以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の現像装置3a〜3dを備えた画像形成装置100の概略構成を示す断面図である。画像形成装置100は、本実施形態では、異なる4色(マゼンタ、シアン、イエローおよびブラック)に対応する4つの感光体ドラム1a、1b、1cおよび1dを並列配置して画像形成を行う、4連タンデム型のカラープリンターで構成されている。
画像形成装置100本体内には、4つの画像形成部Pa、Pb、PcおよびPdが、図1では左側から順に配設されている。これらの画像形成部Pa〜Pdは、異なる4色(マゼンタ、シアン、イエローおよびブラック)の画像に対応して設けられており、それぞれ帯電、露光、現像および転写の各工程によりマゼンタ、シアン、イエローおよびブラックの画像を順次形成する。
これらの画像形成部Pa〜Pdには、各色の可視像(トナー像)を担持する感光体ドラム1a〜1dがそれぞれ配設されており、さらに図1において反時計回り方向に回転する中間転写ベルト8が各画像形成部Pa〜Pdに隣接して設けられている。これらの感光体ドラム1a〜1d上に形成されたトナー像が、各感光体ドラム1a〜1dに当接しながら移動する中間転写ベルト8上に順次転写された後、二次転写ローラー9において用紙P上に一度に転写され、さらに、定着装置13において用紙P上に定着された後、画像形成装置100本体より排出される。感光体ドラム1a〜1dを図1において時計回り方向に回転させながら、各感光体ドラム1a〜1dに対する画像形成プロセスが実行される。
トナー像が転写される用紙Pは、画像形成装置100本体下部の用紙カセット16内に収容されており、給紙ローラー12aおよびレジストローラー対12bを介して二次転写ローラー9へと搬送される。中間転写ベルト8には誘電体樹脂製のシートが用いられ、主に継ぎ目を有しない(シームレス)ベルトが用いられる。中間転写ベルト8および二次転写ローラー9は、ベルト駆動モータ(図示せず)により感光体ドラム1a〜1dと同一線速で回転駆動される。また、二次転写ローラー9の下流側には中間転写ベルト8表面に残存するトナー等を除去するためのブレード状のベルトクリーナー19が配置されている。
次に、画像形成部Pa〜Pdについて説明する。回転可能に配設された感光体ドラム1a〜1dの周囲および下方には、感光体ドラム1a〜1dを帯電させる帯電装置2a、2b、2cおよび2dと、各感光体ドラム1a〜1dに対して画像データに基づく露光を行う露光ユニット5と、感光体ドラム1a〜1d上に形成される静電潜像をトナーで現像する現像装置3a、3b、3cおよび3dと、感光体ドラム1a〜1d上でトナー像の転写後に残留した現像剤(トナー)を回収、除去するクリーニング装置7a、7b、7cおよび7dとが設けられている。
パソコン等の上位装置から画像データが入力されると、先ず、帯電装置2a〜2dによって感光体ドラム1a〜1dの表面を一様に帯電させ、次いで露光ユニット5によって画像データに基づいて光照射し、各感光体ドラム1a〜1d上に画像データに応じた静電潜像を形成する。現像装置3a〜3dは、感光体ドラム1a〜1dに対向配置された現像ローラー(現像剤担持体)を備え、それぞれマゼンタ、シアン、イエローおよびブラックの各色のトナーを含む二成分現像剤が所定量充填されている。
なお、後述のトナー像の形成によって各現像装置3a〜3d内に充填された二成分現像剤中のトナーの割合が規定値を下回った場合にはトナーコンテナ4a〜4dから各現像装置3a〜3dにトナーが補給される。このトナーは、現像装置3a〜3dにより感光体ドラム1a〜1d上に供給され、静電的に付着することにより、露光ユニット5の露光により形成された静電潜像に応じたトナー像が形成される。
そして、一次転写ローラー6a〜6dにより一次転写ローラー6a〜6dと感光体ドラム1a〜1dとの間に所定の転写電圧を付与することにより、感光体ドラム1a〜1d上のマゼンタ、シアン、イエローおよびブラックのトナー像が中間転写ベルト8上に一次転写される。これらの4色の画像は、所定のフルカラー画像形成のために予め定められた所定の位置関係をもって形成される。一次転写ローラー6a〜6dは、一次転写駆動モーター(図示せず)により感光体ドラム1a〜1dおよび中間転写ベルト8と同一線速で回転駆動される。その後、引き続き行われる新たな静電潜像の形成に備え、感光体ドラム1a〜1dの表面に残留したトナーがクリーニング装置7a〜7dにより除去される。
中間転写ベルト8は、従動ローラー10及び駆動ローラー11に掛け渡されており、上記ベルト駆動モーターによる駆動ローラー11の回転に伴い中間転写ベルト8が反時計回り方向に回転を開始すると、用紙Pがレジストローラー対12bから所定のタイミングで中間転写ベルト8に隣接して設けられた二次転写ローラー9と中間転写ベルト8のニップ部(二次転写ニップ部)へ搬送され、ニップ部において用紙P上にフルカラー画像が二次転写される。トナー像が転写された用紙Pは定着装置13へと搬送される。
定着装置13に搬送された用紙Pは、定着ローラー対13aのニップ部(定着ニップ部)を通過する際に加熱および加圧されてトナー像が用紙Pの表面に定着され、所定のフルカラー画像が形成される。フルカラー画像が形成された用紙Pは、複数方向に分岐した分岐部14によって搬送方向が振り分けられる。用紙Pの片面のみに画像を形成する場合は、そのまま排出ローラー対15によって排出トレイ17に排出される。
一方、用紙Pの両面に画像を形成する場合は、定着装置13を通過した用紙Pの一部を一旦排出ローラー対15から装置外部にまで突出させる。その後、用紙Pは排出ローラー対15を逆回転させることにより分岐部14で反転搬送路18に振り分けられ、画像面を反転させた状態で二次転写ローラー9に再搬送される。そして、中間転写ベルト8上に形成された次の画像が二次転写ローラー9により用紙Pの画像が形成されていない面に転写され、定着装置13に搬送されてトナー像が定着された後、排出ローラー対15によって排出トレイ17に排出される。
次に、上述した画像形成部Paの詳細について説明する。なお、画像形成部Pb〜Pdについては、基本的に画像形成部Paと同様の構成であるため、その詳細な説明を省略する。図2は、図1における画像形成部Pa付近を拡大して示す断面図である。感光体ドラム1aの周囲には、ドラム回転方向(図2の時計回り方向)に沿って、上述した帯電装置2a、現像装置3a、一次転写ローラー6a、クリーニング装置7aが配設されている。このうち、一次転写ローラー6aは、中間転写ベルト8を挟んで感光体ドラム1aと対向する位置に配置されている。
また、感光体ドラム1aと、帯電装置2aと、クリーニング装置7aとはユニット化されている。なお、各画像形成部Pa〜Pdにおいて、感光体ドラム1a〜1dと、帯電装置2a〜2dと、クリーニング装置7a〜7dとから成るユニットを、以下ではドラムユニット40a〜40dと称する。
帯電装置2aは、感光体ドラム1aに接触してドラム表面に帯電バイアスを印加する帯電ローラー21と、帯電ローラー21をクリーニングするための帯電クリーニングローラー23とを有している。現像装置3aは、2本の攪拌搬送スクリュー25と、磁気ローラー27と、現像ローラー29とを有し、現像ローラー29にトナーの帯電極性と同極性(正)の現像バイアスを印加してドラム表面にトナーを飛翔させる。
クリーニング装置7aは、摺擦ローラー(研磨部材)30、クリーニングブレード31、および回収スパイラル33を有している。摺擦ローラー30は、感光体ドラム1aに所定の圧力で圧接されており、ドラムクリーニングモーター(図示せず)により感光体ドラム1aとの当接面において同一方向に回転駆動されるが、その線速は感光体ドラム1aの線速よりも速く(ここでは1.2倍)制御されている。摺擦ローラー30としては、例えば金属シャフトの周囲にローラー体としてEPDMゴム製でアスカーC硬度が55°の発泡体層を形成した構造が挙げられる。ローラー体の材質としてはEPDMゴムに限定されず、他の材質のゴムや発泡ゴム体であっても良く、アスカーC硬度が10〜90°の範囲のものが好適に使用される。
感光体ドラム1a表面の、摺擦ローラー30との当接面よりも回転方向下流側には、クリーニングブレード31が感光体ドラム1aに当接した状態で固定されている。クリーニングブレード31としては、例えばJIS硬度が78°のポリウレタンゴム製のブレードが用いられ、その当接点において感光体接線方向に対し所定の角度で取り付けられている。なお、クリーニングブレード31の材質および硬度、寸法、感光体ドラム1aへの食い込み量および圧接力等は、感光体ドラム1aの仕様に応じて適宜設定される。
摺擦ローラー30およびクリーニングブレード31によって感光体ドラム1a表面から除去された残留トナーは、回収スパイラル33の回転に伴ってクリーニング装置7a(図2参照)の外部に排出される。本発明に用いられるトナーとしては、トナー粒子表面にシリカ、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、アルミナ等から選択される研磨剤が埋め込まれて表面に一部突出するように保持されたものや、研磨剤がトナー表面に静電的に付着しているものが用いられる。
このように摺擦ローラー30を感光体ドラム1aに対し速度差を持って回転させることで、研磨剤を含む残留トナーによって感光体ドラム1aの表面を研磨し、摺擦ローラー30およびクリーニングブレード31によってドラム表面の水分や放電生成物等を残留トナーと共に除去する。
なお、画像形成装置100本体内部のレイアウトは、感光体ドラム1a〜1dおよび中間転写ベルト8の回転方向や、用紙Pの搬送経路を適切に設定できるのであれば、適宜変更可能である。例えば、感光体ドラム1a〜1dおよび中間転写ベルト8の回転方向を、本実施形態とは逆にするとともに、ドラムユニット40a〜40dと現像装置3a〜3dとの位置関係を、本実施形態とは逆にし、これに合わせて用紙Pの搬送経路を設定することも勿論可能である。
図3は、現像装置3aを画像形成装置100への挿入方向上流側から見た外観斜視図である。なお、現像装置3b〜3dについては、基本的に現像装置3aと同様の構成であるため説明を省略する。現像装置3aは、上述した2本の攪拌搬送スクリュー25、磁気ローラー27(いずれも図2参照)、現像ローラー29を現像容器50の内部に有している。現像容器50にはトナーコンテナ4a(図1参照)からのトナーを供給するトナー供給部(図示せず)と接続されるトナー供給口(図示せず)が形成されている。このトナー供給口を介して対応する色(ここではマゼンタ)のトナーが現像装置3aの内部に供給され、静電潜像の現像に供される。
また、現像装置3aは、感光体ドラム1aに対し現像ローラー29を接近させ、若しくは退避させるローラー接離機構を備えている。現像装置3aの側面には、ローラー接離機構を構成するシャフト部材(図示せず)が配置されている。シャフト部材は、現像装置3aの現像容器50の外表面に形成された溝状のガイド部に沿って摺動可能に配置されており、バネ等の付勢部材(図示せず)によって現像装置3aの挿入方向上流側(図4の紙面手前側)に付勢されている。そして、画像形成装置100の開閉カバー(図示せず)の内側に設けられた廃トナー回収ユニット70(図5参照)に対向する現像装置3aの挿入方向上流側の端部からはシャフト部材の当接部53が突出している。
廃トナー回収ユニット70を開放したとき、シャフト部材が付勢部材の付勢力によって挿入方向上流側に移動し、現像ローラー29が感光体ドラム1aから離間した退避位置に配置される。これにより、現像ローラー29と感光体ドラム1aを傷付けることなく現像装置3aまたはドラムユニット40aを任意の順序で引き出すことができる。また、現像装置3a及びドラムユニット40aを挿入した後は、廃トナー回収ユニット70を閉じることで当接部53が廃トナー回収ユニット70によって押圧され、シャフト部材が挿入方向下流側に移動し、現像ローラー29が感光体ドラム1aに近接した現像位置に配置される。
また、現像装置3aの上部には、現像容器50の内部に連通する複数の空気流入口(図示せず)を有するダクト51が、現像装置3aの長手方向に延在するように形成されている。現像装置3aの挿入方向上流側の端部には、ダクト51を廃トナー回収ユニット70の集塵部71(図5参照)に連結するダクト連結部52が形成されている。
また、現像装置3aの挿入方向上流側の端部には、現像装置3aを画像形成装置100本体に対して挿入または引き出す際に把持する取手部33が設けられている。取手部33は、ダクト連結部52の直下において水平方向(集塵部71の連結方向)に突出する平板状に形成されている。
さらに、現像装置3aの挿入方向上流側の端部には、現像装置3aを画像形成装置100内へ挿入したときユニット支持トレイ(図示せず)と係合する係合爪35と、係合爪35の係合を解除するロック解除レバー37とが設けられている。係合爪35及びロック解除レバー37は、現像装置3aを画像形成装置100本体に対して装着状態で保持するとともに保持を解除可能なロック機構を構成する。
なお、ここでは図示しないが、ドラムユニット40a〜40dの挿入方向上流側の端部にも、ドラムユニット40a〜40dを画像形成装置100に対して挿入または引き出す際に把持する取手部と、ドラムユニット40a〜40dを画像形成装置100内へ挿入したときユニット支持トレイと係合する係合爪と、係合爪の係合を解除するロック解除レバーとが設けられている。
図4及び図5は、現像装置3a〜3d及びドラムユニット40a〜40dの一端部と、現像装置3a〜3d及びドラムユニット40a〜40dの一端部に連結される本発明の一実施形態に係る廃トナー回収ユニット70を示す斜視図であり、図4は廃トナー回収ユニット70を表面側(画像形成装置100の外側)から見た状態を示し、図5は廃トナー回収ユニット70を裏面側(画像形成装置100の内側)から見た状態を示している。
廃トナー回収ユニット70は、画像形成装置100の前面側に設けられた開閉カバー(図示せず)の内側に配置されており、集塵部71と、集塵部71の下方に設けられるトナー貯留部72とを有する。廃トナー回収ユニット70の下端部には回動支点(図示せず)が設けられており、画像形成装置100本体に対して上下方向に開閉可能となっている。
集塵部71には、現像装置3a〜3dのダクト連結部52に連結されるトナー吸引口73が形成されている。集塵部71の一端には、画像形成装置100本体側に設けられた吸引ファン83(図8参照)に連結される開口部71aが形成されている。また、吸引ファン83によって生じる空気流に対して開口部71aの上流側にはフィルター74が配置されている。フィルター74は、集塵部71の上部全域を覆うように配置される第1フィルター74aと、第1フィルター74aの下流側において開口部71aを覆うように配置される第2フィルター74bとで構成されており、トナー吸引口73から空気と共に吸入されたトナーの集塵部71からの漏出を防止している。
トナー貯留部72の上部には、ドラムユニット40a〜40dのトナー排出部41が連結される第1連結部75が形成されている。トナー排出部41は、クリーニング装置7a〜7dの回収スパイラル33の軸方向に連続しており、ドラムユニット40a〜40dの挿入方向上流側の端部に突設されている。トナー貯留部72の一端部(図5の右端)には第2連結部76が形成されている。第2連結部76には、ベルトクリーナー19によって中間転写ベルト8から除去された廃トナーを搬送する廃トナー搬送経路(図示せず)が連結される。
集塵部71の容量は、トナー貯留部72が満杯となった時点でも十分にトナーの貯留スペースが残るように設計されている。即ち、集塵部71の容量をV、廃トナー回収ユニット70の使用開始からトナー貯留部72が満杯となるまでの画像形成装置100の累積駆動時間をt、集塵部71に貯留されるトナーの単位時間当たりの増加量をΔvとすると、V>Δv×tの関係が成り立つようにしている。
画像形成装置100本体側(図5の紙面手前側)に対向するトナー貯留部72の側面には廃トナー検知部77が形成されている。図6は、廃トナー検知部77を含むトナー貯留部72の側面断面図であり、図7は、廃トナー検知部77及び満杯検知センサー85の平面図である。
図6に示すように、トナー貯留部72内には攪拌スパイラル78a、78bが配置されている。攪拌スパイラル78a、78bは、トナー貯留部72に貯留された廃トナーT1を攪拌して偏りを均すことにより、トナー貯留部72の全域に亘って廃トナーT1を効率的に貯留する。また、トナー貯留部72には廃トナー検知部77に連通する開口部72aが形成されており、攪拌スパイラル78a、78bによって搬送される廃トナーT1は開口部72aを介して廃トナー検知部77に送り込まれる。廃トナー検知部77の外側にはトナー貯留部72内に貯留される廃トナー量が満杯であるか否かを検出する満杯検知センサー85が配置されている。
図7に示すように、満杯検知センサー85は赤外線を出射する発光部85aと赤外線を受光する受光部85bとを有するPI(フォトインタラプター)センサーであり、発光部85aと受光部85bが廃トナー検知部77を挟むように配置されている。また、発光部85a及び受光部85bと対向する廃トナー検知部77の側面77a、77bは赤外線透過樹脂で形成されている。
廃トナー検知部77に送り込まれた廃トナーTが満杯検知センサー85の高さまで到達していない状態では、発光部85aから出射された赤外線は廃トナー検知部77を透過して受光部85bに到達しており、受光部85bの受光信号レベルがHIGH状態となっている。廃トナーTが満杯検知センサー85の高さまで到達すると、廃トナーTが発光部85aから受光部85bまでの光路を遮断することにより受光部85bの受光信号レベルがHIGHからLOWに切り換わり、廃トナーTの高さ、即ちトナー貯留部72の満杯状態を検知可能となっている。
なお、ここでは満杯検知センサー85として赤外線を検知する光学式センサーを用いたが、廃トナー検知部77の側面77a、77bを透明にすれば、可視光を検知する光学式センサーを用いることもできる。
また、トナー貯留部72の満杯を検知する機構は光学式センサーに限定されるものではなく、他の検知機構を用いることもできる。但し、廃トナー回収ユニット70は、トナー貯留部72が満杯となった後は廃棄、交換されるため、廃トナー回収ユニット70の外部から廃トナー量を検知可能な方法が好ましい。例えば、磁性トナーを用いる場合は廃トナー量の増加に伴う透磁率の変化を透磁率センサーで検知する方法が挙げられる。或いは、廃トナー回収ユニット70を揺動可能な台座上に載置するとともに、廃トナー回収ユニット70の重量変化による台座の揺動をPI(フォトインタラプター)センサーを用いて検知する方法等が挙げられる。
図8は、画像形成装置100の制御経路を説明するためのブロック図である。図1と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。なお、画像形成装置100を使用する上で装置各部の様々な制御がなされるため、画像形成装置100全体の制御手段は複雑なものとなる。そこで、ここでは廃トナー回収ユニット70への廃トナーの貯留、並びに廃トナー回収ユニット70の交換時期の通知制御に必要となる部分のみを説明する。また、既に説明した部分については説明を省略する。
制御部90は、中央演算処理装置としてのCPU(Central Processing Unit)91、読み出し専用の記憶部であるROM(Read Only Memory)92、読み書き自在の記憶部であるRAM(Random Access Memory)93、一時的に画像データ等を記憶する一時記憶部94、画像形成装置100内の各装置に制御信号を送信したり操作部80からの入力信号を受信したりする複数(ここでは2つ)のI/F95を少なくとも備えている。
ROM92には、画像形成装置100の制御用プログラムや、制御に必要な数値等、画像形成装置100の使用中に変更されることがないようなデータ等が収められている。RAM93には、画像形成装置100の制御途中で発生した必要なデータや、画像形成装置100の制御に一時的に必要となるデータ等が記憶される。
また、制御部90は、画像形成装置100における各部分、装置に対し、CPU91からI/F95を通じて制御信号を送信する。また、各部分、装置からその状態を示す信号や入力信号が、I/F95を通じてCPU91に送信される。例えば、満杯検知センサー85からの検知信号は、I/F(インターフェイス)95を介して制御部90内のCPU91に送信される。
吸引ファン83は、廃トナー回収ユニット70の集塵部71に設けられた開口部71a(図4参照)に連結され、ダクト51、ダクト連結部52を介して現像装置3a〜3d内の浮遊トナーを空気流と共に吸引する。
操作部80には、液晶表示部81、各種の状態を示すLED82が設けられており、画像形成装置100の状態を示したり、画像形成状況や印字部数を表示したりするようになっている。その他、操作部80には、画像形成を開始するようにユーザーが指示するスタートボタン、画像形成を中止する際等に使用するストップ/クリアボタン、画像形成装置100の各種設定をデフォルト状態にする際に使用するリセットボタン等が設けられている。
CPU91は、満杯検知センサー85からの検知信号に基づいてROM92に記憶されたメッセージデータを選択し、操作部80内の液晶表示部81に表示する。例えば、満杯検知センサー85により廃トナー回収ユニット70の満杯が検知されたときは、ユーザーに廃トナー回収ユニット70の交換を要求する「廃トナー回収ユニットを交換してください。」というメッセージが選択される。
図9は、ドラムユニット40aと廃トナー回収ユニット70との連結部分の側面断面図(図5のAA′矢視断面図)であり、図10は、現像装置3aと廃トナー回収ユニット70との連結部分の側面断面図(図5のBB′矢視断面図)である。図9及び図10の状態、即ち、各現像装置3a〜3d及び各ドラムユニット40a〜40dが画像形成装置100本体へ装填され、廃トナー回収ユニット70が閉じられた状態では、現像装置3a〜3dのダクト連結部52が廃トナー回収ユニット70の集塵部71に形成されたトナー吸引口73に連結されている。また、ドラムユニット40a〜40bのトナー排出部41が廃トナー回収ユニット70のトナー貯留部72に形成された第1連結部75に連結されている。
この状態で回収スパイラル33を回転させると、図9に示すように、クリーニング装置7a〜7dによって感光体ドラム1a〜1dの表面から回収された廃棄トナーはトナー排出部41の排出口41aからトナー貯留部72内に排出される。また、トナー貯留部72の第2連結部76(図5参照)にはベルトクリーナー19(図1参照)も連結されており、ベルトクリーナー19によって中間転写ベルト8表面から回収された廃棄トナーもトナー貯留部72に貯留される。
また、吸引ファン83(図8参照)を駆動させると、現像装置3a〜3d内の浮遊トナーがダクト51、ダクト連結部52、トナー吸引口73を介して集塵部71内に吸引される。集塵部71内に吸引されたトナーT2は開口部71aに設けられた第1フィルター74a、第2フィルター74bによって開口部71aから漏出することなく集塵部71内に貯留される。
次に、画像形成装置100に対する現像装置3a〜3d、ドラムユニット40a〜40dの着脱動作について説明する。図9及び図10の状態から廃トナー回収ユニット70を開放すると、廃トナー回収ユニット70が現像装置3a〜3d、ドラムユニット40a〜40dから離間する。そして、現像装置3a〜3dのダクト連結部52と集塵部71のトナー吸引口73との連結が解除される。また、ドラムユニット40a〜40dのトナー排出部41とトナー貯留部72の第1連結部75との連結が解除される。これにより、現像装置3a〜3d、ドラムユニット40a〜40dの挿入方向上流側の端部へのアクセスが可能となる。
例えば、画像形成装置100から現像装置3aを取り外す場合は、現像装置3aの挿入方向上流側の端部に形成された取手部33とロック解除レバー37(図3参照)とを親指と人差し指で同時に把持する。そして、ロック解除レバー37を押し上げて現像装置3aの前側下方に設けられた係合爪35とユニット支持トレイとの係合を解除し、現像装置3aを挿入方向上流側(図10の左側)へ引き出す。
一方、画像形成装置100に現像装置3aを装着する場合は、現像装置3aを挿入方向下流側(図10の右側)へ挿入する。そして、現像装置3aを完全に挿入したとき、係合爪35が画像形成装置100本体側のユニット支持トレイ(図示せず)と係合することで現像装置3aが装着状態で保持される。なお、他の現像装置3b〜3d、及びドラムユニット40a〜40dについても同様の操作により画像形成装置100に対して着脱することができる。
本実施形態の廃トナー回収ユニット70は、現像装置3a〜3d内の浮遊トナーが貯留される集塵部71と、クリーニング装置7a〜7dによって感光体ドラム1a〜1dの表面から回収された廃棄トナー、及びベルトクリーナー19によって中間転写ベルト8表面から回収された廃棄トナーを貯留するトナー貯留部72とが一体化されている。これにより、集塵部71とトナー貯留部72とが別個に設けられている場合に比べて廃トナー回収ユニット70の交換頻度を大幅に減少させることができ、メンテナンス性が向上する。
また、集塵部71の容量は、トナー貯留部72が満杯となった時点でも十分に貯留スペースがあるため、満杯検知センサー85によりトナー貯留部72の満杯が検知された時点で廃トナー回収ユニット70を交換すればよい。従って、満杯検知センサー85も1つのみで足りるため、画像形成装置100の構成が簡素化するとともに低コスト化にも貢献する。
その他本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、二成分現像剤を用いて磁気ローラー27上に磁気ブラシを形成し、磁気ローラー27から現像ローラー29にトナーのみを移動させ、現像ローラー29から感光体ドラム1a〜1dにトナーを飛翔させる現像装置3a〜3dを例に挙げて説明したが、本発明は、飛散トナーを吸引する集塵部71が連結される現像装置であれば、現像ローラー29を用いずに磁気ローラー27上に形成された磁気ブラシを感光体ドラム1a〜1dに接触させる現像方式等の、他の方式の現像装置にも同様に適用可能である。
また、上記実施形態では、操作部80の液晶表示部81に文字メッセージを表示して廃トナー回収ユニット70の交換時期の通知を行うこととしたが、例えば文字メッセージデータに代えて音声メッセージデータをROM92に記憶しておき、音声メッセージを用いて交換時期を通知する構成としても良い。
また本発明は、図1に示したようなカラープリンターに限らず、モノクロプリンター、モノクロ及びカラー複写機、デジタル複合機(コピー、ファクシミリ、スキャナー等の諸機能を併せ持つもので、MFP(Multi Function Peripheral)とも呼ばれる)等の他の画像形成装置にも適用可能である。