JP2018007129A - 回路装置、物理量検出装置、電子機器及び移動体 - Google Patents

回路装置、物理量検出装置、電子機器及び移動体 Download PDF

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Abstract

【課題】 DEMを用いたD/A変換回路において、上位ビットを含めたトリミングを行う回路装置、物理量検出装置、電子機器及び移動体等を提供すること。
【解決手段】 回路装置40は、出力ノードNOUTに接続されるキャパシターアレイを有するメインD/A変換回路MDACと、サブD/A変換回路SDACと、キャパシターアレイのキャパシターの割り当てを動的に変化させるスイッチ制御信号SCを出力する制御回路50と、キャパシターの容量誤差に応じた誤差情報が記憶される記憶部55を含み、制御回路50は、スイッチ制御信号SCと誤差情報とに基づいて調整データTDを生成し、サブD/A変換回路SDACは、調整データTDに基づく出力信号を出力する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、回路装置、物理量検出装置、電子機器及び移動体等に関する。
従来、キャパシターを含む構成のD/A変換回路が広く知られている。例えば電荷再分配型D/A変換回路では、1:2:4:8といったように、バイナリーに重みづけされた容量を用いてデジタルデータのアナログ信号への変換処理を行う。特許文献1には、電荷再分配型D/A変換回路に、DEM(Dynamic Element Matching)を適用する手法が開示されている。DEMを適用することで、容量アレイ内の容量の組み合わせパターンにランダム性を持たせ、見かけ上の容量比精度を向上できる。
また、キャパシターの容量の精度はD/A変換回路の変換精度に大きな影響を与える。そのため、キャパシターの容量値(或いは容量値の比)を調整するトリミング手法も種々知られている。
例えば特許文献2には、上位側キャパシター群、下位側キャパシター群、及び補助キャパシター群を備え、下位側キャパシター群と補助キャパシター群に含まれるキャパシターを選択して合成容量値を上位側キャパシター群の最下位にあるキャパシターの容量値に一致させてバラつきを調整し、その上で選択されたキャパシターによる合成容量値を基準として下位ビットのA/D変換を行うA/D変換器が開示されている。
また、特許文献3には、バイナリー比率で容量値が重み付けされた複数の容量素子を有し、結合容量で結合されている上位側D/A変換器及び下位側D/A変換器を備え、調整量に対応した可変容量素子を介して上位ビットの補正を行う逐次比較型A/D変換器が開示されている。
特開2015−186137号公報 特開2014−39218号公報 国際公開第2012/153372号
特許文献2の手法は、直列容量に関するトリミングであり、上位ビットに対するトリミングはできない。また特許文献3の手法は、容量がバイナリーで重みづけされたD/A変換器に適用されるものであり、特許文献1に開示されたDEMのように、単位容量アレイで構成されたD/A変換回路に適用することは困難である。
本発明の幾つかの態様によれば、DEMを用いたD/A変換回路において、上位ビットを含めたトリミングを行う回路装置、物理量検出装置、電子機器及び移動体等を提供できる。
本発明の一態様は、出力ノードに接続されるキャパシターアレイを有するメインD/A変換回路と、前記出力ノードに接続されるサブD/A変換回路と、入力データに対する前記キャパシターアレイのキャパシターの割り当てを動的に変化させるスイッチ制御信号を出力する制御回路と、前記キャパシターアレイのキャパシターの容量誤差に応じた誤差情報が記憶される記憶部と、を含み、前記制御回路は、前記スイッチ制御信号と前記誤差情報とに基づいて、前記スイッチ制御信号により割り当てられる前記キャパシターの前記容量誤差に応じた調整データを生成し、前記サブD/A変換回路は、前記調整データに基づく出力信号を前記出力ノードに出力する回路装置に関係する。
本発明の一態様では、キャパシターの割り当てを動的に変化させるD/A変換回路において、誤差情報とスイッチ制御信号とに基づいて、割り当て対象となるキャパシターの容量誤差に応じた調整データを生成する。このようにすれば、DEMが適用されるD/A変換回路を含む回路装置において、キャパシターアレイに含まれる各キャパシターの誤差と、キャパシターの割り当て状態の両方を考慮した適切なトリミングを実行すること等が可能になる。
また本発明の一態様では、前記誤差情報は、前記キャパシターの容量が基準値よりも大きいか否かを表すデータを含んでもよい。
このようにすれば、シンプルなデータ構成の誤差情報を用いることが可能になる。
また本発明の一態様では、前記誤差情報は、前記キャパシターの容量が基準範囲の上限値よりも大きいか否かを表す第1データ、及び前記キャパシターの容量が前記基準範囲の下限値よりも小さいか否かを表す第2データを含んでもよい。
このようにすれば、シンプルなデータ構成の誤差情報を用いることが可能になる。
また本発明の一態様では、前記調整データは、前記スイッチ制御信号により割り当てられた各キャパシターについての前記誤差情報を加算処理したデータを含んでもよい。
このようにすれば、加算処理により容易に調整データを求めることが可能になる。
また本発明の一態様では、前記サブD/A変換回路は、前記調整データに所与の係数が乗算されたデータのD/A変換結果の信号を、前記出力信号として前記出力ノードに出力してもよい。
このようにすれば、所与の係数を乗算することで、容量誤差に応じたアナログ出力信号の誤差を適切に補正すること等が可能になる。
また本発明の一態様では、前記サブD/A変換回路は、前記出力ノードに接続される第2キャパシターアレイを有し、前記第2キャパシターアレイのキャパシターは、前記調整データに基づいて選択されてもよい。
このようにすれば、調整データに基づくキャパシター選択により、適切な出力信号を出力することが可能になる。
また本発明の一態様では、前記出力ノードが比較ノードに接続される比較回路を含み、前記メインD/A変換回路は、逐次比較データの上位側ビットデータを前記入力データとしてD/A変換し、前記制御回路は、前記比較回路の比較結果に基づいて前記逐次比較データを出力してもよい。
このようにすれば、本実施形態に係る回路装置として、逐次比較型のA/D変換回路を実現するとともに、逐次比較データの上位側ビットデータのD/A変換を行うD/A変換回路にDEMを適用することが可能になる。
また本発明の一態様では、前記キャパシターアレイのキャパシターの割り当てを設定するための情報を記憶するレジスターを含み、前記制御回路は、テストモードにおいて、前記レジスターに記憶された前記情報に基づいて前記スイッチ制御信号を出力してもよい。
このようにすれば、レジスターに保持されるデータに基づいて、テストモードで割り当てられるキャパシターを決定すること等が可能になる。
また本発明の一態様では、前記出力ノードに接続され、前記テストモードにおいて前記キャパシターアレイのキャパシターの割り当てを調整する第1の電圧及び第2の電圧を出力する電圧出力回路を含んでもよい。
このようにすれば、電圧出力回路を用いることで、テストモードで割り当てられるキャパシターを調整すること等が可能になる。
また本発明の他の態様は、物理量トランスデューサーと、前記物理量トランスデューサーからの検出信号に基づいて物理量を検出する上記の回路装置を含む物理量検出装置に関係する。
また本発明の他の態様は、上記の回路装置を含む電子機器に関係する。
また本発明の他の態様は、上記の回路装置を含む移動体に関係する。
本実施形態の回路装置であるD/A変換回路の構成例。 誤差情報のデータ構成例。 誤差情報に基づくトリミングを行う回路構成図。 DEMデコーダーの出力の例。 本実施形態の回路装置であるA/D変換回路の構成例。 A/D変換回路の詳細な構成例。 全差動型のA/D変換回路の詳細な構成例。 電圧生成回路(抵抗型DAC)の構成例。 サブD/A変換回路の詳細な構成例。 コードシフト手法の説明図。 コードシフト手法の説明図。 コードシフト手法の説明図。 テストモードの準備段階における回路装置の動作状態例。 所与のキャパシターの誤差情報を求める際の第1の動作状態例。 所与のキャパシターの誤差情報を求める際の第2の動作状態例。 所与のキャパシターの誤差情報を求める際の第1の動作状態例。 所与のキャパシターの誤差情報を求める際の第2の動作状態例。 本実施形態の回路装置を含む物理量検出装置の構成例。 本実施形態の回路装置を含む電子機器の例。 本実施形態の回路装置を含む移動体の例。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
1.本実施形態の手法
D/A変換回路の変換精度は、当該D/A変換回路に含まれるキャパシターの容量(容量値、或いはキャパシター間の容量比)により大きな影響を受ける。また、D/A変換回路を含むA/D変換回路においても、その変換精度の大部分はD/A変換回路の変換精度に依存することになるため、やはりキャパシターの容量精度の重要性は高い。
しかし、要求通りの精度を有するキャパシターにより構成される回路装置の実現は容易でない。そのため、前述の特許文献2や特許文献3のように、種々のトリミングを行うことで、変換精度を高くする手法が提案されている。また、特許文献1のようにDEMを適用し、単位容量の選択のパターンにランダム性を持たせる手法も提案されている。ランダム性が高くなれば、単位容量1つ1つの容量値に誤差があったとしても、長期的なスパンではその誤差が平準化され、見た目の比精度を高くすることが可能になる。
ただし、DEMを適用する例では、長期的に見ればランダム性により誤差が平準化されるものの、各回の変換においては容量誤差に起因して変換結果にも誤差が生じている。そのため、DEMが適用される単位容量アレイを対象としてトリミングを行うことができれば、各回の変換での誤差を小さくし、より変換精度を高くすることが可能になる。
しかし、従来手法ではDEMが適用されるキャパシターアレイを対象とした適切なトリミング手法が開示されていない。例えば特許文献2は、直列容量により上位側と下位側に分割される構成のD/A変換回路において、上位側と下位側のマッチングに関するトリミング(上位側のLSBと下位側のMSBの関係を考慮したトリミング)を行うものであり、上位ビットのトリミングを行うものではない。また特許文献2では、そもそもバイナリーで重みづけされた容量、例えば厚み等が共通で面積がS,2S,4S,8S・・・といった比に設定されている容量を用いる場合に適用可能な手法であり、キャパシターアレイに含まれる単位容量を組み合わせて用いる手法に適用することは困難である。
そこで本出願人は、DEMを適用するD/A変換回路において、適切なトリミングを行う手法を提案する。本実施形態に係る回路装置40は、図1に示したように、出力ノードNOUTに接続されるキャパシターアレイを有するメインD/A変換回路MDAC(第1のD/A変換回路)と、出力ノードNOUTに接続されるサブD/A変換回路SDAC(第2のD/A変換回路)と、入力データDINに対するキャパシターアレイのキャパシターの割り当てを動的に変化させるスイッチ制御信号SCを出力する制御回路50と、キャパシターアレイのキャパシターの容量誤差に応じた誤差情報が記憶される記憶部55を含む。そして制御回路50は、スイッチ制御信号SCと誤差情報とに基づいて、スイッチ制御信号SCにより割り当てられるキャパシターの容量誤差に応じた調整データTDを生成し、サブD/A変換回路SDACは、調整データTDに基づく出力信号を出力ノードNOUTに出力する。なお本実施形態のD/A変換回路は図1の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
メインD/A変換回路MDACのキャパシターアレイ(後述するCAR1,狭義には単位容量アレイ)に含まれるキャパシターに誤差がある場合、メインD/A変換回路MDACの出力信号は、入力データDINに対応する真の出力信号に対して誤差が生じてしまう。DEMを適用する場合、キャパシターアレイを構成する各キャパシターがどのような組み合わせパターンで選択されるかにランダム性を持たせる関係上、生じる誤差が動的に変化することになり、トリミング用の調整データも動的に変更しなくてはならない。
その点、本実施形態では、あらかじめ誤差情報を記憶しておいた上で、当該誤差情報と、スイッチ制御信号SCにより割り当てられるキャパシターの情報に基づいて、調整データTDを生成する。スイッチ制御信号SCは、キャパシターアレイに含まれる複数のキャパシターをどのような組み合わせで用いるかを決定する信号である。つまり制御回路50では、各容量の誤差を表す誤差情報という静的な情報だけでなく、現在の入力データDINのD/A変換に用いるキャパシターアレイの選択状況を表す動的な情報を用いて調整データTDを生成する。そのため、各変換における変換誤差を適切に補正することが可能になり、精度のよい変換処理を行う回路装置を実現できる。
ここで、本実施形態の誤差情報は種々の形態の情報により実現可能である。例えば、誤差を厳密に低減しようとすれば、キャパシターアレイに含まれる各キャパシターの容量値、或いは理想値に対するずれ量を誤差情報としてもよい。ただし、本実施形態ではDEMの適用により長期的な変換精度を高くできる。つまり、容量のトリミングにおいて厳密な処理を行う必要性は高くない。むしろ、厳密な処理を行おうとすると誤差情報のデータ量が大きくなり記憶部55(レジスター)の容量を圧迫したり、調整データTDの生成処理の負荷が大きくなるというデメリットもある。よって本実施形態では、誤差情報をシンプルなデータ構成により実現してもよい。
本実施形態の誤差情報は、キャパシターの容量が基準値よりも大きいか否かを表すデータを含んでもよい。ここでの基準値は、例えば理想値に対する許容誤差を表す値であってもよく、この場合、誤差情報とはキャパシターアレイの各キャパシターについて、誤差が許容範囲か否かを表す情報となる。このようにすれば、誤差情報として基準値より大きいか否かに関する情報を記憶すればよく、誤差情報のデータ量を小さくできるし、調整データTDの生成処理を容易にできる。つまり、概略的なトリミングをシンプルな構成、処理により実現可能になる。
なお、容量は理想値より大きくなる方向にずれることもあれば、小さくなる方向にずれることもある。よって誤差情報は、キャパシターの容量が基準範囲の上限値よりも大きいか否かを表す第1データ、及びキャパシターの容量が基準範囲の下限値よりも小さいか否かを表す第2データを含んでもよい。
図2は、本実施形態に係る誤差情報のデータ構造の一例である。図2では、後述するようにキャパシターアレイCAR1が128個のキャパシターCA1〜CA128(単位容量)を有する例について説明する。図2の1行目が第1データを表し、CA1〜C128の128個のキャパシターのそれぞれに対して、1ビットのデータを割り当てている。図2の例では、第1データの値が第1の論理レベル(例えば0)である場合には、キャパシターの容量が基準範囲の上限値以下であることを表し、第1データの値が第2の論理レベル(例えば1)である場合には、キャパシターの容量が基準範囲の上限値より大きいことを表す。同様に、第2データについても各キャパシターに1ビットのデータを割り当て、第2データの値が第1の論理レベル(0)である場合には、キャパシターの容量が基準範囲の下限値以上であることを表し、第2データの値が第2の論理レベル(1)である場合には、キャパシターの容量が基準範囲の下限値より小さいことを表す。なお、図2では便宜上データを2行に分けて記載したが、誤差情報が記憶部55(レジスター)でどのような領域に配置されるかは、種々の変形実施が可能である。例えばデータの並び順は任意であるし、256ビットのデータを連続する領域に記憶してもよいし、連続しない2以上の領域に分けて記憶してもよい。
図2の例では、キャパシターCA1に対応する第1データが1であり、第2データが0である。よってキャパシターCA1は、容量が基準範囲の上限値よりも大きい。つまり、スイッチ制御信号SCによりキャパシターCA1が選択された場合、出力信号(出力電圧)は理想値よりも大きくなってしまう。また、キャパシターCA2に対応する第1データが0であり、第2データが1である。よってキャパシターCA2は、容量が基準範囲の下限値よりも小さい。つまり、スイッチ制御信号SCによりキャパシターCA2が選択された場合、出力電圧は理想値よりも小さくなってしまう。また、キャパシターCA3に対応する第1データ、第2データはともに0であり、キャパシターCA3は、容量が基準範囲内である。つまり、スイッチ制御信号SCによりキャパシターCA3が選択された場合でも、出力電圧の誤差は考慮しなくてよい。以上のように、図2の構成であれば、1つのキャパシター当たり2ビットのデータを用いることで、容量と基準範囲との関係を適切に保持することが可能になる。
図2の誤差情報を用いることで、各キャパシターは、基準範囲より大、基準範囲内、基準範囲より小、の3グループに分類できる。本実施形態では、各グループ内では具体的な容量値の差異は考慮しない。例えば図2の例では、CA1とCA4はともに容量が基準範囲の上限値より大きい。この場合、CA1を選択したことにより生じる誤差と、CA4を選択したことにより生じる誤差を同等と考えてよい。つまり容量誤差に起因するアナログ出力信号の誤差は、スイッチ制御信号SCにより割り当てられた「基準範囲より大」のキャパシターの個数、及びスイッチ制御信号SCにより割り当てられた「基準範囲より小」のキャパシターの個数をカウントすることで求めることが可能である。
本実施形態の調整データTDは、スイッチ制御信号SCにより割り当てられた各キャパシターについての誤差情報(第1データ、第2データ)を加算処理したデータを含んでもよい。図2の例において、CA1〜CA4の4つのキャパシターがスイッチ制御信号SCにより割り当てられたとする。この場合、スイッチ制御信号SCにより割り当てられた「基準範囲より大」のキャパシターの個数はCA1〜CA4の第1データの加算値1+0+0+1=2により求められる。同様に、スイッチ制御信号SCにより割り当てられた「基準範囲より小」のキャパシターの個数はCA1〜CA4の第2データの加算値0+1+0+0=1により求められる。なお、ここでは全てのキャパシターが単位容量であるため単純な加算を行ったが、キャパシターアレイに容量値の異なる複数種類のキャパシターが含まれる場合、加算処理として重みづけ加算を行ってもよい。
特に、基準範囲の中心付近を理想値(設計値)に設定しておけば、容量が基準範囲の上限値よりも大きいことによる影響と、容量が基準範囲の下限値よりも小さいことによる影響を同程度と考えることも可能である。つまり、容量が基準範囲の上限値よりも大きいキャパシターが1個割り当てられ、容量が基準範囲の下限値よりも小さいキャパシターが1個割り当てられた場合、この2個による誤差が打ち消しあい、2個の合計としての誤差は0に近くなると考えられる。
つまり、制御回路50は、第1データの加算値と第2データの加算値の差分値に基づいて調整データTDを求めるとよい。上記CA1〜CA4の例であれば、2−1=1を調整データTDとすればよい。すなわち、誤差情報が図2であるキャパシターアレイにおいてCA1〜CA4の4つのキャパシターを割り当てた場合、サブD/A変換回路SDACは、容量が基準範囲の上限値よりも大きいキャパシター1個分の誤差を補正すればよいことになる。
図3は、上記加算処理を実行する回路構成の例である。記憶部55は、誤差情報として128ビットの第1データと、128ビットの第2データを出力する。また、入力データDIN(特にそのうちのDEM適用となるMSB側7ビット)に基づいて、DEMデコーダーDDECは、キャパシターアレイに含まれる複数のキャパシターのうち、割り当て対象となるキャパシターを特定する情報を出力する。DEMデコーダーDDECは、例えば制御回路50に含まれる。DEMデコーダーDDECは、例えば各キャパシターについて1ビットのデータを出力すればよく、対応するビットが第1の論理レベル(0)のキャパシターが非割り当て、第2の論理レベル(1)のキャパシターが割り当てを表す。後述する図6の例であれば、割り当てられるキャパシターCAnとは、対応するスイッチ回路SAnによりVDDが選択されるキャパシターであり、非割り当てであるキャパシターCAmとは、対応するスイッチ回路SAmによりGNDが選択されるキャパシターである。
図4は、DEMデコーダーDDECの出力データ例である。図4の例では、CA1〜CA4に対応する4ビットが1であり、他のビットが0である。よって図4の場合、CA1〜CA4の4つのキャパシターが割り当てられることになる。なお、DEMデコーダーDDECでは、循環方式で用いられるDEMポインターPを用いて図4の情報を生成してもよい。DEMポインターPは割り当て対象となるキャパシターのうちの先頭のキャパシターを表す情報であり、図4の例であればP=0である。割り当て対象となるキャパシター数は、入力データDINにより決定され、例えばDINの上位7ビットが“0000100”であれば4つのキャパシターを割り当てることになる。つまり制御回路50は、DEMポインターPと入力データDINを用いることで、図4のデータ(及びスイッチ制御信号SC)を生成できる。なお、DEMデコーダーDDECは、割り当て対象のキャパシターを特定可能であればよく、用いる情報はDEMポインターPに限定されない。
調整データTDの生成では、割り当てられるキャパシターを対象として、第1データの加算処理、第2データの加算処理を行えばよい。よって一例としては、図3に示したように、制御回路50は、DEMデコーダーDDECの出力と第1データの乗算を行う乗算回路M1と、乗算結果の各ビットの値の加算処理を行う加算回路S1を含む。同様に制御回路50は、DEMデコーダーDDECの出力と第2データの乗算を行う乗算回路M2と、乗算結果の各ビットの値の加算処理を行う加算回路S2を含む。さらに、制御回路50は、加算回路S1の出力から、加算回路S2の出力を減算する減算回路S3を含み、減算回路S3の出力を調整データTDとして出力する。
なお、図3では記憶部55から256ビットの誤差情報の全てが読み出される例を示したがこれには限定されない。例えば、DEMデコーダーDDECの出力に基づいて、誤差情報のうち割り当て対象となるキャパシターのビットを特定し、特定されたビットの情報のみを読み出してもよい。その他、本実施形態に係る加算処理は種々の変形実施が可能である。
また、調整データTDはそのままサブD/A変換回路SDACに対して入力されてもよいが、これには限定されない。例えばデジタルデータの最小分解能(後述するDAC2の最小分解能)を1LSBとした場合であって、上述した基準範囲の上限値が理想値+4LSBに対応する値であり、基準範囲の下限値が理想値−4LSBに対応する値である場合を考える。この場合、基準範囲の上限値より大きいキャパシターが割り当て対象となった場合、当該キャパシターにより4LSB相当の誤差が生じることを考えなくてはならない。サブD/A変換回路SDACの分解能が1LSBである場合、サブD/A変換回路SDACに調整データTDとして“1”を入力しても、1LSB相当の出力信号しか出力されない。この例であれば、サブD/A変換回路に対する入力は“4d(100b)”とするとよい。なお、以下本明細書において、数値の後にdを付したものは10進数を表し、bを付したものは2進数を表すものとする。
よって、サブD/A変換回路SDACは、調整データTDに所与の係数が乗算されたデータのD/A変換結果の信号を、出力信号として出力ノードNOUTに出力するとよい。図3の例では、回路装置40は、調整データTDに対して所与の係数を乗算するアンプAMPを有し、サブD/A変換回路SDACは、アンプ出力をD/A変換して出力信号を出力する。このようにすれば、サブD/A変換回路SDACから、適切な出力信号を出力することが可能になる。なお、上述した例からわかるように、所与の係数の具体的な値は、基準範囲(特に上限値、下限値)や、サブD/A変換回路SDACの設計に応じて設定される。
以下、上述した本実施形態の手法を実現するための具体的な回路装置40の構成例について説明する。また、回路装置40がA/D変換回路である場合を例にとって、誤差情報を求める手法についても説明する。最後に、本実施形態に係る回路装置40を含む種々の装置の例について説明する。
2.回路装置の構成例
次に本実施形態の回路装置40の例について説明する。例えば図5は、本実施形態の回路装置40の一例である逐次比較型のA/D変換回路の構成例である。この回路装置40は、キャパシター回路(CAR1、SAR1、CAR2、SAR2)と、スイッチ制御信号(SC1、SC2)を出力する制御回路50(処理部、ロジック部)を含む。例えば回路装置40(A/D変換回路)は、キャパシターアレイ(CAR1、CAR2)が比較ノードNC(サンプリングノード)に接続される比較回路CP(コンパレーター)と、キャパシターアレイ(CAR1、CAR2)とスイッチアレイ(SAR1、SAR2)とを有し、電荷再分配型のD/A変換を行うD/A変換回路42(DAC1、DAC2)と、制御回路50を含む。そして制御回路50は、比較回路CPの比較結果(CPQ)に基づいてスイッチ制御信号(SC1、SC2)を生成して、スイッチアレイ(SAR1、SAR2)に出力する。
具体的には、D/A変換回路42は、MSB側(上位ビット側)のD/A変換回路DAC1(上述したメインD/A変換回路MDACに対応)と、LSB側(下位ビット側)のD/A変換回路DAC2と、サブD/A変換回路SDACと、を含む。MSB側のD/A変換回路DAC1は、キャパシターアレイCAR1とスイッチアレイSAR1を有する。LSB側のD/A変換回路DAC2は、キャパシターアレイCAR2とスイッチアレイSAR2を有する。例えばキャパシターアレイCAR1、CAR2の他端は、比較ノードNCに接続される。比較ノードNCは、比較回路CPの反転入力端子(第1の端子)に接続され、比較回路CPの非反転入力端子(第2の端子)はGND(基準電圧)に設定される。キャパシターアレイCAR1、CAR2の一端は、各々、スイッチアレイSAR1、SAR2に接続される。そしてスイッチアレイSAR1、SAR2は、各々、制御回路50からのスイッチ制御信号SC1、SC2によりスイッチ制御される。図1を用いて上述したスイッチ制御信号SCは、SC1に対応する。
サブD/A変換回路SDACは、各種の調整用のD/A変換器であり、キャパシターアレイSCARと、スイッチアレイSSARを有する。キャパシターアレイSCARの他端は比較ノードNCに接続され、キャパシターアレイSCARの一端はスイッチアレイSSARに接続される。スイッチアレイSSARは、制御回路50からのスイッチ制御信号SC3によりスイッチ制御される。図1を用いて上述したサブD/A変換回路SDACは、狭義には図9を用いて後述するトリミング用D/A変換回路(TDACP,TDACN)に対応する。そのため、キャパシターアレイSCARとは狭義にはトリミング用D/A変換回路のキャパシターアレイ(CAR3P,CAR3N)であり、スイッチアレイSSARとは狭義にはトリミング用D/A変換回路のスイッチアレイ(SAR3P,SAR3N)である。ただし、サブD/A変換回路SDACは、他のD/A変換回路を含んでもよい。サブD/A変換回路SDACの詳細については、差動型の回路装置40を例にとって図9を用いて後述する。
制御回路50は、逐次比較のA/D変換のための各種の処理を行う。そしてスイッチ制御信号SC1、SC2をD/A変換回路DAC1、DAC2に出力する。例えば制御回路50は、比較回路CPからの比較結果信号CPQによりレジスター値が設定される逐次比較レジスター52を有し、逐次比較用データを生成する。D/A変換回路42は、この逐次比較用データをD/A変換する回路となる。具体的には、制御回路50からは、逐次比較用データに対応するスイッチ制御信号SC1、SC2が出力される。そしてD/A変換回路42のD/A変換回路DAC1、DAC2が、スイッチ制御信号SC1、SC2に基づいて電荷再分配型のD/A変換を行う。
この場合に制御回路50は、MSB側のD/A変換回路DAC1に対しては、DEM制御によるスイッチ制御信号SC1を出力する。DEM制御としては、例えば循環方式の手法を採用できる。このようなDEM制御を行うことで、キャパシターアレイにおいてスイッチ制御信号(逐次比較用データ)により選択されるキャパシターの組み合わせパターンにランダム性を持たせることが可能になり、キャパシターの見かけ上の容量の比精度を向上できる。
また図5の回路装置40では、電圧生成回路60が設けられている。電圧生成回路60としては、抵抗型DAC(抵抗ラダー型DAC、R2−Rラダー型DAC)を用いることができる。この電圧生成回路60は、バイナリーで重み付けされた電圧V1〜V9を生成して、LSB側のD/A変換回路DAC2に供給する。例えば、V9=VDD/2、V8=VDD/4、V7=VDD/8、V6=VDD/16・・・・V1=VDD/512というような電圧を生成して、D/A変換回路DAC2に供給する。D/A変換回路DAC2は、これらの電圧V1〜V9を用いて電荷再分配型のD/A変換を行う。
図6は、本実施形態の回路装置40であるA/D変換回路の詳細な構成例である。このA/D変換回路は16ビットの逐次比較のA/D変換を行う。この16ビットのA/D変換は、例えばMSB側のD/A変換回路DAC1による7ビットの電荷再分配型のD/A変換と、LSB側のD/A変換回路DAC2による9ビットの電荷再分配型のD/A変換により実現される。
MSB側のD/A変換回路DAC1のキャパシターアレイCAR1は、他端が比較ノードNCに接続されるキャパシターCA1〜CA128を有する。これらのキャパシターCA1〜CA128は、容量値が1Cであるユニットキャパシター(単位容量)である。スイッチアレイSAR1は、スイッチ回路SA1〜SA128を有し、キャパシターCA1〜CA128の一端は、スイッチ回路SA1〜SA128の一端に接続される。スイッチ回路SA1〜SA128の他端には、入力電圧VIN、高電位側の基準電圧VDD、低電位側の基準電圧GNDが供給される。VINは、A/D変換対象となる入力電圧である。スイッチ回路SA1〜SA128は、DEM制御のスイッチ制御信号SC1によりスイッチ制御される。また、比較ノードNCには低電位側の基準電圧GNDの供給/非供給を制御するスイッチ回路S0が接続される。
LSB側のD/A変換回路DAC2のキャパシターアレイCAR2は、他端が比較ノードNCに接続されるキャパシターCB1〜CB9を有する。これらのキャパシターCB1〜CB9は、容量値が1Cであるユニットキャパシターである。スイッチアレイSAR2は、スイッチ回路SB1〜SB9を有し、キャパシターCB1〜CB9の一端は、スイッチ回路SB1〜SB9の一端に接続される。スイッチ回路SB1〜SB9の他端には、電圧生成回路60(抵抗型DAC)からの電圧V1〜V9と、低電位側の基準電圧GNDが供給される。例えばスイッチ回路SB1には、電圧V1とGNDが供給され、スイッチ回路SB2には、電圧V2とGNDが供給される。他のスイッチ回路SB3〜SB9も同様である。
図6の回路装置40の動作について簡単に説明する。A/D変換対象となる入力電圧VINのサンプリング期間においては、スイッチ回路S0がオンとなることで比較ノードNCはGNDに接続され、MSB側のD/A変換回路DAC1のスイッチ回路SA1〜SA128が入力電圧VINを選択する。この時にLSB側のスイッチ回路SB1〜SB9は例えばGNDを選択する。これにより入力電圧VINが、キャパシターCA1〜CA128の一端に供給され、入力電圧VINに対応する電荷がキャパシターに蓄積される。そしてサンプリング期間の終了後に、逐次比較によるA/D変換動作が行われる。
この場合に、スイッチ回路S0はオフとなり、比較ノードNCの電位は、スイッチ回路SA1〜SA128、スイッチ回路SB1〜SB9の制御状態に応じて変化する。D/A変換回路DAC1のスイッチ回路SA1〜SA128は、例えば循環方式のDEM制御によりスイッチ制御される。例えば、まず初めにDEMのポインターがキャパシターCA1の位置に設定される(例えばP=0)。そして、そのポインターの位置から64個のスイッチ回路SA1〜SA64がVDDを選択し、残りの64個のスイッチ回路SA65〜SA128がGNDを選択する。これによりキャパシターCA1〜CA64の一端にはVDDが供給され、キャパシターCA65〜CA128の一端にはGNDが供給される。これにより比較回路CPは、入力電圧VINと、基準電圧VDDの約1/2の電圧との比較(MSB比較)を行うことが可能になる。
そして比較回路CPの比較結果信号CPQがHレベル(アクティブレベル)であった場合には、スイッチ回路SA1〜SA64がVDDを選択したままで、スイッチ回路SA65〜SA96もVDDを選択する。残りのスイッチ回路SA97〜SA128はGNDを選択する。これにより比較回路CPは、入力電圧VINと、基準電圧VDDの約3/4の電圧との比較を行うことが可能になる。
一方、スイッチ回路SA1〜SA64がVDDを選択した状態において、比較回路CPの比較結果信号CPQがLレベル(非アクティブレベル)であった場合には、スイッチ回路SA1〜SA32がVDDを選択し、残りのスイッチ回路SA33〜SA128がGNDを選択する。これにより比較回路CPは、入力電圧VINと、基準電圧VDDの約1/4の電圧との比較を行うことが可能になる。
このようにして、入力電圧VINに対する逐次比較のA/D変換が行われる。そして、A/D変換の終了時の最後の選択キャパシター位置の次のキャパシター位置を、次のA/D変換で用いる。例えばA/D変換のサイクルの終了時において、スイッチ回路SA1〜SA40がVDDを選択し(P=0)、スイッチ回路SA41〜SA128がGNDを選択した場合には、次のA/D変換のサイクルにおいては、DEMポインターPとして、キャパシターCA40の次のキャパシターCA41を表す値(P=40)を用いて、DEMの制御が行われる。
一方、LSB側のD/A変換回路DAC2では、このようなDEMの制御が行われない。そしてD/A変換回路DAC2は、スイッチ回路SB1〜SB9に入力されたバイナリーに重み付けらされた電圧V1〜V9を用いて、電荷再分配のD/A変換を行う。このような構成にすることで、D/A変換回路DAC1とD/A変換回路DAC2の間に直列キャパシターを設ける構成としなくても、高分解能・高精度のA/D変換を実現できるようになる。
図7は、全差動型のA/D変換回路の回路装置40の構成例である。図7ではP側(非反転側、正側)のD/A変換回路DAC1P、DAC2Pと、N側(反転側、負側)のD/A変換回路DAC1N、DAC2Nが設けられている。
P側のD/A変換回路DAC1P、DAC2Pは、非反転側の比較ノードNCPに接続され、N側のD/A変換回路DAC1N、DAC2Nは、反転側の比較ノードNCNに接続される。比較回路CPの非反転入力端子は比較ノードNCPに接続され、反転入力端子は比較ノードNCNに接続される。
MSB側のP側のD/A変換回路DAC1Pは、キャパシターCA1P〜CA128Pを有するキャパシターアレイCAR1Pと、スイッチ回路SA1P〜SA128Pを有するスイッチアレイSAR1Pを有する。MSB側のN側のD/A変換回路DAC1Nは、キャパシターCA1N〜CA128Nを有するキャパシターアレイCAR1Nと、スイッチ回路SA1N〜SA128Nを有するスイッチアレイSAR1Nを有する。
そしてP側のスイッチ回路SA1P〜SA128PがVDD、GNDを選択する場合に、N側のスイッチ回路SA1N〜SA128Nは、各々、逆側の電圧であるGND、VDDを選択する。即ち、このような論理が反転となる選択を行うための論理回路が、スイッチ回路SA1P〜SA128P、SA1N〜SA128Nに設けられている。
LSB側のP側のD/A変換回路DAC2Pは、キャパシターCB1P〜CB9Pを有するキャパシターアレイCAR2Pと、スイッチ回路SB1P〜SB9Pを有するスイッチアレイSAR2Pを有する。LSB側のN側のD/A変換回路DAC2Nは、キャパシターCB1N〜CB9Nを有するキャパシターアレイCAR2Nと、スイッチ回路SB1N〜SB9Nを有するスイッチアレイSAR2Nを有する。
P側のスイッチ回路SB1P〜SB9Pは、後述の図8の電圧生成回路60からの電圧VN1〜VN9とGNDのいずれかを選択する。N側のスイッチ回路SB1N〜SB9Nは、電圧生成回路60からの電圧VP1〜VP9とVDDのいずれかを選択する。
次に図7の回路装置40の動作について簡単に説明する。サンプリング期間においては、スイッチ回路SIP、SINが、各々、P側の入力電圧PIN、N側の入力電圧NINを選択して、ノードNP、NNに出力する。そしてサンプリング期間においては、スイッチ回路SA1P〜SA128Pは、ノードNPに出力された入力電圧PINを選択する。スイッチ回路SA1N〜SA128Nは、ノードNNに出力された入力電圧NINを選択する。この時、スイッチ回路SCMP、SCMNがオンになって、比較ノードNCP、NCNはコモン電圧VCMに設定されている。またLSB側のスイッチ回路SB1P〜SB9PはGNDを選択し、スイッチ回路SB1N〜SB9NはVDDを選択している。これにより入力電圧PIN、NINに対応する電荷がキャパシターに蓄積される。なお入力電圧PINの信号と入力電圧NINの信号は差動信号を構成している。
次に、コンバージョン期間においては、スイッチ回路SCMP、SCMNがオフになって、比較ノードNCP、NCNがフローティング状態になり、スイッチ制御信号に対応する逐次比較用データに基づいて、逐次比較のA/D変換動作が行われる。具体的には、MSB側のスイッチ回路SA1P〜SA128P、SA1N〜SA128Nは、逐次比較用データのMSB側(上位ビット側)の各ビット(スイッチ制御信号)に応じて、VDD、GNDのいずれかを選択する。P側のスイッチ回路SA1P〜SA128PがVDD、GNDを選択する場合に、N側のスイッチ回路SA1N〜SA128Nは、各々、逆側の電圧であるGND、VDDを選択する。またLSB側のP側のスイッチ回路SB1P〜SB9Pは、逐次比較用データのLSB側(下位ビット側)の各ビットに応じて、VN1〜VN9とGNDのいずれかを選択する。LSB側のN側のスイッチ回路SB1N〜SB9Nは、逐次比較用データのLSB側の各ビットに応じて、VP1〜VP9とVDDのいずれかを選択する。図5の制御回路50は、比較回路CPの比較結果信号CPQに基づいて、入力電圧PIN、NINのA/D変換データの各ビットを、逐次比較により順次求めて行く。
コンバージョン期間の後、リセット期間に移行する。リセット期間においては、スイッチ回路SIP、SINは、コモン電圧VCMを選択し、ノードNP、NNはコモン電圧VCMに設定され、スイッチ回路SA1P〜SA128PはノードNPを選択し、スイッチ回路SA1N〜SA128NはノードNNを選択する。またスイッチ回路SCMP、SCMNもコモン電圧VCMを選択する。これによりキャパシターCA1P〜CA128P及びキャパシターCA1N〜CA128Nの両端がコモン電圧VCMに設定され、サンプリングキャパシターのリセット動作が行われる。
図8は電圧生成回路60の構成例である。この電圧生成回路60は、ラダー抵抗回路により構成される抵抗型のD/A変換器である。電圧VN9、VP9は、VDD、GNDの中間電圧である。例えばGND=0Vとした場合に、VN9=VP9=VDD/2となる。電圧生成回路60は、VN9(=VDD/2)とGND(=0V)の間でバイナリーに重み付けされた電圧VN9〜VN1を生成する。例えばVN9=VDD/2、VN8=VDD/4、VN7=VDD/8・・・VN1=VDD/512である。同様に電圧生成回路60は、VP9(=VDD/2)とVDDの間でバイナリーに重み付けされた電圧VP9〜VP1を生成する。
図9は、全差動型の回路装置40を用いる場合のサブD/A変換回路SDACの構成例である。サブD/A変換回路SDACは、トリミング用D/A変換回路を含み、トリミング用D/A変換回路は、非反転側の比較ノードNCPに接続されるD/A変換回路TDACPと、反転側の比較ノードNCNに接続されるTDACNを含む。なお、DAC1P、DAC1N、DAC2P、DAC2Nについては図7と同様の構成であるため、図9では簡略化している。
P側のトリミング用D/A変換回路TDACPは、キャパシターCC1P〜CC9Pを有するキャパシターアレイCAR3Pと、スイッチ回路SC1P〜SC9Pを有するスイッチアレイSAR3Pを有する。スイッチ回路SC1P〜SC9Pは、図8の電圧生成回路60からの電圧VN1〜VN9とGNDのいずれかを選択する。
N側のトリミング用D/A変換回路TDACNは、キャパシターCC1N〜CC9Nを有するキャパシターアレイCAR3Nと、スイッチ回路SC1N〜SC9Nを有するスイッチアレイSAR3Nを有する。ただし、TDACNは、TDACPの反転信号を出力する構成ではなく、TDACPと同様の構成となっている。すなわち、スイッチ回路SC1N〜SC9Nは、図8の電圧生成回路60からの電圧VN1〜VN9とGNDのいずれかを選択する。また、SC1N〜SC9Nは、SC1P〜SC9Pと連動して制御される必要はなく、独立に制御可能である。
本実施形態では、差動型の回路装置40において、非反転側比較ノードNCPと、反転側比較ノードNCNに同様の構成のトリミング用D/A変換回路を接続する。このようにすれば、TDACPとTDACNの一方のみを用いることで、トリミング用D/A変換回路の分解能を実質的に半分にすることができる。図9の例では、TDACPの最下位ビットに対応するSC1Pは、VN1とGNDのいずれかを選択する。そのため、TDACPとTDACNを差動で動作させたとすれば、トリミング用D/A変換回路の分解能はデジタルデータの1LSBと同等となる。しかし図9の構成によれば、TDACPのみを用いる、或いはTDACNのみを用いることで、トリミング用D/A変換回路の分解能は0.5LSBとなり、より細かいトリミングが可能になる。
また、TDACPを用いることで正の電圧を入力でき、TDACNを用いることで負の電圧を入力できる。具体的にはTDACP側に511d(111111111b)を入力する+255.5LSB相当の電圧から、TDACN側に511d(111111111b)を入力する−255.5LSB相当の電圧までの間での入力が可能である。具体的な入力については、図3を用いて上述したように、調整データTDに基づいて決定されることになる。
また、サブD/A変換回路SDACは、コードシフト用D/A変換回路を含み、コードシフト用D/A変換回路は、非反転側の比較ノードNCPに接続されるD/A変換回路CSDACPと、反転側の比較ノードNCNに接続されるCSDACNを含む。
P側のコードシフト用D/A変換回路CSDACPは、キャパシターCD1P〜CC5Pを有するキャパシターアレイCAR4Pと、スイッチ回路SD1P〜SD5Pを有するスイッチアレイSAR4Pを有する。スイッチ回路SD1P〜SD5Pは、図8の電圧生成回路60からの電圧VN5〜VN9とGNDのいずれかを選択する。
N側のコードシフト用D/A変換回路CSDACNは、キャパシターCD1N〜CD5Nを有するキャパシターアレイCAR4Nと、スイッチ回路SD1N〜SD5Nを有するスイッチアレイSAR4Nを有する。スイッチ回路SD1N〜SD5Nは、図8の電圧生成回路60からの電圧VN5〜VN9とGNDのいずれかを選択する。つまり、コードシフト用D/A変換回路についても、P側とN側に同様の構成の回路を用いる。
コードシフト用D/A変換回路は、コードデータをD/A変換してコード信号を出力する。コードデータは時間的に変化するデジタルデータであり、所定のデータ範囲内において、1又は複数回のA/D変換タイミングごとに異なった値になるデータである。A/D変換タイミングとは、デジタルデータをアナログ信号に変換する各A/D変換期間に対応するタイミングである。また、制御回路50は、逐次比較データとコードデータの加算結果を、出力データとして出力する。
コードシフト用D/A変換回路からコード信号が出力されることで、逐次比較結果データが、入力電圧VINに対応するデータから高電位側或いは低電位側に対応するデータにシフトする。このシフトを、ここではコードシフトと呼ぶ。コードシフトを行わない構成のA/D変換回路では、図10に示すように、DNLの誤差等が原因で特定のコードでミッシングコードが発生するおそれがある。例えばDNLが1LSBを超えると、出力コードが存在しないコードが発生するというミッシングコードの現象が生じる。
この点、コードシフト手法を用いれば、このようなミッシングコードが発生したとしても、時間的に変化するコード信号が出力されることで、図11に示すようなコードシフトが行われる。なお図11の実線はコードシフト後の特性を表すものであり、破線はコードシフト前の特性を表すものである。
すなわち、コードシフト手法では、1又は複数回のA/D変換タイミング毎にコードデータを異なった値にすることで、図11に示すように、ミッシングコードが発生するコードの場所が1又は複数回のA/D変換タイミング毎に変化する。例えば00010000bのコードでミッシングコードが発生したとしても、その場所が、00010001bや00010010bや00001111bの場所にシフトする。この結果、長い時間範囲で見ると、図12に示すようにDNLやINLが改善され、ミッシングコードの現象が生じない良好な特性を得ることができる。即ち、ある特定のコードで発生していたDNL特性の悪化(ミッシングコード)を、時間的に変化するコードデータにより周囲のコードに拡散させることで、特性の改善を図っている。
コードシフト用D/A変換回路は、通常動作モードでは上記コードシフトを行う。そしてテストモードでは後述するようにキャパシターアレイのキャパシター割り当てを調整するための電圧出力回路として用いられる。ただし、電圧出力回路はコードシフト用D/A変換回路とは異なる回路により実現されてもよく、コードシフト用D/A変換回路は、通常動作モードにおけるコードシフトにのみ利用されてもよい。また、本実施形態ではコードシフトは必須の構成ではなく、コードシフト用D/A変換回路自体を省略してもよい。
また、サブD/A変換回路SDACは、テストモードにおける初期調整に用いるアジャスト用D/A変換回路を含んでもよい。アジャスト用D/A変換回路は、非反転側の比較ノードNCPに接続されるD/A変換回路AJDACPと、反転側の比較ノードNCNに接続されるAJDACNを含む。
P側のアジャスト用D/A変換回路AJDACPは、キャパシターCE1P、CE2Pを有するキャパシターアレイCAR5Pと、スイッチ回路SE1P、SE2Pを有するスイッチアレイSAR5Pを有する。スイッチ回路SE1P、SE2Pは、図8の電圧生成回路60からの電圧VN8、VN9とGNDのいずれかを選択する。
N側のアジャスト用D/A変換回路AJDACNは、キャパシターCE1N、CE2Nを有するキャパシターアレイCAR5Nと、スイッチ回路SE1N、SE2Nを有するスイッチアレイSAR5Nを有する。スイッチ回路SE1N、SE2Nは、図8の電圧生成回路60からの電圧VP8、VP9とVDDのいずれかを選択する。アジャスト用D/A変換回路による調整については後述する。
また、サブD/A変換回路SDACは、図9には不図示の他のD/A変換回路を含んでもよい。例えばサブD/A変換回路SDACは、オフセット調整用のD/A変換回路等を含んでもよい。
図9に示したように、本実施形態のサブD/A変換回路SDACは、出力ノードに接続される第2キャパシターアレイを有し、第2キャパシターアレイのキャパシターは、調整データTDに基づいて選択される。
上述したように、サブD/A変換回路SDAC(トリミング用D/A変換回路)は、調整データTDに対応する出力信号を出力ノードに対して出力する。つまり図9の例であれば、出力ノードとは、比較回路CPの非反転側比較ノードNCPと、反転側比較ノードNCNであり、第2のキャパシターアレイとは、キャパシターCC1P〜CC9Pを有するキャパシターアレイCAR3Pと、キャパシターCC1N〜CC9Nを有するキャパシターアレイCAR3Nに対応する。
そして、トリミング用D/A変換回路は、調整データTDに基づく出力信号、具体的には調整データTDに所与の係数が乗算されたデータをD/A変換した出力信号を出力する。つまり調整データTDに基づく信号は、トリミング用D/A変換回路のスイッチアレイSAR3P、スイッチアレイSAR3Nのスイッチ制御に用いられる。言い換えれば上述したように、第2キャパシターアレイのキャパシターは、調整データTDに基づいて選択されることになる。
また図5等に示したように、本実施形態に係る回路装置40は、逐次比較型のA/D変換回路である回路装置であってもよい。この場合、回路装置40は、出力ノードが比較ノードに接続される比較回路CPを含み、メインD/A変換回路MDAC(DAC1)は、逐次比較データの上位側ビットデータ(上記例では上位7ビット)を入力データDINとしてD/A変換し、制御回路50は、比較回路CPの比較結果(比較結果信号CPQ)に基づいて逐次比較データを出力する。
このようにすれば、高精度のD/A変換回路を用いたA/D変換回路を実現できる。すなわち、変換精度の高いA/D変換回路を実現することが可能になる。
3.テストモードの動作例
次に、誤差情報(トリミングテーブル)を作成するテストモードについて説明する。上述したように、本実施形態のトリミングでは、キャパシターアレイの各キャパシターについて、少なくとも容量値が大きいか、適正か、少ないかを判別する必要がある。この際、各キャパシターの容量値を直接的に計測することは現実的とは言えない。
よって本実施形態では、A/D変換回路である回路装置40において、当該A/D変換回路のデジタル出力データ(出力コード)に基づいて、誤差情報を生成する手法について説明する。なお、以下では回路装置40が図7や図9に示したように全差動型の構成である場合を例にとって説明するが、本実施形態の手法はこれに限定されない。
本実施形態のメインD/A変換回路MDAC(DAC1)はDEMが適用される。そのため、通常の動作を行ってしまうと、出力コードの出力に、キャパシターアレイのうちのどのキャパシターが利用されるかが、タイミングに応じて変化してしまう。そのため、通常動作時の出力コードから各キャパシターの特性を特定することは困難である。
よって本実施形態では、回路装置40は、通常動作を行うモードとは異なるテストモードでの動作を行う。テストモードでは、回路装置40は外部からの入力を受け付け、当該入力に基づいてA/D変換を行う。
テストモードでは、まず入力電圧として、P側とN側の両方にコモン電圧VCMを入力する。ここでVCM=VP9=VN9=VDD/2である。この場合、VIN=PIN−NIN=0となるため、逐次比較を繰り返した結果であるA/D変換結果(出力コード)は0となることが期待される。また、この状態ではDAC1Pの出力電圧と、DAC1Nの出力電圧が釣り合うことになるため、キャパシターアレイのキャパシターは全体の半数に相当するキャパシターが割り当て対象となる。具体的には、DAC1Pで割り当てられるキャパシターが、64個、又はそれよりも1つ少ない63個の境界状態となる。すなわち、VCMを両側に入力することで、割り当てられるキャパシターの数を63個と64個のいずれかに設定することが可能になる。
ただし、単純にPIN及びNINにVCMを入力したとしても、回路装置40のオフセット等の影響により、出力コードが0とならない、すなわち割り当てられるキャパシター数が63と64の境界となるような状態を実現できない場合がある。よって本実施形態のサブD/A変換回路SDACは、テストモードの事前準備に用いるアジャスト用D/A変換回路を含んでもよい。アジャスト用D/A変換回路は、境界状態に充分近づけることができる程度の範囲での調整が可能であればよい。例えばDEMが適用されるDAC1の分解能が512LSBである場合に、分解能が128LSBであり、ビット数が2ビットのD/A変換回路を用いればよい。例えば、アジャスト用D/A変換回路は図9に示したように、AJDACPとAJDACNにより実現できる。図9の例であれば、アジャスト用D/A変換回路により、0〜+384LSBの範囲での調整が可能になる。
図13は、テストモードにおける事前準備の状態を説明する図である。事前準備では、PIN及びNINにVCMを入力するとともに、アジャスト用D/A変換回路(AJDACP、AJDACN)を用いて、出力コードが0付近となるように調整する。この段階ではコードシフト用D/A変換回路からの出力電圧は不要であるため、0を入力しておく。図13に示した事前準備により、割り当てられるキャパシター数が63と64の境界となる境界状態を実現できる。
そして、2つの状態の境界状態では、ある程度の電圧を別途比較ノードに入力することで、容易にいずれかの状態に傾けることが可能である。例えば、メインD/A変換回路MDACの出力電圧とは逆方向の電圧を入力する(或いは、反対側の比較ノードに電圧を入力する)ことで、メインD/A変換回路MDACからの出力電圧が相対的に不足するため、割り当て対象となるキャパシターの数を増やす側に傾き、キャパシターの割り当て数は64個で安定する。また、メインD/A変換回路MDACの出力電圧と同方向の電圧を入力することで、メインD/A変換回路からの出力電圧が相対的に過剰になるため、割り当て対象となるキャパシターの数を減らす側に傾き、キャパシターの割り当て数は63個で安定する。
その上で、テストモードではDEMポインターPの値を外部から指定可能とする。DEMポインターPは、上述したように割り当て対象となるキャパシターのうちの先頭のキャパシターを指定する情報である。このようにすれば、テストモードでは、どのキャパシターを先頭に64個、或いは63個のキャパシターを割り当て対象とするかを設定可能となる。
つまり回路装置40は、キャパシターアレイのキャパシターの割り当てを設定するための情報を記憶するレジスターを含み、制御回路50は、テストモードにおいて、レジスターに記憶された情報に基づいてスイッチ制御信号SCを出力する。
キャパシター割り当てをDEMポインターPにより行う循環方式の場合、ここでのレジスターとはDEMポインターPを記憶するレジスターである。また、キャパシター割り当ては循環方式だけでなく、他の方式も種々知られており、本実施形態のレジスターは当該他の方式で用いられる情報を記憶してもよい。
そして本実施形態の回路装置40は、出力ノード(比較ノードNCP,NCN)に接続され、テストモードにおいてキャパシターアレイのキャパシターの割り当てを調整する第1の電圧及び第2の電圧を出力する電圧出力回路を含む。
ここで第1の電圧とは、DEMにおけるキャパシターの割り当て数を多い側に固定するための電圧であり、例えばメインD/A変換回路MDACの出力と逆方向の電圧である。また、第2の電圧とは、DEMにおけるキャパシターの割り当て数を少ない側に固定するための電圧であり、例えばメインD/A変換回路MDACの出力と同方向の電圧である。
ここでの電圧出力回路は種々の構成により実現できるが、例えばキャパシターアレイを含むD/A変換回路により実現可能である。この際、第1の電圧及び第2の電圧は、割り当てられるキャパシター数を2つの候補のうちのいずれか一方で確実に安定させる程度の大きさの電圧である。具体的には、DEM適用されるメインD/A変換回路MDACの分解能(512LSB)に対して、その半分程度の範囲で値を調整できることが望ましい。
そこで本実施形態では、図9に示したコードシフト用D/A変換回路を、電圧出力回路として利用する。コードシフト用D/A変換回路は、例えば図9に示したように、VN5〜VN9とGNDのいずれかを選択可能な5ビットのD/A変換回路であり、比較回路CPの両方の比較ノードに同様の構成の回路(CSDACP、CSDACN)が設けられる。CSDACPとCSDACNのいずれか一方を用いることで、最小分解能は8LSB相当となる。また、CSDACNを用いることでメインD/A変換回路MDACと逆方向の電圧(第1の電圧)を入力でき、CSDACPを用いることでメインD/A変換回路MDACと同方向の電圧(第2の電圧)を入力できる。具体的にはCSDACN側に31d(11111b)を入力する−248LSB相当の電圧から、CSDACP側に31d(11111b)を入力する+248LSB相当の電圧までの間での入力が可能である。
テストモードでは、2つの出力コードの比較に基づいて、1つのキャパシターについての誤差情報を求める。図14、図15はCA1の誤差情報を求める場合の動作例を表す図である。まず図14に示したように、PIN及びNINにVCMを入力し、さらにDEMポインターP=0に設定し、コードシフト用D/A変換回路のうち、CSDACN側に31d(11111b)を入力することで、−248LSB相当の電圧を入力する。図14の場合、割り当て対象となるキャパシターはCA1を先頭に64個、すなわちCA1〜CA64となり、出力コードx0は、CA1〜CA64の特性を表す情報となる。
次に、図15に示したように、PIN及びNINにVCMを入力し、さらにDEMポインターP=1に設定し、コードシフト用D/A変換回路のうち、CSDACP側に31d(11111b)を入力することで、+248LSB相当の電圧を入力する。図15の場合、割り当て対象となるキャパシターはCA2を先頭に63個、すなわちCA2〜CA64となり、出力コードy1は、CA2〜CA64の特性を表す情報となる。
つまり、2つの出力コードの差分値x0−y1は、DEMポインターP=0に対応するキャパシター(CA1)に起因する出力コードの誤差を表す情報となる。本実施形態では、差分値x0−y1と所与の閾値の比較処理に基づいて、CA1に対応する誤差情報を求める。例えば、出力コードについての基準範囲を−k×LSB〜+k×LSBとしておき、x0−y1が上限値k×LSBより大きい場合に、第1データを1とし、下限値−k×LSBより小さい場合に、第2データを1とする。また、x0−y1が−k×LSB〜+k×LSBの範囲内である場合は、第1データ及び第2データを0とする。
なお、x0及びy1はそれぞれ1回のA/D変換から求めるものには限定されない。例えば、図14に示した状態でのA/D変換を複数回行うことで複数の出力コードを取得し、その平均値をx0としてもよい。y1についても複数回の出力結果の平均値を用いてもよい。この場合、x0及びy1が1×LSBの整数倍に限定されなくなる。よって上記基準範囲の上限値及び下限値を表すkについても、整数には限定されない。例えば−1.5×LSB〜1.5×LSBを基準範囲として設定することが可能である。なお、上述したように、基準範囲の設定は調整データTDに対して乗算される係数(アンプAMPのゲイン)の設定に利用される。
また、CA2以降についてもDEMポインターPの値をずらしていくことで誤差情報を求めることができる。例えばP=1且つコードシフト用D/A変換回路の入力を−31とした場合の出力コードx1は、CA2〜CA65の特性を表し、P=2且つコードシフト用D/A変換回路の入力を+31とした場合の出力コードy2は、CA3〜CA65の特性を表す。よって差分値x1−y2に基づいて、CA2の誤差情報を求めることができる。
以下同様であり、図16及び図17に示した状態までDEMポインターPを更新(インクリメント)しながら各キャパシターの誤差情報を求めていく。図16に示したP=127且つコードシフト用D/A変換回路の入力を−31とした場合の出力コードx127は、CA128及びCA1〜CA63の特性を表し、図17に示したP=0且つコードシフト用D/A変換回路の入力を+31とした場合の出力コードy0はCA1〜CA63の特性を表す。よってx127−y0からCA128の誤差情報が求められる。以上の動作により、図2に示したようなCA1〜CA128の誤差情報が求められる。
4.物理量検出装置、電子機器、移動体
また、本実施形態の手法は上記回路装置40を含む種々の装置に適用できる。例えば、本実施形態の手法は物理量トランスデューサーと、物理量トランスデューサーからの検出信号に基づいて物理量を検出する回路装置を含む物理量検出装置に適用できる。また、本実施形態の手法は、回路装置40を含む電子機器や移動体にも適用できる。
図18に本実施形態の物理量検出装置300の構成例を示す。物理量検出装置300は、物理量トランスデューサー310と本実施形態の回路装置40(IC)を含む。物理量トランスデューサー310と回路装置40は、例えば物理量検出装置300のパッケージ内に実装される。なお本実施形態の物理量検出装置300は、図18の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
物理量トランスデューサー310は、例えば角速度、加速度等の物理量を検出するための素子(センサー)である。物理量トランスデューサー310は、例えば角速度センサー(ジャイロセンサー)であり、1又は複数の軸回りでの角速度を検出する。この角速度センサーは、圧電型の振動ジャイロであってもよいし、シリコン基板などから形成された静電容量検出方式の振動ジャイロであってもよい。圧電型の振動ジャイロとしては、例えばダブルT型の振動片などを用いることができる。或いは物理量トランスデューサー310は、例えば加速度センサーであり、1又は複数の軸方向での加速度を検出する。なお、物理量トランスデューサー310は、角速度や加速度以外の物理量(例えば速度、移動距離、角加速度又は圧力等)を検出するトランスデューサーであってもよい。或いは、物理量トランスデューサー310は発振器における振動子であってもよい。
回路装置40は、検出回路80、A/D変換回路82、処理部84を含む。検出回路80は、物理量トランスデューサー310からの検出信号に基づいて、角速度又は加速度等の物理量に対応する物理量信号を検出する。角速度センサーを例にとれば、検出回路80は、物理量トランスデューサー310からの検出信号を増幅する増幅回路(電荷/電圧変換回路)や同期検波回路などを含むことができる。この場合に回路装置40は、物理量トランスデューサー310(振動子)を駆動する駆動回路を含んでいてもよい。A/D変換回路82は、検出回路80により検出されたアナログの電圧(所望信号の電圧)のA/D変換を行う。A/D変換回路82としては例えば図5等で説明した構成の回路を用いることができる。処理部84は、A/D変換回路82によりA/D変換された検出データに基づいて各種の処理を行う。例えば各種の補正処理やフィルター処理(デジタルフィルター処理)などを行う。なお処理部84は、図5の制御回路50として動作してもよい。
図19に本実施形態の電子機器200の構成例を示す。電子機器200は、本実施形態の回路装置40、処理部220、記憶部250を含む。またアンテナANT、通信部210、操作部230、表示部240を含むことができる。なお本実施形態の電子機器200は、図19の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
本実施形態の電子機器200としては、例えばデジタルカメラ(デジタルスチルカメラ、ビデオカメラ)、生体情報検出装置(脈拍計、活動量計、歩数計、健康時計等)、頭部装着型表示装置、ロボット、GPS内蔵時計、カーナビゲーション装置、ゲーム装置、各種のウェアラブル機器、携帯情報端末(スマートフォン、携帯電話機、携帯型ゲーム装置、タブレットPC等)、コンテンツを配信するコンテンツ提供端末、映像機器、オーディオ機器、或いはネットワーク関連機器(基地局、ルーター等)などの種々の機器を想定できる。例えばデジタルカメラにおいては、本実施形態の回路装置を用いることで、ジャイロセンサーや加速度センサーを利用した手ぶれ補正等を実現できる。また生体情報検出装置においては、本実施形態の回路装置を用いることで、ジャイロセンサーや加速度センサーを利用したユーザーの体動検出や、運動状態の検出を実現できる。ロボットにおいては、その可動部(アーム、関節)や本体部において本実施形態の回路装置を用いることができる。ロボットは、移動体(走行・歩行ロボット)、電子機器(非走行・非歩行ロボット)のいずれも想定できる。走行・歩行ロボットの場合には、例えば自律走行に本実施形態の回路装置を利用できる。ネットワーク関連機器においては、例えば時刻(絶対時刻等)やタイミングを計時するための装置として本実施形態の回路装置を利用できる。
図19において、通信部210(無線回路)は、アンテナANTを介して外部からのデータを受信したり、外部にデータを送信する処理を行う。CPU、MPUなどにより実現される処理部220(プロセッサー)は、記憶部250(メモリー)に記憶された情報に基づいて、各種の演算処理や電子機器200の制御処理などを行う。操作部230は、ユーザーが入力操作を行うためのものであり、操作ボタンやタッチパネルディスプレイをなどにより実現できる。表示部240は、各種の情報を表示するものであり、液晶や有機ELなどのディスプレイにより実現できる。記憶部250は、各種の情報を記憶するものであり、その機能はRAMやROMなどの半導体メモリーやHDD(ハードディスクドライブ)などにより実現できる。
また本実施形態の回路装置は、例えば、車、飛行機、バイク、自転車、或いは船舶等の種々の移動体に組み込むことができる。移動体は、例えばエンジンやモーター等の駆動機構、ハンドルや舵等の操舵機構、各種の電子機器を備えて、地上や空や海上を移動する機器・装置である。
図20は、移動体の具体例としての自動車206を概略的に示したものである。自動車206には、物理量トランスデューサーと回路装置を有する物理量検出装置300が組み込まれている。物理量検出装置300(例えばジャイロセンサー、角速度及び加速度を検出する複合センサー等)は車体207の姿勢を検出することができる。物理量検出装置300の検出信号は車体姿勢制御装置208に供給される。車体姿勢制御装置208は例えば車体207の姿勢に応じてサスペンションの硬軟を制御したり個々の車輪209のブレーキを制御したりすることができる。その他、こういった姿勢制御は二足歩行ロボットや航空機、ヘリコプター等の各種の移動体において利用できる。姿勢制御の実現にあたって物理量検出装置300(回路装置)は移動体に組み込まれることになる。
以上、本発明を適用した実施形態およびその変形例について説明したが、本発明は、各実施形態やその変形例そのままに限定されるものではなく、実施段階では、発明の要旨を逸脱しない範囲内で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記した各実施形態や変形例に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明を形成することができる。例えば、各実施形態や変形例に記載した全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施の形態や変形例で説明した構成要素を適宜組み合わせてもよい。また、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。このように、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能である。
40…回路装置、42…D/A変換回路、50…制御回路、52…逐次比較レジスター、
55…記憶部、60…電圧生成回路、80…検出回路、82…A/D変換回路、
84…処理部、200…電子機器、206…自動車、207…車体、
208…車体姿勢制御装置、209…車輪、210…通信部、220…処理部、
230…操作部、240…表示部、250…記憶部、300…物理量検出装置、
310…物理量トランスデューサー、
MDAC…メインD/A変換回路、SDAC…サブD/A変換回路、
TDACP,TDACN…トリミング用変換回路、
CSDACP,CSDACN…コードシフト用D/A変換回路、
AJDACP,AJDACN…アジャスト用D/A変換回路、
AMP…アンプ、ANT…アンテナ、CP…比較回路、DDEC…DEMデコーダー、
NCN…反転側比較ノード、NCP…非反転側比較ノード、NOUT…出力ノード、
VCM…コモン電圧、VDD,GND…基準電圧、VIN…入力電圧
CA1〜CA128,CB1〜CB9,CC1P〜CC9P,CC1N〜CC9N,CD1P〜CD5P,CD1N〜CD5N,CE1P,CE2P,CE1N,CE2N…キャパシター、
CAR1,CAR2,CAR3P,CAR3N,CAR4P,CAR4N,CAR5P,CAR5N…キャパシターアレイ、
SA1〜SA128,SB1〜SB9,SC1P〜SC9P,SC1N〜SC9N,SD1P〜SC5P,SD1N〜SD5N,SE1P,SE2P,SE1N,SE2N…スイッチ回路、
SAR1,SAR2,SAR3P,SAR3N,SAR4P,SAR4N,SAR5P,SAR5N…スイッチアレイ、
SCAR…キャパシターアレイ、SSAR…スイッチアレイ

Claims (12)

  1. 出力ノードに接続されるキャパシターアレイを有するメインD/A変換回路と、
    前記出力ノードに接続されるサブD/A変換回路と、
    入力データに対する前記キャパシターアレイのキャパシターの割り当てを動的に変化させるスイッチ制御信号を出力する制御回路と、
    前記キャパシターアレイのキャパシターの容量誤差に応じた誤差情報が記憶される記憶部と、
    を含み、
    前記制御回路は、
    前記スイッチ制御信号と前記誤差情報とに基づいて、前記スイッチ制御信号により割り当てられる前記キャパシターの前記容量誤差に応じた調整データを生成し、
    前記サブD/A変換回路は、
    前記調整データに基づく出力信号を前記出力ノードに出力することを特徴とする回路装置。
  2. 請求項1に記載の回路装置において、
    前記誤差情報は、前記キャパシターの容量が基準値よりも大きいか否かを表すデータを含むことを特徴とする回路装置。
  3. 請求項1又は2に記載の回路装置において、
    前記誤差情報は、前記キャパシターの容量が基準範囲の上限値よりも大きいか否かを表す第1データ、及び前記キャパシターの容量が前記基準範囲の下限値よりも小さいか否かを表す第2データを含むことを特徴とする回路装置。
  4. 請求項2又は3に記載の回路装置において、
    前記調整データは、前記スイッチ制御信号により割り当てられた各キャパシターについての前記誤差情報を加算処理したデータを含むことを特徴とする回路装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の回路装置において、
    前記サブD/A変換回路は、
    前記調整データに所与の係数が乗算されたデータのD/A変換結果の信号を、前記出力信号として前記出力ノードに出力することを特徴とする回路装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の回路装置において、
    前記サブD/A変換回路は、
    前記出力ノードに接続される第2キャパシターアレイを有し、
    前記第2キャパシターアレイのキャパシターは、前記調整データに基づいて選択されることを特徴とする回路装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の回路装置において、
    前記出力ノードが比較ノードに接続される比較回路を含み、
    前記メインD/A変換回路は、
    逐次比較データの上位側ビットデータを前記入力データとしてD/A変換し、
    前記制御回路は、
    前記比較回路の比較結果に基づいて前記逐次比較データを出力することを特徴とする回路装置。
  8. 請求項7に記載の回路装置において、
    前記キャパシターアレイのキャパシターの割り当てを設定するための情報を記憶するレジスターを含み、
    前記制御回路は、
    テストモードにおいて、前記レジスターに記憶された前記情報に基づいて前記スイッチ制御信号を出力することを特徴とする回路装置。
  9. 請求項8に記載の回路装置において、
    前記出力ノードに接続され、前記テストモードにおいて前記キャパシターアレイのキャパシターの割り当てを調整する第1の電圧及び第2の電圧を出力する電圧出力回路を含むことを特徴とする回路装置。
  10. 物理量トランスデューサーと、
    前記物理量トランスデューサーからの検出信号に基づいて物理量を検出する請求項1乃至9のいずれか一項に記載の回路装置を含むことを特徴とする物理量検出装置。
  11. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の回路装置を含むことを特徴とする電子機器。
  12. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の回路装置を含むことを特徴とする移動体。
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