JP3307065B2 - 物体検出装置 - Google Patents

物体検出装置

Info

Publication number
JP3307065B2
JP3307065B2 JP6304394A JP6304394A JP3307065B2 JP 3307065 B2 JP3307065 B2 JP 3307065B2 JP 6304394 A JP6304394 A JP 6304394A JP 6304394 A JP6304394 A JP 6304394A JP 3307065 B2 JP3307065 B2 JP 3307065B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
waveform
output
maximum
minimum
detection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP6304394A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07270546A (ja
Inventor
正彦 福田
弘 沼倉
賢一 伊藤
良司 皆川
幸司 飯尾
彰 日高
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP6304394A priority Critical patent/JP3307065B2/ja
Publication of JPH07270546A publication Critical patent/JPH07270546A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3307065B2 publication Critical patent/JP3307065B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photometry And Measurement Of Optical Pulse Characteristics (AREA)
  • Geophysics And Detection Of Objects (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば、人体のよう
な熱源物体が放射する赤外線を検出して検出エリア内に
おける物体の有無を検出するようにした物体検出装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】図13および図14は、例えば、特開平
2−134593号公報に示された従来の人体等の検出
装置を示す図で、図13は人体検出装置の構成を示すブ
ロック図、図14は、その動作を示すタイムチャートで
ある。
【0003】図において、1A〜1Cは赤外線の検出エ
リア、2aおよび2bは検出エリア1A〜1Cから赤外
線を検出する赤外線検出器、なお、検出エリアのうち1
Cは、赤外線検出器2aと2bが重複して検出する検出
エリアである。また、3aおよび3bは赤外線検出器の
出力信号を増幅する増幅手段、71aおよび71bは増
幅された信号を基準と比較して2値化する比較器、72
a〜72cは比較器71aおよび71bの信号組み合わ
せから、どの検出エリア1A〜1Cで人体の移動があっ
たかを判別して出力するアンド回路である。
【0004】従来の人体検出装置は上記のように構成さ
れ、例えば、検出エリア1Aのみで人体等の熱源の移動
があった場合、検出エリア1Aからの赤外線変化が赤外
線検出器2aのみに限定されて集光され、赤外線検出器
2aの出力信号が変動する。この出力信号は増幅され、
比較器71aにより2値化され、移動を示すH信号とな
る。他方、検出エリア1B,1Cでは赤外線の変化がな
いので、赤外線検出器2bの出力は変化せず、比較器7
1bは移動を示さないL信号のままとなる。このように
比較器71aおよび71bからの出力を組み合わせ、ア
ンド回路72aがH信号、アンド回路72bおよび72
cがL信号の出力の時は、検出エリア1Aで人体が移動
したと判断する。
【0005】これと同様に、検出エリア1Bのみで人体
が移動したときは、比較器71aはL信号、比較器71
bはH信号となり、アンド回路72aと72cがL信
号、アンド回路72bがH信号となる。また、人体の移
動が重複検出エリア1Cのみであった場合は、比較器7
1aおよび71bはともにH信号となり、アンド回路7
2aと72bがL信号、アンド回路72cがH信号とな
り、人体が1Cの検出エリアにおいて移動したと判断す
る。また、検出エリア1Aと検出エリア1Bの位置で同
時に人体移動があった場合には、比較器71a、71b
は、ともにH信号となるため、アンド回路は全てH信号
となり人体が1Cの重複検出エリアにおいて移動したと
同様の信号を出力することになる。
【0006】また、各検出器の感度差、あるいは、各検
出器の取り付けズレによる検出エリアの設定ズレ等に起
因する出力信号の位相ズレがあっても、各々の比較器
は、各赤外線検出器からのリアルタイムで検出された出
力信号を2値化し、そのままのHあるいはL信号を出力
し、この出力信号に基づいてアンド回路は人体が移動し
た検出エリアを判別する。従って、重複検出エリア1C
のみで人体の移動があった場合でも、図14に示す通
り、各赤外線検出器間の感度差や取り付けズレ等に起因
して生じる出力信号の位相がズレた範囲では、赤外線検
出器2bからの出力信号が変化しないため、比較器71
aからはH信号、比較器71bからはL信号が出力され
るので、アンド回路72aはH信号で、アンド回路72
bおよび72cはL信号となるため、検出エリア1Aで
人体が移動したと判断する。しかしながら、時間が経過
して出力信号の位相ズレがなくなった範囲では、赤外線
検出器2bからの出力信号が変化するため、比較器71
a、71bからH信号が出力されので、アンド回路7
2aおよび72bはL信号、アンド回路72cはH信号
となるため、検出エリア1Cで人体が移動したと判断す
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したとおり、
従来の物体検出装置によれば、後述するような不安定な
タイミングで各出力波形を検出し、しかも、各赤外線検
出器間の検出感度差、あるいは、人体の移動速度と各赤
外線検出器の検出速度との差や、各赤外線検出器間の取
り付けズレ等に起因して生じる出力信号の位相ズレを吸
収せずにリアルタイムで各出力波形を比較して各検出エ
リアの人体有無を判断するために、各検出エリアの人体
有無を精度良く、正確に判別できない。特に、各赤外線
検出器が赤外線を重畳して検出する重複検出エリアでの
人体有無が正確に判別できないという問題点があった。
また、前述のような不安定で、しかも位相ズレを含んだ
検出結果と不正確な判別基準とを比較し、この比較結果
より複数の各検出エリアの人体有無を判別してるため
に、特に、複数の各検出エリアにそれぞれ人がいると
き、人がいるにも関わらず、人がいないと誤判断をした
り、また逆に、人がいないにも関わらず、人がいると誤
判断をし、複数の各検出エリアの人体有無が正確に判別
できないという問題点があった。
【0008】この発明は、以上のような問題点を解決す
るためになされたもので、各検出エリア(各検出領域)
の人体有無を決定する各赤外線の出力波形が最も安定し
て明確になるタイミングで各出力波形を検出し、しか
も、各赤外線検出器間の感度差や取り付けズレ等に起因
する出力信号の位相ズレの誤差を吸収した各出力波形を
比較して各検出領域の人体有無、特に、各赤外線検出器
が赤外線を重畳して検出する重複検出領域の人体有無を
精度良く、正確に判別する信頼性の高い人体検出装置を
提供することを目的とする。また、最も安定して明確に
なるタイミングで各出力波形を検出し、各赤外線検出器
間の感度差や取り付けズレ等に起因して生じる出力信号
の位相ズレの誤差を吸収した各出力波形の極大・極小数
および同期極性と極大・極小数および同期極性の波形間
判別基準とを、人体移動の区切りを示す各出力波形の区
切りが互いに成立するたびに比較して、複数の各検出領
域の人体有無を精度良く、正確に判別する信頼性の高い
人体検出装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明に係る人体検出
装置においては、一部が互いに重複する検出エリアを有
する少なくとも二つ以上の各赤外線検出器で物体が放射
する赤外線をそれぞれに検出するようにしたものにおい
て、前記各赤外線検出器の出力波形の極大・極小の発生
時刻を検出し、かつ確定する極大極小検出手段と、この
確定した各出力波形の極大・極小の発生時刻の時間差か
ら各出力波形の一致度を判定する波形一致度判定手段
と、この波形一致度判定手段の出力に基づいて前記物体
の位置を判別する検出エリア判別手段と、を備えたもの
である。
【0010】また、一部が互いに重複する検出エリアを
有する少なくとも二つ以上の各赤外線検出器で物体が放
射する赤外線をそれぞれに検出するようにしたものにお
いて、前記各赤外線検出器の出力波形の極大・極小を検
出し、かつ確定する極大極小検出手段と、前記各出力波
形の電圧が基準電圧とそれぞれにクロスするそれぞれの
各ゼロクロスを検出するゼロクロス検出手段と、この検
出した各ゼロクロスが前記各出力波形のどちらか一方で
2回発生してゼロクロス間が成立したかどうかを判別す
る波形成立判別手段と、この波形成立判別手段の判別結
果より、判別条件が成立したときは、この成立したゼロ
クロス間での前記各出力波形の極大・極小の符号差から
各出力波形の一致度を判定する波形一致度判定手段と、
この波形一致度判定手段の出力に基づいて前記物体の位
置を判別する検出エリア判別手段と、を備えたものであ
る。
【0011】また、一部が互いに重複する検出エリアを
有する少なくとも二つ以上の各赤外線検出器で物体が放
射する赤外線をそれぞれに検出するようにしたものにお
いて、前記各赤外線検出器の出力波形の極大・極小を検
出し、かつ確定する極大極小検出手段と、前記各出力波
形の電圧が基準電圧とそれぞれにクロスするそれぞれの
各ゼロクロスを検出するゼロクロス検出手段と、この検
出した各ゼロクロスが前記各出力波形のそれぞれで2回
発生してゼロクロス間が互いに成立したかどうかを判別
する波形成立判別手段と、この波形成立判別手段の判別
結果より、判別条件が成立したときは、この互いに成立
したそれぞれのゼロクロス間を包括するゼロクロス区間
での前記各出力波形の極大・極小数および同期極性の差
と予め設定された極大・極小数および同期極性の波形間
判定基準との一致度を判定する波形一致度判定手段と、
この波形一致度判定手段の出力に基づいて前記物体の位
置を判別する検出エリア判別手段と、を備えたものであ
る。
【0012】また、前記極大極小検出手段に、前記各赤
外線検出器の出力波形の電圧値が予め設定された飽和し
きい値幅を越えたとき、この越えた電圧値をピークカッ
トして前記飽和しきい値幅以内に保持する飽和電圧保持
手段と、この飽和電圧保持手段が保持を開始してから終
了するまでの中間時間で前記各出力波形に極大・極小が
発生したと判断する飽和ピーク判断手段と、を備えたも
のである。
【0013】また、前記極大極小検出手段に、前記各赤
外線検出器の出力波形の電圧値が予め設定された下限し
きい値幅内に維持される時間が所定時間を越えたとき
は、前記各出力波形が終了したと判断し、前記出力電圧
値が予め設定された下限しきい値幅内に維持される時間
が所定時間以内のときは、前記各出力波形が継続してい
ると判断する時間遅れ検出手段と、を備えたものであ
る。
【0014】また、波形一致度判定手段が、各赤外線検
出器の出力波形間のピーク時間差および振幅比から設定
したファジールールとメンバーシップ関数に基づいて各
出力波形の一致度を判定するものである。
【0015】また、波形一致度判定手段が、前記判別条
件が成立し、この成立したゼロクロス区間での前記各出
力波形の極大極小数および同期極性が同一の時に、この
ゼロクロス区間の前記各出力波形の最後の極大極小数お
よび同期極性に基づいて各出力波形の一致度を判定する
ものである
【0016】また、波形成立判別手段が、前記ゼロクロ
ス検出手段が検出した各赤外線検出器の出力波形の終了
ゼロクロスを回避して判別するものである。
【0017】
【作用】以上のように構成された物体検出装置において
は、一部が互いに重複する検出エリアから物体が放射す
る赤外線をそれぞれに検出し、このそれぞれに検出した
各赤外線の出力波形の極大・極小の発生時刻を検出し、
かつ確定し、この確定した各出力波形の極大・極小の発
生時刻の時間差から各出力波形の一致度を判定し、この
判定した出力に基づいて物体の位置を判別する
【0018】また、一部が互いに重複する検出エリアか
ら物体が放射する赤外線をそれぞれに検出し、このそれ
ぞれに検出した各赤外線の出力波形の極大・極小の発生
時刻を検出して確定し、また、各出力波形の電圧が基準
電圧とそれぞれにクロスする各ゼロクロスを検出し、こ
の検出した各ゼロクロスが各出力波形のどちらか一方で
2回発生してゼロクロス間が成立したかどうかを判別
し、この判別結果より、判別条件が成立したときは、こ
の成立したゼロクロス間での各出力波形の極大・極小の
符号差から各出力波形の一致度を判定し、この判定した
出力に基づいて物体の位置を判別する
【0019】また、一部が互いに重複する検出エリアか
ら物体が放射する赤外線をそれぞれに検出し、このそれ
ぞれに検出した各赤外線の出力波形の極大・極小の発生
時刻を検出して確定し、また、各出力波形の電圧が基準
電圧とそれぞれにクロスする各ゼロクロスを検出し、こ
の検出した各ゼロクロスが各出力波形のそれぞれで2回
発生してゼロクロス間が互いに成立したかどうかを判別
し、この判別結果より、判別条件が成立したときは、こ
の互いに成立したそれぞれのゼロクロス間を包括するゼ
ロクロス区間での極大・極小数および同期極性の差と予
め設定された極大・極小数および同期極性の波形間判定
基準との一致度を判定し、この判定した出力に基づいて
物体の位置を判別する。
【0020】また、極大極小検出手段が、各赤外線検出
器の出力波形の電圧値が予め設定された飽和しきい値幅
を越えたとき、この越えた電圧値をピークカットして飽
和しきい値幅以内に保持し、この保持を開始してから終
了するまでの中間時間で各出力波形に極大・極小が発生
したと判断する。
【0021】また、極大極小検出手段が、各赤外線検出
器の出力波形の電圧値が予め設定された下限しきい値内
に維持される時間が所定時間を越えたときは、各赤外線
波形の検出が終了したと判断し、また、出力電圧値が予
め設定された下限しきい値幅内に維持される時間が所定
時間以内のときは、各出力波形が継続していると判断す
る。
【0022】また、波形一致度判定手段が、各赤外線検
出器の出力波形間のピーク時間差および振幅比から設定
したファジールールとメンバーシップ関数に基づいて各
出力波形の一致度を判定する。
【0023】また、波形一致度判定手段が、判別条件が
成立し、この成立したゼロクロス区間での各出力波形の
極大極小数および同期極性が同一の時に、このゼロクロ
ス区間の各出力波形の最後の極大極小数および同期極性
に基づいて各出力波形の一致度を判定する
【0024】また、波形成立判別手段が、各赤外線検出
器の出力波形の終了ゼロクロスを回避して各ゼロクロス
を判別する。
【0025】
【実施例】
実施例1.図1〜図2は、この発明の一実施例を示す図
で、図1は実施例1の人体検出装置のブロック構成図、
図2は、実施例1の各赤外線検出器の出力波形図であ
る。、図4は各赤外線検出器が検出する波形信号の処理
手順を示す流れ図であり、図12は各赤外線検出器が出
力した波形間の出力波形状況をしめしたものである。な
お、従来装置と同一のものは同一符号で示す。
【0026】図1において、1A〜1Cは赤外線の検出
エリア、2aおよび2bは赤外線を検出する赤外線検出
器、なお検出エリアのうち1Cは赤外線検出器2aと2
bが赤外線を重畳して検出する重複検出エリアである。
また、3aおよび3bは赤外線検出器2a、2bの出力
信号を増幅する増幅手段、6aおよび6bは、この増幅
手段3a、3bの増幅した出力波形の電圧が予め設定さ
れた下限しきい値幅以上の振幅を持つかどうか判断する
信号検出手段、14aおよび14bは、赤外線の出力波
形の極大極小を後述する波形判定基準に基づいて検出
し、この検出した出力波形の極大極小の発生時刻を確定
する極大極小発生検出手段、8aおよび8bは、極大極
小発生検出手段14aおよび14bに内蔵され、出力波
形の極大極小が検出されたときその電圧値を計測保持す
るピーク電圧計測保持手段、9aおよび9bは、極大極
小発生検出手段14aおよび14bに内蔵され、出力波
形の極大極小が検出されたときその時刻を計測保持する
ピーク時刻計測保持手段、10は各赤外線検出器の出力
波形の極大極小の電圧値および発生時刻の情報から得ら
れる各出力波形の極大極小時刻と予め設定された出力波
形間の差を示す時刻基準とを比較する波形一致度判定手
段、11はこの波形一致度判定手段10の比較結果より
各検出エリア1A〜1Cでの人体の有無を判定する検出
エリア判別手段である。
【0027】以下に実施例1の人体検出装置の動作につ
いて説明する。まず、各赤外線検出器2a、2bが人体
から放射される赤外線を一部が重複する各検出エリア1
A〜1Cからそれぞれ検出し、この検出した赤外線の出
力波形変化と波形判定基準(出力波形の傾きがプラス→
0→マイナスに変化したときの時刻を極大時刻,マイナ
ス→0→プラスに変化したときの時刻を極小時刻と判定
する基準)とを比較し、この比較結果より各出力波形の
極大・極小の時刻を極大極小発生検出手段14a、14
bが確定する。次に、この確定した各出力波形の極大・
極小の発生時刻と予め設定された出力波形間の差を示す
時刻基準とを波形一致度判定手段10が比較し、赤外線
検出器2aからの出力波形に極大・極小のピーク時刻が
確認され、この確認された時刻から予め設定された時刻
基準(たとえば1秒)が経過しても、他方の赤外線検出
器2bからの波形に極大・極小の時刻が確認されないと
きは、検出エリア1Aに人体有りと判定し、また逆に、
赤外線検出器2bからのみの波形にピーク時刻が確認さ
れ、この確認された時刻から設定時刻基準が経過しても
赤外線検出器2aの波形に極大・極小のピーク時刻が確
認されないときは、検出エリア1Bに人体有りと判定す
る。また、各赤外線検出器2a、2bの両方の出力波形
に極大・極小のピーク時刻が設定時刻基準内で確認され
たときは、検出エリア1Cに人体有りと判定する。
【0028】また、図2に示すとおり、各波形の極大・
極小の時刻を比較して人体有無を判断すると、各赤外線
の出力波形は、基準電圧値の付近では波形勾配がゆるや
になり、各赤外線波形間の検出ズレが大きくなる。特
に、人体の移動が停止したことを示す最終波形、即ち、
ゆり戻し波形は最も波形勾配が緩やかになるために、益
々各赤外線の出力波形間の検出のズレが大きくなるため
に、これらを基準として各赤外線の出力波形を確認する
従来の検出装置では、各出力波形の確認が不明確であ
り、かつ不安定になるために、各エリアの人体有無を正
確に判定できないという問題点があった。これに対し、
各赤外線の出力波形の極大・極小のピークの時刻を検出
すれば、波形勾配は極大・極小時に最も急激に変化する
ため、最も明確で、最も安定した状態で、各波形を正確
に検出でき、しかも、この検出した各波形間の極大・極
小時刻差は、図2に示すとおり、ほぼ一定になるので、
各出力波形間の差がより正確になる。
【0029】なお、上記説明では、2つの赤外線検出器
を組合わせて利用する場合について述べたが、3つ以上
の各赤外線検出器で構成して利用するときは、互いの隣
接する各赤外線検出器毎に順次組合わせ、この組合わせ
毎の各検出エリアの人体有無を順次判別して行くように
する。
【0030】以上説明したように、各出力波形の極大・
極小時刻差と設定時刻との差によって、各赤外線検出器
間の感度差や取り付けズレなどに起因して生じる各出力
波形の位相ズレの誤差を吸収し、この誤差を吸収した各
出力波形の最も安定して明確になる極大・極小の発生時
刻の時間差を比較して各検出エリアの人体有無を判定す
るために、各検出エリア、特に、重複した検出エリアの
人体有無を精度良く、正確に判別する信頼性の高い人体
検出装置が得られる。
【0031】実施例2. 図3〜図5は、この発明の一実施例を示す図で、図3は
実施例2の人体検出装置のブロック構成図であり、この
図3は、実施例1の図1の手段に後述する時間遅れ信号
検出手段と、ゼロクロス検出手段と、波形判定条件成立
判別手段とを追加したものである。なお、図3の増幅手
段以後の手段はマイクロコンピュータで実現する。ま
た、図4は赤外線検出器の出力波形と波形情報計測保持
の様子を示す模式図図5は各赤外線検出器が検出する波
形信号の処理手順を示す流れ図である。図3は前述の通
り、図1の実施例1に各種手段を追加し、さらに細かく
情報を収集し、精度よい判断を可能とするようにしたも
ので、この図3の20はマイコン、12aと12bはA
/D変換器、13aと13bはA/D変換器12a、1
2bからの赤外線出力信号が下限しきい値幅を越えたと
きに検出を開始し、また、信号が下限しきい値幅以内に
入ってもある一定時間内に再びしきい値を越えれば検出
を継続、越えなければ終了とする時間遅れ信号検出手
段、14aと14bは、信号波形の傾きがプラス→0→
マイナスとなる極大、および、マイナス→0→プラスと
なる極小を検出する極大極小発生検出手段、15aと1
5bは極大極小発生検出手段14aあるいは14bで極
大極小発生が検出されたとき、その電圧値を計測および
保持する極大極小検出保持手段、16aと16bは極大
極小発生検出手段14aあるいは14bで極大極小発生
が検出されたとき、その発生時刻を計測および保持する
極大極小時刻計測保持手段、17aと17bは極大極小
発生検出手段14aあるいは14bで極大極小発生が検
出されたとき、その数を計数および保持する極大極小計
数保持手段、18aと18bは信号のバイアス基準電圧
と信号波形が交差する通常ゼロクロスおよび信号波形の
開始・終了時の開始・終了ゼロクロスの発生を検出し、
計数するゼロクロス検出計数手段、19は時間遅れ信号
検出手段13a,13b、極大極小発生検出手段14
a,14b、および、ゼロクロス検出計数手段18a,
18bからの検出情報に基づいて、ゼロクロスが各赤外
線波形のどちらか一方で2回発生してゼロクロス間が成
立しかどうかをを判別する波形判定条件成立判別手段で
ある。なお、ここでの波形一致度判定手段10は波形判
別手段18a,18bの判別結果と予め設定された極大
極小の波形間判定基準とを比較し、この比較結果に基づ
いて各検出エリア1A〜1Cの人体有無を検出エリア判
別手段11が判別する。
【0032】図4において、21は人の動きがないと
き、すなわち、赤外線検出器の出力信号に変動がないこ
とを示す基準となるバイアス基準電圧、22は人が動い
たときの赤外線検出器の出力波形の一例、23は基準電
圧21より大きい電圧に設定された信号発生検出しきい
値上限電圧、24は基準電圧21より小さい電圧に設定
された信号発生検出しきい値下限電圧、25は信号発生
検出状態を示すタイムチャートで、25a,25c,2
5e,25g,25iは出力波形が赤外線検出器の出力
波形22が信号発生検出しきい電圧23,24を越えて
信号発生を検出開始した時刻を示す、25b,25d,
25f,25h,25jは、出力波形が赤外線検出器の
出力波形22が信号発生検出しきい電圧23,24以内
となり、信号発生の検出終了を示す時刻、26は信号発
生検出終了後一定時間内に再び信号発生検出が開始され
たときに、信号発生の検出が継続しているようにする時
間遅れ信号発生検出のタイムチャート、26aは時間遅
れ信号の発生を検出したときの信号検出開始時刻、26
bは時間遅れ信号の発生を検出したときの信号検出終了
時刻をそれぞれ示す。また、27a,27b,27cは
赤外線検出器の出力波形の極大電圧、28a,28b,
28cは同じく極大発生時刻、29a,29b,29c
は同じく極小電圧、30a,30b,30cは極小発生
時刻、31は極大極小検出のタイムチャートである。3
2はゼロクロス検出のタイムチャートであり、32aは
信号検出開始をゼロクロスとする開始ゼロクロス、32
b,32c,32d,32eは信号検出中に基準電圧2
1と出力波形22が交差する通常ゼロクロス、32fは
信号検出終了をゼロクロスとする終了ゼロクロスを示
す。
【0033】図5において、33a,33b・・・は、
各赤外線検出器の出力波形に対する情報収集処理ブロッ
クを示し、赤外線検出器と同数のブロックが必要であ
る。33a,33bはマイコンで処理する場合、並列に
は処理されず、33aの処理が終了後33bの処理を順
次実行するのが一般的である。また、F1〜F13は、
それぞれの機能を実現する処理ブロック、10,11お
よび13〜19は図3において、それぞれ対応する手段
を実現する処理ブロックである。なお、矢印は処理の流
れ、Yは条件が成立したときに処理が進む分岐、Nは条
件が成立しなかったときに処理が進む分岐をそれぞれ示
す。
【0034】次に、図3の検出エリア1Aのみで人体の
移動があったときについて、図4の出力波形および図5
のフローチャートに基づいて信号処理の流れを説明す
る。
【0035】検出エリア1Aで人体が移動した場合、遠
赤外線放射体である人体の移動にともない、赤外線検出
器2aの受光する赤外線が変化するため、例えば、図4
に示したような出力波形22が発生する。一方、赤外線
検出器2bでは、検出エリア1Bまたは1C内での人体
の移動がないため、赤外線検出器2bの受光する赤外線
が変化せず、基準電圧21近傍のバイアス電圧のままと
なり、出力波形は変動しない。そこで、説明のため、基
準電圧21を示す線を赤外線検出器2bの出力波形とす
る。
【0036】まず、赤外線検出器2aの出力信号22お
よび赤外線検出器2bの出力信号すなわち基準電圧21
は、それぞれA/D変換器12aおよび12bによって
アナログ信号からデジタル信号に変換される。ここで、
A/D変換と信号処理とは周期的に繰り返されるもので
ある。すなわち、A/D変換後信号処理、再びA/D変
換後信号処理、というように、A/D変換並びに信号処
理が少なくとも赤外線検出器の出力波形が安定するまで
は繰り返されるものである。
【0037】ここで、波形ピークの一致度を判別する必
要から、A/D変換は、時間的に同一時刻で各赤外線検
出器の出力波形をA/D変換することが望ましいが、波
形の変化に対して十分に短い間隔でA/D変換できれ
ば、同一時刻でのピーク一致度の判別としても発明の効
果を妨げない。
【0038】信号検出処理ブロック13では、信号発生
を調べ処理の分岐を行う。
【0039】まず、信号検出処理F1において、A/D
変換により得られた出力波形デジタル信号の値が、信号
発生基準電圧23以上になったとき、あるいは、信号発
生基準電圧24以下になったときに信号発生フラグをセ
ットする。それ以外のときは信号発生フラグをリセット
する。
【0040】次いで、F2では、信号発生フラグがセッ
トされているとき、YすなわちF3の処理へ、セットさ
れていないとき、NすなわちF11の処理へそれぞれ分
岐する。つまり、信号発生が検出されたとき、極大極小
検出、ゼロクロス検出等の処理を実行し、信号発生が検
出されないときは、極大極小検出、ゼロクロス検出等の
処理を実行しない。
【0041】極大極小検出処理ブロック14では、極大
極小の発生を調べ、処理の分岐を行う。
【0042】まず、極大極小検出処理F3において、出
力波形の傾きが、プラス→0→マイナスに変化したとき
は極大、また、マイナス→0→プラスに変化したときに
は極小の発生フラグをセットする。それ以外のとき極大
極小発生フラグをリセットする。
【0043】次いで、F4では極大極小発生フラグがセ
ットされているとき、YすなわちF5の処理へ、セット
されていないとき、NすなわちF8の処理へそれぞれ分
岐する。つまり、極大極小が検出されたとき、電圧、時
刻、計数等に対する処理を実行し、極大極小が検出され
ないときは、電圧、時刻、計数等に対する処理を実行し
ない。
【0044】極大極小電圧計測保持処理ブロック15ま
たはF5では、極大あるいは極小と判断されたとき、そ
の電圧値を保持メモリに格納する。
【0045】極大極小時刻計測保持処理ブロック16ま
たはF6では、極大あるいは極小と判断されたとき、そ
の時刻を保持メモリに格納する。
【0046】極大極小時刻計数保持処理ブロック17ま
たはF7では、極大あるいは極小と判断されたとき、そ
の判断期間内での極大極小発生の合計数を保持メモリに
格納する。
【0047】ゼロクロス検出処理ブロック18では、ゼ
ロクロスの発生を調べ、処理の分岐を行う。
【0048】まず、ゼロクロス検出処理F8では、信号
検出開始の場合、または、前回出力波形の値が基準電圧
より大で、かつ、今回出力波形の値が基準電圧以下の場
合、または、前回出力波形の値が基準電圧より小で、か
つ、今回出力波形の出力波形の値が基準電圧以上の場
合、または、信号検出終了の場合には、ゼロクロス発生
フラグをセットし、それ以外のときは、ゼロクロス発生
フラグをリセットする。
【0049】次いで、F9ではゼロクロス発生フラグが
セットされているとき、YすなわちF10の処理へ、セ
ットされていないとき、NすなわちF11の処理へそれ
ぞれ分岐する。つまり、ゼロクロス発生が検出されたと
き、ゼロクロス計数処理を実行し、それ以外のときはゼ
ロクロス計数の処理を実行しない。
【0050】各赤外線検出器の出力波形に対する情報収
集処理ブロック33a,33b・・・の処理が終了後、
判定条件分岐処理ブロック19,F11では、判定条件
が満足したかどうかを調べ、処理の分岐を行う。
【0051】F11では、一つの赤外線検出器の出力波
形のみが信号検出されていて2回ゼロクロスが発生した
場合と、二つ以上の赤外線検出器の出力波形が信号検出
されていてそのいずれか一方で少なくとも2回以上ゼロ
クロスが発生した場合には、YすなわちF12の処理
へ、それ以外のときNの処理へ分岐する。つまり、その
いずれか一方で少なくとも2回以上のゼロクロスが発生
していると言う判定条件を満足したときピーク一致度判
定、検出エリア判別等の処理を実行し、それ以外のとき
ピーク一致度判定、検出エリア判別等の処理を実行しな
い。
【0052】即ち、波形一致度判定手段10が処理する
ブロック10のF12では、各赤外線検出器から出力波
形の信号が検出され、例えば、各赤外線検出器ごとに保
持している極大極小電圧値および発生時刻の情報から、
成立したゼロクロス間で出力波形の極大を赤外線検出器
2a,2bが互いに検出した場合は、各赤外線検出器2
a,2bが互いに検出する重複検出エリア1Cでの人体
移動の出力波形と同じであると波形間判定基準にもとづ
いて判定し、また、各出力波形の極大・極小が互いに異
なる場合には、出力波形の極大信号を発している側の赤
外線検出器2aまたは2bのそれぞれ単独で検出してい
る単検出エリア1A,1Bでの人体移動の出力波形と同
じであると波形間判定基準にもとづいて判定する。
【0053】検出エリア判別処理ブロック11のF13
では、波形一致度判定処理ブロック10で得られた判定
結果より、成立したゼロクロス間で、一つの赤外線検出
器のみで出力波形の極大・極小が検出された場合には、
その出力波形の極大・極小信号を発している赤外線検出
器の単検出エリアでの人体移動であると判別し、複数の
赤外線検出器で出力波形信号が検出され、互いに出力波
形の極大・極小を検出した場合には、重複した検出エリ
ア1Cでの人体移動であると検出エリア判別手段11が
判別する。 次いで、情報の初期化を実行するので、再
び各A/D変換器により各赤外線検出器2a,2bの出
力波形を取り込み、同様の処理を継続して繰り返すこと
で、人体が移動する度毎にどの検出エリアに移動したか
についての情報を得ることができる。
【0054】なお、上記説明では、2つの赤外線検出器
を組合わせて利用する場合について述べたが、3つ以上
の各赤外線検出器で構成して利用するときは、互いの隣
接する各赤外線検出器毎に順次組合わせ、この組合わせ
毎の各検出エリアの人体有無を順次判別して行くように
する。
【0055】以上説明した通り、本実施例では、常に、
ゼロクロスがいずれか一方で少なくとも2回以上発生し
て成立したゼロクロス間によって各赤外線検出器間の感
度差や取付ズレ等によって生じた各出力波形の位相ズレ
の誤差を吸収し、この誤差を吸収した各出力波形の最も
安定して明確になる極大・極小を比較して各検出エリア
の人体有無を判別するために、各検出エリアの人体有無
を精度良く、正確に判定すると共に、特に、各赤外線検
出器が互いに検出する重複検出エリアの人体有無を正確
に検出する信頼性の高い人体検出装置が得られる。
【0056】実施例3.図6は、この発明の更に他の一
実施例を示す図で、赤外線検出器の出力波形が飽和した
場合の極大極小検出の様子を示す模式図である。
【0057】図6において、21は基準電圧、22は赤
外線検出器の出力波形、34は増幅回路の最大出力可能
電圧、35は増幅回路の最小出力可能電圧、36は極大
飽和検出しきい電圧、37は極小飽和検出しきい電圧、
27a,27bは飽和していない極大、38は飽和して
いる極大、39は極大飽和開始時刻、40は極大飽和終
了時刻、41は極大飽和時刻、29aは飽和していない
極小、42は飽和している極小、43は極小飽和開始時
刻、44は極小飽和終了時刻、45は極小飽和発生時刻
をそれぞれ示す。
【0058】図6に基づいて、飽和する極大極小が発生
した場合のこの発明の動作を説明する。
【0059】ある赤外線検出器で、図6のような出力波
形22が発生した場合、飽和していない極大27a,2
7b、極小29aは、実施例1に示したように、出力波
形の傾きの変化から極大極小の発生を検出し、その情報
を各処理ブロックで処理して計測保持する。
【0060】しかし、実際の一般的な増幅回路では、出
力可能な電圧範囲はオペアンプの電源電圧により制限さ
れており、入力が大きいと、出力電圧がオペアンプの出
力限界電圧に達し、制限電圧を出力し続ける飽和状態が
発生する。従って、飽和した極大38あるいは飽和した
極小42が発生した場合は、出力波形の傾き0の状態が
一定時間継続するために、飽和していない極大極小を検
出する方法と同一の方法では必要な波形情報の検出がで
きないことが多く、検出エリア判別精度が低下してしま
う。
【0061】そこで、最大出力可能電圧34より少し小
さい電圧値を極大飽和検出しきい電圧36、最小出力可
能電圧35より少し大きい電圧値を極小飽和検出しきい
電圧37として設定し、出力波形が極大飽和検出しきい
電圧36以上の電圧値となった場合を極大飽和38とし
て、極小飽和検出しきい電圧37以下の電圧値となった
場合を極小飽和42として、飽和していない極大極小と
区別して検出する。
【0062】次いで、極大飽和が発生した場合、極大飽
和開始時刻39と極大飽和終了時刻40を保持し、極大
飽和終了したときに、極大飽和電圧を極大飽和検出しき
い電圧36とし、極大飽和開始時刻39と極大飽和終了
時刻40の中間時刻の極大飽和時刻41で、極大が発生
したと極大極小検出手段14a,14bが判断し、ま
た、極小飽和が発生した場合、極小飽和開始時刻43と
極小飽和終了時刻44を保持し、極小飽和終了したとき
に、極小飽和電圧を極小飽和検出しきい電圧37とし、
極小飽和開始時刻43と極小飽和終了時刻44の中間時
刻の極小飽和時刻45で、極小が発生したと判断する。
なお、これ以降の動作は実施例2で説明したとおりであ
る。
【0063】実施例4.図7〜図9は、この発明の更に
他の実施例を説明する図であり、図7はファジー推論の
入出力系の説明図、図8はファジールールとメンバーシ
ップ関数を示す図、図9は出力マップ図である。
【0064】図7において、46はファジー推論部、4
7,48はファジー推論部46の入力、49は出力であ
る。
【0065】図8において、50はピーク一致度を求め
るためのファジー推論部のルール、51〜53はファジ
ー推論のメンバーシップ関数で、51はピーク時間差T
dの、52は振幅比Vphの、53はピーク一致度BA
RAのメンバーシップ関数をそれぞれ表している。
【0066】図9において、54,55は図8のルール
とメンバーシップ関数で描かれた出力マップであり、5
6はその境界を表している。
【0067】次に、この実施例の動作を図7に基づいて
説明する。
【0068】実施例1および実施例2におけるピークの
波形一致度判定手段10の換わりに実現する手段とし
て、あらかじめテーブルでデータを持たせるテーブル参
照方式、ファジー推論を利用する等が考えられる。テー
ブル参照方式では、分解能が粗くてもよい場合には適し
ているが、細かな判断を行わせようとすると膨大なテー
ブルを持たなければならず、現実的ではない。これに対
し、ファジー推論はデータとデータの間を埋める補間手
段としても利用できるため、きめ細かな分解能を簡単に
得られる。また、ファジー推論、ルール、メンバーシッ
プ関数の設計も簡単であり、非常に使いやすい利点を持
つ。
【0069】まず、実際の赤外線検出器の出力波形をピ
ーク時間差Tdと振幅比Vphのデータからそれぞれマ
ッピングすると図9に示したようになり、境界線56に
よって明らかに分離できる。そこで、この図を基に、フ
ァジールール50とメンバーシップ関数51〜53を作
成する。これをファジー推論部に持たせる。
【0070】今、図9に示したデータ以外の人体移動に
よるピーク時間差Tdと振幅比Vphが入力された場合
でも、ファジーの補間効果でピーク一致度が出力され
る。ここでは、0〜255の整数で出力され、0〜13
0がピーク不一致、131〜255がピーク一致を表
す。
【0071】このように、ファジー推論を用いると少な
いサンプルデータからでも、きめ細かな判定を行うため
のルールとメンバーシップ関数が簡単にでき、また、デ
ータとして持っていない部分の入力に対しても、正確な
出力を得ることができ、しかも、設計が非常に簡単で使
いやすいという特徴を持つ。
【0072】実施例5.図10は、この発明の更に他の
実施例における出力波形図であり、各赤外線検出器の出
力波形が、互いに少なくとも2回以上ゼロクロスしたと
いう判定条件を満足し、かつ複数の同一ピークが同期し
て発生した場合の一部を表したものである。なお、この
ような波形は、重複検出エリアへの出入りする人体の移
動が短時間で繰り返されたときに発生する。
【0073】図10において、21は基準電圧を、57
aは赤外線検出器2aの出力波形を、57bは赤外線検
出器2bの出力波形を、58a,59a,60aは赤外
線検出器2aの出力波形のピーク(極大極小)を、58
b,59b,60bは赤外線検出器2bの出力波形のピ
ーク(極大極小)を、61a,62aは赤外線検出器2
aの出力波形のゼロクロス点を、61b,62bは赤外
線検出器2bの出力波形のゼロクロス点を、それぞれ示
す。なお、この図10において、赤外線検出器2aの出
力波形の最大ピークおよび最新ピークとは同じ60aで
あり、赤外線検出器2bの出力波形の最大ピークは58
b、最新ピークは60bである。
【0074】次に、この実施例の動作を図10に基づい
て説明する。
【0075】まず、赤外線検出器2aのゼロクロス61
aが発生し、次いで、赤外線検出器2bのゼロクロス6
1bが発生する。次に、赤外線検出器2aのピーク58
aおよび赤外線検出器2bのピーク58bがほぼ同時に
発生する。この時それぞれのピークの電圧および発生時
刻を計測保持し、ピーク数を計数する。この時点では、
ピーク数は各赤外線検出器とも1である。次いで、順次
各赤外線検出器の出力波形のピーク59a,59b,6
0a,60bの情報が得られる。そして、赤外線検出器
2bのゼロクロス62bが発生し、次いで、赤外線検出
器2aの出力波形のゼロクロス62aが発生する。ゼロ
クロス62aが発生した時点で、各赤外線検出器の出力
波形が互いに少なくとも2回以上ゼロクロスが発生して
互いゼロクロス間が成立したという判定条件を満たした
ときに、波形判定の処理が実行される。
【0076】次に、波形判定処理としては、まず、判定
期間61a〜62a内におけるピーク発生数が同一であ
るから、ピークが一致したと判定する。このとき発生し
たピークのうち全てのピークの組で判定すると、ピーク
数に対応したピーク情報格納メモリが必要になり、処理
をピーク数分繰り返すので処理時間も長くかかる。そこ
で、最新ピークの電圧値および発生時刻で判断するよう
にすると、メモリを少なくでき、処理時間も短縮でき
る。また、全てのピークの組で判定し、時間的に前のピ
ークの電圧値および発生時刻で人体の移動位置を判断し
ても、最終的には、時間的に直前のピークによる判定結
果が有効となるため、最新ピークの電圧値および発生時
刻を使ってピーク一致度の判定を実行するほうが効率が
よい。
【0077】従って、ピーク情報収集処理において、最
新のピークの電圧値および発生時刻を順次更新していく
ピーク情報保持手段(図示せず)を波形一致度判定手段
10内に設けると良い。
【0078】実施例6.図11は、この発明の更に他の
実施例の各赤外線検出器の出力波形が、互いに少なくと
も2回以上ゼロクロスして互いにゼロクロス間が成立し
たという判定条件を満足した場合の波形図である。
【0079】図11において、21は基準電圧を、63
aは赤外線検出器2aの出力波形を、63bは赤外線検
出器2bの出力波形を、64aは赤外線検出器2aの出
力波形のピーク(極大極小)を、65a,65b,65
c,65d,65eは赤外線検出器2aの出力波形のピ
ーク(極大極小)を、66a,67aは赤外線検出器2
aの出力波形のゼロクロス点を、66b,67bは赤外
線検出器2bの出力波形のゼロクロス点を、それぞれ示
す。
【0080】次に、この実施例の動作を図11を参照し
て説明する。なお、本実施例の波形判定条件成立判別手
段19、波形一致度判定手段10および検出エリア判別
手段11は、下記に記述したとおりの動作をするが、こ
の他の手段動作は実施例2で説明したとおりなので、そ
の他の動作の説明は割愛する。
【0081】まず、赤外線検出器2aの出力波形のゼロ
クロス66aが発生し、次いで、赤外線検出器2bのゼ
ロクロス66bが発生する。次に、赤外線検出器2bの
出力波形のピーク65aが発生し、電圧値、発生時刻を
計測し、ピーク発生数を計数し、ピーク情報を記憶保持
する。この時点では、赤外線検出器2aの出力波形のピ
ーク数は0、赤外線検出器2bの出力波形のピーク数は
1である。次いで、順次各赤外線検出器の出力波形のピ
ーク65a,65c,64a,65d,65eの情報が
得られる。そして、赤外線検出器2aの出力波形のゼロ
クロス67bが発生し、次いで、赤外線検出器2bの出
力波形のゼロクロス67bが発生する。ゼロクロス67
bが発生した時点で、各赤外線検出器が互いに少なくと
も2回以上ゼロクロスし、互いにゼロクロス間が成立し
たかどうかを波形成立判別手段19が判別し、波形判別
条件が成立したとき、この互いに成立したゼロクロス間
を包括するゼロクロス区間で波形判定の処理が実行され
る。
【0082】次に、波形判定としては、例えば、この互
いに成立したゼロクロス間を包括するゼロクロス区間で
あるゼロクロス66aからゼロクロス67bまでの範囲
で、各赤外線検出器の出力波形の極大極小数および同期
極性と予め設定された波形間差を示す極大極小数および
同期極性の波形間判定基準とを比較し、この互いに成立
したゼロクロス区間で、同期極性が同一の出力波形が発
生し、かつ、各赤外線検出器2a,2bで検出したピー
ク数が異なるという状況にある時は、まず、各赤外線検
出器の重複エリア1Cに人体が移動したものと推測す
る。一方、赤外線検出器2bの出力波形に、小さなピー
クが複数ある波形となっているので、これは、上記重複
エリア1C以外のエリアでも、人体移動があった。即
ち、赤外線検出器2bのピーク数が多いことより、単エ
リア1Bでも人体移動があったと波形一致度判定手段1
0が推測する。なお、前述の判定条件状況で、赤外線検
出器2aのピーク数が多いときには、、重複エリア1C
と単エリア1Aで人体移動があったと推測する。また、
同期極性が同一、かつ、各赤外線検出器2a,2bの検
出したピーク数が同一の時は、重複エリア1Cでの人体
の移動であると推測する。また、同期極性が異なる出力
波形が発生し、かつ、各赤外線検出器2a,2bの検出
したピーク数が同一の時は、単エリア1Aおよび1Bの
それぞれで人体の移動があったと推測する。
【0083】従って、波形判定条件が成立し、複数の各
赤外線検出器2a,2bが検出した出力波形のピーク数
が異なる時は、重複エリアとピーク数を多く検出してい
る赤外線検出器側の単エリアとの両方で人体移動である
と検出エリア判別手段11が判別する。また、同期極性
が異なる出力波形が発生し、かつ、各赤外線検出器2
a,2bの検出したピーク数が同一の時は、単エリア1
Aおよび1Bのそれぞれで人体の移動があったと判別す
る。
【0084】なお、上記説明では、2つの赤外線検出器
を組合わせて利用する場合について述べたが、3つ以上
の各赤外線検出器で構成して利用するときは、互いの隣
接する各赤外線検出器毎に順次組合わせ、この組合わせ
毎の各検出エリアの人体有無を順次判別して行くように
する。
【0085】以上説明したとおり、互いに成立したゼロ
クロス間を包括するゼロクロス区間内、即ち、人体の移
動の区切りを示す出力波形の区切りが互いに成立するご
とに、この成立したゼロクロス区間によって各赤外線検
出器間の感度差や取付ズレ等によって生じた各出力波形
の位相ズレの誤差を吸収し、この誤差を吸収した各出力
波形の最も安定して明確になる各出力波形の極大極小数
および同期極性と予め設定された極大極小数および同期
極性の波形間判定基準とを比較して判断するために、装
置の判断分解能が向上し、各検出エリア1Aと1Cでの
人体移動、各検出エリア1Bと1Cでの人体移動、ある
いは、各検出エリア1Aと1Bでの、複数の検出エリア
の人体移動を精度良く、正確に判別する。
【0086】実施例7.図12は、この発明の更に他の
実施例を示す図で、一般的な赤外線検出器の出力波形を
示したものである。
【0087】図12において、21は基準電圧を、2
3,24は信号発生検出しきい電圧を、68a,68
b,68c,68d,68eは出力波形のピーク(極大
極小)を、69a,69b,69c,69d,69e,
69fは出力波形のゼロクロス点を、特に69fは終了
ゼロクロス点を、70は波形判定を回避する期間をそれ
ぞれ表す。
【0088】次に、この実施例7の動作を図12を参照
して説明する。
【0089】まず、人体移動により赤外線検出器の出力
波形が変化し、信号発生しきい電圧を越えると、信号発
生検出処理により信号発生検出され、開始ゼロクロス6
9aが検出される。次いで、68aの出力波形のピーク
が検出され、ピーク情報が計測保持される。次に、69
bの出力波形のゼロクロス点が検出される。このとき、
判定条件が成立すれば、得られた情報に応じて、ピーク
一致度判定、検出エリア判別などの処理が実行される。
以下順次、信号検出、ピーク検出、ゼロクロス検出等の
処理および波形判定、検出エリア判別等の処理が実行さ
れていく。そして、終了ゼロクロス点69fが検出され
信号検出が終了し、人体移動位置が判別される。
【0090】しかし、上記のように、終了ゼロクロス一
つ前のゼロクロス(69e)から終了ゼロクロス69f
の間の波形は、赤外線検出器の出力を帯域増幅するとき
に生じる波形であり、ここでは、ゆり戻し波形と呼ぶこ
とにする。このゆり戻し波形は、本来赤外線検出器の出
力情報以外に増幅器の時間遅れ成分が多く含まれるた
め、ゆり戻し波形の情報により人体移動があった検出エ
リアの判別を行うと、検出精度が低下することが実験に
よりわかった。
【0091】そこで、判定条件が成立し、この条件を満
たした赤外線検出器の出力波形のゼロクロスが終了ゼロ
クロスであった場合は、終了ゼロクロスの一つ前のゼロ
クロス69eから終了ゼロクロス69fの間の波形、す
なわち、ゆり戻し波形の情報を無視するようにし、この
情報の回避基準を波形判別基準に反映させると、この回
避基準を加味して波形条件成立判別手段19が各出力波
形のゼロクロスの成立条件を判別するようになる。
【0092】実施例8. なお、実施例2の極大極小検出手段14a、14bに、
各赤外線検出器の検出した各出力波形の出力電圧値が予
め設定された下限しきい値幅内に所定時間を越えても維
持されているときは、各出力波形が終了したと判断し、
出力電圧値が予め設定された下限しきい値幅内に所定時
間以内で維持されるときは、各出力波形が継続している
と判断する時間遅れ検出手段13aおよび13bとを追
加し、極大極小検出手段14a、14bが時間遅れ検出
手段13a、13bの判断結果に基づいて各出力波形の
極大極小を確定するようにすれば、極大極小検出手段
は、各出力波形の出力電圧値が予め設定された下限しき
い値内に所定時間を越えても維持されているときは、各
出力波形が終了したと判断し、また、出力電圧値が予め
設定された下限しきい値幅内に所定時間以内で維持され
るときは、各出力波形が継続していると判断してから次
の動作に移るようになる。なお、これ以降の動作は、実
施例2で説明しているので割愛する。
【0093】従って、下限しきい値幅により各出力波形
のノイズを除去し、また、所定時間により各赤外線の最
終波形で発生するゆり戻し波形の検出終了を確定すると
共に、下限しきい値幅以内で一時不連続になる各出力波
形を連続しているように検出するため、ノイズによる誤
判断を防止し、また、各出力波形の最終のゆり戻し波形
による検出未終了の誤情報を防止し、かつ、各出力波形
を連続した安定状態で検出する信頼性の高い人体検出装
置が得られる。
【0094】なお、この実施例8と実施例6とを組合せ
ると、各赤外線検出器2a、2bからの互いの出力波形
の信号が常になくても、信号がない方の赤外線検出器の
出力波形の電圧値が予め設定された下限しきい値内に所
定時間を越えても維持されるときは、実施例8の極大極
小検出手段14a、14bが、信号がない方の赤外線検
出器からの出力波形が終了したと判断して、終了ゼロク
ロスが成立し、この成立した終了ゼロクロスと開始ゼロ
クロスとによってゼロクロス間が常に成立するために、
もう一方の信号が有る赤外線検出器の出力波形のみの各
ゼロクロス間波形特性で各検出エリアの人体有無が決定
されることになる。従って、実施例6で説明した複数の
各検出エリアの他に、単数の各検出エリアでの人体有無
も正確に判別するようになることは言うまでもない。
【0095】ところで、上記説明では、この発明を人体
の検出に利用する場合について述べたが、その他の熱源
として赤外線を発するような物体の検出に利用できるこ
とはいうまでもない。
【0096】
【発明の効果】以上のように構成された物体検出装置に
おいては、一部が互いに重複する検出エリアから物体が
放射する赤外線をそれぞれに検出し、このそれぞれに検
出した各赤外線の出力波形の極大・極小の発生時刻を検
出し、かつ確定し、この確定した各出力波形の極大・極
小の発生時刻の時間差から各出力波形の一致度を判定
し、この判定した出力に基づいて物体の位置を判別の物
体の位置を判別するので、各出力波形の極大・極小発生
時刻差と設定時間基準との差によって各赤外線検出器間
の感度差や取付ズレに起因する各出力波形間の位相ズレ
の誤差を吸収し、この誤差を吸収した各出力波形の、勾
配の急激な変化により、最も安定して明確になるの極大
・極小を比較して物体の位置を判別するため、各検出エ
リアの物体の位置を精度良く、正確に検出すると共に、
特に、各赤外線検出器が互いに検出する重複検出エリア
にある物体を精度良く、正確に検出する信頼性の高い物
体検出装置が得られる。
【0097】また、一部が互いに重複する検出エリアか
ら物体が放射する赤外線をそれぞれに検出し、このそれ
ぞれに検出した各赤外線の出力波形の極大・極小の発生
時刻を検出して確定し、また、各出力波形の電圧が基準
電圧とそれぞれにクロスする各ゼロクロスを検出し、こ
の検出した各ゼロクロスが各出力波形のどちらか一方で
2回発生してゼロクロス間が成立したかどうかを判別
し、この判別結果より、判別条件が成立したときは、こ
の成立したゼロクロス間での各出力波形の極大・極小の
符号差から各出力波形の一致度を判定し、この判定した
出力に基づいて物体の位置を判別するので、この各波形
のどちらか一方で成立したゼロクロス間の時間によって
各赤外線検出器間の感度差や取付ズレに起因する出力波
形間の位相ズレの誤差を吸収し、この誤差を吸収した各
出力波形の最も安定して明確になる極大・極小を比較し
て物体の位置を判定するために、各検出エリア、特に、
互いの赤外線検出器が検出する重複検出エリアにある物
体を精度良く、正確に検出する信頼性の高い物体検出装
置が得られる。
【0098】また、一部が互いに重複する検出エリアか
ら物体が放射する赤外線をそれぞれに検出し、このそれ
ぞれに検出した各赤外線の出力波形の極大・極小の発生
時刻を検出して確定し、また、各出力波形の電圧が基準
電圧とそれぞれにクロスする各ゼロクロスを検出し、こ
の検出した各ゼロクロスが各出力波形のそれぞれで2回
発生してゼロクロス間が互いに成立したかどうかを判別
し、この判別結果より、判別条件が成立したときは、こ
の互いに成立したそれぞれのゼロクロス間を包括するゼ
ロクロス区間での各出力波形の極大・極小数および同期
極性から各出力波形の一致度を判定し、この判定した出
力に基づいて物体の位置を判別するので、この互いに成
立したゼロクロス区間の時間によって各赤外線検出器間
の感度差や取付ズレに起因する出力波形間の位相ズレの
誤差を吸収し、この誤差を吸収した各出力波形の最も安
定して明確になる各出力波形の極大・極小数よび同期極
性の差と設定極大・極小数よび同期極性の波形間基準と
を、物体の移動の区切りを示す各出力波形の区切りであ
るゼロクロス間が互いに成立した後に、比較して物体の
位置を判定するために、複数の各検出エリアの物体の位
置を精度良く、正確に判定する信頼性の高い物体検出装
置が得られる。
【0099】また、極大極小検出手段が、各赤外線検出
器の出力波形の電圧値が予め設定された飽和しきい値幅
を越えたとき、この越えた電圧値をピークカットして飽
和しきい値幅以内に保持し、この保持を開始してから終
了するまでの中間時間で各出力波形に極大・極小が発生
したと判断するので、検出不可能な飽和状態の各出力波
形の極大・極小も検出できるため、各出力波形の極大極
小を精度良く、確実に検出する信頼性の高い物体検出装
置が得られる。
【0100】また、極大極小検出手段が、各赤外線検出
器の出力波形の電圧値が予め設定された下限しきい値内
に維持される時間が所定時間を越えときは、各出力波形
の検出が終了したと判断し、また、出力電圧値が予め設
定された下限しきい値幅内に維持される時間が所定時間
以内のときは、各出力波形が継続していると判断するの
で、下限しきい値幅により各出力波形のノイズを除去
し、また、所定時間により各赤外線の最終ゆり戻し波形
の検出終了を確定し、さらに、下限しきい値幅以内で一
時的に不連続になる各赤外線波形を連続しているように
検出するために、ノイズによる誤判断を防止し、また、
各赤外線の最終ゆり戻し波形による検出未終了の誤情報
を防止し、かつ、各出力波形を常に安定した状態で検出
する信頼性の高い物体検出装置が得られる。
【0101】また、波形一致度判定手段が、各出力波形
間のピーク時間差および振幅比から設定したファジール
ールとメンバーシップ関数に基づいて各領域の人体有無
を判定するので、各出力波形間の検出結果を補完し、少
ない情報量で各領域の人体有無を精度良く、正確に判定
するため、メモリー容量が小さく、小形・軽量化された
経済的で、信頼性の高い物体検出装置が得られる。
【0102】また、波形一致度判定手段が、判別条件が
成立し、この成立したゼロクロス区間での各出力波形の
極大極小数および同期極性が同一の時に、このゼロクロ
ス区間の各出力波形の最後の極大極小数および同期極性
に基づいて各出力波形の一致度を判定するので、このゼ
ロクロス区間での最後の各出力波形の極大極小数および
同期極性のみの少ない検出情報量で物体の位置を判別す
るために、処理時間が早く、メモリー容量が小さく、小
形・軽量化された経済的で、信頼性の高い物体検出装置
が得られる。
【0103】また、波形成立判別手段が、各出力波形の
終了ゼロクロスを回避して各ゼロクロスを判別するの
で、各赤外線の最終波形で発生するゆり戻し波形のゼロ
クロス未の誤情報を除去して物体の位置を判別するた
め、最終ゆり戻し波形によるゼロクロス未の誤情報を防
止した信頼性の高い物体検出装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1の人体検出装置のブロック
構成図の概要。
【図2】この発明の実施例1の各赤外線検出器の出力波
形状況図。
【図3】この発明の実施例2の人体検出装置のブロック
構成図。
【図4】この発明の実施例2の赤外線検出器の出力波形
と波形情報計測保持の様子を示す模式図。
【図5】この発明の実施例2の波形信号の処理手順を示
す流れ図。
【図6】この発明の実施例3の赤外線検出器の出力波形
が飽和したときの極大極小検出の様子を示す模式図。
【図7】この発明の実施例4のファジー推論の入出力系
の説明図。
【図8】この発明の実施例4のファジールールとメンバ
ーシップ関数図。
【図9】この発明の実施例4の出力マップ図。
【図10】この発明の実施例5の赤外線検出器の出力波
形図。
【図11】この発明の実施例6の赤外線検出器の出力波
形図。
【図12】この発明の実施例7の赤外線検出器の出力波
形図。
【図13】従来の人体検出装置の構成を示すブロック
図。
【図14】従来の人体検出装置の動作を示すタイムチャ
ート。
【符号の説明】
1 検出エリア 1A,1B 単エリア 1C 重複エリア 2 赤外線検出器 3 増幅手段 6 信号検出手段 8 ピーク電圧計測保持手段 9 ピーク時刻計測保持手段 10 波形一致度判定手段 11 検出エリア判別手段 12 A/D変換器 13 時間遅れ信号検出手段 14 極大極小発生検出手段 15 極大極小電圧計測保持手段 16 極大極小時刻計測保持手段 17 極大極小計数保持手段 18 ゼロクロス検出計数手段 19 波形判定条件成立判別手段 20 マイコン 21 基準電圧 22 赤外線検出器出力波形 23,24 信号発生検出しきい電圧 25 信号発生タイムチャート 26 時間遅れ信号発生タイムチャート 27 極大 28 極大発生時刻 29 極小 30 極小発生時刻 31 極大極小検出タイムチャート 32 ゼロクロス検出タイムチャート 33 波形情報収集処理 34 最大出力可能電圧 35 最小出力可能電圧 36 極大飽和検出しきい電圧 37 極小飽和検出しきい電圧 38 極大飽和 39 極大飽和開始時刻 40 極大飽和終了時刻 41 極大飽和発生時刻 42 極小飽和 43 極小飽和開始時刻 44 極小飽和終了時刻 45 極小飽和発生時刻 46 ファジー推論部 47 ファジー推論入力:ピーク時間差Td 48 ファジー推論入力:振幅比Vph 49 ファジー推論出力:波形一致度BARA 50 ファジールール 51〜53 ファジーメンバーシップ関数 54,55 出力マップ 56 境界 57 赤外線検出器出力波形 58〜60 極大極小(ピーク) 61,62 ゼロクロス 63 赤外線検出器出力波形 64〜65 極大極小(ピーク) 66,67 ゼロクロス 68 極大極小(ピーク) 69 ゼロクロス 70 波形判断回避期間 71 比較器 72 アンド回路 73 判定出力 F1 信号検出処理 F2 信号検出による分岐 F3 極大極小検出処理 F4 極大極小検出による分岐 F5 極大極小電圧計測保持処理 F6 極大極小時刻計測保持処理 F7 極大極小計数保持処理 F8 ゼロクロス検出処理 F9 ゼロクロス検出による分岐 F10 ゼロクロス計数保持処理 F11 判定条件分岐処理 F12 ピーク一致度判定処理 F13 検出エリア判別処理
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 皆川 良司 鎌倉市大船二丁目14番40号 三菱電機株 式会社 生活システム開発研究所内 (72)発明者 飯尾 幸司 静岡県小鹿三丁目18番1号 三菱電機株 式会社 住環境エンジニアリング統括セ ンター内 (72)発明者 日高 彰 静岡県小鹿三丁目18番1号 三菱電機株 式会社 住環境エンジニアリング統括セ ンター内 (56)参考文献 特開 平7−311278(JP,A) 特開 平2−8779(JP,A) 特開 平4−324392(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01V 8/12 G01J 1/02 G01J 1/42

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一部が互いに重複する検出エリアを有す
    る少なくとも二つ以上の各赤外線検出器で物体が放射す
    る赤外線をそれぞれに検出するようにしたものにおい
    て、前記各赤外線検出器の出力波形の極大・極小の発生
    時刻を検出し、かつ確定する極大極小検出手段と、この
    確定した各出力波形の極大・極小の発生時刻の時間差か
    ら各出力波形の一致度を判定する波形一致度判定手段
    と、この波形一致度判定手段の出力に基づいて前記物体
    の位置を判別する検出エリア判別手段と、を備えたこと
    を特徴とする物体検出装置。
  2. 【請求項2】 一部が互いに重複する検出エリアを有す
    る少なくとも二つ以上の各赤外線検出器で物体が放射す
    る赤外線をそれぞれに検出するようにしたものにおい
    て、前記各赤外線検出器の出力波形の極大・極小を検出
    し、かつ確定する極大極小検出手段と、前記各出力波形
    の電圧が基準電圧とそれぞれにクロスするそれぞれの各
    ゼロクロスを検出するゼロクロス検出手段と、この検出
    した各ゼロクロスが前記各出力波形のどちらか一方で2
    回発生してゼロクロス間が成立したかどうかを判別する
    波形成立判別手段と、この波形成立判別手段の判別結果
    より、判別条件が成立したときは、この成立したゼロク
    ロス間での前記各出力波形の極大・極小の符号差から各
    出力波形の一致度を判定する波形一致度判定手段と、こ
    の波形一致度判定手段の出力に基づいて前記物体の位置
    を判別する検出エリア判別手段と、を備えたことを特徴
    とする物体検出装置。
  3. 【請求項3】 一部が互いに重複する検出エリアを有す
    る少なくとも二つ以上の各赤外線検出器で物体が放射す
    る赤外線をそれぞれに検出するようにしたものにおい
    て、前記各赤外線検出器の出力波形の極大・極小を検出
    し、かつ確定する極大極小検出手段と、前記各出力波形
    の電圧が基準電圧とそれぞれにクロスするそれぞれの各
    ゼロクロスを検出するゼロクロス検出手段と、この検出
    した各ゼロクロスが前記各出力波形のそれぞれで2回発
    生してゼロクロス間が互いに成立したかどうかを判別す
    る波形成立判別手段と、この波形成立判別手段の判別結
    果より、判別条件が成立したときは、この互いに成立し
    たそれぞれのゼロクロス間を包括するゼロクロス区間で
    の前記各出力波形の極大・極小数および同期極性の差と
    予め設定された極大・極小数および同期極性の波形間判
    定基準との一致度を判定する波形一致度判定手段と、こ
    の波形一致度判定手段の出力に基づいて前記物体の位置
    を判別する検出エリア判別手段と、を備えたことを特徴
    とする人体検出装置。
  4. 【請求項4】 前記極大極小検出手段に、前記各赤外線
    検出器の出力波形の電圧値が予め設定された飽和しきい
    値幅を越えたとき、この越えた電圧値をピークカットし
    て前記飽和しきい値幅以内に保持する飽和電圧保持手段
    と、この飽和電圧保持手段が保持を開始してから終了す
    るまでの中間時間で前記各出力波形に極大・極小が発生
    したと判断する飽和ピーク判断手段と、を備えたことを
    特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の物
    体検出装置。
  5. 【請求項5】 前記極大極小検出手段に、前記各赤外線
    検出器の出力波形の電圧値が予め設定された下限しきい
    値幅内に維持される時間が所定時間を越えたときは、前
    記各出力波形が終了したと判断し、前記出力電圧値が予
    め設定された下限しきい値幅内に維持される時間が所定
    時間以内のときは、前記各出力波形が継続していると判
    断する時間遅れ検出手段と、を備えたことを特徴とする
    請求項1から請求項4のいずれかに記載の物体検出装
    置。
  6. 【請求項6】 波形一致度判定手段が、各赤外線検出器
    の出力波形間のピーク時間差および振幅比から設定した
    ファジールールとメンバーシップ関数に基づいて各出力
    波形の一致度を判定することを特徴とする請求項1から
    請求項5のいずれかに記載の物体検出装置。
  7. 【請求項7】 波形一致度判定手段が、前記判別条件が
    成立し、この成立したゼロクロス区間での前記各出力波
    形の極大極小数および同期極性が同一の時に、このゼロ
    クロス区間の前記各出力波形の最後の極大極小数および
    同期極性に基づいて各出力波形の一致度を判定すること
    を特徴とする請求項3記載の物体検出装置。
  8. 【請求項8】 波形成立判別手段が、前記ゼロクロス検
    出手段が検出した各出力波形の終了ゼロクロスを回避し
    て判別することを特徴とする請求項2、または請求項3
    記載の物体検出装置。
JP6304394A 1994-03-31 1994-03-31 物体検出装置 Expired - Lifetime JP3307065B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6304394A JP3307065B2 (ja) 1994-03-31 1994-03-31 物体検出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6304394A JP3307065B2 (ja) 1994-03-31 1994-03-31 物体検出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07270546A JPH07270546A (ja) 1995-10-20
JP3307065B2 true JP3307065B2 (ja) 2002-07-24

Family

ID=13217917

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6304394A Expired - Lifetime JP3307065B2 (ja) 1994-03-31 1994-03-31 物体検出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3307065B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0939311B1 (en) 1998-02-27 2011-02-09 Panasonic Electric Works Co., Ltd. Infrared-rays detector
EP1821524B1 (en) 2004-10-25 2013-10-23 Panasonic Corporation Spatial information detecting device
JP6401927B2 (ja) * 2014-03-31 2018-10-10 旭化成エレクトロニクス株式会社 センサ信号処理回路及び赤外線センサモジュール並びにセンサ信号処理方法
CN103896160A (zh) * 2014-04-28 2014-07-02 李颖 起重机预防碰撞控制系统
JP7088042B2 (ja) * 2019-01-21 2022-06-21 株式会社デンソー 測距装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07270546A (ja) 1995-10-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3307065B2 (ja) 物体検出装置
KR20080044336A (ko) 위상 검출 시스템 및 방법
JP3091148B2 (ja) 車両検出装置
JP7081932B2 (ja) 車両検知器、車両検知システム、車両検知方法、及びプログラム
JPH11325823A (ja) 距離計測装置およびこれを用いた物体検出装置ならびに受光信号処理回路
JP2000056017A (ja) 距離測定方法及び距離測定装置
JPH08178647A (ja) 光電センサ
US6649903B2 (en) Self-configurable optical proximity detector
JP2000075018A (ja) マイクロ波検出器
JPH0672764B2 (ja) 位置検出回路
JP3264089B2 (ja) 人体検出装置
JP3176763B2 (ja) 移動体検出装置
JP3091276B2 (ja) 変位測定装置
JPH07140229A (ja) 信号検出処理回路
JP2999108B2 (ja) 超音波探傷信号の波形ピーク連続検出方法及び検出装置
Liu et al. Second Sound Quench Detection on Superconducting Cavities
KR910008343Y1 (ko) 콤팩트 디스크의 트래킹 에러의 시간차 검출회로
JP3495809B2 (ja) 欠陥品検査方法及び欠陥品検査装置
KR100230400B1 (ko) 트랙 탐색을 위한 씨디롬 드라이브의 트랙 크로스펄스 발생장치
CN112711010A (zh) 激光测距信号处理装置、激光测距设备及其对应的方法
JPS62204138A (ja) 光フアイバ測定器
CN113093147A (zh) 一种扫描测距仪及用于测距信号的噪点过滤的方法
SU1052355A1 (ru) Способ слежени за линией стыка при электронно-лучевой сварке
JPS60256077A (ja) 超音波を用いた物体検出装置
JPH0989522A (ja) 位置検出方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080517

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090517

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100517

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100517

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110517

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110517

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120517

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120517

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130517

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140517

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term