JP6978333B2 - 建具 - Google Patents

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Description

本発明は、開口枠で障子を回動可能に支持した建具に関する。
例えば玄関ドアや開き窓のような建具では、開口枠と障子との間を支持具(蝶番)によって回動可能に連結した構成がある。この種の建具は、火災時に加熱された障子が反りを生じた場合、障子の見込み面と開口枠との間に室内外を連通する貫通孔が形成され、この貫通孔が火炎や煙の通り道となる懸念がある。
例えば特許文献1には、障子の戸先框及び吊元框の各見込み面に対して防火性発泡材を設けた構成が開示されている。防火性発泡材は、加熱された場合に膨張する熱膨張性部材である。この構成では、熱膨張性部材を戸先框及び吊元框の各見込み面の長手方向全長に亘って設けることにより、障子と開口枠との間の隙間を塞ぎ、貫通孔の形成を防止している。
実開平3−125192号公報
ところで、上記のような建具が火災で加熱された場合、障子の吊元側部分において、支持具による拘束が弱い部分、例えば最上部の支持具よりも上側の部分や最下部の支持具よりも下側の部分が見込み方向に張り出して大きな貫通孔が形成される可能性がある。その一方、支持具による拘束の強い部分、例えば隣接する支持具間に挟まれた部分で形成される貫通孔は小さい傾向にある。このため、上記特許文献1の構成のように、吊元側の見込み面の全長に亘って熱膨張性部材を設けることは、防火性能が過剰となって部品コストが増大する。しかも、このような建具の障子は、吊元框の見込み面に支持具が複数取り付けられているため、熱膨張性部材を全長に亘って設ける際は各支持具を避けて貼り付ける必要があり、作業効率が低い。
本発明は、上記従来技術の課題を考慮してなされたものであり、十分な防火性能を確保しつつ、コストを抑え、作業効率を向上させることができる建具を提供することを目的とする。
本発明に係る建具は、開口枠と、該開口枠の一方の縦枠の上下方向に沿って取り付けられる複数の支持具と、前記一方の縦枠と対向する見込み面の上下方向に沿って前記複数の支持具が取り付けられることにより、前記開口枠に対して回動可能に支持される障子と、を備える建具であって、前記障子の前記見込み面は、前記複数の支持具のうちで最も上側の支持具よりも上方となる位置に、加熱されると膨張する第1熱膨張性部材が設けられ、前記複数の支持具のうちで最も下側の支持具よりも下方となる位置に、加熱されると膨張する第2熱膨張性部材が設けられていることを特徴とする。
このような構成によれば、当該建具が火災によって加熱された際、例えば障子は上下方向で中央部が室内側に張り出し、上下両端部が室外側に張り出すような弓状の反り変形を生じる場合がある。この場合、障子の上下両端部にそれぞれ設けた第1熱膨張性部材及び第2熱膨張性部材が迅速に膨張するため、障子と縦枠との間の隙間が塞がれる。これにより、火災時に最も大きな室内外の貫通孔を形成し易い障子の上下両端部を第1熱膨張性部材及び第2熱膨張性部材で塞ぐことができる。その結果、熱膨張性部材の設置コストを抑え、作業効率を向上させつつ、十分な防火性能を確保できる。
本発明に係る建具において、前記最も下側の支持具と、該最も下側の支持具の上方に隣接した支持具との間となる位置には、加熱されると膨張する熱膨張性部材を設けていない構成としてもよい。すなわち、最も下側の支持具とその上方に隣接した支持具との間となる位置は、障子の上下端部に比べて支持具による拘束力が強く、且つ障子の比較的下部に位置するため、温度上昇による障子の反り変形量が小さい傾向にある。そこで、この位置に熱膨張性部材を設けないことにより、熱膨張性部材の部品コストや設置作業を削減しつつ、必要十分な防火性能は確保しておくことができる。
本発明に係る建具において、前記第1熱膨張性部材は、前記第2熱膨張性部材よりも当該建具の見込み方向での幅が小さい構成としてもよい。すなわち、障子の上部は、下部に比べて温度が上昇し易いため、当該建具が加熱された際、第1熱膨張性部材は第2熱膨張性部材に比べて早期に膨張する。そこで、この第1熱膨張性部材は、第2熱膨張性部材よりも幅狭に構成したとしても、障子の上部が反り変形で見込み方向に位置ずれする前に確実に膨張させ、障子と縦枠との間の隙間を塞ぐことができる。その結果、第1熱膨張性部材の部品コストを一層低減できる。特に、このような建具では、火災時に障子が反り変形した際、障子の下部での反り量が上部での反り量よりも大きくなる傾向にある。そこで、障子の上部に配置する第1熱膨張性部材は、下部に配置する第2熱膨張性部材よりも幅狭に構成しても十分な防火性能を確保できる。
本発明に係る建具において、前記第1熱膨張性部材は、前記見込み面の室外側に寄った位置に設けられた構成としてもよい。すなわち、幅狭な第1熱膨張性部材は、見込み面の室外側に寄った位置に設けられることにより、当該建具が室外側から火災の熱を受けた場合に迅速に膨張させることができる。また、当該建具が室内側から火災の熱を受けた場合にも障子の上部は早期に高温となり、障子の反り量自体も下部よりも小さいため、第1熱膨張性部材によって隙間を迅速に塞ぐことができる。
本発明に係る建具において、前記一方の縦枠は、前記障子の室内側表面に対向配置される戸当たり片を有すると共に、該戸当たり片の室外側見付け面は、該一方の縦枠と前記障子の前記見込み面との間に形成される隙間に臨んでおり、前記戸当たり片の前記室外側見付け面には、加熱されると膨張する熱膨張性部材が設けられた構成としてもよい。そうすると、当該建具が火災の熱を受けた場合に障子と開口枠との間の隙間を熱膨張性部材によって確実に塞ぐことができる。特に、このような熱膨張性部材を開口枠の室内側に寄った位置にある戸当たり片に設けた構成の場合、幅狭な第1熱膨張性部材が見込み面の室外側に寄った位置に配置されることにより、室外側からの火災時にも障子の上部の隙間を第1熱膨張性部材によって早期に塞ぐことができる。
本発明に係る建具において、前記支持具は3個以上取り付けられており、前記最も上側の支持具と、該最も上側の支持具の下方に隣接した支持具との間となる位置に、加熱されると膨張する第3熱膨張性部材が設けられた構成としてもよい。そうすると、支持具による拘束力の強い部分であっても、火災時に高温になり易い上部での貫通孔の発生を第3熱膨張性部材によって確実に塞ぐことができる。
本発明によれば、十分な防火性能を確保しつつ、コストを抑え、作業効率を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る建具を室外側から見た正面図である。 図1に示す建具の縦断面図である。 図1に示す建具の横断面図である。 吊元框の見込み面の構成を示す図である。 図4中のV−V線に沿う断面図である。 図4中のVI−VI線に沿う断面図である。 図4中のVII−VII線に沿う断面図である。 支持具が2個で構成された建具の吊元框の見込み面の構成を示す図である。
以下、本発明に係る建具について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る建具10を室外側から見た正面図である。図2は、図1に示す建具10の縦断面図である。図3は、図1に示す建具10の横断面図である。図1〜図3に示すように、建具10は、建物の躯体開口部に固定される開口枠12と、開口枠12に対して回動可能に連結される障子14とを備える。本実施形態では、建具10として例えば建物の玄関等に設置されるドアを例示するが、建具10は縦開き窓のような回転窓等であってもよい。
開口枠12は、上枠12a、下枠12b及び左右の縦枠12c,12dを四周枠組みして矩形の開口部12eを形成したものである。各枠12a〜12dは、例えばアルミニウム等の金属材料の押出形材である。開口枠12は、アンカー或いは釘やねじ等の固定具を用いて建物の躯体に固定される。
本出願において、見込み方向とは建具10の室内外方向、つまり室内側から室外側に向かう方向又はその逆方向(図中に矢印Yで示す方向)をいい、見込み面とは見込み方向に沿って延在する面をいう。見付け方向とは見込み方向に直交する方向であり、上下方向に長尺な縦枠12c等の場合はその長手方向に直交する左右方向(図中に矢印Xで示す方向)をいい、左右方向に長尺な上枠12a等の場合はその長手方向に直交する上下方向(図中に矢印Zで示す方向)をいう。見付け面とは見付け方向に沿った面をいう。枠状部材の内側(内周)とは、例えば開口枠12の枠内側をいい、枠状部材の外側(外周)とは、例えば開口枠12の躯体に固定される枠外側をいう。
図2に示すように、上枠12aは、内側見込み面16の室内側に寄った位置に戸当たり片18を有する。戸当たり片18の室外側見付け面18aには、長手方向に亘ってタイト材20が装着されている。下枠12bは、室内側で上方に突出した枠底面部22と、枠底面部22の下部から室外側に向かって下方に傾斜した傾斜部24とを有する。枠底面部22は、その上面が開口部12eの底面となる。傾斜部24は、その上面が水切り面となる。枠底面部22の室外側見付け面22aには、長手方向に亘ってタイト材20が装着されている。図3に示すように、縦枠12c,12dは、それぞれ内側見込み面26,28の室内側に寄った位置に戸当たり片30,32を有する。戸当たり片30,32の室外側見付け面30a,32aには、長手方向に亘ってタイト材20が装着されている。
これら戸当たり片18,30,32及び枠底面部22は、開口部12eの内側に向かって突出し、それぞれ障子14の室内側表面34と対向配置され、障子14の戸当たりとなる。
障子14は、上框14a、下框14b、吊元框14c及び戸先框14dと、内側に配置される面材36とを四周框組みしたものである。障子14は、吊元框14cが一方の縦枠12cに対して支持具(蝶番)38a,38b,38cを用いて回動可能に連結され、これにより障子14が見込み方向で室外側に移動して開口部12eが開閉される。支持具38a〜38cは、縦枠12cの内側見込み面26と、これに対向する吊元框14cの見込み面(外側見込み面)40との間を連結しており、これら内側見込み面26及び見込み面40の上下方向に沿って3個配置されている。障子14は、見込み方向で室内側に向かって開閉する構成であってもよい。
図2に示すように、上框14aは、内側見込み面の室外側端部から内側に突出した突出片41と、内側見込み面の室内側端部に装着される押縁42との間で開口溝44を形成している。面材36の上端部は、開口溝44内でシール材46及びバックアップ材47を用いて保持されている。シール材46及びバックアップ材47に代えて、グレイジングビードを用いて面材36を保持してもよい。下框14b、吊元框14c及び戸先框14dは、上框14aと略同様な構造であるため、図中に同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。すなわち、下框14b、吊元框14c及び戸先框14dは、突出片41及び押縁42によって面材36の各端部を保持する開口溝44を形成している。なお、下框14b、吊元框14c及び戸先框14dでは、開口溝44の底部と面材36の端面との間にセッティングブロック48を設けている。面材36の保持にグレイジングビードを用いた場合は、上框14aの開口溝44と面材36との間にもセッティングブロック48を配置するとよい。
面材36は、スペーサで間隔を隔てて一対のガラス板36a,36bを対面配置した複層ガラスである。本実施形態の場合、室外側に配置されるガラス板36aは網入りガラスとし、室内側に配置されるガラス板36bは薄板のフロートガラスとしている。ガラス板36aは耐熱強化ガラスや厚板ガラス等であってもよい。ガラス板36bは網入りガラスや耐熱強化ガラス等であってもよい。面材36は、単層ガラス又は3層以上のガラス板で構成されてもよい。
次に、建具10の防火構造を説明する。図4は、吊元框14cの見込み面40の構成を示す図である。図5、図6、図7は、それぞれ図4中のV−V線、VI−VI線、VII−VII線に沿う断面図である。
先ず、建具10における障子14の吊元框14cと開口枠12の縦枠12cとの間の防火構造を説明する。図4に示すように、吊元框14cの見込み面40は、各支持具38a〜38cを仕切りとして長手方向(上下方向)に4つの領域R1,R2,R3,R4に区画することができる。なお、図4中の参照符号49は、支持具38a〜38cが締結される裏板である。
本実施形態の場合、最も上側の支持具38aよりも上方の領域R1に熱膨張性部材(第1熱膨張性部材)50を設け(図4及び図5参照)、最も下側の支持部38cよりも下方の領域R4に熱膨張性部材(第2熱膨張性部材)51を設けている(図4及び図7参照)。さらに、最も上側の支持具38aと、その下方に隣接した支持具38bとの間の領域R2に熱膨張性部材(第3熱膨張性部材)52を設けている(図4及び図6参照)。一方、最も下側の支持具38cと、その上方に隣接した支持具38bとの間の領域R3には熱膨張性部材を設けていない。熱膨張性部材50〜52は、加熱されると発泡して膨張する黒鉛等の加熱発泡材であり、見込み面40に接着剤や両面テープ等を用いて接着固定される。なお、後述する他の熱膨張性部材60,62〜67,69,71についても、熱膨張性部材50〜52と同様な性質である。
領域R1の熱膨張性部材50は、見込み方向の幅W1が見込み面40の見込み幅W0よりも小さく、領域R1の下部のねじ孔から下方を除く領域R1の長手方向(上下方向)の略全長に亘って延在している。本実施形態の場合、熱膨張性部材50は、幅W1が見込み幅W0の半分以下、好ましくは3分の1程度に構成され、見込み面40の見込み方向中央よりも室外側に寄った位置に配置されるとよい。図4に示す構成例では、熱膨張性部材50は、幅W1が見込み幅W0の3分の1程度に構成され、見込み面40の室外側端部に配置されている。領域R2の熱膨張性部材52は、熱膨張性部材50の幅W1と略同一の幅を有し、見込み面40の室外側端部に配置されると共に、領域R2の下部のねじ孔から下方を除く長手方向の略全長に亘って延在している。熱膨張性部材52は、省略してもよい。領域R4の熱膨張性部材51は、見込み方向の幅W2が見込み面40の見込み幅W0と略同一に設定され、領域R4の下部のねじ孔から下方を除く長手方向の略全長に亘って延在している。熱膨張性部材51の幅W2は、少なくとも見込み幅W0の半分より大きく構成されることが好ましく、見込み面40の見込み方向中央を跨いだ状態で室内側に寄った位置、好ましくは室内側端部に沿って配置されるとよい。このように本実施形態に係る建具10では、領域R1の熱膨張性部材50の幅W1が、領域R4の熱膨張性部材52の幅W2よりも小さい構成となっている。
図4及び図5に示すように、見込み面40の領域R1には、断面クランク形状の脱落防止金具54がねじ55を用いて取り付けられている。脱落防止金具54は、熱膨張性部材50の表面を押圧保持することにより、幅狭な幅W1のために見込み面40に対する接着力が弱い熱膨張性部材50の脱落を防止する。脱落防止金具54は、領域R2の熱膨張性部材52に対しても用いられている。脱落防止金具54は、省略してもよい。図4及び図7に示すように、領域R4の熱膨張性部材51は、見込み面40に締結されたねじ56によって脱落防止されている。ねじ56は、省略してもよい。
図6に示すように、当該建具10は、障子14が電気錠57(図3参照)を用いた仕様である場合、開口枠12から障子14への電気配線用の通電金具58は、最も上側の支持具38aと、その下方に隣接した支持具38bとの間に設けられる。すなわち、見込み面40の領域R2は、通電金具58が配置されるため、熱膨張性部材52の貼付スペースの確保が難しい。この点、当該建具10では、熱膨張性部材52を幅狭に構成しているため、通電金具58の側方に熱膨張性部材52を容易に配置できる(図6参照)。
図5〜図7に示すように、吊元框14cと対向する縦枠12cは、戸当たり片30の室外側見付け面30aに熱膨張性部材60を設けている。熱膨張性部材60は、室外側見付け面30aの長手方向の略全長に亘って設けられている。室外側見付け面30aは、縦枠12cの内側見込み面26と吊元框14cの見込み面40との間に形成される隙間Cに臨んでいる。
以上のような建具10は、例えば室内側からの火災によって加熱された際、障子14は上下方向で中央部が室内側に張り出し、上下両端部が室外側に張り出すような弓状の反り変形を生じる場合がある。この場合、温度が上昇し易い支持具38aよりも上方の部位では熱膨張性部材50,60が迅速に膨張する。その結果、障子14の反り変形によって領域R1が室外側に張り出して隙間Cが拡大し、室内外の貫通孔が形成されるよりも先に熱膨張性部材50,60が膨張して隙間Cが塞がれる。すなわち、建具10の上部は短時間で高温になるため、幅狭且つ室外側に寄って配置された熱膨張性部材50であっても短時間で膨張する。このため、建具10では、例えば領域R1に領域R4の熱膨張性部材51と同様な幅広の熱膨張性部材を設ける場合に比べ、部品コストを低減しつつ、十分な防火性能を確保できる。
また、温度が上昇し難い支持具38cよりも下方の部位では、吊元框14cの見込み面40に幅広な熱膨張性部材51を室内側に寄せた位置に設けている。その結果、障子14の反り変形によって領域R4が室外側に張り出して隙間Cが拡大し、室内外の貫通孔が形成されるよりも先に熱膨張性部材51,60が膨張して隙間Cが塞がれる。このように障子14の下部は、上部に比べて温度上昇が遅いが、幅広な熱膨張性部材51を見込み面40の室内側に寄せて設けているため、室内外の貫通孔の形成を防止できる。
特に、このような建具10では、火災時に障子14が反り変形した際、障子14の下部での反り量が上部での反り量よりも大きくなる傾向にある。そこで、障子14の上部に配置する熱膨張性部材50は、下部に配置する熱膨張性部材51よりも幅狭に構成しても十分な防火性能を確保できる。一方、障子14の下部に配置する熱膨張性部材51は、幅広に構成しているため、障子14が大きく反り変形した場合であってもその隙間を確実に塞ぐことができる。
支持具38a,38b間及び支持具38b,38c間は、支持具38a〜38cの拘束力によって障子14の反り変形量が上下部分に比べて小さい傾向にある。このため、建具10は、上記したように領域R2の熱膨張性部材52を省略してもよい。すなわち、吊元框14cの見込み面40における領域R2,R3は、熱膨張性部材を設けなくても建具10は必要十分な防火性能を確保できる。これにより、熱膨張性部材の過剰な設置を抑制して部品コストの増大や作業効率の低下を抑えることができる。しかも、当該建具10では、開口枠12側の熱膨張性部材60によって領域R2,R3に対応する隙間Cを塞ぐことができる。これにより、障子14側に熱膨張性部材を設けなくてもより高い防火性能を確保できる。但し、開口枠12の仕様、例えば開口枠12が既設枠の内側に重ねて設置した改装枠である等の理由によって隙間Cをより確実に塞ぐ必要がある場合等では、図4に示すように、領域R1に次いで高温となる領域R2に熱膨張性部材52を設けてもよい。
なお、例えば室外側からの火災によって建具10が加熱された際には、障子14は上下方向で中央部が室外側に張り出し、上下両端部が室内側に張り出すような弓状の反り変形を生じる場合がある。この場合、温度が上昇し易い支持具38aよりも上方の部位では室外側に寄せた位置にある熱膨張性部材50が迅速に膨張し、温度が上昇し難い支持具38cよりも下方の部位においても幅広な熱膨張性部材51が迅速に膨張して隙間Cを塞ぐ。その結果、障子14の反り変形によって領域R1,R4が室内側に張り出して隙間Cが拡大し、室内外の貫通孔が形成されるよりも前に熱膨張性部材50,51が膨張して隙間Cが塞がれる。
次に、建具10における吊元側部位以外の部位での防火構造を説明する。
図2に示すように、上枠12aでは、戸当たり片18の室外側見付け面18aに熱膨張性部材62を設けている。下枠12bでは、枠底面部22の室外側見付け面22aに熱膨張性部材63を設け、傾斜部24の上面(内側見込み面)24aに熱膨張性部材64を設けている。図3に示すように、縦枠12dでは、戸当たり片32の室外側見付け面32aに熱膨張性部材65を設けている。図2に示すように、上框14aでは、開口溝44の内側となる突出片41の室内側見付け面41aと、押縁42の室外側見付け面42aとに、それぞれ熱膨張性部材66,67を設けている。下框14b、吊元框14c及び戸先框14dについても、上框14aと同様な熱膨張性部材66,67を設けている。さらに、下框14bでは、外側見込み面68に熱膨張性部材69を設け、戸先框14dでは、外側見込み面70に熱膨張性部材71を設けている。これら熱膨張性部材62〜67,69,71は、例えば各枠12a〜12d及び各框14a〜14dの長手方向で略全長に亘って設けられる。
従って、建具10が室内側又は室内側からの火災によって加熱されると、熱膨張性部材62,63,64,65,69,71が膨張することによって各枠12a,12b,12dと各框14a,14b,14dとの間の隙間が塞がれる。さらに、熱膨張性部材66,67が膨張することによって障子14の四周端面と開口溝44との間の隙間が塞がれる。その結果、上記した熱膨張性部材50〜52,60と合わせて当該建具10に室内外方向の貫通孔が形成されることがより確実に防止され、より高い防火性能が得られる。
ところで、例えば建具10の上下方向の高さ寸法が小さい仕様等では、図8に示すように2個の支持具38a,38cで障子14を開口枠12に連結した構成とする場合もある。この構成の場合、吊元框14cの見込み面40Aは、各支持具38a,38cを仕切りとして長手方向(上下方向)に3つの領域R11,R12,R13に区画することができる。そこで、この見込み面40Aでは、最も上側の支持具38aよりも上方の領域R11に熱膨張性部材(第1熱膨張性部材)50を設け(図5も参照)、最も下側の支持部38cよりも下方の領域R13に熱膨張性部材(第2熱膨張性部材)51を設け(図7も参照)、最も下側の支持具38cと、この支持具38cの上方に隣接した支持具38aとの間の領域R12には熱膨張性部材を設けない構成とするとよい。そうすると、2個の支持具38a,38cを有する建具10においても、十分な防火性能と低コストとを両立できる。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
上記実施形態では、障子14として各框14a〜14dで面材36を保持した構成を例示したが、障子14は室内外それぞれに設けた表面材の間に断熱材を設け、四周を骨材で囲んだフラッシュ構造等であってもよい。また、障子14は、面材36を持たない構成であってもよい。
上記実施形態では、3個又は2個の支持具38a〜38cで障子14を開口枠12に取り付けた構成の建具10を例示したが、支持具の設置数は4個以上であってもよい。支持具が4個以上の場合にも、最も上側の支持具の上方となる位置に幅狭な熱膨張性部材50を設け、最も下側の支持具の下方となる位置に幅広な熱膨張性部材51を設け、最も上側の支持具とその下方の支持具との間となる位置には幅狭な熱膨張性部材50を設けても設けなくてもよく、最も下側の支持具とその上方の支持具との間となる位置には熱膨張性部材を設けない構成とすればよい。
10 建具、12 開口枠、12a 上枠、12b 下枠、12c,12d 縦枠、12e 開口部、14 障子、14a 上框、14b 下框、14c 吊元框、14d 戸先框、16,26,28 内側見込み面、18,30,32 戸当たり片、18a,22a,30a,32a,42a 室外側見付け面、34 室内側表面、38a〜38c 支持具、40,40A 見込み面、50〜52,60,62〜67,69,71 熱膨張性部材

Claims (6)

  1. 開口枠と、該開口枠の一方の縦枠の上下方向に沿って取り付けられる複数の支持具と、前記一方の縦枠と対向する見込み面の上下方向に沿って前記複数の支持具が取り付けられることにより、前記開口枠に対して回動可能に支持される障子と、を備える建具であって、
    前記障子の前記見込み面は、前記複数の支持具のうちで最も上側の支持具よりも上方となる位置に、加熱されると膨張する第1熱膨張性部材が設けられ、前記複数の支持具のうちで最も下側の支持具よりも下方となる位置に、加熱されると膨張する第2熱膨張性部材が設けられており、
    前記第1熱膨張性部材は、前記第2熱膨張性部材よりも当該建具の見込み方向での幅が小さいことを特徴とする建具。
  2. 請求項1に記載の建具において、
    前記第1熱膨張性部材の見込み方向での幅は、前記見込み面の見込み方向での幅の半分以下であり、
    前記第2熱膨張性部材の見込み方向での幅は、前記見込み面の見込み方向での幅の半分より大きいことを特徴とする建具。
  3. 請求項1又は2に記載の建具において、
    前記第1熱膨張性部材は、前記見込み面の室外側に寄った位置に設けられていることを特徴とする建具。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の建具において、
    前記最も下側の支持具と、該最も下側の支持具の上方に隣接した支持具との間となる位置には、加熱されると膨張する熱膨張性部材を設けていないことを特徴とする建具。
  5. 請求項4に記載の建具において、
    前記一方の縦枠は、前記障子の室内側表面に対向配置される戸当たり片を有すると共に、該戸当たり片の室外側見付け面は、該一方の縦枠と前記障子の前記見込み面との間に形成される隙間に臨んでおり、
    前記戸当たり片の前記室外側見付け面には、加熱されると膨張する熱膨張性部材が設けられていることを特徴とする建具。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の建具において、
    前記支持具は3個以上取り付けられており、
    前記最も上側の支持具と、該最も上側の支持具の下方に隣接した支持具との間となる位置に、加熱されると膨張する第3熱膨張性部材が設けられていることを特徴とする建具。
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