JP6404038B2 - 石炭ガス化炉のスラグ監視装置及び方法 - Google Patents
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Description
石炭ガス化炉は、下部のコンバスタ部(燃焼室)と上部のリダクタ部(ガス化室)の2段構成になっており、コンバスタ部では、投入された微粉炭とチャーが燃焼しながら旋回流をつくり、リダクタ部へと上昇するが、この時微粉炭やチャーに含まれている灰の成分は、高温の熱により溶融し、遠心力によって炉の水冷壁に付着し、溶融スラグとなって炉の底に流れ落ちる。溶融スラグは、コンバスタ部の底のスラグホールから、水が溜められたスラグホッパ内に落下して急速に冷やされ、ガラス状のスラグとなって炉外へ排出される。
下記特許文献1では、滴下するスラグを画像で捕え、画像処理によりスラグの滴下頻度及びスラグ滴の堆積を測定してスラグの流下量を算出してスラグ滴下状態及び炉状態を診断する技術が記載されている。
下記特許文献2では、視覚センサと音響センサの組み合わせによって判定を行い、炉内全体のスラグ動態監視評価を行うことが記載されている。
しかしながら従来の方法では、画像レベルが低下したり、画像にボケが生じたりした場合の対処はなされておらず、スラグの認識率が悪くなることを解決できなかった。
本発明は、溶融したスラグが流出するスラグホール近傍、及び該スラグホールから流出した前記スラグが落下する冷却水の水面近傍を撮像し、それぞれ撮像画像を取得する撮像手段と、各前記撮像画像に対してウォーターシェッドアルゴリズムを用い、前記スラグの落下筋として推定される稜線を検出する稜線検出手段と、各前記撮像画像の所定領域において、推定される前記スラグの落下筋と交差する方向に設けられる複数の検出ラインから輝度情報を取得する輝度情報取得手段と、前記稜線と各前記検出ラインとの交点の前記輝度情報と、各前記検出ラインに沿った前記交点の近傍の前記輝度情報との輝度差が、第1閾値以上である場合に、前記稜線は前記スラグの落下筋であると判定する落下筋判定手段とを具備する石炭ガス化炉のスラグ監視装置を提供する。
このように、ピーク位置から所定画素数連続で輝度が下降して指定ドットがあり、かつ、ピーク位置と指定ドットとの輝度差が第2閾値以上である場合に、ピーク位置をスラグ筋であると判定するので、より正確にスラグの落下筋を判定できる。
図1は、本実施形態に係る石炭ガス化炉のスラグ監視装置100の全体構成図である。
石炭ガス化炉のスラグ監視装置(以下、「スラグ監視装置」という)100は、石炭ガス化炉1において石炭をガス化する過程で発生するスラグの流動状況を監視する装置である。石炭ガス化炉1は、石炭とガス化剤(空気、酸素富化空気、O2等)とが投入され、石炭を燃焼させるコンバスタ1Cと、石炭が投入され、ガス化させるリダクタ1Rと、コンバスタ1Cから排出される溶融スラグを回収するスラグ排出筒4とを含んでいる。
コンバスタ1Cは、スラグタップ2と、スラグホール3とが設けられている。
スラグタップ2には、燃焼後の灰分が溶融スラグとなって溜まる。スラグタップ2の略中央には、溶融スラグをスラグホッパ(後述する)5の冷却水に導くスラグホール3が配置されている。
スラグホール3は、スラグタップ2からスラグホッパ5の冷却水に溶融スラグを導くものであり、スラグホール3の縁には、堰と、排出されるスラグの流出を案内する溝(流出案内溝)が複数(例えば2つ、180度間隔で対向する位置)形成される。流出案内溝の断面積は、2条のスラグ流が定常的に流下するように設計されている。
スラグ排出筒4は、図1に示すように、石炭ガス化炉1の下方(鉛直方向側)に設けられる。スラグ排出筒4の下方には、スラグホッパ5を備えており、スラグホール3から排出された溶融スラグを冷却する冷却水が貯留される。
スラグ排出筒4の下部には、スラグ溜め7が設けられており、スラグホッパ5に落下して固化したスラグ(固化スラグ)8Rが溜められる。
溶融スラグは、スラグホール3から排出されて、スラグホッパ5の冷却水中に堆積され、堆積量が多くなると冷却水の水面5H付近及び水面5Hを超えて堆積される。
具体的には、スラグ監視装置100は、撮像部(撮像手段)101と、稜線検出部(稜線検出手段)102と、輝度情報取得部(輝度情報取得手段)103と、落下筋判定部(落下筋判定手段)104とを備えている。
具体的には、稜線検出部102は、スラグホールカメラ11及び水面カメラ12から取得される画像(例えば、カラー動画像)を取得すると、取得した各動画像から所定回数(例えば、10回)連続キャプチャして平均画像を作成する。稜線検出部102は、キャプチャされた所定枚数(例えば、10枚)の平均画像を白黒変換して、1枚の白黒画像を生成し、白黒画像をスムージング関数等によって平滑化する。
稜線検出部102は、スラグホール画像及び水面画像に対してウォーターシェッド処理をする。ウォーターシェッド処理では、設定パラメータをMv(Min variation)値とし、デフォルトを「1」とする。
このようなウォーターシェッドアルゴリズムが適用されることにより、図2に示されるように稜線X(ひび割れのように示されている線)が検出される。
スラグの流動状況を監視する場合、スラグホール3から流下するスラグ筋8A、8Bを検出し、着目する。
ROI(1)は、ROI(s)で設定された領域内のスラグホール3と、スラグ筋8A,8Bを含む矩形状領域である。ROI(1)の高輝度部面積及び低輝度部面積を評価パラメータとして算出することにより、スラグ流動判定及びスラグホール監視カメラ窓水洗浄ガイダンスの評価を行える。ROI(1)の高輝度部面積とは、ROI(1)において所定値よりも輝度が高い領域の面積である。また、ROI(1)の低輝度面積とは、ROI(1)において所定値よりも輝度が低い領域の面積である。
なお、スラグホール3を撮像するスラグホールカメラ11は、スラグホール3を斜め下から撮像するので、スラグホール画像9Hにおいてスラグホール3は楕円状で示される。
ROI(3)は、水面部のスラグ落下状況(例えば、2筋)を含む矩形状領域であり、スラグの流動状況を監視する際に用いられる評価パラメータは、時間域輝度変動量及び低輝度部面積である。時間域輝度変動量とは、ROI(3)において、処理周期毎の輝度の変動量である。また、ROI(3)の低輝度面積とは、ROI(3)において、所定値よりも輝度が低い領域の面積である。
ROI(4)は、水面5Hに落下するスラグ筋2筋のうちの1本(紙面左側;8A)の水面5Hへの突入域を含む領域であり、ROI(5)は、水面5Hに落下するスラグ筋2筋のうちの1本(紙面右側;8B)の水面5Hへの突入域を含む領域である。
ROI(WL)は、水面へ落下するスラグ筋を検出する所定領域である。
なお、スラグ筋の本数は、基本的には、スラグホール3の縁に形成される流出案内溝の本数による。
B1(=20)<検出範囲<B2(=200) (1)
ここで、B1及びB2の値は、輝度レベル(8Bit分解能で0〜255の値)に対して設定している。
B1及びB2はパラメータであり、任意に設定されるものとする。括弧内の数字はデフォルト値とする。B1設定は、監視窓汚れが発生した場合、B2はカメラ映像の飽和現象を想定した対策で、誤検出防止を目的としている。
スラグホールカメラ11及び水面カメラ12から取得した映像信号は、A/D変換8ビット分解能で0から255の値を有しており、ROI(SL)及びROI(WL)内の全ての検出ラインPから輝度情報(輝度分布)が得られるようになっている。
図5は、関心領域ROI(SL)内の1つの検出ラインPから得られる輝度情報の一例を示しており、横軸に検出ラインPの座標、縦軸に輝度レベルが示されている(図5の実線を参照)。稜線検出部102によりウォーターシェッドアルゴリズムによって検出した稜線Xの座標と検出ラインPの輝度情報との交点は、点(・)を付している。図5では、輝度情報のグラフの2つの頂点と重なっている。
交点の輝度情報と上記求めた平均値との輝度差を算出し、輝度差が第1閾値以上であれば、この交点(点・を付した位置)はスラグ筋であると判断する。交点が複数あれば、各交点に対してそれぞれ輝度差を算出して、全ての交点がスラグ筋であるか否かを判断する。
なお、第1所定間隔L及び第2所定間隔ΔLは、プラントの大きさや現地でスラグ筋の大きさ等の状況を見ながら、監視員によってプラント毎に設定される値とする。
図6は、関心領域ROI(SL)内の10本の検出ラインPのそれぞれにおいて、判断されたスラグ筋の本数の一例が記載されている。ここで示されるスラグ筋の最大数を、当該関心領域ROIにおけるスラグ筋の本数であると決定する。図6においては、最大数が「2」なので、当該関心領域ROI(SL)では、検出されたスラグ筋を「2」本として出力する。
スラグ監視装置100は、このように検出されたスラグ筋の本数をデータ管理するとともに、炉内スラグ評価の一パラメータとする。
分光計10は、スラグ排出筒4の側壁の外側に設けられている。分光計10は、スラグホール3の中心部(微少域)を視野にして、スラグホール観察窓を通して、スラグホール3の中心部の温度を測定する。
落下音センサ13は、スラグが冷却水の水面5Hに落下した音を観測する。
落下音センサ13は、スラグホッパ5の冷却水の水中に設けられている。落下音センサ13としては、例えば、ハイドロホンを用いることができる。落下音センサ13は、自身に入力される音を電気信号に変換して出力する。
スラグ監視装置100は、落下音センサ13により検出される落下音から、スラグホール3からスラグが連続して落下しているか、断続的に落下しているか、あるいは落下していないかを判定する。
スラグホールカメラ11はスラグホール近傍をカラー動画によって撮像しており、水面カメラ12は水面5H近傍をカラー動画によって撮像している。解析開始指令を取得すると、スラグホールカメラ11及び水面カメラ12から取得される動画像から10枚の画像キャプチャが行われる(図7のステップSA1)。キャプチャされた10枚の画像から白黒変換された白黒画像が1枚生成される(図7のステップSA2)。
ガス化炉内のスラグ動態の診断に関し、スラグホールからの排出及びスラグ排出塔内のスラグ状況を一連監視することによりガス化炉内のスラグ動態をリアルタイムで総合的に監視評価する装置において、炉内評価精度が向上する。
以下、本発明の第2の実施形態について図8から図12を用いて説明する。本第2の実施形態に係るスラグ監視装置は、関心領域の検出ラインから検出される輝度情報の値を追いかけることによってスラグ筋を判定する点で第1の実施形態と異なる。以下、第1の実施形態と共通する点については説明を省略し、異なる点について主に説明する。
撮像部101は、溶融したスラグが流出するスラグホール近傍を撮像したスラグホール画像、及び該スラグホールから流出したスラグが落下する冷却水の水面近傍を撮像した水面画像をそれぞれ取得する。
指定ドット検出部106は、ピーク位置から所定画素数連続で輝度情報の値が下降した画素である指定ドットを検出する。
スラグホールカメラ11はスラグホール近傍をカラー動画によって撮像しており、水面カメラ12は水面5H近傍をカラー動画によって撮像している。解析開始指令を取得すると、スラグホールカメラ11及び水面カメラ12から取得される動画像から10枚の画像キャプチャが行われる(図10のステップSB1)。キャプチャされた10枚の画像から白黒変換された白黒画像が1枚生成される(図10のステップSB2)。
本処理は、関心領域ROI(SL)及びROI(WL)の複数の検出ラインに対してそれぞれ行う。
このように、ピーク位置から所定画素数連続で輝度が下降して指定ドットがあり、かつ、ピーク位置と指定ドットとの輝度差が第2閾値以上である場合に、ピーク位置をスラグ筋であると判定するので、正確にスラグの落下筋を判定でき、スラグの落下筋の正確な本数が出力できる。
このように、従来検出できなかった事象(画像のレベル低下やボケなどが発生した場合)でも、安定した検出が可能である。
図12(b)と図12(c)を比較すると、図12(b)(第1の実施形態と第2の実施形態を組み合わせて検出)の場合は、全て有数(1本以上)のスラグ筋が検出され安定している。一方、従来法は、高い頻度でスラグ筋の本数が変化しており、スラグ筋の本数も0から3本で推移し、スラグ筋を認識出来ないケースが多々発生している。
図11同様に、従来検出できなかった事象(画像のレベル低下やボケなどが発生した場合)でも、安定した検出が可能である。
以下、本発明の第3の実施形態について図13から図15を用いて説明する。本第3の実施形態に係るスラグ監視装置は、監視対象とする画像のバックグラウンドの輝度状況から二値化レベルを決定して、スラグ筋の面積を求める点で第1の実施形態、第2の実施形態と異なる。以下、第1の実施形態、第2の実施形態と共通する点については説明を省略し、異なる点について主に説明する。
図13に示されるように、スラグ監視装置100bは、撮像部(撮像手段)101と、二値化レベル決定部(二値化レベル決定手段)107と、面積算出部(面積算出手段)108とを備えている。
撮像部101は、溶融したスラグが流出するスラグホール近傍を撮像したスラグホール画像、及び該スラグホールから流出したスラグが落下する冷却水の水面近傍を撮像した水面画像をそれぞれ取得する。
図14は、横軸をROIの平均輝度レベルとし、縦軸を二値化レベルとしている。
図14に示されるように、二値化レベル決定部107は、画像のバックグラウンドの平均輝度に対して、二値化レベルを出力するためのFx設定(例えば、テーブル、関数等)を有しており、二値化レベル決定部107は、算出された平均輝度が入力されると二値化レベルを出力する。
ここで、スラグ領域の面積とは、スラグホール画像においては、スラグホール3から流出したスラグ筋の面積となり、水面画像においては、冷却水に堆積して水面5Hまで到達している堆積スラグの面積を含む。
スラグホールカメラ11はスラグホール近傍をカラー動画によって撮像しており、水面カメラ12は水面5H近傍をカラー動画によって撮像している。解析開始指令を取得すると、スラグホールカメラ11及び水面カメラ12から取得される動画像から10枚の画像キャプチャが行われる(図15のステップSC1)。キャプチャされた10枚の画像から白黒変換された白黒画像が1枚生成される(図15のステップSC2)。
ROI(1)、ROI(2)の面積率は、従来法に比べ、本第3の実施形態の方がスラグ面積率の変動が小さく妥当な挙動で炉内状況に相応の安定した結果が得られている。
ROI(4)とROI(5)の面積率は、従来法に比べ、本第3の実施形態の方が、スラグ面積率の変動が小さく妥当な挙動で炉内状況に相応の安定した結果が得られている。
以下、本発明の第4の実施形態について図18から図20を用いて説明する。本第4の実施形態に係るスラグ監視装置は、スラグ筋を含む所定領域の輝度情報に基づいて二値化レベルを決定する点で第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態と異なる。以下、第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態と共通する点については説明を省略し、異なる点について主に説明する。なお、本第4の実施形態では、水面画像の処理のみ行う。
撮像部101は、該スラグホールから流出したスラグが落下する冷却水の水面近傍を撮像した水面画像を取得する。
二値化レベル=
(ROI内の最大輝度−ROIの平均輝度)×k+ROIの平均輝度 (2)
水面カメラ12は水面5H近傍をカラー動画によって撮像している。解析開始指令を取得すると、水面カメラ12から取得される動画像から10枚の画像キャプチャが行われる(図19のステップSD1)。キャプチャされた10枚の画像から白黒変換された白黒画像が1枚生成される(図19のステップSD2)。
ROI(4)のスラグ堆積面積率(%)(点線)と、ROI(5)のスラグ堆積面積率(%)(実線)は、従来法に比べ、本第4の実施形態の方が、スラグ面積率の変動が小さく妥当な挙動で炉内状況に相応の安定した結果が得られている。また、本第4の実施形態に係るスラグ監視装置100cによるROI(4)及びROI(5)の面積率(図20(c))は、第3の実施形態のスラグ監視装置100bによるROI(4)及びROI(5)の面積率(図20(b))よりさらに高精度な検出結果となっている。
なお、第1の実施形態から第4の実施形態を適宜組み合わせて実施してもよい。例えば、第1の実施形態の構成に第2の実施形態の構成を組み合わせてもよいし、第1の実施形態の構成から第4の実施形態の構成を組み合わせてもよい。
また、第1の実施形態から第4の実施形態により得られたスラグ筋本数やスラグ筋面積の結果を、特許第5448669号公報に記載の各種判定ロジックに適用しても良い。
2 スラグタップ
3 スラグホール
5 スラグホッパ
5H 水面
100,100a,100b,100c スラグ監視装置
101 撮像部
102 稜線検出部
103 輝度情報取得部
104,104a 落下筋判定部
105 ピーク検出部
106 指定ドット検出部
107,107c 二値化レベル決定部
108,108c 面積算出部
P 検出ライン
X 稜線
e1 第1座標
e2 第2座標
Claims (9)
- 溶融したスラグが流出するスラグホール近傍、及び該スラグホールから流出した前記スラグが落下する冷却水の水面近傍を撮像し、それぞれ撮像画像を取得する撮像手段と、
各前記撮像画像に対してウォーターシェッドアルゴリズムを用い、前記スラグの落下筋として推定される稜線を検出する稜線検出手段と、
各前記撮像画像の所定領域において、推定される前記スラグの落下筋と交差する方向に設けられる複数の検出ラインから輝度情報を取得する輝度情報取得手段と、
前記稜線と各前記検出ラインとの交点の前記輝度情報と、各前記検出ラインに沿った前記交点の近傍の前記輝度情報との輝度差が、第1閾値以上である場合に、前記稜線は前記スラグの落下筋であると判定する落下筋判定手段と
を具備する石炭ガス化炉のスラグ監視装置。 - 前記落下筋判定手段は、前記交点の近傍の前記輝度情報を、前記交点から前記検出ラインに沿って第1所定間隔離れた第1座標から、該第1座標から前記検出ラインに沿って第2所定間隔離れた第2座標までの区間の輝度の平均値とする請求項1に記載の石炭ガス化炉のスラグ監視装置。
- 溶融したスラグが流出するスラグホール近傍、及び該スラグホールから流出した前記スラグが落下する冷却水の水面近傍を撮像し、それぞれ撮像画像を取得する撮像手段と、
各前記撮像画像の所定領域において、前記スラグの落下筋が落下すると推定される方向と交差する方向に設けられる複数の検出ラインから輝度情報を取得する輝度情報取得手段と、
各前記検出ラインの少なくとも一端側から他端側の方向に、前記検出ライン上の隣り合う画素の前記輝度情報を比較し、前記輝度情報の値が下降し始める前記画素をピーク位置として検出するピーク検出手段と、
前記ピーク位置から所定画素数連続で前記輝度情報の値が下降した前記画素である指定ドットを検出する指定ドット検出手段と、
前記ピーク位置の前記輝度情報と前記指定ドットの前記輝度情報との輝度差が第2閾値以上である場合に、前記ピーク位置を前記スラグの落下筋として判定する落下筋判定手段と
を具備する石炭ガス化炉のスラグ監視装置。 - 前記落下筋判定手段は、
前記検出ライン毎に前記スラグの落下筋として判定されたスラグの落下筋の数を計数する計数手段を具備し、
前記所定領域において、前記検出ライン毎に計数された前記スラグの落下筋の数のうち最大値を、前記所定領域内の前記スラグの落下筋の数として出力する請求項1から請求項3のいずれかに記載の石炭ガス化炉のスラグ監視装置。 - 溶融したスラグが流出するスラグホールから流出した前記スラグが落下する冷却水の水面近傍を撮像し、撮像画像を取得する撮像手段と、
前記撮像画像において、落下する前記スラグの筋毎に設定される所定領域の輝度情報の最大値と平均値とに基づいて、前記所定領域毎に二値化レベルを決定する二値化レベル決定手段と、
決定された前記二値化レベルによって前記所定領域毎に各画素を二値化し、前記二値化レベル以上である前記画素をスラグ領域とし、前記スラグ領域の面積を算出する面積算出手段と
を具備する石炭ガス化炉のスラグ監視装置。 - 前記二値化レベル決定手段は、
前記所定領域内の前記輝度情報の前記最大値と前記平均値との差に係数を乗算し、該乗算結果と前記輝度情報の平均値とを加算することにより前記二値化レベルを算出する請求項5に記載の石炭ガス化炉のスラグ監視装置。 - 溶融したスラグが流出するスラグホール近傍、及び該スラグホールから流出した前記スラグが落下する冷却水の水面近傍を撮像し、それぞれ撮像画像を取得する第1過程と、
各前記撮像画像に対してウォーターシェッドアルゴリズムを用い、前記スラグの落下筋として推定される稜線を検出する第2過程と、
各前記撮像画像の所定領域において、推定される前記スラグの落下筋と交差する方向に設けられる複数の検出ラインから輝度情報を取得する第3過程と、
前記稜線と各前記検出ラインとの交点の前記輝度情報と、各前記検出ラインに沿った前記交点の近傍の前記輝度情報との輝度差が、第1閾値以上である場合に、前記稜線は前記スラグの落下筋であると判定する第4過程とを有する石炭ガス化炉のスラグ監視方法。 - 溶融したスラグが流出するスラグホール近傍、及び該スラグホールから流出した前記スラグが落下する冷却水の水面近傍を撮像し、それぞれ撮像画像を取得する第1過程と、
各前記撮像画像の所定領域において、前記スラグの落下筋が落下すると推定される方向と交差する方向に設けられる複数の検出ラインから輝度情報を取得する第2過程と、
各前記検出ラインの少なくとも一端側から他端側の方向に、前記検出ライン上の隣り合う画素の前記輝度情報を比較し、前記輝度情報の値が下降し始める前記画素をピーク位置として検出する第3過程と、
前記ピーク位置から所定画素数連続で前記輝度情報の値が下降した前記画素である指定ドットを検出する第4過程と、
前記ピーク位置の前記輝度情報と前記指定ドットの前記輝度情報との輝度差が第2閾値以上である場合に、前記ピーク位置を前記スラグの落下筋として判定する第5過程と
を有する石炭ガス化炉のスラグ監視方法。 - 溶融したスラグが流出するスラグホールから流出した前記スラグが落下する冷却水の水面近傍を撮像し、撮像画像を取得する第1過程と、
前記撮像画像において、落下する前記スラグの筋毎に設定される所定領域の輝度情報の最大値と平均値とに基づいて、前記所定領域毎に二値化レベルを決定する第2過程と、
決定された前記二値化レベルによって前記所定領域毎に各画素を二値化し、前記二値化レベル以上である前記画素をスラグ領域とし、前記スラグ領域の面積を算出する第3過程とを有する石炭ガス化炉のスラグ監視方法。
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