JP3522680B2 - 溶融炉のスラグ流監視方法及び装置 - Google Patents
溶融炉のスラグ流監視方法及び装置Info
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Description
ラント等における溶融炉のスラグ流状態を監視して、ス
ラグ流状態の自動判定を行うスラグ流監視方法及び装置
に関するものである。
関する諸重要課題に対し、総合的に対応できるシステム
として、ガス化炉でごみを一旦ガス化した後、発生した
未燃灰の持つ熱量を利用してごみ中の灰分を溶融するガ
ス化溶融プラントが開発されている。溶融炉内で未燃灰
を燃焼させた後に生成するスラグは外部に流出される
が、その流下状態は、炉内の燃焼状態と密接に関連して
おり、流下状態の良・悪が炉の運転を左右する。現場で
は目視によりスラグ流状態を監視し、流下状態を良好に
するための操作がなされるが、プラントの自動運転のた
めには、スラグ流状態の良・悪を自動判定し、流下状態
を良好にするための操作を自動的に行う技術が必要とな
る。
るスラグ流を工業用テレビカメラで撮影し、その状況を
プラント運転員が常時監視していた。そして、プラント
運転員が、流下状態が悪化したと判断した場合に、流下
状態を回復させるための操作を行うことで、炉内燃焼状
態の安定化を図るようにしていた。この方法で安定した
スラグ流状態を持続させるためには、常にプラント運転
員がスラグ流状態を監視する必要がある。
は、表面溶融炉の画像処理による制御方法及びその装置
として、経験則により主燃焼室における溶融状態と滴下
するスラグの垂直方向の長さとの関係を計測してスラグ
長さに基づく溶融状態の評価基準を設定し、スラグ流下
口から滴下するスラグを工業用テレビカメラで撮影し、
撮影した画像を画像処理してスラグの垂直方向の長さを
計測し、計測したスラグ長さを評価基準に照らして主燃
焼室における溶融状態の良否を判定し、判定結果に基づ
いて溶融炉の運転制御要素を操作するという技術が開示
されている。この技術は、下水汚泥の表面溶融時に発生
するスラグ流の監視方法に関するものである。スラグ流
下状態をとらえるためには、その量と粘性をとらえなけ
ればならない。汚泥表面溶融のスラグ流監視での手法で
あるスラグ長さを特徴量とする手法は量をとらえる手法
であるが、この手法では常に同形状のスラグ流でないと
使用できない。本発明の手法では、スラグ流の面積をと
らえることでスラグ流形状によらない量をとらえること
ができる。また、粘性については、汚泥表面溶融のスラ
グ流監視のように長さも粘性をとらえる上での要素の1
つとなるが、粘性はスラグ流の温度に大きく依存するた
め、スラグ流の温度に比例する輝度をとらえる方が妥当
である。また、上記公報記載の技術では、スラグ流下口
からの火炎を除去する処理を施しているが、火炎による
垂直方向のハレーションむらに対しては対応できないと
考えられる。
グ流下状態を常に良好にするためには、スラグ流状態を
流下口下でテレビカメラにより監視し、スラグ流を認識
し、スラグ流状態の判定を自動的に行う技術が必要であ
る。スラグ流の認識のため、スラグ流画像をもとにスラ
グ流と背景を分けるための2値化処理を行うが、ごみの
発熱量、含水量、形状等の不均一性が、炉内のごみの燃
焼や未燃灰の燃焼に影響し、燃焼光が不均一になったり
ハレーションが発生することで背景輝度が不均一にな
り、2値化処理の障害となる。
で、本発明の目的は、溶融炉のスラグ流下口で不均一な
燃焼光やハレーションの影響を受けることなくスラグ流
の2値化を行い、さらに、画像処理技術によりスラグ流
特徴量を演算し、スラグ流状態の自動判定を行うスラグ
流監視方法及び装置を提供することにある。
めに、本発明の溶融炉のスラグ流監視方法は、溶融炉の
スラグ流下口から流下するスラグの画像を2値化処理し
てスラグ流領域を抽出するに際し、ある画素(X,Y)
座標に対して決まる平均値演算範囲内の輝度の平均値を
2値化処理のためのしきい値として、スラグ流下口から
の火炎による垂直方向のハレーションむらの除去を行
い、スラグ流の背景輝度の変化に影響を受けることな
く、スラグ流画像を2値化処理するように構成されてい
る。
下口からのスラグ画像に対してスラグ流領域を抽出した
後、スラグ流輝度、スラグ流本数及びスラグ流面積の3
つの特徴量を演算し、これら3つの特徴量ごとにスラグ
流判定を行い、3つの判定のうちの最も悪い判定をスラ
グ流判定結果とすることで、スラグ流の固着具合及び流
量の変化を捕らえて、スラグ流状態の判定を行うことを
特徴としている。この場合、スラグ流領域の抽出には、
上記の方法で2値化処理を行ったスラグ画像の情報を用
いることができる。すなわち、本発明の方法は、溶融炉
のスラグ流下口からのスラグ画像に対して、上記の方法
で2値化処理を行ったスラグ画像の情報を用いてスラグ
流領域を抽出した後、スラグ流輝度、スラグ流本数及び
スラグ流面積の3つの特徴量を演算し、これら3つの特
徴量ごとにスラグ流判定を行い、3つの判定のうちの最
も悪い判定をスラグ流判定結果とすることで、スラグ流
の固着具合及び流量の変化を捕らえて、スラグ流状態の
判定を行うことを特徴としている。
輝度、スラグ流本数及びスラグ流面積の3つの特徴量を
融合することで、スラグ流の固着具合及び流量の変化を
捕らえて、スラグ流状態の判定を行うことができる。ま
た、上記の本発明の方法においては、得られたスラグ流
状態の判定結果を用いて、溶融炉の燃焼制御を行うこと
ができる。
融炉のスラグ流下口下側に設置されたカメラと、カメラ
で撮影されたスラグ画像を取り込んで、ある画素(X,
Y)座標に対して決まる平均値演算範囲内の輝度の平均
値を2値化処理のためのしきい値として、スラグ流下口
からの火炎による垂直方向のハレーションむらの除去を
行い、スラグ流の背景輝度の変化に影響を受けることな
く、スラグ流画像を2値化処理する画像処理装置とを包
含してなることを特徴としている。
下口下側に設置されたカメラと、カメラで撮影されたス
ラグ画像を取り込んで、ある画素(X,Y)座標に対し
て決まる平均値演算範囲内の輝度の平均値を2値化処理
のためのしきい値として、スラグ流下口からの火炎によ
る垂直方向のハレーションむらの除去を行い、スラグ流
の背景輝度の変化に影響を受けることなく、スラグ流画
像を2値化処理し、2値化処理を行ったスラグ画像の情
報を用いてスラグ流領域を抽出した後、スラグ流輝度、
スラグ流本数及びスラグ流面積の3つの特徴量を演算
し、これら3つの特徴量ごとにスラグ流判定を行い、3
つの判定のうちの最も悪い判定をスラグ流判定結果とす
る画像処理装置と、画像処理装置から出力されたスラグ
流状態の判定結果を表示する表示装置(例えば、TVモ
ニター)とを包含してなることを特徴としている。
下口下側に設置されたカメラと、カメラで撮影されたス
ラグ画像を取り込んで、ある画素(X,Y)座標に対し
て決まる平均値演算範囲内の輝度の平均値を2値化処理
のためのしきい値として、スラグ流下口からの火炎によ
る垂直方向のハレーションむらの除去を行い、スラグ流
の背景輝度の変化に影響を受けることなく、スラグ流画
像を2値化処理し、2値化処理を行ったスラグ画像の情
報を用いてスラグ流領域を抽出した後、スラグ流輝度、
スラグ流本数及びスラグ流面積の3つの特徴量を演算
し、これら3つの特徴量ごとにスラグ流判定を行い、3
つの判定のうちの最も悪い判定をスラグ流判定結果とす
る画像処理装置と、画像処理装置から出力されたスラグ
流状態の判定結果を表示する表示装置(例えば、TVモ
ニター)と、画像処理装置から出力されたスラグ流状態
の判定結果に基づいて溶融炉の燃焼制御を行う制御装置
とを包含してなることを特徴としている。
て説明するが、本発明は下記の実施の形態に何ら限定さ
れるものではなく、適宜変更して実施することができる
ものである。図1は、本発明の実施の第1形態による溶
融炉のスラグ流監視方法を実施する装置の概略構成を示
している。図1に示すように、ごみガス化溶融プラント
では、ガス化炉(例えば、流動床ガス化炉)10で生成
された部分燃焼ガスと未燃灰がサイクロン(図示略)に
より分離され、未燃灰が溶融炉(例えば、旋回溶融炉)
12で燃焼する。なお、サイクロンで部分燃焼ガスと未
燃灰を分離しない構成とすることもできる。溶融炉12
では未燃灰の燃焼で灰分が溶融してスラグとなり、スラ
グはスラグ流下口14から流下する。16は予燃焼室で
ある。
置してスラグ流を監視し、本発明の方法を実施する画像
処理装置20にスラグ流映像を取り込み、スラグ流状態
の判定結果をTVモニター22に表示させ、かつ制御装
置24に伝える。プラント運転員は、TVモニター表示
画面や制御装置モニター画面でスラグ流状況を知ること
ができる。また、制御装置24は、予燃焼室16に供給
する空気量、重油等の燃料量を操作することで、溶融炉
12内の燃焼制御を行う。26は送風機、28は空気流
量制御ダンパ、30は燃料流量制御弁、32はバーナで
ある。本実施形態におけるスラグ流監視装置の処理フロ
ーを図2に示す。
る。図3のようなスラグ画像に対してスラグ流領域を抽
出した後、特徴量を演算する。スラグ流領域の抽出には
2値化処理を行ったスラグ画像の情報を用いる。なお、
図3において、34はスラグ流であり、35は背景であ
る。 a)2値化処理 スラグ流下口上部に位置する溶融炉内の燃焼状態により
燃焼光が変化する。その影響でスラグ画像の背景輝度
が、スラグ上部で高く下部で低くなる傾向があり、しか
も時々刻々と変化するため、2値化処理のためのしきい
値は、背景輝度の変化に応じて求める必要がある。2値
化しきい値Pth(Y)には、ある画素(X,Y)座標に
対して決まる平均値演算範囲内(図4の太枠内)の輝度
の平均値を用いる。図4において、P(X,Y)は画素
(X,Y)での輝度値、(Xr1,Yr1)、(Xr2,Yr
2)はスラグ流認識範囲36(破線の枠内)の左上座標
と右下座標、Ywは平均値演算範囲38におけるY軸方
向の範囲である。そして、2値化しきい値Pthは、Sar
eaを平均値演算範囲38内の画素数として、下記の数1
で示される式により求められる。
き、Y軸方向の画素数分計算される必要があるが、本方
法では、2値化しきい値Pth(Y)を、Y軸方向にnス
テップごとに間引き演算することで演算の高速化を図
る。ステップ数nは、図5、図6に示すように、画像上
部の平均輝度Pupと画像下部の平均輝度Pdwを計算し、
ステップ数演算関数fを用い、n=f(Pup−Pdw)に
より決定される。間引かれた2値化しきい値Pth(Y
j)は、演算された2値化しきい値をPth(Yi)とした
とき、下記の数2で示す値を最小とするiを演算し、P
th(Yj)=Pth(Yi)とすることで導出する。
転員のスラグ流状態評価手段をもとに、スラグ流輝度、
スラグ流本数、スラグ流面積を用いる。例えば、ごみプ
ラントのスラグ流下状態は、スラグの粘性に左右される
傾向が強く、粘性はスラグ流輝度に比例する傾向がある
ため、輝度により判定を行うことは効果的である。 b)スラグ流数認識 まず、スラグ監視位置の上部にある溶融炉にて溶融状態
となったスラグが、つらら状に流下することに着目し
て、図7に示すように、X軸方向に投影された2値化画
像の輝度分布を演算し、あるしきい値を超えた輝度分布
の山の数をスラグ本数とする。なお、図7において、X
u(n)はn個目のスラグ流の輝度分布値がしきい値よ
り大きくなるX軸方向位置、Xd(n)はn個目のスラ
グ流の輝度分布値がしきい値より小さくなるX軸方向位
置である。
り求まるスラグ流X軸方向位置(Xu(n)、Xd
(n))とスラグ流認識範囲36により決まる輝度演算
範囲40内(図7の太枠内)のスラグの平均輝度とす
る。そして、n個目のスラグ流の平均輝度P(n)は、
S(n)をn個目のスラグ流の画素数として、下記の数
3で示される式により求められる。スラグ流面積につい
ては、スラグ流認識範囲36内のスラグ流画素数の総計
とする。
さ、及びスラグ流面積減少継続時間の3つの特徴量ごと
にスラグ流判定を行い、3つの判定のうち、最も悪い判
定をスラグ流判定結果として、TVモニターや制御装置
に出力する。なお、図8において、Stは時間tにおけ
るスラグ流面積であり、ΔSt=St−St-1である。
で、つぎのような効果を奏する。 (1) スラグ流下口からの火炎による垂直方向のハレ
ーションむらの除去が可能となり、スラグ流の背景輝度
の変化に影響されずに、スラグ流の2値化が可能とな
る。 (2) スラグ流の固着具合や流量の変化を捕らえるこ
とで、連続的に流下するスラグ流状態の自動判定が可能
となり、判定結果に従い、自動でプラントの燃焼制御を
行うことで、プラント運転員の負担を軽減することがで
きる。
流監視方法を実施する装置を示す系統的概略構成説明図
である。
すフローチャートである。
の2値化処理を説明する概略構成図である。
の2値化処理の間引き演算を説明する概略構成図であ
る。
の2値化処理の間引き演算を説明するグラフである。
処理(特徴量の演算)を説明する概略構成図である。
に基づくスラグ流状態の判定手法を示す説明図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 溶融炉のスラグ流下口から流下するスラ
グの画像を2値化処理してスラグ流領域を抽出するに際
し、ある画素(X,Y)座標に対して決まる平均値演算
範囲内の輝度の平均値を2値化処理のためのしきい値と
して、スラグ流下口からの火炎による垂直方向のハレー
ションむらの除去を行い、スラグ流の背景輝度の変化に
影響を受けることなく、スラグ流画像を2値化処理する
ことを特徴とする溶融炉のスラグ流監視方法。 - 【請求項2】 溶融炉のスラグ流下口からのスラグ画像
に対してスラグ流領域を抽出した後、スラグ流輝度、ス
ラグ流本数及びスラグ流面積の3つの特徴量を演算し、
これら3つの特徴量ごとにスラグ流判定を行い、3つの
判定のうちの最も悪い判定をスラグ流判定結果とするこ
とで、スラグ流の固着具合及び流量の変化を捕らえて、
スラグ流状態の判定を行うことを特徴とする溶融炉のス
ラグ流監視方法。 - 【請求項3】 溶融炉のスラグ流下口からのスラグ画像
に対して、請求項1記載の方法で2値化処理を行ったス
ラグ画像の情報を用いてスラグ流領域を抽出した後、ス
ラグ流輝度、スラグ流本数及びスラグ流面積の3つの特
徴量を演算し、これら3つの特徴量ごとにスラグ流判定
を行い、3つの判定のうちの最も悪い判定をスラグ流判
定結果とすることで、スラグ流の固着具合及び流量の変
化を捕らえて、スラグ流状態の判定を行うことを特徴と
する溶融炉のスラグ流監視方法。 - 【請求項4】 スラグ流状態の判定結果を用いて、溶融
炉の燃焼制御を行う請求項3記載の溶融炉のスラグ流監
視方法。 - 【請求項5】 溶融炉のスラグ流下口下側に設置された
カメラと、 カメラで撮影されたスラグ画像を取り込んで、ある画素
(X,Y)座標に対して決まる平均値演算範囲内の輝度
の平均値を2値化処理のためのしきい値として、スラグ
流下口からの火炎による垂直方向のハレーションむらの
除去を行い、スラグ流の背景輝度の変化に影響を受ける
ことなく、スラグ流画像を2値化処理する画像処理装置
とを包含してなることを特徴とする溶融炉のスラグ流監
視装置。 - 【請求項6】 溶融炉のスラグ流下口下側に設置された
カメラと、 カメラで撮影されたスラグ画像を取り込んで、ある画素
(X,Y)座標に対して決まる平均値演算範囲内の輝度
の平均値を2値化処理のためのしきい値として、スラグ
流下口からの火炎による垂直方向のハレーションむらの
除去を行い、スラグ流の背景輝度の変化に影響を受ける
ことなく、スラグ流画像を2値化処理し、2値化処理を
行ったスラグ画像の情報を用いてスラグ流領域を抽出し
た後、スラグ流輝度、スラグ流本数及びスラグ流面積の
3つの特徴量を演算し、これら3つの特徴量ごとにスラ
グ流判定を行い、3つの判定のうちの最も悪い判定をス
ラグ流判定結果とする画像処理装置と、 画像処理装置から出力されたスラグ流状態の判定結果を
表示する表示装置とを包含してなることを特徴とする溶
融炉のスラグ流監視装置。 - 【請求項7】 溶融炉のスラグ流下口下側に設置された
カメラと、 カメラで撮影されたスラグ画像を取り込んで、ある画素
(X,Y)座標に対して決まる平均値演算範囲内の輝度
の平均値を2値化処理のためのしきい値として、スラグ
流下口からの火炎による垂直方向のハレーションむらの
除去を行い、スラグ流の背景輝度の変化に影響を受ける
ことなく、スラグ流画像を2値化処理し、2値化処理を
行ったスラグ画像の情報を用いてスラグ流領域を抽出し
た後、スラグ流輝度、スラグ流本数及びスラグ流面積の
3つの特徴量を演算し、これら3つの特徴量ごとにスラ
グ流判定を行い、3つの判定のうちの最も悪い判定をス
ラグ流判定結果とする画像処理装置と、 画像処理装置から出力されたスラグ流状態の判定結果を
表示する表示装置と、 画像処理装置から出力されたスラグ流状態の判定結果に
基づいて溶融炉の燃焼制御を行う制御装置とを包含して
なることを特徴とする溶融炉のスラグ流監視装置。
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JP3522680B2 true JP3522680B2 (ja) | 2004-04-26 |
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