JP6396839B2 - 土壌散布材製造方法および土壌侵食防止工法 - Google Patents
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即ち、散布する藻類を粉末状にして土壌に散布した場合に、散布して間もなく風雨などが発生すると、粉末状の藻類が土壌から飛散し、また流出する虞があった。上記飛散または流出の問題を鑑みて、藻類を適当な水分とで練り合わせてペースト状とし、土壌に散布した場合には、上述のような問題は回避可能であった。
また本発明は、本発明の土壌散布材を用いた土壌侵食防止工法および土壌散布材収容物セットを提供する。
(III)前記採取工程において生育する前記生物材が、前記土壌散布材の散布が予定される所定の土壌に生育している生育生物、または生物の分類学上、前記生育生物と同属に分類される同属生物である、
(IV)前記混合工程において用いられる粒状担持体が、前記所定の土壌から採取された現地土壌構成粒土、または前記所定の土壌とは異なる土壌から採取され前記現地土壌構成粒土と同質である異地土壌構成粒土を含む。
また本発明の土壌散布材製造方法は、簡易なプロセスで本発明の土壌散布材を製造することができる。
また本発明の土壌侵食防止工法は、土壌に散布した後に風雨等の影響を受けて飛散または流出し難い土壌散布材を用いるため散布後の天候に左右されず、良好に土壌侵食を防止する土壌侵食防止効果を発揮することができる。
また本発明の土壌散布材収容物セットは、本発明の土壌散布材を使用する者が、複数種の土壌散布材集合体の中から、土壌侵食防止を予定する土地の土壌に適合した土壌散布集合体を選択することを可能とする。
本発明の実施形態における各構成要素は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜、他の実施形態における対応する構成要素と変更可能である。
以下に、本発明の第一実施形態として、本発明の土壌散布材の一実施態様に関し、適宜、図1を用いて説明する。図1(a)は、第一実施形態にかかる土壌散布材100の一例であるペレット型の土壌散布材100の斜視図、および土壌散布材100の部分拡大図である。図1(b)は、第一実施形態にかかる土壌散布材100の一例である不定形型の土壌散布材100の斜視図、および土壌散布材100の部分拡大図である。図(c)は、第一実施形態にかかる土壌散布材100の一例である一粒の粒状担持体20からなる土壌散布材100の斜視図、および土壌散布材100の拡大図である。尚、図1(a)から図1(c)は、いずれも紙面左側に土壌散布材100の斜視図を示し、紙面右側に拡大図を示している。
本発明において、非種子植物とは、植物のうち種子植物を除く植物を指す。ここで種子植物とは、有性生殖を行い、種子を形成する植物を意味する。非種子植物の例としては、藻類、コケ類、シダ類、または地衣類が挙げられる。尚、地衣類は、菌類と藻類とが共生してなる複合体であり、その構成の複雑さから分類学上の取り扱いも変遷している。かつて地衣類は、独立した分類群または植物として取り扱われたこともあるが、現在の学術的な生物の分類では複合体を構成する菌類に着眼がおかれ、菌類として分類されることが主流である。ただし本発明では、地衣類が種子を生成して増殖する生物体(複合体)でないという観点から、便宜的に地衣類を非種子植物として取り扱う。
また、粒状化された固形物である土壌散布材100は、適宜乾燥することができる。乾燥状態の土壌散布材100は、腐敗し難く、長期保管性に優れる。非種子植物を生物材10とする土壌散布材100は、種子を形成しない非種子植物を効率よく所望の土壌に散布し、当該土壌において非種子植物を増殖させることが可能である。
生物材10と、有意な長径を有し、かつ互いに不定形である複数の粒状担持体20と、が寄り集まって土壌散布材100をなす場合には、図1(a)に示すとおり、土壌散布材100の内部に空隙26が形成されやすい。空隙26を有する土壌散布材100は、散布後に、土壌散布材100の散布地に放水がなされ、あるいは降雨が生じたときなどに、空隙26が含水領域となるため、高い保水性を示し、生物材10の生育に良好な環境を付与可能である。また、空隙26は、生物材10の生育領域にもなり得る。即ち、土壌散布材100に含まれる生物材10は、生育初期において、その増殖の方向が土壌散布材100の外方向に限定されず、土壌散布材100の内方向に対しても増殖可能である。そのため、空隙26を有する土壌散布材100は、生物材10に対し散布後の初期の良好な生育環境を付与可能である。
ただし、上述は本実施形態の土壌散布材100において、複数の粒状担持体20が、互いに実質的に同形状である態様を除外するものではない。ここで実質的に同形状とは、複数の粒状担持体の全形が確認可能の倍率の顕微鏡観察において、複数の粒状担持体20が人工的に粒子形状を揃えて形成されたことが観察される程度を意味する。
たとえば好ましい例としては、土壌散布材100は、平均長径が、1mm以上20mm以下の範囲であり、より好ましくは、1mm以上10mm以下の範囲である。
尚、粒状担持体20を有さず実質的に生物材10のみを凝集させて適度な長径を有する粒状体とした場合、当該粒状体は、粉末の場合と比べて飛散または流出の問題が改善される。ただし、粒状担持体20を有しない上記粒状体は、生物材10の密度が高く乾燥し難いためカビが生え易く、保存性に問題が生じる虞がある。
本発明における生物材10は、非種子植物である。生物材10は、1種類の非種子植物、または2種類以上の非種子植物の組み合わせを含む。このように種子により増殖しない植物を粒子状の土壌散布材に包含せしめることによって、非種子植物を効率的に土壌に散布し増殖させることができる。
本発明において非維管束植物とは、維管束を有しない植物を意味する。ここで維管束とは、植物の組織の一つであり、茎の中で縦方向(茎の伸長方向)に延在する組織である。維管束は、茎内から分離して葉や根の内部まで延在しうる。維管束は、水や養分などを植物内に運搬するとともに、当該植物を機械的に支持する役割を有する。そのため、維管束植物は、所謂、茎を伸長させ地表から陸上に向けて伸長して生育する性質を有する。一方、維管束を有しない非維管束植物は、一般的には地表に這うように生育するという特性を有する。非維管束植物は、上述のとおり地表を覆うように増殖するため、土壌侵食防止の効果が早期に発揮されやすい。
尚、生物材10に含まれる藻類等が同じ種類であるか否かは以下の通り判断する。即ち、生物材10に含まれる2つの植物が、生物の分類学上、互いに同属に分類される場合にはそれらは同種類と判断し、その生物材10には1種類の植物を含むと判断する。また生物材10に含まれる2つの植物が、生物の分類学上、互いに異なる属以上の上位の分類に属する場合には、それらは異なる種類と判断し、その生物材10には2種類の植物を含むと判断する。
非維管束植物である藻類、コケ類、および地衣類の生育高さおよび生育深さは、特に限定されないが、一般的には、それぞれ数センチ程度である。藻類、コケ類、および地衣類が生育可能な土壌表層とは、地表、および地表から数センチ程度高さ範囲および地表から数センチ程度の深さ範囲を含む土壌表面近傍である。生物材10は、少なくとも土壌表層において生育可能である。生物材10は、土壌表層またそれを超えた範囲で生育することによって、土壌表層を構成する土壌粒子が剥離、運搬され土壌侵食が発生することを防止する。
単細胞藻類は、その形態が単粒状藻体であるが、増殖するにつれて細胞集合体を形成するという特徴を有する一群の藻類である。
群体藻類(定数群体)は、一定数の細胞が何らかの相互関係を持って寄り集まっている一群の藻類であり、増殖するにつれて相互に寄り集まって集合体を形成する特徴を有する一群である。
糸状もしくは枝状藻類は、増殖するにつれて糸状あるいは枝分かれした藻体が相互に絡み合って房状、ネット状等に発達するという特徴を有する一群の藻類である。
葉状藻類は、成長するにつれて、海産のヒトエグサのように葉状に広がる特徴を有する一群である。
ゼニゴケ植物門(Marchantiophyta)としては、たとえばコマチゴケ網(Haplomitriopsida)、ゼニゴケ網(Marchantiopsida)、ウロコゴケ網(Jungermanniopsida)などを挙げることができる。
コマチゴケ網(Haplomitriopsida)としては、たとえば、コマチゴケ属(Haplomitrium)などを挙げることができる。
ゼニゴケ網(Marchantiopsida)としては、たとえば、ウスバゼニゴケ(Blasia)属、ゼニゴケ属(Marchantia)、ジャゴケ属(Conocephalum)などを挙げることができる。
ウロコゴケ網(Jungermanniopsida)としては、たとえば、カタウロコゴケ属(Mylia)、ムチゴケ属(Bazzania)、ムクムクゴケ属(Trichocolea)、テガタゴケ属(Ptilidium)などを挙げることができる。
ツノゴケ網(Anthocerotopsida)としては、たとえば、ツノゴケ属(Anthoceros)、ニワツノゴケ属(Phaeoceros)、ツノゴケモドキ属(Notothylas)、アナナシツノゴケ属(Megaceros)などを挙げることができる。
ナンジャモンジャゴケ網(Takakiopsida)としては、たとえば、ナンジャモンジャゴケ属(Takakia)を挙げることができる。
ミズゴケ網(Sphagnopsida)としては、たとえば、ミズゴケ属(Sphagnum)を挙げることができる。
クロゴケ網(Andreaeopsida)としては、たとえば、クロゴケ属(Andreaea)を挙げることができる。
クロマゴケ網(Andreaeobryopsida)としては、たとえば、クロマゴケ属(Andreaeobryum)を挙げることができる。
イシヅチゴケ網(Oedipodiopsida)としては、たとえば、イシヅチゴケ属(Oedipodium)を挙げることができる。
スギゴケ網(Polytrichopsida)としては、たとえば、タチゴケ属(Atrichum)、ニワスギゴケ属(Pogonatum)、スギゴケ属(Polytrichum)などを挙げることができる。
ヨツバゴケ網(Tetraphidopsida)としては、たとえば、ヨツバゴケ属(Tetraphis)などを挙げることができる。
マゴケ網(Bryopsida)としては、たとえば、イクビゴケ属(Diphyscium)、スナゴケ属(Racomitrium)、タマゴケ属(Bartramia)、ヒョウタンゴケ属(Funaria)、ハリガネゴケ属(Bryum)などを挙げることができる。
土壌散布材100に用いる場合には、胞子、無性芽、根茎を単体として用いることができる。また、胞子、無性芽、根系を増殖させた幼植物体を生物材10として用いることができる。シダ類は、その成長した植物体を他の植物群と区別することが容易である。そのため、土壌散布材100を散布することが予定される土地から、シダ類を選択的に採取し、必要に応じて増殖させて生物材10となし、これを用いた土壌散布材100を当該土地に散布することによって、自然環境(生態系)を破壊することなく土壌侵食を防止することができる。
ヒカゲノカズラ綱(Lycopsida)としては、たとえば、ヒカゲノカズラ属(Lycopodium)、イワヒバ属(Selaginella)などが挙げられる。
トクサ綱(Equisetopsida)としては、トクサ属(Equisetum)が挙げられる。
シダ綱(Filicopsida)としては、たとえば、ゼンマイ属(Osmunda)、コケシノブ属(Hymenophyllum)、コシダ属(Dicranopteris)、カニクサ属(Lygodium)、フサシダ属(Schizaea)、キジノオシダ属(Plagiogyria)、ヘゴ属(Cyathea)、ホラシノブ属(Sphenomeris)、ミミモチシダ属(Acrostichum)、イノモトソウ属(Pteria)、チャセンシダ属(Asplenium)、ヒリュウシダ属(Blechnum)、コモチシダ属(Woodwardia)、クサソテツ属(Matteuccia)、ヤブソテツ属(Cyrtomium)、オシダ属(Dryopteris)、イワヒトデ属(Colysis)、エゾデンダ属(Polypodium)、タマシダ属(Nephrolepsis)、ヒトツバ属(Pyrrosia)などが挙げられる。
地衣類は、有性生殖を行うものと無性生殖を行うものとが知られており、いずれの地衣類も本発明に利用可能である。有性生殖を行う地衣類は、地衣体上に子器を形成し、その中に胞子を形成する。この胞子が散布され、発芽した後に親と同じ共生藻と共生して新しい地衣体を形成する。無性生殖を行う地衣類は、地衣体上に形成される無性生殖器官を有し、生育段階によらず地衣菌と藻類が共生した状態の個体を形成する。
本明細書では、生育初期段階の地衣体を地衣幼体と称呼し、生育後期段階の地衣体を成熟地衣体と称呼する場合がある。
地衣幼体は、粉状、顆粒状、小板(葉)状を成すものが多い。地衣幼体は、無性生殖器官から増殖してきたものであって、主として成熟地衣体上あるいは成熟地衣体内に形成された粉芽、粉芽塊(ソラリア)、裂芽(イシディア)、泡芽(菌類と藻類の両者を持つ、すなわち共生体である)などが知られる。また異なる例として、何らかの外圧によって断片化した成熟地衣体の一部を地衣幼体として取り扱うことも可能である。また地衣幼体の他の例として、有性生殖によって形成された地衣体に含まれる菌類の胞子が放出され、地表面などに生育する藻類と共生したものを挙げることができる。尚、粉芽は、粉状または顆粒状などの形態が知られる。粉芽塊(ソラリア)は、粉芽が集まった塊状の個体である。裂芽(イシディア)は、地衣体の皮層部分に形成される微小突起物である。泡芽(パスチュール)は、地衣体の皮層部分に形成される泡状の突起で中空である。
地衣類は、土砂崩壊などで裸地化した土壌表面において、藻類および/またはコケ類と共に生育してくるパイオニアプランツであるため、地衣類と、藻類および/またはコケ類との組み合わせにより生物材10を構成することも好ましい。
例えば上記菌類の例としては、子嚢菌類(Ascomycetes)、担子菌類(Bacidiomycetes)担子地衣類(Bacidiolichenes)、不完全菌類(Fungi Imperfecti)不完全地衣類(Lichenes Imperfecti)などを挙げることができる。
レカノラ目(Lecanorales)は、たとえばダイダイゴケ属(Caloplaca)、ゲジゲジゴケ属(Anaptychia)、ムカデゴケ属(Physcia)、カラタチゴケ属(Ramalina)、サルオガセ属(Usnea)などを含む。
スフェリア目(Sphaeriales)は、たとえばカワイワタケ属(Dermatocarpon)、サネゴケ属(Pyrenula)、ニキビゴケ属(Anthracothecium)などを含む。
ピンゴケ目(Caliciales)は、たとえばサンゴゴケ属(Sphaerophorus)、ピンゴケ属(Calicium)、ヌカゴケ属(Coniocybe)などを含む。
ヒステリウム目(Hysteriales)は、たとえばイワボシゴケ属(Lecanactis)、メダイゴケ属(Chiodecton)、マゾシア属(Mazosia)などを含む。
プレオスポラ目(Pleosporales)は、たとえばホシゴケモドキ属(Arthopyrenia)、チクビゴケ属(Trypethelium)、モツレサネゴケ属(Pseudopyrenula)などを含む。
ミリアンギウム目(Myriangiales)は、たとえばホシゴケ属(Arthonia)、ゴマシオゴケ属(Arthothelium)などを含む。
ヒダナシタケ目(Aphyllophorales)は、たとえばケットゴケ属(Dictyonema)、キリタケ属(Multiclavula)などを含む。
マツタケ目(Agaricales)は、たとえばヒメサカズキタケ属(Omphalina)などを含む。
2種類以上の藻類、コケ類、シダ類または地衣類を含む土壌散布材100としては、生物材10が、少なくとも下記(A)から(E)のいずれか一つの組み合わせを含む態様を挙げることができる。
(A)藻類、コケ類、シダ類、または地衣類から選択される2以上の組み合わせ。
(B)藻類であって生物の分類学上、異なる属に分類される2以上の藻類の組み合わせ。
(C)コケ類であって生物の分類学上、異なる属に分類される2以上のコケ類の組み合わせ。
(D)シダ類であって生物の分類学上、異なる属に分類される2以上のシダ類の組み合わせ。
(E)地衣類であって生物の分類学上、上記地衣類を構成する菌類が異なる属に分類される2以上の地衣類の組み合わせ。
尚、本明細書において「異なる属に分類される」とは、生物の分類上、互いに異なる属以上の上位の分類に属することを意味する。たとえば本発明において、藻類であって異なる属に分類されるものは互いに異なる属に分類されるといい、また、藻類とコケ類などのように、属を超えた上位の分類において異なる場合、便宜的に互いに異なる属に分類されるという。
藻類は、一般的にコケ類に比べて、散布後の初期の増殖力が良好であり、繁茂が目視で確認される時期が早い。本発明者らの研究によれば、生物材10として含まれる単細胞藻類は、生物材10として含まれる糸状藻類に比べて生育開始時期が早く、増殖力が旺盛であるため、早期に土壌侵食を防止する効果が発揮されることが確認された。一方、上記糸状藻類は、上記単細胞藻類に比べて初期の増殖力はやや劣る傾向にあるが、土壌表面付近にて充分に増殖した場合に、糸状体により粒状の土砂を緊縛し、上記単細胞藻類を上回り得る優れた土壌侵食防止効果を発揮することも、本発明者らの研究で確認された。尚、本発明における生物材に関し「増殖」とは、生物材10として用いた生物が生育により増えることを広く含み、たとえば、コケ類、シダ類の生育初期の「発芽」や、藻類が有性生殖(受精卵、接合子など)または無性生殖(遊走子など)で形成された細胞から増殖してくる場合にいう「発芽」の概念を含む。
以上のような生育態様の相違を利用した組み合わせは、例えば具体的には以下のとおりである。
次に粒状担持体20について説明する。
粒状担持体20は、特に厳密な寸法が特定されるものではなく、1つ(図1(c)参照)または複数個(多数個)(図1(a)、(b)参照)により生物材10を担持可能な材料である。粒状担持体20の形状は特に限定されず、定型であってもよく不定形であってもよいが、特に不定形であることが好ましいことは上述のとおりである。また粒状担持体20は、粒子状、棘状、紡錘状などの種々の任意の形状の統一または混合であってよい。
ここで粒状担持体20が生物材10を担持するとは、生物材10の少なくとも一部を粒状担持体20の表面に付着させることをいい、これにより粒状担持体20と生物材10とは、互いに結着して一つの塊(即ち、一粒の土壌散布材100)を構成する。土壌散布材100は、粒状担持体20と生物材10、あるいは粒状担持体20と粒状担持体20とを結着させるために、適宜、結着剤が含まれてもよい。
中でも、無機質材料を主成分としてなる粒状担持体20は、腐敗し難いため、土壌散布材100の長期保管性に貢献する。ここで無機質材料が主成分とは、粒状担持体20の全体を100質量%としたときに、有機質の比率が20質量%以下の場合をいい、好ましくは10質量%以下、より好ましくは、5質量%以下、特に好ましくは実質的に有機質が0質量%である。
上記粘土は、0.002mm以下のサイズの粒子である。
上記シルトは、0.002mmを超えて0.02mm以下のサイズの粒子である。シルトと粘土との混合物を泥岩と称呼する場合がある。
上記砂は、細砂と粗砂とに大別できる。細砂は、0.02mmを超えて0.2mm以下のサイズの粒子である。粗砂は、0.2mmを超えて2mm以下のサイズの粒子である。
上記礫は、2mmを超えたサイズの粒子である。
土壌構成粒土の粒子径が、0.2mm以上2mm以下である場合には、土壌散布材100の内部において毛細管現象が生じやすく、周囲の土壌から吸湿し、土壌散布材100の含水率を高めることができる。毛細管現象を生じさせるという観点からは、土壌散布材100の構成する土壌構成粒土に含まれる全粒状担持体20(100質量%)に対し、粒子径が0.2mm以上2mm未満である粒状担持体20が50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、特に好ましくは80質量%以上含まれていることが好ましい。尚、土壌構成粒土の粒子径に関する好ましい数値範囲は、後述にて説明する固形生物遺骸、加工固形物、鉱物においても同様である。
上記炭化物は、炭素を主成分とする有機物を不完全燃焼させてなる生成物である。
上記珪藻土は、藻類の一種である珪藻の殻の化石よりなる堆積岩であり、二酸化ケイ素を主成分として含むものである。
上記貝殻とは、海水域または淡水域に生息する貝の殻であり、石灰質の小片である。
上記サンゴ殻は、海洋に生息するサンゴ殻、またはサンゴ殻の化石片である。
固形生物遺骸は、主として天然物であるため、粒状担持体20として固形生物遺骸を含む土壌散布材100は、土壌に散布されたときに土壌に対し毒性などを与える虞がなく、環境適応性が良好である。
加工固形物は、人工的に調整可能であり、土壌に無害である廃材を利用することができ経済的有利性を有する。
上記スラグは、鉱石から金属を製錬する際に当該金属から溶融分離される鉱物成分を含む部材である。
上記フライアッシュは、石炭を燃焼する際に発生する灰分を含む粒子である。
上記レンガまたは瓦は、建築材料として一般に知られる部材である。
上記紙は、セルロース(特には木材由来のセルロース)を主成分として構成される部材である。
図4に示すように、土壌散布材100は、大径粒状担持体22(20)と小径粒状担持体32(20)のいずれをも含む。大径粒状担持体22(20)のピークトップ24と、小径粒状担持体32(20)のピークトップ34とは、たとえば、1オーダー以上相違している。図示省略する他の実施例では、ピークトップ24とピークトップ34とは2オーダー以上相違していてもよい。大径粒状担持体22(20)と小径粒状担持体32(20)との長径のピークが顕著に相違する場合には、特に、上記担持性能に優れ、散布後に、生物材10が粒状担持体20から分離することを良好に回避する。
次に、本発明の第二実施形態として、本発明の土壌散布材製造方法の一実施形態に関し、適宜、図2、3を用いて説明する。図2は、第二実施形態に用いられる培養装置200の一例を示す縦断面概略図である。図3は、第二実施形態にかかる土壌散布材製造方法の工程を説明する説明図である。具体的には、土壌散布材製造方法において、図3(a)は生育工程の初期を示し、図3(b)は生育工程の後期を示し、図3(c)は収穫工程(掻き取り方法)を示し、図3(d)は混合工程を示し、図3(e)は粒状体成形工程を示し、図4(f)は製造された複数の土壌散布材を示している。尚、図3(a)から(c)は、土壌様培地40の表面を含む一部と生物材10を図示し、培養装置の図示を省略している。
上記収穫工程の実施方法は特に限定されないが、たとえば、土壌様培地40の表面に生育した生物材10と、土壌様培地40の表層と、を掻き取る掻き取り方法、または土壌様培地40の表面に生育した生物材10と土壌様培地40の一部または全部とを収集する収集方法などを挙げることができる。
尚、掻き取り方法において培養容器202(図2参照)に残留した土壌様培地40に他所の生物材10を残しておくことによって、生育工程における素材を蒔く作業を省略して再度の生育工程を実施することができる。二回目以降の培養は、既に土壌様培地40の環境に馴染んだ生物材10が存在するため、最初の培養期間よりも短い期間(たとえば、5日間以上10日間以下程度)で充分に土壌様培地40に生物材10を繁茂させることが可能である。ただし、二回目以降の培養において、適宜、素材となる生物材10を追加することは可能である。
尚、生物材10にコケ類などの繊維体の発達が顕著なものが含まれる場合には、混合工程の前、または混合工程と平行して生物材10の切断工程を実施してもよい。
たとえば、枠体64に混合物50を擦り込んだ後、図示省略する基板上に粒状化された混合物50を残して速やかに混合物50を取り除き、その後、混合物50を乾燥してもよい。かかる場合には、ペースト状の混合物50の好ましい液性限界は、JIS A 1205に規定される土の液性限界・塑性限界試験方法に準じて測定される混合物50の液性指数が、0.5以上、好ましくは0.8以上である。また混合物50の液性指数の上限は特に限定されないが、1.8以下、好ましくは1.5以下である。また上記液性限界における混合物50において、混合物50の固形物の質量に対する含水比率(含水される水分質量)の目安は、たとえば1:1から1:1.3程度であるが、これに限定されない。しかし、これは粒状体成形工程の一例であって、本実施形態は、混合物50をまず乾燥し、その後に適宜の大きさに乾燥物を粉砕または切断等する粒状化工程を実施してもよいし、粒状化と乾燥とを一部重複させて実施してもよい。
(I)生育工程において用いられる土壌様培地40が、土壌散布材100の散布が予定される所定の土壌から採取された現地土壌構成粒土、または所定の土壌とは異なる土壌から採取され現地土壌構成粒土と同質である異地土壌構成粒土を含む。
(II)生育工程において生育される生物材10が、所定の土壌に生育している生育生物、または生物の分類学上、上記生育生物と同属に分類される同属生物である。
より具体的には、土壌散布材製造方法が上記(I)を満たすことによって、土壌散布材が散布された土壌の性質に大きな変更を与えず土壌における生態系を保持することが可能な土壌散布材を製造可能である。より好ましくは、任意で添加された養分などを除き、実質的に、粒状担持体20が現地土壌構成粒土またはこれと同質の異地土壌構成粒土からなる。特に、現地土壌構成粒土を用いることにより、現地の土壌(所定の土壌)に対し、土壌に含まれる外来種の非種子植物の移入を阻止することができる。
また土壌散布材製造方法が上記(II)を満たすことによって、所定の土壌に対し、外来種の非種子植物の移入を阻止することができる。
土壌散布材を散布しても、所定の土壌の土壌環境および生物環境のいずれも乱すことないという観点では、(I)および(II)のいずれも満たす態様が特に好ましい。
本明細書において、土壌大群・土壌群とは、独立行政法人農業環境技術研究所が2011年3月に刊行した農業環境技術研究所報告第29号「包括的土壌分類第1次試案」に開示される土壌大群・土壌群(即ち、造成土大群、有機質土大群、ポドゾル大群、黒ボク土大群、暗赤色土大群、低地土大群、赤黄色土大群、停滞水成土大群、褐色森林土大群、未熟土大群)の分類を指す。
また本明細書において、土性区分とは、国際土壌学会法による土壌粒子の大きさにより、粘土、シルト、砂の含量から区分される土性区分(即ち、砂土、壌質砂土、砂壌土、壌土、シルト質壌土、砂質埴壌土、埴壌土、シルト質埴壌土、砂質埴土、軽埴土、シルト質埴土、重埴土)を指す。
次に、本発明の第三実施形態として、本発明の土壌散布材製造方法の一実施形態について説明する。
第三実施形態にかかる土壌散布材製造方法は、本発明の土壌散布材100を製造する方法であり、採取工程と、混合工程と、粒状体成形工程と、を備える。
採取工程は、生物材10を生育させ、生育した生物材10を採取する工程である。
混合工程は、採取工程において採取された生物材10と、生物材10を担持する複数の粒状担持体20とを混合して混合物50を作製する工程である。
粒状体成形工程は、混合物50を乾燥及び粒状化することによって粒状体である土壌散布材100を成形する工程である。
本実施形態にかかる土壌散布材製造方法は、採取工程を有することにより、生物材10の生育により適した培地環境で生物材10を生育させることができる。
たとえば土壌様培地以外の培地で生育することに適した生物材10を用いる場合には、本実施形態における土壌散布材製造方法は好適である。具体的には、たとえば、液体培養に適した藻類を生物材10として選択する場合などである。
液体培養により増殖した藻類(生物材10)は、例えば、0.025mm以上0.125mm以下の篩目(USA規格500mesh以上120mesh以下)の篩で所望のサイズのものを選別し、または連続遠心分離機で濃縮し、精製してもよい。ただし、上述は本実施形態における採取工程を何ら限定するものではない。
混合手段は特に限定されないが、たとえば、粒状担持体20に対し、生物材10と、適当量の水と、を加え、撹拌装置により撹拌混合する。これによって、粒状担持体20の表面に、生物材10が付着した中間体が得られる。尚、容積比において、生物材10:粒状担持体20=10:90から20:80の範囲で調整することが好ましいがこれに限定されない。上記中間体を、40℃以下(例えば23℃±2℃)の範囲の緩やかな乾燥条件で乾燥することによって土壌散布材100を得ることができる。
(III)採取工程において生育する生物材10が、土壌散布材100の散布が予定される所定の土壌に生育している生育生物、または生物の分類学上、上記生育生物と同属に分類される同属生物である。
(IV)混合工程において用いられる粒状担持体20が、所定の土壌から採取された現地土壌構成粒土、または所定の土壌とは異なる土壌から採取され現地土壌構成粒土と同質である異地土壌構成粒土を含む。
より具体的には、土壌散布材製造方法が上記(III)を満たすことによって、所定の土壌に対し、外来種の非種子植物の移入を阻止することができる。
また、土壌散布材製造方法が上記(IV)を満たすことによって、土壌散布材が散布された土壌の性質に大きな変更を与えず土壌における生態系を保持することが可能な土壌散布材を製造可能である。より好ましくは、任意で添加された養分などを除き、実質的に、粒状担持体20が現地土壌構成粒土またはこれと同質の異地土壌構成粒土からなる。特に、現地土壌構成粒土を用いることにより、現地の土壌(所定の土壌)に対し、当該現地以外の土壌に含まれる外来種の非種子植物の移入を阻止することができる。
次に第四実施形態として、本発明の土壌侵食防止工法の一実施態様について説明する。
本実施形態にかかる土壌侵食防止工法は、生物材を有する土壌散布材を所定の土壌に散布して、所定の土壌の表層に生物材を繁茂させることにより所定の土壌の土砂流出を防止する土壌侵食防止工法であり、土壌散布材として、本発明の土壌散布材を用いる。
また、散布場所の土地形状または散布場所における土壌の性質などを勘案し、種類の異なる土壌散布材を2種以上散布してもよい。ここで土壌散布材の種類が異なるとは、少なくとも、一の土壌散布材に含まれる生物材と、他の土壌散布材に含まれる生物材とが異種の生物材である場合、または、一の土壌散布材に含まれる粒状担持体と、他の土壌散布材に含まれる粒状担持体とが異種の生物材である場合を含む。ここで生物材および粒状担持体は、それぞれ第一実施形態において説明したものと同様であるため詳細な説明を省略する。
(V)土壌散布材に含まれる生物材10が、所定の土壌に生育している生育生物、または生物の分類学上、生育生物と同属に分類される同属生物である。
(VI)土壌散布材100に含まれる粒状担持体20が、所定の土壌から採集された現地土壌構成粒土、または所定の土壌とは異なる土壌から採取され現地土壌構成粒土と同質である異地土壌構成粒土を含む。
より具体的には、土壌侵食防止工法が上記(V)を満たすことによって、所定の土壌に対し、外来種の非種子植物の移入を阻止することができる。
また、土壌侵食防止工法が上記(VI)を満たすことによって、土壌散布材を散布した土壌の性質に大きな変更を与えず土壌における生態系を保持することが可能である。より好ましくは、任意で添加された養分などを除き、実質的に、粒状担持体20が現地土壌構成粒土またはこれと同質の異地土壌構成粒土からなる。特に、現地土壌構成粒土を用いることにより、現地の土壌(所定の土壌)に対し、土壌に含まれる外来種の非種子植物の移入を阻止することができる。
次に第五実施形態として本発明の土壌散布材収容物セットの一実施態様について説明する。
第五実施形態にかかる土壌散布材収容物セットは、本発明の土壌散布材が収容された収容物のセットである。上記土壌散布材収容物セットは、第一収容体に第一の土壌散布材が収容された第一収容物と、第二収容体に第二の土壌散布材が収容された第二収容物と、を有する。第一の土壌散布材に含まれる第一粒状担持体と、第二の土壌散布材に含まれる第二粒状担持体と、は異質である。
(a)第一粒状担持体と第二粒状担持体とが、土壌構成粒土、固形生物遺骸、加工固形物、鉱物から、それぞれ異なる1種を選択してなる場合。
(b)第一粒状担持体と第二粒状担持体とが、土壌構成粒土、固形生物遺骸、加工固形物、鉱物から、それぞれ2種以上を組み合わせてなる場合であって、互いに選択された2種以上のうちの少なくとも1つが異なる場合。
(c)第一粒状担持体と第二粒状担持体とがそれぞれ土壌構成粒土を有し、互いの土壌構成粒土が、土壌大群・土壌群の分類において異なる大群に分類されるもの、または、土性区分の分類において異なる区分に分類されるものをいう。尚、土壌大群・土壌群の分類および土性区分は、第二実施形態において説明したものと同様であるためここでは詳細な説明を省略する。
たとえば第一収容体に含まれる粒状担持体が赤黄色土大群に分類されるものである場合には、当該第一収容体に「赤土用土壌散布材」等と印字してもよい。また、第二収容体に含まれる粒状担持体が黒ボク土大群に分類されるものである場合には、当該第二収容体に「黒土用土壌散布材」等と印字してもよい。これにより、土壌散布材を使用する者は、土壌散布材を散布する予定の土壌を勘案して、より適切な方を選択することができる。
(1)1種類の非種子植物または2種類以上の非種子植物の組み合わせである生物材と、
前記生物材を担持する粒状担持体と、を有し、
粒子状に成形されていることを特徴とする土壌散布材。
(2)前記非種子植物が、非維管束植物である上記(1)に記載の土壌散布材。
(3)前記非維管束植物が、土壌表層に生育可能な藻類、コケ類、および地衣類のいずれか一以上である上記(2)に記載の土壌散布材。
(4)前記生物材を担持する前記粒状担持体を複数有し、
複数の前記粒状担持体が、互いに不定形である上記(1)から(3)のいずれか一項に記載の土壌散布材。
(5)前記粒状担持体が、土壌構成粒土、固形生物遺骸、加工固形物、鉱物の少なくともいずれか1つを含む上記(1)から(4)のいずれか一項に記載の土壌散布材。
(6)複数の前記粒状担持体は、平均長径が0.1mm以上2mm以下のものを2以上有する上記(1)から(5)のいずれか一項に記載の土壌散布材。
(7)複数の前記粒状担持体は、個数基準における粒子径分布において2以上のピークを有する上記(1)から(6)のいずれか一項に記載の土壌散布材。
(8)前記生物材が、少なくとも下記(A)から(E)のいずれか一つの組み合わせを含む上記(1)から(7)のいずれか一項に記載の土壌散布材、
(A)藻類、コケ類、シダ類、または地衣類から選択される2以上の組み合わせ、
(B)藻類であって生物の分類学上、異なる属に分類される2以上の藻類の組み合わせ、
(C)コケ類であって生物の分類学上、異なる属に分類される2以上のコケ類の組み合わせ、
(D)シダ類であって生物の分類学上、異なる属に分類される2以上のシダ類の組み合わせ、
(E)地衣類であって生物の分類学上、前記地衣類を構成する菌類が異なる属に分類される2以上の地衣類の組み合わせ。
(9)平均長径が、1mm以上20mm以下の範囲である上記(1)から(8)のいずれか一項に記載の土壌散布材。
(10)上記(1)から(9)のいずれか一項に記載の土壌散布材を製造する土壌散布材製造方法であって、
土壌様培地に生物材を生育させる生育工程と、
前記土壌様培地の表面に生育した前記生物材と、前記土壌様培地と、を収穫する収穫工程と、
前記収穫工程により得られた前記生物材および前記土壌様培地を混合して混合物を作製する混合工程と、
前記混合物を乾燥および粒状化することによって粒状体である土壌散布材を成形する粒状体成形工程と、
を備えることを特徴とする土壌散布材製造方法。
(11)下記(I)または(II)の少なくともいずれか1つを満たす上記(10)に記載の土壌散布材製造方法、
(I)前記生育工程において用いられる前記土壌様培地が、前記土壌散布材の散布が予定される所定の土壌から採取された現地土壌構成粒土、または前記所定の土壌とは異なる土壌から採取され前記現地土壌構成粒土と同質である異地土壌構成粒土を含む、
(II)前記生育工程において生育される前記生物材が、前記所定の土壌に生育している生育生物、または生物の分類学上、前記生育生物と同属に分類される同属生物である。
(12)上記(1)から(9)のいずれか一項に記載の土壌散布材を製造する土壌散布材製造方法であって、
生物材を生育させ、生育した前記生物材を採取する採取工程と、
前記採取工程において採取された前記生物材と、前記生物材を担持する複数の粒状担持体とを混合して混合物を作製する混合工程と、
前記混合物を乾燥及び粒状化することによって粒状体である土壌散布材を成形する粒状体成形工程と、
を備えることを特徴とする土壌散布材製造方法。
(13)下記(III)または(IV)の少なくともいずれか1つを満たす上記(12)に記載の土壌散布材製造方法、
(III)前記採取工程において生育する前記生物材が、前記土壌散布材の散布が予定される所定の土壌に生育している生育生物、または生物の分類学上、前記生育生物と同属に分類される同属生物である、
(IV)前記混合工程において用いられる粒状担持体が、前記所定の土壌から採取された現地土壌構成粒土、または前記所定の土壌とは異なる土壌から採取され前記現地土壌構成粒土と同質である異地土壌構成粒土を含む。
(14)生物材を有する土壌散布材を所定の土壌に散布して、前記所定の土壌の表層に前記生物材を繁茂させることにより前記所定の土壌の土砂流出を防止する土壌侵食防止工法であって、
前記土壌散布材が、上記(1)から(9)のいずれか一項に記載されていることを特徴とする土壌侵食防止工法。
(15)下記(V)または(VI)の少なくともいずれか1つを満たす上記(14)に記載の土壌侵食防止工法、
(V)前記土壌散布材に含まれる前記生物材が、前記所定の土壌に生育している生物、または生育生物の分類学上、前記生育生物と同属に分類される同属生物である、
(VI)前記土壌散布材に含まれる前記粒状担持体が、前記所定の土壌から採集された現地土壌構成粒土、または前記所定の土壌とは異なる土壌から採取され前記現地土壌構成粒土と同質である異地土壌構成粒土を含む。
(16)上記(1)から(9)のいずれか一項に記載の土壌散布材が収容された収容物のセットであって
第一収容体に第一の前記土壌散布材が収容された第一収容物と、
第二収容体に第二の前記土壌散布材が収容された第二収容物と、を有し、
前記第一の土壌散布材に含まれる第一粒状担持体と、前記第二の土壌散布材に含まれる第二粒状担持体と、が異質であることを特徴とする土壌散布材収容物セット。
20・・・粒状担持体
22・・・大径粒状担持体
24、34・・・ピークトップ
26・・・空隙
32・・・小径粒状担持体
40、42・・・土壌様培地
50・・・混合物
52・・・混合物前駆体
60・・・ヘラ
62・・・容器
63・・・撹拌用具
64・・・枠体
66・・・孔
100・・・土壌散布材
200・・・培養装置
202・・・培養容器
204・・・壁
206・・・培養室
208・・・水層
210・・・透水シート
212・・・透水性板
214・・・連通管
216・・・貯水槽
218・・・水
220・・・浮き
222・・・水位調整装置
224・・・給水管
Claims (5)
- 1種類の非種子植物または2種類以上の非種子植物の組み合わせである生物材と、
前記生物材を担持する粒状担持体と、を有し、
粒子状に成形されていることを特徴とする土壌散布材
を製造する土壌散布材製造方法であって、
土壌様培地に生物材を生育させる生育工程と、
前記土壌様培地の表面に生育した前記生物材と、前記土壌様培地と、を収穫する収穫工程と、
前記収穫工程により得られた前記生物材および前記土壌様培地を混合して混合物を作製する混合工程と、
前記混合物を乾燥および粒状化することによって粒状体である土壌散布材を成形する粒状体成形工程と、
を備えることを特徴とする土壌散布材製造方法。 - 下記(I)または(II)の少なくともいずれか1つを満たす請求項1に記載の土壌散布材製造方法、
(I)前記生育工程において用いられる前記土壌様培地が、前記土壌散布材の散布が予定される所定の土壌から採取された現地土壌構成粒土、または前記所定の土壌とは異なる土壌から採取され前記現地土壌構成粒土と同質である異地土壌構成粒土を含む、
(II)前記生育工程において生育される前記生物材が、前記所定の土壌に生育している生育生物、または生物の分類学上、前記生育生物と同属に分類される同属生物である。 - 1種類の非種子植物または2種類以上の非種子植物の組み合わせである生物材と、
前記生物材を担持する粒状担持体と、を有し、
粒子状に成形されていることを特徴とする土壌散布材
を製造する土壌散布材製造方法であって、
生物材を生育させ、生育した前記生物材を採取する採取工程と、
前記採取工程において採取された前記生物材と、前記生物材を担持する複数の粒状担持体とを混合して混合物を作製する混合工程と、
前記混合物を乾燥及び粒状化することによって粒状体である土壌散布材を成形する粒状体成形工程と、
を備え、下記(III)または(IV)の少なくともいずれか1つを満たすことを特徴とする土壌散布材製造方法、
(III)前記採取工程において生育する前記生物材が、前記土壌散布材の散布が予定される所定の土壌に生育している生育生物、または生物の分類学上、前記生育生物と同属に分類される同属生物である、
(IV)前記混合工程において用いられる粒状担持体が、前記所定の土壌から採取された現地土壌構成粒土、または前記所定の土壌とは異なる土壌から採取され前記現地土壌構成粒土と同質である異地土壌構成粒土を含む。 - 生物材を有する土壌散布材を所定の土壌に散布して、前記所定の土壌の表層に前記生物材を繁茂させることにより前記所定の土壌の土砂流出を防止する土壌侵食防止工法であって、
前記土壌散布材が、1種類の非種子植物または2種類以上の非種子植物の組み合わせである生物材と、
前記生物材を担持する粒状担持体と、を有し、
粒子状に成形されていることを特徴とする土壌散布材
であることを特徴とする土壌侵食防止工法。 - 下記(V)または(VI)の少なくともいずれか1つを満たす請求項4に記載の土壌侵食防止工法、
(V)前記土壌散布材に含まれる前記生物材が、前記所定の土壌に生育している生育生物、または生物の分類学上、前記生育生物と同属に分類される同属生物である、
(VI)前記土壌散布材に含まれる前記粒状担持体が、前記所定の土壌から採集された現地土壌構成粒土、または前記所定の土壌とは異なる土壌から採取され前記現地土壌構成粒土と同質である異地土壌構成粒土を含む。
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