JP6395076B2 - 防かび性樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

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本発明は、防かび剤を含有する熱可塑性樹脂組成物を金型に供給して成形する防かび性樹脂成形体の製造方法に関する。
熱可塑性樹脂の成形体に求められる表面機能の一つに防かび性がある。熱可塑性樹脂の成形法としては、一般に押出成形、射出成形、ブロー成形等が知られているが、どの成形法も防かび性の表面機能を向上させるには、熱可塑性樹脂の成形材料全体に防かび剤が分散するように添加することを要する。そのため、通常は、表面部分の防かび機能を発揮させるために必要なレベルに応じて、多量に防かび剤を添加する必要がある。
ただ、このように防かび剤を多量に添加することで、成形体の表面部分に防かび機能を付与することができるが、防かび剤は成形材料の熱可塑性樹脂よりも比較的高価であることから、性能とコストから判断してより効率的に防かび機能を付与することが望まれている。
一方、従来、熱可塑性樹脂の表面を添加剤によって改質する技術が提案されている。特許文献1には、ポリカーボネート樹脂中に添加剤としてデンドリマーを配合し、射出成形することによって、バルクよりも高いデンドリマー濃度を有する表面とし、ポリカーボネート樹脂の表面特性を変化させることが記載されている。具体的には、ポリカーボネート樹脂とデンドリマーを含む射出成形材料を金型充填操作に際してキャビティ内に圧入する。この場合には、成形材料は大きな変形速度を受け、大きな剪断速度及び大きな伸び速度とそれらの勾配とによって高いデンドリマー濃度を有する表面が生成されると記載されている。
特表2003−529658号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術は添加剤として極めて特殊なデンドリマーの使用を必須とするものであり、技術としての一般に乏しく、防かび剤の場合に適用できないことは言うまでもない。従って、従来より、熱可塑性樹脂の成形体の表面部分に防かび剤を偏在させ、効率的な防かび機能を発揮させることのできる新しい技術が望まれていた。
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、防かび剤を多量に添加せずとも効率的に表面部分の防かび機能を発揮させることができる防かび性樹脂成形体の製造方法を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するために、本発明の防かび性樹脂成形体の製造方法は、防かび剤を含有する熱可塑性樹脂組成物を金型に供給して成形する防かび性樹脂成形体の製造方法であって、防かび剤として電荷を有する防かび剤を用い、供給された熱可塑性樹脂組成物における防かび剤を偏在させようとする表面部分が接触する金型の内面に、防かび剤の電荷と逆の電界を印加した状態で熱可塑性樹脂組成物を金型に供給し、成形することを特徴としている。
この防かび性樹脂成形体の製造方法において、熱可塑性樹脂組成物が、熱可塑性樹脂としてアクリル系樹脂を含有することが好ましい。
この防かび性樹脂成形体の製造方法において、防かび剤が、アルキルピリジニウム塩類又は第四級アンモニウム塩類であることが好ましい。
本発明の防かび性樹脂成形体の製造方法によれば、防かび剤を多量に添加せずとも効率的に表面部分の防かび機能を発揮させることができる。
本発明の防かび性樹脂成形体の製造方法の実施形態を概略的に説明する図であり、(a)は押出機と金型の全体を示した図、(b)は押出成形の金型を拡大して示す部分断面図である。 本発明の防かび性樹脂成形体の製造方法の別の実施形態を概略的に説明する図であり、(a)は型締装置と射出装置を示した図、(b)は射出成形の金型を拡大して示す部分断面図である。
以下に、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の防かび性樹脂成形体の製造方法の実施形態を概略的に説明する図であり、(a)は押出機と金型の全体を示した図、(b)は押出成形の金型を拡大して示す部分断面図である。
この実施形態の防かび性樹脂成形体の製造方法では、防かび剤2を含有する熱可塑性樹脂組成物1を押出機20から金型10に供給して成形する。
熱可塑性樹脂組成物1に用いられる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、液晶樹脂、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体樹脂、エチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体樹脂及びこれらの共重合体等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、アクリル系樹脂が好ましい。アクリル系樹脂は耐水性に優れるため、水廻りで使用する成形品に用いても、防かび性と耐水性が共に優れた樹脂成形体となる。
アクリル系樹脂としては、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA樹脂)、アクリロニトリル−スチレン樹脂(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−α−メチルスチレン(耐熱ABS樹脂)、メチルメタクリレート−スチレン共重合体樹脂等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
電荷を有する防かび剤2としては、特に限定されず、正の電荷を有するカチオン構造のものであっても負の電荷を有するアニオン構造ものであってもよい。また電荷を有する防かび剤2は、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
その中でも、電荷を有する防かび剤2としては、アルキルピリジニウム塩類、第四級アンモニウム塩類が好ましい。これらを用いることで、その正電荷によって、防かび剤2の電荷と逆の電界を印加した金型10の内面に引き寄せられて、防かび性樹脂成形体の表面部分に効率よく偏在させることができるため、多量に防かび剤2を添加せずとも防かび機能を高めることができる。
アルキルピリジウニウム塩類としては、塩化セチルピリジニウム等が挙げられる。
第四級アンモニウム塩類としては、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
熱可塑性樹脂組成物1における電荷を有する防かび剤2の含有量は、特に限定されるものではないが、熱可塑性樹脂100質量部に対して0.3〜3質量部が好ましい。この範囲内であると多量の防かび剤2を使用せずとも防かび機能を向上させることができる。
熱可塑性樹脂組成物1には、本発明の効果を損なわない範囲において他の添加成分を配合することができる。このような他の添加成分としては、熱可塑性樹脂の成形材料に通常配合される添加剤等を用いることができる。具体的には、充填剤、補強材、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃剤、抗菌剤、着色剤、流動性改良剤、滑剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、架橋剤、架橋助剤、改質剤、顔料、染料、導電性フィラー、化学発泡剤、物理発泡剤等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
図1において、ホッパー21は、熱可塑性樹脂組成物1のチップやペレットが投入される投入口であり、押出機20の入口開口部に装着されている。このホッパー21は、押出機20の内部空間に連通されており、ホッパー21に投入された熱可塑性樹脂組成物1のチップやペレットが押出機20内に供給されるようになっている。
押出機20は、熱可塑性樹脂組成物1を混練しながら溶融させて押し出す。この押出機20は、一方向に延びる内部空間を形成する加熱筒23の内部に、熱可塑性樹脂組成物1を混練しつつ押し出すスクリュー22を備えている。また、加熱筒23の内部空間は、軸線方向の一端(押出し方向の上流側)がホッパー21に連通する入口開口部となっており、軸線方向の他端(押出し方向の下流側)が金型10のキャビティ15に連通する出口開口部となっている。また、押出機20には、加熱筒23の内部空間の熱可塑性樹脂組成物1を加熱する不図示のバンドヒータが設置されている。
金型10は、押出機20から供給された溶融状態の熱可塑性樹脂組成物1を所望の形状に成形して送り出す、いわゆるダイであり、押出機20の出口開口部に装着されている。
この金型10は、図1(a)に示すように筒状のキャビティ15を有しているが、ダイ形状は特に限定されるものではなく、各種の形状のものを用いることができる。例えば、外型と内型とを用いて、これらの間に押出し方向に延びるキャビティ15が形成されることで、管状の防かび性樹脂成形体を製造することもできる。
金型10のキャビティ15の一端(押出し方向の上流側の端部)は、押出機20の内部空間に連通しており、他端(押出し方向の下流側の端部)は、開口して金型10の押出し方向の下流側の端部に押出し口となっている。
金型10は、金型10のキャビティ15に面する内面に電界を印加することができる電源40に接続されている。この実施形態では、カチオン構造による正の電荷を有する防かび剤2を用いている。そして、熱可塑性樹脂組成物1の金型10と接触する表面部分に電荷を有する防かび剤2を偏在させようとする金型10の内面全体に、防かび剤2の電荷と逆の電界、すなわち負の電界を印加できるように構成されている。
金型10に印加する電界の大きさは、金型10に供給した熱可塑性樹脂組成物1の電荷を有する防かび剤2が、金型10の内面と接触する表面部分に偏在するような大きさであれば特に限定されないが、例えば10V〜1KVとすることができる。
防かび性樹脂成形体を製造する際には、まず始めに押出機20を作動させ、ホッパー21の中に熱可塑性樹脂組成物1のチップやペレットを投入する。
ホッパー21内に投入された熱可塑性樹脂組成物1は、押出機20の内部空間に供給される。そして、内部空間に供給された熱可塑性樹脂組成物1は、押出機20の加熱筒23によって加熱溶融され、押出機20のスクリュー22によって混練されつつ押出し方向の下流側に押し出される。これにより、熱可塑性樹脂組成物1が溶融して溶融樹脂となり、この溶融樹脂が押出機20の内部空間から金型10のキャビティ15内に供給される。
金型10に供給された熱可塑性樹脂組成物1は、キャビティ15を通って押出し方向の下流側に押し出され、金型10の押出し口から成形体となって連続的に押し出される。
熱可塑性樹脂組成物1は、押出機20内では、電荷を有する防かび剤2が均一に分散した状態である。ところが、金型10に供給された熱可塑性樹脂組成物1は、金型10の内面に印加した防かび剤2の電荷と逆の電界によって、熱可塑性樹脂組成物1の表面部分、すなわち金型10の内面と接触する表面部分の側に引き寄せられ、移動する。そのため金型10に供給された熱可塑性樹脂組成物1は、中心よりも表面側に電荷を有する防かび剤2が偏在した濃度勾配を持つようになる。このように表面部分に電荷を有する防かび剤2が偏在した状態になった後、熱可塑性樹脂組成物1は金型10から外へ押し出される。
押出機20から金型10を通って押し出された熱可塑性樹脂組成物1は、不図示の冷却機によって冷却した後、所望の形状に成形された状態で固化が完了し、成形体が完成する。そして、冷却機を通過した成形体は、不図示の裁断装置によって所望の長さ寸法で切断される。以上により、防かび性樹脂成形体の製造が完了する。
この実施形態によれば、電荷を有する防かび剤2を用い、押出機20の金型10の内面に電荷を有する防かび剤2とは逆の電荷を印加することで、金型10と接触する熱可塑性樹脂組成物1の表面部分に電荷を有する防かび剤2を引き寄せて偏在させることができる。そのため、熱可塑性樹脂よりも比較的高価である防かび剤2を多量に添加せずとも、表面部分に高濃度に偏在した防かび剤2によって防かび機能を効率的に発揮させることができる。
図2は、本発明の防かび性樹脂成形体の製造方法の別の実施形態を概略的に説明する図であり、(a)は型締装置と射出装置を示した図、(b)は射出成形の金型を拡大して示す部分断面図である。
この実施形態の射出成形機は、射出装置50と、型締装置60とを備えている。
射出装置50は、熱可塑性樹脂組成物1を加熱溶融させ、金型10内へ射出する。射出装置50は、一方向に延びる内部空間を形成する加熱筒53の内部に、熱可塑性樹脂組成物1を混練しつつ押し出すスクリュー52を備えている。また、加熱筒53の内部空間は、軸線方向の一端(射出方向の上流側)が不図示のホッパーに連通する入口開口部となっており、軸線方向の他端(射出方向の下流側)にはノズル54が先端に取付けられている。ノズル54は、金型10のスプル31と連結され、ここから溶融状態の熱可塑性樹脂組成物1がスプル31を経由して金型10のキャビティ32に注入される。また、射出装置50には、加熱筒53の内部空間の熱可塑性樹脂組成物1を加熱する不図示のバンドヒータが設置されている。
加熱筒53内のスクリュー52を回転させ、不図示のホッパーから投入した熱可塑性樹脂組成物1のチップやペレットをスクリュー52の前部に必要樹脂量に相当するストロークだけ溜めた後、射出する。熱可塑性樹脂組成物1が金型10内を流動している時は、スクリュー52の移動速度を制御し、熱可塑性樹脂組成物1が充填された後は保圧力で制御する。
一方、型締装置60は、トグル式や、油圧シリンダで直接金型10を開閉する直圧式等によって、金型10の開閉、突き出し(エジェクタ)を行う。
型締装置60は、コア型11を取付けた型開閉の動作側の可動盤13と、キャビティ型12を取付けた固定盤14とを備えている。
金型10は、コア型11とキャビティ型12とを備え、金型10を閉じた際にこれらの内部空間となるキャビティ32に熱可塑性樹脂組成物1を射出注入することによって熱可塑性樹脂組成物1を所望の形状に成形する。金型10は、不図示の幾つかの孔が空いており、温水や油、ヒーター等で温度管理されている。
金型10は、コア型11のキャビティ32に面する内面に電界を印加することができる電源40に接続されている。この実施形態では、カチオン構造による正の電荷を有する防かび剤2を用いている。そして防かび剤2を熱可塑性樹脂組成物1の表面部分に偏在させようとする領域であるコア型11の内面全体に、防かび剤2の電荷と逆の電界、すなわち負の電界を印加できるように構成されている。
一方、キャビティ型12は電源40には接続せず、金型10のパーティング面に絶縁体33を配置している。これにより、コア型11に負の電界を印加しても、コア型11とキャビティ型12との間は絶縁体33によって絶縁され、キャビティ型12には電界が印加されないようにしている。
射出装置50の加熱筒53内に投入された熱可塑性樹脂組成物1は、加熱筒53内で溶融し、溶融状態の熱可塑性樹脂組成物1はスクリュー52によって強い圧力が掛けられて先端のノズル54より金型10内に射出される。
溶融状態の熱可塑性樹脂組成物1はスプル31から金型10内に入り、キャビティ32内に充填される。必要に応じて、ランナーとゲートを有する金型10を用いて、これらを経由してキャビティ32内に充填してもよい。
熱可塑性樹脂組成物1は、射出装置50内では、電荷を有する防かび剤2が均一に分散した状態である。ところが、金型10のキャビティ32内に供給された熱可塑性樹脂組成物1は、キャビティ32内を流動している時、コア型11の内面に印加した防かび剤2の電荷と逆の電界によって、熱可塑性樹脂組成物1の表面部分、すなわちコア型11の内面と接触する表面部分の側に引き寄せられ、移動する。そのため金型10のキャビティ32内に供給された熱可塑性樹脂組成物1は、バルクよりもコア型11の内面と接触する表面部分に電荷を有する防かび剤2が偏在した濃度勾配を持つようになる。
一方、キャビティ型12は電源40には接続せず、金型10のパーティング面に絶縁体33を配置しているため、コア型11に負の電界を印加しても、絶縁体33によってコア型11とは絶縁されたキャビティ型12には電界が印加されていない。そのため、キャビティ型12の内面には電荷を有する防かび剤2は引き寄せられず、キャビティ32内に充填された熱可塑性樹脂組成物1は、コア型11の内面と接触する表面部分にのみ防かび剤2が偏在した状態となる。なお、キャビティ型12をも電源40に接続し、防かび剤2の電荷と同じ電界を印加するようにしてもよい。この場合は、防かび剤2の電荷と逆の電界を印加したコア型11側に、防かび剤2をより偏在させやすくなる。
このようにコア型11の内面と接触する表面部分に電荷を有する防かび剤2が偏在した状態になった後、熱可塑性樹脂組成物1は冷却工程を経て、その後、型締装置60のコア型11を取付けた可動盤13の移動によって金型10を開放する。このときエジェクタロッドに金型10のエジェクタプレートが押されて成形体が突き出される。以上により、防かび性樹脂成形体の製造が完了する。
この実施形態によれば、電荷を有する防かび剤2を用い、射出成形機の金型10の内面に電荷を有する防かび剤2とは逆の電荷を印加することで、金型10と接触する熱可塑性樹脂組成物1の表面部分に電荷を有する防かび剤2を引き寄せて偏在させることができる。そのため、熱可塑性樹脂よりも比較的高価である防かび剤2を多量に添加せずとも、表面部分に高濃度に偏在した防かび剤2によって防かび機能を効率的に発揮させることができる。
更にこの実施形態によれば、コア型11の内面に防かび剤2の電荷と逆の電界を印加できるように構成し、かつ、キャビティ型12は電源40には接続せず、金型10のパーティング面に絶縁体33を配置してキャビティ型12には電界が印加されないようにしている。
したがって、熱可塑性樹脂組成物1の表面部分のうち、コア型11の内面と接触する領域にのみ電荷を有する防かび剤2を偏在させることができる。すなわち、金型10のうち防かび剤2を偏在させたい部分であるコア型11のみ導電させ、偏在しなくてもよい部分であるキャビティ型12との間を絶縁させることで、防かび性樹脂成形体の表面部分のうち特定の領域のみに防かび剤2を偏在させることもできる。
以下に、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
熱可塑性樹脂として、PMMA樹脂(三菱レイヨン製VH001)、防かび剤としてアルキルピリジウム塩(塩化セチルピリジウム:ラサ工業製 ラサップQC2500)又は第四級アンモニウム塩(東邦化学製アンステックスC−200)を用いた。
PMMA樹脂と防かび剤の比率は、PMMA樹脂99PHRに対して防かび剤1PHRとし、成形前に二軸混練押出機(東洋精機製押出混練機、2軸同方向)にて230℃でコンパウンドし、ペレット状に加工したものを使用した。
160t射出成形機と一軸押出機を用いて成形体を作製した。
得られた成形体について、表面と中心部の窒素Nの量(%)をX線光電子分光法(XPS)を用いて測定し、表面と中心部の防かび剤量を窒素Nの量(%)の「表面/中心部」の比率で比較した。
成形は、射出成形機と押出機の各金型の内面に、負の電界を印加した状態(電界あり)と印加しない状態(電界なし)の各条件で熱可塑性樹脂組成物を金型に供給して行った。
この表面/中心部の比率は、数値が大きいほど表面部分に防かび剤が偏在していることを示す。
その結果を表1に示す。
表1より、射出成形と押出成形の両方共に、金型に負の電界を印加した状態で成形を行った実施例1〜4では、成形体の表面部分に防かび剤の成分元素である窒素Nが中心部よりも偏在していることが分かる。
一方、金型に電界を印加しない状態で成形を行った比較例1、2では、中心部と表面の窒素量に大きな差はなく、電界を印加した実施例1〜4とは異なる結果であった。
1 熱可塑性樹脂組成物
2 防かび剤
10 金型

Claims (3)

  1. 防かび剤を含有する熱可塑性樹脂組成物を金型に供給して成形する防かび性樹脂成形体の製造方法であって、前記防かび剤として電荷を有する防かび剤を用い、供給された前記熱可塑性樹脂組成物における前記防かび剤を偏在させようとする表面部分が接触する前記金型の内面に、前記防かび剤の電荷と逆の電界を印加した状態で前記熱可塑性樹脂組成物を前記金型に供給し、成形することを特徴とする防かび性樹脂成形体の製造方法。
  2. 前記熱可塑性樹脂組成物が、熱可塑性樹脂としてアクリル系樹脂を含有することを特徴とする請求項1に記載の防かび性樹脂成形体の製造方法。
  3. 前記防かび剤が、アルキルピリジニウム塩類又は第四級アンモニウム塩類であることを特徴とする請求項1又は2に記載の防かび性樹脂成形体の製造方法。
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