以下、図面を用いて、本発明を実施するための形態(以下、実施形態と称する)を説明する。
図1は、本発明の実施形態の学習支援装置1の好ましい構成例を示す系統図である。
図1に示す学習支援装置1は、学習支援システムともいい、例えば紙教材で供給しているドリル教材の使用に対応して、学習者の学習情報内容を学習する際の支援や、指導者が学習者の学習時の支援を行うために用いられる。この学習支援装置1を構成するタブレット10は、例えば紙教材であるドリル教材による学習に、付随して用いることができる。
この学習支援装置1が用いられるのは、例えば次のような場面である。小学生のような学習者が、授業で教科書を使って学習内容を学習して、この授業の終わりの例えば5分間に、紙教材であるドリル教材を使って学習内容を練習する。そして、指導者である先生が、タブレット10を各学習者に配る。
このタブレット10には、予め学習内容情報を記憶されており、しかもこの学習内容情報を表示することができる学習用の情報端末の例である。教科書で学習した学習内容は、ドリル教材を使って練習した後、さらに学習者は、タブレット10を用いて、学習内容情報の「れんしゅう」項目を使って、宿題として反復して練習する。これにより、学習者に対して、学習内容の定着化を図ることができる。
この学習者がタブレット10を用いて学習内容情報の「れんしゅう」項目を練習した取り組み状況は、指導者のタブレット10Lやサーバ5等に、学習履歴報告として配信できる。これにより、学習者が学習内容情報を能動的に学習することを踏まえて、指導者が、学習者の学習進度をいつでも確認できる。
そして、翌日の授業の始めの例えば10分間では、指導者の指示により、学習者がタブレット10において学習内容情報の「テスト」項目を使って、ミニテストを行う。これにより、学習者は、「れんしゅう」モードであっても、「テスト」モードであっても、例えば授業中、朝学習、自習時間、自宅学習等で、自由にタブレット10を用いることで実行できる。このため、学習者は、自由に学習内容の学習深度を深めることができる。
タブレット10,10Lにおける学習内容情報の表示デザインは、学習者や指導者にとって使い易く分かり易いものにする。このために、タブレット10における目次等の表示項目等を含む学習内容情報は、ドリル教材の目次等の表示項目等を含む学習内容情報との連動を想起させるように、UI(ユーザーインターフェース)の統一性を図っている。しかも、後で説明するが、タブレット10,10Lに記憶されている学習内容情報は、単なる習熟の目的だけではなく、学習者が能動的に学習して学習の深度を深めて、学習者個々の苦手な内容に対応して、苦手を克服できる。このために、タブレット10は、学習者のために、後で説明するが、苦手を克服するために、「治療問題」を取得して表示することができる。
<学習支援装置1>
次に、図1に示す学習支援装置1について、説明する。
図1に示す学習支援装置1は、1台または複数台の学習者用のタブレット10と、指導者用のタブレット10Lを備えている。タブレット10の数は、学習者に数に合わせて用意することができる。学習者用のタブレット10と指導者用のタブレット10Lは、例えば学校内のLAN(ローカルエリアネットワーク)2により接続されている。このLAN2は、例えばルータ3、サーバ5と、プリンタ6に接続されている。ルータ3は、インターネットのような通信ネットワーク4に接続されている。
例えばUSB(ユニバーサル(汎用)・シリアル・バス)のようなリムーバブル記録メディア11が、学習者用のタブレット10と指導者用のタブレット10Lには、着脱可能に装着できる。このリムーバブル記録メディア11には、例えば図3に例示するように、小学1年生から6年生までの計算教材等の学習内容情報100が記憶されている。
図2は、学習支援装置1における1台の学習者用のタブレット10(指導者用のタブレ
ット10L)の構成例を示すブロック図である。また、図3は、図2に示すリムーバブル記録メディア11に予め記憶されている学習内容情報100の具体的な例を示している。
図3に示す学習内容情報100は、例えば小学1年生から6年生までの計算教材である。この学習内容情報100は、図2に示すリムーバブル記録メディア11から、学習者用のタブレット10の記憶部20と指導者用のタブレット10Lの記憶部20に対して、インストールして予め記憶させることができる。
なお、このリムーバブル記録メディア11は、このUSBに限らず、記録ディスクや記録カード等であっても良い。また、学習内容情報は、通信ネットワーク4を通じて、学習者用のタブレット10と指導者用のタブレット10Lの記憶部20に、タウンロードして予め記憶させるようにしても良い。
図1と図2に示す学習者用のタブレット10と指導者用のタブレット10Lは、ほぼ同様な構成になっており、それぞれ表示部12を有している。この表示部12としては、例えばカラー液晶表示装置や有機EL表示装置を採用できる。この表示部12上には、タッチ入力パネル13が配置されており、学習者は指やスタイラス等でタブレット10のタッチ入力パネル13に触れることで、計算の途中や解答等の必要事項を、手書きで表示部12の画面に直接入力可能である。同様にして、指導者は、指やスタイラス等でタブレット10Lのタッチ入力パネル13に触れることで、必要事項を手書きで表示部12の画面に入力可能である。
図2に示すように、タブレット10(指導者用のタブレット10L)は、表示部12と、CPU(中央処理部)14と、RAM(ランダムアクセスメモリ)15と、グラフィック処理部18Gと、治療問題生成部18を有している。CPU14とグラフィック処理部18Gと治療問題生成部18等は、制御部80を構成している。
また、制御部80のCPU14には、必要に応じて、外付けのキーボード16と、マウスのようなポインティングデバイス17が、インターフェース19を介して接続できる。RAM15は、CPU14に実行させるOS(オペレーティングシステム)のプログラムやアプリケーションプログラムが格納されている。グラフィック処理部18Gは、CPU14の指令により、表示部12において、必要な学習内容情報画面を表示させる。
図3に示す学習内容情報100は、「デジタル計算ドリル教材」とも別名で称することができる。この学習内容情報100としては、具体的な一例としては、小学1年生から小学6年生までの各学年の算数に関する教材情報である。学習内容情報100は、算数学習教材コンテンツともいい、1年生学習内容データD1から6年生学習内容データD6までを全て網羅している。
各1年生学習内容データD1から6年生学習内容データD6は、算数の学習内容であるので、系統性を有しており、「数と計算」、「量と測定」、「図形」、そして「数量関係」の4領域に分類されている。各領域の中にある学習内容は、それぞれが学年をまたいで系統的に結ばれている。例えば、「2年:かけ算九九」と、「3年:1けたをかける筆算」、「2けたをかける筆算」等が、学年をまたいで系統的に結ばれている。
ここで、本発明の実施形態における学習支援装置1で用いられるデジタル計算ドリル教材である図3に示す学習内容情報100と、通常用いられている紙教材のドリル教材と、の特徴の違いについて、簡単に説明する。
通常用いられている紙教材のドリル教材の場合には、計算の位取り等を含めて、きちんと書いて計算できるかどうかを含めて、紙の上で鉛筆等の筆記具を用いて練習することを目的としている。紙教材のドリル教材は、良く知られているように、1年生から6年生まで、別々の紙教材冊子になっている。従って、紙教材のドリル教材の場合には、そのドリル教材には該当学年の問題(例えば1年生の計算問題のみ)しか掲載されておらず、各学年の計算問題を確認したい場合には、1年生のドリル教材から6年生のドリル教材までの各冊子を全て手元に準備しておかないと、学習者や指導者は、各学年の算数学習内容情報を、目視で確認することができない。
これに対して、本発明の実施形態における学習支援装置1で用いられる図3に示す学習内容情報100は、学習者が紙教材のドリル教材を用いてきちんと書いて計算する力は身に付いた状態で、さらに数多くの問題を練習することを目的としている。学習内容情報100は、1年生学習内容データD1から6年生学習内容データD6までを全て網羅しているので、学習者は、必要に応じていつでも各学年の学習内容データD1からD6を、表示部12において、任意に表示して目視で(必要に応じて加えて音声を用いて)確認することができる。
<学習内容情報100の表示遷移の具体的な例>
次に、図1から図3に示す表示部12においてグラフィック表示される具体的な学習内容情報100の表示遷移の例を、図面を用いて説明する。
指導者は、これから説明する学習内容情報100の「デジタル計算ドリル」を、例えば図2に示すリムーバブル記録メディア11から学習者のタブレット10の記憶部20に対してインストールする。この場合には、指導者は、タブレット10のCPU14に対して、タッチ入力パネル13から学習者の「学年、組、番号、使用している教材」を登録しておくことが望ましい。
図4は、表示部12に表示される学習内容情報100の構成内容を、学習者(指導者)に対して説明するための情報ページ画面100Aを示している。なお、この情報ページ画面100Aは、次回の起動する場合に省略することも可能である。
情報ページ画面100Aには、「れんしゅう」モード表示101、「テスト」モード表示102、「算数ゲーム」表示103、「動画」表示104、「算数ツール」表示105が、説明のために表示されている。
ここで、「れんしゅう」モードとは、学習者に対して、算数の学習内容をタブレット10上で、繰り返して習熟させる学習モードである。学習者は、紙教材のドリル教材と同じ出題範囲の問題を、タブレット10上で取り組むことができる。
「テスト」モードとは、学習内容情報自体は「れんしゅう」モードとほぼ同じであるが、学習者の算数の学習の成果をタブレット10上で、試すモードである。「テスト」モードでは、予めテストできる問題数とテスト時間がタブレット10において設定されている。テストの場合には、結果画面にはテストの点数が表示される。
「算数ゲーム」とは、当該学習をする単元の学習内容を基にした、3ないし5択の問題が出題される。選択枝をクリックすると、自動で正誤判定が行われる。朝学習や授業の導入等で、手軽にゲーム感覚で学習内容の定着が確認できる。
「動画」とは、当該学習をする単元の学習内容を習得するために収録され、学習内容を習得に有効な内容である。学習者が学習過程でつまずいた際、必要に応じて確認することができる。「れんしゅう」モードと「テスト」モードを連動させて、苦手な「問題の型」の習得につなげる。「問題の型」については、後で説明する。
「算数ツール」とは、算数の学習の際に有効なツールであり、図5に示すトップ画面100Bからいつでも起動できる。学習内容の習得や児童の自力解決の際に活用する。指導者用の場合には、学習内容情報(コンテンツ)一覧にそれぞれツールが別途紐づいており、どの単元で活用すると有効なのかが分かるようになっている。
図4に示す情報ページ画面100Aは、所定時間経過すると自動的に図5に示すトップ画面100Bに移るか、もしくは画面をタップすることで図5に示すトップ画面100Bに移る。図5は、表示部12に表示される表示遷移のトップ画面100Bを示している。
図5に示す表示遷移のトップ画面100Bには、事前に登録されている該当学年の単元一覧が、教科書の単元の順番に沿って、目次のように学習順に並べられている。トップ画面100Bには、例えば「2けたのたし算」の単元106、「2けたのひき算」の単元107、「力だめし」の単元108、「かけ算九九」の単元109、「三角形と四角形」の単元110等の単元が、目次のようにして並べて表示されている。
図6は、表示部12に表示される指導者用の別表示のトップ画面100Cを示している。表示部12には、学習者用の機能ではなく、指導者用の機能として、図6に示すように別表示のトップ画面100Cを、表示することもできる。この別表示のトップ画面100Cには、単元一覧が教科書の単元の順番ではなく、算数的な系統のつながりに従って配置し直した順番で並んでいる。これにより、指導者は、算数的な系統のつながりをこのトップ画面100Cを確認することで、把握し易い。
図5に戻り、学習者が、指やスタイラス等で、例えば「2けたのたし算」の単元106をタッチして選択すると、図7に示す学習内容選択画面(コンテンツ選択画面)100Dに移行する。図7と図8は、表示部12に表示される学習内容選択画面100Dを示している。
図7に示すように、学習内容選択画面100Dは、例えば5つの「れんしゅう」アイコン111、「テスト」アイコン112、「算数ゲーム」アイコン113、「動画」アイコン114、「算数ツール」アイコン115を有する。なお、学習内容選択画面100Dの「れんしゅう」アイコン111、「テスト」アイコン112、「算数ゲーム」アイコン113、「動画」アイコン114、「算数ツール」アイコン115は、図5に示す「2けたのたし算」の単元106、「2けたのひき算」の単元107・・・等の各単元のどれを選択しても、共通して表示されるようになっている。
ただし、「算数ツール」アイコン115が表示されるのは、図1に示す指導者用のタブレット10Lの表示部12だけであり、学習者用のタブレット10の表示部12には表示されない。
そして、学習者が、図8に示すように、学習内容選択画面100Dにおいて、学習者が取り組みたい内容として、例えば図5に示す「2けたのたし算」の単元106の図7に示す「れんしゅう」アイコン111を、指やスタイラス等でタッチして選択すると、図9に示す出題範囲の選択画面100Eに移行する。
「れんしゅう」アイコン111を選択して図9に示す出題範囲の選択画面100Eに移行することで、「れんしゅう」モードは、算数の学習内容を、タブレット10上で繰り返して習熟するのに使用される。すなわち、学習者は、紙教材のくりかえし計算ドリル200と同じ出題範囲の問題を、タブレット10の表示部12上で表示して取り組むことができる。
図9は、表示部12に表示される出題範囲の選択画面100Eを示している。
図9に示す出題範囲の選択画面100Eは、「2けたのたし算」の単元106について、「ステップ1」ボタン116、「ステップ2」ボタン117等と、「ベージごとの選択」ボタン118を示している。
図9では、紙教材のくりかえし計算ドリル200の紙面での「ステップ1」116の計算例が、どのような内容であるかを、参考に例示している。例えば、くりかえし計算ドリルの場合には、問題の選択できる範囲としては、「ステップごと」と、「ページごと」の2通りがあり、学習者が「ベージごとの選択」ボタン118を押すと、そのページにある全部の問題の型を選択できる。それ以外では、「ステップごと」に選択できる。出題範囲に、複数の「問題の型」がある場合には、その「問題の型」の中からランダムで出題される。
ここで、本発明の実施形態における「問題の型」について、説明する。
この「問題の型」とは、計算内容、例えば同じ「2けたをかける筆算」という計算内容の中でも、「計算が持つ特徴のパターン」によってさらにいくつかの種類に分けられるが、その1つ1つをいう。例えば、「問題の型1」としては、「2けたをかける筆算で、くり上がりなし」の場合であり、「問題の型2」としては、「2けたをかける筆算で、くり上がりあり」の場合である。
図9において、学習者が、「ステップ1」116を指やスタイラス等でタッチして選択すると、図10に示す時間・問題数設定画面100Fに移行する。図10は、表示部12に表示される時間・問題数設定画面100Fを示している。時間・問題数設定画面100Fは、問題設定エリア118と、時間設定エリア119を有する。
図10に示すように、学習者は、「れんしゅう」モードを行う際に、「れんしゅう時間」を時間設定エリア119において任意に設定し(例えば5ふん)、「問題数」を問題設定エリア118で任意に設定(例えば、20もん)できる。学習者は、「れんしゅう」を行う場合には、場面に応じて「れんしゅう時間」と「問題数」を任意に設定することができる。
学習者が授業の終りの復習をする場合には、例えば5問を3分間で練習する設定を行う。あるいは、学習者が朝学習の10分間で練習をする場合には、問題数を決めないで、10分間を設定する。さらには、学習者が家庭学習で20問を練習する場合には、20問の問題数を設定して、時間の設定はしないようにする。このように、学習者は、「れんしゅう」モードでは、時間と問題数を自由に設定できるので、さまざまな場面に合わせて取り組むことができ、学習の深度を深めることができる。
このように、学習者が図7に示す「れんしゅう」アイコン111を選択して問題のれんしゅうモードを行う場合には、「時間」と「問題数」は、学習者が任意に設定することができる。これに対して、学習者が図7に示す「テスト」アイコン112を選択して問題のテストモードを行う場合には、時間と問題数は、予めタブレット10側で設定されているので、学習者が自由に時間と問題数を任意には設定できないようになっている。
図10において、学習者が「時間」と「問題数」を任意に設定すると、図11に示す低学年用の計算画面100Gに移行する。図11と図12は、表示部12に表示される低学年用の計算画面100Gにおける表示例を示している。
これ以降は、学習者が、「手書き入力」で、「答え」をタブレット10の「解答エリア(解答欄)」に入力して、解答の正誤を得る。
もし、学習者が計算の学習内容をうまく習得できていない場合に、学習者が学習の深度を深めるために、後で説明する「治療問題」を受けるまでの手順を、図11から図19と、図21から図22に示す表示部12に表示された画面を参照して、説明する。図20は、学習者が「手書き入力」で、「答え」をタブレット10の「解答エリア(解答欄)」に入力してから、学習者が後で説明する「治療問題」を受けるまでの処理工程の流れを示すフロー図である。
図11に示すように、低学年用の計算画面100Gでは、学習者は、指やスタイラス等でタッチ入力パネル13に触れることにより、数字等を手書きで入力できる。低学年用の計算画面100Gは、問題が表示される問題エリア120と、解答エリア121と、答え合わせボタン122を有する。図11と図12に示すように、例えば、「2けたのたし算」である「17+51」の問題が、問題エリア120に表示されている。
図20のステップS1において、図12(A)に示すように、学習者が、解答エリア(解答欄)121に、指やスタイラス等を用いて手書きで、例えば手書き数字の「8」を直接入力する。
そして、図20のステップS2において、図12(B)に示すように、タブレット10は、図20に示す手書き認識エンジン130を用いて、一定時間経過後に、手書き数字の「8」を、きれいな独自の書体の「8」に変換して、表示部12の解答エリア(解答欄)121に表示する。
図13は、表示部12において、問題に対する学習者の解答が正解であった場合の表示例を示している。
図12(B)と図13に示すように、手書き数字の「68」を、独自の書体の「68」に変換された後に、図20のステップS3において、学習者が、図13に示す答え合せボタン122を押す。このように、学習者が、図13に示す答え合せボタン122を押すと、「17+51」の問題の正解が「68」であることから、図13に示すように、タブレット10は、図20に示す正誤判定エンジン155を用いて、自動で解答「68」が正解か誤答であるかを判定する。
図20のステップS4では、解答「68」は正解であるので、正誤判定エンジン155は、図13に示すように、表示部12の問題エリア120と解答エリア121において、正解を示す大きな赤色の丸印125を描く。図20に示す手書き認識エンジン130と正誤判定エンジン155は、例えば図2の制御部80に配置されている。
このようにして、学習者は、解答エリア(解答欄)121に、手書き数字の「68」を直接入力することができ、一定時間後には、タブレット10は、きれいな独自の書体の「68」に変換する。しかも、問題エリア120には、学習者が計算する場合に繰り上がりのメモ等を、自由に書き込むことができる。このため、学習者は、通常用いられている紙のノートに記載する感覚で、タブレット10を有効に利用して自由に問題の練習をすることができる。
また、図12(A)に示すように、学習者が、解答エリア121に、手書き文字を書いた状態では、学習者が答え合せボタン122を押しても、タブレット10は答え合わせの動作をすることができないようになっている。これにより、学習者は、手書き入力により問題の解答を行っても、解答内容は手書きの書体に比べて見間違いにくい所定の書体に変換できるので、学習者は解答内容を確認しながら正しく解答することができる。そして、学習者は、答え合わせボタン122を押すことで、所定の書体に変換した問題の解答内容について、答え合わせを行うことができる。
また、学習者は、解答エリア121には何度も、手書きで上書きをして、解答を上から書き直すことができる。このため、タブレット10は、手書き文字の形状が不鮮明であった場合には、学習者が再度上から解答を書き直すことができるので、意図しない誤答を防ぐことができる。
一方、図14は、学習者が計算を間違えて、解答エリア121に、手書き文字で誤答を記載してしまった例を示している。図14に示すように、学習者が誤答してしまった場合には、表示部12では、間違えた箇所126が、注意喚起の着色、例えば「赤色」の着色で表示される。これにより、タブレット10の表示部12は、学習者に対して、確実に間違っている事項を明示することができる。
また、図15は、リアクション表示127やリアクション画面128の例を示している。図15(A)に例示するように、学習者が解答エリア121に正解を手書きした場合であって、連続正解や計算の数を多く解いた時には、タブレット10は、表示部12において、リアクション表示127(例えば、2もんれんぞく)を表示する。あるいは、学習者が、「れんしゅう」において設定した時間と問題数を終えると、図15(B)に例示するように、タブレット10は、表示部12において、結果に応じたリアクション画面(例えば、ぜんもんせいかい、おめでとう)128といった、表示をする。
これにより、連続正解や問題の数を多く解いた時等に、タブレット10側が、学習者に対して、リアクション表示127やリアクション画面128を返すことで、学習者のやる気を喚起できる。ただし、このリアクション表示127やリアクション画面128は、「れんしゅう」モードの場合だけであり、「テスト」モードの場合には、表示されないことが望ましい。
次に、学習者が、「れんしゅう」モードにおいて設定した時間と問題数を終えると、図16に示す結果画面100Hに移行する。図16は、「れんしゅう」モードにおいて設定した「時間」と「問題数」を終えると、表示部12に表示される結果画面100Hの例を示している。
図16に示す結果画面100Hは、「れんしゅう」の結果を、「問題の型」ごとに集約した画面である。既に「れんしゅう」した複数の問題や、「問題の型の表示部」100Vが、サムネイル形式で、表示部12において並べて表示される。このため、学習者は、結果画面100Hを見るだけで、「問題の型」や、正解と不正解の割合が、一目で分かる。これにより、学習者は、複数の「問題の型」の中から、苦手とする「問題の型」がどれなのかを、タブレット10を見るだけで判断することができる。
出題範囲の中で、「れんしゅう」した「問題の型」が複数ある場合には、図20のステップS5に示すように、複数の「問題の型」の中から、図2に示すタブレット10の制御部80のCPU14は、一番正答率が低い「問題の型」を自動判定する。例えば、一番正答率が低い「問題の型」が、図17に示す「問題の型」であるとすれば、学習者は、その一番正答率が低い「問題の型」だけを「れんしゅう」することができる。
そして、学習者が、一番正答率が低い「問題の型」に属する問題を、例えば3問連続で正解すれば、終了することができ、図18に例示するように表示部12は、もくじに戻るための「もくじにもどる」か、同一学習内の問題の型を選ぶための「ステップをえらぶ」といった導線画面を表示する。
しかし、学習者が、一番正答率が低い「問題の型」に属する同じ問題を、例えば2問連続して間違えれば、タブレット10は、図20のステップS6に示すように、学習者が「学習内容」を身に付けていないと判断する。このため、図20のステップS7に示すように、図19に例示するように表示部12は、「ふりかえりもんだい」のトップ画面100Kを表示して、学習者は、現在学習している問題の「一系統前の学習内容」である「治療問題」に移行する。
<治療問題>
次に、図20と、図21から図23を参照して、「治療問題」と「治療問題」の具体的な例を説明する。
なお、図21から図23では、「2けたのかけ算」の例にして説明する。「2けたのかけ算」としては、図21には、「87×95」を例として挙げている。
ここで、「治療問題」とは、現在学習している問題の「一系統前の学習内容」である。この「一系統前の学習内容」とは、学習者が「当該学習した学習内容」の学習程度よりも、前の段階に戻した学習内容をいう。すなわち、「治療問題」とは、学習者が解答した問題の学習段階よりも前の学習段階の中で、個々に応じて必要な学習段階を示している。ただし、「治療問題」としては、学習者が解答した問題の学習段階よりも、例えば1つ前の学習段階であったり、学習者が既に解答した問題と全く同じ問題を、再度治療問題として表示する場合も含まれる。
図21は、学習者が、一番正答率が低い「問題の型」に属する同じ問題を、タブレット10側で予め設定されている所定の問題数、例えば2問連続して間違えると、表示部12に「2けたのかけ算」の問題が表示された画面100Lから、表示部12には「ふりかえりもんだい」のトップ画面100Kが表示された状態に移行することを示している。
図21(A)に示す一番正答率が低い「問題の型」に属する同じ問題を、学習者が所定の問題数、例えば2問連続して間違えると、タブレット10では、図21(A)から図21(B)に示すように、表示部12に「2けたのかけ算」の問題が表示された画面100Lから、表示部12には「ふりかえりもんだい」のトップ画面100Kが表示された状態に移行する。学習者は、図20のステップS8に示すように、次に説明する「治療問題」を受ける。
タブレット10は、一番正答率が低い「問題の型」に属する同じ問題を、例えば2問連続して間違えると、誤答からパターンを自動で判断して、タブレット10は、表示部12に、それぞれの誤答に合わせた「治療問題」を、表示して提供する。
なお、図21(C)には、小学3年生の「2けたをかけるかけ算」の「治療問題」ARの具体的な例として、「87×95=435+7830=8265」の計算の途中経過と計算結果を示している。
図22は、学習者が、図21(C)に示す小学3年生の「2けたをかけるかけ算」の「治療問題」ARを実際に計算した場合に、誤答を起こしてしまうであろう、複数の、例えば4つの「誤答パターン1」から「誤答パターン4」を、例示している。
図22(A)に示す「誤答パターン1」は、学習者が行った計算において、「各位の計算」を間違っている例である。この場合には、タブレット10は、表示部12において、この「誤答パターン1」に対する「治療問題」170を表示する。この「治療問題」170としては、3年生の「1けたをかけるかけ算」を提供する。この3年生の「1けたをかけるかけ算」としては、例えば「87×5」が表示部12に表示されている。
また、図22(B)に示す「誤答パターン2」は、学習者が行った計算において、「部分積のたし算」を間違っている例である。この場合には、タブレット10は、表示部12において、この「誤答パターン2」に対する別の「治療問題」171を表示する。この「治療問題」171としては、3年生の「3けたのたし算」を提供する。この3年生の「3けたのたし算」としては、例えば「592+623」が表示部12に表示されている。
さらに、図22(C)に示す「誤答パターン3」は、学習者が行った計算において、「各位の計算の位取り」を間違っている例である。この場合には、タブレット10は、表示部12において、この「誤答パターン3」に対するさらに別の「治療問題」172を表示する。この「治療問題」172としては、3年生の「2けたのかけ算」を提供して表示する。この3年生の「2けたのかけ算」としては、例えば同じ問題である「87×95」が表示部12に表示されている。このように、「誤答パターン3」では、元の問題と全く同じ問題の型を出題して、その際に、学習者が誤答したポイント(例でいうと、各位の計算の位取りに気を付けるという内容)を示す。このように対応する理由としては、「誤答パターン3」では、学習者が誤答したのは、筆算の意味の理解ができていないのが原因であり、前の学習内容を理解できていないのが理由ではないためである。
この際には、表示部12の別のウィンドウ180には、好ましくは筆算の仕方を、画像や動画で表示する。これにより、学習者は、「2けたのかけ算」の仕方を、画像や動画で確実に習得することができる。
さらに、図22(D)に示す「誤答パターン4」は、学習者が行った計算において、「上記誤答パターン1から誤答パターン3以外の全ての誤答パターン」である。この場合には、タブレット10は、表示部12において、この「誤答パターン4」に対する別の「治療問題」173を表示する。この「治療問題」173としては、3年生の「2けたをかけるかけ算」の簡単な計算上のくり上がりなしの「問題の型」PAを提供して表示する。この3年生の「2けたをかけるかけ算」としては、例えば「13×22」が表示部12に表示されている。
図20のステップS6では、図20のつまずき原因検索エンジン190が、学習者が、一番正答率が低い「問題の型」に属する同じ問題を、例えば2問連続して間違えたと、誤答からパターンを自動で判断すると、学習者が「学習内容」を身に付けていないと判断する。そして、図20のステップS7では、図20のつまずき治療問題提供エンジン195は、表示部12に、それぞれの誤答に合わせた適切な「治療問題」を表示して、学習者に提供することができる。
図23は、学習者が、再び一番正答率が低い「問題の型」に属する複数の問題を、タブレット10を用いて学習する場合の例を示している。
そして、学習者が、この「治療問題」を学習した後に、再び一番正答率が低い「問題の型」に属する複数の問題を、タブレット10を用いて学習する。学習者が、図23(A)に示すように、もう一度、一番正答率が低い「問題の型」に属する複数の問題を3問連続して正解することに挑戦する。
学習者が挑戦した結果、図23(B)に示すように、学習者が、一番正答率が低い「問題の型」に属する複数の問題を3問連続して正解すれば、終了して、表示部12はトップ画面100Lに移行する。
これに対して、図23(C)に示すように、学習者が、一番正答率が低い「問題の型」に属する複数の問題を2問連続して間違えると、表示部12は、再び図22に示す「ふりかえりもんだい」のトップ画面100Kを表示して、学習者は、再び「一系統前の学習内容」である「治療問題」に移行することになる。
上述した学習経過の例は、図20に示すステップS1からステップS8に示すように、小学1年生から2年生(低学年)の場合を示している。
次に、図24と図20のステップS1からステップS5と、ステップS9からステップS12を参照して、小学3年生から6年生(中高学年)の場合の学習経過の例を、簡単に説明する。
図20に示すステップS9からS12は、小学3年生から6年生(中高学年)の場合の学習経過の例を示している。
図24は、表示部12に、小学3年生から6年生(中高学年)のための計算画面100Mを示している。計算画面100Mは、問題エリア140と、解答エリア141を有する。問題エリア140では、高学年の学習者が手書きで高度な筆算を行うことを考慮して、メモ形式で計算を行い、その筆算の結果の答えは、学習者が、解答エリア141に手書きで転記する形式を採用している。
学習者が、筆算の結果の答えを、解答エリア141に手書きで入力すると、図20に示す手書き認識エンジン130が、きれいな「独自の書体」に変換して表示するようになっている。
図20のステップS1からステップS5は、小学3年生から6年生(中高学年)の場合も小学1年生から2年生(低学年)の場合とほぼ同じである。そして、図20のステップS9では、中高学年の学習者が、図24に示す問題エリア140に「メモ用」として、手書きで入力した筆算(計算の手順)の内容を、タブレット10は、図2に示す記憶部20において、「学習内容記録情報」として記憶することができる。
そして、図20のステップS10では、図20のステップS6と同様に、図20のつまずき原因検索エンジン190が、学習者が、一番正答率が低い「問題の型」に属する同じ問題を、例えば2問連続して間違えたと、誤答からパターンを自動で判断すると、学習者が「学習内容」を身に付けていないと判断する。そして、図20のステップS11では、図20のステップS7と同様に、図20のつまずき治療問題提供エンジン195は、表示部12に、それぞれの誤答に合わせた適切な「治療問題」を表示して、学習者に提供することができる。このため、図20のステップS11に示すように、図19に例示するように表示部12は、「ふりかえりもんだい」のトップ画面100Kを表示して、学習者は、「一系統前の学習内容」である「治療問題」に移行する。学習者は、図20のステップS12に示すように、図20のステップS8と同様にして、「治療問題」を受けることになる。
このように、学習者は、低学年であっても中高学年であっても、学習者が問題に挑戦した結果、学習者が、一番正答率が低い「問題の型」に属する複数の問題を、所定の問題数、例えば3問連続して正解すれば、終了する。
これに対して、学習者が、一番正答率が低い「問題の型」に属する複数の問題を、例えば2問連続して間違えると、表示部12は、再び図22に示す「ふりかえりもんだい」のトップ画面100Kを表示して、学習者は、「一系統前の学習内容」である「治療問題」に移行する。これにより、学習者は、「治療問題」を学習することで、学習の深度を深めることができる。
ところで、図20のステップS9において、小学3年生から6年生の場合には、中高学年の学習者が、図24に示す問題エリア140に「メモ用」として、手書きで入力した筆算(計算の手順)の内容を、タブレット10が、図2に示す記憶部20において、「学習内容記録情報」として記憶することができるメモ機能を有する。
同様にして、小学1年生から2年生の場合にも、タブレット10が、同様なメモ機能を有することができる。例えば、小学1年生から2年生の場合には、図13に例示するように解答枠(解答エリア121)に直接答えを書き込むことができるが、図24に例示するように小学3年生から6年生の場合には、メモ欄(問題エリア140)で答えまで導き、その答えを解答枠(解答エリア141)に転記する、という点で作業工程が異なる。
本発明の実施形態では、タブレット10に表示される「れんしゅう」モードにおける学習内容情報と、「テスト」モードにおける学習内容情報とを比べる。「テスト」モードの学習内容情報は、「れんしゅう」モードの学習内容情報とは、基本的にはほぼ同一である。ただし、「テスト」モードの学習内容情報は、「れんしゅう」モードの学習内容情報と比べて、次の(1)から(4)の点が異なる。
(1)「テスト」モードの学習内容情報は、「れんしゅう」モードの学習内容情報とは異なり、「テスト」モードの学習内容情報は、「問題数」と「時間」が予め設定されているので、学習者は「問題数」と「時間」を、任意に設定することができない。しかも、「テスト」モードの学習内容情報は、図16に示す「結果画面100H」に「点数」が表示される。これに対して、「れんしゅう」モードの学習内容情報の場合には、「問題数」と「時間」は、任意に設定することができる。「れんしゅう」モードでは、「点数」が表示されない。
(2)「テスト」モードの学習内容情報は、「れんしゅう」モードの学習内容情報とは異なり、「テスト」モードの学習内容情報は、「出題範囲」が「単元全体」からランダムに出題される。「テスト」モードの学習内容情報は、当該の「単元全体」の学習内容が身についているかどうかを「確認するための学習内容情報」である。これに対して、「れんしゅう」モードの学習内容情報は、当該の「単元全体」の学習内容を「習熟していくための学習内容情報」である。
(3)「テスト」モードの学習内容情報は、「れんしゅう」モードの学習内容情報とは異なり、「テスト」モードの学習内容情報は、当該の「単元全体」の学習内容が身についているかどうかを確認することが重要であるので、ゲーミフィケーション(ゲーム感覚の遊び部分)の要素を減らしている。
(4)「れんしゅう」モードの学習内容情報では、1問ずつ正誤判定がされる。これに対して、「テスト」モードの学習内容情報では、定められた問題数を解いたら、正誤判定が一覧で表示される。
図1から図3に示すタブレット10では、学習者がノート感覚で手書き入力できるようにして、操作性を良好にするために、次のような工夫をしている。
<(A)1・2年生(低学年)用――途中の計算式の不要な計算>
学習者が、答えをタブレット10の「解答欄」に直接手書きで入力して、入力後、タブレット10は、図20の手書き認識エンジン130(ストローク入力形状)から、数字等を認識する。この手書き認識エンジン130は、学習者が、答えを直接手書き入力したものを、独自の数字書体に変換する。そして、学習者が「答え合わせボタン」を押すと、タブレット10は自動で答えを正誤判定する。
<(B)3〜6年生(中高学年)用――途中の計算式が必要な計算>
これに対して、学習者が、計算手順を、タブレット10の「メモ欄」に直接手書きで入力して、その答えをタブレットの「解答欄」に直接手書きで入力する。入力後、タブレット10は、手書き認識エンジン130(ストローク入力形状)から、数字等を認識する。タブレット10は、直接手書き入力されたことで認識した数字等を、独自の数字書体に変換する。そして、学習者が「答え合わせボタン」を押すと、タブレット10は自動で答えを正誤判定する。
学習者が、計算手順を、タブレット10の「メモ欄」に直接手書きで入力した内容を、タブレット10が、学習記録として、例えば図1に示すサーバ5に保存することができる。これにより、指導者は、図1に示すタブレット10Lからサーバ5にアクセスすることで、学習者の計算手順の記録を、タブレット10Lの表示部12で確認して、学習者の指導に役立てることができる。
学習者が、タブレット10を用いることで、通常のパソコン等でテンキー入力をするのに比べて、学習者は手書き入力で「ノート感覚」で、学習内容を習熟することができる。学習者が、答えをタブレット10の「解答欄」に直接手書きで入力して、入力後、タブレット10は、手書き認識エンジン130から、自動的に数字等を認識し、タブレット10は、認識した数字等を、独自の数字書体に変換する。学習者は、独自の数字書体に変換された数字を確認することで、タブレット10側に正しく認識されたことを、目視で確認できる。
これにより、学習者が直接肉筆で入力するために、学習者が意図しない「解答」として、タブレット10側に判定されてしまうのを、学習者が変換された「数字書体」を目視で確認することで、排除することができる。
学習が答えをタブレット10の「解答欄」に直接手書きで入力して、タブレット10は、手書き認識エンジン130から、数字等を認識している時には、「答え合わせボタン」の操作を受け付けずにロックする。これにより、学習者は、正解の答えをタブレットの「解答欄」に入力しているにもかかわらず、不正解であると判断するのを防止することができる。
学習者が「学習内容」を学習した結果、タブレット10が、「当該学習した学習内容」が身に付いていないと判断した場合には、タブレット10は、「当該学習した学習内容」よりも、「一系統前の学習内容」=「治療問題」を、表示部12に自動的に表示する。
この「一系統前の学習内容」とは、具体例としては、例えば、「当該学習した学習内容が3年生の計算問題であって「2けた同士のかけ算れんしゅう」であり、「このかけ算のれんしゅう各位の計算」は正しいが、「かけ算れんしゅうの途中の部分積(3けた)のたし算」を間違えていると、タブレット10が判断した場合には、「2けた同士のかけ算れんしゅう」よりも例えば「1つ前の段階の3けたのたし算の仕方の学習内容」をいう。すなわち、「一系統前の学習内容」とは、学習者が「当該学習した学習内容」の学習程度よりも、例えば1つ前の段階に戻した学習内容である。
具体例としては、タブレット10が、例えば、「当該学習した学習内容」が3年生の計算問題で、2けた同士のかけ算れんしゅうであり、各位の計算は正しいが、部分積(3けた)のたし算を間違えていると判断した場合には、タブレット10は、「一系統前の学習内容」=「治療問題」としては、「3けたのたし算」を提示する。
そして、学習者は、この「治療問題」を再度学習した後に、再びタブレット10が、「当該学習した学習内容」に表示を戻して、再度「当該学習した学習内容」に戻す。
これにより、本発明の実施形態では、指導者(先生や親)が付いていなくても、学習者が「学習内容」を学習した結果、タブレット10が、「当該学習した学習内容」が身に付いていないと判断した場合には、タブレット10は、「一系統前の学習内容」=「治療問題」を、自動的に表示する。
このため、学習者は、「一系統前の学習内容」=「治療問題」学習内容において、不明な点を、再認識してから、再度「当該学習した学習内容」を学習できるので、確実に学習者の学習度が増す。タブレット10が、学習者に「当該学習した学習内容」が身に付いていないと判断した場合には、タブレット10は、「当該学習した学習内容」よりも、「一系統前の学習内容」=「治療問題」を、自動的に表示するので、親や先生がチェックしなくても、不明な点を、再認識してから、再度「当該学習した学習内容」を学習できるので、確実に学習者の学習度が増す。
これに対して、一般に、同じ当該学習内容のれんしゅうを繰り返す程度のものはある。従来では、指導者が学習者の学習度を判断して、どうしたら「当該学習した学習内容」をうまく学習させることができるかに悩んでいた。
さらに、図20に示すつまずき原因検索エンジン190は、「問題の型」のレベル、例えば「計算の型」のレベルに着目して、学習者の誤答からつまずきの原因を個別に判断し、その1つの「問題の型」に対して複数の誤答に分類して、それぞれの誤答に応じて「治療問題」を用意することができる。
これにより、「計算の型レベル」に注目して、図20のステップS6では、タブレット10は、図20に示すつまずき原因検索エンジン190により、学習者の「誤答内容」から、「誤答のつまずきの原因」を類推して、図20のステップS7では、図20に示すつまずき治療問題提供エンジン195により、「誤答のつまずきの原因」に合わせた「治療問題」を提示することができる。図20に示すように、つまずき原因検索エンジン190とつまずき治療問題提供エンジン195は、制御部80に配置されている。
このように、タブレット10は、つまずき原因検索エンジン190とつまずき治療問題提供エンジン195を用いて、学習者の誤答から「つまずきの原因」を個別に判断し、その1つの「問題の型」に対して複数の誤答に分類して、それぞれの誤答に応じて、最適な「治療問題」を用意できる。これにより、タブレット10は、1つの「問題の型」に対して複数の誤答に分類して、それぞれの誤答に応じて、学習者に対して自動的に適切に最適な「治療問題」を提示できる。
さらに、つまずき原因検索エンジン190は、学習者が解答した「誤答内容」そのものだけに限らずに、例えば学習者が筆算の途中に手書き入力した「部分積」等の筆算の作業の途中に使った計算途中部分等にも、個別に判断することができるようにしても良い。これにより、タブレット10は、1つの「問題の型」の問題について、筆算の途中に手書き入力した「部分積」等の筆算の作業の途中に使った計算途中部分等について、最適な「治療問題」を提示することもできる。
また、タブレット10は、単元の学習内容を習得するために、「単元の学習用動画」を収録することができる。この「単元の学習用動画」は、例えば「2けたをかける筆算」の書き方を動画で実際に解説している。学習者が、例えば「2けたをかける筆算」の書き方でつまずいた時には、学習者に対して、「治療問題」と連動して、「単元の学習用動画」を提供できることで、学習者はより理解し易くなる。
「れんしゅう」モードと「テスト」モードにおいて、「時間の設定」ができるようにすることで、学習者は、場面に応じた取り組み内容を設定でき、与えられた問題数を、より早く時間内で終われせることで、計算速度(解答速度)を鍛えることができる。
学習者が取り組んだ記録は、図1に示す1カ所のサーバ5に集約する。指導者は、タブレット10Lを介して、サーバ5にアクセスすることで、学習者の学習の取り組みをまとめて確認することができる。学習者のクラス、児童名、取り組んだ学習内容情報等のさまざまな項目で絞り込みをすることで、必要な情報だけを取り出して確認できる。学年担任や少人数専科等の指導者の立場の違いにも絞り込み機能で対応できる。
また、デジタル機器のタブレット10(10L)を用いることにより、学習者の個人毎の時間管理が行える。
タブレット10等の学習内容情報端末を用いる学習は、通常行われている紙ベースの学習に比べて、学習者の個人毎の時間管理が可能なことが、大きなメリットである。例えば、「テスト」モードの学習内容情報は、「れんしゅう」モードの学習内容情報とは異なり、「テスト」モードの学習内容情報には、「問題数」と「時間」が予め設定されている。
このため、学習者が、「テスト」を受ける際には、タブレット10等の情報端末が、「学習者の個人毎の時間管理」を行えば、この学習者が、「予め定められたテスト時間」で、例えばテスト時間一杯を使って解答したのか、テスト時間を余して解答したのか等の情報を、指導者は、タブレット10等の情報端末を用いて、各学習者について管理することができる。これにより、各学習者の学習習熟度を把握し易い。
例えば、タブレット10等の情報端末が、学習者の個人毎に、「れんしゅう」を行った「時間」や「回数」と、「テスト」を行った「時間」や「回数」を、記憶しておくことで、指導者は、学習者の個人毎の学習深度を把握することができる。
例えば、タブレット等の情報端末は、学習者の個人毎の時間管理処理部を有しており、タブレット等の情報端末は、「テスト」モードだけでなく、「れんしゅう」モードについても、学習者の個人毎の時間管理を行う。すなわち、タブレット等の情報端末は、「テスト」モードと「れんしゅう」モードの両方についても、学習者の個人毎の時間管理を行うことで、指導者は、学習者の個人毎の学習深度を把握することができる。
ゲーミフィケーションについて説明する。学習者が「れんしゅう」に取り組んでいる際に、タブレット10が、学習者に対して正解、不正解に対して、褒める、励ます等のリアクションを行うことで、学習者の意欲を喚起させる。また、タブレット10が、連続正解に対してもリアクションを行うことで、解答のスピードだけでなく、丁寧さも身に付けさせることができる。
本発明の実施形態の学習支援装置1は、学習者により問題解答が行われる際に支援する学習支援装置である。この学習支援装置1は、学習者により問題の解答がされる際に、学習者が学習する問題についての「問題の型」が用意され、学習者により問題について誤答された場合に、「問題の型」の問題について複数の誤答パターンが用意され、しかも誤答パターンごとに、学習者が解答した問題の学習段階よりも前の学習段階の中で、個々に応じて必要な学習段階を示す治療問題ARが用意され、治療問題ARが提示される制御部80と、治療問題ARが表示される表示部12と、を備える。
これにより、学習支援装置1では、学習者が学習する問題についての問題の型を得て、学習者が問題について誤答をした場合に、問題の型の問題に対して複数の誤答パターンを用意して、誤答パターンごとに、学習者が解答した問題の学習段階よりも前の学習段階の中で、個々に応じて必要な学習段階を示す治療問題ARを提示して表示部12に表示する。
このため、学習者が誤って解答した場合に、学習者が解答した問題の学習段階よりも前の学習段階の中で、個々に応じて必要な学習段階を示す治療問題ARを表示するので、学習者は、その誤答内容について、何故誤答してしまったかを学習者に対して明確にしながら、治療問題ARを用いて、学習者に対して適切な学習支援をすることができる。
学習支援装置1では、問題の型に属する問題を、予め定めた回数だけ連続して誤答すると、制御部80は、誤答に合わせた治療問題ARを提示する。これにより、学習者が、問題の型に属する問題を、予め定めた回数だけ連続して誤答した場合には、学習者が解答した問題の学習段階よりも前の学習段階の中で、個々に応じて必要な学習段階での誤答に合わせた治療問題ARを提示するので、学習者に対して適切な学習支援をすることができる。
学習支援装置1では、制御部80は、学習者が問題を解答する際に、問題の解答内容を手書き入力して、手書き入力した問題の解答内容を認識して所定の書体に変換する手書き認識エンジン130を備え、表示部12は、変換した問題の解答内容の答え合わせを行わせるための答え合わせボタン122を有している。
これにより、学習者は、手書き入力により問題の解答を行っても、解答内容は手書きの書体に比べて見間違いにくい所定の書体に変換できるので、学習者は解答内容を確認しながら正しく解答することができる。そして、学習者は、答え合わせボタン122を押すことで、所定の書体に変換した問題の解答内容について、答え合わせを行うことができる。
学習支援装置1では、制御部80は、手書き認識エンジン130が、手書きした問題の解答内容を認識している時には、答え合わせボタン122の操作を受け付けない。
これにより、学習者は、問題の解答内容を所定の書体に変換した後で、答え合わせボタン122を押すことで、学習者は、問題の解答内容の答え合わせを行うことができる。このため、所定の書体に比べて見間違えやすい手書きの段階での解答内容の答え合わせを避けて、解答内容を所定の書体に変換した後に解答内容の答え合わせが行えるので、誤った答え合わせの動作を防ぐことができる。
学習支援装置1では、制御部80は、学習者に対して、問題の解答を繰り返して習熟させる練習モードと、学習者の問題の学習成果を試すテストモードを有する。表示部12では、問題の解答の練習と、問題のテストを、選択可能である。これにより、学習者は、解答の練習とテストを、表示部12において、自由に選択して実行することができ、学習者にとって使用勝手が向上し、学習効果を上げることができる。
学習支援装置1では、問題の解答の練習モードの際には、練習を行うための問題の数と練習の時間の設定を、任意に設定可能であり、問題の解答のテストモードの際には、テストを行うための問題の数とテストを行う時間の設定は、学習者により行うことができずに予め設定してされている。これにより、学習者は、解答の練習モードでは、問題の数と練習の時間の設定が自由に行なえるので学習効果が上がり、解答のテストモードでは、予め定めた問題の数と時間の設定で行うので、テスト効果が上がる。
本発明の実施形態の学習支援プログラムは、学習者により問題解答が行われる際に支援する学習支援プログラムであって、学習者により問題の解答がされる際に、学習者が学習する問題についての「問題の型」が用意され、学習者により問題について誤答された場合に、「問題の型」の問題について複数の誤答パターンが用意され、しかも誤答パターンごとに、学習者が解答した問題の学習段階よりも前の学習段階の中で、個々に応じて必要な学習段階を示す治療問題ARが用意され、問題の型に属する問題が、予め定めた回数だけ連続して誤答されると、誤答に合わせた治療問題ARが提示される工程と、を実行させる。
これにより、学習支援装置1では、学習者が学習する問題についての問題の型を得て、学習者が問題について誤答をした場合に、問題の型の問題に対して複数の誤答パターンを用意して、問題の型に属する前記問題が、予め定めた回数だけ連続して誤答されると、誤答パターンごとに、学習者が解答した問題の学習段階よりも前の学習段階の中で、個々に応じて必要な学習段階を示す治療問題ARを提示して表示部12に表示する。
このため、学習者が誤って解答した場合に、問題の型に属する問題が、予め定めた回数だけ連続して誤答されると、学習者が解答した問題の学習段階よりも前の学習段階の中で、個々に応じて必要な学習段階を示す治療問題ARを表示するので、学習者は、その誤答内容について、何故誤答してしまったかを学習者に対して明確にしながら、治療問題ARを用いて、学習者に対して適切な学習支援をすることができる。
以上、実施形態を挙げて本発明を説明したが、各実施形態は一例であり、特許請求の範囲に記載される発明の範囲は、発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更できるものである。
例えば、学習支援装置1は、学習内容情報100を表示する学習内容情報を表示する学習支援用の情報端末の例として、1台または複数台の学習者用のタブレット10と、指導者用のタブレット10Lを用いている。しかし、学習支援用の情報端末の形態は限定されず、モバイル型のコンピュータや、デスクトップ型のコンピュータや、ノート型のコンピュータであっても良い。
学習支援装置1に記憶されている使用されている学習内容情報としては、小学校の算数を例に挙げているが、これに限らず、学習内容情報は、保育園、幼稚園、中学校や高校あるいは大学における各種の科目であっても良い。
学習支援装置1に記憶されている使用されている学習内容情報は、小学校の算数の科目の全般の範囲に適用でき、小学校の算数の科目の範囲例としては、例えば「数と計算(たし算、ひき算等)」、「量と測定(時計、長さ等)」、「図形(三角形等)」、「数量関係(折れ線グラフ、比例等)」である。