット3103は、画像処理ユニット3102から第1解像度の画像データを取得して、光源駆動に対応した第2解像度のカラーの画像データに変換する。なお、第2解像度は、第1解像度より高い。本例においては、駆動制御ユニット3103は、CMYK形式、解像度が4800dpi、ビット数が1ビットの画像データに変換する。
さらに、駆動制御ユニット3103は、画素の発光タイミングを示すクロック信号に画像データを変調して、色毎の独立した変調信号を生成する。そして、駆動制御ユニット3103は、光源2200a,2200b,2200c,2200dを、それぞれの色に対応した変調信号に応じて駆動して発光させる。
なお、駆動制御ユニット3103は、一例として、光源2200a,2200b,2200c,2200dの近傍に設けられたワンチップ化されたIC回路である。画像処理ユニット3102およびインターフェイスユニット3101は、駆動制御ユニット3103と比較して、光源2200a,2200b,2200c,2200dよりも遠くに配置される。そして、画像処理ユニット3102と駆動制御ユニット3103との間は、ケーブル3104により接続される。
このような構成の光走査装置2010は、画像データに応じた光を光源2200a,2200b,2200c,2200dから発光させて潜像を形成することができる。
図9は、インターフェイスユニット3101の構成を示す図である。インターフェイスユニット3101は、一例として、フラッシュメモリ3211と、RAM3212と、IF回路3213と、CPU3214とを有する。フラッシュメモリ3211、RAM3212、IF回路3213およびCPU3214は、それぞれバスで接続される。
フラッシュメモリ3211は、CPU3214で実行されるプログラム、および、CPU3214でのプログラムの実行に必要な各種データを格納する。RAM3212は、CPU3214がプログラムを実行する場合の作業用の記憶領域である。IF回路3213は、プリンタ制御装置2090と双方向の通信をする。
CPU3214は、フラッシュメモリ3211に格納されたプログラムに従って動作して、光走査装置2010の全体を制御する。そして、このような構成のインターフェイスユニット3101は、プリンタ制御装置2090から送信された画像データ(RGB形式、1200dpi、8ビット)を、画像処理ユニット3102へと受け渡す。
図10は、画像処理ユニット3102の構成を示す図である。画像処理ユニット3102は、色変換部3221と、墨生成部3222と、ガンマ補正部3223と、擬似中間調処理部3224と、第1画像処理部3225とを有する。
色変換部3221は、RGB形式の画像データを、CMY形式の画像データに変換する。墨生成部3222は、色変換部3221により生成されたCMY形式の画像データから、黒成分を生成してCMYK形式の画像データを生成する。
ガンマ補正部3223は、テーブル等を用いて各色のレベルを線形変換する。擬似中間調処理部3224は、ディザ処理等により中間調処理をして画像データの階調を減らす。
第1画像処理部3225は、擬似中間調処理部3224から出力された画像データに対して、高画質化等を図ることを目的とした画像処理を実行する。第1画像処理部3225は、例えばフィルタリングまたはパターンマッチングにより、画面内における高画質化を図る対象領域を検出し、検出した画像領域に対して予め定められた画像処理を実行する。
なお、第1画像処理部3225での処理の具体例については、詳細を図12、図13および図14を参照してさらに説明する。また、第1画像処理部3225は、後段の駆動制御ユニット3103において実行される画像処理とは、互いに異なるパラメータまたは対象領域に対して画像処理を実行する。その相違についての詳細は後述する。
このような画像処理ユニット3102は、CMYK形式、第1解像度(例えば1200dpi)、2ビットの画像データを、駆動制御ユニット3103に出力する。なお、画像処理ユニット3102は、一部または全部がハードウェアにより実現されていてもよいし、CPUがソフトウェアプログラムを実行することにより実現されてもよい。
図11は、駆動制御ユニット3103の構成を示す図である。駆動制御ユニット3103は、解像度変換部3231と、クロック生成部3232と、変調信号生成部3233と、光源駆動部3234と、第2画像処理部3235とを有する。
解像度変換部3231は、画像処理ユニット3102から、第1解像度の画像データを取得して、第1解像度よりも高い第2解像度の画像データに変換する。本例においては、解像度変換部3231は、CMYK形式、1200dpi、2ビットの画像データを、CMYK形式、4800dpi、1ビットの画像データに変換する。
具体的には、解像度変換部3231は、1200dpiの画像データの1ドット(2ビット(4階調))を、4800dpiの画像データの4ドット(1ビット)に変換することにより、解像度を4倍にしている。なお、解像度変換部3231は、解像度N(Nは自然数)の画像データを、m×Nの解像度(mは、2以上の自然数)の画像データに変換する処理であれば、どのような階調の画像データに変換してもよい。
クロック生成部3232は、画素の発光タイミングを示すクロック信号を発生する。クロック信号は、例えば、1/8クロックの分解能で位相変調をすることができる。
変調信号生成部3233は、色毎の画像データのそれぞれをクロック信号に変調して、色毎に独立した変調信号を生成する。本例においては、変調信号生成部3233は、C、M、Y、Kのそれぞれの色毎に変調信号を生成する。さらに、変調信号生成部3233は、色毎に、感光体ドラム2030の回転位置に基づく書込開始タイミングに同期させて画像データをクロック信号に変調する。そして、変調信号生成部3233は、色毎に独立した変調信号を光源駆動部3234に供給する。
光源駆動部3234は、変調信号生成部3233から出力された色毎に独立した変調信号のそれぞれに応じて、対応する光源2200a,2200b,2200c,2200dを駆動する。これにより光源駆動部3234は、それぞれの光源2200a,2200b,2200c,2200dを変調信号に応じた光量で発光させることができる。
第2画像処理部3235は、変調信号に変調される第2解像度(例えば4800dpi)の画像データに対して画像処理を実行する。第2画像処理部3235は、一例として、パターンマッチング部3241と、補正部3242とを含む。
パターンマッチング部3241は、画像データのうち、第2画像処理部3235での処理対象となる画像領域を検出する。パターンマッチング部3241は、一例として、第2解像度の画像データから予め登録されている画像パターンと空間成分が近似する領域を検出する。また、パターンマッチング部3241は、第2解像度の画像データにフィルタリング処理を行い、予め登録されている周波数パターンと周波数成分が近似する領域を検出してもよい。
補正部3242は、検出された画像領域に対して画像処理による補正を行う。例えば、補正部3242は、変調前の画像データに対して画像処理を実行してもよいし、変調処理時に変調信号のパルス幅等を変更することにより信号強度を調整して、画像データに対して画像処理を実行してもよい。
ここで、画像処理ユニット3102内の第1画像処理部3225と、駆動制御ユニット3103内の第2画像処理部3235とは、互いに異なる処理パラメータ、または、画像データの処理の対象領域に対して、画像処理を実行する。
例えば、第1画像処理部3225は、第1解像度(例えば1200dpi)の画像データに対して、予め定められた粗さよりも粗い画像処理を実行する。そして、この場合、第2画像処理部3235は、第2解像度(例えば4800dpi)の画像データに対して、予め定められた細かさよりも細かい画像処理を実行する。これにより、同一の画像領域に対して、第1画像処理部3225は粗調整を行い、第2画像処理部3235は微調整を行うことができる。
また、例えば、第1画像処理部3225は、第1解像度(例えば1200dpi)の画像データに対して、予め定められた大きさ以上のオブジェクト(文字または図形等)に対して画像処理を実行する。そして、この場合、第2画像処理部3235は、第1画像処理部3225では対象とはならない予め定められた大きさ未満のオブジェクト(文字または図形等)に対して画像処理を実行する。一例として、第2画像処理部3235は、予め定められた大きさ以下であって、予め定められた文字の少なくとも一部のパターンに対して画像処理を実行する。これにより、第1画像処理部3225は、粗い画像領域に対して画像処理を実行し、第2画像処理部3235は細かい画像領域に対して第1画像処理部3225と同一内容の画像処理を実行することができる。
これにより、カラープリンタ2000によれば、微小なパターンに対する画像処理または微細な画像処理を高解像度の画像データに対して実行するので、高画質な画像を形成することができる。さらに、カラープリンタ2000によれば、比較的に大きなパターンに対する画像処理または比較的に粗い画像処理を低解像度の画像データに対して実行するので、画像処理ユニット3102から駆動制御ユニット3103へのデータ転送量を少なくしつつ、駆動制御ユニット3103での処理負担を小さくすることができる。
なお、第1画像処理部3225および第2画像処理部3235は、画像処理の対象となる文字または図形等のオブジェクトを検出する場合において、画像データからオブジェクトの全体を検出することが困難であれば、文字または図形の少なくとも一部をパターンマッチング等で検出してもよい。第1画像処理部3225および第2画像処理部3235は、例えば、予め定められた文字または図形の少なくとも一部分の特徴的な形状のパターンを登録しておき、パターンマッチングにより文字の全体または一部を検出する。そして、第1画像処理部3225および第2画像処理部3235は、検出した文字の全体または一部に対して、画像処理を実行する。
図12−1は、5ポイントの白抜き文字および1200dpi単位での拡大化処理の一例を示す図である。図12−2は、ポイントの白抜き文字および4800dpi単位での拡大化処理の一例を示す図である。例えば、第1画像処理部3225および第2画像処理部3235は、図12−1および図12−2に示されるような、背景の色からオブジェクト(文字または図形等)の形状を白抜きして表した白抜き部を、画像データの空間成分または周波数成分と予め登録されたパターンとをマッチングさせて検出する。そして、第1画像処理部3225および第2画像処理部3235は、検出した白抜き部における、白部分を拡大化する処理を実行する。
これにより、第1画像処理部3225および第2画像処理部3235は、細線が潰れてしまい、再現性が悪くなるという電子写真による印刷でのデメリットを抑制して、高画質な画像を形成させることができる。
ここで、このような白部分を拡大する処理を行う場合、第1画像処理部3225は、図12−1に示すように、予め定められた第1サイズ以上(例えば5ポイント以上)の白抜き文字に対して第1解像度単位(例えば1200dpi単位)で白部分を拡大し、第1サイズ未満(例えば5ポイント未満)の白抜き文字に対しては白部分を拡大しない。
そして、第2画像処理部3235は、図12−2に示すように、第1画像処理部3225では対象とはならない白抜き文字、すなわち、第1サイズ未満(例えば5ポイント未満)の白抜き文字に対して第2解像度単位(例えば4800dpi単位)で白部分を拡大し、第1サイズ以上(例えば5ポイント以上)の白抜き文字に対しては白部分を拡大しない。
これにより、第1画像処理部3225は、比較的に粗い画像領域に対して画像処理を実行し、第2画像処理部3235は比較的に細かい画像領域に対して第1画像処理部3225と同一内容の画像処理を実行することができる。なお、この場合、第2画像処理部3235は、例えば、白部分の周辺部の変調信号のパルス幅を変更することにより、白部分が拡大するようにしてもよい。
図13−1は、1200dpi単位での細線化処理の一例を示す図である。図13−2は、4800dpi単位での細線化処理の一例を示す図である。例えば、第1画像処理部3225は、図13−1に示されるような、ライン形状のオブジェクトを、第1解像度単位(例えば1200dpi単位)で画像データの空間成分または周波数成分と予め登録されたパターンとをマッチングさせて検出する。そして、第1画像処理部3225は、検出したライン形状のオブジェクトに対して、第1解像度単位(例えば1200dpi単位)でラインの幅を変更する処理(例えば細くする処理)を実行する。一方、第2画像処理部3235は、図13−2に示されるような、ライン形状のオブジェクトを、第2解像度単位(例えば4800dpi単位)で画像データの空間成分または周波数成分と予め登録されたパターンとをマッチングさせて検出する。そして、第2画像処理部3235は、検出したライン形状のオブジェクトに対して、第2解像度単位(例えば4800dpi単位)でラインの幅を変更する処理(例えば細くする処理)を実行する。
これにより、第1画像処理部3225および第2画像処理部3235は、電子写真プロセス由来の文字太りというデメリットを抑制して、高画質な画像を形成させることができる。
ここで、このようなラインの幅を変更する処理を行う場合、第1画像処理部3225は、予め定められた幅以上のライン(例えば、1200dpiで5ドット以上)に対して幅を変更し、この幅未満のラインに対して幅を変更しない。そして、第2画像処理部3235は、第1画像処理部3225では対象とはならない幅のライン、すなわち、予め定められた幅未満のライン(例えば、4800dpiで20ドット未満のライン)に対して幅を変更し、この幅以上のラインに対しては幅を拡大しない。
これにより、第1画像処理部3225は、比較的に粗い画像領域に対して画像処理を実行し、第2画像処理部3235は比較的に細かい画像領域に対して第1画像処理部3225と同一内容の画像処理を実行することができる。なお、この場合、第2画像処理部3235は、ラインのエッジ部分の変調信号のパルス幅を変更することにより、ラインのエッジが狭まるようにしてもよい。
図14は、スムージング処理の一例を示す図である。例えば、第1画像処理部3225および第2画像処理部3235は、図14に示されるような、画像データのドット配列に対して斜め方向に描かれたライン形状のオブジェクトを、画像データの空間成分または周波数成分と予め登録されたパターンとをマッチングさせて検出する。そして、第1画像処理部3225および第2画像処理部3235は、検出した斜めラインのエッジを滑らかにするスムージング処理をする。
これにより、第1画像処理部3225および第2画像処理部3235は、ラインの再現性を向上させて、高画質な画像を形成させることができる。
ここで、このような斜めラインのスムージング処理をする場合、第1画像処理部3225は、予め定められた画像単位(例えば、1200dpiで1ドット単位)で斜めラインに対してスムージング処理を実行する。そして、第2画像処理部3235は、第1画像処理部3225の画素単位では補正できないような画素単位(例えば、4800dpiで1ドット単位)で、斜めラインに対してスムージング処理を実行する。
例えば、図14(A)に示されるように、第1画像処理部3225は、斜めラインを、1200dpiの1ドット単位でスムージング処理をしたとする。この場合、第2画像処理部3235は、図14(B)に示されるように、まず、斜めラインを太線化処理する。そして、第2画像処理部3235は、図14(C)に示されるように、4800dpiの1ドット単位でスムージング処理をする。
このように、第1画像処理部3225および第2画像処理部3235は、斜めラインの太線化処理およびスムージング処理をすることにより、よりラインの再現性を向上させることができる。そして、これにより、同一の画像領域に対して、第1画像処理部3225は粗調整を行い、第2画像処理部3235は微調整を行うことができる。
図15は、光走査装置2010の駆動制御ユニット3103の変形例の構成を示す図である。駆動制御ユニット3103は、画像処理ユニット3102から、画像データとともにオブジェクト情報を受け取ってもよい。オブジェクト情報は、画像データのそれぞれの画像領域毎(例えば、画素ドット毎)に、その画像領域のオブジェクトの種類を示す情報である。
例えば、対応するドットが文字の一部であれば、オブジェクト情報には、「文字」を示す属性が示される。また、対応するドットが図形の一部であれば、オブジェクト情報には、「図形」を示す属性が示される。また、対応するドットが写真の一部であれば、オブジェクト情報には、「写真」を示す属性が示される。
そして、第2画像処理部3235は、受け取ったオブジェクト情報の内容に応じて、画像処理を実行するか否かを切り替える。例えば、受け取ったオブジェクト情報に「文字」を示す属性が示されていれば、例えば、その領域が白抜き文字の処理対象となっていれば、画像処理を実行し、文字以外の属性が示されていれば、その白抜き文字の処理対象の領域に対して画像処理を実行しない。
このように、第2画像処理部3235によれば、オブジェクト情報を用いて画像処理を実行するか否かを切り替えることにより、より精度良く画質を向上させることができる。