JP6398356B2 - 制振構造 - Google Patents
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Description
制振対象の構造体と、
前記構造体に支持された第1質量体と、
前記第1質量体に支持された第2質量体と、
前記構造体と前記第1質量体との間に設けられ、前記第1質量体を前記構造体に対して所定方向に移動させる第1案内機構と、
前記第1質量体と前記第2質量体との間に設けられ、前記第2質量体を前記第1質量体に対して前記所定方向と直交する直交方向へ移動させる第2案内機構と、
を備え、
前記第1案内機構は、対向して配置された上下一対の板部材と、前記上下一対の板部材と線接触して鉛直荷重を支持する円柱型の転動体であって、前記上下一対の板部材の前記所定方向への相対変位に応じて転動する転動体と、を備え、
前記第2案内機構は、対向して配置された上下一対の板部材と、前記上下一対の板部材と線接触して鉛直荷重を支持する円柱型の転動体であって、前記上下一対の板部材の前記直交方向への相対変位に応じて転動する転動体と、を備え、
前記所定方向には、前記構造体に対して、前記第1質量体及び前記第2質量体が相対変位し、
前記直交方向には、前記構造体に対して、前記第2質量体のみが相対変位する
ことを特徴とする。
このような制振構造によれば、異なる2方向についてそれぞれ付加質量を変えることができるので、異なる2方向の揺れに対して確実に制振することができる。
このような制振構造によれば、第1固有周期方向及び第2固有周期方向への構造体の揺れを制振することができる。
このような制振構造によれば、設置面積の縮小を図ることができる。
<<<転がり支承装置について>>>
図1A〜図1Cは、本実施形態の転がり支承装置の一例を示す図である。図1Aは上面図(上側の転動板10を含む上部を透過して見た図)、図1Bは図1AのA−A断面図、図1Cは図1AのB−B断面図である。なお、図に示すように、x方向、y方向、z方向を定めている。z方向は鉛直方向であり、x方向及びy方向は、z方向と垂直な面(水平面)において直交する2方向である。
図2A〜図2Cは、本実施形態の転がり支承装置を用いた支承構造の一例を示す説明図である。なお、図2Aはx方向に沿った断面図であり、図2Bはy方向に沿った断面図であり、図2Cは上面図である。
前述したように、基礎架台100の上面には凸部110が設けられており、中間架台200の下面には凸部210が設けられている。なお、凸部110及び凸部210は、第1案内部材に相当する。図2Bに示すように、凸部110と凸部210は、y方向の中央に対して対称となるように、隣接して配置されている(y方向の一方側と他方側では、凸部110と凸部210の位置関係が逆である)。これにより、中間架台200は、基礎架台100に対してy方向に移動できなくなっている。一方、凸部210と凸部110はともにx方向に沿って形成されているので、中間架台200は基礎架台100に対してx方向に移動(相対変位)することが可能である。また、基礎架台100(凸部110)と中間架台200(凸部210)の間には、x方向への転がり支承として、リテーナ32、ローラー20、ピニオン40が設けられている。
前述したように、中間架台200の上面には凸部220が設けられており、上部架台300の下面には凸部320が設けられている。なお、凸部220及び凸部320は、第2案内部材に相当する。凸部220と凸部320は、図2Aに示すようにx方向に交互に配置されている。これにより、上部架台300は中間架台200に対してx方向に移動できなくなっている。一方、凸部220と凸部320はともにy方向に沿って形成されているので、上部架台300は中間架台200に対してy方向に移動することが可能である。また、中間架台200(凸部220)と上部架台300(凸部320)の間にも、転がり支承として、ローラー20、リテーナ32、ピニオン40、ラック(不図示)が設けられている。これらは、基礎架台100と中間架台200の間に形成されていた転がり支承と同じ構成であり、配置の方向(転動方向)が90度異なっている。
以下に示す実施形態では、TMD(Tuned Mass Damper)制振構造に転がり支承装置を適用している。TMD制振構造とは、制振対象の構造体に質量体(錘)、復元機構、減衰機構を設け、予め、振動系の振動周波数を制振対象の構造体の固有周期に対応させるように調整(チューニング)した制振構造である。
上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
前述の実施形態では、基礎架台100と中間架台200の間、及び、中間架台200と上部架台300との間の支承としてローラー200を用いた転がり支承を用いていたが、これには限られない。例えば、球体やリニアガイドを用いて一方向に転がるように転がり支承を、中間架台200を介して、転動方向が直交するように2段に重ねてもよい。あるいは、一方向に滑るように設けた滑り支承を、滑り方向が直交するように2段に重ねてもよい。
前述の実施形態では、積層ゴム430を同一平面に複数配置し、さらに鉛直方向に複数段に配置していたがこれは限られず、例えば上部架台300とフレーム410との間(上方空間)に一つの積層ゴムを配置したものであってもよい。また、復元機構として積層ゴム以外の部材(例えばバネ)を用いてもよい。
前述の実施形態では、減衰機構としてオイルダンパー450を用いていたが、これには限られず、他の部材(例えば摩擦ダンパー)を用いてもよい。
20 ローラー
30 リテーナ
32 リテーナ
40 ピニオン
50 ラック
100 基礎架台
110 凸部
200 中間架台
210 凸部
220 凸部
300 上部架台
320 凸部
410 フレーム
430 積層ゴム
440 連結板
450 オイルダンパー
Claims (6)
- 制振対象の構造体と、
前記構造体に支持された第1質量体と、
前記第1質量体に支持された第2質量体と、
前記構造体と前記第1質量体との間に設けられ、前記第1質量体を前記構造体に対して所定方向に移動させる第1案内機構と、
前記第1質量体と前記第2質量体との間に設けられ、前記第2質量体を前記第1質量体に対して前記所定方向と直交する直交方向へ移動させる第2案内機構と、
を備え、
前記第1案内機構は、対向して配置された上下一対の板部材と、前記上下一対の板部材と線接触して鉛直荷重を支持する円柱型の転動体であって、前記上下一対の板部材の前記所定方向への相対変位に応じて転動する転動体と、を備え、
前記第2案内機構は、対向して配置された上下一対の板部材と、前記上下一対の板部材と線接触して鉛直荷重を支持する円柱型の転動体であって、前記上下一対の板部材の前記直交方向への相対変位に応じて転動する転動体と、を備え、
前記所定方向には、前記構造体に対して、前記第1質量体及び前記第2質量体が相対変位し、
前記直交方向には、前記構造体に対して、前記第2質量体のみが相対変位する
ことを特徴とする制振構造。 - 請求項1に記載の制振構造であって、
前記構造体は、第1固有周期の第1固有周期方向と、前記第1固有周期よりも周期が短い第2固有周期の第2固有周期方向とを有し、
前記所定方向を前記第1固有周期方向に沿うようにし、
前記直交方向を前記第2固有周期方向に沿うようにした
ことを特徴とする制振構造。 - 請求項1又は請求項2に記載の制振構造であって、
前記構造体と、前記第1質量体及び前記第2質量体との相対的な位置関係を復元させる復元機構と、
前記所定方向の相対変位、及び、前記直交方向の相対変位による振動を減衰させる減衰機構と、
を備える
ことを特徴とする制振構造。 - 請求項3に記載の制振構造であって、
前記構造体に固定されたフレームであって、前記第2質量体の上に上方空間を形成するフレームをさらに備え、
前記上方空間に、前記復元機構及び前記減衰機構を設けた
ことを特徴とする制振構造。 - 請求項4に記載の制振構造であって、
前記復元機構は、積層ゴムである
ことを特徴とする制振構造。 - 請求項4又は請求項5に記載の制振構造であって、
前記減衰機構は、ダンパーである
ことを特徴とする制振構造。
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