JP2021011958A - 炉内監視装置及び炉内監視方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】炉内を撮像した動画を解析して石炭灰の付着/堆積状況を監視する場合であっても,膨大な時間を費やすことなく,石炭灰の付着/堆積状況を定量的に評価する。【解決手段】炉内監視装置1は,射影画像を取得する射影画像取得部11と,炉内画像を取得する炉内画像取得部12と,射影画像と炉内画像とを重ね合わせて,監視対象物の灰面積率の算出に用いる算出用画像を作成する算出用画像作成部13と,算出用画像における監視対象物において,灰の付着/堆積判定を行う範囲を指定する範囲指定部14と,範囲指定部により指定された範囲内で灰が付着/堆積している領域を判定する灰付着/堆積判定部15と,監視対象物における灰が占める灰面積率を算出する灰面積率算出部16と,を備える。【選択図】図3

Description

本発明は,炉内監視装置及び炉内監視方法に関し,例えば,燃焼炉内の監視対象物への灰付着/堆積状況を監視する炉内監視装置及び炉内監視方法に関する。
従来,カメラによってボイラの燃焼状態を監視するボイラ燃焼監視装置が提案されている(例えば,特許文献1参照)。このボイラ燃焼監視装置は,ボイラの炉壁に設けた監視孔に炉内監視用カメラを挿入してボイラ内の燃焼状況を監視する。
微粉炭を燃焼する石炭焚ボイラでは,微粉炭の燃焼に伴って石炭灰が発生する。この石炭灰は,燃焼炉内の伝熱面に付着/堆積してボイラの熱効率を低下させるだけでなく,火炎検知器に付着して誤検知を引き起こす原因となる。また,石炭灰は,大きな塊に成長すると破砕除去に長い時間が必要となり,稼働率を低下させる。また,炉内水平部に石炭灰が異常に堆積すると,燃焼ガスの流れが変化して炉内の温度分布がアンバランスとなり,石炭焚ボイラの運転に悪影響を与える。そこで,安定かつ効率的にボイラを運転するために,赤外線カメラなどで燃焼炉内を撮像し,撮像画像の輝度情報を用いて燃焼炉内の石炭灰を可視化する方法が提案されている(例えば,特許文献2参照)。
特開平8−178260号公報 特開2017−187265号公報
しかしながら,石炭焚ボイラの燃焼炉内では微粉炭の燃焼によって生じる火炎や高温の燃焼ガスにより光が発生するので,目視及びカメラによる燃焼炉内の撮像は極めて困難である。また,火炎が発する光を透過する特殊な波長を用いることで燃焼炉内を撮像できるカメラが開発されているものの,そのカメラを用いても燃焼炉内で解析対象領域を的確に撮像できるとは限らない。そのため,カメラで撮像された炉内画像では,解析対象領域に歪みが発生したり,解析対象領域が炉内画像の端に位置してしまうことがある。
また,撮像された灰付着/堆積状況はアナログ情報であるために,評価者によって判断が異なる場合もあり,燃焼炉内の適切な管理に必要となる灰付着/堆積状況の定量的な評価が困難であった。
さらに,石炭焚ボイラ内での石炭灰の付着・成長や堆積は,連続的な現象である。そのため,カメラで石炭灰の付着・成長や堆積の過程を長時間にわたって動画で撮像し,動画に含まれる大量の静止画を評価することが好ましい。しかし,評価者が大量の静止画を見ながら石炭灰の付着/堆積状況を監視するには膨大な時間を費やすため,現実的ではない。
本発明は,このような実情に鑑みてなされたものであり,炉内を撮像した動画を解析して石炭灰の付着/堆積状況を監視する場合であっても,膨大な時間を費やすことなく,石炭灰の付着/堆積状況を定量的に評価できる炉内監視装置及び炉内監視方法を提供することを目的とする。
本発明に係る炉内監視装置は,射影計算により可燃物を燃焼する燃焼炉内に配置された監視対象物の射影画像を取得する射影画像取得部と,前記燃焼炉内を撮像して前記可燃物の灰が付着/堆積した灰付着/堆積後の前記監視対象物の炉内画像を取得する炉内画像取得部と,前記射影画像と前記炉内画像とを重ね合わせて,前記監視対象物の灰面積率の算出に用いる算出用画像を作成する算出用画像作成部と,前記算出用画像における前記監視対象物において,灰の付着/堆積判定を行う範囲を指定する範囲指定部と,前記範囲指定部により指定された範囲内で灰が付着/堆積している領域を判定する灰付着/堆積判定部と,前記算出用画像における前記射影画像に由来する前記監視対象物と,前記炉内画像に由来する前記監視対象物において灰の付着/堆積判定により得られた灰の付着/堆積領域と,を対比して,前記監視対象物における灰が占める灰面積率を算出する灰面積率算出部と,を備えることを特徴とする。
また,前記灰付着/堆積判定部は,前記範囲指定部により指定された灰の付着/堆積判定を行う範囲の中心の画素の画素情報と,当該灰の付着/堆積判定を行う範囲における周囲の画素の画素情報とを対比して灰の付着/堆積を判定することが好ましい。
また,前記画素情報は,明度及びコントラストであることが好ましい。
また,前記灰面積率算出部によって算出された灰面積率に基づいて,前記監視対象物への灰の付着/堆積量を推定する灰付着/堆積量推定部を備えることが好ましい。
また,前記灰面積率算出部は,下記式(1)に基づいて灰面積率を算出することが好ましい。
灰面積率=前記算出用画像における灰付着(堆積)判定の対象領域での灰付着(堆積)面積÷前記算出用画像における灰付着(堆積)判定の対象領域の面積 ・・・ 式(1)
また,前記範囲指定部は,前記算出用画像において灰の付着/堆積判定を行う範囲の中心位置を入力する中心位置入力部と,灰の付着/堆積判定を行う前記中心位置からの範囲を入力する範囲入力部と,を備えることが好ましい。
本発明に係る炉内監視方法は,射影計算により可燃物を燃焼する燃焼炉内に配置された監視対象物の射影画像を取得する射影画像取得工程と,前記燃焼炉内を撮像して前記可燃物の灰が付着/堆積した灰付着/堆積後の前記監視対象物の炉内画像を取得する炉内画像取得工程と,前記射影画像と前記炉内画像とを重ね合わせて,前記監視対象物の灰面積率の算出に用いる算出用画像を作成する算出用画像作成工程と,前記算出用画像における前記監視対象物において,灰の付着/堆積判定を行う範囲を指定する範囲指定工程と,前記範囲指定工程により指定された範囲内で灰が付着/堆積している領域を判定する灰付着/堆積判定工程と,前記算出用画像における前記射影画像に由来する前記監視対象物と,前記炉内画像に由来する前記監視対象物において灰の付着/堆積判定により得られた灰の付着/堆積領域と,を対比して,前記監視対象物における灰が占める灰面積率を算出する灰面積率算出工程と,を有することを特徴とする。
また,前記灰面積率算出工程によって算出された灰面積率に基づいて,前記監視対象物への灰の付着/堆積量を推定する灰付着/堆積量推定工程を備えることが好ましい。
本発明によれば,炉内を撮像した動画を解析して石炭灰の付着/堆積状況を監視する場合であっても,膨大な時間を費やすことなく,石炭灰の付着/堆積状況を定量的に評価できる。
石炭焚ボイラの断面模式図である。 石炭焚ボイラの熱交換器及びガス流路の配置の説明図である。 炉内監視装置の構成を示すブロック図である。 炉内監視方法を示すフローチャートである。 灰付着/堆積判定工程を示すフローチャートである。 射影画像取得工程の説明図である。 炉内画像取得工程の説明図である。 算出用画像作成工程の説明図である。 算出用画像作成工程の説明図である。 範囲指定工程の説明図である。 灰付着/堆積判定工程の説明図である。 灰付着/堆積判定工程の説明図である。 灰付着/堆積判定工程の説明図である。 灰付着/堆積判定を行う範囲を変えた場合における灰付着/堆積判定工程の説明図である。 灰付着/堆積判定を行う範囲の説明図である。
以下,本発明の好ましい実施の形態について,図面を参照しながら説明する。なお,以下に示す実施の形態は一つの例示であり,本発明の範囲において種々の形態をとりうる。
<石炭焚ボイラ>
まず,本実施の形態に係る炉内監視装置が適用される石炭焚ボイラについて簡単に説明する。図1は,石炭焚ボイラの断面模式図である。なお,図1に示す石炭焚ボイラは,微粉炭焚ボイラであるが,炉内監視装置は,微粉炭焚ボイラ以外の流動床ボイラ及びストーカボイラなどの各種石炭焚ボイラにも適用可能である。さらに,炉内監視装置は,石炭焚ボイラだけでなく,燃焼炉を有する各種ボイラ(例えば,バイオマス焚きボイラ等)及び廃棄物焼却炉などの石炭焚ボイラ以外にも適用可能である。
図1に示すように,石炭焚ボイラ100は,微粉炭(可燃物)Fの燃焼によって発生した熱を,熱交換器を通じて水に渡して水蒸気を生成するものである。石炭焚ボイラ100は,微粉炭Fが燃焼する燃焼空間Sを有する火炉(燃焼炉)101を備える。火炉101は,上部に設けられた火炉天井101aと,下部に設けられたホッパ101bと,側方に設けられた火炉前壁101cと,火炉後壁101dと,火炉側壁101e,101f(図1において不図示,図2参照)とを有する。燃焼空間Sは,火炉天井101aと,ホッパ101bと,火炉前壁101cと,火炉後壁101dと,火炉側壁101e,101fとにより囲まれている。火炉天井101a,ホッパ101b,火炉前壁101c,火炉後壁101d及び火炉側壁101e,101fには,伝熱管群(不図示)が配置されている。微粉炭Fの燃焼により燃焼空間S内で発生した燃焼熱の一部は,伝熱管群を流れる水又は蒸気との間の熱交換によって一部が吸収される。
火炉101内の火炉前壁101c及び火炉後壁101dの下部には,複数段のバーナ102が対向して配置されている。このバーナ102は,粉砕器(不図示)で粉砕された微粉炭Fと燃焼用空気Aとを燃焼空間S内に噴出する。これにより,燃焼空間S内では,微粉炭Fと燃焼用空気Aとの燃焼によって燃焼排ガスGが発生する。なお,本実施の形態では,火炉前壁101c及び火炉後壁101dにバーナ102をそれぞれ配置する対向燃焼方式について説明するが,バーナ102は,火炉101の四隅に配置するコーナファイアリング方式などとしてもよい。
火炉101内の燃焼空間Sの上方には,燃焼空間S内で発生した燃焼排ガスGの熱を回収する熱交換器(吊り下げ熱交換器,監視対象物)103が複数設けられている。監視対象物は,吊り下げ熱交換器103だけでなく,後で説明するガス流路106,水平熱交換器104,また火炉天井101aと,ホッパ101bと,火炉前壁101cと,火炉後壁101dと,火炉側壁101e,101fなどであってもよい。熱交換器103は,蒸気が流れる複数の伝熱管群を有する。熱交換器103は,燃焼排ガスGと熱交換器103の伝熱管群を流れる蒸気と燃焼排ガスGとの間で熱交換することにより,燃焼排ガスGの燃焼熱を回収する。なお,図2に示す例では,熱交換器103が火炉101内の燃焼空間Sの上部に配置された例について説明するが,熱交換器103の配置は実際の設備に合わせて適宜変更可能である。
火炉101の火炉前壁101cには,火炉101の外部から火炉101内の熱交換器103及びその後方(燃焼排ガスGの流れ方向下流側)へと続くガス流路106(監視対象物)の状態を観察する監視窓105が設けられている。なお,監視窓105は,火炉前壁101c,火炉後壁101dに設けてもよく,火炉側壁101e,101fに設けてもよい。また,監視窓105は,少なくとも1つ設けられればよく,監視窓105の数や位置は適宜変更可能である。
ガス流路106の後方(ガス流路における下流側)には,熱交換器(水平熱交換器,監視対象物)104が複数設けられている。熱交換器104は,蒸気が流れる複数の垂直管104a(監視対象物)を有している。ガス流路106の壁面や床面,天井面には,ガス流路106内の燃焼排ガスGの熱を吸収する伝熱管群107(監視対象物)が設けられている。
石炭焚ボイラ100では,バーナ102によって燃焼空間S内に供給された微粉炭Fが燃焼用空気Aと共に燃焼する。この結果,微粉炭F及び燃焼用空気Aは,微粉炭Fに由来するフライアッシュなどの石炭灰を同伴した燃焼排ガスGとなる。石炭灰を同伴した燃焼排ガスGは,火炉101内を上昇してガス流路106に向かって流れていき,熱交換器103,熱交換器104の垂直管104a,伝熱管107(図1,図2,図3参照)と接触する。この結果,熱交換器103,熱交換器104の垂直管104a,伝熱管107では,燃焼排ガスGが冷却され,燃焼排ガスGに同伴したフライアッシュなどの石炭灰が固化して付着する,又は重力により石炭灰が水平部に堆積する。この熱交換器103及びその後方のガス流路106における熱交換器104の垂直管104a,伝熱管107への灰付着/堆積状況は,監視窓105を介して火炉101の外部から観察可能となっている。熱交換器103,熱交換器104の垂直管104a,伝熱管107で熱回収された燃焼排ガスGは,最終的には煙突(不図示)から排出される。
図2は,石炭焚ボイラ100内の熱交換器103,熱交換器104の垂直管104a,伝熱管107の配置の説明図である。なお,図2は,図1のII−II線矢視断面図である。また,図2においては,複数の伝熱管を有する熱交換器103を平板形状として模式的に示し,伝熱管107を斜線で模式的に示している。
図2に示すように,本実施の形態では,複数の熱交換器103は,平面視にて略矩形形状をなしており,火炉101の燃焼空間Sの上方に並んで配置されている。複数の熱交換器103は,一端側が火炉天井101aを貫通して配置され,他端側が燃焼空間S側に配置される。複数の熱交換器103は,主面が燃焼排ガスGの流れ方向に沿う方向に配列される。ガス流路106における複数の熱交換器103の下方には,伝熱管107が配置されている。ガス流路106における熱交換器103及び伝熱管107の後方には,熱交換器104の垂直管104aが複数配置されている。
また,複数の熱交換器103,熱交換器104の垂直管104a及び伝熱管107は,火炉101の火炉前壁101c内に設けられた監視窓105によって灰付着/堆積状況が監視できるように配置されている。なお,熱交換器103,熱交換器104の垂直管104a,伝熱管107の配置は,実際の設備に合わせて適宜変更可能である。
<炉内監視装置>
次に,炉内監視装置1について説明する。図3は,炉内監視装置1の模式図である。炉内監視装置1は,微粉炭を燃焼する火炉101及びガス流路106内に配置された熱交換器103,熱交換器104の垂直管104a,伝熱管107への灰付着/堆積状況を監視し,所定期間運転後の石炭焚ボイラ100の熱交換器103,熱交換器104の垂直管104a,伝熱管107における灰が占める灰面積率を算出し,算出された灰面積率から灰付着/堆積量を推定するものである。なお,以下においては,監視対象物が石炭焚ボイラ100のガス流路106における伝熱管107である場合について説明するが,監視対象物は,伝熱管107に限らず,熱交換器103,熱交換器104,熱交換器104の垂直管104a,火炉前壁101c,火炉後壁101d,火炉側壁101e,101fを監視してもよいし,その他の設備にも適宜変更可能である。
図3に示すように,炉内監視装置1は,射影画像取得部11と,炉内画像取得部12と,算出用画像作成部13と,範囲指定部14と,灰付着/堆積判定部15と,灰面積率算出部16と,灰付着/堆積量推定部17と,を備える。
射影画像取得部11は,ガス流路106の射影計算によりガス流路106の射影画像を取得する。射影画像取得部11は,例えば,設計図面及び設計データ,並びに,焦点距離及び視野角といった撮像機器のデータに基づいた射影計算によりガス流路106の射影画像を取得する。これにより,炉内監視装置1は,ガス流路106の平面視である射影画像を取得する。射影画像取得部11は,取得した射影画像のデータを算出用画像作成部13に出力する。
炉内画像取得部12は,石炭焚ボイラ100内の火炉101内を撮像するカメラなどの撮像機器を備える。炉内画像取得部12は,撮像機器によって監視窓105を介してガス流路106内を動画で所定期間撮像することにより,石炭灰が付着/堆積したガス流路106の大量の炉内画像(動画から切り出した静止画)を取得する。ここでは,炉内画像取得部12は,撮像対象となる石炭焚ボイラ100内のガス流路106を撮像可能となるように,位置,姿勢及びズームレベルなどが適宜調整される。これにより,炉内監視装置1は,石炭焚ボイラ100の所定期間運転後の灰付着/堆積後のガス流路106の炉内画像を取得する。ここでは,炉内画像取得部12は,制御部(不図示)から送信される制御信号に基づいて撮像対象となるガス流路106の撮像を開始又は終了してもよい。また,炉内画像取得部12は,ガス流路106を所定期間にわたって動画で撮像する場合に限らず,所定時間間隔(例えば,24時間毎)でガス流路106を連続して撮像してもよい。すなわち,炉内画像取得部12は,所定時間毎に静止画を複数取得してもよいし,所定期間にわたって撮像した動画に含まれる複数の画像を取得してもよい。炉内画像取得部12は,取得した炉内画像のデータを算出用画像作成部13に出力する。なお,図3に示す例では,1つの監視窓105の炉内画像を取得する例を示しているが,複数の監視窓105を設けた場合には,炉内画像取得部12は,複数の監視窓105のうち,少なくとも1つの監視窓105の炉内画像を取得すればよい。
撮像機器としては,炉内画像が取得できるものであれば制限はない。撮像機器としては,例えば,CCD(Charge Coupled Device)カメラ及び赤外線カメラなどの各種カメラなどが挙げられる。赤外線カメラとしては,波長が1.4μm以上3μm未満の近赤外線,波長が3μm以上8μm未満の中赤外線及び波長が8μm以上15μm未満の遠赤外線などの各種赤外線に感度を持つ赤外線カメラが用いられる。これらの中でも,赤外線カメラとしては,中赤外線に感度を持つ赤外線カメラが好ましい。
算出用画像作成部13は,射影画像取得部11によって取得された射影画像と炉内画像取得部12によって取得された炉内画像とを重ね合わせて,ガス流路106の灰面積率の算出に用いる算出用画像を作成する。ここでは,算出用画像作成部13は,必要に応じて,射影画像に対して,炉内画像を上下左右に移動し,炉内画像を時計回り若しくは反時計回りに回転し,又は炉内画像を拡大縮小して重ね合わせてもよい。また,算出用画像作成部13は,必要に応じて,炉内画像に対して,射影画像を移動,回転,拡大縮小して重ね合わせてもよい。さらに,算出用画像作成部13は,必要に応じて,射影画像の計算に用いた焦点距離及び視野角を調整してもよい。これにより,炉内監視装置1は,灰付着/堆積前のガス流路106の射影画像と灰付着/堆積後のガス流路106の炉内画像とを重ね合わせた算出用画像を取得する。また,算出用画像作成部13は,取得した算出用画像のデータを灰付着/堆積判定部15に出力する。
なお,本実施の形態において,炉内画像取得部12は,所定期間撮像された複数の炉内画像を含む動画を撮像するため,算出用画像作成部13は,射影画像と各炉内画像とを重ね合わせて複数の算出用画像を作成する。これにより,後述する灰面積率算出部16において,ガス流路106の灰面積率を時系列で詳細に算出することが可能となる。
範囲指定部14は,例えば,操作入力部を備えるパーソナルコンピュータ,ワークステーション及びサーバなどの情報処理装置である。また,範囲指定部14は,例えば,操作入力部を備えるタブレット及びスマートフォンなどの可搬型の情報処理装置であってもよい。
範囲指定部14は,算出用画像におけるガス流路106において,灰の付着/堆積判定を行う範囲を指定する。具体的には,モニタ等の表示画面に映し出された算出用画像にマウス等のカーソルを合わせ,算出用画像において灰付着/堆積判定を行う範囲を指定する。
範囲指定部14は,中心位置入力部14aと,範囲入力部14bと,処理部14cとを備える。中心位置入力部14aは,灰付着/堆積判定を行う範囲の中心位置を入力するものであり,具体的には,パーソナルコンピュータに接続されたマウスのクリックボタンである。範囲入力部14bは,中心位置入力部14aで入力された中心位置からどの範囲まで灰付着/堆積判定を行うかの範囲を入力するものであり,具体的には,パーソナルコンピュータに接続されたキーボードである。中心位置入力部14aで入力された位置を中心とする円のサイズ(半径),円の形状(真円,楕円,長円等)を範囲入力部14bから入力することにより,灰付着/堆積判定を行う範囲が指定される。処理部14cは,入力された範囲を算出用画像上に表示させる処理を行う。
灰付着/堆積判定部15は,例えば,パーソナルコンピュータ,ワークステーション及びサーバなどの情報処理装置である。また,灰付着/堆積判定部15は,例えば,タブレット及びスマートフォンなどの可搬型の情報処理装置であってもよい。灰付着/堆積判定部15は,範囲指定部14により指定された範囲内で灰が付着/堆積している領域を判定する。
灰付着/堆積判定部15は,算出用画像における各画素の明度,及び,隣接する画素とのコントラストを用いてガス流路106に灰が付着/堆積しているか否かを判定する。
灰面積率算出部16は,例えば,パーソナルコンピュータ,ワークステーション及びサーバなどの情報処理装置である。また,灰面積率算出部16は,例えば,タブレット及びスマートフォンなどの可搬型の情報処理装置であってもよい。灰面積率算出部16は,算出用画像における射影画像に由来するガス流路106と,炉内画像に由来するガス流路106において灰付着/堆積判定部15による灰付着/堆積判定により得られた灰の付着/堆積領域とを対比して,ガス流路106の監視対象物(熱交換器103,熱交換器104の垂直管104a,伝熱管107)における灰が占める灰面積率を算出する。具体的には,灰付着/堆積判定を行った範囲の面積と,当該範囲内において灰付着/堆積と判定された領域の面積とを比較して灰が占める灰面積率を算出する。
これにより,炉内監視装置1は,灰付着/堆積前後のガス流路106の平面画像を対比してガス流路106の監視対象物(熱交換器103,熱交換器104の垂直管104a,伝熱管107)における灰が占める灰面積率を算出できるので,ガス流路106への灰の付着/堆積状況を定量的に評価することが可能となる。
灰付着/堆積量推定部17は,例えば,パーソナルコンピュータ,ワークステーション及びサーバなどの情報処理装置である。また,灰付着/堆積量推定部17は,例えば,タブレット及びスマートフォンなどの可搬型の情報処理装置であってもよい。灰付着/堆積量推定部17は,灰面積率算出部16によって算出された灰面積率に基づいて,監視対象物(熱交換器103,熱交換器104の垂直管104a,伝熱管107)への灰の付着/堆積量(例えば,体積,重量)を推定する。具体的には,灰面積率と経過時間に基づいて灰付着/堆積量を導き出す近似式を過去の実績データに基づいて作成しておき,算出された灰面積率と経過時間を当該近似式に入力することで灰付着/堆積量を推定する。なお,灰付着/堆積量推定部17による灰付着/堆積量の推定は,上記の方法に限定されることはなく,灰面積率から推定できる方法であれば,どのような推定方法であってもよい。
<炉内監視方法>
次に,炉内監視装置1を用いた炉内監視方法について詳細に説明する。図4は,本実施の形態に係る炉内監視方法を示すフローチャートである。図4に示すように,炉内監視方法は,射影画像取得工程S11と,炉内画像取得工程S12と,算出用画像作成工程S13と,範囲指定工程S14と,灰付着/堆積判定工程S15と,灰面積率算出工程S17と,灰付着/堆積量推定工程S18と,を有する。図5は,灰付着/堆積判定工程S15を示すフローチャートである。
図6は,射影画像取得工程S11の説明図である。図6に示すように,射影画像取得工程S11では,射影画像取得部11は,例えば,石炭焚ボイラ100の設計図面及び設計データ,並びに,焦点距離及び視野角といった撮像機器のデータに基づいた射影計算により石炭焚ボイラ100の監視窓105に対応するガス流路106の射影画像G1を取得する。図6においては,石炭焚ボイラ100のガス流路106に対応する射影画像の灰付着/堆積前のガス流路106の構造の輪郭が示されている。具体的には,熱交換器103と,熱交換器104の垂直管104aと,熱交換器103を通過したガスGが通るガス流路106の床に設けられた伝熱管107と,が示されている。
これにより,射影画像G1では,灰付着/堆積前のガス流路106が平面図として表示される。また,射影画像G1では,灰面積率の算出を容易にするために,灰付着/堆積前のガス流路106の位置を示す文字又は記号を表示してもよい。なお,本実施の形態では,石炭焚ボイラ100に設けられた1つの監視窓105に対応する射影画像G1を取得する例について説明するが,複数の監視窓105がある場合には,射影画像取得部11は,複数の監視窓105に対応する射影画像G1をそれぞれ取得してもよい。
図7は,炉内画像取得工程S12の説明図である。簡単のために,画像の内,伝熱管107に対応する部分のみ詳細に図示している。図7に示すように,炉内画像取得工程S12では,炉内画像取得部12は,石炭焚ボイラ100の監視窓105を介して火炉101内を動画で撮像し,当該動画に含まれるガス流路106の炉内画像G2を複数切り出して取得する。図7においては,ガス流路106の伝熱管107に石炭灰Asが付着/堆積したガス流路106が撮像されており,確認することができる。なお,本実施の形態では,石炭焚ボイラ100に設けられた1つの監視窓105から炉内画像G2を取得する例について説明するが,炉内画像取得部12は,複数の監視窓105から炉内画像G2をそれぞれ取得してもよい。また,炉内画像G2は,撮像した静止画を用いてもよい。
図8は,算出用画像作成工程S13の説明図である。図8に示すように,算出用画像作成工程S13では,算出用画像作成部13は,射影画像G1の灰付着/堆積前のガス流路106と,炉内画像G2の灰付着/堆積後のガス流路106とを重ね合わせて算出用画像G3を作成する。図8においては,実線で示された射影画像G1の灰付着/堆積前のガス流路106と,撮像された炉内画像G2に写っているガス流路106とを重ね合わせて算出用画像G3としている。
算出用画像作成工程S13では,算出用画像作成部13は,射影画像G1及び炉内画像G2の少なくとも一方の上下左右の位置の調整及び炉内画像G2の拡大縮小などにより,射影画像G1の灰付着/堆積前のガス流路106と,炉内画像G2の灰付着/堆積後のガス流路106とを重ね合わせる。算出用画像作成部13は,例えば,射影画像G1を基準として,炉内画像G2の上下左右の位置の調整及び拡大縮小により,射影画像G1の灰付着/堆積前のガス流路106と炉内画像G2の灰付着/堆積後のガス流路106とを重ね合わせてもよい。また,算出用画像作成部13は,例えば,炉内画像G2を基準として,射影画像G1の上下左右の位置の調整及び拡大縮小により,射影画像G1の灰付着/堆積前のガス流路106と炉内画像G2の灰付着/堆積後のガス流路106とを重ね合わせてもよい。
なお,算出用画像作成部13は,射影画像G1の灰付着/堆積前のガス流路106と,炉内画像G2の灰付着/堆積後のガス流路106との全てを必ずしも重ね合わせる必要はない。算出用画像作成部13は,灰付着/堆積判定及び灰面積率算出の対象となる石炭焚ボイラ100内で対応する位置に配置された灰付着/堆積前のガス流路106の一部と灰付着/堆積後のガス流路106の一部とを重ね合わせればよい。
また,算出用画像作成工程S13では,算出用画像作成部13により作成された算出用画像G3の全ての領域を灰付着/堆積判定及び灰面積率算出に用いるのではなく,図9に示すように,算出用画像G3の一部に焦点を当てて灰付着/堆積判定及び灰面積率算出に用いる解析対象領域T1を限定してもよい。図9においては,ガス流路106における伝熱管107に対象を絞り,ガス流路106の伝熱管107に相当する解析対象領域T1を算出用画像G3から切り出した画像を示している。
図10は,範囲指定工程S14の説明図である。図10に示すように,範囲指定工程S14では,ユーザーによる範囲指定部14の操作によって灰の付着/堆積判定を行う範囲を指定する。
最初に,ユーザーは,中心位置入力部14aを操作して,モニタ等の表示画面に映し出された算出用画像G3にマウス等のカーソルを合わせ,灰付着/堆積判定を行う範囲の中心位置Oを入力する。
次に,ユーザーは,範囲入力部14bを操作して,中心位置入力部14aで入力された中心位置Oからどの範囲まで灰付着/堆積判定を行うかの範囲を入力する。具体的には,中心位置入力部14aから入力された中心位置Oを中心とする円のサイズ(半径),円の形状(真円,楕円,長円等)をキーボード等から入力することにより,灰付着/堆積判定を行う範囲が指定される。図11においては,円の形状として真円を選択し,円の半径rを入力すると,処理部14cは,算出用画像G3上に中心位置Oを中心とする半径rの真円を表示させる。この真円によって囲まれた領域が灰付着/堆積判定を行う範囲Hとなる。
図11〜図14は,灰付着/堆積判定工程S15の説明図である。簡単のために,デカルト座標で説明しているが,円筒座標に変換した空間で実施することが望ましい。図11に示すように,範囲指定工程S14において,灰付着/堆積判定を行う範囲Hを入力すると,図5に示すように,灰付着/堆積判定部15は,中心位置Oを基準としてデカルト座標から円筒座標に変換を行い(ステップS30),指定された円の範囲H内における中心位置Oの画素の明度と当該円の径方向に隣接する外側の画素の明度を比較する(ステップS31)。明度を比較した結果,灰付着/堆積判定部15は,比較対象となる外側の画素の明度が中心位置Oの画素の明度以上(明度の値が大きい,明るい)であると判定した場合(ステップS32:YES),灰付着/堆積判定部15は,当該外側の画素については灰が付着/堆積していると判定する(ステップS33)。
例えば,算出用画像G3における各画素の明度が図11に示すような場合,灰付着/堆積判定部15は,中心位置O1の画素の明度「8」と比べて明度が「8」以上の外側の画素p1,p2について灰が付着/堆積していると判定する。また,灰付着/堆積判定部15は,算出用画像G3において,灰が付着/堆積していると判定した画素を周囲とは異なる色で塗りつぶし(網掛け部分),灰が付着/堆積していないと判定した画素については,塗りつぶさない。灰付着/堆積判定部15は,上記の判定を指定した範囲H1内で中心位置O1から径方向に沿って外側に向けて行い,灰が付着/堆積していると判定した画素を周囲とは異なる色で塗りつぶす。
なお,灰付着/堆積判定部15は,ステップS32において,比較対象となる外側の画素の明度が中心位置Oの画素の明度未満(明度の値が小さい,暗い)であると判定した場合(ステップS32:NO),灰付着/堆積判定部15は,隣接する外側の画素の明度と中心位置Oの画素の明度とのコントラスト(明度の差)が所定の閾値以上であるか否かを判定する(ステップS34)。
ステップS34において,例えば,比較対象となる外側の画素の明度が隣接する画素の明度の値の80%以上変化した場合をコントラストが大きいと判定する閾値とすると,図12(a)に示す中心位置Oから距離Rcの位置にある画素の明度は,隣接する画素の明度に比べて大きく下がっており,このような場合をコントラストが大きいと判定する。
かかる場合には,灰付着/堆積判定部15は,当該画素よりもさらに外側の画素の明度が中心位置Oの画素の明度より大きくなっていても,径方向に沿った距離Rcから円の外縁R1までの外側の画素の全てを灰付着/堆積がないものとして判定する(ステップS35)。具体的には,図12(b)に示すように,中心位置O2の明度が「6」,隣接する外側の画素p3,p4の明度が「0」の場合,中心位置O2の明度の80%以上の値が減っているため,当該画素p3,p4と径方向に並ぶ外側の画素p5,p6の明度がいかなる値であっても灰が付着/堆積している画素と判定しない。
一方,ステップS34において,灰付着/堆積判定部15は,比較対象となる外側の画素の明度が隣接する画素の明度の値の80%未満の変化量であると判定した場合(ステップS34:NO),灰付着/堆積判定部15は,当該外側の画素のみを灰付着/堆積がないものとして判定する(ステップS36)。図10に示すように,灰付着/堆積判定部15は,算出用画像G3において,灰付着/堆積判定を行った結果を表示する。具体的には,範囲指定部14により指定された範囲H内で,灰付着/堆積判定部15によって灰が付着/堆積していると判定している最中の領域J1を周囲とは異なる色で塗りつぶす。また,灰付着/堆積判定部15によって,既に灰付着/堆積判定が終わった領域で,灰が付着/堆積していると判定された領域J2についても周囲とは異なる色で塗りつぶす。すなわち,範囲指定部14により新たな範囲Hが指定された段階で,先程まで灰付着/堆積判定が行われていた領域J1は,既に灰付着/堆積判定がされた領域J2に変化する。
灰付着/堆積判定部15は,ステップS33,ステップS35,ステップS36のいずれかの判定を中心位置Oから全ての角度(方向)について判定した場合(ステップS37:YES),灰付着/堆積判定処理を終了し,中心位置Oから全ての角度(方向)について判定していない場合(ステップS37:NO)には,ステップS31に戻る。
ユーザーは,図11に示すように,灰付着/堆積判定を行う解析対象領域T1について,灰付着/堆積判定が重複しないように複数回にわたって範囲Hを指定して灰付着/堆積判定を行う。
最終的には,図13に示すように,算出用画像G3上における解析対象領域T1について,灰付着/堆積判定部15によって判定された灰付着/堆積領域J2が表示される。
なお,灰付着/堆積判定の際に,範囲指定部14による範囲Hの指定は,比較的小さい範囲で複数回行うことが好ましい。例えば,図11と図14を比較してもわかるように,同じ算出用画像G3であっても,範囲指定部14による範囲Hが大きくなると,図14に示すように,中心位置の画素の明度によっては,ほとんどの画素について灰が付着/堆積していると判定されてしまい,灰付着/堆積判定の精度が落ちることもある。
原因として,撮像された画像には,流動するガスや燃焼灰による温度のムラ,撮像するカメラのレンズの汚れや歪み等の影響で画像内にバックグラウンドノイズのような明度差が発生することが考えられる。そのため,灰付着/堆積判定を比較的小さい範囲に絞り込むことで,局所的な明度の変化を検出することができ,ノイズの影響を排除することができる。
なお,図4,図5に示す灰付着/堆積判定工程S15の後,算出用画像G3全域に対して範囲指定を行ったか否かを判定する(ステップS16)。ここで,算出用画像G3全域に対して範囲指定を行った場合(ステップ16:YES),次工程である灰面積率算出工程S17に進み,算出用画像G3全域に対して範囲指定を行っていない場合(ステップ16:NO),範囲指定工程S14に戻る。
灰面積率算出工程S17では,灰面積率算出部16は,算出用画像G3における炉内画像G2に由来するガス流路106の伝熱管107(解析対象領域T1)における灰が占める灰面積率を算出する。
具体的には,灰面積率算出部16は,灰付着/堆積判定工程S15により得られた灰付着/堆積判定後の画像(図13参照)を用いて,式(1)に基づいてガス流路106の伝熱管107における灰面積率を算出する。
灰面積率=算出用画像における灰付着(堆積)判定の対象領域(解析対象領域)での灰付着(堆積)面積÷算出用画像における灰付着(堆積)判定の対象領域(解析対象領域)の面積・・・式(1)
ここで,灰付着/堆積面積及びガス流路106の伝熱管107の面積は,灰付着/堆積判定後の画像における画素数に基づいて算出する。
これにより,炉内監視装置1は,射影画像G1の灰付着/堆積前のガス流路106の伝熱管107の面積を基準として,灰付着/堆積後のガス流路106の伝熱管107の灰面積率を算出できるので,ガス流路106の伝熱管107への灰付着/堆積状況をより一層定量的に評価することが可能となる。
なお,灰面積率算出部16は,算出した全てのガス流路106の全領域の灰面積率をCSV(Comma-Separated Values)形式などによって出力してもよい。
灰付着/堆積量推定工程S18では,灰付着/堆積量推定部17は,灰面積率算出工程S17によって算出された灰面積率に基づいて,ガス流路106の伝熱管107への灰の付着/堆積量を推定する。具体的には,灰面積率と経過時間(ボイラの運転時間)に基づいて灰付着/堆積量を導き出す近似式を過去の実績データに基づいて作成しておき,算出された灰面積率と経過時間を当該近似式に入力することで灰付着/堆積量を推定する。
以上のように,炉内監視装置1及び炉内監視方法によれば,射影計算によって燃焼炉101内のガス流路106の射影画像G1を取得するので,燃焼炉101内のガス流路106を直接撮像する場合と比較して,ガス流路106の歪みを防ぎつつ,ガス流路106の位置を正確に再現することができる。そして,射影画像G1を基準として,燃焼炉101内の灰付着/堆積後のガス流路106を撮像した炉内画像G2を重ね合わせるので,灰付着/堆積後のガス流路106の歪み及び位置を適宜補正することが可能となる。これにより,炉内画像G2のみを用いてガス流路106の灰付着/堆積量を推定する場合と比較して,評価者に依存せずに適切にガス流路106の灰付着/堆積量を推定することができる。したがって,炉内監視装置1及び炉内監視方法は,ガス流路106の灰付着/堆積状況の定量的な評価が可能となる。
また,炉内監視においては,石炭灰の付着・成長または堆積の過程を長時間にわたって動画で撮像し,動画に含まれる大量の静止画を評価することが好ましいが,大量の静止画を解析することになっても,一つの静止画において指定した範囲毎にまとめて灰付着/堆積判定を行うことができるので,一つの静止画にかかる作業時間を大幅に短縮することができる。よって,評価対象が動画であっても膨大な時間を費やすことなく,石炭灰の付着/堆積状況を定量的に評価できる。さらに,動画の解析にも適しているので,灰の付着/堆積状況を所定時間毎の時系列で把握することができる。
また,灰付着/堆積判定において,灰付着/堆積判定部15は,中心位置Oの画素の明度との比較に加え,隣接する画素とのコントラストを考慮して灰付着/堆積判定を行っているので,灰付着/堆積判定の精度を高めることができる。
また,灰面積率という具体的な数値を用いて灰の付着/堆積状況を定量的に評価することができるので,今後の炉内監視装置1及び炉内監視方法によるボイラの監視能力を大幅に向上させることができる。
<その他>
なお,本発明は,上記実施の形態に限られるものではない。例えば,灰面積率を算出する解析対象領域は,上記の伝熱管107(解析対象領域T1)に限らず,熱交換器104の垂直管104a(図15における解析対象領域T2)であってもよいし,熱交換器103(図15における解析対象領域T3)であってもよいし,これらの一部または全部の領域であってもよい。
ここで,熱交換器103を監視対象物(図15における解析対象領域T3)とする場合には,熱交換器103が燃焼排ガスGで揺れて位置が変わることがある。この場合,射影画像取得部11は,想定される熱交換器103の可動域を考慮して射影画像G1を作成しておき,炉内画像G2における熱交換器103の位置に近い射影画像G1又は全ての射影画像G1を算出用画像作成部13に送るようにしてもよい。
また,熱交換器103の挙動データを大量に蓄積することができれば,これらのデータを教師データとしてAIに学習させ,熱交換器103の挙動を考慮したうえで灰付着/堆積判定を行ってもよい。
また,ユーザーが範囲指定部14を用いて灰の付着/堆積判定を行う範囲を指定する場合に限らず,灰の付着/堆積判定を行う範囲が重複しないようにコンピュータで自動的に範囲を指定できるようにしてもよい。
また,灰の付着/堆積判定には,明度,コントラストの一方だけを用いてもよい。また,炉内画像G2がカラー画像である場合には,輝度,彩度,色相等を用いて判定してもよい。
また,一つの温度領域での動画を解析するだけでなく,複数の動画(例えば,高温域での動画と低温域での動画)を撮像し,これらの動画を用いて算出用画像G3を作成して灰付着/堆積判定を行ってもよい。
また,熱交換器103の後方にあるガス流路106の炉内画像G2を撮像した例について説明したが,炉内画像G2は,熱交換器103の正面側や側面側から撮像したものであってもよく,各面に対して斜め上方,斜め下方から撮像したものであってもよい。
また,射影画像G1の大きさは,射影画像取得工程S11で拡大縮小調整してもよく,算出用画像作成工程S13で拡大縮小調整してもよい。すなわち,算出用画像作成工程S13においては,射影画像G1と炉内画像G2とを重ね合わせて灰面積率を算出できれば,どのように射影画像G1及び炉内画像G2を取得してもよい。
また,灰の付着/堆積状況は,灰面積率算出部16によって算出された灰面積率で評価してもよいし,灰付着/堆積量推定部17によって推定された灰付着/堆積量で評価してもよい。
1 炉内監視装置
11 射影画像取得部
12 炉内画像取得部
13 算出用画像作成部
14 範囲指定部
14a 中心位置入力部
14b 範囲入力部
15 灰付着/堆積判定部
16 灰面積率算出部
17 灰付着/堆積量推定部
100 石炭焚ボイラ
101 火炉(燃焼炉)
101a 火炉天井
101b ホッパ
101c 火炉前壁
101d 火炉後壁
101e,101f 火炉側壁
102 バーナ
103 熱交換器
104 熱交換器
104a 垂直管
105 監視窓
106 ガス流路
107 伝熱管
A 空気
F 微粉炭
G 燃焼排ガス
G1 射影画像
G2 炉内画像
G3 算出用画像

Claims (8)

  1. 射影計算により可燃物を燃焼する燃焼炉内に配置された監視対象物の射影画像を取得する射影画像取得部と,
    前記燃焼炉内を撮像して前記可燃物の灰が付着/堆積した灰付着/堆積後の前記監視対象物の炉内画像を取得する炉内画像取得部と,
    前記射影画像と前記炉内画像とを重ね合わせて,前記監視対象物の灰面積率の算出に用いる算出用画像を作成する算出用画像作成部と,
    前記算出用画像における前記監視対象物において,灰の付着/堆積判定を行う範囲を指定する範囲指定部と,
    前記範囲指定部により指定された範囲内で灰が付着/堆積している領域を判定する灰付着/堆積判定部と,
    前記算出用画像における前記射影画像に由来する前記監視対象物と,前記炉内画像に由来する前記監視対象物において灰の付着/堆積判定により得られた灰の付着/堆積領域と,を対比して,前記監視対象物における灰が占める灰面積率を算出する灰面積率算出部と,
    を備えることを特徴とする炉内監視装置。
  2. 前記灰付着/堆積判定部は,
    前記範囲指定部により指定された灰の付着/堆積判定を行う範囲の中心の画素の画素情報と,当該灰の付着/堆積判定を行う範囲における周囲の画素の画素情報とを対比して灰の付着/堆積を判定することを特徴とする請求項1に記載の炉内監視装置。
  3. 前記画素情報は,明度及びコントラストであることを特徴とする請求項2に記載の炉内監視装置。
  4. 前記灰面積率算出部によって算出された灰面積率に基づいて,前記監視対象物への灰の付着/堆積量を推定する灰付着/堆積量推定部を備えることを特徴とする請求項1から3までのいずれか一項に記載の炉内監視装置。
  5. 前記灰面積率算出部は,下記式(1)に基づいて灰面積率を算出することを特徴とする請求項1から4までのいずれか一項に記載の炉内監視装置。
    灰面積率=前記算出用画像における灰付着(堆積)判定の対象領域での灰付着(堆積)面積÷前記算出用画像における灰付着(堆積)判定の対象領域の面積 ・・・ 式(1)
  6. 前記範囲指定部は,
    前記算出用画像において灰の付着/堆積判定を行う範囲の中心位置を入力する中心位置入力部と,
    灰の付着/堆積判定を行う前記中心位置からの範囲を入力する範囲入力部と,
    を備えることを特徴とする請求項1から5までのいずれか一項に記載の炉内監視装置。
  7. 射影計算により可燃物を燃焼する燃焼炉内に配置された監視対象物の射影画像を取得する射影画像取得工程と,
    前記燃焼炉内を撮像して前記可燃物の灰が付着/堆積した灰付着/堆積後の前記監視対象物の炉内画像を取得する炉内画像取得工程と,
    前記射影画像と前記炉内画像とを重ね合わせて,前記監視対象物の灰面積率の算出に用いる算出用画像を作成する算出用画像作成工程と,
    前記算出用画像における前記監視対象物において,灰の付着/堆積判定を行う範囲を指定する範囲指定工程と,
    前記範囲指定工程により指定された範囲内で灰が付着/堆積している領域を判定する灰付着/堆積判定工程と,
    前記算出用画像における前記射影画像に由来する前記監視対象物と,前記炉内画像に由来する前記監視対象物において灰の付着/堆積判定により得られた灰の付着/堆積領域と,を対比して,前記監視対象物における灰が占める灰面積率を算出する灰面積率算出工程と,
    を有することを特徴とする炉内監視方法。
  8. 前記灰面積率算出工程によって算出された灰面積率に基づいて,前記監視対象物への灰の付着/堆積量を推定する灰付着/堆積量推定工程を備えることを特徴とする請求項7に記載の炉内監視方法。
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