JP4532855B2 - 微細土粒流出防止方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、藻体の外側に寒天様の多糖層を有する単細胞藻の懸濁液を土壌または積雪に散布して、該土壌から微細土粒が流出することを防止する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、耕地または山地等の土壌から河川に微細な土粒が流出している。とくに農耕作業等の際に、前記土壌に化学肥料または農薬等を散布して、該土壌が人為的に風化されている場合には、前記微細土粒の流出が著しくなることがある。
【0003】
この土壌から河川に流出した微細土粒は、該河川を濁らせるばかりでなく、該河川の岩石、苔、藻または水草等の表面に付着した場合には、該河川中に生息する動植物の成育が阻害され、更に、該河川中の汚泥と混合してヘドロを形成するといった問題を生じている。
【0004】
そこで、河川等の水を浄化する方法としては、例えば、活性汚泥法やカキ殻を含む貝殻濾材を用いた接触浄化法などの微生物による水の浄化方法において、浄化促進剤を予め水に分散させたものを処理槽中に投入して、前記の活性汚泥乃至貝殻濾材に浄化促進剤を接触させるとともに、係る活性汚泥乃至貝殻濾材に汚水などの原水を接触通過させて浄化する水の浄化方法がある(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2003−39086号公報(第2頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特許文献1の公知技術においては、河川等の水を浄化して、COD・BODを低下させることはできるが、前記濁りの原因となっている微細土粒が土壌から流出することを防止することはできないため、根本的な解決にはならないのである。
【0007】
従って、微細土粒の流出を防止する方法としては、耕地または山地等の土壌から河川に微細土粒が流出することを防止するということに解決しなければならない課題を有している。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記した従来例の課題を解決する具体的手段として本発明は、微細土粒の流出を防止する方法であって、藍色植物門、紅色植物門、不等毛植物門、ハプト植物門または緑色植物門から選択され海水で培養または栽培された藻体の外側に寒天様の多糖層を有する単細胞藻の少なくとも1種類からなる懸濁液を土壌に散布して、該土壌の微細土粒を捕捉させることを特徴とする微細土粒流出防止方法を提供するものである。
【0009】
この発明において、前記懸濁液は、水に対する単細胞藻の配合量が、100gwet/l以内であること;を付加的な要件として含むものである。
【0010】
本発明に係る微細土粒流出防止方法は、藍色植物門、紅色植物門、不等毛植物門、ハプト植物門または緑色植物門から選択され藻体の外側に寒天様の多糖層を有する単細胞藻の少なくとも1種類からなる懸濁液を土壌に散布して、該土壌の微細土粒を捕捉させることにより、耕地または山地等の土壌から河川に微細土粒が流出することを防止することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を具体的な実施の形態に基づいて詳しく説明する。
本発明に係る微細土粒の流出を防止する方法は、例えば、藍色植物門(Cyanophyta、藍色細菌(Cyanobacteria))、紅色植物門(Rhodophyta)、不等毛植物門(Heterokontophyta)、ハプト植物門(Haptophyta)または緑色植物門(Chlorophyta)等から選択される単細胞藻、特に、該単細胞藻の藻体の外側、即ち外被に寒天様の多糖層を有するの少なくとも1種類を水等の液体に混合して得られた懸濁液を耕地または山地等の土壌に散布し、該土壌の微細土粒を前記単細胞藻により捕捉させて、前記微細土粒の流出を防止するものである。
【0012】
この藍色植物門としては、例えば、藍藻綱(Cyanophyceae)のクロオコックス目(Chroococcales)のクロオコックス(Chroococcus)、ゴンフォスファエリア(Gomphosphaeria)またはネンジュモ目(Nostocales)のネンジュモ(Nostoc)等を使用でき、紅色植物門としては、例えば、紅藻綱(Rhodophyceae)のチノリモ目(Porphyridiales)のロデラ(Rhodella)等を使用でき、不等毛植物門としては、例えば、黄金色藻綱(Chrysophyceae)のオクロモナス目(Ochromonadales)のウログレナ(Uroglena)等を使用でき、ハプト植物門としては、例えば、ハプト藻綱(Haptophyceae)のプリムネシウム目(Prymnesiales)のファエオキスティス(phaeocystis)等を使用でき、緑色植物門としては、例えば、緑藻綱(Chlorophyceae)のクロロコックム目(Chlorococcales)のスファエロキスティス(Sphaerocystis)またはヨツメモ目(Tetrasporales)のヨツメモ(Gloeocystis)等に代表される単細胞藻を使用できる。
【0013】
これらの単細胞藻は、天然に存在する単細胞藻を使用することもできるが、安定した供給を考慮して、培養または栽培した単細胞藻を用いることが好ましい。この培養または栽培方法としては、通常の単細胞藻を培養または栽培する方法により行うことができる。例えば、100リットルの水、海水または人工海水等の液体を収容した培養槽に前記単細胞藻を入れ、25℃の温度で、3000ルックスの明るさで16時間の明期にした後、8時間の暗期にすることを、通気撹拌の条件の下で4週間の培養を行う等により培養または栽培することができる。
【0014】
そして、水等の液体に前記単細胞藻を混合させた懸濁液を耕地または山地等の土壌に散布することにより、該単細胞藻に存在する外被の寒天様の多糖の層が微細土粒を捕捉し、該微細土粒を結合・接着させる役割を果たして、全体として大きな固まり、即ち前記微細土粒を大きな土粒に変えて流動性を阻害し、該微細土粒を定着させることができるので、前記土壌から河川に該微細土粒が流出すること防止することができるのである。
【0015】
更に、前記単細胞藻が自然物且つ生分解性であるため、該単細胞藻を混合した懸濁液を土壌に散布した後、その散布された土壌中で分解された前記単細胞藻が、肥料として作用するという副次的な効果も有するのである。
【0016】
前記単細胞藻としては、淡水性または海産性の単細胞藻を使用することができるが、該海産性の単細胞藻を混合させた懸濁液を土壌に散布した場合には、その一部が河川に流出したとしても、前記単細胞藻が海産性であり、該単細胞藻は河川中で生息することがなく、生態系を乱すことがないので、前記海産性の単細胞藻、例えば、前記紅色植物門のロデラやハプト植物門のファエオキスティス等の単細胞藻を混合させた懸濁液を使用することが好ましい。
【0017】
更に、前記海産性の単細胞藻は、海水で栽培することができ、該海水中から栄養塩等を摂取させて成育させることができるので、栽培時の添加物が少なくてすみ、前記単細胞藻が前記海水中から摂取した栄養塩等が前記土壌に散布されることになるので、該土壌の改良にも好ましいのである。
【0018】
水等の液体に単細胞藻を混合させた懸濁液の濃度としては、水に対する単細胞藻の配合量が、100gwet/l以内であれば良い。なお、この単細胞藻の配合量としては、100gwet/lを越えて配合させても問題は生じないが、経済的な観点からすると100gwet/l以内にすることが良いのである。
【0019】
なお、前記懸濁液を積雪に散布した場合には、該積雪を融雪させる効果も期待できる。
【0020】
以下に、前記懸濁液を土壌に散布した場合の一例を示す。なお、該懸濁液としては、ハプト植物門のファエオキスティスを混合させた懸濁液と、紅色植物門のロデラを混合させた懸濁液とを使用した実験例を示したが、他の単細胞藻においても、略同様の結果を得られたため、その他の単細胞藻を使用した実験結果については、省略する。
【0021】
[実験例1]
この実験例1においては、単細胞藻として、ハプト植物門のハプト藻綱のプリムネシウム目のファエオキスティスを使用した。
【0022】
底部に皿を伏せた状態で配設し底孔を覆った植木鉢(直径略30cm)を5セット(植木鉢A〜E)用意し、それぞれの植木鉢に、赤玉土(琴平社製)と、鹿沼土(琴平社製)と、培養土(ブリコ社製)と、ボラ土(一恵産業製)とをそれぞれ均量ずつ加え混合して人為的な土壌を作製し、該土壌を2.5mm目の篩いにかけて前記植木鉢A〜Eにそれぞれ略1.2kgずつ均質になるように詰め込んだ。
【0023】
この植木鉢Aには、1リットルの水を散布し、植木鉢Bには、1リットルの水に25g(湿重量:wet/l)のファエオキスティスを混合した懸濁液を散布し、植木鉢Cには、1リットルの水に50g(湿重量)のファエオキスティスを混合した懸濁液を散布し、植木鉢Dには、1リットルの水に75g(湿重量)のファエオキスティスを混合した懸濁液を散布し、植木鉢Eには、1リットルの水に100g(湿重量)のファエオキスティスを混合した懸濁液を散布し、それぞれの植木鉢から流出した水をそれぞれタライで集め、該水を風乾させて含有される微細土粒を秤量(初期流出量)した。
【0024】
前記植木鉢A〜Eをそれぞれ屋根のある屋外に25日間(12月〜1月)放置した後、該植木鉢A〜Eにそれぞれ1リットルの水を散布し、前記初期流出量を秤量した場合と同様にして、微細土粒を秤量(25日後流出量)した。
【0025】
更に、前記植木鉢A〜Eをそれぞれ屋根のある屋外に38日間(1月〜2月:合計63日間)放置した後、該植木鉢A〜Eにそれぞれ2リットルの水を散布し、前記初期流出量を秤量した場合と同様にして、微細土粒を秤量(63日後流出量)した。
【0026】
これら植木鉢A〜Eにおける微細土粒の初期流出量と、25日後流出量と、63日後流出量と、これら流出した微細土粒を合計した積算流出量との結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
Figure 0004532855
【0028】
表1から明らかなように、ファエオキスティス(単細胞藻)を混合した懸濁液を土壌に散布することにより、該土壌から流出する微細土粒の積算流出量を少なくすることができ、また、前記植木鉢から流出した水を観察したところ、ファエオキスティス(単細胞藻)を混合した懸濁液を散布した植木鉢B〜Eから流出した水は略無色透明であり、水のみを散布した植木鉢Aから流出した水は、濁った色であった。
【0029】
また、表1には示していないが、この実験例1と同様にして1リットルの水に5gwet/lのファエオキスティスを混合した懸濁液を散布した実験を行ったところ、前記植木鉢B〜Eと略同様のデータが得られたことから、水に対する単細胞藻の配合量が、5gwet/l程度であっても、微細土粒の流出を十分に防止することができるということが理解できる。
【0030】
[実験例2]
この実験例2においても、単細胞藻として、ハプト植物門のハプト藻綱のプリムネシウム目のファエオキスティスを使用した。この実験例2においては、前記実験例1の人為的な土壌に換えて、実際に土壌流出の問題を抱えている土地の畑土を用いて、前記実験例1と略同様にして実験を行った。
【0031】
前記実験例1と同様の植木鉢を2セット(植木鉢F、G)用意し、それぞれの植木鉢に、畑土(岐阜県郡上郡高鷲村から採取)を2.5mm目の篩いにかけて前記植木鉢F、Gにそれぞれ略5kgずつ均質になるように詰め込んだ。
【0032】
この植木鉢Fには、2リットルの水を散布し、植木鉢Gには、2リットルの水に50g(湿重量)のファエオキスティスを混合した懸濁液を散布し、それぞれの植木鉢から流出した水をそれぞれ集め、水を風乾させて該水に含有される微細土粒を秤量(初期流出量)した。
【0033】
前記植木鉢F、Gをそれぞれ屋根のある屋外に7日間放置した後、該植木鉢F、Gにそれぞれ1リットルの水を散布し、前記初期流出量を秤量した場合と同様にして、微細土粒を秤量(7日後流出量)した。
【0034】
更に、前記植木鉢F、Gをそれぞれ屋根のある屋外に7日間(合計14日間)放置した後、該植木鉢F、Gにそれぞれ2リットルの水を散布し、前記初期流出量を秤量した場合と同様にして、微細土粒を秤量(14日後流出量)した。
【0035】
これら植木鉢F、Gにおける微細土粒の初期流出量と、7日後流出量と、14日後流出量と、これら流出した微細土粒を合計した積算流出量との結果を表2に示す。
【0036】
【表2】
Figure 0004532855
【0037】
表2から明らかなように、ファエオキスティス(単細胞藻)を混合した懸濁液を土壌に散布することにより、該土壌から流出する微細土粒の積算流出量が少なくなることが確認できた。また、前記植木鉢から流出した水を観察したところ、ファエオキスティス(単細胞藻)を混合した懸濁液を散布した植木鉢Gから流出した水が、略無色透明であったのに対し、水のみを散布した植木鉢Fから流出した水は、濁った黄褐色をしていた。
【0038】
しかし、このファエオキスティス(単細胞藻)の懸濁液を散布した植木鉢Gから流出した水の色が略無色透明であり、水のみを散布した植木鉢Fから流出した水よりも透明であることが明らかであったにもかかわらず、該植木鉢Fから流出した微細土粒と、前記植木鉢Gから流出した微細土粒との積算流出量として、それほど大きな数値的な差がみられなかった原因としては、前記植木鉢Fと植木鉢Gとのいずれの場合にも、植木鉢と底部に伏せた状態で配設した皿との隙間から可視できる大きさの土粒子の漏出があったためと考えられる。
【0039】
[実験例3]
そこで、この実験例3においては、単細胞藻として、ハプト植物門のハプト藻綱のプリムネシウム目のファエオキスティスを使用し、濾過筒から流出した水の濁度を測定する実験を行った。
【0040】
濾過筒を3セット(濾過筒A〜C)用意し、畑土(岐阜県郡上郡高鷲村から採取)を2.5mm目の篩いにかけて前記濾過筒A〜Cの上部筒にそれぞれ略2kgずつ均質になるように詰め込んだ。
【0041】
この濾過筒Aには、1リットルの水を散布し、濾過筒Bには、1リットルの水に5g/lのファエオキスティスを混合した懸濁液を散布し、濾過筒Cには、1リットルの水に10g/lのファエオキスティスを混合した懸濁液を散布し、それぞれの濾過筒の下部に配設した4重のガーゼから滲出する水をビーカーにそれぞれ集めた。
【0042】
濾過筒A〜Cから集められた水をそれぞれ撹拌した後、静置後10秒以内にパスツールピペットで任意の高さの水をそれぞれ9回サンプリングし、該サンプリングした水を分光光度計(島津製:UVmini1240)を用いて680nmの濁度を測定した。
【0043】
また、平均孔径0.22μmで直径47mmの限外濾過フィルター(アドバンテック東洋製)を載せたガラス製濾過具(アドバンテック東洋製)を用いて前記濾過筒A〜Cから集められた水を濾過した後、それぞれの前記限外濾過フィルターを50℃で乾燥させて秤量し、該秤量値から予め測定した使用前秤量値を差し引いて前記限外濾過フィルターの重量増加分を算出した。
【0044】
前記濾過筒A〜Cから集められた水の濁度と、限外濾過フィルターの重量増加分との結果を表3に示す。なお前記濁度の数値は、9回サンプリングの平均値とその誤差を示してある。
【表3】
Figure 0004532855
【0045】
表3から明らかなように、ファエオキスティス(単細胞藻)を混合した懸濁液を土壌に散布(濾過筒B、C)することにより、水を散布した場合(濾過筒A)と比較して、濾過筒から集められた水の濁度と、限外濾過フィルターの重量増加分とを低くできることが理解できる。
【0046】
[実験例4]
この実験例4においては、単細胞藻として、前記実験例3のファエオキスティスに換えて、紅色植物門は、紅藻綱のチノリモ目のロデラを使用し、前記実験例3と同様にして濾過筒(D〜F)から流出した水の濁度と、限外濾過フィルターの重量増加分とを測定する実験を行った。この実験結果を表4に示す。
【0047】
【表4】
Figure 0004532855
【0048】
表4から明らかなように、ロデラ(単細胞藻)を混合した懸濁液を土壌に散布した場合であっても、該ロデラを混合した懸濁液を土壌に散布(濾過筒E、F)することにより、水を散布した場合(濾過筒D)と比較して、濾過筒から集められた水の濁度と、限外濾過フィルターの重量増加分とを低くできることが理解できる。
【0049】
[実験例5]
この実験例5においては、前記実験例2の植木鉢F、Gを1ヶ月間放置した後、該植木鉢F、Gを傾斜させた状態で、その表面にそれぞれ1リットルの水をじょうろを使用して散布し、そこから流れ落ちた水をそれぞれタライで集め、散布してから5分後の該タライに集められた水の上清を前記実験例3と同様に5回サンプリングを行い、その濁度を測定した。この実験結果を表5に示す。
【0050】
【表5】
Figure 0004532855
【0051】
表5から明らかなように、ファエオキスティス(単細胞藻)を混合した懸濁液を土壌に散布することにより、地下に浸透し滲出する水の微細土粒の流出を抑止できるだけでなく、地表の微細土粒についても、流出を抑止できることが理解できる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る微細土粒流出防止方法は、藍色植物門、紅色植物門、不等毛植物門、ハプト植物門または緑色植物門から選択され海水で培養または栽培された藻体の外側に寒天様の多糖層を有する単細胞藻の少なくとも1種類からなる懸濁液を土壌に散布して、前記単細胞藻の外被に存在する寒天様の多糖により微細土粒を捕捉し、該微細土粒を全体として大きな塊りにして流動性を阻害し、該微細土粒を定着させることができるので、前記土壌から河川に該微細土粒が流出することを防止することができるという優れた効果を奏する。
【0053】
そして、前記単細胞藻が自然物且つ生分解性であるため、生態系を乱すことがなく、肥料にもなって環境にも良いという副次的な効果をも有するのである。
【0054】
また、紅色植物門のロデラやハプト植物門のファエオキスティス等の海産性の単細胞藻を混合させた懸濁液を土壌に散布することにより、該海産性の単細胞藻が河川に流出したとしても淡水である河川中では生存できないため、該河川の生態系を乱すことがないし、海産性の単細胞藻は、海水で栽培し、該海水中から栄養塩等を摂取させて成育させることができるので、栽培時の添加物が少なくてすみ、前記単細胞藻が前記海水中から摂取した栄養塩等が前記土壌に散布されることになるので、該土壌の改良にも好ましいのである。

Claims (2)

  1. 微細土粒の流出を防止する方法であって、
    藍色植物門、紅色植物門、不等毛植物門、ハプト植物門または緑色植物門から選択され海水で培養または栽培された藻体の外側に寒天様の多糖層を有する単細胞藻の少なくとも1種類からなる懸濁液を土壌に散布して、該土壌の微細土粒を捕捉させること
    を特徴とする微細土粒流出防止方法。
  2. 前記懸濁液は、
    水に対する単細胞藻の配合量が、100gwet/l以内であること
    を特徴とする請求項1に記載の微細土粒流出防止方法。
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