JP6400902B2 - スピーカ - Google Patents
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Description
この特許文献1のスピーカは、ボイスコイルボビンにフレキシブル配線基板を用い、このフレキシブル配線基板に形成した直線状の信号ライン部を、音声信号処理回路基板(スピーカ回路部に対応)にコネクタ接続している。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、フレキシブル配線基板を用いた構成で、構造の簡略化を図ることが可能なスピーカを提供することにある。
この構成によれば、フレキシブルプリント基板が有する弾性力や減衰力を利用して、ボイスコイルの位置保持や振幅制限を行うダンパーとして機能させることができ、かつ、ダンパーとしての屈曲特性をより高精度に揃えやすくなる。従って、フレキシブル配線基板を用いた構成で、構造の簡略化を図ることが可能になる。また、ダンパーとしての屈曲特性をより高精度に揃えやすくなる。
また、ボイスコイルボビンとスピーカ回路部とをフレキシブルプリント基板で接続したスピーカであって、前記フレキシブルプリント基板は、前記ボイスコイルボビンに接続される接続部との間に、前記ボイスコイルボビンのダンパーとして機能するダンパー機能部を有するようにスピーカフレームに支持され、前記フレキシブルプリント基板は、シールドされるとともに前記スピーカフレームに接地されることを特徴とする。この構成によれば、磁気回路などへの影響を抑え、スピーカの駆動への影響を抑えることができる。
図1は、本発明の実施形態に係るスピーカの斜視図であり、図2はスピーカの断面構造を示した図である。
このスピーカ10は、スピーカユニット21と、スピーカユニット21を駆動するスピーカ回路部31とを備え、車両のドアなどに取り付けられる車載用スピーカである。
スピーカユニット21は、大別すると、前面に向かって拡径する有底円筒形状のスピーカフレーム22と、スピーカフレーム22の前面に配置される振動板23(図2参照)およびボイスコイルボビン24と、スピーカフレーム22の背面に配置されると共にボイスコイルボビン24の一部が入る孔部を有するドーナツ型の永久磁石25(図2参照)とを備えている。スピーカ回路部31は、スピーカフレーム22の外周部に設けた箱状の回路支持部22Aに支持されている。この回路支持部22Aは、スピーカ10のガスケットと一体で形成する等の方法で固定されている。
底フレーム22Bの前面には、スピーカ10の軸線に対して垂直な平坦面を有する凹み部が形成され、この凹み部に、フレキシブルプリント基板41の後述するボビン側基板42が配置される。
また、この底フレーム22Bの内周に、環状の基板取付部材27が取り付けられ、この基板取付部材27と底フレーム22Bに、フレキシブルプリント基板41が配置固定される。これによって、フレキシブルプリント基板41がスピーカフレーム22に取り付けられる。
スピーカ回路部31は、車載オーディオ装置(CDプレーヤーやカーナビゲーション装置等の音声出力装置)51から出力される音声信号SAに各種の信号処理を行って駆動用デジタル信号を生成し、各ボイスコイル26に供給する回路である。これら駆動用デジタル信号は、複数のボイスコイル26によって形成された磁場を加算して十分なスピーカ駆動力を得るための信号である。
スピーカ回路部31は、信号処理部32とドライバ回路33とを備えている。信号処理部32は、各種信号処理を行う演算処理回路で構成され、複数コイル用ΔΣ(デルタシグマ)変調回路35と、ミスマッチシェーピング回路36とを備えている。
複数コイル用ΔΣ変調回路35は、音声信号SAにΔΣ(デルタシグマ)変調処理を行うものであり、図示は省略するが、オーバーサンプリング部と、多値ΔΣ変調部と、コード変換部とを備える。そして、音声信号SAをオーバーサンプリング部でオーバーサンプリングすることによって、再量子化雑音の分布を広い帯域に分布させ、多値ΔΣ変調部でΔΣ変調することによって、再量子化雑音を整形する。その後、コード変換部が、多値ΔΣ変調部の多値ビット出力を、ボイスコイル数に対応したNビットの温度計コードに変換して出力する。
なお、ミスマッチシェーピング回路36には公知のミスマッチシェーピング回路を広く適用可能である。また、このスピーカの基本構成は、特開2012−227589号公報などに開示される公知の構成を広く適用可能である。
フレキシブルプリント基板41は、柔軟性を有するベースフィルムの上に、配線となる導体箔(図4、図5中、符号SLで示す)を配し、その上にカバーフィルムを形成した構造である。本構成では、更に、絶縁層として機能する絶縁フィルムを被せ、これによって優れたシールド特性を有している。
なお、本実施形態では、6個のボイスコイルが形成されるため、各ボイスコイルの両端に接続される導体箔SLの総数は12本となっている。
ボビン側基板42は、全体形状として、中央に貫通孔(孔部)42Aを有するドーナツ形状に形成され、貫通孔42Aがボイスコイルボビン24と略同径に形成される。また、貫通孔42Aの縁部には、各導体箔SLの一端に連なる接続端子42B(図4参照)が等角度間隔で突出し、上方(貫通孔42Aの軸線と平行)に向けて屈曲している。
このように、等間隔に設けた複数の接続端子42Bをボビン側基板42に接続するので、接続端子42Bを一カ所にまとめて接続した場合と比べて、ボイスコイルボビン24とボビン側基板42との接続強度を周方向に均等化することができる。
本構成では、図1に示すように、ボビン側基板42の外周部が、スピーカフレーム22に環状の基板取付部材27を介して取り付けられるので、ボビン側基板42がボイスコイルボビン24を支持する支持部材として機能することは明らかである。
また、ボビン側基板42を、基板取付部材27を介して取り付けるので、ボビン側基板42を直接スピーカフレーム22に配置固定する場合と比べて、ボビン側基板42の外周径を小さくすることができる。これにより、フレキシブルプリント基板41を小型化でき、コスト低減にも有利となる。
これによって、ボビン側基板42は、ボイスコイル26の位置保持や振幅制限を行うダンパーとして機能するダンパー機能部として機能する。本構成では、ボビン側基板42だけでボイスコイル26の位置保持や振幅制限を行い、専用のダンパーを備えない構成とされている。
ボビン側基板42は、ボイスコイルボビン24に接続される環状の内周基板部(第1基板部)42Fと、内周基板部42Fよりも大径に形成されるとともにスピーカフレーム22に支持される環状の外周基板部(第2基板部)42Gと、内周基板部42Fおよび外周基板部42G間を架橋する架橋基板部(信号線部)42Hとを一体に有している。
この構成によれば、長方形形状のフレキシブルプリント基板と比べて、ボイスコイル26の駆動(前後移動)を許容し易く、且つ、ボイスコイル26に対して周方向に均等な弾性力および減衰力を発揮し易いので、ダンパーとしての性能を確保し易くなる。
本実施形態では、架橋基板部42Hを、いわゆる蝶型ダンパーのアーム部を模した屈曲形状にすることにより、所望のダンパー特性を容易に得やすいことが明らかである。また、架橋基板部42Hのそれぞれには、配線を構成する導体箔SLが同一幅で配置され、屈曲特性の均等化が図られており、ダンパーとして有利である。
また、導体箔SLは、各導体箔SLのインピーダンスが揃うように配線距離が長いほど広い幅に形成される。また、図4、図5中、符号GDは、所定の導体箔SLをスピーカフレーム22に接地させるためのアース部であり、金属ボルト5(図1、図2参照)を介してスピーカフレーム22や、スピーカフレーム22と接して固定される導電性のある部品(プレート等)に接地される。
このように、延出基板43を直線状に延出させたので、ボビン側基板42とスピーカ回路部31との配線長を短縮化し易く、これによってもインピーダンスを低減し易い。
この構成によれば、フレキシブルプリント基板41が有する弾性力や減衰力を利用して、ボイスコイルボビン24の位置保持や振幅制限を行うダンパーとして機能させることができる。これにより、従来から用いられた専用ダンパーを省略することができ、部品点数を低減することができる。また、仮に、専用ダンパーを省略しなくても、フレキシブルプリント基板41をダンパーの一部として機能させることができるので、専用ダンパーに求められる性能要求を低減でき、専用のダンパーを簡略化し易くなる。従って、構造の簡略化を図ることが可能になり、コスト低減にも有利である。また、ダンパー全体の性能を高める場合にも有利である。
これに対し、本構成では、ボイスコイルボビン24をフレキシブルプリント基板41で形成する必要がないため、上記の問題が生じず、屈曲耐久性を確保しつつインピーダンスを下げやすくなる。
さらに、フレキシブルプリント基板41は、シールドされるとともにスピーカフレーム22に接地されるので、磁気回路などへの影響を抑え、スピーカ10の駆動への影響を抑えることができる。なお、シールド性が問題とならない場合は、シールド(絶縁層)を省略しても良い。
また、フレキシブルプリント基板41には、ボイスコイルボビン24の移動に伴って変形する領域にある非配線領域Xに導体箔が設けられるので、ダンパーとしての屈曲特性をより高精度に揃えやすくなる。
また、フレキシブルプリント基板41は、ボビン側基板42からスピーカフレーム22の径方向外側に直線状に延びてスピーカ回路部31につながる延出基板43を有するので、配線長を短縮化し易く、且つ、スピーカフレーム22の支柱22Dを利用して配策し易くなる。
また、フレキシブルプリント基板41を、ボイスコイルボビン24の径方向外側に張り出す張出形状、且つ、ボイスコイルボビン24の外周に沿って延びる円弧状に形成する場合を説明したが、ダンパー性能を確保可能な範囲で他の形状を適用しても良い。
21 スピーカユニット
22 スピーカフレーム
24 ボイスコイルボビン
26 ボイスコイル
31 スピーカ回路部
42 ボビン側基板(ダンパー機能部)
42A 貫通孔(孔部)
42F 内周基板部(第1基板部)
42G 外周基板部(第2基板部)
42H、42HX、42HY 架橋基板部(信号線部)
43 延出基板
X 非配線領域
Claims (7)
- ボイスコイルボビンとスピーカ回路部とをフレキシブルプリント基板で接続したスピーカであって、
前記フレキシブルプリント基板は、前記ボイスコイルボビンに接続される接続部との間に、前記ボイスコイルボビンのダンパーとして機能するダンパー機能部を有するようにスピーカフレームに支持され、
前記フレキシブルプリント基板には、前記ボイスコイルボビンの移動に伴って変形する領域にある非配線領域に導体箔が設けられることを特徴とするスピーカ。 - ボイスコイルボビンとスピーカ回路部とをフレキシブルプリント基板で接続したスピーカであって、
前記フレキシブルプリント基板は、前記ボイスコイルボビンに接続される接続部との間に、前記ボイスコイルボビンのダンパーとして機能するダンパー機能部を有するようにスピーカフレームに支持され、
前記フレキシブルプリント基板は、シールドされるとともに前記スピーカフレームに接地されることを特徴とするスピーカ。 - 前記ダンパー機能部は、前記ボイスコイルボビンの径方向外側に張り出し、その内周部が前記ボイスコイルボビンに接続され、外周部が前記スピーカフレームに支持されることを特徴とする請求項1又は2に記載のスピーカ。
- 前記ダンパー機能部は、前記ボイスコイルボビンの外周に沿って延びる円弧状であることを特徴とする請求項3に記載のスピーカ。
- 前記ダンパー機能部は、前記ボイスコイルボビンに接続される環状の第1基板部と、前記第1基板部よりも大径に形成されるとともに前記スピーカフレームに支持される第2基板部と、前記第1および第2基板部間を架橋する信号線部とを有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のスピーカ。
- 前記信号線部は、前記ボイスコイルボビンの周方向に等間隔で設けられることを特徴とする請求項5に記載のスピーカ。
- 前記ボイスコイルボビンは、複数のボイスコイルを設けた多層ボイスコイルボビンであり、
前記フレキシブルプリント基板の配線を構成する導体箔の幅は、配線距離が長いほど広く形成されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のスピーカ。
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