JP2000304232A - 溶融スラグ流の画像認識方法 - Google Patents

溶融スラグ流の画像認識方法

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JP2000304232A JP11116198A JP11619899A JP2000304232A JP 2000304232 A JP2000304232 A JP 2000304232A JP 11116198 A JP11116198 A JP 11116198A JP 11619899 A JP11619899 A JP 11619899A JP 2000304232 A JP2000304232 A JP 2000304232A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】溶融炉装置等において生成されスラグ流の特性
を、画像処理により検出する。 【解決手段】スラグ流を撮影して、複数の画像フレーム
の輝度データを得て記憶し、その内の幾つかのフレーム
の輝度データを選択して平均輝度データを算出する。次
に、現在フレームの輝度データと平均輝度データとの差
である輝度差データを得、輝度差データの内、高輝度ピ
クセルが強調されるように補正し、補正されたデータを
2値化して2値化データを得る。そして、2値化データ
の高輝度ピクセル群を特定しその重心を検出し、該重心
の垂直方向の移動距離と移動時間とから、スラグ流の流
出速度を演算する。更に、平均輝度データ又は2値化デ
ータの水平方向の輝度分布に基づいて、スラグ流の幅及
び流出位置を検出する。これらの流出速度及び幅等か
ら、スラグ流の体積速度、質量速度、所定期間内の流出
量推定値を演算することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、溶融スラグ(溶融物)の
画像認識方法に関し、特に、溶融炉装置等において生成
される溶融スラグの流出速度、流出幅等を画像処理手法
を用いて認識する方法に関し、それにより、その溶融ス
ラグの組成、粘性等の性状を評価するとともに溶融炉装
置等の状況を把握することができるようにするものであ
る。
【0002】
【従来の技術】今日、世界的規模で環境問題と社会生活
との連関及び調和についての認識が高まっており、ゼロ
エミッション社会、すなわち排出量をできるだけ少なく
することにより環境に優しい社会を目指すために、より
一層の努力が図られるようになってきている。溶融炉装
置は、このような社会情勢において実用化が進められて
いる固形物処理装置の一つであり、下水汚泥及び焼却灰
等の被溶融物を無害化処理するだけでなく、有効利用可
能なスラグを生産することができる点で注目されてい
る。溶融炉装置では、被溶融物が下水汚泥である場合に
は、下水処理プロセス、及び汚泥濃縮・脱水プロセスの
運転条件の他、季節的な要因にも左右されて生じる汚泥
性状の変動を考慮して、溶融スラグを安定して生成する
ことが要求される。一方、被溶融物が焼却灰である場合
には、被焼却物に依存して生じる焼却灰の組成変動を考
慮して、溶融スラグを安定して生成することが要求され
る。溶融炉装置においては、上記したようにスラグの安
定生成が要求されるため、被溶融物の供給並びに溶融に
必要な燃料及び空気の供給を燃焼状態等に応じて制御す
るための自動制御手段が具備されおり、オペレータによ
り自動制御手段に設定される燃焼条件(操業条件)を適
宜変更して、炉内のスラグの滞留及び固着を防止し、か
つ安定したスラグの流れを確保できるようにしている。
【0003】ところで、溶融炉が耐火物で覆われていて
炉内の全ての部位を直接監視することが不可能であるた
め、一般には、分離されたスラグの流出状況をテレビカ
メラを用いてモニタ画面に表示し、オペレータがそれを
監視して炉内の状況を判断している。すなわち、溶融炉
の下部にテレビカメラを設置し、流出するスラグを捕ら
えてモニタ画面に表示し、オペレータがモニタ画面上の
画像を目視して、スラグ流出位置とその変化、流出速度
とその変化、スラグ幅とその変化、及び塊の有無等を監
視している。そして、オペレータは、過去の経験に基づ
き、監視した流出状況を一つの判定要因としてその時点
の燃焼条件の適否を判定し、必要に応じて燃焼条件を変
更し、それにより、炉内のスラグの滞留及び固着を防止
できるようにしている。しかしながら、モニタ画面を監
視しての炉内状況の判断及び燃焼条件の変更は、オペレ
ータに相当の熟練を要求し、また、オペレータの判断結
果が定量化しにくいためにオペレータ相互間での経験の
伝承が困難であること等から、溶融炉装置の運転に有用
な情報であっても、それを効果的に反映させることが困
難である。さらに、オペレータがモニタ画面を常時監視
しなければならないため、オペレータの負担が極めて大
きくなっている。
【0004】上記した問題点を解消するため、スラグの
画像情報を処理して自動制御に応用しようとする試みが
なされるようになった。例えば、前田知幸氏等による
「画像データに基づく旋回溶融炉の燃焼状態評価手法」
(第37回自動制御連合講演会論文集、P.287−288)及
び「画像処理に基づく旋回溶融炉のインテリジェント制
御技術」(学会誌「EICA」第2巻第3号(1998)、
P.35−37)には、スラグの流量を観察し、それに応じて
バーナの油量をフィードバック制御する手法が提案され
ている。しかしながら、この手法においては、スラグ流
量を定量的に把握しているものではなく、仮設定した安
定溶融状態からの偏差に基づいて算出した画像評価値を
スラグ流量の観測値としている。よって、仮定した安定
溶融状態が真に安定の状態であるのか、すなわち、被溶
融物とスラグの質量バランスがとれている状態であるの
かが掴めないため、僅かな性状変化に伴う流量変化には
追従可能であるものの、大幅な性状変化に伴う流量変化
には追従することが不可能である。したがって、被溶融
物の組成に大幅な変動が生じた場合、安定溶融状態を把
握して画像評価値の設定条件を探し出すためには試行錯
誤的な運転を繰り返さなければならない、という問題が
ある。
【0005】また、溶融物排出口の閉塞状況を監視し、
その状況に応じて溶融炉の燃焼条件を変更して安定化し
ようとする試みも行われている。例えば、石川理氏等に
よる「溶融炉スラグ排出口の監視制御について」(学会
誌「EICA」第3巻第2号(1998)、P.1−6)には、
このような手法が提案されている。しかしながら、この
手法においては、スラグ排出口の閉塞状況を監視して炉
内圧力を適宜変更するものであるが、溶融スラグの時間
的変動を考慮したものではないため、閉塞状況が確認さ
れてからの調節では遅れが生じてしまい、結局、安定し
てスラグを提供することが困難である。
【0006】本発明は、このような従来例の問題点に鑑
みてなされたものであり、その目的は、溶融炉装置等か
ら流出する溶融スラグの流出特性、例えば、流出速度、
位置、幅、体積速度、質量速度及びこれらの変化を定量
的に認識することができるようにした画像認識方法を提
供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明の溶融スラグの流動特性を認識する画像
認識方法においては、(a)溶融スラグ流を撮影して、
複数の画像フレームの輝度データを得て記憶するステッ
プと、(b)記憶された輝度データの内で時間的に連続
する幾つかのフレームの輝度データを選択して平均輝度
データを算出するステップであって、平均輝度データの
各ピクセルの輝度が、選択されたフレームの対応するピ
クセルの輝度平均となるように算出する、ステップと、
(c)平均輝度データと現在フレームの輝度データとの
差である輝度差データを得るステップと、(d)輝度差
データの内、高輝度ピクセルが強調されるように補正す
るステップと、(e)補正された輝度差データをピクセ
ル毎に2値化して2値化データを得るステップと、
(f)2値化データの高輝度ピクセル群を特定し、その
重心を検出するステップと、(g)高輝度ピクセル群の
重心の垂直方向の移動距離とその移動時間とから、溶融
スラグ流の流動速度を演算するステップとからなり、画
像情報の処理により、溶融スラグ流の流速を演算するこ
とができることを特徴としている。
【0008】本発明の画像認識方法においては、上記ス
テップ(a)〜(g)に加えて、(h)ステップ(b)
又は(e)で得られた平均輝度データ又は2値化データ
の水平方向の輝度分布に基づいて、溶融スラグ流の幅及
び流出位置を検出するステップと、(i)ステップ
(h)で得られた溶融スラグ流の幅に基づいて、該溶融
スラグ流の断面積を演算するステップと、(j)ステッ
プ(g)で得られた溶融スラグ流の流動速度及びステッ
プ(i)で得られた溶融スラグ流の断面積に基づいて、
溶融スラグ流の体積速度を演算するステップと、(k)
ステップ(j)で得られた溶融スラグ流の体積速度及び
その密度に基づいて、溶融スラグ流の質量速度を演算す
るステップと、(l)ステップ(k)で得られた溶融ス
ラグ流の質量速度及びその連続流動時間に基づいて、該
時間内の溶融スラグの流出量推定値を演算するステップ
とを含ませることにより、溶融スラグ流の幅、流出位
置、体積速度、質量速度、及び、流出量推定値を演算す
ることができる。なお、溶融炉装置等から得られるスラ
グ流の特性を演算認識するためには、スラグ流出口にお
けるスラグ流を撮影することが好ましいので、このよう
な場合は、「流動」とは「流出」と同義である。
【0009】
【発明の実施の態様】図1は、溶融炉装置に本発明の溶
融スラグの画像認識方法を適用した場合の画像認識シス
テムの模式図を示しており、図において、1は溶融炉装
置、2はCCDカメラ等からなる工業用カメラ(ITV
カメラ)、3は画像処理装置、4はCRTディスプレイ
等からなるモニタである。溶融炉装置1は、一次燃焼室
11、二次燃焼室12、排ガス排出部13、スラグ分離
室14、スラグ排出部15、一次及び二次バーナ1
1、162を備えている。カメラ2は、スラグ排出部1
5に設けられた窓を介してスラグ排出部の内部を撮影で
きるよう配置されているが、図1に示した断面に対して
垂直の方向から見た映像を得ることができるよう配置さ
れている。被溶融物である焼却灰等の粉体は、一次燃焼
室11に旋回噴入され高温で熱せられて、旋回しながら
溶融される。そして、溶融物は溶融スラグとしてスラグ
排出部15より排出される。スラグ排出部15から流出
するスラグ流は、カメラ2により撮像され、その画像が
モニタ4上に表示されるか、又は画像処理装置3により
処理された後にモニタ4上に表示される。
【0010】次に、図2〜図6を参照して、図1に示し
た溶融炉装置の動作を説明する。図2は、溶融スラグの
流速を演算するため処理フローを示しており、ステップ
S1において、スラグ排出部15中を流れ落ちるスラグ
流の映像をカメラ2により撮影することによって表示動
作が開始されると、ステップS2において、スラグ流の
原画映像が、図3に示されるように、モニタ4上に表示
される。
【0011】図3において、SLGはスラグ排出部15
中のスラグ流の映像を表しており、Fはスラグ排出部1
5に設けられた撮影用の窓枠の映像を表している。ま
た、X−Yで表されている直線は、投入された被溶融物
の性状等に基づいてオペレータにより予め設定された水
平スケールであり、該スケールの中心点は、スラグの理
想的な流出位置(水平位置)を示すものである。スケー
ルX−Yは、例えばスラグの粘性が高いと想定される場
合にモニタ・スクリーンの右方向に、粘性が低いと想定
される場合に左方向に初期設定される。したがって、溶
融炉装置1が動作中に、スラグ流の映像SLGが図2に
示した位置から例えばY方向(右方向)に移動した場合
は、スラグの粘性が理想的な状態に比べて高くなったこ
とを表し、オペレータがこの変位量を目視することによ
り、燃焼条件を調整する必要が生じたか否かが分かる。
1水平ライン上のステップS1で得られた画像データの
輝度分布は、水平座標X−Yの部分を切り取って表示す
ると、例えば図4に示すように表される。
【0012】スラグ流の画像がモニタ4に表示されると
ともに、カメラ2からの画像信号が画像処理装置3に入
力され、ステップS3において、複数フレーム分の画像
信号の輝度データが画像処理装置3中のメモリに順次格
納される。輝度データの取得速度は、例えば、30フレ
ーム/秒程度である。該メモリは、複数フレーム(最低
3フレーム)分の輝度データを格納可能な記憶容量を備
えており、輝度データの取得タイミング毎に、最古に記
憶されたフレームの輝度データが消去されて、新規なフ
レームの輝度データが記憶される。そして、ステップS
4に進み、画像処理装置3は、メモリに記憶された複数
フレームの輝度データの内、連続する幾つかのフレーム
(例えば、3フレーム)の輝度データを用い、これら複
数のフレームにおける対応するピクセルの輝度の平均を
演算して平均輝度データを得、これをメモリに記憶す
る。平均輝度データを、例えばフレーム1〜3の輝度デ
ータに基づいて演算する場合、フレーム1〜3の各ピク
セル位置(i,j)の輝度をD1(i,j)〜D3(i,j)で表
すと、各ピクセル(i,j)の平均輝度Dav(i,j)は、
例えば、 Dav(i,j) =(D1(i,j)−D3(i,j))/D2(i,j)+D3(i,j) を演算することにより求めることができる。その他、単
純な加重平均又は相乗平均としても演算することができ
る。なお、スラグの幅は水平スケールX−Yの範囲に通
常含まれると考えられるので、平均輝度データの水平横
軸は、座標X−Yの範囲に限定しても良い。この場合、
平均輝度データを得るための演算量が低減される。
【0013】次に、ステップS5において、現在フレー
ムの輝度データから平均輝度データを減算して輝度差デ
ータを得、そしてステップS6において、輝度差データ
中の高輝度ピクセルの輝度がより強調されるように、輝
度差データを補正する。この補正は、輝度差データ中の
各ピクセル(i,j)の輝度をD(i,j)とし、補正後の
データの輝度をD’(i,j)とすると、例えば、以下の式
を演算することによって実行される。 D’(i,j)=a・logbD(i,j)+c ただし、a、b、cは定数であり、例えば、a=b=
0.2、c=1に設定される。上記の式に限定されるも
のではないこと、さらには上記の式を採用したとして
も、上記の係数値に限定されるものではないことは、言
うまでもない。なお、輝度差データは、現在フレームの
輝度データと平均輝度データとの差であることから全体
的に値が小さくなっており、したがって、輝度差データ
における低輝度ピクセルと高輝度ピクセルとの差を強調
するために、このような補正を行うことが有効である。
【0014】ステップS6からステップS7に進み、補
正済の輝度差データを所定のスレショルド値と比較して
2値化を行って2値化データを形成する。そしてステッ
プS8において、スレショルド値以上である高輝度ピク
セルの内、近接していて群として考えられるものをグル
ープ化して高輝度粒子群として特定し、ステップS9に
おいて高輝度粒子群をCRTディスプレイすなわちモニ
タ4上に表示する。特定された1つの高輝度粒子群は、
当然ながら時間経過とともに下方に落下していくが、そ
の様子は、モニタ4への入力を切り換えることにより、
例えば、図5の(A)〜(C)に示されるようにモニタ
4上で目視できる。なお、図3に示した画像と図5に示
した画像とを、モニタ4上の画面の左右等に分割表示し
てもよく、また、切換表示してもよい。さらには、モニ
タを2つ設けて、それぞれの画像を個別表示してもい。
【0015】それと共に、ステップS10において、高
輝度粒子群の重心を算出し、ステップS11において、
該重心位置の移動距離L及びその移動に要した時間Tに
基づき、高輝度粒子群の流出速度Vを、 V=L/T により演算する。高輝度粒子群の流出速度Vがスラグ流
の速度と等しいことは言うまでもなく、したがって、ス
ラグの流出速度Vを算出できたことになる。以上の処理
により、画像処理装置3は画像の輝度データに基づいて
スラグの流出速度Vを演算することができ、必要に応じ
て、得られた速度Vをモニタ4上に数値又はグラフ表示
し、若しくはプリンタにおいて印字する。
【0016】図6は、図2のフローチャートで示した処
理において得られた平均輝度データ(ステップS4)又
は2値化データ(ステップS7)及び流出速度(ステッ
プS11)を用いて、スラグ流の幅、位置を定量化する
と共に、スラグ流の断面積、体積速度、質量速度、及び
スラグ流出力積算値を算出するための処理フローを示し
ている。この処理フローにおいては、まず、ステップS
12において、平均輝度データ又は2値化データを用
い、その水平ライン上の変化を検出することによって、
スラグ流の幅W及び位置Pを演算し、ステップS13に
おいて、スラグ流の幅Wに基づいてスラグ流の断面積S
を算出する。スラグ流の断面積Sは、 S=γ・π(W/2)2 として演算することができる。ただし、γは円形状係数
であり、断面が円形であると推定される場合には、γ=
1に設定する。
【0017】次いで、ステップS14において、ステッ
プS11で得られた流出速度VとステップS13で得ら
れた断面積Sとから、体積速度VVを、 VV=S・V により演算し、そしてステップS15において、質量速
度MVを、 MV=ρ・VV (ただし、ρはスラグの密度)により演算する。さら
に、ステップS16において、溶融炉装置1を所定の期
間T、連続運転を行う場合に得られるであろうスラグ流
の総流出量を推定するために、スラグ流出量の積算値M
を、 M=MV・T により演算する。得られたスラグ流の位置、幅、断面
積、体積速度、質量速度、及び積算値は、必要に応じ
て、モニタ上に表示されるとともにプリンタにおいて印
字される。図2及び図6に示した本発明の画像認識方法
は、例えば、30分毎、1時間毎等のように周期的に実
行してもよく、その周期は、必要に応じて設定すればよ
い。
【0018】上記説明した本発明の画像認識方法を用い
て、実機テストにより、溶融炉装置におけるスラグ流の
流出速度、幅、断面積、体積速度及び質量速度を実際に
演算した。実機テストでは、下水処理場から発生する汚
泥を乾燥後、溶融炉装置に投入し、カメラによりスラグ
の流出状態を撮影した。算出されたスラグ流の幅W、流
出速度V、体積速度VV、及び、質量速度MVは、以下
のとおりであった。ただし、スラグの密度ρは、別途分
析の結果、ρ=1500kg/m3であった。 W=6.41mm V=13.5mm/30-1秒=405mm/秒 VV=3.14×(6.41mm/2)2×405mm
/秒=13.06cm3/秒 MV=13.06cm3/秒×1500kg/m3=7
0.5kg/時 したがって、この実機テストにおいては、溶融スラグの
4日間(96時間)の総発生量(スラグ流出量積算値
M)は6768kgと演算されたが、この値は、溶融物
ホッパのロードセルで実際に積算される値とほぼ一致し
ていた。したがって、本発明の画像認識方法によれば、
実際の溶融スラグの流出状況に合致する情報が得られる
ことが実証され、よって、本発明の有効性が実証され
た。
【0019】本発明の画像認識方法により得られる情報
は、溶融炉装置の運転管理情報として活用することがで
きる。例えば、溶融スラグの流出位置、幅、流出速度、
及びそれらの変位量にそれぞれ、過去の運転経験から得
られたスレショルド値を割り付けておき、それぞれの計
測値がスレショルド値に達したときに警報を発生すれ
ば、オペレータに確認を促すことができる。また、本発
明により得られる情報及び溶融炉の壁面温度等の他の情
報を、経験に基づいて構築された因果関係ルールとコン
ピュータにより照合することにより、溶融炉の現在の状
況が安定しているか又は不安定状況に移行しつつあるの
かの診断を自動的に行えるようにプログラムし、診断結
果をオペレータに提供できるようにすれば、経験が乏し
いオペレータでも燃焼条件を適切に変更することが可能
となる。さらに進んで、本発明により得られる溶融スラ
グ流に関する情報を溶融炉装置の自動制御手段の入力情
報として活用して、燃焼の自動制御を行うようにすれ
ば、オペレータを介することなく、安定した溶融スラグ
の供給が可能となる。
【0020】本発明の画像認識方法は以上のように構成
されているので、溶融スラグの流出位置、幅、流出速
度、体積速度、質量速度等の情報をリアルタイムで定量
化することができるので、該情報を溶融炉の燃焼状況の
把握及び燃焼条件の調整に用いることにより、溶融スラ
グを安定して生成することができる。なお、以上の説明
から明らかであろうが、本発明の画像認識方法は、溶融
炉装置における溶融スラグだけでなく、任意の溶融装置
で生成される溶融スラグ流の状態を検出するために適用
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の溶融スラグの画像認識方法を実行可能
な、溶融炉装置を含んだ画像認識システムの模式図であ
る。
【図2】本発明の画像認識方法に係る、溶融スラグの流
出速度を算出するための処理フローを説明するための図
である。
【図3】本発明の画像認識方法において生成されるモニ
タ画像を示す模式図である。
【図4】本発明の画像認識方法において得られる水平ラ
イン上の輝度分布曲線のグラフである。
【図5】本発明の画像認識方法において生成されるモニ
タ画像を示す模式図である。
【図6】本発明の画像認識方法に係る、溶融スラグの
幅、体積速度、質量速度、及び流出量積算値を算出する
ための処理フローを説明するための図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 入山 守生 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 (72)発明者 鮎川 正雄 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 Fターム(参考) 3K062 AA16 AB03 AC02 BA05 CA08 DA40 DB30

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像処理により溶融スラグの流動特性を
    認識する画像認識方法において、 (a)溶融スラグ流を撮影して、複数の画像フレームの
    輝度データを得て記憶するステップと、 (b)記憶された輝度データの内で時間的に連続する幾
    つかのフレームの輝度データを選択して平均輝度データ
    を算出するステップであって、平均輝度データの各ピク
    セルの輝度が、選択されたフレームの対応するピクセル
    の輝度平均となるように算出する、ステップと、 (c)現在フレームの輝度データと平均輝度データとの
    差である輝度差データを得るステップと、 (d)輝度差データの内、高輝度ピクセルが強調される
    ように補正するステップと、 (e)補正された輝度差データをピクセル毎に2値化し
    て2値化データを得るステップと、 (f)2値化データの高輝度ピクセル群を特定し、その
    重心を検出するステップと、 (g)高輝度ピクセル群の重心の垂直方向の移動距離と
    その移動時間とから、溶融スラグ流の流動速度を演算す
    るステップとからなることを特徴とする画像認識方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の画像認識方法において、
    該方法はさらに、 (h)ステップ(b)又は(e)で得られた平均輝度デ
    ータ又は2値化データの水平方向の輝度分布に基づい
    て、溶融スラグ流の幅及び流出位置を検出するステップ
    を含んでいることを特徴とする画像認識方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の画像認識方法において、
    該方法はさらに、 (i)ステップ(h)で得られた溶融スラグ流の幅に基
    づいて、該溶融スラグ流の断面積を演算するステップ
    と、 (j)ステップ(g)で得られた溶融スラグ流の流動速
    度及びステップ(i)で得られた溶融スラグ流の断面積
    に基づいて、溶融スラグ流の体積速度を演算するステッ
    プとを含んでいることを特徴とする画像認識方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の画像認識方法において、
    該方法はさらに、 (k)ステップ(j)で得られた溶融スラグ流の体積速
    度及びその密度に基づいて、溶融スラグ流の質量速度を
    演算するステップを含んでいることを特徴とする画像認
    識方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の画像認識方法において、
    該方法はさらに、 (l)ステップ(k)で得られた溶融スラグ流の質量速
    度及びその連続流動時間に基づいて、該時間内の溶融ス
    ラグの流出量推定値を演算するステップとを含んでいる
    ことを特徴とする画像認識方法。
JP11619899A 1999-04-23 1999-04-23 溶融スラグ流の画像認識方法 Expired - Fee Related JP3825579B2 (ja)

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