JP6398224B2 - α−フルオロアクリル酸エステル類の製造方法 - Google Patents
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Description
従来、α−フルオロアクリル酸エステルの、収率が良好である製法としては、例えば、α−フルオロホスホノアセテートとパラフォルムアルデヒドとの縮合によってα−フルオロアクリル酸エステルが得られる方法であって、当該縮合が弱無機塩基の存在下で水性媒質中で実施されることを特徴とする方法(特許文献1)が提案されている。
また、特に、医薬製造用の合成中間体等の場合、医薬の安全性の観点から、副生成物の含量が極めて低いことが望ましい。このため、α−フルオロアクリル酸エステルの選択率が非常に高いことが求められる。しかし、一般に、2−フルオロアクリル酸類の製造方法では、誘導体等の発生により、反応が複雑になり、2−フルオロアクリル酸類の収率は低く、その分離も困難である。このため、副生成物を除去して2−フルオロアクリル酸類の純度を高くするためには、大量の廃液や廃棄物が発生し、工業化生産には不利である。
本発明者らは、高い原料転化率、高い選択率、及び高い収率を有する、α−フルオロアクリル酸エステル類の製造方法として、
式(1’):
Rは1個以上のフッ素原子で置換されていてもよいアルキル基を表す。]
で表される化合物の製造方法であって、
式(2’):
Xは臭素原子又は塩素原子を表す。]
で表される化合物を、
遷移金属触媒、及び塩基の存在下で、
式(3’):
R−OH (3')
(式中の記号は前記と同意義を表す。)
で表されるアルコール及び一酸化炭素
と反応させて前記式(1)で表される化合物を得る工程Aを含む
製造方法を開発し、これを出願した(PCT/JP2013/073446、未公開)。
しかし、本発明者らは、更に、少ない触媒使用量で、高い原料転化率、及び高い収率を有する、α−フルオロアクリル酸エステル類の製造方法を提供することを目指した。
α−フルオロアクリル酸エステル類である式(1):
R1、及びR2は、同一又は異なって、アルキル基、フルオロアルキル基、1個以上の置換基を有していてもよいアリール基、ハロゲン原子、又は水素原子を表し;及び
R3はアルキル基、フルオロアルキル基、又は1個以上の置換基を有していてもよいアリール基を表す。]
で表される化合物が、
式(2):
で表される化合物を、
アルキル基及びシクロアルキル基からなる群より選択される1個以上の置換基を各リン原子上に有する二座ホスフィン配位子を含有する遷移金属錯体触媒、及び塩基の存在下で、
式(3):
R3−OH (3)
[式中の記号は前記と同意義を表す。]
で表されるアルコール及び一酸化炭素
と反応させることによって、高い原料転化率、及び高い収率で得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
式(1):
R1、及びR2は、同一又は異なって、アルキル基、フルオロアルキル基、1個以上の置換基を有していてもよいアリール基、ハロゲン原子、又は水素原子を表し;及び
R3はアルキル基、フルオロアルキル基、又は1個以上の置換基を有していてもよいアリール基を表す。]
で表される化合物の製造方法であって、
式(2):
で表される化合物を、
アルキル基及びシクロアルキル基からなる群より選択される1個以上の置換基を各リン原子上に有する二座ホスフィン配位子を含有する遷移金属錯体触媒、及び塩基の存在下で、
式(3):
R3−OH (3)
[式中の記号は前記と同意義を表す。]
で表されるアルコール及び一酸化炭素
と反応させて前記式(1)で表される化合物を得る工程Aを含む
製造方法。
項2.
前記遷移金属がパラジウムである項1に記載の製造方法。
項3.
前記塩基がアミンである項1又は2に記載の製造方法。
項4.
工程Aが、60〜120℃の範囲内の温度で実施される項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
本明細書中、「フルオロアルキル基」は、少なくとも1個の水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基である。「フルオロアルキル基」は、パーフルオロアルキル基を包含する。「パーフルオロアルキル基」は、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基である。
本明細書中、「アルコキシ基」は、アルキル−O−基である。
本明細書中、「アシル基」としては、例えば、アルカノイル基(すなわち、アルキル−CO−基)等が挙げられる。
本明細書中、「エステル基」としては、例えば、アルキルカルボニルオキシ基(すなわち、アルキル−CO−O−基)、及びアルコキシカルボニル基(すなわち、アルキル−O−CO−基)等が挙げられる。
R1、及びR2は、同一又は異なって、アルキル基、フルオロアルキル基、1個以上の置換基を有していてもよいアリール基、ハロゲン原子、又は水素原子を表し;及び
R3はアルキル基、フルオロアルキル基、又は1個以上の置換基を有していてもよいアリール基を表す。]
で表される化合物の製造方法は、
式(2):
で表される化合物を、
アルキル基及びシクロアルキル基からなる群より選択される1個以上の置換基を各リン原子上に有する二座ホスフィン配位子を含有する遷移金属錯体触媒、及び塩基の存在下で、
式(3):
R3−OH (3)
[式中の記号は前記と同意義を表す。]
で表されるアルコール及び一酸化炭素
と反応させて前記式(1)で表される化合物を得る工程Aを含む。
前記式(3)で表されるアルコールは、工程Aの反応の溶媒としても機能し得る。
工程Aの反応原料としての前記式(3)で表されるアルコールの量は、前記式(2)で表される化合物1モルに対して、通常1〜500モル、好ましくは約1.1〜50モルである。
前記式(3)で表されるアルコールを工程Aの反応の溶媒としても用いる場合、当該アルコールは、通常、前記式(2)で表される化合物に対して大過剰に用いられる。具体的には、当該アルコール以外の溶媒を用いない場合、前記式(2)で表される化合物1モル当たり、当該アルコールの量は、通常0.1〜20L、好ましくは約0.2〜5Lであり、又は0.5〜10L、若しくは約1〜5Lであることもできる。
すなわち、工程Aで用いられる遷移金属錯体触媒としては、例えば、ニッケル錯体触媒、パラジウム錯体触媒、白金錯体触媒、ロジウム錯体触媒、ルテニウム錯体触媒、イリジウム錯体触媒、及びコバルト錯体触媒が挙げられる。当該パラジウム錯体触媒は、好ましくは0価又はII価パラジウム錯体触媒である。
当該遷移金属は、好ましくは、ニッケル、コバルト及びパラジウムからなる群より選択され、特に好ましくは、パラジウムである。
ビス(ジシクロヘキシルホスフィノフェニル)エーテル、
1,1’−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセン、
1,1−ビス(ジイソプロピルホスフィノ)フェロセン、
1,1’−ビス(ジ tert−ブチルホスフィノ)フェロセン、
1,3−ビス(ジイソプロピルホスフィノ)プロパン、
1,4−ビス(ジイソプロピルホスフィノ)ブタン、
1,3−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)プロパン、
1,4−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)ブタン、
(1S,1S’,2R,2R’)−1,1’−ジ−tert−ブチル−(2,2’)−ジホスホラン、
(3S,3’S,4S,4’S,11bS,11’bS)−(+)−4,4’−ジ tert−ブチル−4,4’,5,5’−テトラヒドロ−3,3’−ビ−3H−ジナフト[2,1−c:1’,2’−e]ホスフィン、
(1R,1R’,2S,2S’)−(+)−2,2’−ジ−tert−ブチル−2,3,2’,3’−テトラヒドロ−1,1’−ビ−1H−イソホスフェニルインドール、
1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)ベンゼン、
(−)−1,2−ビス−[(2R,5R)−2,5,−ジメチルホスホラノ]ベンゼン、
(R)−1−[(Sp)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ−tert−ブチルホスフィン、
(Rp)−1−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−[(R)−α−(ジメチルアミノ)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノベンジル)]フェロセン、
(R,R)−(−)−2,3−ビス(tert−ブチルメチルホスフィノ)キノキサリン、及び
(R)−1−[(S)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジシクロヘキシルホスフィン
等が挙げられる。
ジクロロ[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]パラジウム(II)、
ジクロロ[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]パラジウム(II)、
ジクロロ[1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン]パラジウム(II)、
ジクロロ[1,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン]パラジウム(II)、
ジクロロ[1,1’−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)、
ジクロロ[1,1−ビス(ジイソプロピルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)、
ジクロロ[1,1’−ビス(ジ tert−ブチルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)、
ジクロロ[1,3−ビス(ジイソプロピルホスフィノ)プロパン]パラジウム(II)、
ジクロロ[1,4−ビス(ジイソプロピルホスフィノ)ブタン]パラジウム(II)、
ジクロロ[1,3−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)プロパン]パラジウム(II)、
ジクロロ[ビス(ジシクロヘキシルホスフィノフェニル)エーテル]パラジウム(II)、
ジクロロ[1,4−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)ブタン]パラジウム(II)、
ジクロロ[(1S,1S’,2R,2R’)−1,1’−ジ−tert−ブチル−(2,2’)−ジホスホラン]パラジウム(II)、
ジクロロ[(3S,3’S,4S,4’S,11bS,11’bS)−(+)−4,4’−ジ tert−ブチル−4,4’,5,5’−テトラヒドロ−3,3’−ビ−3H−ジナフト[2,1−c:1’,2’−e]ホスフィン]パラジウム(II)、
ジクロロ[(1R,1R’,2S,2S’)−(+)−2,2’−ジ−tert−ブチル−2,3,2’,3’−テトラヒドロ−1,1’−ビ−1H−イソホスフェニルインドール]パラジウム(II)、
ジクロロ[1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)ベンゼン]パラジウム(II)、
ジクロロ[4,6−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェノキサジン]パラジウム(II)、
ジクロロ[(−)−1,2−ビス−[(2R,5R)−2,5,−ジメチルホスホラノ]ベンゼン]パラジウム(II)、
ジクロロ[(R)−1−[(Sp)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ−tert−ブチルホスフィン]パラジウム(II)、
ジクロロ[(S)−1−[(Rp)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジフェニルホスフィン]パラジウム(II)、
ジクロロ[(Rp)−1−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−[(R)−α−(ジメチルアミノ)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノベンジル)]フェロセン]パラジウム(II)、
ジクロロ[(R,R)−(−)−2,3−ビス(tert−ブチルメチルホスフィノ)キノキサリン]パラジウム(II)、及び
ジクロロ[(R)−1−[(S)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジシクロヘキシルホスフィン]パラジウム(II)
が挙げられる。
このような不均一系触媒は、触媒の回収等のプロセス上の利点を有する。具体的な触媒構造としては、例えば、次の化学式:
に示すような、架橋したポリスチレン(PS)鎖にホスフィンを導入したポリマーホスフィンなどで前記遷移金属原子を固定したもの等が挙げられる。
この例における、「アルキル基及びシクロアルキル基からなる群より選択される1個以上の置換基を各リン原子上に有する二座ホスフィン配位子」は、以下の化学式に示す、トリフェニルホスフィンの1つのフェニル基をポリマー鎖に結合させたトリアリールホスフィンである。
である。
当該担体の例としては、例えば、炭素、アルミナ、シリカ−アルミナ、シリカ、炭酸バリウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、及びゼオライト等が挙げられる。
遷移金属触媒の量の下限は、前記式(2)で表される化合物1モルに対して、通常0.000001モル、0.00001モル、より好ましくは0.00002モル、又は0.00004モルである。
工程Aで用いられる塩基としては、例えば、アミン、無機塩基、及び有機金属塩基が挙げられる。
アミンとしては、例えば、トリエチルアミン、トリ(n−プロピル)アミン、トリ(n−ブチル)アミン、ジイソプロピルエチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、ピリジン、ルチジン、γ−コリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン等が挙げられる。
無機塩基としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム及び炭酸水素カリウム等が挙げられる。
有機金属塩基としては、例えば、
ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、フェニルリチウム、トリフェニルメチルナトリウム、エチルナトリウム等の有機アルカリ金属化合物;
メチルマグネシウムブロミド、ジメチルマグネシウム、フェニルマグネシウムクロリド、フェニルカルシウムブロミド、ビス(ジシクロペンタジエン)カルシウム等の有機アルカリ土類金属化合物;及び
ナトリウムメトキシド、t−ブチルメトキシド等のアルコキサイド
等が挙げられる。
塩基の好ましい例としては、水酸化リチウム、トリエチルアミン、炭酸カリウム、及び炭酸リチウムが挙げられる。塩基のより好ましい例としては、トリエチルアミン、炭酸カリウム、及び炭酸リチウムが挙げられる。塩基の特に好ましい例としては、トリエチルアミンが挙げられる。
塩基は、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
当該温度が低すぎる場合、原料転化率、及び収率が低くなる傾向がある。
一方、当該温度が高すぎる場合、後記の分析方法による分析において、工程Aの反応後の混合物中に、原料である前記式(1)で表される化合物、及び副生成物又は分解物が観測される場合がある。
[分析方法]
反応終了後、内部標準物質としてヘキサフルオロベンゼンを加えて撹拌し、しばらくの間静置して塩を沈殿させる。上澄みを重クロロホルムで希釈し、19F−NMR積分値による定量を実施する。
当該溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、n−デカン、イソドデカン、トリデカン等の非芳香族炭化水素溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラリン、ベラトロール、ジエチルベンゼン、メチルナフタレン、ニトロベンゼン、o−ニトロトルエン、メシチレン、インデン、ジフェニルスルフィド等の芳香族炭化水素溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、プロピオフェノン、ジイソブチルケトン、イソホロン等のケトン;ジクロロメタン、クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル、メチル t−ブチルエーテル、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジグライム、フェネトール、1,1−ジメトキシシクロヘキサン、ジイソアミルエーテル等のエーテル溶媒;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、マロン酸ジエチル、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、γ−ブチロラクトン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、炭酸ジメチル、α−アセチル−γ−ブチロラクトン等のエステル溶媒;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル溶媒;ジメチルスルホキシド、スルホラン等のスルホキシド系溶媒;及びN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアセトアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等のアミド溶媒等が挙げられる。
一方、前記式(1)で表される化合物の沸点が高い場合、低沸点の溶媒を用いて、好適に、前記式(1)で表される化合物を精製することができる。
脱水処理を行わない化合物若しくは試薬、及び/又は溶媒を用いた場合、α−フルオロアクリル酸類が副生することにより、目的物であるα−フルオロアクリル酸エステル類の収率及び選択率が低下する虞がある。
当該反応時間は、より高い反応温度を採用することにより、より短くすることができる。
特に、本発明の製造方法では、副生成物及び分解物が極めて微量であるので、蒸留等の簡便な方法により、極めて純度の高い式(1)で表される化合物を得ることができる。
50mLのステンレス製オートクレーブに1−クロロ−1−フルオロエテン 2.09g(25.97mmol)、トリエチルアミン 2.76g(27.3mmol)、ジクロロ[1,3−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)プロパン]パラジウム(II) 76.2mg(0.124mmol)、及び予め脱水処理を施したメタノール 12.5mLを仕込み、一酸化炭素 0.7MPaGを導入し100℃で18時間撹拌した。
反応終了後、オートクレーブを冷却した後、未反応のガスをパージして開栓し、内部標準物質としてヘキサフルオロベンゼン 186mg(1.0mmol)を加えて撹拌し、しばらくの間静置して塩を沈殿させた。上澄みを重クロロホルムで希釈し、19F−NMR積分値による定量を実施したところ、2−フルオロアクリル酸メチルエステルが22.4mmol(収率86.1%)及び未反応の1−クロロ−1−フルオロエテンが1.92mmol(回収率7.4%)であった。
転化率は88.1%、選択率は97.7%であった。
50mLのステンレス製オートクレーブに1−クロロ−1−フルオロエテン 1.92g(23.85mmol)、トリエチルアミン 2.76g(27.3mmol)、塩化パラジウム(II) 22mg(0.124mmol)、1,4−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)ブタン 56.0mg(0.124mmol)、及び予め脱水処理を施したメタノール 12.5mLを仕込み、一酸化炭素 0.7MPaGを導入し100℃で14時間撹拌した。
反応終了後、オートクレーブを冷却した後、未反応のガスをパージして開栓し、内部標準物質としてヘキサフルオロベンゼン 186mg(1.0mmol)を加えて撹拌し、しばらくの間静置して塩を沈殿させた。上澄みを重クロロホルムで希釈し、19F−NMR積分値による定量を実施したところ、2−フルオロアクリル酸メチルエステルが19.2mmol(収率80.3%)及び未反応の1−クロロ−1−フルオロエテンが2.38mmol(回収率10.0%)であった。
転化率は81.8%、選択率は98.2%であった。
50mLのステンレス製オートクレーブに1−クロロ−1−フルオロエテン 2.10g(26.09mmol)、トリエチルアミン 2.76g(27.3mmol)、塩化パラジウム(II) 22mg(0.124mmol)、ビス(ジシクロヘキシルホスフィノフェニル)エーテル 74.0mg(0.124mmol)、及び予め脱水処理を施したメタノール 12.5mLを仕込み、一酸化炭素 0.7MPaGを導入し100℃で13時間撹拌した。
反応終了後、オートクレーブを冷却した後、未反応のガスをパージして開栓し、内部標準物質としてヘキサフルオロベンゼン 186mg(1.0mmol)を加えて撹拌し、しばらくの間静置して塩を沈殿させた。上澄みを重クロロホルムで希釈し、19F−NMR積分値による定量を実施したところ、2−フルオロアクリル酸メチルエステルが17.7mmol(収率67.7%)及び未反応の1−クロロ−1−フルオロエテンが6.02mmol(回収率23.1%)であった。
転化率は68.9%、選択率は98.3%であった。
50mLのステンレス製オートクレーブに1−クロロ−1−フルオロエテン 2.02g(25.10mmol)、トリエチルアミン 2.76g(27.3mmol)、ジクロロ[1,1−ビス(ジイソプロピルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II) 74.0mg(0.124mmol)、及び予め脱水処理を施したメタノール 12.5mLを仕込み、一酸化炭素 0.7MPaGを導入し100℃で8時間撹拌した。
反応終了後、オートクレーブを冷却した後、未反応のガスをパージして開栓し、内部標準物質としてヘキサフルオロベンゼン 186mg(1.0mmol)を加えて撹拌し、しばらくの間静置して塩を沈殿させた。上澄みを重クロロホルムで希釈し、19F−NMR積分値による定量を実施したところ、2−フルオロアクリル酸メチルエステルが23.0mmol(収率91.8%)及び未反応の1−クロロ−1−フルオロエテンが1.33mmol(回収率5.3%)であった。
転化率は91.8%、選択率は100%であった。
50mLのステンレス製オートクレーブに1−クロロ−1−フルオロエテン 2.11g(26.21mmol)、トリエチルアミン 2.76g(27.3mmol)、ジクロロ[1,3−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)プロパン]パラジウム(II) 7.6mg(0.0124mmol)、及び予め脱水処理を施したメタノール 12.5mLを仕込み、一酸化炭素 0.7MPaGを導入し100℃で24時間撹拌した。
反応終了後、オートクレーブを冷却した後、未反応のガスをパージして開栓し、内部標準物質としてヘキサフルオロベンゼン 186mg(1.0mmol)を加えて撹拌し、しばらくの間静置して塩を沈殿させた。上澄みを重クロロホルムで希釈し、19F−NMR積分値による定量を実施したところ、2−フルオロアクリル酸メチルエステルが15.5mmol(収率59.1%)及び未反応の1−クロロ−1−フルオロエテンが7.04mmol(回収率26.8%)であった。
転化率は62.3%、選択率は94.9%であった。
50mLのステンレス製オートクレーブに1−クロロ−1−フルオロエテン 1.99g(24.72mmol)、トリエチルアミン 2.76g(27.3mmol)、ジクロロ[1,1−ビス(ジイソプロピルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II) 7.4mg(0.0124mmol)、及び予め脱水処理を施したメタノール 12.5mLを仕込み、一酸化炭素 0.7MPaGを導入し100℃で14時間撹拌した。
反応終了後、オートクレーブを冷却した後、未反応のガスをパージして開栓し、内部標準物質としてヘキサフルオロベンゼン 186mg(1.0mmol)を加えて撹拌し、しばらくの間静置して塩を沈殿させた。上澄みを重クロロホルムで希釈し、19F−NMR積分値による定量を実施したところ、2−フルオロアクリル酸メチルエステルが16.6mmol(収率67.2%)及び未反応の1−クロロ−1−フルオロエテンが5.71mmol(回収率23.1%)であった。
転化率は69.0%、選択率は97.4%であった。
100mLのステンレス製オートクレーブに2−クロロ−2−フルオロビニルベンゼン 6.20g(36.34mmol)、トリエチルアミン 3.91g(38.7mmol)、ジクロロ[1,1−ビス(ジイソプロピルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II) 0.108g(0.176mmol)、及び予め脱水処理を施したメタノール 17.6mLを仕込み、一酸化炭素 0.7MPaGを導入し100℃で9時間撹拌した。
反応終了後、オートクレーブを冷却した後、未反応のガスをパージして開栓し、内部標準物質としてヘキサフルオロベンゼン 186mg(1.0mmol)を加えて撹拌し、しばらくの間静置して塩を沈殿させた。上澄みを重クロロホルムで希釈し、19F−NMR積分値による定量を実施したところ、2−フルオロ−3−フェニルアクリル酸メチルエステルが31.8mmol(収率87.5%)及び未反応の2−クロロ−2−フルオロビニルベンゼンが1.80mmol(回収率4.95%)であった。
転化率は93.1%、選択率は94.0%であった。
50mLのステンレス製オートクレーブに1−クロロ−1−フルオロエテン 2.09g(25.96mmol)、トリエチルアミン 2.76g(27.3mmol)、ジクロロ[1,1−ビス(ジイソプロピルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II) 74.0mg(0.124mmol)、及び予め脱水処理を施したエタノール 12.5mLを仕込み、一酸化炭素 0.7MPaGを導入し100℃で8時間撹拌した。
反応終了後、オートクレーブを冷却した後、未反応のガスをパージして開栓し、内部標準物質としてヘキサフルオロベンゼン 186mg(1.0mmol)を加えて撹拌し、しばらくの間静置して塩を沈殿させた。上澄みを重クロロホルムで希釈し、19F−NMR積分値による定量を実施したところ、2−フルオロアクリル酸エチルエステルが22.4mmol(収率86.3%)及び未反応の1−クロロ−1−フルオロエテンが1.28mmol(回収率4.93%)であった。
転化率は88.2%、選択率は97.8%であった。
50mLのステンレス製オートクレーブに1−クロロ−1−フルオロエテン 1.95g(24.22mmol)、トリエチルアミン 2.76g(27.3mmol)、パラジウム担持シリカ(Pd 3%) 0.440g(Pd:0.124mmol)、1,1−ビス(ジイソプロピルホスフィノ)フェロセン 22.0mg(0.124mmol)、及び予め脱水処理を施したメタノール 12.5mLを仕込み、一酸化炭素 0.7MPaGを導入し100℃で8時間撹拌した。
反応終了後、オートクレーブを冷却した後、未反応のガスをパージして開栓し、内部標準物質としてヘキサフルオロベンゼン 186mg(1.0mmol)を加えて撹拌し、しばらくの間静置して塩を沈殿させた。上澄みを重クロロホルムで希釈し、19F−NMR積分値による定量を実施したところ、2−フルオロアクリル酸メチルエステルが21.8mmol(収率90.0%)及び未反応の1−クロロ−1−フルオロエテンが1.02mmol(回収率4.21%)であった。
転化率は94.3%、選択率は95.4%であった。
50mLのステンレス製オートクレーブに1−クロロ−1−フルオロエテン 2.03g(25.22mmol)、トリエチルアミン 2.76g(27.3mmol)、パラジウム担持シリカ(Pd 3%) 0.440g(Pd:0.124mmol)、1,4−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)ブタン 56.0mg(0.124mmol)、及び予め脱水処理を施したメタノール 12.5mLを仕込み、一酸化炭素 0.7MPaGを導入し100℃で9時間撹拌した。
反応終了後、オートクレーブを冷却した後、未反応のガスをパージして開栓し、内部標準物質としてヘキサフルオロベンゼン 186mg(1.0mmol)を加えて撹拌し、しばらくの間静置して塩を沈殿させた。上澄みを重クロロホルムで希釈し、19F−NMR積分値による定量を実施したところ、2−フルオロアクリル酸メチルエステルが21.6mmol(収率85.6%)及び未反応の1−クロロ−1−フルオロエテンが1.71mmol(回収率6.78%)であった。
転化率は88.6%、選択率は96.6%であった。
50mLのステンレス製オートクレーブに1−クロロ−1−フルオロエテン 2.12g(26.34mmol)、トリエチルアミン 2.76g(27.3mmol)、ジクロロ[1,3−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)プロパン]パラジウム(II) 76.2mg(0.124mmol)、及び脱水処理を施していないメタノール 12.5mLを仕込み、一酸化炭素 0.7MPaGを導入し100℃で18時間撹拌した。
反応終了後、オートクレーブを冷却した後、未反応のガスをパージして開栓し、内部標準物質としてヘキサフルオロベンゼン 186mg(1.0mmol)を加えて撹拌し、しばらくの間静置して塩を沈殿させた。上澄みを重クロロホルムで希釈し、19F−NMR積分値による定量を実施したところ、2−フルオロアクリル酸メチルエステルが19.2mmol(収率72.9%)、2−フルオロアクリル酸が3.9mmol(収率14.8%)及び未反応の1−クロロ−1−フルオロエテンが1.77mmol(回収率6.72%)であった。
転化率は89.1%、選択率は81.8%であった。
Claims (3)
- 式(1):
R1、及びR2は、同一又は異なって、アルキル基、フルオロアルキル基、1個以上の置
換基を有していてもよいアリール基、ハロゲン原子、又は水素原子を表し;及び
R3はアルキル基、フルオロアルキル基、又は1個以上の置換基を有していてもよいアリール基を表す。]
で表される化合物の製造方法であって、
式(2):
で表される化合物を、
アルキル基及びシクロアルキル基からなる群より選択される1個以上の置換基を各リン原子上に有する二座ホスフィン配位子を含有するパラジウム錯体触媒、及び塩基の存在下で、式(3):R3−OH (3)
[式中の記号は前記と同意義を表す。]
で表されるアルコール及び一酸化炭素
と反応させて前記式(1)で表される化合物を得る工程Aを含む
製造方法。 - 前記塩基がアミンである請求項1に記載の製造方法。
- 工程Aが、60〜120℃の範囲内の温度で実施される請求項1又は2に記載の製造方法。
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