JP6395284B2 - 厚膜配線構造体の製造方法及び厚膜配線構造体 - Google Patents

厚膜配線構造体の製造方法及び厚膜配線構造体 Download PDF

Info

Publication number
JP6395284B2
JP6395284B2 JP2014098435A JP2014098435A JP6395284B2 JP 6395284 B2 JP6395284 B2 JP 6395284B2 JP 2014098435 A JP2014098435 A JP 2014098435A JP 2014098435 A JP2014098435 A JP 2014098435A JP 6395284 B2 JP6395284 B2 JP 6395284B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductive film
wiring structure
thick film
porous conductive
porous
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014098435A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015214729A (ja
Inventor
勲 滝口
勲 滝口
楠 葉
楠 葉
英雄 徳久
英雄 徳久
所 和彦
和彦 所
吉田 学
学 吉田
充 富田
充 富田
智子 森田
智子 森田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Yazaki Corp
Original Assignee
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Yazaki Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST, Yazaki Corp filed Critical National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority to JP2014098435A priority Critical patent/JP6395284B2/ja
Publication of JP2015214729A publication Critical patent/JP2015214729A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6395284B2 publication Critical patent/JP6395284B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)
  • Coating By Spraying Or Casting (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)

Description

本発明は、厚膜配線構造体の製造方法及び厚膜配線構造体に関する。
従来、厚膜配線構造体の製造方法として、セミアディティブ法が知られている。例えば、特許文献1の従来の技術には、基板に無電解めっきでシード層を形成し、レジストを塗布し、シード層上に電解めっきで配線パターン等を形成し、レジストを除去し、エッチングして、回路パターンを形成する製造方法が記載されている。
特開2000−286536号公報
しかしながら、特許文献1に記載された厚膜配線構造体の製造方法には、以下のような問題があった。すなわち、第1に、無電解めっきの工程が複雑であるため無電解めっき時間が長い。第2に、配線パターンが電解銅めっきにより形成されるため、配線パターンを厚膜にする場合に電解銅めっきの時間が長くなる。第3に、電解銅めっきは、めっき対象物の形状によって電流密度に偏りが生じ易いため、配線パターンの形状が複雑であると、配線パターンの膜厚分布に差が生じ易い。第4に、配線パターンを厚膜にする場合にシード層と配線パターンの厚膜との接着性が低下し易い。
これに対して、基板の表面に導電性ペーストを印刷し、低温焼成することにより、基板の表面に導電膜を形成する技術が提案されている。しかし、得られる導電膜は内部に空隙を多く有するポーラスな構造であるため、比抵抗を小さくすることが困難である。具体的には、現在の導電膜の比抵抗は10−5Ω・cm程度であり、比抵抗が高いという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、無電解めっきが不要で、厚膜配線を短時間で形成することができ、厚膜配線の膜厚のバラツキが小さく、かつ厚膜配線の比抵抗が小さい厚膜配線構造体の製造方法及び厚膜配線構造体を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に係る厚膜配線構造体の製造方法は、PET基板の表面に、平均粒子径D 50 が1〜100μmの導電性粉末を含む導電性ペーストを塗布し、焼成することにより、内部に空隙を有し、銅からなるポーラス導電膜を形成するポーラス導電膜形成工程と、前記ポーラス導電膜に電解めっきを行うことにより、前記ポーラス導電膜が緻密化してなる緻密導電膜を形成する緻密導電膜形成工程と、を有することを特徴とする。
本発明の第2の態様に係る厚膜配線構造体の製造方法は、前記PET基板の表面に、ポリウレタン塗料の硬化物からなるプライマー層が形成されたことを特徴とする。
本発明の第3の態様に係る厚膜配線構造体の製造方法は、前記ポーラス導電膜の厚さが10〜30μmであることを特徴とする。
本発明の第4の態様に係る厚膜配線構造体の製造方法は、前記ポーラス導電膜は、空隙率が10体積%以上であることを特徴とする。
本発明の第5の態様に係る厚膜配線構造体の製造方法は、前記緻密導電膜は、空隙率が1体積%未満であることを特徴とする。
本発明に係る厚膜配線構造体の製造方法によれば、無電解めっきが不要で、厚膜配線を短時間で形成することができ、厚膜配線の膜厚のバラツキが小さく、かつ比抵抗が小さい厚膜配線構造体を製造することができる。本発明に係る厚膜配線構造体は、無電解めっきが不要で、厚膜配線を短時間で形成することができ、厚膜配線の膜厚のバラツキが小さく、かつ厚膜配線の比抵抗が小さい。
本発明の実施形態に係る厚膜配線構造体の製造方法を示す概略図である。図1(A)はポーラス導電膜形成工程中に形成されたペースト塗布体を示す図である。図1(B)はポーラス導電膜形成工程後に得られたポーラス導電膜形成体を示す図である。図1(C)は緻密導電膜形成工程後に得られた厚膜配線構造体を示す図である。 ポーラス導電膜形成体の断面写真の一例である。 厚膜配線構造体の断面写真の一例である。 従来の厚膜配線構造体の製造方法を示す概略図である。図4(A)はパターン印刷工程中に形成されたパターン塗布体を示す図である。図4(B)はパターン印刷工程後に得られたパターン形成体を示す図である。図4(C)は無電解めっき工程後に得られた無電解めっき層形成体を示す図である。図4(D)は電解めっき工程後に得られた厚膜配線構造体を示す図である。
以下、本実施形態の厚膜配線構造体の製造方法を具体的に説明する。
[厚膜配線構造体の製造方法]
本実施形態の厚膜配線構造体の製造方法は、ポーラス導電膜形成工程と、緻密導電膜形成工程と、を有する。
(ポーラス導電膜形成工程)
ポーラス導電膜形成工程は、基板の表面に、内部に空隙を有するポーラス導電膜を形成する工程である。基板としては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)基板等の樹脂基板、ガラス基板、アルミナ基板等が用いられる。基板の表面のうちポーラス導電膜が形成される表面には、必要により、ポーラス導電膜と基板の表面との密着性を改善するためのプライマー層が形成される。プライマー層としては、例えば、ポリウレタン塗料の硬化物が用いられる。
ポーラス導電膜とは、内部に空隙を有する導電膜である。具体的には、ポーラス導電膜とは、空隙率が10体積%以上の導電膜と定義される。ここで、空隙率とはポーラス導電膜のうちポーラス導電膜の材質で占められていない空間部分の体積の、ポーラス導電膜の全体の体積に対する比率(%)を意味する。空隙率は、膜断面写真の画像解析処理により、求めることができる。
また、ポーラス導電膜の比抵抗は、例えば、10−5〜10−4Ω・cmである。また、ポーラス導電膜の厚さは特に限定されないが、通常10〜30μmである。
ポーラス導電膜形成工程において、基板の表面に、ポーラス導電膜を形成する方法としては、ペースト塗布法、コールドスプレー法、又はプラズマ溶射法が挙げられる。
<ペースト塗布法>
ペースト塗布法は、基板に導電性ペーストを塗布し、焼成する方法である。すなわち、ペースト塗布法を用いる場合、ポーラス導電膜形成工程は、基板に導電性ペーストを塗布し、焼成する工程となる。
導電性ペーストは、導電性粉末と、導電性粉末を分散させる有機分散媒とを含む、ペースト状の混合物である。導電性粉末としては、例えば、銅粉、銀粉、ニッケル粉、金粉、白金粉、パラジウム粉、及びこれらの粉末の2種以上の混合物が用いられる。また、導電性粉末としては、銅粉の表面に銀がめっきされた銀めっき銅粉のような、めっき粉末であってもよい。さらに、導電性粉末は、平均粒子径D50が、例えば、1〜100μmである。ここで、D50とはメディアン径を意味する。
導電性粉末を分散させる有機分散媒としては、例えば、バインダーと有機溶剤とを含む混合物が用いられる。バインダーとしては、例えば、エポキシ樹脂等の樹脂からなるポリマー型バインダー、又はマレイン酸銀等の銀を含む有機金属化合物等からなるポリマーレス型バインダーが用いられる。有機溶剤としては、例えば、テルピネオールが用いられる。
導電性ペーストは、例えば、導電性粉末の平均粒子径D50の大きさ、形状、及びバインダーの種類等を調整することにより、得られるポーラス導電膜の空隙サイズ及び分布を制御することができる。
導電性ペーストは、基板にスクリーン印刷等により厚く均一に印刷される。ここで、導電性ペーストの厚さ(ウェット厚さ)は、例えば、20〜60μmである。ウェット厚さとは、印刷塗膜の厚さを意味する。
基板に印刷された導電性ペーストは、焼成される。焼成は、例えば、電気炉や放電プラズマ焼結装置等を用い、所定の雰囲気下で行われる。焼成の雰囲気は、導電性ペーストの種類により異なる。導電性ペーストが銅粉を含む場合は、例えば、N雰囲気や水素−ヘリウム混合ガス雰囲気下で焼成される。導電性ペーストが銀粉を含む場合は、例えば、大気雰囲気下で焼成される。焼成温度は、例えば、100〜300℃、好ましくは150〜200℃である。焼成時間は、通常10〜100分、好ましくは20〜40分である。このように導電性ペーストが焼成されると、導電性ペースト中のバインダー及び有機溶剤が消失するとともに導電性ペースト中の導電性粉末が焼結することにより、基板の表面にポーラス導電膜が形成される。
<コールドスプレー法>
コールドスプレー法は、皮膜の原料粉末を溶融又はガス化させることなく固相状態のまま不活性ガスと共に対象物に衝突させることにより、対象物の表面に皮膜を形成する方法である。皮膜の原料粉末は、通常、不活性ガスと共に超音速で対象物に衝突させられる。臨界速度に達した原料粉末が、衝突の際に塑性変形して堆積し、皮膜を形成する。
コールドスプレー法を用いる場合、ポーラス導電膜形成工程は、基板に導電性粉末をコールドスプレーする工程となる。臨界速度に達した導電性粉末が基板の表面に堆積するとポーラス導電膜が形成される。ここで、臨界速度とは、導電性粉末の粒子が塑性変形を生じる速度である。臨界速度は、導電性粉末の材質及び平均粒子径、基板の材質等により異なるため、特に限定されないが、例えば、500m/s以上である。コールドスプレー法で用いられる基板及び導電性粉末は、ペースト塗布法で用いられるものと同じであるため、説明を省略する。
<プラズマ溶射法>
プラズマ溶射法は、プラズマジェットを用いて溶射材料を加熱・加速し、溶射材料を溶融又はこれに近い状態にして対象物に吹き付ける方法である。溶融又はこれに近い状態の溶射材料は、対象物に衝突して堆積し、皮膜を形成する。
プラズマ溶射法を用いる場合、ポーラス導電膜形成工程は、基板に導電性粉末をプラズマ溶射する工程となる。プラズマ溶射された導電性粉末が基板の表面に堆積するとポーラス導電膜が形成される。プラズマ溶射法で用いられる基板及び導電性粉末は、ペースト塗布法で用いられるものと同じであるため、説明を省略する。
上記のポーラス導電膜形成工程で形成されたポーラス導電膜は、内部に空隙を有し、比抵抗が大きい。しかし、この空隙は、次の緻密導電膜形成工程で電解めっきを行うことにより埋められ、導電膜が緻密化されてなる緻密導電膜が得られる。
(緻密導電膜形成工程)
緻密導電膜形成工程は、前記ポーラス導電膜に電解めっきを行うことにより、前記ポーラス導電膜が緻密化してなる緻密導電膜を形成する工程である。ここで、ポーラス導電膜の緻密化とは、ポーラス導電膜中の空隙がポーラス導電膜と同じ材質で埋められることにより、ポーラス導電膜の空隙体積が減少することを意味する。
電解めっきは、ポーラス導電膜と同じ又は異なる材料で行う。例えば、ポーラス導電膜が、銅粉末を用いて形成されたポーラス銅膜である場合、電解めっきとして、電解銅めっき、電解銀めっき等が用いられる。
電解めっきが銅めっきである場合、めっき浴としては、例えば、硫酸銅水溶液、ピロリン酸銅浴、シアン化銅浴、ホウフッ化銅浴等が用いられる。電解めっきがニッケルめっきである場合、めっき浴としては、例えば、スルファミン酸浴、ワット浴等が用いられる。
本工程で用いられるめっき浴は、ポーラス導電膜の表面への電着を抑制する抑制剤と、ポーラス導電膜中の空隙の周囲の部分の電着を促進する促進剤とを含む。抑制剤は、ポーラス導電膜の表面に優先的に付着することによりポーラス導電膜の表面への電着を抑制する物質である。促進剤は、ポーラス導電膜中の空隙の周囲の部分に優先的に付着することにより空隙の周囲の部分への電着を促進し、ポーラス導電膜中の空隙体積を減少させる物質である。このように、本工程で用いられるめっき浴が抑制剤と促進剤とを含むため、ポーラス導電膜の表面への電着が抑制されるともにポーラス導電膜中の空隙が優先的にポーラス導電膜と同じ材質で埋められる。これにより、本工程でポーラス導電膜から緻密導電膜が形成される。
抑制剤及び促進剤としては、公知の物質を用いることができる。例えば、抑制剤として、ポリエチレングリコールを用いることができる。また、促進剤として、3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸ナトリウムを用いることができる。抑制剤及び促進剤を含む銅めっき浴としては、例えば、シリコン貫通電極(TSV:Through Silicone Via)用銅めっき浴を用いることができる。ここで、TSVとは、シリコンチップを貫通した孔を銅等の金属で充填して形成した電極である。このようなTSV用銅めっき浴を用いて電解めっきすることにより、ポーラス導電膜が緻密化してなる緻密導電膜が形成される。
電解めっきのめっき浴の温度は、特に限定されないが、例えば、30〜60℃、好ましくは40〜50℃である。
電解めっきの電流密度は、めっき浴の組成により変わるため特に限定されない。なお、電解めっきが硫酸銅水溶液を用いた銅めっきである場合、電流密度は、通常1〜30A/dm、好ましくは1〜20A/dm、より好ましくは10〜15A/dmである。また、電解めっきがピロリン酸銅浴を用いた銅めっきである場合、電流密度は、通常1〜10A/dm、好ましくは1〜7A/dm、より好ましくは3〜5A/dmである。
電解めっきの電解時間は、めっき浴の組成、電流密度やポーラス銅膜の厚さにより変わるため特に限定されない。なお、電解めっきが硫酸銅水溶液を用いた銅めっきである場合、電解時間は、通常1〜20分、好ましくは1〜10分、より好ましくは1〜5分である。
上記の緻密導電膜形成工程で形成された緻密導電膜は、ポーラス導電膜の空隙が電解めっきで埋められて緻密化しており、比抵抗が小さい。緻密導電膜は、空隙率が1体積%未満である。また、緻密導電膜の比抵抗は、例えば、2×10−6〜3×10−6Ω・cmである。また、緻密導電膜の厚さは特に限定されないが、通常10〜30μmである。
(作用)
本実施形態の厚膜配線構造体の製造方法の作用について、図面を参照して説明する。図1は、ポーラス導電膜形成工程がペースト塗布法で行われる場合の、本発明の実施形態に係る厚膜配線構造体の製造方法を示す概略図である。図1(A)はポーラス導電膜形成工程中に形成されたペースト塗布体を示す図である。図1(B)はポーラス導電膜形成工程後に得られたポーラス導電膜形成体を示す図である。図1(C)は緻密導電膜形成工程後に得られた厚膜配線構造体を示す図である。
はじめに、ポーラス導電膜形成工程として、図1(A)に示すように、基板10上に導電性ペースト20が塗布されてなるペースト塗布体51が形成される。ポーラス導電膜形成工程では、続いて、導電性ペースト20が焼成される。導電性ペースト20の焼成は、例えばペースト塗布体51全体が電気炉内で加熱処理されることにより行われる。この焼成で、導電性ペースト20中のバインダー及び有機溶剤が消失するとともに導電性ペースト20中の導電性粉末が焼結することにより、図1(B)に示すように基板10の表面にポーラス導電膜30が形成されたポーラス導電膜形成体52が得られる。
図2は、後述の実施例1のポーラス導電膜形成体52の断面写真である。図2に示すように、ポーラス導電膜形成体52は、基板10のうち基板本体11の表面に形成されたプライマー層12の表面に、ポーラス導電膜30が形成された構造をしている。なお、図2においては、一見、基板本体11とプライマー層12との界面が分かり難い。しかし、図2を精査すると、基板本体11とプライマー層12との界面が、図2と同倍率の写真である後述の図3における基板本体11とプライマー層12との界面と同様に存在することが分かる。ポーラス導電膜30は、導電性粉末が焼結して形成されたポーラス導電膜本体31を骨格とし、ポーラス導電膜本体31間に空隙32が形成されている。このため、ポーラス導電膜30は、内部に空隙32を有する多孔質構造になっており、比抵抗が高い。
図1(B)に示すポーラス導電膜形成体52は、次に、緻密導電膜形成工程に供される。具体的には、ポーラス導電膜形成体52に対し、ポーラス導電膜30の材質と同じ材質の電解めっき処理が行われる。例えば、ポーラス導電膜30が銅からなる場合、ポーラス導電膜30を陰極として、電解銅めっき処理が行われる。このように電解めっき処理が行われると、陰極であるポーラス導電膜30を構成するポーラス導電膜本体31の表面に、ポーラス導電膜本体31と同じ材質の金属が電着する。この電着は、ポーラス導電膜本体31の表面のうち空隙32の壁面にも行われて、空隙32が減少又は消失する。
緻密導電膜形成工程で電解めっき処理が十分に行われ、ポーラス導電膜30内部の空隙32が十分に減少又は消失すると、図1(C)に示すように、基板10の表面に、ポーラス導電膜30が緻密化してなる緻密導電膜40が形成された厚膜配線構造体1が得られる。
図3は、後述の実施例1の厚膜配線構造体1の断面写真である。図3に示すように、厚膜配線構造体1は、基板10のうち基板本体11の表面に形成されたプライマー層12の表面に、緻密導電膜40が形成された構造をしている。緻密導電膜40は、内部に空隙が非常に少ない構造をしており、比抵抗が低い。
本発明に係る厚膜配線構造体の製造方法によれば、無電解めっきが不要で、厚膜配線を短時間で形成することができ、厚膜配線の膜厚のバラツキが小さく、かつ比抵抗が小さい厚膜配線構造体を製造することができる。
上記の本実施形態の厚膜配線構造体の製造方法の作用との対比のため、従来の厚膜配線構造体の製造方法及びその作用について、図面を参照して簡単に説明する。
図4は、従来の厚膜配線構造体の製造方法を示す概略図である。図4(A)はパターン印刷工程中に形成されたパターン塗布体を示す図である。図4(B)はパターン印刷工程後に得られたパターン形成体を示す図である。図4(C)は無電解めっき工程後に得られた無電解めっき層形成体を示す図である。図4(D)は電解めっき工程後に得られた厚膜配線構造体を示す図である。
従来の技術では、はじめに、図4(A)に示すように、基板10上にパターン形成用ペースト61が塗布されてなるパターン塗布体81が形成される。ここで、パターン形成用ペースト61とは、後に無電解めっきが形成される部分であるパターンを形成するためのペーストである。パターン形成用ペースト61としては例えば銀ペースト、ニッケルペースト等が用いられる。
従来の技術では、続いて、パターン形成用ペースト61が乾燥・焼成される。パターン形成用ペースト61の乾燥・焼成は、例えば、パターン塗布体81全体が電気炉内で加熱処理されることにより行われる。この乾燥・焼成により、図4(B)に示すように基板10の表面にパターン62が形成されたパターン形成体82が得られる。パターン62は、銀、ニッケル等からなる。
従来の技術では、パターン形成体82のパターン62に対して無電解めっき処理が行われる。これにより、図4(C)に示すようにパターン62の表面に無電解めっき層65が形成された無電解めっき層形成体83が形成される。この無電解めっき処理は、一般的に多くの工程と時間を必要とする。例えば、ポリピロール塗布済みPETフィルムの表面に無電解銅めっきを行う場合、PETフィルムの前処理、水洗、塩化パラジウム処理、水洗、無電解銅めっき、水洗、乾燥等の処理が必要になる。そして、この無電解めっき処理は、めっき速度が通常2〜3μm/Hr程度と遅いため、パターン62の表面に十分な無電解めっき層を形成するのに1時間程度の長時間を要する。
従来の技術では、無電解めっき層形成体83の無電解めっき層65に対して電解めっき処理が行われる。これにより、図4(D)に示すように無電解めっき層65の表面に電解めっき層70が形成された厚膜配線構造体5が得られる。なお、電解めっき処理は、めっき速度が通常20〜50μm/Hr程度と比較的速い。しかし、電解めっき処理で必要なめっき厚が10〜25μm程度であるため、電解めっき層を形成するのに30分程度の長時間を要する。
このように、従来の技術では、処理工程が多い上、処理時間の長い無電解めっき処理工程を含む。このため、厚膜配線構造体5を製造するまでの全体の処理時間が通常2〜5時間程度かかる。また、従来の技術では、めっき厚10〜25μm程度の厚膜電解めっき処理を行うため、配線パターンが複雑だったり線幅が異なっていたりすると電解めっき層の厚さが配線パターンの場所ごとに異なるバラツキが生じ易い。
これに対し、本実施形態に係る厚膜配線構造体の製造方法では、無電解めっき処理工程を含まず、また厚膜電解めっき処理を行わない。このため、本実施形態に係る厚膜配線構造体の製造方法によれば、厚膜配線を短時間で形成することができ、さらに得られる厚膜配線構造体の緻密導電膜の厚さの配線パターンの場所ごとのバラツキが小さくなる。さらに、本実施形態に係る厚膜配線構造体の製造方法によれば、緻密導電膜が緻密であるため、厚膜配線である緻密導電膜の比抵抗が十分に小さい。
[厚膜配線構造体]
本実施形態に係る厚膜配線構造体は、本実施形態に係る厚膜配線構造体の製造方法で得られた厚膜配線構造体である。この厚膜配線構造体は、本実施形態に係る厚膜配線構造体の製造方法で説明したものと同じであるため、説明を省略する。
本実施形態に係る厚膜配線構造体は、製造の際に、無電解めっき処理工程を含まず、また厚膜電解めっき処理を行わない。このため、本実施形態に係る厚膜配線構造体は、厚膜配線を短時間で形成することができ、さらに緻密導電膜の厚さの配線パターンの場所ごとのバラツキが小さい。また、本実施形態に係る厚膜配線構造体は、緻密導電膜が緻密であるため、厚膜配線である緻密導電膜の比抵抗が十分に小さい。
以上、本発明を実施形態によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(ポーラス導電膜形成工程)
はじめに、PETフィルムの表面にポリウレタン塗料を塗布し、乾燥させることにより、表面にプライマー層が形成されたPET基板を作製した。一方、平均粒子径D5010μm以下の銀めっき銅粉50質量部と、マレイン酸銀30質量部と、テルピネオール20質量部と、を含む導電性ペーストを調製した。この導電性ペーストをPET基板のプライマー層の表面にウェット厚さが40μmになるように塗布した。この導電性ペーストが塗布されたPET基板を、放電プラズマ焼結装置を用いて2モル%水素−98モル%ヘリウムガス雰囲気下、マイクロ波出力1.5kW、ステージ温度150℃としプラズマを点灯して120秒加熱した。加熱後、PET基板の表面に銅からなるポーラス導電膜が形成されたポーラス導電膜形成体が得られた。ポーラス導電膜は、空隙率が15体積%であり、比抵抗が2.2×10−5Ω・cmであった。
図2は、ポーラス導電膜形成体52の断面写真である。図2に示すように、ポーラス導電膜形成体52は、PET基板10のうち基板本体11の表面に形成されたプライマー層12の表面に、ポーラス導電膜30が形成された構造をしている。なお、図2においては、一見、基板本体11とプライマー層12との界面が分かり難い。しかし、図2を精査すると、基板本体11とプライマー層12との界面が、図2と同倍率の写真である後述の図3における基板本体11とプライマー層12との界面と同様に存在することが分かった。ポーラス導電膜30は、導電性粉末が焼結して形成されたポーラス導電膜本体31を骨格とし、ポーラス導電膜本体31間に空隙32が形成されている。ポーラス導電膜30は、内部に空隙32を有する多孔質構造になっていることが確認された。
(緻密導電膜形成工程)
はじめに、ポーラス導電膜の表面への電着を抑制する抑制剤としてのポリエチレングリコールと、ポーラス導電膜中の空隙の周囲の部分の電着を促進する促進剤としての3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸ナトリウムとを含むを含む酸性硫酸銅めっき浴を準備した。次に、ポーラス導電膜が形成されたPET基板を、45℃の酸性硫酸銅めっき浴に浸漬し、電流密度12A/dmで600秒間電解したところ、PET基板の表面に銅からなる緻密導電膜が形成された。緻密導電膜は、厚さが30μm、空隙率が0.5体積%であり、比抵抗が3.0×10−6Ω・cmであった。
図3は、厚膜配線構造体1の断面写真である。図3に示すように、厚膜配線構造体1は、PET基板10のうち基板本体11の表面に形成されたプライマー層12の表面に、緻密導電膜40が形成された構造になっていた。緻密導電膜40は、内部に空隙が非常に少ない構造をしていることが確認された。
1、5 厚膜配線構造体
10 PET基板(基板)
11 基板本体
12 プライマー層
20 導電性ペースト
21 導電性粉末
30 ポーラス導電膜
31 ポーラス導電膜本体
32 空隙
40 緻密導電膜
51 ペースト塗布体
52 ポーラス導電膜形成体

Claims (5)

  1. PET基板の表面に、平均粒子径D 50 が1〜100μmの導電性粉末を含む導電性ペーストを塗布し、焼成することにより、内部に空隙を有し、銅からなるポーラス導電膜を形成するポーラス導電膜形成工程と、
    前記ポーラス導電膜に電解めっきを行うことにより、前記ポーラス導電膜が緻密化してなる緻密導電膜を形成する緻密導電膜形成工程と、
    を有することを特徴とする厚膜配線構造体の製造方法。
  2. 前記PET基板の表面に、ポリウレタン塗料の硬化物からなるプライマー層が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の厚膜配線構造体の製造方法。
  3. 前記ポーラス導電膜の厚さが10〜30μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の厚膜配線構造体の製造方法。
  4. 前記ポーラス導電膜は、空隙率が10体積%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の厚膜配線構造体の製造方法。
  5. 前記緻密導電膜は、空隙率が1体積%未満であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の厚膜配線構造体の製造方法。
JP2014098435A 2014-05-12 2014-05-12 厚膜配線構造体の製造方法及び厚膜配線構造体 Active JP6395284B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014098435A JP6395284B2 (ja) 2014-05-12 2014-05-12 厚膜配線構造体の製造方法及び厚膜配線構造体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014098435A JP6395284B2 (ja) 2014-05-12 2014-05-12 厚膜配線構造体の製造方法及び厚膜配線構造体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015214729A JP2015214729A (ja) 2015-12-03
JP6395284B2 true JP6395284B2 (ja) 2018-09-26

Family

ID=54751877

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014098435A Active JP6395284B2 (ja) 2014-05-12 2014-05-12 厚膜配線構造体の製造方法及び厚膜配線構造体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6395284B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016117575A1 (ja) * 2015-01-22 2016-07-28 住友電気工業株式会社 プリント配線板用基材、プリント配線板及びプリント配線板の製造方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63120496A (ja) * 1986-11-08 1988-05-24 松下電工株式会社 セラミツク体表面への金属層形成法
JP4157468B2 (ja) * 2003-12-12 2008-10-01 日立電線株式会社 配線基板
JP2006024808A (ja) * 2004-07-09 2006-01-26 Mitsubishi Paper Mills Ltd 導電性組成物作製方法、層間接続方法、及び導電性膜または導電性画像作製方法
JP2007138236A (ja) * 2005-11-17 2007-06-07 Showa Denko Kk コンデンサ用電極シートおよびその製造方法
JP5338235B2 (ja) * 2008-09-30 2013-11-13 大日本印刷株式会社 導電性基板の製造方法及びその方法により得られた導電性基板

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015214729A (ja) 2015-12-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3099608A (en) Method of electroplating on a dielectric base
CN107022747B (zh) 微波介质部件及其制造方法
TWI571182B (zh) 金屬化基板、金屬糊料組成物、及金屬化基板之製造方法
JP4741616B2 (ja) フォトレジスト積層基板の形成方法
JP5217659B2 (ja) セラミック電子部品、およびセラミック電子部品の製造方法
US9017563B2 (en) Plating method of circuit substrate, production method of plated circuit substrate, and silver etching liquid
JP2009267191A (ja) セラミック電子部品、およびセラミック電子部品の製造方法
CN105189827B (zh) 沉积厚铜层至烧结材料上的方法
US20090308645A1 (en) Printed circuit board and manufacturing method thereof
JP6395284B2 (ja) 厚膜配線構造体の製造方法及び厚膜配線構造体
JP6466110B2 (ja) プリント配線板用基板、プリント配線板及びプリント配線板用基板の製造方法
JP2003243804A (ja) 銅導体ペーストを用いた厚膜回路基板の製造方法
CN105873352B (zh) 高频通信用基板及其制造方法
Wu et al. Fabrication of polyetheretherketone (PEEK)-based 3D electronics with fine resolution by a hydrophobic treatment assisted hybrid additive manufacturing method
US9040842B2 (en) Mechanical adhesion of copper metallization to dielectric with partially cured epoxy fillers
JP2006024808A (ja) 導電性組成物作製方法、層間接続方法、及び導電性膜または導電性画像作製方法
CN107809885A (zh) 一种高结合力的石墨膜金属复合材料及其制备方法
KR101501649B1 (ko) Cnt-모재 복합구조를 가지는 전기도금 또는 전해용 양극의 제조방법
JP2005005054A (ja) 導電性ペースト
JP3348705B2 (ja) 電極形成方法
RU2413039C1 (ru) Способ нанесения металлического покрытия на материал в виде зернистого порошка или гранул
JP2010109068A (ja) 配線基板および配線基板の製造方法
JP6075639B2 (ja) 同軸ケーブル
US8801908B2 (en) Composite insulating layer and manufacturing method thereof
KR101571846B1 (ko) 밀착력이 우수한 cnt-모재 복합구조를 가지는 전기도금 또는 전해용 양극의 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170222

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20170222

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171012

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171107

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180206

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20180409

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180605

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180807

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180827

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6395284

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250