JP6395011B2 - 熱硬化離型コーティング剤組成物及び離型フィルム - Google Patents

熱硬化離型コーティング剤組成物及び離型フィルム Download PDF

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Description

本発明は、熱硬化離型コーティング剤組成物及び該コーティング剤組成物を塗工し、硬化してなる離型フィルムに関する。
ポリエチレンテレフタレートに代表される二軸延伸ポリエステルフィルムは、透明性、寸法安定性、機械的特性、耐薬品性等の性能に優れており、種々の産業分野で利用されている。近年では、各種光学用フィルムに多く使用され、LCD部材のプリズムシート、光拡散シート、反射板、タッチパネル等のベースフィルムや反射防止用ベースフィルム等の各種用途に用いられている。また、離型フィルムとして使用されることも多く、粘着シート・粘着テープ、また、タッチパネル用保護フィルム等のセパレータとして、電子材料用途にも広く用いられている。
従来の離型フィルムは、ポリエステルフィルムに離型性を有するシリコーン樹脂塗膜を形成させたものが主である。しかしながらシリコーン系の離型剤を用いた場合、シリコーン系離型剤の中に含まれる低分子量のシリコーン化合物が、粘着シートの粘着剤表面に移行し、残存することにより、粘着剤の粘着力が低下するおそれや、この粘着シートによって接着された電子部品がトラブルを起こすおそれがあることが指摘されていた。また、シリコーン樹脂には離型性があるため、基材との密着性が悪いことも知られている。
この問題に対して、アクリル樹脂、メラミン樹脂及びシリコーン樹脂からなる配合液を積層する方法が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら上記配合液は、硬化に必要な温度が190℃であり、基材への熱ダメージが大きい。また、メラミン樹脂の硬化性を向上させる目的で、酸触媒が併用される場合もあるが(特許文献2参照)、配合液の経時安定性(ポットライフ)が悪くなり増粘しやすいため、扱いにくいことが課題である。
特開平11−170440号公報 特開2002−19037号公報
本発明は、低シリコーン移行性(残留接着性)、ポリエステルフィルムへの密着性、離型性(軽剥離性)、硬化性、及び経時安定性(ポットライフ)に優れた熱硬化離型コーティング剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討したところ、特定のメラミン樹脂(A)と特定の水酸基含有変性シリコーン樹脂(B−1)及び/又はシリコーン変性水酸基含有アクリル樹脂(B−2)、及び酸触媒(C)を組み合わせた組成物とすることより、前記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、メチル化メラミン樹脂(A)100重量部に対して、水酸基含有変性シリコーン樹脂(B−1)及び/又はシリコーン変性水酸基含有アクリル樹脂(B−2)を0.1〜10重量部、及び酸触媒(C)を0.5〜10重量部含有する熱硬化離型コーティング剤組成物である(本発明1)。
本発明2は、本発明1において、(A)成分がフルエーテル型のメチル化メラミン樹脂である熱硬化離型コーティング剤組成物である。
本発明3は、本発明1又は2において、(B−1)成分がポリエステル、ポリエーテル及びカルビノールからなる群より選ばれる少なくとも1種で変性されたシリコーン樹脂である熱硬化離型コーティング剤組成物である。
本発明4は、本発明1〜3のいずれかにおいて、(C)成分がスルホン酸系触媒及び/又はリン酸系触媒を含有する熱硬化離型コーティング剤組成物である。
本発明5は、本発明1〜4のいずれかにおいて、更に、分子量100〜3000のポリオール(D)を含有する熱硬化離型コーティング剤組成物である。
本発明6は、本発明1〜5のいずれかにおいて、基材フィルムの少なくとも片面に、熱硬化離型コーティング剤組成物を塗工し硬化してなる離型フィルムである。
本発明7は、本発明6において、基材フィルムがポリエチレンテレフタレートである離型フィルムである。
本発明によれば、ポットライフに優れた熱硬化離型コーティング剤組成物が得られる。更に、基材フィルムに前記コーティング剤を塗工し硬化してなる離型フィルムは、離型性及び残留接着性に優れた離型層を低温で形成することができる。特に、基材フィルムがポリエステルフィルムである離型フィルムに好適である。具体的には、セラミックコンデンサ、合成皮革、化粧板、炭素繊維プリプレグ等の製造工程用離型フィルム、転写印刷関連製品用離型フィルム、あるいは偏光板、位相差板等の粘着層保護用離型フィルム等が挙げられる。
本発明の熱硬化離型コーティング剤組成物は、メチル化メラミン樹脂(A)(以下、「(A)成分」ともいう)、水酸基含有変性シリコーン樹脂(B−1)(以下、「(B−1)成分」ともいう)及び/又はシリコーン変性水酸基含有アクリル樹脂(B−2)(以下、「(B−2)成分」ともいう)、及び酸触媒(C)(以下、「(C)成分」ともいう)を含有するものである。
(A)成分であるメチル化メラミン樹脂は、下記式(1)で表される化合物及び/又はそのオリゴマー乃至重合体である。
(式(1)中、R〜Rは同一又は異なっていてよく、それぞれ水素原子、メチロール基(−CHOH)、メトキシメチル基(−CHOCH )のいずれかを表す。ただし、R〜Rの少なくとも一つはメトキシメチル基である。)
(A)成分のオリゴマー乃至重合体の平均重合度は特に限定されないが、通常1.1〜10程度である。
(A)成分としては、特に限定されず、各種公知のものを使用できるが、フルエーテル型メチル化メラミン樹脂が、低温・短時間での硬化性、および基材密着性の点で好ましい。具体的には、2,4,6−トリス[ビス(メトキシメチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン及び/又はそのオリゴマー乃至重合体が好ましい。
(A)成分は市販品も使用でき、例えば、サイメル300、サイメル301、サイメル303LF、サイメル350、サイメル370N、サイメル771、サイメル325、サイメル327、サイメル703、サイメル712、サイメル701、サイメル266、サイメル267、サイメル285、サイメル232、サイメル235、サイメル236、サイメル238、サイメル272、サイメル212、サイメル253、サイメル254、サイメル202、サイメル207(以上、オルネクスジャパン(株)製)、ニカラックMW−30M、ニカラックMW−30、ニカラックMW−30HM、ニカラックMW−390、ニカラックMW−100LM、ニカラックMX−750LM、ニカラックMW−22、ニカラックMS−21、ニカラックMS−11、ニカラックMW−24X、ニカラックMS−001、ニカラックMX−002、ニカラックMX−730、ニカラックMX−750、ニカラックMX−708、ニカラックMX−706、ニカラックMX−042、ニカラックMX−035、ニカラック、MX−45、ニカラックMX−43、ニカラックMX−417、ニカラックMX−410(以上、(株)三和ケミカル製)等が挙げられ、単独又は2種以上を組み合わせて良い。フルエーテル型のものとしてはサイメル303LFやニカラックMW−30が挙げられる。
(B−1)成分、及び/又は(B−2)成分は離型性を付与する成分である。一般的にシリコーン樹脂は、(A)成分との相溶性が悪くブリードしやすいが、(B−1)成分及び(B−2)成分は有機成分で変性された部分を有するために(A)成分とよく相溶し、また(A)成分と反応し得る水酸基も有するために硬化時に架橋構造が形成され、塗膜と一体化されるため、当該離型コーティング層と接する層へのシリコーンの移行を抑制することができる。
(B−1)成分は、水酸基を含有する変性シリコーン樹脂であれば、特に限定されず、例えば、シリコーン樹脂の片末端、両末端及び側鎖のいずれかが、ポリエステル、ポリエーテル及びカルビノールからなる群より選ばれる少なくとも1種で変性されたシリコーン樹脂が挙げられる。
(B−1)成分の市販品としては、BYK−370、BYK−375、BYK−377、BYK−SILCLEAN3720(ビックケミー・ジャパン(株)製)、X−22−4039、X−22−4015、X−22−4952、X−22−4272、X−22−170BX、X−22−170DX、KF−6000、KF−6001、KF−6002、KF−6003、KF−6123、X−22−176F(信越化学工業(株)製)、サイラプレーンFM−4411、サイラプレーンFM−4421、サイラプレーンFM−4425、サイラプレーンFM−0411、サイラプレーンFM−0421、サイラプレーンFM−DA11、サイラプレーンFM−DA21、サイラプレーンFM−DA26(JNC(株)製)等が挙げられる。これらの中でも、(A)成分との相溶性、およびシリコーンの移行性の点から、ポリエステル及び/又はポリエーテルで変性されたシリコーン樹脂が好ましく、具体的にはBYK−370、BYK−375、BYK−377、BYK−SILCLEAN3720、X−22−4952等が挙げられる。中でも、より軽剥離化できる点で、特にポリエーテルで変性されたシリコーン樹脂が好ましい。
(B−2)成分は、シリコーンで変性された水酸基含有アクリル樹脂であれば特に限定されない。(B−2)成分の市販品としては、例えば、ZX−028−G、ZX−007C、ZX−001、ZX−017、ZX−022((株)T&K TOKA製)、BYK−SILCLEAN3700(ビックケミー・ジャパン(株)製)、サイマックUS−270(東亞合成(株)製)等が挙げられる。なお、本明細書において、アクリル樹脂には、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルの重合体が含まれる。
(C)成分は、酸触媒である。酸触媒としては、特に限定されず、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸類;シュウ酸、酢酸、ギ酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、イソプレンスルホン酸、カンファースルホン酸、ヘキサンスルホン酸、オクタンスルホン酸、ノナンスルホン酸、デカンスルホン酸、ヘキサデカンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、クメンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ノニルナフタレンスルホン酸、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、プロピルアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ブトキシエチルアシッドホスフェート、オクチルアシッドホスフェート、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、デシルアシッドホスフェート、ラウリルアシッドホスフェート、ステアリルアシッドホスフェート、オレイルアシッドホスフェート、ベヘニルアシッドホスフェート、フェニルアシッドホスフェート、ノニルフェニルアシッドホスフェート、シクロヘキシルアシッドホスフェート、フェノキシエチルアシッドホスフェート、アルコキシポリエチレングリコールアシッドホスフェート、ビスフェノールAアシッドホスフェート、ジメチルアシッドホスフェート、ジエチルアシッドホスフェート、ジプロピルアシッドホスフェート、ジイソプロピルアシッドホスフェート、ジブチルアシッドホスフェート、ジオクチルアシッドホスフェート、ジ−2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、ジラウリルアシッドホスフェート、ジステアリルアシッドホスフェート、ジフェニルアシッドホスフェート、ビスノニルフェニルアシッドホスフェート等の有機酸類;スルホニウム塩、ベンゾチアゾリウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩等の熱酸発生剤が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。本発明においては、(C)成分としては(A)成分との相溶性の点において有機酸類を用いるのが好ましい。より好ましくは、(C)成分がスルホン酸系触媒及び/又はリン酸系触媒を含有する場合である。
本発明の熱硬化離型コーティング剤組成物は、(A)成分100重量部に対して、(B−1)成分及び/又は(B−2)成分を0.1〜10重量部、及び(C)成分を0.5〜10重量部含有するものである。これにより、離型コーティング層の硬化性、残留接着性、離型性、及びコーティング剤組成物のポットライフとのバランスをとることができる。より好ましくは、(A)成分100重量部に対して、(B−1)成分及び/又は(B−2)成分を0.2〜8重量部、及び(C)成分を2〜8重量部含有するものである。より好ましくは(A)成分100重量部に対して、(B−1)成分及び/又は(B−2)成分0.5〜5重量部及び(C)成分を3〜6重量部含有するものである。
本発明の熱硬化離型コーティング剤組成物は、必要に応じて、更にポリオール(D)(以下、「(D)成分」ともいう)を含有することができる。
(D)成分としては、特に限定されず、各種公知のものが使用できる。具体的には、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、ブチルエチルペンタンジオール等の脂肪族ジオール;1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環式ジオール;トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、ダイマージオール、水添ダイマージオール、トリマートリオール、水添トリマートリオール、ヒマシ油、ヒマシ油系変性ポリオール、ビスフェノール化合物又はその誘導体のアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。また、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオール及びポリオレフィンポリオールなどのポリマーポリオールも挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。
(D)成分の分子量としては、基材密着性、硬化性、及び軽剥離化の点で、通常100〜3000程度であり、100〜2000程度が好ましく、100〜1500がより好ましい。
なお、本明細書中において「分子量」は、式量または数平均分子量である。トリメチロールプロパンのように特定の化学式で一義的に化合物の構造を表現できる場合、前記分子量は式量である。一方、ポリエステルポリオールのように特定の化学式で一義的に化合物の構造を表現できない場合、前記分子量は数平均分子量である。数平均分子量は、ゲルパーメーションクロマトグラフィー法によるポリスチレン換算値である(以下同様)。
(D)成分の含有量は、特に限定されないが、硬化性と剥離性のバランスを考慮すると、(A)成分100重量部に対して、10〜150重量部程度が好ましく、3025〜100重量部程度がより好ましい。
本発明の熱硬化離型コーティング剤組成物は、上記成分以外に、その他の成分(以下、「(E)成分」ともいう)として各種公知の添加剤、例えば、バインダー、消泡剤、防滑剤、防腐剤、防錆剤、中和剤、酸化防止剤、顔料、染料、滑剤、レベリング剤、ブロッキング防止剤、導電剤などを配合することもできる。上記バインダーは、特に限定されず周知のアクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂などを用いることができる。
上記各成分の配合方法は、特に限定されず、どの成分から混合しても良い。本発明の熱硬化離型コーティング剤組成物は、必要に応じ、希釈剤として、有機溶剤や水を用いることができる。該希釈剤の使用量は、塗工適正の観点から、本発明の熱硬化離型コーティング剤組成物の固形分濃度が通常1〜50重量部%程度となる範囲である。かかる数値範囲であることにより、離型コーティング層の硬化性、及びポットライフのバランスをとりやすくすることができる。
上記有機溶媒としては、特に限定されず、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、イソプロピルアルコール、エタノール、ブタノール等が挙げられる。これらの中でも樹脂の溶解性の点でメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、トルエンが好ましい。
本発明の熱硬化離型コーティング剤組成物を基材フィルムの少なくとも片面に塗工し、硬化してなる離型層を有する離型フィルムも、また本発明の1つである。本発明の離型フィルムは、優れた基材密着性及び離型性を有し、さらに被着体へのシリコーンの移行性が少ない。
上記離型フィルムは、本発明の熱硬化離型コーティング剤組成物を、各種基材フィルム上に、硬化後の重量が0.1〜10g/m程度、好ましくは0.2〜5g/mになるように塗工し、硬化することにより得られる。
塗工方法は特に限定されず、各種公知の手段による。例えば、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター等が挙げられる。
本発明の離型フィルムは、熱硬化離型コーティング剤組成物を塗工後、熱硬化させることにより得られる。本発明の熱硬化離型コーティング剤組成物は、通常90〜130℃で30秒〜2分で硬化する。通常の硬化条件は、温度が140〜190℃程度、時間が1分〜5分程度であるのに対して、本発明での硬化条件は低温であることから、熱により変形しやすいプラスチックフィルム用として有用である。
基材フィルムとしては、例えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリオレフィン、ナイロン、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、ノルボルネン系樹脂等のプラスチックからなるフィルムが挙げられ、これらは必要に応じて表面処理(コロナ放電等)がなされていてもよい。また、プラスチックフィルムは、その片面あるいは両面に、本発明の熱硬化離型コーティング剤組成物以外のコーティングによる層が設けられていてもよい。これらの中でも透明性、寸法安定性、機械的特性、耐薬品性等の性能の点でポリエチレンテレフタレートが好ましい。
以下、実施例及び比較例をあげて本発明方法を更に詳しく説明するが、本発明がこれらに限定されるものではない。なお、各実施例及び比較例において、部又は%は重量基準である。
[実施例1]
(A)成分としてサイメル303LF(フルエーテル型メチル化メラミン樹脂 濃度100%:オルネクスジャパン(株)製)100部、(B−1)成分としてBYK−377(水酸基含有ポリエーテル変性シリコーン樹脂 固形分濃度100%:ビックケミー・ジャパン(株)製)2部、(C)成分としてパラトルエンスルホン酸4部を添加し、これをメチルエチルケトンで希釈して固形分濃度が20%になるように配合し、熱硬化離型コーティング剤組成物(以下、コーティング剤組成物ともいう)を得た。
[実施例2]
実施例1において、(B−1)成分をX−22−4952(水酸基含有ポリエーテル変性シリコーン樹脂 濃度100%:信越化学工業(株)製)2部に変更し、コーティング剤組成物を得た。
[実施例3]
実施例1において、(B−1)成分をBYK−375(水酸基含有ポリエーテルエステル変性シリコーン樹脂 濃度25%:ビックケミー・ジャパン(株)製)8部(固形分換算で2部)に変更し、コーティング剤組成物を得た。
[実施例4]
実施例1において、(B−1)成分をBYK−370(水酸基含有ポリエステル変性シリコーン樹脂 濃度25%:ビックケミー・ジャパン(株)製)8部(固形分換算で2部)に変更し、コーティング剤組成物を得た。
[実施例5]
実施例1において、(B−1)成分をサイラプレーンFM−4411(水酸基含有カルビノール変性シリコーン樹脂 濃度100%:JNC(株)製)2部に変更し、コーティング剤組成物を得た。
[実施例6]
実施例1において、(B−1)成分に代えて、(B−2)成分としてBYK−SILCLEAN 3700(シリコーン変性水酸基含有アクリル樹脂 濃度25%:ビックケミー・ジャパン(株)製)8部(固形分換算で2部)を使用し、コーティング剤組成物を得た。
[実施例7]
実施例1において、(B−1)成分をBYK−377 0.1部に変更し、コーティング剤組成物を得た。
[実施例8]
実施例1において、(B−1)成分をBYK−377 6部に変更し、コーティング剤組成物を得た。
[実施例9]
実施例1において、(B−1)成分をBYK−377 10部に変更し、コーティング剤組成物を得た。
[実施例10]
実施例1において、(B−1)成分をBYK−377 3部及び(B−2)成分をBYK−SILCLEAN 3700 12部(固形分換算で3部)に変更し、コーティング剤組成物を得た。
[実施例11]
実施例1において、(A)成分をサイメル325(イミノ基型メチル化メラミン樹脂 濃度80%:オルネクスジャパン(株)製)125部(固形分換算で100部)、(C)成分をAP−1(メチルアシッドホスフェート 大八化学工業(株)製)6部に変更し、コーティング剤組成物を得た。
[実施例12]
実施例1において、(A)成分をサイメル370N(メチロール基型メチル化メラミン樹脂 濃度88%:オルネクスジャパン(株)製)114部(固形分換算で100部)、(C)成分をAP−1 6部に変更し、コーティング剤組成物を得た。
[実施例13]
実施例1において、(C)成分をパラトルエンスルホン酸1部に変更し、コーティング剤組成物を得た。
[実施例14]
実施例11において、(C)成分をAP−1 10部に変更し、コーティング剤組成物を得た。
[実施例15]
実施例1において、(B−1)成分をBYK−377 3部、(C)成分をパラトルエンスルホン酸6部に変更し、更に(D)成分としてPRIPOL2033(水添ダイマージオール 分子量540:クローダジャパン(株)製)50部を添加し、コーティング剤組成物を得た。
[実施例16]
実施例15において、(B−1)成分をBYK−377 4部、(C)成分をパラトルエンスルホン酸8部、更に(D)成分をPRIPOL2033 100部に変更し、コーティング剤組成物を得た。
[実施例17]
実施例15において、(D)成分をHS CM−075P(ヒマシ油系ポリオール 分子量1020 豊国製油(株)製)50部に変更し、コーティング剤組成物を得た。
[実施例18]
実施例16において、(D)成分をHS CM−075P 100部に変更し、コーティング剤組成物を得た。
[実施例19]
実施例1において、(B−1)成分をBYK−377 2.5部、(C)成分をパラトルエンスルホン酸5部に変更し、更に(D)成分としてトリメチロールプロパン(分子量134 三菱ガス化学(株)製)25部を添加し、コーティング剤組成物を得た。
[実施例20]
実施例15において、(D)成分をアデカポリエーテルAM−302(ポリエーテルポリオール 分子量3000 アデカ(株)製)50部に変更し、コーティング剤組成物を得た。
[比較例1]
実施例1において、サイメル303LFをユーバン20SE60(ブチル化メラミン樹脂 濃度60%:三井化学(株)製)167部(固形分換算で100部)に変更し、コーティング剤組成物を得た。
[比較例2]
実施例1において、(B−1)成分を用いずに、コーティング剤組成物を得た。
[比較例3]
実施例1において、(C)成分を用いずに、コーティング剤組成物を得た。
[比較例4]
実施例1において、BYK−377をKF−9701(シラノール変性シリコーン樹脂 濃度100%:信越化学工業(株)製)2部に変更し、コーティング剤組成物を得た。
[比較例5]
実施例1において、(B−1)成分をBYK−377 15部に変更し、コーティング剤組成物を得た。
[比較例6]
実施例11において、(C)成分をAP−1 20部に変更し、コーティング剤組成物を得た。
(ポットライフ)
各実施例および比較例のコーティング剤組成物を25℃で放置し、経時での流動性の変化を観察した。結果を表1に示す(以下同様)。
○:7日後も流動性がある
△:1日〜7日の間で流動性がなくなる
×:1日以内に流動性がなくなる
(離型フィルムの作製)
各実施例および比較例のコーティング剤組成物をポリエチレンテレフタレート(膜厚75μm)に硬化後の塗膜が1μmになるように塗工し、120℃で1分硬化させ、離型フィルムを得た。
(硬化性)
前記離型フィルムをメチルエチルケトンに浸した綿棒で擦り、基材が露出するまでの回数(往復)を測定した。
○:50回以上擦っても塗膜が露出しない
△:10〜49回擦った際に塗膜が露出する
×:1〜9回擦った際に塗膜が露出する
(基材密着性)
前記離型フィルムを指で50往復擦り、脱落の有無により基材との密着性を評価した。
○:脱落なし
△:わずかに脱落する
×:脱落する
(剥離力)
前記離型フィルムに、ポリエステル粘着テープ(日東電工(株)製31Bテープ:20mm幅)を2kgのローラーで圧着させながら貼り合わせ、23℃で30分間保管した。ついで、このテープを180℃の角度で剥離速度0.3m/min.で引っ張り、剥離するのに要する力(mN/20mm)を測定した。1000mN/20mm以下が好ましく、より好ましくは500mN/20mm以下である。
(残留接着率)
前記離型フィルムに、ポリエステル粘着テープ(日東電工(株)製31Bテープ:20mm幅)を貼り合わせ、23℃で1日間保存した。保存後、テープを剥がしてSUS板に2kgのローラーで貼り付けた。ついで、このテープをSUS板から180℃の角度で剥離速度0.3m/min.で引っ張り、剥離するのに要する力を測定した。ブランクとして、直接テープをSUS板に貼り合わせ同様の条件で剥がした時の剥離力を測定し、前者の剥離力の後者の剥離力に対する割合(%)を残留接着率として求めた。この値が大きいほどテープの粘着力が低下していないことを表す。
○:95%以上
△:90〜94%
×:89%以下

Claims (5)

  1. メチル化メラミン樹脂(A)100重量部に対して、水酸基含有変性シリコーン樹脂(B−1)及び/又はシリコーン変性水酸基含有アクリル樹脂(B−2)を0.1〜10重量部、及び酸触媒(C)を0.5〜10重量部含有し、
    上記(B−1)成分が、ポリエステル、ポリエーテル及びカルビノールから選ばれる少なくとも1種で変性されたシリコーン樹脂であって、
    更に、分子量100〜3000のポリオール(D)を含有し、
    上記(D)成分が、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、ブチルエチルペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、ダイマージオール、水添ダイマージオール、トリマートリオール、水添トリマートリオール、ヒマシ油、ヒマシ油系変性ポリオール、ビスフェノール化合物、ビスフェノール化合物のアルキレンオキサイド付加物、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオール及びポリオレフィンポリオールからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする熱硬化離型コーティング剤組成物。
  2. 上記(A)成分が、フルエーテル型のメチル化メラミン樹脂である請求項1の熱硬化離型コーティング剤組成物。
  3. 上記(C)成分がスルホン酸系触媒及び/又はリン酸系触媒を含有する請求項1又は2の熱硬化離型コーティング剤組成物。
  4. 基材フィルムの少なくとも片面に、請求項1〜3のいずれかの熱硬化離型コーティング剤組成物を塗工し、硬化してなる離型フィルム。
  5. 前記基材フィルムがポリエチレンテレフタレートである請求項4の離型フィルム。
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