JP6401597B2 - 親水化処理剤 - Google Patents
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Description
撥水化処理は、ガラス、金属、繊維等の固体表面に撥水性を持たせる表面処理を行い、水に含まれる汚れを付着させないようにする技術である。例えば、衣類を洗濯後、柔軟仕上げ剤で処理したり、スキーウェア等に撥水剤をスプレーして防水効果を持たせたり、自動車の塗装面をワックス掛けしたりすることが広く行われている。
しかしながら、撥水化処理では、表面を完全に撥水化させることは難しく、度重なる水との接触により、水に含まれる汚れが固体表面に蓄積するため、十分な防汚効果を発揮することが難しい。
例えば、特許文献1には、両性高分子電解質を含有する水性防汚組成物が開示されている。特許文献2には、界面活性剤及び特定のポリベタインを含有する洗浄用又はすすぎ洗い用の組成物が開示されている。特許文献3には、特定のベタイン構造を有する重合性不飽和モノマーと特定の重合性不飽和モノマーとを共重合して得られるアクリル樹脂、親水性架橋重合体粒子及び架橋剤を含有する親水化処理剤組成物が開示されている。特許文献4には、両親媒性ブロックコポリマーを含む組成物を支持体に適用する段階を含み、両親媒性ブロックコポリマーが特定の構造の親水性ブロックとエチレン性不飽和疎水性モノマーから形成される疎水性ブロックを含有する疎水性支持体の湿潤性/親水性を改良する方法が開示されている。
本発明は、固体表面の親水化能力に優れ、処理後の固体表面のすべりを抑制でき、且つ水への溶解性ないし分散性にも優れた親水化処理剤及びそれを含有する親水化処理剤組成物を提供する。
重合体セグメントAが、一般式(1)で表される構成単位からなるブロック重合体セグメントであり、
重合体セグメントBが、一般式(1)で表される構成単位及び一般式(2)で表される構成単位からなるランダム重合体セグメントであり、
ブロック重合体中の重合体セグメントAの含有量が2質量%以上14質量%以下であり、
重合体セグメントB中の一般式(1)で表される構成単位の含有量が、5質量%以上30質量%以下である、
親水化処理剤に関する。
R1〜R3:同一又は異なって、水素原子又は炭素数1もしくは2のアルキル基
R4:炭素数1以上22以下の炭化水素基
Y1:O又はNR11であり、R11は水素原子又は炭素数1以上4以下の炭化水素基
を示す。〕
R5〜R7:同一又は異なって、水素原子又は炭素数1もしくは2のアルキル基
R8:炭素数1以上4以下のアルキレン基
R9、R10:同一又は異なって、炭素数1以上4以下の炭化水素基
X1:O又はNR11であり、R11は水素原子又は炭素数1以上4以下の炭化水素基
X2:水酸基を有してもよい炭素数2以上4以下のアルキレン基を示す。〕
本発明の親水化処理剤は、特定のブロック重合体からなる。以下、ブロック重合体という場合は、特記しない限り、本発明の親水化処理剤となるブロック重合体を指す。ブロック重合体は、一般式(1)で表される構成単位からなる重合体セグメントAと一般式(1)で表される構成単位及び一般式(2)で表される構成単位からなるランダム重合体セグメントBを有し、重合体中の重合体セグメントAの含有量が2質量%以上14質量%以下、重合体セグメントB中の一般式(1)で表される構成単位の含有量が、5質量%以上30質量%以下である。本発明に係る重合体は、重合体セグメントAという一群のまとまった部分と、これとは異なる重合体セグメントBという一群のまとまった部分とを有するため、本発明では、このような重合体をブロック重合体と表現している。
(重合体セグメントAの含有量)
ブロック重合体中の重合体セグメントAの含有量は、吸着量を向上させる観点から、2質量%以上であり、好ましくは4質量%以上、より好ましくは4.5質量%以上であり、接触角を低減させる観点及び溶解性を向上させる観点から、14質量%以下であり、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下、さらに好ましくは7質量%以下であり、吸着量を向上させる観点から、さらに好ましくは6.5質量%以下、よりさらに好ましくは5.5質量%以下である。
重合体セグメントAは吸着量を向上させる観点から、一般式(1)で表される構成単位からなる。
R1〜R3:同一又は異なって、水素原子又は炭素数1もしくは2のアルキル基
R4:炭素数1以上22以下の炭化水素基
Y1:O又はNR11であり、R11は水素原子又は炭素数1以上4以下の炭化水素基
を示す。〕
一般式(1)で表される構成単位は、下記一般式(1’)で表される不飽和単量体(以下、不飽和単量体aともいう)を重合することにより誘導される構成単位であり、一般式(1)及び一般式(1’)中におけるR1、R2、R3、R4及びY1は、すべて同義である。
(重合体セグメントBの含有量)
ブロック重合体中の重合体セグメントBの含有量は、接触角を低減させる観点及び溶解性を向上させる観点から、86質量%以上であり、好ましくは90質量%以上、より好ましくは92質量%以上、さらに好ましくは93質量%以上であり、吸着量を向上させる観点から、さらに好ましくは93.5質量%以上、よりさらに好ましくは94.5質量%以上であり、吸着量を向上させる観点から、98質量%以下であり、好ましくは96質量%以下、より好ましくは95.5質量%以下である。
重合体セグメントBは、接触角を低下させる観点、吸着性及び溶解性を向上する観点、適度な動摩擦係数を付与する観点から、前記一般式(1)で表される構成単位及び下記一般式(2)で表される構成単位からなるランダム重合体セグメントである。
R5〜R7:同一又は異なって、水素原子又は炭素数1もしくは2のアルキル基
R8:炭素数1以上4以下のアルキレン基
R9、R10:同一又は異なって、炭素数1以上4以下の炭化水素基
X1:O又はNR12であり、R12は水素原子又は炭素数1以上4以下の炭化水素基
X2:水酸基を有してもよい炭素数2以上4以下のアルキレン基
を示す。〕
ブロック重合体の重量平均分子量は、接触角を低下させる観点、吸着性及び溶解性を向上する観点、適度な動摩擦係数を付与する観点から、好ましくは20000以上、より好ましくは50000以上、さらに好ましくは70000以上であり、よりさらに好ましくは90000以上、配合性の観点及び溶解性を向上させる観点から、好ましくは220000以下、より好ましくは200000以下、さらに好ましくは150000以下、よりさらに好ましくは130000以下である。この重量平均分子量は、実施例に記載の方法で測定することができる。
本発明において使用される重合体セグメントAの製造方法は、特に制限されず、公知の方法により製造することができるが、たとえば、モノマーをリビング重合又は連鎖移動で重合させ、ブロック重合体とすることができる。リビング重合としてはリビングラジカル重合、リビングアニオン重合、リビングカチオン重合等が挙げられる。リビングラジカル重合法としては、原子移動ラジカル重合(ATRP)法、ヨウ素移動ラジカル重合法、ニトロキシラジカルを用いる重合(NMP)法、可逆的付加開裂連鎖移動重合(RAFT)法、可逆連鎖移動触媒重合(RTCP)法、可逆的錯体形成媒介重合(RCMP)法等を用いることができ、触媒の入手性、重合制御の観点から、ATRP法、RAFT法、RTCP法、RCMP法が好ましい。ATRP法については、Chemical Reviews,2001、101、2921−2990に記載されている。RAFT法については、文献Chemical Reviews,2009、109、5402−5436に記載されている。RTCP法については、特許文献WO2010/027093に記載されている。RCMP法については、特許文献WO2011/016166に記載されている。
R8:炭素数1以上4以下のアルキレン基
R9、R10:同一又は異なって、炭素数1以上4以下の炭化水素基
X1:O又はNR12であり、R12は水素原子又は炭素数1以上4以下の炭化水素基
を示す。〕
R1〜R3:同一又は異なって、水素原子又は炭素数1もしくは2のアルキル基
R4:炭素数1以上22以下の炭化水素基
Y1:O又はNR11であり、R11は水素原子又は炭素数1以上4以下の炭化水素基
を示す。〕
R8:炭素数1以上4以下のアルキレン基
R9、R10:同一又は異なって、炭素数1以上4以下の炭化水素基
X1:O又はNR12であり、R12は水素原子又は炭素数1以上4以下の炭化水素基
を示す。〕
工程3:工程2で得られた重合体と、下記一般式(B1)で表される化合物又は下記一般式(B2)で表される化合物とを反応させて、ブロック重合体を得る工程。
(式中、ZはCl又はBr、X2は水酸基を有してもよい炭素数2以上4以下のアルキレン基、MはNa又はKを表す。)
一般式(2’)で表される不飽和単量体としては、具体的には、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピル、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
本発明の親水化処理剤組成物は、本発明の親水化処理剤及び水を含有する。親水化処理剤は1種又は2種以上を用いることができる。
親水化処理剤組成物中の親水化処理剤の含有量は、親水化処理剤組成物の接触角を低下する観点から、0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上であり、増粘により均一な処理が抑制され、接触角が高くなるのを防止する観点から、好ましくは5質量%以下、より好ましくは1.0質量%以下である。
本発明の親水化処理剤組成物は、親水化処理剤組成物の接触角低下性能を向上する観点から、界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤を用いることにより、親水化処理剤組成物が固体表面に濡れ広がりやすくなり、接触角低下性能が向上する。また、固体表面に汚れ物質、特に疎水性の高い例えば油性の汚れ物質が付着している場合には、界面活性剤を用いることにより、界面活性剤により疎水性の高い汚れ物質が除去され、固体表面の接触角低下性能が向上する。親水化処理剤組成物中の界面活性剤の含有量は、親水化処理剤組成物の接触角を低下する観点から、0.01質量%以上、より好ましく0.03質量%以上であり、ブロック重合体の固体表面への吸着が阻害され、接触角低下性能が低下するのを防止する観点から、好ましくは30質量%以下、好ましくは20質量%以下である。さらに抑泡の観点から、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%未満、さらに好ましくは0.3質量%以下、よりさらに好ましくは0.1質量%以下である。
陰イオン性界面活性剤としては、疎水性部位を有する硫酸エステル塩、スルホン酸塩、カルボン酸塩、リン酸エステル塩、及びアミノ酸塩から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。具体的には、アルキル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩等の疎水性部位を有する硫酸エステル塩;スルホコハク酸アルキルエステル塩、ポリオキシアルキレンスルホコハク酸アルキルエステル塩、アルカンスルホン酸塩、内部オレフィンスルホン酸塩、アシルイセチオネート、アシルメチルタウレート等の疎水性部位を有するスルホン酸塩;炭素数8以上16以下の高級脂肪酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸塩等の疎水性部位を有するカルボン酸塩;アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩等の疎水性部位を有するリン酸エステル塩;アシルグルタミン酸塩、アラニン誘導体、グリシン誘導体、アルギニン誘導体等の疎水性部位を有するアミノ酸塩等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(硬化)ヒマシ油等のポリエチレングリコール型非イオン性界面活性剤と、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリンアルキルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、アルキルグリコシド等の多価アルコール型非イオン性界面活性剤及び脂肪酸アルカノールアミド等が挙げられる。これらの非イオン性界面活性剤の中では、親水化処理剤組成物の接触角低下性能を向上させる観点から、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、脂肪酸アルカノールアミド、及びアルキルグリコシドから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、ポリオキシエチレンアルキルエーテル及びアルキルグルコシドから選ばれる1種又は2種以上がより好ましい。
両性界面活性剤としては、イミダゾリン系ベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン、スルホベタイン等のベタイン系界面活性剤、及びアルキルジメチルアミンオキサイド等のアミンオキサイド型界面活性剤等が挙げられる。これらの両性界面活性剤の中では、親水化処理剤組成物の接触角低下性能を向上させる観点から、イミダゾリン系ベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン、及びアルキルヒドロキシスルホベタインから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、ラウリン酸アミドプロピル−N,N−ジメチル−酢酸ベタイン等の脂肪酸アミドプロピルベタインがより好ましい。
陽イオン性界面活性剤としては、アミド基、エステル基又はエーテル基で分断されていてもよい炭素数12以上28以下、好ましくは炭素数16以上22以下の炭化水素基を有する第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、又は3級アミンの鉱酸又は有機酸の塩が挙げられる。具体的には、セチルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、ベヘニルトリメチルアンモニウム塩、オクダデシロキシプロピルトリメチルアンモニウム塩等の長鎖アルキルトリメチルアンモニウム塩;ステアリルジメチルベンジルアンモニウム塩等の長鎖アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩;ジステアリルジメチルアンモニウム塩、ジイソテトラデシルジメチルアンモニウム塩等のジ長鎖アルキルジメチルアンモニウム塩;ステアリルジメチルアミン、ベヘニルジメチルアミン、オクタデシロキシプロピルジメチルアミンの酸塩等のモノ長鎖アルキルジメチルアミン塩が挙げられる。これらの陽イオン性界面活性剤の中では、親水化処理剤組成物の接触角低下性能を向上させる観点から、長鎖アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩が好ましい。
本発明の親水化処理剤組成物には、本発明の目的を阻害しない範囲で、シュウ酸、マレイン酸、クエン酸、アジピン酸、セバシン酸、リンゴ酸、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸等の多価カルボン酸;ポリ2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ポリp−スチレンスルホン酸等のスルホン酸;エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等の溶剤;NaCl等の親水化処理剤の水への溶解性を向上させる塩;トルエンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、尿素等の可溶化剤;粘土鉱物、水溶性高分子化合物等の粘度調整剤(但し、本発明に係るブロック重合体を除く);方解石、珪石、リン酸カルシウム、ゼオライト、炭酸カルシウム、ポリエチレン、ナイロン、ポリスチレン等の水不溶性研磨剤;グリセリン、ソルビトール等の保湿剤;カチオン化セルロース等の感触向上剤(但し、本発明に係るブロック重合体を除く);炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウム等のアルカリビルダー;酵素、色素、香料、防腐・防かび剤等を添加することができる。
本発明の親水化処理剤組成物は、ブロック重合体、水及び必要に応じて前述した界面活性剤や多価有機酸等のその他の成分を加えて、公知の方法により攪拌、混合することにより得ることができる。親水化処理剤組成物は、固体表面の種類や処理目的に応じて、適宜組成割合を調整することができる。また、濃厚溶液を調製しておき、使用時に希釈して用いることもできる。
本発明の固体表面の親水化処理方法は、固体表面を本発明の親水化処理剤組成物に接触させる。
ここで「固体表面」の「固体」とは、特に制限はなく、ガラス、陶器、磁器、琺瑯、タイル、セラミックス;アルミニウム、ステンレス、真鍮等の金属;ポリエチレン、ポリプロピレン、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ABS樹脂、FRP等の合成樹脂;木綿、絹、羊毛等の天然繊維;ポリエステル、ナイロン、レーヨン等の合成繊維;毛髪、爪、歯等の固体を意味する。
本発明方法を適用しうる好適な固体表面としては、疎水性硬質表面、更にセラミックス、金属、合成樹脂から選ばれる1種又は2種以上の疎水性硬質表面が挙げられる。ここで、疎水性硬質表面とは、水に対する静止接触角が70°以上であることを意味し、処理後の硬質表面とは70°未満であることを意味する。なお、静止接触角は、実施例に記載の方法で測定することができる。
また、親水化処理剤組成物は、取扱いの安定性の観点から、水溶液であることが好ましい。
(i)親水化処理剤組成物に固体を浸漬させる方法
(ii)親水化処理剤組成物を固体表面に噴霧又は塗布する方法
(iii)親水化処理剤組成物で常法に従い固体表面を洗浄する方法
固体表面を親水化処理剤組成物で表面処理する温度は、接触角を低下する観点、溶解及び吸着性を向上する観点、適度な動摩擦係数を付与する観点、処理方法の容易性の観点から、好ましくは5℃以上、より好ましくは10℃以上、更に好ましくは15℃以上であり、好ましくは50℃以下、より好ましくは40℃以下、更に好ましくは30℃以下である。
前記(i)の方法において、浸漬する時間は、同様の観点から、好ましくは0.5分以上、より好ましくは1分以上であり、好ましくは60分以下、より好ましくは50分以下である。
前記(ii)の方法において、親水化処理剤組成物を固体表面に噴霧又は塗布する方法は、硬質表面の広さ(面積)等に応じて適宜選択できる。親水化処理剤組成物を固体表面にスプレー等で噴霧した後、乾燥する方法が好ましい。必要に応じて、噴霧した後、水ですすいでもよい。また、噴霧した後、スポンジ等を用いて薄く塗りのばしてもよい。
固体表面に噴霧又は塗布する親水化処理剤組成物の量は、例えば、ブロック重合体の含有量が0.5質量%の親水化処理剤組成物の場合、好ましくは10cm2あたり0.01mL以上0.1mL以下である。
前記(iii)の方法において、ブロック重合体及び界面活性剤を含有する洗浄剤組成物の形態で使用し、固体表面と接触させることが好ましい。かかる洗浄剤組成物の形態とする場合、取扱いの安全性、及び固体表面の損傷防止の観点から、そのpHは4以上が好ましく、そして、10以下、更に8以下が好ましい。
界面活性剤としては、前述したものを使用することができる。
また、本発明の親水化処理剤組成物により親水化処理された固体表面は、本発明の効果を高める観点から、均一に処理されていることが好ましい。親水化処理の均一性は、処理後の固体表面を目視で観察することにより判断できる。
ゲル浸透クロマトグラフィー(ポリスチレン換算)で測定した。
カラム:K-804L(昭和電工(株)製)を2本直列に連結して使用した。
カラム温度:40℃
溶離液:1mmol/Lジメチルラウリルアミン/CHCl3(ジメチルラウリルアミン:ファーミンDM2098:花王(株)製)
流量:1.0ml/分
検出器:示差屈折率計
SLS(静的光散乱法)による分子量測定を行った。重量平均分子量(Mw)は光散乱光度計「DLS−7000」(大塚電子(株)製)を用いて、下記の条件で静的光散乱を測定し、Zimm−plotを作製することで算出した。また、分子量の算出に必要な屈折率増分は、示差屈折率計「DRM3000」(大塚電子(株)製)を用いて測定した。
波長:632.8nm(ヘリウム−ネオンレーザー)
散乱角:30°から150°まで10°おきに測定した。
平均温度:25℃
溶媒:2,2,2−トリフルオロエタノール
前記(1)及び(2)で求めた重合体セグメントAの重量平均分子量、ブロック重合体の重量平均分子量を用いて、下記の式より求めた。
ブロック重合体中の重合体セグメントAの含有量(%)=重合体セグメントAの重量平均分子量/ブロック重合体の重量平均分子量×100
工程2の反応溶液を、ガスクロマトグラフ(GC)6850(Agilent社製)を用いて、溶媒であるアニソールのピークの積分値に対する、一般式(1)で表される構成単位の単量体のピークの積分値と一般式(2)で表される構成単位の単量体のピークの積分値の比率から反応率を測定した。これらより重合体セグメントB中の一般式(1)で表される構成単位の含有量を求めた。
検出器:FID
カラム:DB−1
温度(オーブン):50−200℃、10℃/min
注入口 温度:200℃
スプリット比:50:1
ガスタイプ:ヘリウム
検出器 温度:250℃
H2流量:40.0ml/min
Air流量:400.0ml/min
合計流量:45.0ml/min
アクリル酸n−ブチル(和光純薬工業(株)製)
メタクリル酸n−ブチル(和光純薬工業(株)製)
メタクリル酸−2−(ジメチルアミノ)エチル(和光純薬工業(株)製)
ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(KJケミカルズ(株)製)
N,N−ジメチル−N−(3−スルホナトプロピル)−2−(メタクリロイルオキシ)エタン−1−アミニウム(シグマアルドリッチ製)
(工程1)
ナスフラスコにメタクリル酸n−ブチル40.00g、2‐ブロモイソ酪酸エチル1.097g(東京化成工業(株)製)、4,4’−ジノニル−2,2’−ジピリジル(シグマアルドリッチ製)3.45g、アニソール60.00gを入れ、15分間窒素バブリングを行ない、モノマー溶液を調製した。次に、別のナスフラスコにスターラーチップ、塩化銅(I)(和光純薬工業(株)製)0.278g、塩化銅(II)(和光純薬工業(株)製)0.189gを入れ、窒素置換した後、モノマー溶液を添加した。10分間窒素バブリングを行った後、70℃に加熱した。320分間反応させた後、反応溶液を空気にさらしながら氷冷し、重合を終了した。次いで、水400mL、メタノール1200mLの混合液に撹拌しながら反応溶液を滴下し、重合体を析出させ、デカンテーション、乾燥を行い、重合体セグメントAを構成する重合体(重合体A)を得た。
次にナスフラスコにメタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル14.00g、メタクリル酸n−ブチル1.60g、工程1で得られた重合体A0.946g、1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラミン(シグマアルドリッチ製)0.081g、アニソール21.00gを入れ、15分間窒素バブリングを行ない、モノマー溶液を調製した。次に、別のナスフラスコにスターラーチップ、塩化銅(I)0.035gを入れ、窒素置換した後、モノマー溶液を添加した。10分間窒素バブリングを行った後、70℃に加熱した。840分間反応させた後、反応溶液を空気にさらしながら氷冷し、重合を終了した。次いで、活性アルミナカラム処理により銅錯体を除去後、ヘキサン1Lに撹拌しながら重合体溶液を滴下し、重合体を析出させ、デカンテーション、乾燥を行い、重合体セグメントA及び重合体セグメントB’を有する重合体(重合体A−B’)を得た。
ナスフラスコに工程2で得られた重合体A−B’3.00g、2,2,2−トリフルオロエタノール(シグマアルドリッチ製)12.00gを入れ重合体を溶解させた。50℃に加熱しながら1,3−プロパンスルトン(和光純薬工業(株)製)2.33gを滴下した。5時間反応させた後冷却した。メタノール500mLに撹拌しながら、反応溶液を滴下して重合体を析出させ、ろ過、乾燥を行って重合体(ポリマーP1)の固体を得た。
製造例1の工程2において、重合体Aを0.932g、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチルを12.00g、メタクリル酸n−ブチルの量を3.16gとし、工程3において1,3−プロパンスルトンの量を2.04gとした以外は製造例1と同様に行い、ポリマーP2を得た。
製造例1の工程2において、重合体Aを1.08g、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチルを12.00g、メタクリル酸n−ブチルを5.43gとし、工程3において1,3−プロパンスルトンの量を1.84gとした以外は製造例1と同様に行いポリマーP3を得た。
製造例3において工程3を下記のように行った以外は製造例3と同様に行い、ポリマーP4を得た。
(工程3)
ナスフラスコに重合体A−B’3.00g,2,2,2−トリフルオロエタノール12.00g、イオン交換水6.00g、3−クロロ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸ナトリウム(シグマアルドリッチ製)2.66gを入れた。80℃に加熱して、16時間反応させた。続いて、3−クロロ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸ナトリウム(シグマアルドリッチ製)0.48g、炭酸水素ナトリウム0.21g(和光純薬工業(株)製)を入れ10時間反応させ、冷却した。メタノール500mLに撹拌しながら反応溶液を滴下して重合体を析出させ、ろ過、乾燥を行ってポリマーP4を得た。
(工程1)
ナスフラスコにメタクリル酸メチル(和光純薬工業(株)製)7.15g、ヨウ素0.91g(和光純薬工業(株)製)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(和光純薬工業(株)製)1.37g、エタノール7.15gを入れ、20分間窒素バブリングを行なった。70℃に加熱し310分間反応させた。
別途ナスフラスコ中に、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル78.56g、メタクリル酸メチル14.30g、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.17g、エタノール92.85gを入れ20分間窒素バブリングを行なった溶液を工程1の反応溶液に加え、70℃にて、300分間反応させた。反応させた溶液を80℃で減圧乾燥させ重合体A−B’を得た。
ナスフラスコに工程2で得られた重合体A−B’3.00g、2,2,2−トリフルオロエタノール 12.00g、イオン交換水6g、3−クロロ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸ナトリウム3.00gを入れた。80℃に加熱して、16時間反応させた。続いて、3−クロロ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸ナトリウム0.59g、炭酸水素ナトリウム0.25gを入れ10時間反応させ、冷却した。減圧乾燥により重合体(ポリマーP5)の固体を得た。
製造例5の工程1において、メタクリル酸メチルを7.45gとし、工程2において、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチルを70.20g、メタクリル酸メチルを22.35gとし、工程3において分割して添加する3−クロロ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸ナトリウムをそれぞれ2.89g、0.53gとした以外は製造例5と同様に行い、ポリマーP6を得た。
製造例5の工程1においてヨウ素を0.49g、メタクリル酸メチルを7.78g、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)を0.90gとし、工程2において、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチルを61.09g、メタクリル酸メチルを31.13g、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)を0.11gとし、工程3において分割して添加する3−クロロ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸ナトリウムをそれぞれ2.52g、0.46gとした以外は製造例5と同様に行い、ポリマーP7を得た。
製造例5の工程1においてヨウ素を0.74g、メタクリル酸メチルを5.84g、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)を1.12g、工程2において、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチルを91.64g、これと混合するメタクリル酸メチルを52.57gとし、工程3において分割して添加する3−クロロ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸ナトリウムをそれぞれ2.52g、0.46gとした以外は製造例5と同様に行い、ポリマーP8を得た。
製造例5の工程1においてヨウ素を0.98g、メタクリル酸メチルを7.78g、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)を1.49gとし、工程2においてメタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチルを61.09g、メタクリル酸メチルを31.13g、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)を0.19gとし、工程3において分割して添加する3−クロロ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸ナトリウムをそれぞれ2.52g、0.46gとした以外は製造例5と同様に行い、ポリマーP9を得た。
(工程1)
ナスフラスコにアクリル酸n−ブチル60.00g、2−ブロモイソトリチオ炭酸ビス{4−[エチル−(2−ヒドロキシエチル)カルバモイル]ベンジル}(和光純薬工業(株)製)2.438g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(和光純薬工業(株)製)0.077g、ジメチルホルムアミド90.00gを入れ、15分間窒素バブリングを行なった後、65℃に加熱した。60分間反応させた後、反応溶液を空気にさらしながら氷冷し、重合を終了した。次いで、水400mL、メタノール1200mLの混合液に撹拌しながら反応溶液を滴下し、重合体を析出させ、デカンテーション、乾燥を行い、重合体セグメントAを構成する重合体(重合体A)を得た。
次にナスフラスコにジメチルアミノプロピルアクリルアミド20.00g、アクリル酸n−ブチル7.36g、上記重合体1.93g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.015g、メチルエチルケトン30.0gを入れ、20分間窒素バブリングを行なった。65℃に加熱し80分間反応させた後、反応溶液を氷冷し重合を終了した。次いで、ヘキサン1Lに撹拌しながら重合体溶液を滴下し、重合体を析出させ、デカンテーション、乾燥を行い、重合体セグメントA及び重合体セグメントB’を有する重合体(重合体A−B’−A)を得た。
ナスフラスコに工程2で得られた重合体A−B’−A3.00g、2,2,2−トリフルオロエタノール12.00gを入れ重合体を溶解させた。50℃に加熱しながら1,3−プロパンスルトン1.81gを滴下した。5時間反応させた後冷却し、メタノール500mLを撹拌しながら、重合体溶液を滴下して重合体を析出させ、ろ過、乾燥により重合体(ポリマーP10)の固体を得た。
製造例10において工程3を下記のように行った以外は製造例10と同様に行い、ポリマーP11を得た。
(工程3)
ナスフラスコに工程2で得られた重合体A−B’−A3.00g,2,2,2−トリフルオロエタノール12.0g、イオン交換水6.00g、3−クロロ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸ナトリウム1.94gを入れた。80℃に加熱して、16時間反応させた。続いて、3−クロロ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸ナトリウム0.51g、炭酸水素ナトリウム0.21gを入れ10時間反応させ、冷却した。メタノール500mLに撹拌しながら反応溶液を滴下して重合体を析出させ、ろ過、乾燥を行って重合体(ポリマーP11)の固体を得た。
(工程1)
ナスフラスコにメタクリル酸n−ブチル80.00g、ビス(2−ブロモイソ酪酸)エチレン0.380g(シグマアルドリッチ製)、4,4−ジノニル2,2−ビピリジン(シグマアルドリッチ製)0.647g、アニソール22.5gを入れ、15分間窒素バブリングを行ない、モノマー溶液を調製した。次に、別のナスフラスコにスターラーチップ、塩化銅(I)0.052g、塩化銅(II)0.035gを入れ、窒素置換した後、モノマー溶液を添加した。10分間窒素バブリングを行った後、70℃に加熱した。240分間反応させた後、反応溶液を空気にさらしながら氷冷し、重合を終了した。次いで、水1200mL、メタノール1200mLの混合液に撹拌下で重合溶液を滴下し、重合体を析出させ、デカンテーション、乾燥により重合体を得た。
ナスフラスコにメタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル12.00g、メタクリル酸n−ブチル5.43g、工程1で得られた重合体0.824g、1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラミン0.110g、アニソール28.2gを入れ、15分間窒素バブリングを行ない、モノマー溶液を調製した。次に、別のナスフラスコにスターラーチップ、塩化銅(I)0.047gを入れ、窒素置換した後、モノマー溶液を添加した。10分間窒素バブリングを行った後、70℃に加熱した。120分間反応させた後、反応溶液を空気にさらしながら氷冷し、重合を終了した。次いで、活性アルミナカラム処理により銅錯体を除去後、ヘキサン1Lに撹拌下で重合体溶液を滴下し、重合体を析出させ、デカンテーション、乾燥により重合体セグメントA及び重合体セグメントB’を有する重合体(重合体B’−A−B’)を得た。
ナスフラスコに工程2で得られた重合体B’−A−B’2.00g、2,2,2−トリフルオロエタノール8.00gを入れ重合体を溶解させた。50℃に加熱しながら1,3−プロパンスルトン1.82gを滴下した。5時間反応させた後冷却した。メタノール500mLに、撹拌下で反応溶液を滴下して重合体を析出させ、ろ過、乾燥により重合体(ポリマーP12)の固体を得た。
製造例12において工程3を下記のように行った以外は製造例12と同様に行い、ポリマーP13を得た。
(工程3)
ナスフラスコに工程2で得られた重合体B’−A−B’2.00g、2,2,2−トリフルオロエタノール8.00g、イオン交換水4.00g、3−クロロ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸ナトリウム2.03gを入れた。80℃に加熱した。16時間反応させた。続いて、3−クロロ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸ナトリウム0.40g、炭酸水素ナトリウム0.25gを入れ10時間反応後後冷却し、メタノール500mLに撹拌下で反応溶液を滴下してポリマーを析出させ、ろ過、乾燥により重合体(ポリマーP13)の固体を得た。
製造例1の工程2において、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチルを30.00g、工程1で得た重合体を1.73g、塩化銅(I)を0.126g使用し、メタクリル酸n−ブチルを使わず、反応時間を5時間とした以外は製造例1と同様に行い、重合体(ポリマーQ1)の固体を得た。
製造例1の工程1において、メタクリル酸n−ブチルを80.00g、4,4’−ジノニル−2,2’−ジピリジルに替えて1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラミン1.56g、アニソールを80g、塩化銅(I)を0.446g、塩化銅(II)を0.303gとし、工程2において、重合体Aを0.284g、工程3において1,3−プロパンスルトンの量を2.12gとした以外は製造例1と同様に行いポリマーQ2を得た。
製造例1の工程2において、重合体Aを0.280g、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチルを5.03g、メタクリル酸n−ブチルを9.67gとした以外は製造例1と同様に行いポリマーQ3を得た。
冷却還流管、温度計、窒素導入管及び撹拌装置を取り付けたセパラブルフラスコに、N,N−ジメチル−N−(3−スルホナトプロピル)−2−(メタクリロイルオキシ)エタン−1−アミニウム28.39g、メタクリル酸n−ブチル1.61g、2,2,2−トリフルオロエタノール67.48gを入れ、均一に混合し窒素雰囲気下で30分間攪拌した。この溶液を約70℃まで昇温した後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.28g、2,2,2−トリフルオロエタノール2.52gを加え、6時間反応を行った。次いで、メタノール4Lに撹拌しながら反応溶液を滴下し、重合体を析出させ、ろ過、乾燥によりポリマーR1の固体を得た。
ポリマーP1〜P13、ポリマーQ1〜Q3及びポリマーR1(以下の配合では、これらをまとめて試験ポリマーとした)を用いて、下記に示す組成の親水化処理剤組成物を調製し、実施例1〜13、比較例1〜4の親水化処理剤組成物を得た。具体的には、下記に記載の配合量にしたがって各成分を配合し、25℃で30分間撹拌して親水化処理剤組成物を製造した。下記に記載の成分の配合量については、それぞれの有効分としての配合量を示す。
(質量%)
試験ポリマー 0.1
ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸アンモニウム(*) 0.03
ジエチレングリコールモノブチルエーテル(**) 2.5
イオン交換水 残部
(合計) 100
(*)ES−125A;花王株式会社製 有効分 25%
(**)BDG−NS;日本乳化剤株式会社製 有効分 99.71%
試験例1(接触角の測定)
予め清浄にしたテストピース「塩化ビニルテストピース」((株)エンジニアリングテストサービス製、材質:硬質ポリ塩化ビニル、25mm×75mm)を水平に固定し、親水化処理剤組成物1mLを滴下して5分間静置した後、イオン交換水約200mLの流水によりすすぎ、風乾した。
このテストピースの処理部分表面のイオン交換水に対する静止接触角を、自動接触角計「DM−500」(協和界面科学株式会社製)を用いて、試料の添加量を10μLとし、添加6秒後に測定した。測定は、2枚のテストピースを用いて、1枚のテストピース当たり5回行い、10回の測定値の平均値を用いた。接触角が小さいほど、接触角低下性能に優れている事を示す。
なお、処理前のテストピースの静止接触角は、85°であった。
各親水化処理剤組成物の吸着量を測定した。疎水表面へのポリマーの吸着量を水晶振動子マイクロバランス(QCM)測定装置(AFFINIX社製)にて測定した。測定法は以下の通りである。
1mMオクタデカンチオール溶液で処理したQCM測定用金基板を得た。QCM測定用金基板を備えた測定用器に純水720μLを加えて振動数を安定化させた。ここに親水化処理剤組成物を80μL加え、振動数変化を測定した。振動数変化の値から表面への吸着量を以下の式にて算出した。
吸着量[mg/m2]=ΔF×0.03/4.9
(ΔF:親水化処理剤組成物添加前後での振動数変化[Hz])
各親水化処理剤組成物の透過率を測定した。紫外可視分光光度計「UV−2550」(島津製作所製)にて、25℃における波長600nmの光の透過率を測定し、親水化処理剤のポリマー未添加の組成物の透過率を100%とした時の相対透過率を求めた。透過率が大きいほど、親水化処理剤の溶解性又は分散性に優れていることを示す。
各親水化処理剤組成物の動摩擦係数を測定した。動摩擦係数の測定は表面性試験機(HEIDON−14D:新東化学(株)製)を用いて測定を行った。摩擦子は豚皮を用い、測定面積は1cm2である。試験例1と同様の方法で処理したテストピースと摩擦子を水に5分浸漬した後に水中で動摩擦係数の測定を行った。垂直荷重は100g、測定速度は100mm/minであった。動摩擦係数が大きいほど、すべりの抑制に優れていることを示す。
Claims (8)
- 重合体セグメントAと重合体セグメントBとを有するブロック重合体からなる親水化処理剤であって、
重合体セグメントAが、一般式(1)で表される構成単位からなるブロック重合体セグメントであり、
重合体セグメントBが、一般式(1)で表される構成単位及び一般式(2)で表される構成単位からなるランダム重合体セグメントであり、
ブロック重合体中の重合体セグメントAの含有量が2質量%以上14質量%以下であり、
重合体セグメントB中の一般式(1)で表される構成単位の含有量が、5質量%以上30質量%以下である、
親水化処理剤。
〔式中、
R1〜R3:同一又は異なって、水素原子又は炭素数1もしくは2のアルキル基
R4:炭素数1以上22以下の炭化水素基
Y1:O又はNR11であり、R11は水素原子又は炭素数1以上4以下の炭化水素基
を示す。〕
〔式中、
R5〜R7:同一又は異なって、水素原子又は炭素数1もしくは2のアルキル基
R8:炭素数1以上4以下のアルキレン基
R9、R10:同一又は異なって、炭素数1以上4以下の炭化水素基
X1:O又はNR11であり、R11は水素原子又は炭素数1以上4以下の炭化水素基
X2:水酸基を有してもよい炭素数2以上4以下のアルキレン基を示す。〕 - ブロック重合体の重量平均分子量が20000以上220000以下である請求項1に記載の親水化処理剤。
- ブロック重合体が、重合体セグメントAと重合体セグメントBからなる、請求項1又は2に記載の親水化処理剤。
- ブロック重合体が、重合体セグメントAをA、重合体セグメントBをBで表して、A−B、A−B−A、B−A−Bのいずれかの構造を有する、請求項1〜3の何れか1項記載の親水化処理剤。
- ブロック重合体が、重合体セグメントAと重合体セグメントBの前駆重合体セグメントであってアミノ基を有する重合体セグメントB’とを有するブロック重合体を4級化することにより得られるブロック重合体である、請求項1〜4のいずれかに記載の親水化処理剤。
- ブロック重合体が、下記工程1〜工程3を含む製造方法により得られるブロック重合体である、請求項1〜5のいずれかに記載の親水化処理剤。
工程1:下記一般式(1’)で表される不飽和単量体を重合し重合体Aを得る工程。
工程2:重合体Aの存在下、下記一般式(1’)で表される不飽和単量体及び、下記一般式(2’)で表される不飽和単量体をランダムに重合させてセグメントB’を含むブロック重合体を得る工程。
〔式中、
R1〜R3:同一又は異なって、水素原子又は炭素数1もしくは2のアルキル基
R4:炭素数1以上22以下の炭化水素基
Y1:O又はNR11であり、R11は水素原子又は炭素数1以上4以下の炭化水素基
を示す。〕
〔式中、
R5〜R7:同一又は異なって、水素原子又は炭素数1もしくは2のアルキル基
R8:炭素数1以上4以下のアルキレン基
R9、R10:同一又は異なって、炭素数1以上4以下の炭化水素基
X1:O又はNR12であり、R12は水素原子又は炭素数1以上4以下の炭化水素基
を示す。〕
工程3:工程2で得られた重合体と、下記一般式(B1)で表される化合物又は下記一般式(B2)で表される化合物とを反応させて、ブロック重合体を得る工程。
Z−X2−SO3M (B2)
(式中、ZはCl又はBr、X2は水酸基を有してもよい炭素数2以上4以下のアルキレン基、MはNa又はKを表す。) - 請求項1〜6のいずれか1項に記載の親水化処理剤と水を含有する親水化処理剤組成物。
- 更に界面活性剤を含有する、請求項7に記載の親水化処理剤組成物。
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