JP6397245B2 - レジストパターンの製造方法 - Google Patents
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(A)銅を含有する基板に、湿潤剤を介して感光性樹脂層を積層する積層工程、
(B)該積層された感光性樹脂層を露光する露光工程、
(C)該感光性樹脂層の未露光部を現像除去してレジストパターンを形成する現像工程、
を含むレジストパターンの製造方法であって、
該感光性樹脂層は、(a)アルカリ可溶性高分子、(b)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物、及び(c)光重合開始剤を含み、
該基板の該感光性樹脂層形成側の面の平均表面粗度Raは、0.25μm以上0.80μm以下であり、かつ
該湿潤剤は、銅キレート化剤を含む、レジストパターンの製造方法。
[2] 該銅キレート化剤は、1〜3個の窒素原子を有する5員又は6員の含窒素複素環式化合物である、上記[1]に記載のレジストパターンの製造方法。
[3] 該湿潤剤の質量基準での該銅キレート化剤の割合は、0.1質量%以上10質量%以下である、上記[1]又は[2]に記載のレジストパターンの製造方法。
本実施の形態に係るレジストパターンの製造方法は、(A)銅を含む基板に、湿潤剤を介して感光性樹脂層を積層する積層工程、(B)該積層された感光性樹脂層を露光する露光工程、及び(C)該感光性樹脂層の未露光部を現像除去してレジストパターンを形成する現像工程、を含むレジストパターンの製造方法であって、感光性樹脂層は、(a)アルカリ可溶性高分子、(b)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物、及び(c)光重合開始剤を含み、基板の感光性樹脂層形成側の面の平均表面粗度Raは、0.25μm以上0.80μm以下であり、かつ湿潤剤は銅キレート化剤を含む、方法である。
この工程では、例えば、銅を含む基板の表面に湿潤剤の薄膜を形成し、その直後に、感光性樹脂層を該湿潤剤を介して基板に積層することによって、基板上に湿潤剤を介して感光性樹脂層を積層する。湿潤剤の詳細は後述する。
この工程では、露光機を用いて感光性樹脂層を活性光により露光する。フォトマスクを通しての露光の場合、露光量は、光源照度及び露光時間により決定され、光量計を用いて測定してもよい。露光工程においては、マスクレス露光方法を用いてもよい。マスクレス露光においてはフォトマスクを使用せず基板上に直接描画装置によって露光する。光源としては通常、波長350nm〜410nmの半導体レーザー又は超高圧水銀灯等が用いられる。描画パターンはコンピューターによって制御され、この場合の露光量は、露光光源の照度及び基板の移動速度によって決定される。
この工程では、露光後の感光性樹脂層における未露光部を、現像装置を用いて現像液により除去してレジストパターンを形成する。露光後、感光性樹脂層上に支持フィルムがある場合にはこれを除く。続いてアルカリ水溶液から成る現像液を用いて未露光部を現像除去し、レジストパターンを得る。アルカリ水溶液としては、Na2CO3、又はK2CO3等の水溶液が好ましい。これらは感光性樹脂層の特性に合わせて選択されるが、0.2質量%〜2質量%の濃度のNa2CO3水溶液が一般的である。該アルカリ水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等を混入させてもよい。なお、現像工程における現像液の温度は、20℃〜40℃の範囲で一定温度に保つことが好ましい。
湿潤剤としては、感光性樹脂層を溶解させない物質が好ましい。この点で、例えば感光性樹脂層を溶解させる有機溶剤を含む湿潤剤は好ましくない傾向がある。取り扱いの容易さの観点から、湿潤剤は、純水、脱イオン水、電解水から選ばれる1種以上と、銅キレート化剤とを含むことが好ましい。
感光性樹脂層は、(a)アルカリ可溶性高分子、(b)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物、及び(c)光重合開始剤を含む。以下、各成分の例を説明する。
感光性樹脂層は、(a)アルカリ可溶性高分子を含む。(a)アルカリ可溶性高分子は、典型的には、カルボキシル基含有単量体を共重合成分として含む、重量平均分子量が5,000〜500,000の熱可塑性共重合体である。熱可塑性共重合体の重量平均分子量は、5,000〜500,000であることが好ましい。熱可塑性共重合体の重量平均分子量は、ドライフィルムレジストの厚みを均一に維持し、現像液に対する耐性を得るという観点から5,000以上が好ましく、一方で、現像性を維持するという観点から500,000以下が好ましい。より好ましくは、熱可塑性共重合体の重量平均分子量は、20,000〜100,000である。本開示で、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィを用い、標準ポリスチレン換算で求められる値である。
(b)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物は、該エチレン性不飽和二重結合によって付加重合性を有することができる。
(c)光重合開始剤としては、感光性樹脂の光重合開始剤として使用できる種々の物質を使用できるが、例えば、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、N−アリール−α−アミノ酸化合物、キノン類、芳香族ケトン類、アセトフェノン類、アシルフォスフィンオキサイド類、ベンゾイン又はベンゾインエーテル類、ジアルキルケタール類、チオキサントン類、ジアルキルアミノ安息香酸エステル類、オキシムエステル類、アクリジン類、ピラゾリン誘導体、N−アリールアミノ酸のエステル化合物、及びハロゲン化合物等が挙げられる。
<基板の粗化>
35μm圧延銅箔を積層した0.4mm厚の銅張積層板を用い、BTH−2085表面粗化液(板明社製)にて、スプレー圧が0.11MPa、温度が25℃、銅のエッチング量が1.0μmの条件で粗化処理した。基板の平均表面粗度(Ra)は、キーエンス社製「VK−9500」を用いてJIS B−0601−1994準拠モード、対物レンズ150倍、測定ピッチ0.01μmで測定したところ、Ra=0.47μmであった。
銅張積層板の上記粗化された面に、0.5質量%ベンゾトリアゾール(銅キレート化剤として)と水とを含む湿潤剤をスポンジローラーにより塗布することで、湿潤剤の薄膜を基板上に形成した。次いで、旭化成イーマテリアルズ(株)製「ADV−258」(保護層、感光性樹脂層、及びポリエチレンテレフタレートフィルムの積層体であるドライフィルムフォトレジスト)の保護層を剥がしながら、感光性樹脂層をホットロールラミネーター(旭化成エンジニアリング(株)製、AL−70)により、湿潤剤が塗布された基板上にラミネートした。ホットロール温度は90℃、エアー圧力は0.35MPaとし、ラミネート速度は1.5m/minとした。
直接描画式露光装置(日立ビア株式会社製、DE−1DH、主波長405nm)を用いて直接描画式露光方法により露光した。露光条件は16mJ/cm2以上24mJ/cm2以下の範囲とした。
ドライフィルムレジストのポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離した後、アルカリ現像機(フジ機工製、DF用現像機)を用いて30℃の1質量%Na2CO3水溶液を所定時間スプレーし、感光性樹脂層の未露光部分を最小現像時間の2倍の時間で溶解除去した。この際、未露光部分の感光性樹脂層が完全に溶解するのに要する最も少ない時間を最小現像時間とした。
硬化レジストパターンにおいて、200倍光学顕微鏡を用いて、未露光部分の基材表面に残留レジストがなく、硬化レジスト同士の密着もない、正常に形成されている最小パターン幅を評価した。この結果、感光性樹脂が現像後基板に残る現象が見られず、解像度は30μmに達することが分かった。
湿潤剤を純水に変える以外は実施例1と同じ方法でレジストパターン形成を行った。現像後、感光性樹脂が現像後基板に残る現象が見られ、解像度は80μmしか得られなかった。
[比較例2]
銅のエッチング量が0.4μmの条件で粗化処理し、基板の平均表面粗度(Ra)が0.2μmに変える以外は実施例1と同じ方法でレジストパターン形成を行った。現像後、感光性樹脂が現像後基板に残る現象が見られないが、感光性樹脂と基板の密着性が弱く、解像度は80μmしか得られなかった。
Claims (3)
- 下記(A)〜(C)の工程、
(A)銅を含有する基板に、湿潤剤を介して感光性樹脂層を積層する積層工程、
(B)前記積層された感光性樹脂層を露光する露光工程、
(C)前記感光性樹脂層の未露光部を現像除去してレジストパターンを形成する現像工程、
を含むレジストパターンの製造方法であって、
前記感光性樹脂層は、(a)アルカリ可溶性高分子、(b)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物、及び(c)光重合開始剤を含み、
前記基板の前記感光性樹脂層形成側の面の平均表面粗度Raは、0.25μm以上0.80μm以下であり(但し、平均表面粗度Raが500nm以下は除く)、かつ
前記湿潤剤は、銅キレート化剤を含む、レジストパターンの製造方法。 - 前記銅キレート化剤は、1〜3個の窒素原子を有する5員又は6員の含窒素複素環式化合物である、請求項1に記載のレジストパターンの製造方法。
- 前記湿潤剤の質量基準での前記銅キレート化剤の割合は、0.1質量%以上10質量%以下である、請求項1又は2に記載のレジストパターンの製造方法。
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