JP6398805B2 - 粉粒体の連続冷却装置および冷却方法 - Google Patents
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Description
さらに、特許文献1には、鉄鋼スラグを篩にかけ、篩下の鉄鋼スラグを箱型金属容器に入れ、まず800℃まで空気冷却を行い、次にミスト状噴霧水での冷却を行い、最後に散水を行い200℃まで連続的に冷却する方法が提案されている。
さらに、特許文献3には、ロータリーキルンの投入口に設けられた回転ドラムを用いて、鉄鋼スラグを破砕しながらロータリーキルン内部に飛翔させて投入し、投入された鉄鋼スラグ粒を水ミストによって連続的に冷却する方法が提案されている。
さらに、特許文献4には、ロータリーキルンに投入した900℃以下の鉄鋼スラグに、ロータリーキルン排出口方向から差し込んだ散水用配管から散水することで、鉄鋼スラグを連続的に冷却する方法が提案されている。
また、円管の外面と鉄鋼スラグとの熱交換によって鉄鋼スラグを冷却する場合、鉄鋼スラグの温度が低下するに従い、外部冷却水との温度差が小さくなるため、冷却効率が低下する。そのため、鉄鋼スラグを十分に冷却するには、装置の大型化が必要となることから、装置の設置・維持に掛かるコストが増大する。
さらに、特許文献2に記載の冷却方法の場合、噴気された鉄鋼スラグがロータリーキルン内を飛翔している間は、鉄鋼スラグとロータリーキルン内面とが接触せず、鉄鋼スラグとロータリーキルン内面との熱交換が行われないために、冷却効率が悪いと言う問題がある。
さらに、特許文献4に記載の冷却方法の場合、ロータリーキルンが鉄鋼スラグの排出口方向に傾斜しているため、蒸発せずに残った水分がロータリーキルン下流に流れ込むことにより、水冷後の鉄鋼スラグに水分が残ってしまう。このため、分離回収処理の前に鉄鋼スラグの乾燥処理が必要となる。
そこで、本発明は、上記の課題に着目してなされたものであり、鉄鋼スラグ等の粉粒体を、高い冷却効率で、且つ冷却後に乾燥処理の必要がないように連続的に冷却する、粉粒体の連続冷却装置および冷却方法を提供することを目的とする。
また、本発明の一態様によれば、粉粒体を内部に収容した状態で回転し、粉粒体を搬送する冷却筒部の外面を散水冷却し、冷却筒部の内部に水ミストを噴霧することを特徴とする粉粒体の連続冷却方法が提供される。
<粉粒体の連続冷却装置の構成>
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態に係る粉粒体Aの連続冷却装置1の構成について説明する。連続冷却装置1は、冷却筒部2と、上部フード部3と、下部フード部4と、投入部5と、外部冷却部6と、内部冷却部7と、外部ブロア8と、集塵機9とを有する。
投入部5は、上部フード部3の側部に形成された開口部を介して、冷却筒部2の内部に挿入される筒状のシュートであり、不図示の粉粒体供給装置に接続される。投入部5は、粉粒体供給装置から供給される粉粒体Aを冷却筒部2の内部に投入する。
外部ブロア8は、空気を取り込み、接続された空気配管81へと空気を吹き込むことで、冷却筒部2の内部へと空気を送る。これにより、冷却筒部2内の粉粒体Aが空冷される。集塵機9は、冷却筒部2の内部を除塵および排気する装置であり、接続された集塵配管91を介して、冷却筒部2内部の粉塵や空気等を取り込む。
次に、本実施形態に係る粉粒体Aの連続冷却方法について説明する。粉粒体Aの連続冷却方法では、まず、粉粒体Aが、投入部5から冷却筒部2へ投入される。この際、粉粒体Aが、鉄鋼スラグである場合、高いもので1000℃〜1300℃程度の高温となる。投入された粉粒体Aは、冷却筒部2が一対の駆動ギア22a,22bによって回転することで、投入部5および上部フード部3が設けられた搬送方向上流側から下部フード部4が設けられた搬送方向下流側へと搬送される。この際、冷却筒部2が水平方向に対して傾斜しながら回転すること、および12枚の固定送り羽根23a〜23lが螺旋状に設けられていることにより、粉粒体Aは搬送方向上流側から下流側へと冷却筒部2の内部を移動する。なお、冷却筒部2が水平方向に対して傾斜する構成、または12枚の固定送り羽根23a〜23lが螺旋状に設けられる構成のいずれか一方の構成のみを有する場合においても、粉粒体Aを搬送させることができる。また、12枚の固定送り羽根23a〜23lが螺旋状に設けられる場合、図2に示すように、12枚の固定送り羽根23a〜23lが突出する方向を径方向に対して傾斜させることにより、粉粒体Aを冷却筒部2の下側の領域内で搬送させることができるため、冷却筒部2の内部に設けられた内部冷却部7と粉粒体Aとの接触を防止することができる。
次いで、粉粒体Aが搬送されて温度が500℃以下となったところで、粉粒体Aに内部冷却部7から水ミストが噴霧される。この際、内部冷却部7の3個の内部冷却ノズル72a〜72cからは、水滴粒径が100μm以下の水ミストが、粉粒体Aの顕熱で完全に蒸発可能な水量だけ噴霧される。水ミストの噴霧は、粉粒体Aの温度が100℃以上の所定温度まで下がるまで行われる。なお、水ミストによる粉粒体Aの冷却は、粉粒体Aの温度が上記温度範囲内においてなるべく低くなるまで行われることが好ましい。冷却後の粉粒体Aの温度を低くすることにより、その後の運用が容易となり、さらに冷却後の粉粒体Aを回収・運搬する設備に耐熱性に優れた特殊なものを用いる必要がなくなる。
なお、粉粒体Aの冷却が行われる間、外部ブロア8から空気が吹き込まれることで、冷却筒部2内の雰囲気温度を低くすることができるため、冷却筒部2内での粉粒体Aの冷却効率を向上させることができる。また、粉粒体Aの冷却が行われる間、集塵機9によって冷却筒部2内が吸気されることにより、粉粒体Aの投入や搬送時に発生する粉塵を回収することができる。
以上で、特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、これら説明によって発明を限定することを意図するものではない。本発明の説明を参照することにより、当業者には、開示された実施形態の種々の変形例とともに本発明の別の実施形態も明らかである。従って、特許請求の範囲は、本発明の範囲及び要旨に含まれるこれらの変形例または実施形態も網羅すると解すべきである
例えば、上記実施形態では、連続冷却装置1が空気を吹き込む外部ブロア8を有する構成としたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、粉粒体Aと冷却筒部2との熱交換および水ミストによる冷却によって、粉粒体Aが十分に冷却可能であれば、外部ブロア8を有していなくてもよい。また、外部ブロア8は、上記実施形態のように搬送方向下流側から空気を供給するものに限らず、空気を外部へ排出するものであってもよい。
さらに、外部冷却部6および内部冷却部7の構成は、上記実施形態に限定されない。例えば、外部冷却配管61、外部冷却ノズル62a〜62d、内部冷却配管71および内部冷却ノズル72a〜72cの数や配置等は、粉粒体Aの種類や設備の寸法等に応じて必要となる冷却効率によって適宜最適なものが選択される。
また、粉粒体Aは、水を用いて冷却可能なものであれば、鉄鋼スラグ以外の粉粒体であってもよい。
さらに、上記実施形態では、内部冷却部7による水ミストを用いた冷却では、粉粒体Aを100℃以上の所定の温度まで冷却するとしたが、本発明はかかる例に限定されない。連続冷却装置1で冷却された粉粒体Aが乾燥していれば、内部冷却部7による水ミストを用いた冷却で、粉粒体Aを100℃未満まで冷却してもよい。
さらに、上記実施形態では、投入される粉粒体Aの温度が最高で1000℃〜1300℃程度としたが、それよりも低い温度のものが冷却されてもよい。つまり、投入される粉粒体Aの温度は、500℃以下であってもよい。
さらに、上記実施形態では、水ミストから噴霧した水分を完全に蒸発させる構成としたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、冷却後の粉粒体Aに含有されている水分が少量であり、後工程において特別な乾燥処理を行わなくても、含有された水分が蒸発するようであれば、連続冷却装置1において水分が完全に蒸発していなくてもよい。
さらに、上記実施形態では、冷却水および噴射ガスを混合することで水ミストとする構成としたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、内部冷却配管71から内部冷却ノズル72a〜72cへは冷却水のみが供給され、内部冷却ノズル72a〜72cから水ミストが噴霧される構成であってもよい。
(1)本発明の一態様に係る粉粒体Aの連続冷却装置1は、粉粒体Aを内部に収容した状態で回転し、粉粒体Aを搬送する冷却筒部2と、冷却筒部2の外部に設けられ、冷却筒部2の外面を散水冷却する外部冷却部6と、冷却筒部2の内部に設けられ、冷却筒部2の内部に水ミストを噴霧する内部冷却部7と、を有する。
上記構成によれば、外部冷却部6により冷却筒部2と粉粒体Aとの熱交換による粉粒体Aの冷却効率を向上させることができる。また、内部冷却部7において水ミストを用いることにより、高い冷却効率を得ながらも、冷却後の粉粒体Aを乾燥した状態にすることができる。つまり、冷却効率が向上し、且つ冷却後の乾燥処理をする必要がないため、連続冷却装置1を小型化することができ、さらに乾燥処理を掛かるコストを省略することができる。また、冷却筒部2を回転させながら冷却を行うため、粉粒体Aを均一に冷却することができ、冷却後の粉粒体Aの温度を均一にすることができる。
また、特許文献2に記載の冷却方法の場合、噴気される空気によって発塵が生じ、さらに飛翔した鉄鋼スラグが散水ノズルに接触することでノズルが破損・閉塞する可能性があった。一方、上記構成によれば、搬送中に生じる粉塵がこの場合に比べて少なくすることができる。さらに、噴気された空気により粉粒体Aが飛翔することがなく、粉粒体Aが内部冷却部7に接触しないため、内部冷却部7の破損・閉塞を防止することができる。
さらに、特許文献4に記載の冷却方法の場合、900℃程度の高温の鉄鋼スラグに散水をするため、冷却を十分に行うためには、大量の散水が必要となる。一方、上記構成によれば、冷却効率の高い水ミストを用いて冷却を行うため、散水を行う場合に比べて使用する水量を低減することができる。また、外部冷却に用いる冷却水は、粉粒体Aと接触しないため、その後のリサイクルが容易となる。
水ミストの粒径を100μm以下とすることにより、比表面積が大きくなり、水滴への伝熱を効率よく行うことができる。このため、高い冷却効率を得ることができ、さらに水滴が蒸発しやすくなる。例えば、直径1mmの水滴の場合、単位質量あたりの比表面積は3×10−3m2/gである。これに対して、直径100μmの水滴の場合、単位質量あたりの比表面積は3×10−2m2/gであり、単位質量あたりの比表面積は10倍となる。
(3)内部冷却部7は、粉粒体Aの顕熱で完全に蒸発する量の水ミストを噴霧する。
上記構成によれば、冷却後の粉粒体Aを完全に乾燥させた状態にすることができる。
上記構成によれば、粉粒体Aの温度が500℃超と高い領域については、冷却筒部2の内面と粉粒体Aとの熱交換による冷却が行われ、粉粒体Aの温度が500℃以下の領域については、さらにミスト水による冷却が行われる。ここで、粉粒体Aの温度が500℃超の領域では、冷却筒部2と粉粒体Aとの温度差が大きいため、冷却筒部2の内面と粉粒体Aとの熱交換による冷却のみでも高い冷却効率を得ることができる。一方、粉粒体Aの温度が500℃以下の領域では、冷却筒部2と粉粒体Aとの温度差が小さくなるため、冷却筒部2の内面と粉粒体Aとの熱交換による冷却のみでは、冷却効率が低下してしまう。しかし、上記構成のように、粉粒体Aの温度が500℃以下の領域にて、さらにミスト水による冷却を行うことで、この温度領域においても高い冷却効率を得ることができる。したがって、高い冷却効率を効率よく得ることができる。
上記構成によれば、冷却筒部2の内部の雰囲気温度を下げることができるため、粉粒体Aの冷却効率をさらに向上させることができる。
(6)本発明の一態様に係る粉粒体Aの連続冷却方法は、粉粒体Aを内部に収容した状態で回転し、粉粒体Aを搬送する冷却筒部2の外面を散水冷却し、冷却筒部2の内部に水ミストを噴霧する。
上記構成によれば、上記(1)の構成と同様な効果を得ることができる。
2 冷却筒部
21a,21b 回転ギア
22a,22b 駆動ギア
23a〜23l 固定送り羽根
3 上部フード部
4 下部フード部
41 排出口
5 投入部
6 外部冷却部
61 外部冷却配管
62a〜62d 外部冷却ノズル
7 内部冷却部
71 内部冷却配管
72a〜72c 内部冷却ノズル
8 外部ブロア
81 空気配管
9 集塵機
91 集塵配管
A 粉粒体
Claims (5)
- 粉粒体を内部に収容した状態で回転し、前記粉粒体を搬送する冷却筒部と、
前記冷却筒部の外部に設けられ、前記冷却筒部の外面を散水冷却する外部冷却部と、
前記冷却筒部の内部に設けられ、前記冷却筒部の内部の搬送される前記粉粒体が100℃以上500℃以下となる領域のみに水ミストを噴霧する内部冷却部と、
を有することを特徴とする粉粒体の連続冷却装置。 - 前記内部冷却部は、100μm以下の粒径の前記水ミストを噴霧することを特徴とする請求項1に記載の粉粒体の連続冷却装置。
- 前記内部冷却部は、前記粉粒体の顕熱で完全に蒸発する量の前記水ミストを噴霧することを特徴とする請求項1または2に記載の粉粒体の連続冷却装置。
- 前記冷却筒部の内部に、前記粉粒体の搬送方向の下流側から空気を供給または排出する外部ブロアをさらに有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の粉粒体の連続冷却装置。
- 粉粒体を内部に収容した状態で回転し、前記粉粒体を搬送する冷却筒部の外面を散水冷却し、
前記冷却筒部の内部の搬送される前記粉粒体が100℃以上500℃以下となる領域のみに水ミストを噴霧することを特徴とする粉粒体の連続冷却方法。
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