JP6401927B2 - センサ信号処理回路及び赤外線センサモジュール並びにセンサ信号処理方法 - Google Patents
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Description
このような、各センサ信号を処理する信号処理回路では、環境温度などの外乱ノイズがある場合、各チャンネルにおける出力は、下記の通りとなる。
第1のセンサ:(S1+N)×α
第2のセンサ:(S2+N)×α
ここで、S1とS2は各センサの出力信号を示し、Nは外乱ノイズを示し、αは増幅回路のゲインを示す。
このような信号差を検出することを利用したアプリケーションの例としては、人感検知があげられる。1つのセンサで人が居る/居ないを検知し、もう1つのセンサでその場の環境をリファレンスとしてモニタする(例えば、室内では天井、壁など)。このように複数のセンサは、観測する向きが違うものとし、対象とする信号は、ほぼDC(〜50Hz)付近の低速信号である。なお、外乱ノイズはセンサ観測方向によらず複数のセンサに同じ影響を与えるものと想定される。
しかしながら、複数のセンサごとに、信号処理チャンネルを有する構成では、回路面積が大きく、また、消費電流も大きいという問題がある。
図2の信号処理回路では、複数のセンサ1a,1bに応じて、時分割で信号処理を行うため、増幅回路21とAD変換器22と複数のレジスタ3a,3bと選択回路5と制御回路7とを備えている。なお、符号6は出力回路を示している。
第1のセンサ1aの信号処理を行う場合、選択回路5を切り替えて、第1のセンサ1aの出力信号が増幅回路21で増幅され、AD変換器22でAD変換され、第1のレジスタ3aに格納される。次に、第2のセンサ1bの信号処理を行う場合、選択回路5を切り替えて、第2のセンサ1bの出力信号が増幅回路21で増幅され、AD変換器22でAD変換され、第2のレジスタ3bに格納される。
このように、選択回路5が制御回路7の制御信号に基づいて、第1のセンサの信号処理と、第2のセンサの信号処理とを時分割で切り替えることで、複数のセンサで測定対象を観測する。
T1区間では、選択回路5であるSW1で第1のセンサ1aの出力信号が選択され、増幅回路21の入力には、第1のセンサ1aの出力信号が入力される(1chのセンサ信号)。増幅された第1のセンサ1aの出力信号をAD変換器22で所定時間積算してAD変換される。そして、T1区間の最後に、第1のレジスタ3aに入力されるイネーブル信号(Enable1)により、そのタイミングのAD変換器22の出力信号が、第1のセンサ1aのn回目の測定データとして第1のレジスタ3aに格納され、その後、保持される(n回目のデータ)。
これを繰り返すことによって、複数センサを時分割で信号処理することができる。
しかしながら、図2の信号処理回路では、環境温度などの外乱ノイズがある場合、各チャンネルにおける出力は、下記の通りとなり、外乱をキャンセルすることができない。
第1のセンサ:(S1+N(t))×α
第2のセンサ:(S1+N(t’))×α
ここで、S1とS2は各センサの出力信号を示し、N(t)は時刻tにおける外乱ノイズを示し、αは増幅回路のゲインを示す。
例えば、図3において、外乱ノイズが温度などにより増大する場合を想定すると、T5区間の第1のセンサ1aからの出力データとT6区間の第2のセンサ1bからの出力データにおいて、外乱ノイズによる影響が大幅に異なる。したがって、第1のセンサ1aからの出力データと第2のセンサ1bからの出力データの差をとっても、ノイズ成分を除去することが困難である。
本発明は、このような問題を鑑みてなされたもので、その目的とするところは、複数のセンサを信号処理する場合において、外乱ノイズの影響が小さく、かつ消費電流も少ないセンサ信号処理回路及び赤外線センサモジュール並びにセンサ信号処理方法を提供することにある。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記信号処理回路は、さらにフィルタ回路を備え、前記フィルタ回路は、前記ΔΣAD変換回路に合わせて、各赤外線センサからの正転信号を蓄積する複数の正転用フィルタ容量と、各赤外線センサからの反転信号を蓄積する複数の反転用フィルタ容量と、を備え、各フィルタ容量からいずれかのフィルタ容量を選択して切り替える第6の切替部を備えていることを特徴としている。
また、請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記信号処理回路は、さらにフィルタ回路を備え、前記フィルタ回路は、前記ΔΣAD変換回路に合わせて、各赤外線センサからの正転信号を蓄積する複数の正転用フィルタ容量と、各赤外線センサからの反転信号を蓄積する複数の反転用フィルタ容量と、を備え、各フィルタ容量からいずれかのフィルタ容量を選択して切り替える第6の切替部を備えていることを特徴としている。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載のセンサ信号処理回路と、複数の赤外線センサとを備えていることを特徴としている赤外線センサモジュールである。
また、請求項9に記載の発明は、複数の赤外線センサからの出力信号を選択する選択ステップと、該選択ステップで選択された出力信号をΔΣAD変換回路でAD変換する信号処理ステップと、を備え、前記選択ステップでは、前記ΔΣAD変換回路における2回のサンプリングに対応した時間毎に前記複数の赤外線センサからの出力信号の選択を切り替えるとともに、前記複数の赤外線センサのうちの一つが選択されている間に、前記ΔΣAD変換回路における1回のサンプリングに対応した時間で前記出力信号の極性を切り替えることで、正転出力信号と反転出力信号とを1回ずつ生成するチョッパ変調を行い、前記信号処理ステップでは、前記正転出力信号を、前記複数の赤外線センサの正転出力信号に対応する複数の正転用積分容量のうちの対応する一の正転用積分容量に蓄積し、前記反転出力信号を、前記複数の赤外線センサの反転出力信号に対応する複数の反転用積分容量のうちの対応する一の反転用積分容量に蓄積し、前記複数の正転用積分容量及び前記複数の反転用積分容量からいずれかの積分容量を選択して切り替えて前記ΔΣAD変換回路でAD変換し、さらに、ΔΣAD変換回路から出力される正転信号と反転信号との差分を演算するチョッパ復調を行うセンサ信号処理方法である。
[実施形態]
本実施形態のセンサ信号処理回路は、複数の赤外線センサからの出力信号を選択する選択回路と、選択された出力信号をAD変換するΔΣAD変換回路を有する信号処理回路と、選択回路を時分割で制御する制御回路とを備え、前記ΔΣAD変換回路は、前記赤外線センサに対応する複数の積分容量と、前記複数の積分容量からいずれかの積分容量を選択して切り替える第1切替部と、を有する。
本実施形態では、選択回路によって、時分割処理が可能なため、低消費電流を実現できる。さらに、AD変換回路の応答速度自体を上げる変わりに赤外線センサに対応する積分容量を切り替えてAD変換する構成とすることで消費電流を抑えることができる。
例えば、所定のデータ更新区間に外乱ノイズ量が変動しても、その区間に積分容量で蓄積しながら細かく時分割動作を行ってから、データを確定させることもでき、外乱ノイズの影響を低減することができる。
第1切替部及び第2切替部は、選択回路が複数の赤外線センサから第1の赤外線センサを選択するときは、複数の積分容量と遅延素子から第1の積分容量と第1の遅延素子とを選択して切り替え、選択回路が複数の赤外線センサから第2の赤外線センサを選択するときは、複数の積分容量と遅延素子から第2の積分容量と第2の遅延素子とを選択して切り替える構成等が挙げられる。
前述のセンサ信号処理回路と、複数の赤外線センサとを備える赤外線センサモジュールとした構成であってもよい。
また、制御回路は、赤外線センサの周囲の環境温度変動よりも早いタイミングで、複数の赤外線センサからの出力信号を選択するように前記選択回路を制御することにより、外乱ノイズによる影響を低減することができる。
<本実施形態1>
図4は、本実施形態1のセンサ信号処理回路を説明するためのブロック図である。図中符号31a,31bは第1及び第2の赤外線センサ、32は信号処理回路、33a,33bは第1及び第2のレジスタ、34はデジタルインターフェース部、35は選択回路、36は出力回路、37は制御回路、41は増幅回路、42はΔΣADC(デルタシグマAD変換回路)、421は積分器、422は量子化器、423はDAC、424a,424bは遅延素子を示している。
つまり、本実施形態1のセンサ信号処理回路は、選択回路35と信号処理回路32と制御回路37と第1及び第2のレジスタ33a,33bとデジタルインターフェース部34とを備えている。
信号処理回路32は、選択された出力信号S1又はS2を信号処理する。ΔΣAD変換回路42は、1次のΔΣAD変換回路であり、積分器421と量子化器422とDAC423とを有し、赤外線センサ31a,31bに対応して第1及び第2の積分容量と、第1及び第2の遅延素子424a,424bと、積分容量を選択的に切り替える第1の切替部SW1C,SW2Cと、第1及び第2の遅延素子424a,424bを選択的に切り替える第2の切替部SW1D,SW2Dとを有している。
制御回路37は、選択回路35を時分割で制御する制御信号を生成する。また、第1及び第2のレジスタ33a,33bへ、イネーブル信号(Enable1、Enable2)を出力する。
第2の切替部SW1D,SW2Dは、各遅延素子424a,424bからいずれかの遅延素子を選択して切り替える。
第1及び第2のレジスタ33a,33bは、各赤外線センサ31a,31bに対応する信号処理回路の出力信号をそれぞれ格納及び保持する。
デジタルインターフェース部34は、第1及び第2のレジスタ33a,33bの出力データを入力とし、デジタルデータとして出力する。
本実施形態1では、時分割で信号処理する際に、選択された第1及び第2の赤外線センサ31a、31bに応じて、第1及び第2の積分容量で信号処理された信号を蓄積する。蓄積しながら、信号処理できることにより、外乱ノイズの影響を低減することができる。
SW1A、1C、1Dは、同じタイミングでON・OFFを繰り返し、SW2A、2C、2Dは同じタイミングでON・OFFを繰り返す。また、SW1A、1C、1Dと、SW2A、2C、2Dとは逆の動作をする。それにより、増幅回路(アンプ)の入力には、第1及び第2の赤外線センサ31a,31bの出力信号(S1、S2)が交互に入力される。
第1のセンサ:(S1+N(t))×α
第2のセンサ:(S2+N(t’))×α
ここで、S1とS2は各センサの出力信号を示し、N(t)は時刻tにおける外乱ノイズを示し、αは増幅回路のゲインを示す。本実施形態1では、外乱ノイズの変動に対して早く時分割動作を行うため、第1の赤外線センサ31aも第2の赤外線センサ31bもほぼ等しく外乱ノイズの影響を受け続け、N(t)≒N(t’)となる。
SW1A、2Aの切替タイミングの周期を、図2の回路において短くするだけでは、同時に内部信号処理回路の切替周期も短くなってしまい、信号処理時間が応答時間に対して足りなくなってしまう。本実施形態1では、応答時間の不足を回避するために、ΔΣAD変換回路42の各積分容量で信号処理中の信号を蓄積しながら信号処理することで短周期での切り替えを可能としている。また、増幅回路41やADC42自体の応答速度を大幅に向上させる場合に比べて、消費電流が極めて小さい。
以上により、本実施形態1は、赤外線センサの時分割動作を高速に行うことによって外乱ノイズ耐性が向上し、かつ、低消費電流も実現することができる。
図6は、本実施形態2のセンサ信号処理回路を説明するためのブロック図である。図中符号411はゲイン増幅器、412はアンチエイリアスフィルタ、413は増幅器を示している。なお、図4と同じ機能を有する構成要素には同一の符号を付してある。
本実施形態2のセンサ信号処理回路は、本実施形態1に加えて、増幅回路41が、アンチエイリアスフィルタ412とゲイン増幅器411と第3の切替部SW1E,SW2Eとを備えている構成である。
本実施形態2では、ΔΣAD変換回路42の積分容量及び遅延素子424a,424bに加えて、アンチエイリアスフィルタ412の容量も、赤外線センサに対応して備え、第3の切替部SW1E,SW2Eによって、時分割で切り替えられる構成である。なお、第3の切替部SW1E,SW2Eは、制御回路37からの制御信号によって、時分割で切り替えられる。
SW1A、1C、1D、1Eは、同じタイミングでON・OFFを繰り返し、SW2A、2C、2D、2Eは同じタイミングでON・OFFを繰り返し、SW1A、1C、1D、1Eと、SW2A、2C、2D、2Eとは逆の動作をする。
それにより、増幅回路(アンプ)41の入力には、第1及び第2の赤外線センサ31a,31bの出力信号が交互に入力される。
アンチエイリアスフィルタ412では、選択回路35で第1の赤外線センサ31aが選択されるときは(SW1AがON)、第1の容量を選択するように第3の切替部が切り替えられ(SW1EがON)、選択回路35で第2の赤外線センサ31bが選択されるときは(SW2AがON)、第2の容量を選択するように第3の切替部が切り替えられ(SW2EがON)、選択回路35で第3の赤外線センサ(図示せず)が選択されるときは(SW3AがON)、第3の容量を選択するように第3の切替部が切り替えられる(SW3EがON)。
それにより、赤外線センサから低帯域の信号が時分割でアンチエイリアスフィルタ412に入力される場合であっても、各赤外線センサに対応した容量があるため切替周波数よりも低帯域の信号を処理することができる。
図8は、本実施形態3のセンサ信号処理回路を説明するためのブロック図である。図中符号31a〜31dは第1〜第4の赤外線センサ、33a〜33dは第1〜第4のレジスタ、38はデジタルフィルタ回路、38a〜38dは第1〜第4のデジタルフィルタ、424a〜424dは第1〜第4の遅延素子を示している。なお、図6と同じ機能を有する構成要素には同一の符号を付してある。
本実施形態3は、赤外線センサからの出力信号が4個である場合の形態である。
増幅回路41は、GAIN回路(増幅器)411とアンチエイリアスフィルタ412とを有している。
ΔΣAD変換回路42は、1次のΔΣAD変換回路である。ΔΣAD変換回路は、積分器421と量子化器422とDAC423とを有し、赤外線センサに対応して記憶素子である第1〜第4の積分容量と、同様に記憶素子である第1〜第4の遅延素子424a〜424dとを有している。また、積分容量を選択的に切り替える第1の切替部SW1CからSW4Cと、第1〜第4の遅延素子424a〜424dを選択的に切り替える第2の切替部SW1D〜SW4Dとを有している。
また、各デジタルフィルタ38a〜38dの出力データを、格納する第1〜第4のレジスタ33a〜33dを備えている。各デジタルフィルタ38a〜38dには、制御回路37から制御信号が入力され、各赤外線センサに対応して入力された信号の平均化を行う。なお、本実施形態3では、各赤外線センサに対応してデジタルフィルタを備える構成であるが、1つのデジタルフィルタにより各赤外線センサに対応して時分割で平均化を行う形態であってもよい。その場合、デジタルフィルタは、各赤外線ンセンサの信号を平均化した出力を保持し、保持した結果と次にΔΣAD変換回路からのデジタル信号とを合わせて平均化を行う。そして、制御回路のイネーブル信号に応じて、所定のタイミングでそれぞれのレジスタ33a〜33dに格納される形態などが挙げられる。
第2の赤外線センサ31bに対応して、制御回路37は、アンチエイリアスフィルタ412の容量である第2の容量を選択し、ΔΣAD変換回路42の第2の積分容量と第2の遅延素子424bを選択する。また、制御回路37は、第2のデジタルフィルタ38bにΔΣAD変換回路の出力を平均化して保持する制御信号を生成する。
第4の赤外線センサ31dに対応して、制御回路37は、アンチエイリアスフィルタ412の容量である第4の容量を選択し、ΔΣAD変換回路42の第4の積分容量と第4の遅延素子424dを選択する。また、制御回路37は、第4のデジタルフィルタ38dにΔΣAD変換回路の出力を平均化して保持する制御信号を生成する。
また、4個の赤外線センサ31a〜31dを有する構成とすることによって、より高精度又は多様な人感センサを実現することができる。
SW1A〜4Aで選択された赤外線センサの出力信号(S1〜S4)が、アンプの入力となる。このとき、1C〜4C、1D〜4D、1E〜4Eは、SW1A〜4Aと同じチャンネル(赤外線センサの出力信号の選択)に該当するものがONする。
図9のタイミングチャートでは、4個の赤外線センサからの出力データが更新される区間において、時分割動作を4回行っている。各レジスタにおいてn−1回目のデータからn回目のデータへ更新される区間において、信号処理回路32は、第1〜第4の赤外線センサ31a〜31dの出力信号を、例えば、データ更新周波数の4倍の周波数で時分割して信号を蓄積しながら信号処理する。
次に、SW2AがONし、第2の赤外線センサ31bの出力がGAIN回路(図8のアンプ)411に入力される。このとき、SW2C、SW2D、及びSW2Eが選択され、アンチエイリアスフィルタ412を経由して、ΔΣAD変換回路でAD変換される。そして、第2のデジタルフィルタ38bにAD変換された結果が入力され、平均化処理が行われる。所定期間経過後、上記スイッチがOFFとなり、第2のデジタルフィルタ38bに平均化された結果が保持される。
次に、SW4AがONし、第4の赤外線センサ31dの出力がGAIN回路(図8のアンプ)411に入力される。このとき、SW4C、SW4D、及びSW4Eが選択され、アンチエイリアスフィルタ412を経由して、ΔΣAD変換回路でAD変換される。そして、第4のデジタルフィルタ38dにAD変換された結果が入力され、平均化処理が行われる。所定期間経過後、上記スイッチがOFFとなり、第4のデジタルフィルタ38dに平均化された結果が保持される。
この動作を複数回繰り返して行う。図9のタイミングチャートでは、4回繰り返しており、4回目をデータ更新タイミングとしている。
データ更新タイミングでは、第1〜第4のイネーブル信号がそれぞれHighとなり、第1〜第4の赤外線センサ31a〜31dに対応する信号が、各レジスタにそれぞれ格納されて保持される。
同様に、第2〜第4の赤外線センサ31b〜31dについてもそれぞれ第2〜第4のレジスタ33b〜33dに格納される。これによって、データ更新タイミングにおいて、n−1回目のデータが順次、n回目のデータに更新される。
図10は、本実施形態4のセンサ信号処理回路を説明するためのブロック図である。図中符号38a1_P,38a1_N〜38d1_P,38d1_Nはデジタルフィルタ、39a〜39d,43はチョッパ復調部を示している。なお、図8と同じ機能を有する構成要素には同一の符号を付してある。
本実施形態4のセンサ信号処理回路の具体例であり、本実施形態3にチョッパ変調・復調動作を加えた形態である。
信号処理にチョッパ変調を加えることで、内部回路自身(つまり、信号処理回路内)のオフセットをキャンセルすることができる。
また、本実施形態4のように、チョッパ変調するチョッパ周波数として、回路の応答速度よりも速い周波数で変調をかける場合、ΔΣAD変換回路の積分容量も、各赤外線センサに対応するのに加えて、チョッパ正転用、反転用の2つ用意する。また、ΔΣAD変換回路の遅延素子も、各赤外線センサに対応するのに加えて、チョッパ正転用、反転用の2つ用意する。
つまり、赤外線センサの個数×2(正転用、反転用)個の積分容量、遅延素子、容量を有する。
また、デジタルフィルタも同様に、赤外線センサの個数×2(正転用、反転用)を有する。
チョッパ復調部では、チョッパ正転信号とチョッパ反転信号との差分をとる。これによって、内部回路のオフセット成分がキャンセルされ、赤外線センサ信号を精度良く検出することが可能となる。
具体的には、図12に示すように、デジタルフィルタ38a1_Pとデジタルフィルタ38a1_Nで保持されている結果の差分を論理回路等によって演算する。デジタルフィルタ38b1_Pとデジタルフィルタ38b1_N,デジタルフィルタ38c1_Pとデジタルフィルタ38c1_N,デジタルフィルタ38d1_Pとデジタルフィルタ38d1_Nについても同様である。
なお、正転信号と反転信号の差分を演算することができる形態であれば、どのような形態であってもよく、反転信号に−1をかける演算を行って、正転信号と加算する形態でもよい。また、本実施形態4では、AD変換されたデジタル信号に対してチョッパ復調を行う形態を指名しているが、AD変換前に(例えば、アンチエイリアスフィルタ回路の出力後に)チョッパ復調をアナログ回路で実現する形態であってもよい。
図11のタイミングチャートでは、4個の赤外線センサからの出力データが更新される区間において、時分割動作を4回行っている。そして、さらに、時分割動作に加えて出力信号の極性を切り替えるチョッパ変調も行っている。
SW1A〜4Aで選択された赤外線センサの出力信号(S1〜S4)が、チョッパ変調部43でそれぞれ出力の極性が切り替えられてゲインアンプ411に入力される。図11では、赤外線センサ1の正転信号S1P、反転信号S1N、赤外線センサ2の正転信号S2P、反転信号S2N、赤外線センサ3の正転信号S3P、反転信号S3N、赤外線センサ4の正転信号S4P、反転信号S4Nの順に、アンプに入力される。
一方、チョッパ変調部43で信号を反転で出力している場合は、SW1C〜4C_N、SW1D〜4D_N、SW1E〜4E_Nで、SW1A〜4Aと同じチャンネル(赤外線センサの出力信号の選択)に該当するものがONする。
1)第1の外線センサが選択
SW1AがONし、第1の赤外線センサの出力がGAIN回路(図10のアンプ)411に入力される。まず、SW1C_P、SW1D_P、及び、SW1E_Pが選択され、アンチエイリアスフィルタ412を経由して、ΔΣAD変換回路でAD変換される。そして、デジタルフィルタ1_Pに、AD変換された結果が入力され、平均化処理が行われる。所定期間経過後、SW1C_P、SW1D_P、及び、SW1E_PがOFFとなり、デジタルフィルタ1_Pに平均化された結果が保持される。次に、SW1C_N、SW1D_N、及び、SW1E_Nが選択され、アンチエイリアスフィルタ412を経由して、ΔΣAD変換回路でAD変換される。そして、デジタルフィルタ1_Nに、AD変換された結果が入力され、平均化処理が行われる。所定期間経過後、SW1C_N、SW1D_N、及び、SW1E_NがOFFとなり、デジタルフィルタ1_Nに平均化された結果が保持される。これにより、デジタルフィルタ1_Pには、第1の赤外線センサ31aの正転信号が保持され、デジタルフィルタ1_Nには、第1の赤外線センサ31aの反転信号が保持される。そして、図12に示す回路などによって、両者の差分が演算される。
SW2AがONし、第2の赤外線センサ31bの出力がGAIN回路(図10のアンプ)411に入力される。まず、SW2C_P、SW2D_P、及び、SW2E_Pが選択され、アンチエイリアスフィルタ412を経由して、ΔΣAD変換回路でAD変換される。そして、デジタルフィルタ2_Pに、AD変換された結果が入力され、平均化処理が行われる。所定期間経過後、SW2C_P、SW2D_P、及び、SW2E_PがOFFとなり、デジタルフィルタ2_Pに平均化された結果が保持される。次に、SW2C_N、SW2D_N、及び、SW2E_Nが選択され、アンチエイリアスフィルタ412を経由して、ΔΣAD変換回路でAD変換される。そして、デジタルフィルタ2_Nに、AD変換された結果が入力され、平均化処理が行われる。所定期間経過後、SW2C_N、SW2D_N、及び、SW2E_NがOFFとなり、デジタルフィルタ2_Nに平均化された結果が保持される。これにより、デジタルフィルタ2_Pには、第2の赤外線センサ31bの正転信号が保持され、デジタルフィルタ2_Nには、第2の赤外線センサ31bの反転信号が保持される。そして、図12に示す回路などによって、両者の差分が演算される。
SW3AがONし、第3の赤外線センサ31cの出力がGAIN回路(図10のアンプ)411に入力される。まず、SW3C_P、SW3D_P、及び、SW3E_Pが選択され、アンチエイリアスフィルタ412を経由して、ΔΣAD変換回路でAD変換される。そして、デジタルフィルタ2_Pに、AD変換された結果が入力され、平均化処理が行われる。所定期間経過後、SW3C_P、SW3D_P、及び、SW3E_PがOFFとなり、デジタルフィルタ3_Pに平均化された結果が保持される。次に、SW3C_N、SW3D_N、及び、SW3E_Nが選択され、アンチエイリアスフィルタ412を経由して、ΔΣAD変換回路でAD変換される。そして、デジタルフィルタ3_Nに、AD変換された結果が入力され、平均化処理が行われる。所定期間経過後、SW3C_N、SW3D_N、及び、SW3E_NがOFFとなり、デジタルフィルタ3_Nに平均化された結果が保持される。これにより、デジタルフィルタ3_Pには、第3の赤外線センサ31cの正転信号が保持され、デジタルフィルタ3_Nには、第3の赤外線センサ31cの反転信号が保持される。そして、図12に示す回路などによって、保持された結果に基づいて、両者の差分が演算される。
SW4AがONし、赤外線センサ4の出力がGAIN回路(図10のアンプ)411に入力される。まず、SW4C_P、SW4D_P、及び、SW4E_Pが選択され、アンチエイリアスフィルタ412を経由して、ΔΣAD変換回路でAD変換される。そして、デジタルフィルタ4_Pに、AD変換された結果が入力され、平均化処理が行われる。所定期間経過後、SW4C_P、SW4D_P、及び、SW4E_PがOFFとなり、デジタルフィルタ4_Pに平均化された結果が保持される。次に、SW4C_N、SW4D_N、及び、SW4E_Nが選択され、アンチエイリアスフィルタ412を経由して、ΔΣAD変換回路でAD変換される。そして、デジタルフィルタ4_Nに、AD変換された結果が入力され、平均化処理が行われる。所定期間経過後、SW4C_N、SW4D_N、及び、SW4E_NがOFFとなり、デジタルフィルタ4_Nに平均化された結果が保持される。これにより、デジタルフィルタ4_Pには、第4の赤外線センサ31dの正転信号が保持され、デジタルフィルタ4_Nには、第4の赤外線センサ31dの反転信号が保持される。そして、図12に示す回路などによって、両者の差分が演算される。
この動作を複数回繰り返して行う。図11のタイミングチャートでは、4回繰り返しており、4回目をデータ更新タイミングとしている。
そして、データ更新タイミングでは、第1〜第4のイネーブル信号がそれぞれHighとなり、チョッパ復調部の第1〜第4赤外線センサ31a〜31dの正転信号と反転信号の差分が、各レジスタにそれぞれ格納され、保持される。具体的には、下記の通りである。
同様に、第2〜第4の赤外線センサ31b〜31dについてもそれぞれ第2〜第4のレジスタ33b〜33dに格納される。これによって、データ更新タイミングにおいて、n−1回目のデータが順次、n回目のデータに更新される。
また、一例として挙げた人感検知よりも、センサからの信号が高速なモーション検知の分野において応用できる。
また、上述したセンサ信号処理回路と、複数の赤外線センサとを備える赤外線センサモジュールを実現することもできる。また、赤外線センサの個数が4個である赤外線センサモジュールを実現することもできる。
複数の赤外線センサから第1の赤外線センサの第1の出力信号を選択し、第1の出力信号を信号処理して第1の検出信号として第1の容量素子に蓄積する第1のステップと、複数の赤外線センサから第2の赤外線センサの第2の出力信号を選択し、第2の出力信号を信号処理して第2の検出信号として第2の容量素子に蓄積する第2のステップと、少なくとも第1のステップと第2のステップとを複数回繰り返した後、蓄積された第1の検出信号と第2の検出信号とをサンプリングして第1のデータ及び第2のデータとして格納するステップと、格納した第1のデータと第2のデータとの差を出力するステップとを有している。
また、第1の赤外線センサと第2の赤外線センサとが対向して配置され、第3の赤外線センサと第4の赤外線センサとが対向して配置され、格納した第1のデータと第2のデータとの差を出力する、又は、格納した第3のデータと第4のデータとの差を出力するステップをさらに有している。
2 信号処理回路
3a,3b レジスタ
4 デジタルインターフェース
7 制御回路
21a,21b 増幅回路
22a,22b AD変換器
31a〜31d 第1〜第4の赤外線センサ
32 信号処理回路
33a〜33d 第1〜第4のレジスタ
34 デジタルインターフェース部
35 選択回路
36 出力回路
37 制御回路
38 デジタルフィルタ回路
38a〜38d 第1〜第4のデジタルフィルタ
38a1_P,38a1_N〜38d1_P,38d1_N デジタルフルタ
39a〜39d,43 チョッパ復調部
41 増幅回路
42 ΔΣADC(デルタシグマAD変換回路)
411 ゲイン増幅器
412 アンチエイリアスフィルタ
413 増幅器
421 積分器
422 量子化器
423 DAC
424a〜424d 第1〜第4の遅延素子
Claims (9)
- 複数の赤外線センサからの出力信号を選択する選択回路と、
該選択回路で選択された出力信号をAD変換するΔΣAD変換回路を有する信号処理回路と、
前記選択回路を時分割で制御する制御回路と、
前記複数の赤外線センサからの出力信号の極性を切り替えるチョッパ変調部と、
前記ΔΣAD変換回路の後段に設けられ、正転信号と反転信号との差分を演算するチョッパ復調部と、を備え、
前記ΔΣAD変換回路は、
前記複数の赤外線センサの正転出力信号に対応する複数の正転用積分容量と、
前記複数の赤外線センサの反転出力信号に対応する複数の反転用積分容量と、
前記複数の正転用積分容量及び前記複数の反転用積分容量からいずれかの積分容量を選択して切り替える第4の切替部と、を備え、
前記制御回路は、前記ΔΣAD変換回路における2回のサンプリングに対応した時間毎に前記複数の赤外線センサからの出力信号の選択が切り替わるように、前記選択回路を制御し、
前記チョッパ変調部は、前記選択回路によって前記複数の赤外線センサのうちの一つが選択されている間に、前記ΔΣAD変換回路における1回のサンプリングに対応した時間で前記出力信号の極性を切り替えることで、前記正転出力信号と前記反転出力信号とを1回ずつ生成するようになっているセンサ信号処理回路。 - 前記ΔΣAD変換回路は、前記複数の正転用積分容量に合わせて複数の正転用遅延素子と、前記複数の反転用積分容量に合わせて複数の反転用遅延素子と、前記複数の正転用遅延素子及び前記複数の反転用遅延素子からいずれかの遅延素子を選択して切り替える第5の切替部と、を備えている請求項1に記載のセンサ信号処理回路。
- 前記信号処理回路は、さらにフィルタ回路を備え、
前記フィルタ回路は、前記ΔΣAD変換回路に合わせて、各赤外線センサからの正転信号を蓄積する複数の正転用フィルタ容量と、各赤外線センサからの反転信号を蓄積する複数の反転用フィルタ容量と、を備え、各フィルタ容量からいずれかのフィルタ容量を選択して切り替える第6の切替部を備えている請求項1に記載のセンサ信号処理回路。 - 前記信号処理回路は、さらにフィルタ回路を備え、
前記フィルタ回路は、前記ΔΣAD変換回路に合わせて、各赤外線センサからの正転信号を蓄積する複数の正転用フィルタ容量と、各赤外線センサからの反転信号を蓄積する複数の反転用フィルタ容量と、を備え、各フィルタ容量からいずれかのフィルタ容量を選択して切り替える第6の切替部を備えている請求項2に記載のセンサ信号処理回路。 - 前記第4の切替部、前記第5の切替部及び前記第6の切替部は、
前記選択回路が前記複数の赤外線センサから第1の赤外線センサの信号を選択し、前記チョッパ変調部が正転信号とするときは、前記複数の積分容量と遅延素子とフィルタ容量から正転用第1の積分容量と正転用第1の遅延素子と正転用第1のフィルタ容量を選択して切り替え、
前記選択回路が前記複数の赤外線センサから第1の赤外線センサの信号を選択し、前記チョッパ変調部が反転信号とするときは、前記複数の積分容量と遅延素子とフィルタ容量から反転用第1の積分容量と反転用第1の遅延素子と反転用第1のフィルタ容量を選択して切り替え、
前記選択回路が前記複数の赤外線センサから第2の赤外線センサの信号を選択し、前記チョッパ変調部が正転信号とするときは、前記複数の積分容量と遅延素子とフィルタ容量から正転用第2の積分容量と正転用第2の遅延素子と正転用第2のフィルタ容量を選択して切り替え、
前記選択回路が前記複数の赤外線センサから第2の赤外線センサの信号を選択し、前記チョッパ変調部が反転信号とするときは、前記複数の積分容量と遅延素子とフィルタ容量から反転用第2の積分容量と反転用第2の遅延素子と反転用第2のフィルタ容量を選択して切り替える請求項4に記載のセンサ信号処理回路。 - 前記複数の赤外線センサに対応して、前記チョッパ復調部の出力が格納される複数のレジスタをさらに備えている請求項1〜5のいずれか一項に記載のセンサ信号処理回路。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載のセンサ信号処理回路と、複数の赤外線センサとを備えている赤外線センサモジュール。
- 前記赤外線センサの個数が4個である請求項7に記載の赤外線センサモジュール。
- 複数の赤外線センサからの出力信号を選択する選択ステップと、
該選択ステップで選択された出力信号をΔΣAD変換回路でAD変換する信号処理ステップと、を備え、
前記選択ステップでは、
前記ΔΣAD変換回路における2回のサンプリングに対応した時間毎に前記複数の赤外線センサからの出力信号の選択を切り替えるとともに、前記複数の赤外線センサのうちの一つが選択されている間に、前記ΔΣAD変換回路における1回のサンプリングに対応した時間で前記出力信号の極性を切り替えることで、正転出力信号と反転出力信号とを1回ずつ生成するチョッパ変調を行い、
前記信号処理ステップでは、前記正転出力信号を、前記複数の赤外線センサの正転出力信号に対応する複数の正転用積分容量のうちの対応する一の正転用積分容量に蓄積し、前記反転出力信号を、前記複数の赤外線センサの反転出力信号に対応する複数の反転用積分容量のうちの対応する一の反転用積分容量に蓄積し、前記複数の正転用積分容量及び前記複数の反転用積分容量からいずれかの積分容量を選択して切り替えて前記ΔΣAD変換回路でAD変換し、
さらに、ΔΣAD変換回路から出力される正転信号と反転信号との差分を演算するチョッパ復調を行うセンサ信号処理方法。
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