JP6396673B2 - 樹脂窓 - Google Patents

樹脂窓 Download PDF

Info

Publication number
JP6396673B2
JP6396673B2 JP2014089451A JP2014089451A JP6396673B2 JP 6396673 B2 JP6396673 B2 JP 6396673B2 JP 2014089451 A JP2014089451 A JP 2014089451A JP 2014089451 A JP2014089451 A JP 2014089451A JP 6396673 B2 JP6396673 B2 JP 6396673B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
frame
bottom wall
opening groove
wall portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014089451A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015209632A (ja
Inventor
祥太 油谷
祥太 油谷
健治 亀田
健治 亀田
良平 須藤
良平 須藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
YKK AP Inc
Original Assignee
YKK AP Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by YKK AP Inc filed Critical YKK AP Inc
Priority to JP2014089451A priority Critical patent/JP6396673B2/ja
Publication of JP2015209632A publication Critical patent/JP2015209632A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6396673B2 publication Critical patent/JP6396673B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Securing Of Glass Panes Or The Like (AREA)
  • Special Wing (AREA)

Description

本発明は、樹脂製の枠体の内側に複層ガラスを支持した樹脂窓に関する。
住宅や店舗等の建物の窓では、樹脂製の枠体の内側に複層ガラスを支持することにより、断熱性能を確保し結露を抑制できる建具である樹脂窓が広く用いられている。樹脂窓では、防災上の観点から法令等によって所定の防火性能を有することが求められている。
例えば、特許文献1には、複層ガラスを樹脂製の枠体の開口溝に挿入させて支持した樹脂窓において、複層ガラスの端面と枠体の開口溝の底壁部の内面との間に発泡性コーキング材及び発泡性遮炎材等の熱膨張性部材を設けた防火構造が開示されている。この防火構造により、火災時等に複層ガラス窓が加熱された際、複層ガラスの端面と枠体の開口溝の底壁部との間が膨張した熱膨張性部材によって閉塞される。このため、枠体に室内外空間を連通する貫通口が形成されることを防止でき、複層ガラス窓の室内外間での火炎抜けを防止することができる。
特開2011−6874号公報
ところで、上記従来技術では、複層ガラス窓が加熱された場合、複層ガラスの下端面と枠体の開口溝の底壁部との間で熱膨張性部材がすばやく膨張する。そのため、火炎等による加熱で高温となるガラス中央部と、熱膨張性部材によって遮炎されて断熱されるガラス端部との間に温度差を生じる。特に、複層ガラスの下端部付近では、上端部に比べて温度が上昇し難く、前記温度差がより大きなものとなる。このような温度差を生じると、火炎等に晒される加熱側のガラス板だけでなく、非加熱側のガラス板までが温度差によって生じる引張応力で割れ(熱割れ)を生じ、複層ガラス窓を火炎が貫通する懸念がある。
しかも、複層ガラスを網入りガラスと耐熱ガラスとで構成した上記特許文献1の構成以外の構成からなる複層ガラス窓、例えば、複層ガラスのうちの一つのガラスを遮熱ガラスやフロートガラス等の非耐熱ガラスで構成した複層ガラス窓では上記した熱割れの発生が一層顕著なものとなる。その要因としては、温度差が生じたまま、熱膨張性部材が発泡し、複層ガラスの下端部付近を覆ってしまうと、熱膨張性部材に覆われた下端部の熱伝播がなされ難くなるからである。
本発明は、上記従来技術の課題を考慮してなされたものであり、複層ガラス窓のガラス板の温度差による熱割れを抑え、火災等の火炎抜けを防止することができる樹脂窓を提供することを目的とする。
本発明に係る樹脂窓は、樹脂製の上枠、下枠及び左右の縦枠で形成された枠体の内側に複層ガラスを支持した樹脂窓であって、前記複層ガラスは、その外周端部が前記枠体に設けられた開口溝の内側で該開口溝の底壁部の内面との間に隙間を有して支持され、前記下枠では、加熱されると膨張する熱膨張性部材を前記開口溝の底壁部の外面側に設ける一方、前記開口溝の底壁部の内面と前記複層ガラスの下端面との間には前記熱膨張性部材を設けていないことを特徴とする。
このような構成によれば、複層ガラス窓が火災等の熱を受けた場合、下枠の加熱側見付け面を貫通して開口溝内へと進入した火炎や熱によって該開口溝の底壁部が融解した後、或いはこの底壁部の融解と略同時に熱膨張性部材が膨張する。このため、下枠が加熱された直後に複層ガラスの下端面と開口溝の底壁部との間の空間が熱膨張性部材によって閉塞されて複層ガラスの下端面付近が断熱されることを回避でき、複層ガラスを構成するガラス板の中央部と下端部とが略均等に加熱されて温度上昇する時間が確保される。これにより、ガラス板の中央部と下端部との間で生じる温度差を最小限に抑えることができ、この温度差によるガラス板の熱割れの発生を防止し、複層ガラス窓の室内外方向での火炎抜けを防止できる。しかも、開口溝の底壁部がある程度融解した後は、開口溝の底壁部の外面側に配置した熱膨張性部材が膨張し、複層ガラスの下端面と開口溝の底壁部との間の空間を閉塞する。この熱膨張性部材の遮炎効果により、下枠を室内外方向に貫通する貫通口の形成を防止して、火炎抜けを防止することができる。
本発明に係る樹脂窓において、前記上枠では、少なくとも前記開口溝の底壁部の内面と前記複層ガラスの上端面との間に前記熱膨張性部材を設けるとよい。そうすると、複層ガラス窓が火災等の熱を受けた場合、上枠では加熱側見付け面を融解させて開口溝内へと進入した火炎や熱によって熱膨張性部材がすばやく膨張し、複層ガラスの上端面と開口溝の底壁部との間の空間を閉塞する。これにより、上枠の室内外空間での火炎抜けを防止できる。
本発明に係る樹脂窓において、前記下枠は、前記開口溝の底壁部の外面側に中空の断面形状を有する内部空間を有すると共に、該内部空間には不燃性又は難燃性の材料によって形成された補強材が配設され、前記下枠では、前記開口溝の底壁部の外面と対向する前記補強材の上面に前記熱膨張性部材を設けてもよい。そうすると、熱膨張性部材はその背面側が補強材で覆われるため、開口溝の底壁部が融解した際の脱落が防止されると共に、ガラス側に向かって確実に膨張する。
本発明に係る樹脂窓において、前記複層ガラスはその下端面が前記下枠に設けられた開口溝の底壁部の内面に対してセッティングブロックを介して支持されると共に、少なくとも前記セッティングブロックと前記複層ガラスの下端面との間に伝熱部材を介在させてもよい。これにより、複層ガラス窓が火災等の熱を受けた際、複層ガラスの下端部を伝熱部材の伝熱作用によってより迅速に温度上昇させることができる。これにより、ガラス板の中央部と端部との間での温度差の発生をより確実に抑え、ガラス板の熱割れをより確実に防止できる。
本発明に係る樹脂窓において、前記複層ガラスは、複数のガラス板で構成されると共にそのうちの1枚が網入りガラスで構成されており、その他の網入りガラスではないガラス板の下端側略全長であって前記開口溝の底壁部の内面と対向する部分に、前記伝熱部材を取付けたものであってもよい。伝熱部材が網入りガラスではないガラス板の下端側全長に渡って設けられることにより、熱割れによって下端から上に向ってヒビがガラスに入ってしまったとしても、面ズレしないように支持する役割を担うことができる。
本発明によれば、複層ガラスを構成するガラス板の中央部と下端部との間で生じる温度差を最小限に抑え、ガラス板の熱割れの発生を防止できるため、複層ガラス窓の室内外方向での火炎抜けを防止できる。しかも、複層ガラスの下端面と開口溝の底壁部との間の空間を熱膨張性部材で閉塞することで室内外を貫通する貫通口の発生を防止し、下枠の室内外空間での火炎抜けを防止することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る樹脂窓の縦断面図である。 図2は、図1に示す樹脂窓の横断面図である。 図3は、図1に示す樹脂窓の下枠に伝熱部材を備えた構成例を示す拡大縦断面図である。
以下、本発明に係る樹脂窓について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る樹脂窓12の縦断面図であり、図2は、図1に示す樹脂窓12の横断面図である。
図1及び図2に示すように、樹脂窓12は、建物の躯体14の開口部14aに固定される枠体16と、枠体16の内側に取り付けられる複層ガラス18とを備えた複層ガラス窓である。本実施形態では、複層ガラス18を枠体16の内側に固定した嵌め殺し窓の建具に対して防火構造10を適用した構成からなる樹脂窓を例示する。
複層ガラス18は、スペーサ20を用いて一対のガラス板22,23を互いに間隔を隔てて対面配置した2層構造である。本実施形態の場合、室外側に配置されるガラス板22を網入りガラスとし、室内側に配置されるガラス板23を遮熱ガラス(Low−Eガラス)としている。ガラス板22は、火災等による加熱を受けても崩落しない防火性を持った板ガラスである。ガラス板23は、ガラス板22よりも防火性が低いものであり、フロートガラスでもよい。ガラス板22,23の室内外の位置関係は交換されてもよい。また、複層とは3層以上の構造も含む概念であり、例えば、複層ガラス18はトリプルガラス等の3層構造であってもよい。
枠体16は、上枠16aと、下枠16bと、左右の縦枠16c,16cとを四周枠組みすることで矩形の開口部を形成したものである。上枠16a、下枠16b及び縦枠16cは、塩化ビニル樹脂(PVC)等の樹脂の押出形材である。これら上枠16a、下枠16b及び縦枠16cは、所定長さで切断した同一の枠部材によって形成され、その断面形状は同一となっている。枠体16は、上枠16a、下枠16b及び縦枠16cの45度に切断された端部同士が適宜突き合わされ、接合されることで構成されている。
図1に示すように、下枠16bは、複層ガラス18の外周端部(下端部)が配置される開口溝24を有する。開口溝24の室内側となる部分には突出部26が設けられ、開口溝24の室外側となる部分には押縁28を取り付けるための取付溝30が設けられている。取付溝30よりも室外側の一段下がった位置には水切り部32が設けられている。開口溝24の底壁部24aの外面(下面)24b側には、中空の断面形状を有する内部空間34が形成されている。上記のように上枠16a及び縦枠16cは下枠16bと同一の断面形状を有するため、それぞれ開口溝24、突出部26、押縁28、取付溝30、水切り部32及び内部空間34を有する(図1及び図2参照)。
枠体16では、開口溝24に複層ガラス18が装着された後、室外側に押縁28を装着することで突出部26と押縁28との間に複層ガラス18が保持される。複層ガラス18の外周端部両面には、一対のタイト材35a,35bが当接する。
ここで、下枠16bの開口溝24では、底壁部24aの内面(上面)24cに対してセッティングブロック36による隙間を有して複層ガラス18の下端面18bが支持される。セッティングブロック36は門型の断面形状を有し、例えばゴム材料部36aと金属材料部36bの上下2層構造となっている。金属材料部36bは、例えばアルミニウムで形成される。このためセッティングブロック36が加熱されて上部のゴム材料部36aが融解した場合にも下部の金属材料部36bが残留するため、複層ガラス18の下端面18bの支持が継続され、上枠16aと複層ガラス18の外周端部(上方側端部)とが離間し発生する貫通口の発生を抑制することができる。
上枠16a及び縦枠16cの開口溝24では、底壁部24aの内面24cに対してセッティングブロック37による隙間を有して複層ガラス18の上端面18a及び縦端面18cが支持される。上枠16a及び縦枠16cに設置されるセッティングブロック37は矩形の断面形状を有し、例えばゴム材料によって形成される。上枠16aのセッティングブロック37は複層ガラス18の位置決め作用を有する必要はないため、複層ガラス18の上端面18aから離間していてもよい(図1参照)。
本実施形態の場合、セッティングブロック36,37は50mm程度の幅寸法を有し、例えば各枠16a〜16cの長手方向に沿って2〜4個程度設置される。
下枠16bの開口溝24には、L字型の断面形状を有する脱落防止金具38が設けられている。脱落防止金具38は、ねじ39(図3参照)によって補強材40にねじ止め固定される。脱落防止金具38は、複層ガラス18の室外側面に面して起立し、複層ガラス18の室外側への転倒を防止するものである。本実施形態の場合、脱落防止金具38は50mm程度の幅寸法を有し、例えば下枠16bの長手方向に沿って1〜3個程度設置される。
次に、本実施形態に係る樹脂窓12の構成及び作用効果を説明する。
下枠16bの内部空間34には、長手方向に沿って延在した補強材40が設けられている。補強材40は、略コの字型の断面形状に成形した金属薄板によって形成されている。補強材40は、上板40aと、上板40aの見込み方向両側から突出した一対の側板40b,40cとを有する。開口溝24の底壁部24aの外面24bと対向する上板40aの上面には、凹部40dが見込み方向に一対設けられ、各凹部40dには熱膨張性部材42が下枠16bの長手方向に延在するように配置されている。本実施形態の場合、熱膨張性部材42は開口溝24の底壁部24aの外面24bに当接している。熱膨張性部材42は、加熱されると膨張する材料、例えば発泡性黒鉛を主成分とした加熱発泡材である。
上枠16a及び縦枠16cの内部空間34には、MDF(medium density fiberboard)と称される木質繊維を原料とする成型板(中密度繊維板)をブロック状に成形した補強材44が設けられている。補強材44を構成するMDFは、火災等によっても焼失しない難燃性又は不燃性を有する。上枠16a及び縦枠16cでは、開口溝24の底壁部24aの内面24cに熱膨張性部材46が配置されている。熱膨張性部材46は、加熱されると膨張する材料、例えば発泡性黒鉛を主成分とした加熱発泡材である。上枠16aでは、底壁部24aの内面24cに加えて、その外面24b側にも、例えば補強材44の下面に取り付けることで熱膨張性部材46(図1中の2点鎖線参照)を設けてもよい。また、縦枠16cでは、底壁部24aの内面24cに加えて又は底壁部24aの内面24cに代えて、底壁部24aの外面24b側に、例えば補強材44の側面に取り付けることで熱膨張性部材46(図2中の2点鎖線参照)を設けてもよい。上枠16a及び縦枠16cでは、補強材44に代えて、下枠16bと同様に金属板で形成した補強材40を用いてもよい。
このように、本実施形態に係る樹脂窓12によれば、樹脂製の枠体16の開口溝24の内側で該開口溝24の底壁部24aの内面24cとの間にセッティングブロック36,37によって隙間を介して複層ガラス18の外周端部を支持した樹脂窓12において、下枠16bでは、熱膨張性部材42を開口溝24の底壁部24aの外面24b側に設ける一方、開口溝24の底壁部24aの内面24cと複層ガラス18の下端面18bとの間には熱膨張性部材を設けていない防火構造10を有する。換言すれば、下枠16bでは、開口溝24の底壁部24aの外面24b側にのみ熱膨張性部材を設けている。
従って、例えば室外側で発生した火災等の熱を樹脂窓12が受けた場合、下枠16bでは押縁28を融解させて貫通した火炎や熱によって底壁部24aが融解した後、或いはこの底壁部24aの融解と略同時に熱膨張性部材42が膨張する。換言すれば、上記した従来技術のように複層ガラス18の下端面18bと開口溝24の底壁部24aとの間の空間に熱膨張性部材を配置した構成と比べ、熱膨張性部材42の膨張タイミングが遅くなる。つまり、樹脂窓12の防火構造10では、複層ガラス18の下端面18bと開口溝24の底壁部24aとの間の空間が火炎や熱によってある程度加熱されるまでの間は熱膨張性部材42が膨張せず、下端面18bと底壁部24aとの間の空間を閉塞することがない。このため、下枠16bが加熱された直後に該空間が閉塞され、複層ガラス18の下端面18b付近が断熱されることを回避でき、ガラス板23の中央部と下端部とが略均等に加熱されて温度上昇する。これにより、ガラス板23の中央部と下端部との間での温度差を最小限に抑えることができ、この温度差によるガラス板23の熱割れの発生を防止し、複層ガラス18の室内外方向での火炎抜けを防止できる。
しかも、開口溝24の底壁部24aがある程度融解した後は、その外面24b側に配置した熱膨張性部材42が膨張し、複層ガラス18の下端面18bと開口溝24の底壁部24a(補強材40)との間の空間を閉塞する。この熱膨張性部材42の遮炎効果により、押縁28から複層ガラス18の下端面18bに沿って突出部26までを貫通する貫通口の発生が防止され、下枠16bの室内外空間での火炎抜けを防止することができる。
本実施形態に係る樹脂窓12によれば、上枠16aでは、少なくとも開口溝24の底壁部24aの内面24cと複層ガラス18の上端面18aとの間に熱膨張性部材46を設けている。このため、樹脂窓12が火災等の熱を受けた場合、上枠16aでは押縁28を貫通した火炎や熱によって熱膨張性部材46がすばやく膨張し、複層ガラス18の上端面18aと底壁部24a(補強材44)との間の空間を閉塞する。これにより、上枠16aの室内外空間での火炎抜けを防止できる。
このように、上枠16aでは、複層ガラス18の上端面18aと開口溝24の底壁部24aの内面24cとの間の空間に熱膨張性部材46を設置し、該空間をすばやく閉塞可能な構成としている。通常、樹脂窓12が火災等の熱を受けた場合には、上方にある上枠16a側では温度が迅速に上昇するため、上記した下枠16bで生じるような温度差によるガラス板23の熱割れの発生は生じ難い。そのため、上枠16aでは、より迅速に熱膨張性部材46を膨張させて火炎抜けをより確実に防止可能な構成であることが好ましい。これに対し、樹脂窓12の下方にある下枠16bでは、火災等の熱を受けた場合にも複層ガラス18の下端部の温度上昇が中央部や上端部に比べて遅い傾向にある。そこで、上記のような温度差による熱割れを防止するため、当該樹脂窓12の防火構造10では上記したようにガラス板23の温度が略均等に上昇するまで熱膨張性部材42の膨張を遅延させる構成を設けている。
当該樹脂窓12では、下枠16bは、開口溝24の底壁部24aの外面24b側に形成された中空の内部空間34に補強材40が配設され、該補強材40の上面に熱膨張性部材42を設けている。従って、熱膨張性部材42はその背面側が金属製の補強材40で覆われるため、開口溝24の底壁部24aが融解した際に熱膨張性部材42が内部空間34の底部に脱落することを防止できると共に、確実に複層ガラス18側に向かって膨張することになる。
図3に示すように、下枠16bでは、セッティングブロック36と複層ガラス18の下端面18bとの間に伝熱部材50を介在させてもよい。伝熱部材50は、L字型の断面形状を持つ金属薄板であり、例えばステンレス板である。伝熱部材50は、室内側のガラス板23の角部を覆うようにガラス板23の下端側略全長に渡って設けられ、開口溝24の底壁部24aの内面24cと対向する部分に両面テープや接着剤で接着固定され、セッティングブロック36と下端面18bとの間に介在する。伝熱部材50を設けることにより、樹脂窓12が火災等の熱を受けた際、複層ガラス18の下端部を伝熱部材50の伝熱作用によってより迅速に温度上昇させることができる。これにより、上記したガラス板23の中央部と端部との間での温度差の発生をより確実に抑え、ガラス板23の熱割れをより確実に防止できる。
また、断熱性のあるセッティングブロック36の上部のゴム材料部36aは火災時には軟化するため、遮熱ガラスやフロートガラスで構成されたガラス板22の下端側を包む恐れがある。そこで、L字状を成す伝熱部材50の底面側は、前記ガラス板22の下端側を軟化したゴム材料部36aが包む問題を防ぐ役割を有する。さらに、伝熱部材50が網入りガラスではないガラス板23の下端側全長に渡って設けられることにより、熱割れによって下端から上に向ってヒビがガラス板23に入ってしまったとしても、面ズレしないように支持する役割を担うことができる。
伝熱部材50は、網入りガラスであるガラス板22に接触しない形状及び配置とされることが好ましい。金属板である伝熱部材50がガラス板22の鋼線に接触していると腐食を生じる懸念があるからである。さらに、伝熱部材50は、複層ガラス18を構成する一対のガラス板22,23間の隙間を完全に覆わないことが好ましい。伝熱部材50によって該隙間が完全に覆われると、複層ガラス18の内部空間で結露を生じる懸念があるからである。そこで、図3に示す構成では、伝熱部材50は、ガラス板23の下端面からスペーサ20の途中までを覆う見込み方向寸法に設定されている。伝熱部材50は、上枠16a及び縦枠16cに設置してもよい。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
例えば、上記実施形態では、樹脂窓12として、複層ガラス18を枠体16の内側に固定した嵌め殺し窓を例示したが、本発明は、複層ガラスを框組みした障子を枠体に対して開閉可能に取り付けた開閉窓の建具に対しても適用可能である。
10 複層ガラス窓の防火構造、12 樹脂窓、14 躯体、16 枠体、16a 上枠、16b 下枠、16c 縦枠、18 複層ガラス、18a 上端面、18b 下端面、18c 縦端面、20 スペーサ、22,23 ガラス板、24 開口溝、24a 底壁部、24b 外面、24c 内面、26 突出部、28 押縁、34 内部空間、36,37 セッティングブロック、38 脱落防止金具、40,44 補強材、42,46 熱膨張性部材、50 伝熱部材

Claims (2)

  1. 樹脂製の上枠、下枠及び左右の縦枠で形成された枠体の内側に複層ガラスを支持した樹脂窓であって、
    前記複層ガラスは、その外周端部が前記枠体に設けられた開口溝の内側で該開口溝の底壁部の内面との間に隙間を有して支持され、
    前記下枠では、加熱されると膨張する熱膨張性部材を前記開口溝の底壁部の外面側に設ける一方、前記開口溝の底壁部の内面と前記複層ガラスの下端面との間には前記熱膨張性部材を設けていないものであり、
    前記複層ガラスはその下端面が前記下枠に設けられた開口溝の底壁部の内面に対してセッティングブロックを介して支持されると共に、少なくとも前記セッティングブロックと前記複層ガラスの下端面との間に伝熱部材を介在させたことを特徴とする樹脂窓。
  2. 請求項記載の樹脂窓において、
    前記複層ガラスは、複数のガラス板で構成されると共にそのうちの1枚が網入りガラスで構成されており、その他の網入りガラスではないガラス板の下端側略全長であって前記開口溝の底壁部の内面と対向する部分に、前記伝熱部材を取付けたことを特徴とする樹脂窓。
JP2014089451A 2014-04-23 2014-04-23 樹脂窓 Active JP6396673B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014089451A JP6396673B2 (ja) 2014-04-23 2014-04-23 樹脂窓

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014089451A JP6396673B2 (ja) 2014-04-23 2014-04-23 樹脂窓

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015209632A JP2015209632A (ja) 2015-11-24
JP6396673B2 true JP6396673B2 (ja) 2018-09-26

Family

ID=54612064

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014089451A Active JP6396673B2 (ja) 2014-04-23 2014-04-23 樹脂窓

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6396673B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7067980B2 (ja) * 2018-03-20 2022-05-16 Ykk Ap株式会社 建具
JP7065716B2 (ja) * 2018-07-13 2022-05-12 三協立山株式会社 建具
JP7183680B2 (ja) * 2018-10-12 2022-12-06 日本電気硝子株式会社 合わせガラス
WO2021073027A1 (zh) * 2019-10-18 2021-04-22 中国建筑西南设计研究院有限公司 动态可调高性能集热保温隔声一体化窗户及其控制方法
JP7374833B2 (ja) 2020-03-30 2023-11-07 Ykk Ap株式会社 建具
JP7374834B2 (ja) * 2020-03-30 2023-11-07 Ykk Ap株式会社 建具構造
CN111706227B (zh) * 2020-06-24 2021-11-05 江苏金百合门窗科技有限公司 一种保温隔热玻璃窗

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0545749Y2 (ja) * 1987-03-07 1993-11-25
JP5460122B2 (ja) * 2009-05-20 2014-04-02 株式会社トクヤマ 防火性サッシ材および該防火性サッシ材を用いた防火窓
JP2011006874A (ja) * 2009-06-24 2011-01-13 Excel Shanon Corp 複層ガラス窓の防火構造
JP5651008B2 (ja) * 2010-12-28 2015-01-07 株式会社エクセルシャノン 複層ガラス窓の防火構造
JP6457726B2 (ja) * 2013-03-31 2019-01-23 積水化学工業株式会社 樹脂サッシの防火構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015209632A (ja) 2015-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6396673B2 (ja) 樹脂窓
JP6353307B2 (ja) 樹脂製防火建具
JP5148549B2 (ja) 樹脂製建具
JP5055321B2 (ja) 樹脂製建具
JP6017300B2 (ja) 建具の取付構造及び建具
JP6433731B2 (ja) ガラスの支持構造
JP2016180269A (ja) 開口部装置
JP5863243B2 (ja) サッシ
JP2024015203A (ja) 建具
JP6017339B2 (ja) 窓ユニット
JP6683445B2 (ja) 建具
JP5653896B2 (ja) 建具
JP2018145605A (ja) 建具
KR101560768B1 (ko) 목재 방화도어
JP2017214749A (ja) ドア装置
JP2016023484A (ja) 建具
JP6837891B2 (ja) 戸体および建具
JP2016142019A (ja) 建具
JP6843684B2 (ja) 建具
JP6415886B2 (ja) 建具
JP2016142012A (ja) 複層ガラス体と建具
JP2019065494A (ja) 建具
JP6813415B2 (ja) 戸体および建具
JP6978333B2 (ja) 建具
JP2016176244A (ja) 防火建具

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170210

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171005

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171024

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171218

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180508

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180530

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180828

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180830

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6396673

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150