JP6398356B2 - 制振構造 - Google Patents

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Description

本発明は、制振構造に関する。
制振構造として、制振対象の構造体、質量体(例えば錘)、復元機構(例えば積層ゴム)、減衰機構(例えばダンパー)を備え、吸動振器として構成されたTMD(Tuned Mass Damper)タイプのものが知られている(例えば特許文献1参照)。このようなTMDタイプの制振構造では、予め、振動系の振動周波数を制振対象の構造体の固有周期に対応させるようにチューニングしている。
特開2008−101769号公報
構造体が建物である場合など、一般的に制振対象の平面形状は長方形のものが多い。この場合、長方形の短辺方向と長辺方向で固有周期が異なることになる。よって、例えば、短辺方向に合わせてチューニングした場合、長辺方向の揺れに対して制振効果を発揮することができない。このように、一つの制振構造で短辺方向と長辺方向の双方(異なる2方向)の揺れを制振することが困難であった。
本発明はかかる課題に鑑みてなされたもので、その主な目的は、異なる2方向の揺れに対して確実に制振することにある。
かかる目的を達成するために本発明の制振構造は、
制振対象の構造体と、
前記構造体に支持された第1質量体と、
前記第1質量体に支持された第2質量体と、
前記構造体と前記第1質量体との間に設けられ、前記第1質量体を前記構造体に対して所定方向に移動させる第1案内機構と、
前記第1質量体と前記第2質量体との間に設けられ、前記第2質量体を前記第1質量体に対して前記所定方向と直交する直交方向へ移動させる第2案内機構と、
を備え、
前記第1案内機構は、対向して配置された上下一対の板部材と、前記上下一対の板部材と線接触して鉛直荷重を支持する円柱型の転動体であって、前記上下一対の板部材の前記所定方向への相対変位に応じて転動する転動体と、を備え、
前記第2案内機構は、対向して配置された上下一対の板部材と、前記上下一対の板部材と線接触して鉛直荷重を支持する円柱型の転動体であって、前記上下一対の板部材の前記直交方向への相対変位に応じて転動する転動体と、を備え、
前記所定方向には、前記構造体に対して、前記第1質量体及び前記第2質量体が相対変位し、
前記直交方向には、前記構造体に対して、前記第2質量体のみが相対変位する
ことを特徴とする。
このような制振構造によれば、異なる2方向についてそれぞれ付加質量を変えることができるので、異なる2方向の揺れに対して確実に制振することができる。

かかる制振構造であって、前記構造体は、第1固有周期の第1固有周期方向と、前記第1固有周期よりも周期が短い第2固有周期の第2固有周期方向とを有し、前記所定方向を前記第1固有周期方向に沿うようにし、前記直交方向を前記第2固有周期方向に沿うようにしたことが望ましい。
このような制振構造によれば、第1固有周期方向及び第2固有周期方向への構造体の揺れを制振することができる。
かかる制振構造であって、前記構造体と、前記第1質量体及び前記第2質量体との相対的な位置関係を復元させる復元機構と、前記所定方向の相対変位、及び、前記直交方向の相対変位による振動を減衰させる減衰機構と、を備えることが望ましい。
かかる制振構造であって、前記構造体に固定されたフレームであって、前記第2質量体の上に上方空間を形成するフレームをさらに備え、前記上方空間に、前記復元機構及び前記減衰機構を設けたことが望ましい。
このような制振構造によれば、設置面積の縮小を図ることができる。
かかる制振構造であって、前記復元機構は、積層ゴムであってもよい。
かかる制振機構であって、前記減衰機構は、ダンパーであってもよい。
本発明によれば、異なる2方向の揺れに対して確実に制振することが可能である。
図1A〜図1Cは、本実施形態の転がり支承装置を示す図である。図1Aは上面図、図1Bは図1AのA−A断面図、図1Cは図1AのB−B断面図である。 図2A〜図2Cは、本実施形態の転がり支承装置を用いた支承構造を示す説明図である。図2Aはx方向に沿った断面図であり、図2Bはy方向に沿った断面図であり、図2Cは上面図である。 図3A〜図3Cは、本実施形態のTMD制振構造の説明図である。図3Aはx方向に沿った断面図であり、図3Bはy方向に沿った断面図であり、図3Cは上面図である。
===実施形態===
<<<転がり支承装置について>>>
図1A〜図1Cは、本実施形態の転がり支承装置の一例を示す図である。図1Aは上面図(上側の転動板10を含む上部を透過して見た図)、図1Bは図1AのA−A断面図、図1Cは図1AのB−B断面図である。なお、図に示すように、x方向、y方向、z方向を定めている。z方向は鉛直方向であり、x方向及びy方向は、z方向と垂直な面(水平面)において直交する2方向である。
本実施形態の転がり支承装置は、上下一対の転動板10(板部材に相当)、ローラー20(転動体に相当)、リテーナ30(保持器に相当)を備えている。また、リテーナ30にはピニオン40が設けられており、転動板10にはラック50が設けられている。
上下一対の転動板10は、免震対象となる構造体などの間に対向するように設けられている。また、この対向する側の面(以下、転動面ともいう)がローラー20と接触する面であり、当該転動面には後述するラック50が設けられている。
ローラー20は、円柱型の部材であり、円柱の中心軸がy方向と平行になるように配置されている。この例では、5個のローラー20がx方向に一列に並んでいる。そして、これらのローラー20は、それぞれ、上下一対の転動板10と接触して構造体や錘などの鉛直荷重を支持するとともに、上下一対の転動板10のx方向への相対変位に応じてx方向に転動する。なお、ローラー20の数や配置状態はこの例には限られない、例えば、ローラー20をx方向に5個以上設けてもよいし、y方向に複数列(例えば2列)となるように設けてもよい。また、ローラー20が複数でなくてもよい(1つでもよい)。さらに、x方向とy方向の配置関係が逆でもよい(すなわち、ローラー20の中心軸がx方向と平行でもよい)。この場合、上下一対の転動板10のy方向への相対変位に応じてローラー20がy方向に転動することになる。
リテーナ30は、板状の部材であり5つのローラー20を収容する開口が設けられている。そして、リテーナ30は、上下一対の転動板10の間で5個のローラー20をそれぞれ転動可能に保持するとともに、ローラー20同士の間隔を保持している。また、リテーナ30には、ピニオン40、及び、ピニオン軸40aが設けられている。
ピニオン軸40aは、ピニオン40の回転軸でありリテーナ30においてy方向(換言するとローラー20の中心軸)と平行に設けられている。
ピニオン40は、リテーナ30に設けられた歯車形状の部材であり、ピニオン軸40a(回転軸に相当)を中心として回転する。この例の場合、ピニオン40は、リテーナ30のローラー20の列よりもy方向の一方側において、x方向に4個並んで配置されている。
なお、ピニオン40の数や配置状態はこの例には限られない。例えば、ピニオン40が3個以下、あるいは、5個以上並んでいてもよい。また、ピニオン40がローラー20を挟むように、y方向の両側に設けられていてもよい。また、ピニオン40とローラー20とがx方向の離れた位置に並んでいてもよい。
ラック50は、上下一対の転動板10の各転動面に設けられている。より具体的には、ラック50は、上下一対の転動板10の各転動面において、ピニオン40と噛合するように(x方向に沿って)設けられている。
以上の構成により、地震などによって上下の転動板10にx方向への相対変位が生じると、各ローラー20が鉛直荷重を支持しつつx方向に転動する。このとき、上下のラック50にもx方向位への相対変位が生じ、各ラック50と噛合しているピニオン40が回転する。このためリテーナ30の位置(x方向の位置)は、上下の転動板10の中間位置に制御される。
もし仮に、転がり支承に球体(鋼球)を用いた場合、球体と転動板10との接触が点接触となり、接触部分における応力が非常に大きくなる。この結果、局所的に摩耗や塑性変形が生じるおそれがある。また、変位を多数回繰り返した場合、ローラー20と転動板10との間に滑りが生じてリテーナ30の位置が次第にずれる(位置ずれする)おそれがある。また、リニアガイドを用いた場合、大きな変形を多数回繰り返すと、潤滑油が枯渇しメンテナンスが必要になるおそれがある。
これに対し、本実施形態の転がり支承装置は、円柱型のローラー20を用いているので、転動板10との接触が線接触となり、局所的な摩耗や塑性変形を抑制することができる。また、本実施形態の転がり支承装置は、ラック・アンド・ピニオン(ラック50及びピニオン40)を備えているので、ローラー20と転動板10との間の滑りを防止でき、リテーナ30の位置を上下の転動板10の中間位置に制御することができる。すなわち、リテーナ30の位置ずれを抑制することができる。これにより、位置ずれが生じないのでメンテナンスが不要であり、また、耐久性の向上を図ることができる。
<<<支承構造について>>>
図2A〜図2Cは、本実施形態の転がり支承装置を用いた支承構造の一例を示す説明図である。なお、図2Aはx方向に沿った断面図であり、図2Bはy方向に沿った断面図であり、図2Cは上面図である。
本実施形態の支承構造は、図1の転がり支承装置を転動方向が直交するように鉛直方向に2段に重ねて形成したものであり、基礎架台100、中間架台200、上部架台300を備えている。
基礎架台100は、本実施形態の支承構造のうちの最も下部に設けられている。基礎架台100の上面には、z方向の上側に凸状に突出した凸部110がy方向に複数列(ここでは4列)設けられている(図2B参照)。各凸部110はそれぞれx方向に沿って形成されている。
中間架台200は、基礎架台100の上に配置されている。中間架台200の下面には、z方向の下側に凸状に突出した凸部210がy方向に4列設けられている。各凸部210はそれぞれx方向に沿って形成されている。なお、基礎架台100と中間架台200との間には転がり支承装置(ローラー20など)が設けられている。さらに、中間架台200の上面には、z方向の上側に凸状に突出した凸部220がx方向に複数列設けられている。各凸部220は、それぞれy方向に沿って形成されている。
上部架台300は、例えば、建物の上部構造物や大型の錘などであり、中間架台200の上に配置されている。上部架台300の下面には、z方向の下側に凸状に突出した凸部310がx方向に複数列設けられている。各凸部310は、それぞれy方向に沿って形成されている。また、中間架台200と上部架台300との間にも転がり支承装置(ローラー20など)が設けられている。ただし、基礎架台100と中間架台200との間の転がり支承装置とは配置の方向が90度異なっている。なお、上部架台300が構造体の場合、図に示す支承構造は、免震構造となり、上部架台300が錘(基礎架台100が構造体)の場合、図に示す支承構造は後述するTMD制振構造となる。
<基礎架台100と中間架台200の間の構造について>
前述したように、基礎架台100の上面には凸部110が設けられており、中間架台200の下面には凸部210が設けられている。なお、凸部110及び凸部210は、第1案内部材に相当する。図2Bに示すように、凸部110と凸部210は、y方向の中央に対して対称となるように、隣接して配置されている(y方向の一方側と他方側では、凸部110と凸部210の位置関係が逆である)。これにより、中間架台200は、基礎架台100に対してy方向に移動できなくなっている。一方、凸部210と凸部110はともにx方向に沿って形成されているので、中間架台200は基礎架台100に対してx方向に移動(相対変位)することが可能である。また、基礎架台100(凸部110)と中間架台200(凸部210)の間には、x方向への転がり支承として、リテーナ32、ローラー20、ピニオン40が設けられている。
リテーナ32は、x方向に垂直な断面がL字形状であり、L字の長辺側が基礎架台100の凸部110の上面と中間架台200の下面の間に配置され、L字の短辺側が基礎架台100の凸部110の側面と中間架台200の凸部210の側面の間に配置されている。リテーナ32のL字の長辺側の部分の構成は前述のリテーナ30(図1)と同様である。すなわち、当該長辺側の部分には、中心軸がy方向に平行のローラー20がx方向に多数並んで設けられている。また、L字の短辺側(基礎架台100の凸部110の側面と中間架台200の凸部210の側面との間)にもローラー20がx方向に並んで設けられている。ただし、L字の短辺側のローラー20は、中心軸がz方向と平行である。
また、基礎架台100の凸部110と中間架台200の凸部210の位置関係に応じて、リテーナ32もy方向の中央に対して対称に配置されている。すなわち、図2Bからわかるように、y方向の一方側と他方側とではL字の向きが逆になっている。
さらに、リテーナ32のL字の長辺側のローラー20の横にはピニオン40が設けられており(図2C参照)、基礎架台100の凸部110の上面、及び、中間架台200の下面にはそれぞれ、ピニオン40と噛合するラック(不図示)が設けられている。
以上の構成により、中間架台200は基礎架台100に対してx方向にのみ移動(変位)することができ、基礎架台100と中間架台200の間のリテーナ32の各ローラー20は、基礎架台100と中間架台200とのx方向への相対変位に応じてx方向に転動する。また、ピニオン40及びラック(不図示)を設けていることにより、変位を繰り返した場合においても、リテーナ32の位置ずれを抑制することができる。
<中間架台200と上部架台300の間の構造について>
前述したように、中間架台200の上面には凸部220が設けられており、上部架台300の下面には凸部320が設けられている。なお、凸部220及び凸部320は、第2案内部材に相当する。凸部220と凸部320は、図2Aに示すようにx方向に交互に配置されている。これにより、上部架台300は中間架台200に対してx方向に移動できなくなっている。一方、凸部220と凸部320はともにy方向に沿って形成されているので、上部架台300は中間架台200に対してy方向に移動することが可能である。また、中間架台200(凸部220)と上部架台300(凸部320)の間にも、転がり支承として、ローラー20、リテーナ32、ピニオン40、ラック(不図示)が設けられている。これらは、基礎架台100と中間架台200の間に形成されていた転がり支承と同じ構成であり、配置の方向(転動方向)が90度異なっている。
以上の構成により、上部架台300は、中間架台200に対してy方向にのみ移動(変位)することができ、中間架台200と上部架台300の間のリテーナ32の各ローラー20は、中間架台200と上部架台300とのy方向への相対変位に応じてy方向に転動する。また、ピニオン40及びラック(不図示)を設けていることにより、変位を繰り返した場合においても、リテーナ32の位置ずれを抑制することができる。
このように、中間架台200は、基礎架台100に対してx方向にのみ移動可能であり、且つ、上部架台300は、中間架台200に対してy方向にのみ移動可能である。すなわち、上部架台300は、基礎架台100に対して、x方向及びy方向に移動可能となっている。このように、一方向への転がり支承装置を転動方向が直交するように鉛直方向に2段に重ねることにより異なる2方向(x方向及びy方向)の変位に対して、捩れを生じさせることなく上部架台300を支承することができる。
なお、本実施形態ではリテーナ32の断面をL字形状としていたが、L字の短辺側の部分(ローラー20を含む)が無くてもよい。すなわち、前述のリテーナ30(図1)を用いた転がり支承装置を基礎架台100の凸部110の上面と中間架台200の下面の間、中間架台200の凸部220の上面と上部架台300の下面の間に配置してもよい。この場合、L字の短辺側に当たる部分に、例えば、摩擦抵抗の小さい滑り材を設けるとよい。
また、L字の短辺側の部分にもピニオン40を設けてもよい。この場合、基礎架台100の凸部110の側面と中間架台200の凸部210の側面にそれぞれピニオン40と噛合するラックを設ければよい。これにより、リテーナ32の位置ずれをさらに抑制することができる。
<<<TMD制振構造について>>>
以下に示す実施形態では、TMD(Tuned Mass Damper)制振構造に転がり支承装置を適用している。TMD制振構造とは、制振対象の構造体に質量体(錘)、復元機構、減衰機構を設け、予め、振動系の振動周波数を制振対象の構造体の固有周期に対応させるように調整(チューニング)した制振構造である。
なお、制振対象が建物である場合、一般的に平面形状が長方形となるものが多い。この場合、短辺方向が長い固有周期となり、長辺方向が短い固有周期となる。すなわち短辺方向と長辺方向で固有周期が異なる。そこで、本実施形態では、このような場合においても異なる2つの方向についての振動を確実に制振させるようにしている。
図3A〜図3Cは、本実施形態のTMD制振構造の説明図である。なお、図3Aはx方向に沿った断面図であり、図3Bはy方向に沿った断面図であり、図3Cは上面図である。なお、図3Bにおいて、上部架台300よりも上は図3Aと同じ構成であるので、図示を省略している。
本実施形態のTMD制振構造は、高層ビルなどの建物の頂部に設けられており、基礎架台100、中間架台200、上部架台300を備えている。基礎架台100、中間架台200、上部架台300の構成については前述の図2A〜図2Cと同じであるので説明を省略する。
なお、本実施形態において、基礎架台100は、制振対象の構造体(例えば高層建物)の頂部において、構造体と一体に設けられている。すなわち、基礎架台100は構造体に相当する。また、本実施形態において、上部架台300は、大型のTMD錘であり、重量は350トンである。また、中間架台200の重量は150トンであり、中間架台200は基礎架台100に対して錘(付加質量)として作用する(中間架台200は、第1質量体に相当し、上部架台300は第2質量体に相当する)。このため、中間架台200にかかる荷重は、上部架台300の荷重(350トン)のみであるのに対し、基礎架台100にかかる荷重は、中間架台200と上部架台300との合計荷重(500トン)となる。
また、基礎架台100と中間架台200の間、及び、中間架台200と上部架台300間には、転動方向が直交するように転がり支承装置が2段に設けられている。これにより、中間架台200は、基礎架台100に対してx方向に移動(相対変位)可能であり、上部架台300は、中間架台200に対してy方向に移動(相対変位)可能となっている。
ここで、x方向には基礎架台100に対して中間架台200と上部架台300が相対変位することになる。このため中間架台200と上部架台300との合計荷重(500トン)がx方向についての付加質量となる。これに対し、y方向には基礎架台100に対して上部架台300のみが相対変位する(中間架台200は基礎架台100に対して移動しない)。よって、上部架台300のみの荷重(350トン)がy方向についての付加質量となる。
よって、例えば制振対象の構造体(建物)の平面形状が長方形で、長辺方向と短辺方向で固有周期が異なる場合においても、一つのTMD制振構造で揺れを制振することができる。すなわち、建物の平面形状が長方形の場合、短辺方向(第1固有周期方向に相当)の固有周期は長くなり、長辺方向(第2固有周期方向に相当)の固有周期は短くなる。このため、建物は固有周期の長い短辺方向に揺れやすい。よって、付加質量の大きいx方向を短辺方向に沿うようにし、付加質量の小さいy方向を長辺方向に沿うようにすれば、異なる2方向(長辺方向、短辺方向)の揺れを確実に制振することができる。
また、本実施形態のTMD制振構造は、フレーム410、積層ゴム430、連結板440、オイルダンパー450を備えている。
フレーム410は、図3Aに示すように、下端が基礎架台100の4辺の角部に固定されており、さらに、上部架台300の上に上方空間を形成するように設けられている。
積層ゴム430(復元機構に相当)は、円形のゴム層と内部鋼板を交互に積層した円柱形の部材であり、2つの部材間に設けられて、これらの2つの部材が相対変位した際に、2つの部材の位置関係を復元させるものである。本実施形態では、積層ゴム430は、上部架台300の上面とフレーム410との間に設けられている。すなわち、積層ゴム430は、上部架台300よりも上の上方空間に設けられている。
連結板440は、上下方向に並ぶ積層ゴム430の間に設けられた正方形状の鋼製の板状部材である。上部架台300上、及び、連結板440上の同一水平面には4つの積層ゴム430が配置されている。このように、同一水平面(xy平面)上に積層ゴム430を複数(ここでは4個)配置することで、変形時の安定性をより確保することができる。さらに、本実施形態では積層ゴム430を鉛直方向に4段に積み上げている(積層している)。こうすることで、大変形に追従可能となり、また、より長期化することができる。
オイルダンパー450(減衰機構に相当)は、粘性流体であるオイルを用いて、相対変位する2つの部材間の振動エネルギーを吸収し振動を減衰させるものである。オイルダンパー450は、通常、積層ゴム430などと組み合わされて使用される。本実施形態では、オイルダンバー450は、上部架台300の各辺に沿うように(x方向及びy方向に沿うように)して、上部架台300の上面とフレーム410との間(上方空間)に設けられている。なお、各辺において、オイルダンパー450は、連結板440を介して上下2段に配置されている。このようにオイルダンパー450を配置することにより、x方向及びy方向についてそれぞれ振動を効率的に減衰させることができる。
本実施形態では、上部架台300の上(上部架台300とフレーム410によって形成される上方空間)に積層ゴム430及びオイルダンパー450を設けている。これにより、上部架台300の上の上方空間を有効利用することができ、設置面積の縮小を図ることができる。また、もし仮に、積層ゴム430の上に上部架台300を配置した場合、変位が大きくなった際に積層ゴム430が座屈して上部架台300が落下する恐れがある。また、上部架台300を、例えばフレーム410に吊るすようにした場合も同様に、上部架台300が落下するおそれがある。本実施形態では、上部架台300の上の上方空間に積層ゴム430やオイルダンオパー450を設けているので、上部架台300の落下を抑制しつつ制振することができる。
また、本実施形態では、基礎架台100と中間架台200との間、及び、中間架台200と上部架台300との間に一方向への転がり支承装置を転がり方向が直交するように2段に設けている。そして、各転がり支承装置にラック50及びピニオン40を設けているので、基礎架台100、中間架台200、上部架台300のそれぞれについての変形や位置ずれを抑制することができ、耐久性の向上を図ることができる。
===その他の実施の形態===
上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<支承構造について>
前述の実施形態では、基礎架台100と中間架台200の間、及び、中間架台200と上部架台300との間の支承としてローラー200を用いた転がり支承を用いていたが、これには限られない。例えば、球体やリニアガイドを用いて一方向に転がるように転がり支承を、中間架台200を介して、転動方向が直交するように2段に重ねてもよい。あるいは、一方向に滑るように設けた滑り支承を、滑り方向が直交するように2段に重ねてもよい。
また、前述の実施形態では転がり支承装置に、ラック50とピニオン40を設けていたが、これらが無くてもよい。ただし、ラック50とピニオン40を設けることで、リテーナ30の位置ずれをより抑制することができる。
<復元機構について>
前述の実施形態では、積層ゴム430を同一平面に複数配置し、さらに鉛直方向に複数段に配置していたがこれは限られず、例えば上部架台300とフレーム410との間(上方空間)に一つの積層ゴムを配置したものであってもよい。また、復元機構として積層ゴム以外の部材(例えばバネ)を用いてもよい。
また、前述の実施形態では、積層ゴム430を上部架台300とフレーム410との間の上方空間に設けていたが、これには限られず、例えば、中間架台200及び上部架台300の一部をそれぞれ側方に延出させて、基礎架台100と中間架台200との間、基礎架台100と上部架台300との間に積層ゴム430を設けてもよい。
<減衰機構について>
前述の実施形態では、減衰機構としてオイルダンパー450を用いていたが、これには限られず、他の部材(例えば摩擦ダンパー)を用いてもよい。
また、前述の実施形態では、オイルダンパー450を上部架台300とフレーム410との間の上方空間に設けていたが、これには限られず、上方空間以外の場所に設けてもよい。例えば上部架台300の側部と、当該側部と対向するフレーム410の側部との間に設けてもよい。
10 転動板
20 ローラー
30 リテーナ
32 リテーナ
40 ピニオン
50 ラック
100 基礎架台
110 凸部
200 中間架台
210 凸部
220 凸部
300 上部架台
320 凸部
410 フレーム
430 積層ゴム
440 連結板
450 オイルダンパー

Claims (6)

  1. 制振対象の構造体と、
    前記構造体に支持された第1質量体と、
    前記第1質量体に支持された第2質量体と、
    前記構造体と前記第1質量体との間に設けられ、前記第1質量体を前記構造体に対して所定方向に移動させる第1案内機構と、
    前記第1質量体と前記第2質量体との間に設けられ、前記第2質量体を前記第1質量体に対して前記所定方向と直交する直交方向へ移動させる第2案内機構と、
    を備え、
    前記第1案内機構は、対向して配置された上下一対の板部材と、前記上下一対の板部材と線接触して鉛直荷重を支持する円柱型の転動体であって、前記上下一対の板部材の前記所定方向への相対変位に応じて転動する転動体と、を備え、
    前記第2案内機構は、対向して配置された上下一対の板部材と、前記上下一対の板部材と線接触して鉛直荷重を支持する円柱型の転動体であって、前記上下一対の板部材の前記直交方向への相対変位に応じて転動する転動体と、を備え、
    前記所定方向には、前記構造体に対して、前記第1質量体及び前記第2質量体が相対変位し、
    前記直交方向には、前記構造体に対して、前記第2質量体のみが相対変位する
    ことを特徴とする制振構造。
  2. 請求項1に記載の制振構造であって、
    前記構造体は、第1固有周期の第1固有周期方向と、前記第1固有周期よりも周期が短い第2固有周期の第2固有周期方向とを有し、
    前記所定方向を前記第1固有周期方向に沿うようにし、
    前記直交方向を前記第2固有周期方向に沿うようにした
    ことを特徴とする制振構造。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の制振構造であって、
    前記構造体と、前記第1質量体及び前記第2質量体との相対的な位置関係を復元させる復元機構と、
    前記所定方向の相対変位、及び、前記直交方向の相対変位による振動を減衰させる減衰機構と、
    を備える
    ことを特徴とする制振構造。
  4. 請求項3に記載の制振構造であって、
    前記構造体に固定されたフレームであって、前記第2質量体の上に上方空間を形成するフレームをさらに備え、
    前記上方空間に、前記復元機構及び前記減衰機構を設けた
    ことを特徴とする制振構造。
  5. 請求項4に記載の制振構造であって、
    前記復元機構は、積層ゴムである
    ことを特徴とする制振構造。
  6. 請求項4又は請求項5に記載の制振構造であって、
    前記減衰機構は、ダンパーである
    ことを特徴とする制振構造。
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