JP2015105314A - 親水化処理剤 - Google Patents

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Hirokazu Zushi
紘和 圖司
由次 境原
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由次 境原
正洋 藤岡
Masahiro Fujioka
正洋 藤岡
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Abstract

【課題】優れた親水化能力を発揮する親水化処理剤及びそれを含有する親水化処理剤組成物を提供する。【解決手段】疎水性不飽和単量体由来の繰返し単位を含む不飽和単量体由来の重合体セグメントAと、カルボベタイン基を有する不飽和単量体由来の繰返し単位を含む不飽和単量体由来の重合体セグメントBとを有し、重合体セグメントAの含有量が0.05質量%以上、75質量%以下であるブロック重合体A、からなる親水化処理剤。【選択図】なし

Description

本発明は、親水化処理剤及び親水化処理剤組成物に関する。
従来、固体表面に防汚性を付与する方法としては、撥水化処理と親水化処理の相異なる方法が知られている。
撥水化処理は、ガラス、金属、繊維等の固体表面に撥水性を持たせる表面処理を行い、水に含まれる汚れを付着させないようにする技術である。例えば、衣類を洗濯後、柔軟仕上げ剤で処理したり、スキーウェア等に撥水剤をスプレーして防水効果を持たせたり、自動車の塗装面をワックス掛けしたりすることが広く行われている。
しかしながら、撥水化処理では、表面を完全に撥水化させることは難しく、度重なる水との接触により、水に含まれる汚れが固体表面に蓄積するため、十分な防汚効果を発揮することが難しい。
一方、固体表面の親水化処理、すなわち、固体表面の水に対する接触角を低下させ、固体表面を水に対して濡れ易くする処理をすると、当該処理後に固体表面に付着した汚れが洗浄時に落ち易くなったり、汚れの再汚染防止効果が期待できる他、ガラス・鏡等の防曇効果、帯電防止、熱交換器のアルミニウムフィンの着霜防止、浴槽及びトイレ表面等の防汚性付与等が期待できる。
固体表面の親水化処理剤及び方法としては、いくつかの提案がなされている。
例えば、特許文献1には、両性高分子電解質を含有する水性防汚組成物が開示されている。特許文献2には、界面活性剤及び特定のポリベタインを含有する洗浄用又は、すすぎ洗い用の組成物が開示されている。特許文献3には、両親媒性ブロックコポリマーを含む組成物を支持体に適用する段階を含み、両新媒性ブロオックコポリマーが特定の構造の親水性ブロックとエチレン性不飽和疎水性モノマーから形成される疎水性ブロックを含有する疎水性支持体の湿潤性/親水性を改良する方法が開示されている。
特開2001−181601号公報 特開2012−25820号公報 特表2009−545642号公報
しかるに、親水化技術を応用した商品は意外なことに少なく、広く一般に普及しているとは言いがたい。これは十分満足できる効果を有する親水化剤がないことに起因している。
本発明は、優れた親水化能力を発揮する親水化処理剤及びそれを含有する親水化処理剤組成物を提供することを課題とする。
本発明は、疎水性不飽和単量体由来の繰返し単位を含む不飽和単量体由来の重合体セグメントAと、カルボベタイン基を有する不飽和単量体由来の繰返し単位を含む不飽和単量体由来の重合体セグメントBとを有し、重合体セグメントAの含有量が0.1質量%以上、75質量%以下であるブロック重合体、からなる親水化処理剤に関する。
また、本発明は、上記本発明の親水化処理剤と水を含有する親水化処理剤組成物に関する。
本発明の親水化処理剤を含有する親水化処理剤組成物は親水化性能(以下、本発明の効果ともいう)に優れる。
<親水化処理剤>
本発明の親水化処理剤は、特定のブロック重合体からなる。
ブロック重合体は、疎水性不飽和単量体由来の繰返し単位を含む不飽和単量体由来の重合体セグメントAと、カルボベタイン基を有する不飽和単量体由来の繰返し単位を含む不飽和単量体由来の重合体セグメントBとを有し、重合体セグメントAの含有量が0.1質量%以上、75質量%以下である。
[重合体セグメントA]
(重合体セグメントAの含有量)
ブロック重合体中の重合体セグメントAの含有量は、親水化処理剤の親水化性能を高める観点から、0.1質量%以上であり、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上であり、同様の観点から、75質量%以下であり、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下、より好ましくは40質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。
(重合体セグメントAの構成)
重合体セグメントAは疎水性不飽和単量体由来の繰返し単位を含む。疎水性不飽和単量体は、親水化処理剤の親水化性能を高める観点から、好ましくは20℃における水100gに対する溶解量が10g以下であり、より好ましくは1g以下であり、さらに好ましくは0.1g以下である。
疎水性不飽和単量体由来の繰返し単位は、親水化処理剤の親水化性能を高める観点から、一般式(1)で表される構成単位が好ましい。
Figure 2015105314
〔式中、
1〜R3:同一又は異なって、水素原子又は炭素数1もしくは2のアルキル基
4:炭素数1以上、22以下の炭化水素基
1:O又はNR11であり、R11は水素原子又は炭素数1以上、4以下の炭化水素基
を示す。〕
一般式(1)で表される構成単位は、下記一般式(1’)で表される不飽和単量体(以下、不飽和単量体aともいう)を重合することにより誘導される構成単位であり、一般式(1)及び一般式(1’)中におけるR1、R2、R3、R4及びY1は、すべて同義である。
Figure 2015105314
式(1)及び式(1’)において、不飽和単量体の入手性の観点、単量体の重合性の観点及び親水化処理剤の親水化性能を高める観点から、R1及びR2は水素原子が好ましい。R3は、同様の観点から、水素原子又はメチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。Y1は、同様の観点から、Oが好ましい。R4は、同様の観点から、炭素数1以上、18以下の炭化水素基が好ましく、炭素数1以上、12以下の炭化水素基がより好ましく、炭素数1以上、7以下の炭化水素基がより好ましい。R4の炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、ベンジル基が挙げられる。R4としては、炭素数1以上、22以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基、ベンジル基が挙げられ、好ましくは炭素数1以上、12以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基、ベンジル基であり、より好ましくは炭素数1以上、6以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、ベンジル基である。
不飽和単量体aとしては、具体的に、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸iso−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸−シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニル及び(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸エステルや、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
不飽和単量体aは、親水化処理剤の親水化性能を高める観点から、好ましくは(メタ)アクリル酸エステルであり、より好ましくは(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸iso−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、及び(メタ)アクリル酸ベンジルから選ばれる1種又は2種以上であり、より好ましくは、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、及び(メタ)アクリル酸n−ブチル、及び(メタ)アクリル酸ベンジルから選ばれる1種又は2種以上である。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、アクリル、メタクリル又はそれらの両方を意味する。
重合体セグメントA中には、本願の効果を損なわない範囲で、不飽和単量体a以外の単量体由来の構成単位を含有してもよい。不飽和単量体a以外の単量体としては、カルボベタイン基を有する不飽和単量体以外の不飽和単量体が好ましく、スチレン等の疎水性不飽和単量体がより好ましい。
重合体セグメントAを構成する不飽和単量体中の不飽和単量体aの含有量は、親水化処理剤の親水化性能を高める観点から、好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上であり、さらに好ましくは90質量%以上であり、よりさらに好ましくは95質量%以上であり、よりさらに好ましくは実質的に100質量%であり、よりさらに好ましくは100質量%である。
なお、実質的に100質量%とは、本発明の重合体セグメントA中に不飽和単量体a由来の繰り返し単位以外の構成単位が不可避的に混入する場合を含む意味である。
重合体セグメントAの重量平均分子量は、親水化処理剤の親水化性能を高める観点から、好ましくは1000以上、より好ましくは2000以上、より好ましくは2500以上であり、配合性(配合物の粘度増加の抑制等)の観点から、好ましくは20000以下、より好ましくは10000以下、より好ましくは5000以下である。この重量平均分子量は、実施例に記載の方法で測定することができる。
[重合体セグメントB]
(重合体セグメントBの構成)
重合体セグメントBはカルボベタイン基を有する不飽和単量体由来の繰返し単位を含む。カルボベタイン基を有する不飽和単量体由来の繰返し単位は、親水化処理剤の親水化性能を高める観点から、一般式(2)で表される構成単位が好ましい。
Figure 2015105314
〔式中、
5〜R7:同一又は異なって、水素原子又は炭素数1もしくは2のアルキル基
8、R9:同一又は異なって、炭素数1以上、4以下の炭化水素基
1:炭素数1以上、4以下のアルキレン基
2:水酸基を有してもよい炭素数1以上、4以下のアルキレン基
を示す。〕
一般式(2)で表される構成単位は、下記一般式(2’)で表される不飽和単量体(以下、不飽和単量体bともいう)を重合することにより誘導される構成単位であり、一般式(2)及び一般式(2’)中におけるR1、R2、R3、R4及びY1は、すべて同義である。
Figure 2015105314
式(2)及び式(2’)において、不飽和単量体の入手性の観点、単量体の重合性の観点及び親水化処理剤の親水化性能を高める観点から、R5及びR6は水素原子が好ましい。R7は、同様の観点から、水素原子又はメチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。R8、R9は、同様の観点から、メチル基、エチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。X1は、同様の観点から、炭素数2又は3のアルキレン基が好ましく、炭素数2のジメチレン基がより好ましい。X2は、同様の観点から、メチレンが好ましい。
重合体セグメントB中には、本願の効果を損なわない範囲で、カルボベタイン基を有する不飽和単量体以外の単量体由来の構成単位を含有してもよい。カルボベタイン基を有する不飽和単量体以外の単量体としては、不飽和単量体a以外の不飽和単量体が好ましく、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、オキシエチレン鎖を有するアクリレート、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド等の親水性不飽和単量体がより好ましい。
重合体セグメントB中のカルボベタイン基を有する不飽和単量体由来の繰返し単位の含有量は、親水化処理剤の親水化性能を高める観点から、好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上であり、さらに好ましくは90質量%以上であり、よりさらに好ましくは95質量%以上であり、よりさらに好ましくは実質的に100質量%であり、よりさらに好ましくは100質量%である。
なお、実質的に100質量%とは、本発明の重合体セグメントB中にカルボベタイン基を有する不飽和単量体由来の繰返し単位以外の構成単位が不可避的に混入する場合を含む意味である。
[ブロック重合体]
ブロック重合体の重量平均分子量は、親水化処理剤の親水化性能を高める観点から、好ましくは3000以上、より好ましくは5500以上、より好ましくは8000以上、より好ましくは10000以上であり、配合性の観点から、好ましくは500000以下、より好ましくは300000以下、より好ましくは200000以下、より好ましくは100000以下、より好ましくは50000以下、より好ましくは30000以下である。この重量平均分子量は、実施例に記載の方法で測定することができる。
ブロック重合体の構造としては、重合体セグメントAを「A」、重合体セグメントBを「B」で表すと、A−B、A−B−A、B−A−Bの構造、又はA−B−A−B−A−B・・・の繰り返し構造が挙げられ、製造容易性の観点から、A−Bのブロック体の構造が好ましい。
(ブロック重合体の製造方法)
本発明において使用されるブロック重合体の製造方法は、特に制限されず、公知の方法により製造することができるが、たとえば、モノマーをリビング重合で重合させ、ブロック重合体とすることができる。リビング重合としてはリビングラジカル重合、リビングアニオン重合、リビングカチオン重合等が挙げられるが、重合操作の簡便性の観点からリビングラジカル重合が好ましい。
リビングラジカル重合法としては、原子移動ラジカル重合(ATRP)法、ヨウ素移動ラジカル重合法、ニトロキシラジカルを用いる重合(NMP)法、可逆的付加開裂連鎖移動重合(RAFT)法、可逆連鎖移動触媒重合(RTCP)法、可逆的錯体形成媒介重合(RCMP)法等を用いることができ、触媒の入手性、重合制御の観点から、ATRP法、RAFT法、RTCP法、RCMP法が好ましい。
ATRP法については、Chemical Reviews,2001、101、2921−2990に記載されている。RAFT法については、文献Chemical Reviews,2009、109、5402−5436に記載されている。RTCP法については、特許文献WO2010/027093に記載されている。RCMP法については、特許文献WO2011/016166に記載されている。
2種類のブロックからなるブロック重合体の場合、例えば、第1のブロックを重合する工程と、第2のブロックを重合する工程とを包含する方法によりブロック重合体を得ることができる。より具体的には例えば、第1のブロックを重合した後、得られた第1のポリマーの存在下に、第2のブロックの重合を行うことにより、ブロック重合体を得ることができる。第1のポリマーは、単離精製した後に、第2のブロックの重合に供することもできるし、第1ポリマーを単離精製せず、第1のポリマーの重合の途中または完結時に、第1の重合に第2のモノマーを添加することにより、ブロックの重合を行うこともできる。単離精製は周知の方法、例えば重合溶液をポリマーの貧溶媒に添加してポリマーを析出させた後、ろ過、乾燥により行うことができる。
本発明のブロック重合体の製造法としては、前記一般式(1)の繰り返し単位を含む重合体セグメントAを先に製造し、次いで前記一般式(2)の繰り返し単位を含む重合体セグメントBを製造する方法(製造方法(1))と、前記一般式(2)の繰り返し単位を含む重合体セグメントBを先に製造し、次いで前記一般式(1)の繰り返し単位を含む重合体セグメントAを製造する方法(製造方法(2))が挙げられ、親水化処理剤の親水化性能を向上させる観点から、製造方法(1)が好ましい。
製造方法(1)は、具体的には、下記工程1を含む製造方法が挙げられる。従って、本発明のブロック重合体としては、前記工程1を含む製造方法により得られるブロック重合体が挙げられる。
工程1:下記一般式(1’)で表される不飽和単量体を重合、好ましくはリビング重合した後、下記一般式(2’)で表される不飽和単量体を重合、好ましくはリビング重合させてブロック重合体を得る工程。
Figure 2015105314
〔式中、
1〜R3:同一又は異なって、水素原子又は炭素数1もしくは2のアルキル基
4:炭素数1以上、22以下の炭化水素基
1:O又はNR11であり、R11は水素原子又は炭素数1以上、4以下の炭化水素基
を示す。〕
Figure 2015105314
〔式中、
5〜R7:同一又は異なって、水素原子又は炭素数1もしくは2のアルキル基
8、R9:同一又は異なって、炭素数1以上、4以下の炭化水素基
1:炭素数1以上、4以下のアルキレン基
2:水酸基を有してもよい炭素数1以上、4以下のアルキレン基
を示す。〕
工程1では、公知の方法で本発明に係るブロック重合体を得ることができる。例えば、前記のリビング重合法を採用できる。
溶媒としては、単量体や重合体を溶解するものであれば、特に制限はない。溶媒は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。具体的にはアニソール、エタノール等が挙げられる。
<親水化処理剤組成物>
本発明の親水化処理剤組成物は、本発明の親水化処理剤及び水を含有する。親水化処理剤は1種又は2種以上を用いることができる。
親水化処理剤組成物中の親水化処理剤の含有量は、親水化処理剤組成物の親水化性能を高める観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上であり、増粘により均一な処理が抑制され、親水化性能が低下するのを防止する観点から、好ましくは5質量%以下、好ましくは2.0質量%以下、より好ましくは1.0質量%以下である。
[界面活性剤]
本発明の親水化処理剤組成物は、親水化処理剤組成物の親水化性能を高める観点から、界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤を用いることにより、親水化処理剤組成物が固体表面に濡れ広がりやすくなり、親水化性能が向上する。また、固体表面に汚れ物質、特に疎水性の高い例えば油性の汚れ物質が付着している場合には、界面活性剤を用いることにより、界面活性剤により疎水性の高い汚れ物質が除去され、固体表面の親水化性能が向上する。
親水化処理剤組成物中の界面活性剤の含有量は、親水化処理剤組成物の親水化性能を高める観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.03質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上であり、ブロック重合体の固体表面への吸着が阻害され、親水化性能が低下するのを防止する観点から、好ましくは30質量%以下、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。さらに抑泡の観点から、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%未満、さらに好ましくは0.3質量%以下、よりさらに好ましくは0.1質量%以下である。
用いられる界面活性剤としては、通常液体洗浄剤に用いられる界面活性剤であれば特に限定はない。界面活性剤としては陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤は、前述の観点から、疎水性部位としてアルキル基又はアルケニル基を有することが好ましく、その炭素数は、好ましくは8以上、より好ましくは炭素数10以上であり、その上限は、好ましくは20以下、より好ましくは16以下である。
(陰イオン性界面活性剤)
陰イオン性界面活性剤としては、疎水性部位を有する硫酸エステル塩、スルホン酸塩、カルボン酸塩、リン酸エステル塩、及びアミノ酸塩から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
具体的には、アルキル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩等の疎水性部位を有する硫酸エステル塩;スルホコハク酸アルキルエステル塩、ポリオキシアルキレンスルホコハク酸アルキルエステル塩、アルカンスルホン酸塩、内部オレフィンスルホン酸塩、アシルイセチオネート、アシルメチルタウレート等の疎水性部位を有するスルホン酸塩;炭素数8以上16以下の高級脂肪酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸塩等の疎水性部位を有するカルボン酸塩;アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩等の疎水性部位を有するリン酸エステル塩;アシルグルタミン酸塩、アラニン誘導体、グリシン誘導体、アルギニン誘導体等の疎水性部位を有するアミノ酸塩等が挙げられる。
これらの陰イオン性界面活性剤の中では、親水化処理剤組成物の親水化性能を向上させる観点から、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(ラウレス−2硫酸ナトリウム)等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸ナトリウム等の高級脂肪酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム(ラウレス−4,5酢酸ナトリウム)等のポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ラウレス−2スルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸アルキルエステル塩、N−アシル−L−グルタミン酸ナトリウム(ココイルグルタミン酸ナトリウム)等のアシルグルタミン酸塩、アシルイセチオネート、及びアシルメチルタウレートから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩及び高級脂肪酸塩から選ばれる1種または2種以上がより好ましい。
(非イオン性界面活性剤)
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレン(硬化)ヒマシ油等のポリエチレングリコール型非イオン性界面活性剤と、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリンアルキルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、アルキルグリコシド等の多価アルコール型非イオン性界面活性剤及び脂肪酸アルカノールアミド等が挙げられる。
これらの非イオン性界面活性剤の中では、親水化処理剤組成物の親水化性能を向上させる観点から、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、脂肪酸アルカノールアミド、及びアルキルグリコシドから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、ポリオキシエチレンアルキルエーテル及びアルキルグルコシドから選ばれる1種又は2種以上がより好ましい。
(両性界面活性剤)
両性界面活性剤としては、イミダゾリン系ベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン、スルホベタイン等のベタイン系界面活性剤、及びアルキルジメチルアミンオキサイド等のアミンオキサイド型界面活性剤等が挙げられる。
これらの両性界面活性剤の中では、親水化処理剤組成物の親水化性能を向上させる観点から、イミダゾリン系ベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン、及びアルキルヒドロキシスルホベタインから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、ラウリン酸アミドプロピル−N,N−ジメチル−酢酸ベタイン等の脂肪酸アミドプロピルベタインがより好ましい。
(陽イオン性界面活性剤)
陽イオン性界面活性剤としては、アミド基、エステル基又はエーテル基で分断されていてもよい炭素数12以上、28以下、好ましくは炭素数16以上、22以下の炭化水素基を有する第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、又は3級アミンの鉱酸又は有機酸の塩が挙げられる。
具体的には、セチルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、ベヘニルトリメチルアンモニウム塩、オクダデシロキシプロピルトリメチルアンモニウム塩等の長鎖アルキルトリメチルアンモニウム塩;ステアリルジメチルベンジルアンモニウム塩等の長鎖アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩;ジステアリルジメチルアンモニウム塩、ジイソテトラデシルジメチルアンモニウム塩等のジ長鎖アルキルジメチルアンモニウム塩;ステアリルジメチルアミン、ベヘニルジメチルアミン、オクタデシロキシプロピルジメチルアミンの酸塩等のモノ長鎖アルキルジメチルアミン塩が挙げられる。
これらの陽イオン性界面活性剤の中では、親水化処理剤組成物の親水化性能を向上させる観点から、長鎖アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩が好ましい。
[その他の成分]
本発明の親水化処理剤組成物には、本発明の目的を阻害しない範囲で、シュウ酸、マレイン酸、クエン酸、アジピン酸、セバシン酸、リンゴ酸、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸、ポリ2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ポリp−スチレンスルホン酸等の多価カルボン酸;エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等の溶剤;NaCl等の親水化処理剤の水への溶解性を向上させる塩;トルエンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、尿素等の可溶化剤;粘土鉱物、水溶性高分子化合物等の粘度調整剤(但し、ブロック重合体を除く);方解石、珪石、リン酸カルシウム、ゼオライト、炭酸カルシウム、ポリエチレン、ナイロン、ポリスチレン等の水不溶性研磨剤;グリセリン、ソルビトール等の保湿剤;カチオン化セルロース等の感触向上剤(但し、ブロック重合体を除く);炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウム等のアルカリビルダー;酵素、色素、香料、防腐・防かび剤等を添加することができる。
[親水化処理剤組成物の製造]
本発明の親水化処理剤組成物は、ブロック重合体、水及び必要に応じて前述した界面活性剤や多価有機酸等のその他の成分を加えて、公知の方法により攪拌、混合することにより得ることができる。
親水化処理剤組成物は、固体表面の種類や処理目的に応じて、適宜組成割合を調整することができる。また、濃厚溶液を調製しておき、使用時に希釈して用いることもできる。
得られる親水化処理剤組成物の20℃におけるpHは、取扱いの安全性、及び固体表面の損傷防止の観点から、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、より好ましくは4以上であり、好ましくは11以下、より好ましくは10以下、より好ましくは8以下である。pH調節剤としては、塩酸、硫酸等の無機酸や、前述の有機酸等の酸剤;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩等の無機アルカリ化合物、アンモニアやその誘導体、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリ化合物等のアルカリ剤が挙げられる。また、酸剤とアルカリ剤を組み合わせて緩衝剤系として用いることもできる。
<親水化処理方法>
本発明の固体表面の親水化処理方法は、固体表面を本発明の親水化処理剤組成物に接触させる。
ここで「固体表面」の「固体」とは、特に制限はなく、ガラス、陶器、磁器、琺瑯、タイル、セラミックス;アルミニウム、ステンレス、真鍮等の金属;ポリエチレン、ポリプロピレン、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ABS樹脂、FRP等の合成樹脂;木綿、絹、羊毛等の天然繊維;ポリエステル、ナイロン、レーヨン等の合成繊維;毛髪、爪、歯等の固体を意味する。
本発明方法を適用しうる好適な固体表面としては、疎水性硬質表面、更にセラミックス、金属、合成樹脂から選ばれる1種又は2種以上の疎水性硬質表面が挙げられる。ここで、疎水性硬質表面とは、水に対する静止接触角が70°以上であることを意味し、親水性硬質表面とは70°未満であることを意味する。なお、静止接触角は、実施例に記載の方法で測定することができる。
また、親水化処理剤組成物は、取扱いの安定性の観点から、水溶液であることが好ましい。
固体表面と親水化処理剤組成物の接触方法は、特に限定されない。例えば、次の(i)〜(iii)の方法等が挙げられる。
(i)親水化処理剤組成物に固体を浸漬させる方法
(ii)親水化処理剤組成物を固体表面に噴霧又は塗布する方法
(iii)親水化処理剤組成物で常法に従い固体表面を洗浄する方法
固体表面を親水化処理剤組成物で親水化処理する温度は、親水化処理剤組成物の親水化性能を高める観点、処理方法の容易性の観点から、好ましくは5℃以上、より好ましくは10℃以上、より好ましくは15℃以上であり、好ましくは50℃以下、より好ましくは40℃以下、より好ましくは30℃以下である。
前記(i)の方法において、浸漬する時間は、親水化処理剤組成物の親水化性能を高める観点及び経済性の観点から、好ましくは0.5分以上、より好ましくは1分以上であり、好ましくは60分以下、より好ましくは50分以下である。
前記(ii)の方法において、親水化処理剤組成物を固体表面に噴霧又は塗布する方法は、硬質表面の広さ(面積)等に応じて適宜選択できる。親水化処理剤組成物を固体表面にスプレー等で噴霧した後、乾燥する方法が好ましい。必要に応じて、噴霧した後、水ですすいでもよい。また、噴霧した後、スポンジ等を用いて薄く塗りのばしてもよい。
固体表面に噴霧又は塗布する親水化処理剤組成物の量は、例えば、ブロック重合体の含有量が0.5質量%の親水化処理剤組成物の場合、好ましくは10cm2あたり0.01mL以上0.1mL以下である。
前記(iii)の方法において、ブロック重合体及び界面活性剤を含有する洗浄剤組成物の形態で使用し、固体表面と接触させることが好ましい。かかる洗浄剤組成物の形態とする場合、取扱いの安全性、及び固体表面の損傷防止の観点から、そのpHは4以上が好ましく、そして、10以下が好ましく、8以下がより好ましい。
界面活性剤としては、前述したものを使用することができる。
また、本発明の親水化処理剤組成物により親水化処理された固体表面の水に対する静止接触角が、好ましくは50°以下、より好ましくは40°以下、より好ましくは30°以下、より好ましくは25°以下である。
また、本発明の親水化処理剤組成物により親水化処理された固体表面は、親水化性能を高める観点から、均一に処理されていることが好ましい。表面処理の均一性は、処理後の固体表面を目視で観察することにより判断できる。
以下の製造例、実施例及び比較例において、「%」は「質量%」を意味する。各種物性等の測定は以下の方法により行った。
(1)重合体セグメントAの重量平均分子量
ゲル浸透クロマトグラフィー(ポリスチレン換算)で測定した。
カラム:K-804L(昭和電工(株)製)を2本直列に連結して使用した。
カラム温度:40℃
溶離液:1mmol/Lジメチルラウリルアミン/CHCl3(ジメチルラウリルアミン:ファーミンDM2098:花王(株)製)
流量:1.0ml/分
検出器:示差屈折率計
(2)ブロック重合体の重量平均分子量
ゲル浸透クロマトグラフィー(ポリエチレングリコール換算)で測定した。
カラム:α−M(東ソー(株)製)を2本直列に連結して使用した。
カラム温度:40℃
溶離液:50mmol/L LiBr、1%酢酸のエタノール及び水の混合溶液(エタノール:水=3:7)
流量:0.6ml/分
検出器:示差屈折率計
(3)ブロック重合体中の重合体セグメントAの含有量
前記(1)及び(2)で求めた重合体セグメントAの重量平均分子量、ブロック重合体の重量平均分子量を用いて、下記の式より求めた。
ブロック重合体中の重合体セグメントAの含有量(%)=重合体セグメントAの重量平均分子量/ブロック重合体の重量平均分子量×100
製造例1(ポリマーA1の製造)
ナスフラスコにメタクリル酸n−ブチル(和光純薬工業(株)製)30g、2−ブロモイソ酪酸エチル(東京化成工業(株)製)0.412g、4,4’−ジノニル‐2,2’−ジピリジル(シグマアルドリッチ製)1.29g、アニソール45gを入れ、三方コックで栓をし、15分間窒素バブリングを行ない、モノマー溶液を調製した。次に、別のナスフラスコにスターラーチップ、塩化銅(I)(和光純薬工業(株)製)0.104g、塩化銅(II)(和光純薬工業(株)製)0.071gを入れ、三方コックで栓をして窒素置換した後、モノマー溶液を添加した。10分間窒素バブリングを行った後、62℃に加熱し重合を行った。16時間反応させた後、重合溶液を空気にさらしながら氷冷し、重合を終了した。次いで、イオン交換水500mL、メタノール1500mLの混合液を撹拌しながら重合溶液を滴下し、ポリマーを析出させ、デカンテーション、乾燥によりポリマー固体を得た。次にナスフラスコにN−メタクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン一水和物(大阪有機化学工業(株)製)3g、上記で得られたポリマー固体0.893g、ビピリジン(シグマアルドリッチ製)0.0545g、エタノール9.99gを入れ、三方コックで栓をし、15分間窒素バブリングを行ない、モノマー溶液を調製した。次に、別のナスフラスコにスターラーチップ、塩化銅(I)0.0138g、塩化銅(II)0.00188gを入れ、三方コックで栓をして窒素置換した後、モノマー溶液を添加した。10分間窒素バブリングを行った後、40℃に加熱し重合を行った。1.9時間反応させた後、重合溶液を空気にさらしながら氷冷し、重合を終了した。次いで、活性アルミナカラム処理により銅錯体を除去後、イソプロピルアルコール1Lを撹拌しながらポリマー溶液を滴下し、ポリマーを析出させ、ろ過、乾燥によりポリマーA1の固体を得た。
製造例2(ポリマーA2の製造)
ナスフラスコにメタクリル酸n−ブチル15g、2−ブロモイソ酪酸エチル1.03g、4,4’−ジノニル−2,2’−ジピリジル3.23g、アニソール35gを入れ、三方コックで栓をし、15分間窒素バブリングを行ない、モノマー溶液を調製した。次に、別のナスフラスコにスターラーチップ、塩化銅(I)0.261g、塩化銅(II)0.177gを入れ、三方コックで栓をして窒素置換した後、モノマー溶液を添加した。10分間窒素バブリングを行った後、62℃に加熱し重合を行った。4時間反応させた後、重合溶液を空気にさらしながら氷冷し、重合を終了した。次いで、イオン交換水500mL、メタノール1500mLの混合液を撹拌しながら重合溶液を滴下し、ポリマーを析出させ、デカンテーション、乾燥によりポリマー固体を得た。次にナスフラスコにN−メタクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン一水和物8g、上記で得られたポリマー固体0.424g、ビピリジン0.097g、エタノール19.6gを入れ、三方コックで栓をし、15分間窒素バブリングを行ない、モノマー溶液を調製した。次に、別のナスフラスコにスターラーチップ、塩化銅(I)0.0307gを入れ、三方コックで栓をして窒素置換した後、モノマー溶液を添加した。10分間窒素バブリングを行った後、40℃に加熱し重合を行った。4時間反応させた後、重合溶液を空気にさらしながら氷冷し、重合を終了した。次いで、活性アルミナカラム処理により銅錯体を除去後、イソプロピルアルコール1Lを撹拌しながらポリマー溶液を滴下し、ポリマーを析出させ、ろ過、乾燥によりポリマーA2の固体を得た。
製造例3(ポリマーA3の製造)
ナスフラスコにメタクリル酸n−ブチル15g、2−ブロモイソ酪酸エチル1.03g、4,4’−ジノニル−2,2’−ジピリジル3.23g、アニソール35gを入れ、三方コックで栓をし、15分間窒素バブリングを行ない、モノマー溶液を調製した。次に、別のナスフラスコにスターラーチップ、塩化銅(I)0.261g、塩化銅(II)0.177gを入れ、三方コックで栓をして窒素置換した後、モノマー溶液を添加した。10分間窒素バブリングを行った後、62℃に加熱し重合を行った。4時間反応させた後、重合溶液を空気にさらしながら氷冷し、重合を終了した。次いで、イオン交換水500mL、メタノール1500mLの混合液を撹拌しながら重合溶液を滴下し、ポリマーを析出させ、デカンテーション、乾燥によりポリマー固体を得た。次にナスフラスコにN−メタクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン一水和物1.9g、上記で得られたポリマー固体0.604g、ビピリジン0.104g、エタノール4.65gを入れ、三方コックで栓をし、15分間窒素バブリングを行ない、モノマー溶液を調製した。次に、別のナスフラスコにスターラーチップ、塩化銅(I)0.0219g、塩化銅(II)0.0119gを入れ、三方コックで栓をして窒素置換した後、モノマー溶液を添加した。10分間窒素バブリングを行った後、40℃に加熱し重合を行った。1.9時間反応させた後、重合溶液を空気にさらしながら氷冷し、重合を終了した。次いで、活性アルミナカラム処理により銅錯体を除去後、イソプロピルアルコール1Lを撹拌しながらポリマー溶液を滴下し、ポリマーを析出させ、ろ過、乾燥によりポリマーA3の固体を得た。
製造例4(ポリマーB1の製造)
冷却還流管、温度計、窒素導入管及び撹拌装置を取り付けたセパラブルフラスコに、N−メタクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン一水和物5.248g、メタクリル酸n-ブチル0.798g、メタノール17.93gを入れ、均一に混合し窒素雰囲気下で30分間攪拌した。この溶液を約70℃まで昇温した後、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業(株)製)0.035g、メタノール2gを加え、6時間保持して重合を行った。次いで、イソプロピルアルコール1Lを撹拌しながらポリマー溶液を滴下し、ポリマーを析出させ、ろ過、乾燥によりポリマーB1の固体を得た。
製造例5(ポリマーB2の製造)
冷却還流管、温度計、窒素導入管及び撹拌装置を取り付けたセパラブルフラスコに、N−メタクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン一水和物3.28g、メタクリル酸n-ブチル1.996g、エタノール17.93gを入れ、均一に混合し窒素雰囲気下で30分間攪拌した。この溶液を約70℃まで昇温した後、2,2’−アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)0.035g、エタノール2gを加え、6時間保持して重合を行った。次いで、ヘキサン1Lを撹拌しながらポリマー溶液を滴下し、ポリマーを析出させ、ろ過、乾燥によりポリマーB2の固体を得た。
得られたポリマーA1〜A3の重合体セグメントAの重量平均分子量及び含有量、並びにブロック重合体の重量平均分子量を表1に示す。また、ポリマーB1及びB2の重量平均分子量も表1に示す。
Figure 2015105314
*1 ポリマー中の一般式(1)で表される構成単位の含有量
実施例1〜3、比較例1〜3
上記製造例で得られたポリマーを用いて、表2の組成になるように親水化処理剤組成物を調製し、実施例1〜3及び比較例2、3の親水化処理剤組成物を得た。比較例1は水以外何も配合しなかった。なお、水はイオン交換水を用いた。
親水化処理剤組成物の調製に用いた界面活性剤、溶剤は、以下のものである。
界面活性剤:炭素数12〜16の直鎖アルキル基、エチレンオキサイド平均付加モル数4.0のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム塩
溶剤:ジエチレングリコールモノブチルエーテル
実施例1〜3、比較例1の水、比較例2及び3の親水化処理剤組成物を用いて、以下の評価を用いた。
[試験方法(親水表面化の評価)]
予め清浄にしたテストピース「塩化ビニルテストピース」((株)エンジニアリングテストサービス製、材質:硬質ポリ塩化ビニル、25mm×75mm)を水平に固定し、親水化処理剤組成物1mLを滴下して5分間静置した後、イオン交換水約200mLで軽くすすいで風乾した。
このテストピースの処理部分表面のイオン交換水に対する静止接触角を、自動接触角計「DM−500」(協和界面科学株式会社製)を用いて、添加量10μL、添加6秒後の条件にて測定した。
測定は、2枚のテストピースを用いて、1枚のテストピース当たり5回行い、10回の測定値の平均値を用いた。
接触角が小さいほど、親水化性能に優れる。結果を表2に示す。
Figure 2015105314
*1 ポリマー中の一般式(1)で表される構成単位の含有量
表2から明らかなように、実施例1〜3の親水化処理剤は、比較例2及び3の親水化処理剤に比べて、接触角を下げることができ、表面の親水化性能に優れている。

Claims (6)

  1. 疎水性不飽和単量体由来の繰返し単位を含む不飽和単量体由来の重合体セグメントAと、カルボベタイン基を有する不飽和単量体由来の繰返し単位を含む不飽和単量体由来の重合体セグメントBとを有し、重合体セグメントAの含有量が0.1質量%以上、75質量%以下であるブロック重合体、からなる親水化処理剤。
  2. ブロック重合体における疎水性不飽和単量体由来の繰返し単位が、一般式(1)で表される構成単位である、請求項1に記載の親水化処理剤。
    Figure 2015105314
    〔式中、
    1〜R3:同一又は異なって、水素原子又は炭素数1もしくは2のアルキル基
    4:炭素数1以上、22以下の炭化水素基
    1:O又はNR11であり、R11は水素原子又は炭素数1以上、4以下の炭化水素基
    を示す。〕
  3. ブロック重合体におけるカルボベタイン基を有する不飽和単量体由来の繰返し単位が、一般式(2)で表される構成単位である、請求項1又は2に記載の親水化処理剤。
    Figure 2015105314
    〔式中、
    5〜R7:同一又は異なって、水素原子又は炭素数1もしくは2のアルキル基
    8、R9:同一又は異なって、炭素数1以上、4以下の炭化水素基
    1:炭素数1以上、4以下のアルキレン基
    2:水酸基を有してもよい炭素数1以上、4以下のアルキレン基
    を示す。〕
  4. ブロック重合体の重量平均分子量が3000以上、500000以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の親水化処理剤。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の親水化処理剤と水を含有する親水化処理剤組成物。
  6. 更に界面活性剤を含有する、請求項5に記載の親水化処理剤組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016117873A (ja) * 2014-12-23 2016-06-30 ベーイプシロンカー−シェミー ゲーエムベーハーBYK−Chemie GmbH 水溶性顔料親和性基と一緒に分散剤を含む着色料組成物

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