JP6394944B2 - 燃料電池発電システム - Google Patents

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本発明は、燃料電池発電システムに関する。
更に詳細には、本発明は、未焼成の空気極を焼成することにより、金属基板、燃料極、電解質及び空気極を備え、これらがこの順で積層された状態で配置されている金属支持型固体酸化物形燃料電池として成立する未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池の焼成運転に当たり、未焼成の空気極への空気供給流量及び空気供給方向を制御して、未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池の発電量を高めるセル内位置を調整する燃料電池発電システムに関する。
なお、本発明の燃料電池発電システムは、未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池及び金属支持型固体酸化物形燃料電池が、複数の単セルが積層されて形成されたスタック構造を有するものなどであることが特に好ましい。
近年、地球環境問題への関心の高まりから、各種燃料電池の自動車への利用が検討されている。その中でも効率の高い固体酸化物形燃料電池の場合、水素が多く含まれるガスを燃料とし、酸素を酸化剤として、電気化学的反応で発電を行う。そして、水素が多く含まれるガスとしては、各種液体燃料を改質して得られる改質ガスを適用することが検討されている。
これまで、固体酸化物形燃料電池は、燃料極支持型の固体酸化物形燃料電池のような支持体を含めて全てがセラミックで構成されているものが主流となっていた。そして、構成としては、支持体/燃料極/電解質/空気極となっている。
このような固体酸化物形燃料電池の一般的な製造方法としては、まず、支持体上に燃料極と電解質を積層し、次いで、共焼成することによって、ハーフセルを得る。しかる後、このハーフセル上に空気極を塗布し、次いで、ハーフセルと共に、空気雰囲気下、1000℃近くの温度で空気極を焼成し、フルセルを得る。
このような燃料極支持型の固体酸化物形燃料電池においては、支持体と燃料極の双方が、酸化ニッケル(NiO)やイットリア安定化ジルコニア(YSZ)のような酸化物からなるため、空気極を焼成する際に、支持体や燃料極と同一の空気雰囲気下で行うことができる。
上述のような製造方法で、フルセルを得てからスタッキングをし、更にシステムへ組み込むことが一般的である。この際、空気極を含め、各層を焼成してあるため、発電当初から性能をフルに発揮することができる。
一方、上述の燃料極支持型の固体酸化物形燃料電池以外に、支持体が金属である金属支持型固体酸化物形燃料電池のような新型の燃料電池も開発されつつある。
金属支持型の固体酸化物形燃料電池のメリットとしては、支持体が金属であるため、燃料電池単セルの薄型化が容易になり、それに伴いシステムの小型化が実現できることを挙げることができる。
しかしながら、支持体が金属に置き換わると、今まで開発されてきた燃料極支持型の固体酸化物形燃料電池の製造方法と異なり、金属支持体(基板)/燃料極の製造工程を酸素を含まない水素雰囲気下又は真空雰囲気下で行う必要がある。これは、酸素が混入すると、金属支持体(基板)が酸化され、電気伝導性を失うためである。
そのため、酸素の存在が必要となる空気極の焼成は、金属支持体(基板)/燃料極とは異なった、隔離した空気雰囲気下で行わなければならない。なお、空気極の焼成に際して、酸素がないと空気極材料中の酸素が抜けやすく、性能が低下する。
金属支持型固体酸化物形燃料電池の製造方法としては、ガスシールを用い、空気極側の空気が金属支持体(基板)/燃料極側に混入しないようにガスシールを設置してから、空気極の焼成を行うことが知られている(非特許文献1参照。)。
ジャーナル・オブ・パワー・ソース(Journal of Power Sources),2011年,第196巻,第17号,p.7117−7125
しかしながら、非特許文献1に記載のように単セルから焼成する方法では、スタックとなると、数十枚以上の単セルを焼成する必要があるため、設備上、工数上、非常に対応が困難となり、製造コストが大幅に上がってしまうという問題点があった。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本発明は、専用設備を用いることなく、製造コストを削減しつつ、未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池の空気極などを焼成し得る燃料電池発電システムを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた。その結果、未焼成の空気極などを焼成することにより、金属基板、燃料極、電解質及び空気極を備え、これらがこの順で積層された状態で配置されている金属支持型固体酸化物形燃料電池として成立する未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池と、未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池の焼成運転に当たり、未焼成の空気極などへの空気供給流量及び空気供給方向を制御して、未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池の発電量を高めるセル内位置を調整する空気極焼成装置と、を具備した構成とすることにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の燃料電池発電システムは、未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池と、空気極焼成装置とを具備したものである。
そして、未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池は、未焼成の空気極を焼成することにより、金属基板、燃料極、電解質及び空気極を備え、これらがこの順で積層された状態で配置されている金属支持型固体酸化物形燃料電池として成立するものである。
また、空気極焼成装置は、未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池の焼成運転に当たり、未焼成の空気極への空気供給流量及び空気供給方向を制御して、未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池の発電量を高めるセル内位置を調整するものである。
また、本発明の他の燃料電池発電システムは、未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池と、空気極焼成装置とを具備したものである。
そして、未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池は、未焼成の燃料極を焼成することにより、金属基板、燃料極、電解質及び空気極を備え、これらがこの順で積層された状態で配置されている金属支持型固体酸化物形燃料電池として成立するものである。
また、空気極焼成装置は、未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池の焼成運転に当たり、未焼成の燃料極への燃料供給流量及び燃料供給方向を制御して、未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池の発電量を高めるセル内位置を調整するものである。
更に、本発明の更に他の燃料電池発電システムは、未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池と、空気極及び燃料極の焼成装置とを具備したものである。
そして、未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池は、未焼成の空気極及び燃料極を焼成することにより、金属基板、燃料極、電解質及び空気極を備え、これらがこの順で積層された状態で配置されている金属支持型固体酸化物形燃料電池として成立するものである。
また、空気極及び燃料極の焼成装置は、未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池の焼成運転に当たり、未焼成の空気極への空気供給流量及び未焼成の燃料極への燃料供給流量並びに未焼成の空気極への空気供給方向と未焼成の燃料極への燃料供給方向の相対的な関係を制御して、未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池の発電量を高めるセル内位置を調整するものである。
本発明によれば、未焼成の空気極などを焼成することにより、金属基板、燃料極、電解質及び空気極を備え、これらがこの順で積層された状態で配置されている金属支持型固体酸化物形燃料電池として成立する未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池と、未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池の焼成運転に当たり、未焼成の空気極などへの空気供給流量及び空気供給方向を制御して、未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池の発電量を高めるセル内位置を調整する空気極焼成装置と、を具備した構成とした。
そのため、専用設備を用いることなく、製造コストを削減しつつ、未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池の空気極などを焼成し得る燃料電池発電システムを提供することができる。
図1は、第1の実施形態に係る燃料電池発電システムの概略を示す構成図である。 図2は、第1の実施形態に係る燃料電池発電システムの空気の供給方向と燃料の供給方向とが並流であるときの空気供給流量の増量制御によるセル温度の分布状態の変化を示すグラフである。 図3は、第1の実施形態に係る燃料電池発電システムの空気の供給方向と燃料の供給方向とが対向流であるときの空気供給流量の増量制御によるセル温度の分布状態の変化を示すグラフである。 図4は、第1の実施形態に係る燃料電池発電システムの焼成運転における処理動作の一例を示すフローチャートである。 図5は、LSCF(La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8)の焼成温度と焼成時間との関係を示すグラフである。 図6は、LSCF(La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8)を適用した未焼成の空気極を有する燃料電池発電システムにおいて、空気の供給方向と燃料の供給方向とが並流であるときの空気供給流量を増量制御した後のセル温度の分布状態を示すグラフである。 図7は、LSCF(La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8)を適用した未焼成の空気極を有する燃料電池発電システムにおいて、空気の供給方向と燃料の供給方向とが対向流であるときの空気供給流量を増量制御した後のセル温度の分布状態を示すグラフである。 図8は、第1の実施形態に係る燃料電池発電システムの焼成運転における処理動作の他の一例を示すフローチャートである。 図9は、LSCF(La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8)を適用した未焼成の空気極を有する燃料電池発電システムにおいて、空気の供給方向と燃料の供給方向とが並流であるときの空気供給流量を増量制御した後のセル温度の分布状態を示すグラフである。 図10は、第2の実施形態に係る燃料電池発電システムの概略を示す構成図である。 図11は、第2の実施形態に係る燃料電池発電システムの焼成運転における処理動作の一例を示すフローチャートである。 図12は、第3の実施形態に係る燃料電池発電システムの概略を示す構成図である。
以下、本発明の一実施形態に係る燃料電池発電システムについて図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態に係る燃料電池発電システムについて詳細に説明する。図1は、本実施形態の燃料電池発電システム1の概略を示す構成図である。
図1に示すように、燃料電池発電システム1は、空気極11A及び燃料極11Bを備えた燃料電池11と、燃料電池11の空気極11Aに空気(酸化剤ガス)を供給する第1空気ブロワ12と、第1空気ブロワ12より供給される空気を加熱する空気加熱熱交換器13と、空気加熱熱交換器13より供給される空気の供給方向を切り替える切替弁14と、供給される燃料を改質して燃料電池11の燃料極11Bに改質燃料を供給する燃料改質器15と、燃料改質器15に炭化水素燃料等の燃料を供給する第1燃料ポンプ16と、を備えている。
また、燃料電池発電システム1は、空気極11Aより排出される排気ガスが有する熱により燃料改質器15を加熱する改質器加熱熱交換器17と、燃料極11Bより排出される燃料ガスを燃料改質器15に循環させる燃料循環ブロア18と、燃料極11Bより排出される燃料ガスの一部を改質器加熱熱交換器17側に導入する燃料流路圧力調整弁19と、改質器加熱熱交換器17に導入される排気ガスの一部を外部へ排出する排気流路圧力調整弁20と、を備えている。
更に、燃料電池発電システム1は、供給される空気(酸化剤ガス)と燃料とを燃焼して燃料電池11の空気極の11Aに加熱された空気などの燃焼ガスを供給する燃焼バーナ21と、燃焼バーナ21に空気(酸化剤ガス)を供給する第2空気ブロワ22と、燃焼バーナ21に燃料を供給する第2燃料ポンプ23と、を備えている。
また、燃料電池発電システム1は、空気排出時の排気ガスの逆流を防止する空気排出逆流防止弁24A,24Bを備えている。
更に、燃料電池発電システム1は、燃料電池11の空気極11Aの空気出口側セパレータの温度を計測する温度計測装置25A,25Bを備えている。なお、空気流れ方向と燃料流れ方向とが並流である場合、空気出口側セパレータの温度を計測する温度計測装置は25Bで示す方のことであり、空気流れ方向と燃料流れ方向とが対向流である場合、空気出口側セパレータの温度を計測する温度計測装置は25Aで示す方のことである。
そして、第1空気ブロワ12は、空気流路L1の上流端又は上流側に配設されており、空気流路L1の第1空気ブロワ12の下流側に空気加熱熱交換器13が配設されており、空気流路L1の下流端に切替弁14が配設されており、切替弁14により分岐された空気流路(L2,L3)の下流端に空気極11Aが配設されている。
また、第1燃料ポンプ16は、燃料流路L4の上流端又は上流側に配設されており、燃料流路L4の第1燃料ポンプ16の下流側に燃料改質器15が配設されており、燃料流路L4の下流端に燃料極11Bが配設されている。
更に、空気極11Aは、空気流路L5の上流端に配設されており、空気流路L5の空気極11Aより下流側に改質器加熱熱交換器17が配設されており、空気流路L5の改質器加熱熱交換器17の下流側に空気加熱熱交換器13が配設されており、空気流路L5の空気極11Aより下流側、かつ、改質器加熱熱交換器17より上流側で接続された分岐流路L5’に排気流路圧力調整弁20が配設されている。
また、燃料極11Bは、燃料流路L6の上流端に配設されており、燃料流路L6の燃料極11Bより下流側に燃料循環ブロア18が配設されており、燃料流路L6の下流端が、第1燃料ポンプ16の下流側、かつ、燃料改質器15の上流側の燃料流路L4に設けられた合流部C1で接続されており、燃料流路L6の燃料循環ブロア18より下流側、かつ、燃料流路L6の下流端(合流部C1)より上流側で接続された分岐流路L6’に燃料流路圧力調整弁19が配設されており、分岐流路L6’の下流端が、空気流路L5の空気極11Aより下流側、かつ、空気流路L5の分岐流路L5’の接続位置より上流側に設けられた合流部C2で接続されている。
更に、第2空気ブロワ22は、空気流路L7の上流端又は上流側に配設されており、第2燃料ポンプ23は、燃料流路L8の上流端又は上流側に配設されており、空気流路L7及び燃料流路L8の下流端に燃焼バーナ21が配設されている。
また、燃焼バーナ21は、空気流路L9の上流端に配設されており、空気流路L9の下流端が、切替弁14の下流側、かつ、空気極11Aの上流側の空気流路L3に設けられた合流部C3で接続されている。
更に、空気排出逆流防止弁24Aは、空気流路L3の合流部C3と空気極11Aとの間に設けられ、空気排出逆流防止弁24Bは、空気流路L5の空気極11Aと合流部C2との間に設けられ、空気排出逆流防止弁24Aと空気排出逆流防止弁24Bとは空気流路L10で接続されている。
なお、本実施形態では、酸化剤ガスの一例として空気を用いる例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、酸素を含むガスであれば空気以外のものを用いることができる。
そして、燃料電池11は、例えば、未焼成の空気極を焼成することにより、金属基板、燃料極、電解質及び空気極を備え、これらがこの順で積層された状態で配置されている金属支持型固体酸化物形燃料電池として成立する未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池であり、空気極の焼成後においては、燃料極11Bに供給される改質された燃料と、空気極11Aに供給される空気とにより電力を発生させて、この電力をモータ等の電力需要機器に供給する。
また、燃料改質器15は、改質器加熱熱交換器17より供給される熱により加熱され、第1燃料ポンプ16より供給される燃料を触媒反応により改質し、改質後の燃料(水素ガスを含む改質ガス)を燃料電池11の燃料極11Bに供給する。
更に、第1空気ブロワ12、切替弁14、第1燃料ポンプ16、燃料循環ブロワ18、燃料流路圧力調整弁19、排気流路圧力調整弁20、第2空気ブロワ22、第2燃料ポンプ23、空気排出逆流防止弁24A,24B、温度計測装置25A,25Bは、それぞれ制御装置28に接続されている。
制御装置28は、例えば、CPUやRAM、ROMその他の各種の操作子を有する装置であり、電力の出力要求に応じて各機器に制御信号を送信して各機器を制御するものである。
そして、制御装置28は、燃料電池11と接続され、燃料電池11から一定の発電出力を取り出す一定発電出力取出装置として機能することができる。
また、制御装置28は、例えば、第1空気ブロワ12と協働して、空気供給流量制御装置として機能することができる。
更に、制御装置28は、例えば、切替弁14と協働して、更には温度計測装置25A,25Bと協働して、空気供給方向切替装置として機能することができる。
また、制御装置28は、例えば、制御効果判断装置として機能することもでき、例えば、温度計測装置25A,25Bと協働して、温度計測装置25A,25Bにより計測される空気出口温度や空気出口温度の上昇幅に基づいて、空気供給流量の増量制御による効果の有無を判断することができる。
そして、これら一定発電出力取出装置、空気供給流量制御装置、空気供給方向切替装置、制御効果判断装置などは協働して、空気極焼成装置Bとして機能することができる。
次に、燃料電池発電システム1の焼成運転における処理動作について一形態を挙げて説明する。
まず、燃料電池発電システム1は、燃焼バーナ21を駆動して燃料電池発電システム1の起動を行う。具体的には、図示しない電気ヒータ等により燃料電池11を加熱することにより、燃料電池11の運転温度を変化させ、かつ、燃料電池11の空気極11Aに供給する空気量、及び燃料極11Bに供給する燃料量を変化させて、出力電力の変化に対応させる。特に、焼成運転を開始する際には、初期的な処理動作として、第2空気ブロワ22を作動させ、かつ、第2燃料ポンプ23を作動させることにより、燃焼バーナ21に空気及び燃料を供給する。
そして、燃焼バーナ21にて空気と燃料とを燃焼させ、加熱された空気などの燃焼ガスを燃料電池11の空気極11Aに供給する。従って、燃料電池11は、燃焼バーナ21より供給される燃焼ガスにより昇温される。
その後、燃料電池11の温度が、定格温度(例えば、700℃である。)に達した場合には、燃焼バーナ21を停止し、第1空気ブロワ12及び第1燃料ポンプ16の作動に切り替える。
第1空気ブロワ12を起動することにより、第1空気ブロワ12より空気極11Aに空気(酸化剤ガス)が供給される。この空気は、空気加熱熱交換器13の低温側(熱を吸収する側)を通過し、その後、切替弁14を経由して空気極11Aに導入される。この際、空気加熱熱交換器13の高温側(熱を放出する側)には、改質器加熱熱交換器17より排出される高温の排気ガスが導入される。このため、第1空気ブロワ12より空気極11Aに供給される空気は、高温ガスとの間の熱交換により加熱されて、空気極11Aに導入される。
また、第1燃料ポンプ16を起動することにより、第1燃料ポンプ16より燃料改質器15に燃料が供給される。この燃料は、改質器加熱熱交換器17より供給される熱と燃料改質器15の触媒とを利用した触媒反応により改質され、改質後の燃料(水素ガスを含む改質ガス)が、燃料極11Bに導入される。
定格温度(例えば、700℃である。)付近に達すると、空気極11Aが未焼成の状態である未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池11であっても、発電量がある程度得られる(例えば、焼成を完了した空気極を適用した場合の約60〜70%程度の発電量である。)。焼成が完了した金属支持型固体酸化物形燃料電池を当初から搭載した燃料電池発電システムより発電量は低いが、未焼成の空気極11Aを有する未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池11は、負荷に電力を供給することが可能となる。すなわち、燃料電池11は、図示しない車両のモータなどに電力を供給してモータを駆動させ、例えば、車両を試走行させることなどが可能な状態となる。その後、発電が開始されると、例えば、燃料電池11のセル温度が700℃での運転が行われる。
この際、まず、空気の供給方向と燃料の供給方向とが並流になるように、切替弁14が調整されている場合について説明する。つまり、第1空気ブロワ12から供給される空気は、切替弁14を経由し、更に空気流路L3を経由して空気極11Aに導入され、空気極11Aより排出される排気ガスは、空気流路L5を経由して合流部C2に向う。
図2は、本実施形態の燃料電池発電システムの空気の供給方向と燃料の供給方向とが並流であるときの空気供給流量変化によるセル温度の分布状態の変化を示すグラフである。
図2に示すように、発電が開始されると、破線で示すように、セル内位置が空気入口から空気出口へ移行するにしたがって、セル温度が高めになるような分布をしている。
この理由としては、空気入口より暖まった空気が供給され、発電が開始され、発電と共に熱が発生すると、発熱した熱の全てが排気ガスに吸収されることはなく、セル自体の温度が上昇するためと考えられる。
燃料電池は、一定の発電出力が取り出されるように制御されているため、空気入口側の温度を低下させると、空気入口側における発電量も低下する。その代わり、空気出口側における発電量が増加し、全体の出力バランスを維持しようとする。なお、例えば、空気供給流量を増加させることにより、空気入口側の温度を低下させることができる。
その結果、図2において、実線で示すように、下流側で発電量が増加した分、空気出口側におけるセル温度が上昇する。セル温度が上昇すると、空気極の焼成温度(1000℃)付近まで温度を高めることができる。
但し、空気供給流量の上限値は、予備実験などにより予め設定された空気極供給空気量の最大許容値a、及び温度計測装置により計測される空気出口温度が金属支持型固体酸化物形燃料電池の動作上限温度以下となる空気供給流量の最大許容値bのうち小さい方であることが好ましい。空気供給流量の上限値を超えて空気供給流量を増量させると、セルの性能低下や、セパレータの破損などが生じることがある。また、空気供給流量は、第1空気ブロワの能力によっても上限が設けられることがある。
次に、空気の供給方向と燃料の供給方向とが対向流になるように、切替弁14が調整されている場合について説明する。つまり、第1空気ブロワ12から供給される空気は、切替弁14を経由し、更に空気流路L2を経由して空気極11Aに導入され、空気極11Aより排出される排気ガスは、空気流路L3と空気逆流防止弁24Aと空気流路L10と空気逆流防止弁24Bと空気流路L5を経由して合流部C2に向う。
図3は、本実施形態の燃料電池発電システムの空気の供給方向と燃料の供給方向とが対向流であるときの空気供給流量変化によるセル温度の分布状態の変化を示すグラフである。
図3に示すように、発電が開始されると、破線で示すように、セル内位置が空気入口から空気出口へ移行するにしたがって、セル温度が高めになるような分布をしている。
また、燃料電池は、一定の発電出力が取り出されるように制御されているため、空気入口側の温度を低下させると、空気入口側における発電量も低下する。その代わり、空気出口側における発電量が増加し、全体の出力バランスを維持しようとする。上述したように、例えば、空気供給流量を増加させることにより、空気入口側の温度を低下させることができる。
その結果、図3において、実線で示すように、下流側で発電量が増加した分、空気出口側におけるセル温度が上昇する。セル温度が上昇すると、空気極の焼成温度(1000℃)付近まで温度を高めることができる。
このように、燃料電池発電システムは、未焼成の空気極への空気供給流量及び空気供給方向を制御して、未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池の発電量を高めるセル内位置を調整することにより、専用設備を用いることなく、製造コストを削減しつつ、未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池の空気極を焼成することができる。
次に、燃料電池発電システム1の焼成運転における処理動作について一例を挙げて説明する。
図4は、本実施形態の燃料電池発電システムの焼成運転における処理動作の一例を示すフローチャートである。
図4に示すように、焼成運転を開始するに当たり、工程1(図中においてはS1と記載する。以下同様。)においては、空気及び燃料を供給し、定格運転を開始して、工程2に進む。
また、工程2においては、空気供給流量を増加させ、発電量を高めるセル内位置を調整して、工程3に進む。
更に、工程3においては、空気出口温度が、所定の焼成温度に到達したか否かを判断する。所定の焼成温度に到達した場合には、工程4に進む。一方、所定の焼成温度に到達しない場合には、工程2に戻る。
また、工程4においては、発電を継続して、工程5に進む。
更に、工程5においては、所定の時間経過したか否かを判断する。所定の時間経過した場合には、工程6に進む。一方、所定の時間経過しない場合には、工程4に戻る。
また、工程6においては、空気供給方向の切替が必要か否かを判断する。本例の場合には、空気供給方向の切替を1回以上行う必要があるため、具体的には、空気供給方向の切替を1回行ったか否かを判断する。空気供給方向の切替が必要である場合には、工程7に進む。一方、空気供給方向の切替が必要でない場合には、焼成運転を終了する。
そして、工程7においては、空気供給方向を切り替えて、S1に戻る。
また、例えば、図示しないが、所定の焼成温度に到達しない場合に工程3から工程2に戻るに際して、空気供給流量制御装置が、空気供給流量の(n−1)回目の再設定値(nは正の整数であり、n=1の場合である0回目の再設定値は初期値を意味する。)から増量制御し、制御効果判断装置が、空気供給流量の増量制御による効果が有ると判断したときには、空気供給流量制御装置が、空気供給流量の増量制御の後における空気供給流量をn回目の再設定値と規定して、n回目の再設定値である空気供給流量を所定時間保持するようにすることが好ましい。このように増量制御による効果があると判断できる場合には、所定の焼成温度に到達しないまでも、セル温度が上昇するため、所定時間保持することにより、急激な温度変化を防ぐと共に、所望の焼成温度に調整し易いという利点がある。
更に、例えば、制御効果判断装置が、空気供給流量の増量制御による効果の有無を温度計測装置により計測される空気出口温度又はその上昇幅に基づいて判断することが好ましい。これにより、急激な温度変化を防ぐと共に、所望の焼成温度により調整し易いという利点がある。
また、空気供給流量制御装置が、空気供給流量の(n−1)回目の再設定値(nは正の整数であり、n=1の場合である0回目の再設定値は初期値を意味する。)から増量制御した後であって、かつ、空気供給方向切替装置が、温度計測装置により計測される空気出口温度が所定の焼成温度に到達後、所定の時間経過したと判断したときに、未焼成の空気極への空気供給方向を切り替えることが好ましい。これにより、適切に焼成された空気極となる。
更に、焼成温度よって、適切な焼成時間が決まるため、未焼成の空気極の焼成温度に応じた適切な焼成時間を予備実験などにより求め、予め設定される未焼成空気極の焼成温度と焼成時間との相関関係に関するデータを制御装置に格納して、この相関関係に関するデータより所定の時間を決定することが好ましい。焼成温度に応じた適切な焼成時間としない場合には、過度の焼成による空気極やセルの性能低下や、空気極やセルの破損が生じるおそれがある。
未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池の一例を挙げて焼成温度と焼成時間との関係、更にはセル内位置とセル温度との関係を説明する。
未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池として、金属基板を使用し、金属基板/燃料極/電解質からなるハーフセル上に、LSCF(La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8)を主体とするペーストをスクリーン印刷し、更に、90℃で乾燥して、未焼成の空気極を形成し、スタックに組み込んだものを用いた。
図5は、LSCFの焼成温度と適切な焼成時間との関係を示すグラフである。
図5に示すように、焼成温度によって、LSCF(La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8)の適切な焼成時間は異なる。具体的には、焼成温度が850℃の場合には、5時間の焼成時間、焼成温度が900℃の場合には、3時間の焼成時間、焼成温度が950℃の場合には、2時間の焼成時間、焼成温度が1000℃の場合には、1時間の焼成時間、焼成温度が1100℃の場合には、30分間の焼成時間となる。なお、金属基板を使用する場合、焼成温度の上限は1000℃とすることが好ましい。
例えば、空気の供給方向と燃料の供給方向とが並流であるとき、空気出口温度が950℃となるように、空気供給流量を増量制御する。このとき、セル温度は、図6に示すような分布になる。
なお、図6は、LSCF(La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8)を適用した未焼成の空気極を有する燃料電池発電システムにおいて、空気の供給方向と燃料の供給方向とが並流であるときの空気供給流量を増量制御した後のセル温度の分布状態を示すグラフである。
次いで、例えば、空気の供給方向と燃料の供給方向とが対向流であるとき、空気出口温度が950℃となるように、空気供給流量を増量制御する。このとき、セル温度は、図7に示すような分布になる。
なお、図7は、LSCF(La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8)を適用した未焼成の空気極を有する燃料電池発電システムにおいて、空気の供給方向と燃料の供給方向とが対向流であるときの空気供給流量を増量制御した後のセル温度の分布状態を示すグラフである。
つまり、焼成運転を開始するに当たり、空気及び燃料を供給して、定格運転を開始する。そして、定格運転が開始されたら、例えば、温度計測装置25Bにより空気出口温度を計測する(このとき、空気の供給方向と燃料の供給方向とは並流である。)。更に、空気出口温度が所定の焼成温度(例えば、950℃である。)になるよう、第1空気ブロワ12より供給される空気供給流量を増量制御し、空気入口側のセル温度を低下させ、発電を空気出口側で集中的に行うようにさせる。このようにすることにより、空気出口側における発電によって、セル温度が上昇し、所望の焼成温度まで上昇させることができる。所定の焼成温度に到達した後は、所定の時間経過するまで発電、すなわち、焼成を継続する。焼成時間と焼成温度の相関関係は予め取得してあるため、焼成温度に応じた焼成時間を制御装置により適宜設定する。所定の時間経過した後、切替弁14を作動させ、空気の供給方向を反対に切り替える(このとき、空気の供給方向と燃料の供給方向とは対向流である。)。このときも、温度計測装置25Aにより空気出口温度を計測し、空気入口温度が所定の焼成温度(例えば、950℃である。)になるよう、第1空気ブロワ12より供給される空気供給流量を増量制御し、空気入口側のセル温度を低下させ、発電を空気出口側で集中的に行うようにさせる。このようにすることにより、空気出口側における発電によって、セル温度が上昇し、所望の焼成温度まで上昇させることができる。所定の焼成温度に到達した後は、所定の時間経過するまで発電、すなわち、焼成を継続する。焼成時間と焼成温度の相関関係は予め取得してあるため、焼成温度に応じた焼成時間を制御装置により適宜設定する。所定の時間経過した後、焼成運転を終了する。
このように、セルの両側から焼成温度に到達させると、セルの片側からのみ焼成温度に到達させる場合より、より短い時間でセルの焼成を全領域において行うことができる。また、セルの両側から焼成温度に到達させる方が、セル内位置におけるセル温度の分布を平準化することができる利点もある。
図8は、本実施形態の燃料電池発電システムの焼成運転における処理動作の他の一例を示すフローチャートである。
図8に示すように、焼成運転を開始するに当たり、工程1においては、空気及び燃料を供給し、定格運転を開始して、工程12に進む。
また、工程12においては、空気供給流量を増加させ、発電量を高めるセル内位置を調整して、工程13に進む。
更に、工程13においては、空気出口温度が、所定の焼成温度に到達したか否かを判断する。所定の焼成温度に到達した場合には、工程14に進む。一方、所定の焼成温度に到達しない場合には、工程12に戻る。
また、工程14においては、発電を継続して、工程15に進む。
更に、工程15においては、所定の時間経過したか否かを判断する。所定の時間経過した場合には、工程16に進む。一方、所定の時間経過しない場合には、工程14に戻る。
また、工程16においては、空気供給方向の切替が必要か否かを判断する。本例の場合には、空気供給方向の切替を5回以上行う必要があるため、具体的には、空気供給方向の切替を5回行ったか否かを判断する。空気供給方向の切替が必要である場合には、工程17に進む。一方、空気供給方向の切替が必要でない場合には、焼成運転を終了する。
そして、工程17においては、空気供給方向を切り替えて、S11に戻る。
上記のような処理動作を行うと、セル温度は、図9に示すような分布となる。
なお、図9は、LSCF(La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8)を適用した未焼成の空気極を有する燃料電池発電システムにおいて、空気の供給方向と燃料の供給方向とが並流であるときの空気供給流量を増量制御した後のセル温度の分布状態を示すグラフである。また、図9には、図6で示したLSCF(La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8)を適用した未焼成の空気極を有する燃料電池発電システムにおいて、空気の供給方向と燃料の供給方向とが並流であるときの空気供給流量を増量制御した後のセル温度の分布状態を比較のために併せて示す。
図9に示すように、空気の供給方向と燃料の供給方向とを並流で1回焼成した場合に比較して、未焼成の空気極への空気供給方向を複数回切り替えることにより、空気の供給方向と燃料の供給方向とを並流で3回焼成した場合は、セル中央部の発電性能が向上し、セル中央部のセル温度が高くなる。これにより、セルの空気出口側となる両側だけでなく、セル中央部についても十分に焼成することができる。
また、例えば、図示しないが、所定の焼成温度に到達しない場合に工程13から工程12に戻るに際して、空気供給流量制御装置が、空気供給流量の(n−1)回目の再設定値(nは正の整数であり、n=1の場合である0回目の再設定値は初期値を意味する。)から増量制御し、制御効果判断装置が、空気供給流量の増量制御による効果が有ると判断したときには、空気供給流量制御装置が、空気供給流量の増量制御の後における空気供給流量をn回目の再設定値と規定して、n回目の再設定値である空気供給流量を所定時間保持するようにすることが好ましい。このように増量制御による効果があると判断できる場合には、所定の焼成温度に到達しないまでも、セル温度が上昇するため、所定時間保持することにより、急激な温度変化を防ぐと共に、所望の焼成温度に調整し易いという利点がある。
更に、例えば、制御効果判断装置が、空気供給流量の増量制御による効果の有無を温度計測装置により計測される空気出口温度又はその上昇幅に基づいて判断することが好ましい。これにより、急激な温度変化を防ぐと共に、所望の焼成温度により調整し易いという利点がある。
また、空気供給流量制御装置が、空気供給流量の(n−1)回目の再設定値(nは正の整数であり、n=1の場合である0回目の再設定値は初期値を意味する。)から増量制御した後であって、かつ、空気供給方向切替装置が、温度計測装置により計測される空気出口温度が所定の焼成温度に到達後、所定の時間経過したと判断したときに、未焼成の空気極への空気供給方向を切り替えることが好ましい。これにより、適切に焼成された空気極となる。
更に、焼成温度よって、適切な焼成時間が決まるため、未焼成の空気極の焼成温度に応じた適切な焼成時間を予備実験などにより求め、予め設定される未焼成の空気極の焼成温度と焼成時間との相関関係に関するデータを制御装置に格納して、この相関関係に関するデータより所定の時間を決定することが好ましい。焼成温度に応じた適切な焼成時間としない場合には、過度の焼成による空気極やセルの性能低下や、空気極やセルの破損が生じるおそれがある。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る燃料電池発電システムについて詳細に説明する。図10は、本実施形態の燃料電池発電システム1Aの概略を示す構成図である。なお、上述した実施形態において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
図10に示すように、燃料電池発電システム1Aは、燃料電池11の空気極11Aの空気出口側における燃料電池11の電圧を計測する電圧計測装置26A,26Bを更に備え、電圧計測装置26A,26Bがそれぞれ制御装置28に接続されている構成が、上述した実施形態(燃料電池発電システム1)と相違する。
なお、空気流れ方向と燃料流れ方向とが並流である場合、空気出口側における燃料電池の電圧を計測する電圧計測装置は26Bで示す方のことであり、空気流れ方向と燃料流れ方向とが対向流である場合、空気出口側の燃料電池の電圧を計測する電圧計測装置は26Aで示す方のことである。
そして、制御装置28は、燃料電池11と接続され、燃料電池11から一定の発電出力を取り出す一定発電出力取出装置として機能することができる。
また、制御装置28は、例えば、第1空気ブロワ12と協働して、空気供給流量制御装置として機能することができる。
更に、制御装置28は、例えば、切替弁14と協働して、更には電圧計測装置26A,26Bと協働して、空気供給方向切替装置として機能することができる。
また、制御装置28は、例えば、制御効果判断装置として機能することもでき、例えば、温度計測装置25A,25Bと協働して、温度計測装置25A,25Bにより計測される空気出口温度や空気出口温度の上昇幅に基づいて、空気供給流量の増量制御による効果の有無を判断することができる。
そして、これら一定発電出力取出装置、空気供給流量制御装置、空気供給方向切替装置、制御効果判断装置などは協働して、空気極焼成装置B1として機能することができる。
なお、本実施形態でも、酸化剤ガスの一例として空気を用いる例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、酸素を含むガスであれば空気以外のものを用いることができる。
このように、燃料電池発電システムは、未焼成の空気極への空気供給流量及び空気供給方向を制御して、未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池の発電量を高めるセル内位置を調整することにより、専用設備を用いることなく、製造コストを削減しつつ、未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池の空気極を焼成することができる。
次に、燃料電池発電システム1Aの焼成運転における処理動作について一例を挙げて説明する。
図11は、本実施形態の燃料電池発電システムの焼成運転における処理動作の一例を示すフローチャートである。
図11に示すように、焼成運転を開始するに当たり、工程21においては、空気及び燃料を供給し、定格運転を開始して、工程22に進む。
また、工程22においては、空気供給流量を増加させ、発電量を高めるセル内位置を調整して、工程23に進む。
更に、工程23においては、空気出口温度が、所定の焼成温度に到達したか否かを判断する。所定の焼成温度に到達した場合には、工程24に進む。一方、所定の焼成温度に到達しない場合には、工程22に戻る。
また、工程24においては、発電を継続して、工程25に進む。
更に、工程25においては、所定の電圧に到達したか否かを判断する。所定の電圧に到達した場合には、工程26に進む。一方、所定の電圧に到達しない場合には、工程24に戻る。
また、工程26においては、空気供給方向の切替が必要か否かを判断する。本例の場合には、空気供給方向の切替を1回以上行う必要があるため、具体的には、空気供給方向の切替を1回行ったか否かを判断する。空気供給方向の切替が必要である場合には、工程27に進む。一方、空気供給方向の切替が必要でない場合には、焼成運転を終了する。
そして、工程27においては、空気供給方向を切り替えて、S21に戻る。
また、例えば、図示しないが、所定の焼成温度に到達しない場合に工程23から工程22に戻るに際して、空気供給流量制御装置が、空気供給流量の(n−1)回目の再設定値(nは正の整数であり、n=1の場合である0回目の再設定値は初期値を意味する。)から増量制御し、制御効果判断装置が、空気供給流量の増量制御による効果が有ると判断したときには、空気供給流量制御装置が、空気供給流量の増量制御の後における空気供給流量をn回目の再設定値と規定して、n回目の再設定値である空気供給流量を所定時間保持するようにすることが好ましい。このように増量制御による効果があると判断できる場合には、所定の焼成温度に到達しないまでも、セル温度が上昇するため、所定時間保持することにより、急激な温度変化を防ぐと共に、所望の焼成温度に調整し易いという利点がある。
更に、例えば、制御効果判断装置が、空気供給流量の増量制御による効果の有無を温度計測装置により計測される空気出口温度又はその上昇幅に基づいて判断することが好ましい。これにより、急激な温度変化を防ぐと共に、所望の焼成温度により調整し易いという利点がある。
また、空気供給流量制御装置が、空気供給流量の(n−1)回目の再設定値(nは正の整数であり、n=1の場合である0回目の再設定値は初期値を意味する。)から増量制御した後であって、かつ、空気供給方向切替装置が、電圧計測装置により計測される予備金属支持型固体酸化物形燃料電池の電圧が所定の電圧又は所定の電圧の上昇幅に到達したと判断したときに、未焼成の空気極への空気供給方向を切り替えることが好ましい。これにより、適切に焼成された空気極となる。
更に、電圧よって、適切な焼成時間が決まるため、未焼成の空気極の電圧に応じた適切な焼成時間を予備実験などにより求め、予め設定される未焼成の空気極の電圧と焼成時間との相関関係に関するデータを制御装置に格納して、この相関関係に関するデータより所定の時間を決定することが好ましい。電圧に応じた適切な焼成時間としない場合には、過度の焼成による空気極やセルの性能低下や、空気極やセルの破損が生じるおそれがある。
つまり、焼成運転を開始するに当たり、空気及び燃料を供給して、定格運転を開始する。そして、定格運転が開始されたら、例えば、温度計測装置25Bにより空気出口温度を計測する(このとき、空気の供給方向と燃料の供給方向とは並流である。)。更に、空気出口温度が所定の焼成温度(例えば、950℃である。)になるよう、第1空気ブロワ12より供給される空気供給流量を増量制御し、空気入口側のセル温度を低下させ、発電を空気出口側で集中的に行うようにさせる。このようにすることにより、空気出口側における発電によって、セル温度が上昇し、所望の焼成温度まで上昇させることができる。所定の焼成温度に到達した後は、所定の電圧に到達するまで発電、すなわち、焼成を継続する。ある温度における焼成温度とセル電圧との相関関係は予め取得してあるため、焼成温度に応じたセル電圧を制御装置により適宜設定する。これにより、焼成に伴って空気極の性能が徐々に向上し、セル電圧が上昇する。セル電圧が所定の電圧に到達した後、切替弁14を作動させ、空気の供給方向を反対に切り替える(このとき、空気の供給方向と燃料の供給方向とは対向流である。)。このときも、温度計測装置25Aにより空気出口温度を計測し、空気入口温度が所定の焼成温度(例えば、950℃である。)になるよう、第1空気ブロワ12より供給される空気供給流量を増量制御し、空気入口側のセル温度を低下させ、発電を空気出口側で集中的に行うようにさせる。このようにすることにより、空気出口側における発電によって、セル温度が上昇し、所望の焼成温度まで上昇させることができる。所定の焼成温度に到達した後は、所定の電圧に到達するまで発電、すなわち、焼成を継続する。ある温度における焼成温度とセル電圧との相関関係は予め取得してあるため、焼成温度に応じたセル電圧を制御装置により適宜設定する。所定の電圧に到達した後、焼成運転を終了する。
なお、図示しないが、燃料電池の空気極の空気出口側における燃料電池の電圧を計測する電圧計測装置に加えて又は代えて、燃料電池の空気極の空気出口側における燃料電池の電流を計測する電流計測装置を備えた構成とし、これに基づいて同様の処理動作をするようにしてもよい。
また、空気の供給方向の切替の判断を行う際に、電圧や電圧の上昇幅を判断基準とする以外に、電圧の変化がある所定値以下になった場合を判断基準としてもよい。特に、焼成運転終了の判断基準として電圧の変化がある所定値以下になった場合を適用することは好ましい。焼成に伴って空気極の性能が徐々に向上し、セル電圧が徐々に増加する。しかしながら、焼成が十分に行われた場合は、電圧の増加が緩やかになり、最終的に±数mVまで落ち着いてくる。そこで、この電圧の変化幅を計測して、焼成運転終了の判断基準としても良い。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係る燃料電池発電システムについて詳細に説明する。図12は、本実施形態の燃料電池発電システム1Bの概略を示す構成図である。なお、上述した実施形態において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
図12に示すように、燃料電池発電システム1Bは、空気極11A及び燃料極11Bを備えた燃料電池11と、燃料電池11の空気極11Aに空気(酸化剤ガス)を供給する第1空気ブロワ12と、第1空気ブロワ12より供給される空気を加熱する空気加熱熱交換器13と、供給される改質燃料の供給方向を切り替える切替弁14と、供給される燃料を改質して燃料電池11の燃料極11Bに改質燃料を供給する燃料改質器15と、燃料改質器15に炭化水素燃料等の燃料を供給する第1燃料ポンプ16と、を備えている。
また、燃料電池発電システム1Bは、空気極11Aより排出される排気ガスが有する熱により燃料改質器15を加熱する改質器加熱熱交換器17と、燃料極11Bより排出される燃料ガスを燃料改質器15に循環させる燃料循環ブロア18と、燃料極11Bより排出される燃料ガスの一部を改質器加熱熱交換器17側に導入する燃料流路圧力調整弁19と、改質器加熱熱交換器17に導入される排気ガスの一部を外部へ排出する排気流路圧力調整弁20と、を備えている。
更に、燃料電池発電システム1Bは、供給される空気(酸化剤ガス)と燃料とを燃焼して燃料電池11の空気極の11Aに加熱された空気などの燃焼ガスを供給する燃焼バーナ21と、燃焼バーナ21に空気(酸化剤ガス)を供給する第2空気ブロワ22と、燃焼バーナ21に燃料を供給する第2燃料ポンプ23と、を備えている。
また、燃料電池発電システム1Bは、燃料排出時の燃料ガスの逆流を防止する燃料排出逆流防止弁24C,24Dを備えている。
更に、燃料電池発電システム1Bは、燃料電池11の燃料極11Bの燃料入口側セパレータの温度を計測する温度計測装置25C,25Dを備えている。なお、空気流れ方向と燃料流れ方向とが並流である場合、燃料入口側セパレータの温度を計測する温度計測装置は25Cで示す方のことであり、空気流れ方向と燃料流れ方向とが対向流である場合、燃料入口側セパレータの温度を計測する温度計測装置は25Dで示す方のことである。
そして、第1空気ブロワ12は、空気流路L11の上流端又は上流側に配設されており、空気流路L11の第1空気ブロワ12の下流側に空気加熱熱交換器13が配設されており、空気流路L11の下流端に空気極11Aが配設されている。
また、第1燃料ポンプ16は、燃料流路L12の上流端又は上流側に配設されており、燃料流路L12の第1燃料ポンプ16の下流側に燃料改質器15が配設されており、燃料流路L12の下流端に下流端に切替弁14が配設されており、切替弁14により分岐された燃料流路(L13,L14)の下流端に燃料極11Bが配設されている。
更に、空気極11Aは、空気流路L15の上流端に配設されており、空気流路L15の空気極11Aより下流側に改質器加熱熱交換器17が配設されており、空気流路L15の改質器加熱熱交換器17の下流側に空気加熱熱交換器13が配設されており、空気流路L15の空気極11Aより下流側、かつ、改質器加熱熱交換器17より上流側で接続された分岐流路L15’に排気流路圧力調整弁20が配設されている。
また、燃料極11Bは、燃料流路L16の上流端に配設されており、燃料流路L16の燃料極11Bより下流側に燃料循環ブロア18が配設されており、燃料流路L16の下流端が、第1燃料ポンプ16の下流側、かつ、燃料改質器15の上流側の燃料流路L12に設けられた合流部C11で接続されており、燃料流路L16の燃料循環ブロア18より下流側、かつ、燃料流路L16の下流端(合流部C11)より上流側で接続された分岐流路L16’に燃料流路圧力調整弁19が配設されており、分岐流路L16’の下流端が、空気流路L15の空気極11Aより下流側、かつ、空気流路L15の分岐流路L15’の接続位置より上流側に設けられた合流部C12で接続されている。
更に、第2空気ブロワ22は、空気流路L17の上流端又は上流側に配設されており、第2燃料ポンプ23は、燃料流路L18の上流端又は上流側に配設されており、空気流路L17及び燃料流路L18の下流端に燃焼バーナ21が配設されている。
また、燃焼バーナ21は、空気流路L19の上流端に配設されており、空気流路L19の下流端が、空気加熱熱交換器13の下流側、かつ、空気極11Aの上流側の空気流路L11に設けられた合流部C13で接続されている。
更に、燃料排出逆流防止弁24Cは、空気流路L14の切替弁14と燃料極11Bとの間に設けられ、燃料排出逆流防止弁24Dは、空気流路L15の燃料極11Bと燃料循環ブロア18との間に設けられ、燃料排出逆流防止弁24Cと燃料排出逆流防止弁24Dとは燃料流路L20で接続されている。
なお、本実施形態では、酸化剤ガスの一例として空気を用いる例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、酸素を含むガスであれば空気以外のものを用いることができる。
そして、燃料電池11は、例えば、未焼成の燃料極を焼成することにより、金属基板、燃料極、電解質及び空気極を備え、これらがこの順で積層された状態で配置されている金属支持型固体酸化物形燃料電池として成立する未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池であり、燃料極の焼成後においては、燃料極11Bに供給される改質された燃料と、空気極11Aに供給される空気とにより電力を発生させて、この電力をモータ等の電力需要機器に供給する。
また、燃料改質器15は、改質器加熱熱交換器17より供給される熱により加熱され、第1燃料ポンプ16より供給される燃料を触媒反応により改質し、改質後の燃料(水素ガスを含む改質ガス)を燃料電池11の燃料極11Bに供給する。
更に、第1空気ブロワ12、切替弁14、第1燃料ポンプ16、燃料循環ブロワ18、燃料流路圧力調整弁19、排気流路圧力調整弁20、第2空気ブロワ22、第2燃料ポンプ23、燃料排出逆流防止弁24C,24D、温度計測装置25C,25Dは、それぞれ制御装置28に接続されている。
制御装置28は、例えば、CPUやRAM、ROMその他の各種の操作子を有する装置であり、電力の出力要求に応じて各機器に制御信号を送信して各機器を制御するものである。
そして、制御装置28は、燃料電池11と接続され、燃料電池11から一定の発電出力を取り出す一定発電出力取出装置として機能することができる。
また、制御装置28は、例えば、第1燃料ポンプ16と協働して、燃料供給流量制御装置として機能することができる。
更に、制御装置28は、例えば、切替弁14と協働して、更には温度計測装置25C,25Dと協働して、燃料供給方向切替装置として機能することができる。
また、制御装置28は、例えば、制御効果判断装置として機能することもでき、例えば、温度計測装置25C,25Dと協働して、温度計測装置25C,25Dにより計測される燃料入口温度や燃料入口温度の上昇幅に基づいて、燃料供給流量の増量制御による効果の有無を判断することができる。
そして、これら一定発電出力取出装置、燃料供給流量制御装置、燃料供給方向切替装置、制御効果判断装置などは協働して、燃料極焼成装置B2として機能することができる。
そして、上述した第1又は第2の実施形態における未焼成の空気極に対する処理動作を未焼成の燃料極に対する処理動作に変更することにより、本実施形態の燃料電池発電システムも、未焼成の燃料極への燃料供給流量及び燃料供給方向を制御して、未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池の発電量を高めるセル内位置を調整することにより、専用設備を用いることなく、製造コストを削減しつつ、未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池の燃料極を焼成することができる。
(第4の実施形態)
次に、図示しないが、第4の実施形態に係る燃料電池発電システムについて詳細に説明する。
本実施形態の燃料電池発電システムは、未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池と、空気極及び燃料極の焼成装置とを具備したものである。
そして、未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池は、未焼成の空気極及び燃料極を焼成することにより、金属基板、燃料極、電解質及び空気極を備え、これらがこの順で積層された状態で配置されている金属支持型固体酸化物形燃料電池として成立するものである。
また、空気極及び燃料極の焼成装置は、未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池の焼成運転に当たり、未焼成の空気極への空気供給流量及び未焼成の燃料極への燃料供給流量並びに未焼成の空気極への空気供給方向と未焼成の燃料極への燃料供給方向の相対的な関係を制御して、未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池の発電量を高めるセル内位置を調整するものである。
このような本実施形態の燃料電池発電システムも、未焼成の空気極への空気供給流量及び未焼成の燃料極への燃料供給流量並びに未焼成の空気極への空気供給方向と未焼成の燃料極への燃料供給方向の相対的な関係を制御して、未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池の発電量を高めるセル内位置を調整することにより、専用設備を用いることなく、製造コストを削減しつつ、未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池の空気極及び燃料極を焼成することができる。
なお、本実施形態の燃料電池発電システムの一例としては、図1又は図10でそれぞれ示した第1又は第2の実施形態の燃料電池発電システムにおいて、燃料電池が未焼成の空気極及び燃料極を有する場合を挙げることができる。
以上、本発明を若干の実施形態によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、上述した各実施形態に記載した構成は、実施形態毎に限定されるものではなく、例えば、各種装置の細部を同様の機能を有する任意の構成に変更したり、各実施形態の構成を上述した各実施形態以外の組み合わせにしたりすることができる。
また、例えば、第1又は第2の実施形態の燃料電池発電システムは、必要により第3の実施形態において説明した各種装置を適宜配設し、制御装置と接続することなどにより、燃料電池が未焼成の空気極及び燃料極を有する未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池を備えた燃料電池発電システムとすることもできる。
更に、例えば、第3の実施形態の燃料電池発電システムは、必要により第1又は第2の実施形態において説明した各種装置を適宜配設し、制御装置と接続することなどにより、燃料電池が未焼成の空気極及び燃料極を有する未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池を備えた燃料電池発電システムとすることもできる。
1,1A,1B 燃料電池発電システム
11 燃料電池
11A 空気極
11B 燃料極
12 第1空気ブロワ
13 空気加熱熱交換器
14 切替弁
15 燃料改質器
16 第1燃料ポンプ
17 改質器加熱熱交換器
18 燃料循環ブロワ
19 燃料流路圧力調整弁
20 排気流路圧力調整弁
21 燃焼バーナ
22 第2空気ブロワ
23 第2燃料ポンプ
24A,24B 空気排出逆流防止弁
24C,24D 燃料排出逆流防止弁
25A,25B,25C,25D 温度計測装置
26A,26B 電圧計測装置
28 制御装置
B,B1 空気極焼成装置
B2 燃料極焼成装置
C1,C2,C3,C11,C12,C13 合流部
L1,L2,L3,L5,L7,L9,L10,L11,L15,L17,L19 空気流路
L4,L6,L8,L12,L13,L14,L16,L18,L20 燃料流路
L5’,L6’,L15’,L16’ 分岐流路

Claims (12)

  1. 未焼成の空気極を焼成することにより、金属基板、燃料極、電解質及び空気極を備え、これらがこの順で積層された状態で配置されている金属支持型固体酸化物形燃料電池として成立する未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池と、
    上記未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池の焼成運転に当たり、上記未焼成の空気極への空気供給流量及び空気供給方向を制御して、該未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池の発電量を高めるセル内位置を調整する空気極焼成装置と、を具備した
    ことを特徴とする燃料電池発電システム。
  2. 上記空気極焼成装置が、上記未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池から一定の発電出力を取り出す一定発電出力取出装置と、
    上記未焼成の空気極への空気供給流量の増量制御を実行できる空気供給流量制御装置と、
    上記未焼成の空気極への空気供給方向を切り替える空気供給方向切替装置と、
    上記未焼成の空気極の空気出口側温度を計測する温度計測装置、上記未焼成の空気極の空気出口側における上記未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池の電圧を計測する電圧計測装置、及び上記未焼成の空気極の空気出口側における上記未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池の電流を計測する電流計測装置のうちの少なくとも1つと、
    上記空気供給流量の増量制御による効果の有無を判断する制御効果判断装置と、を備えた
    ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池発電システム。
  3. 上記空気供給流量制御装置が、上記空気供給流量の(n−1)回目の再設定値(nは正の整数であり、n=1の場合である0回目の再設定値は初期値を意味する。)から増量制御し、
    上記制御効果判断装置が、上記空気供給流量の増量制御による効果が有ると判断したときには、上記空気供給流量制御装置が、上記空気供給流量の増量制御の後における空気供給流量をn回目の再設定値と規定して、n回目の再設定値である空気供給流量を所定時間保持する
    ことを特徴とする請求項2に記載の燃料電池発電システム。
  4. 上記制御効果判断装置が、上記空気供給流量の増量制御による効果の有無を上記温度計測装置により計測される空気出口温度、又は該空気出口温度の上昇幅に基づいて判断する
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載の燃料電池発電システム。
  5. 上記空気供給流量の上限値は、予め設定される空気極供給空気量の最大許容値a、及び上記温度計測装置により計測される空気出口温度が上記金属支持型固体酸化物形燃料電池の動作上限温度以下となる空気供給流量の最大許容値bのうち小さい方であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1つの項に記載の燃料電池発電システム。
  6. 上記空気供給流量制御装置が、上記空気供給流量の(n−1)回目の再設定値(nは正の整数であり、n=1の場合である0回目の再設定値は初期値を意味する。)から増量制御した後であって、かつ、上記空気供給方向切替装置が、上記温度計測装置により計測される空気出口温度が所定の焼成温度に到達後、所定の時間経過したと判断したときに、上記未焼成の空気極への空気供給方向を切り替える
    ことを特徴とする請求項2〜5のいずれか1つの項に記載の燃料電池発電システム。
  7. 上記所定の時間は、予め設定される上記未焼成の空気極の焼成温度と焼成時間との相関関係により決定されることを特徴とする請求項6に記載の燃料電池発電システム。
  8. 上記空気供給流量制御装置が、上記空気供給流量の(n−1)回目の再設定値(nは正の整数であり、n=1の場合である0回目の再設定値は初期値を意味する。)から増量制御した後であって、かつ、上記空気供給方向切替装置が、上記電圧計測装置により計測される上記未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池の電圧が所定の電圧又は該所定の電圧の上昇幅に到達したと判断したときに、上記未焼成の空気極への空気供給方向を切り替える
    ことを特徴とする請求項2〜7のいずれか1つの項に記載の燃料電池発電システム。
  9. 上記所定の時間は、予め設定される電圧と焼成時間との相関関係により決定されることを特徴とする請求項8に記載の燃料電池発電システム。
  10. 上記空気供給方向切替装置が、上記未焼成の空気極への空気供給方向を複数回切り替えることを特徴とする請求項2〜9のいずれか1つの項に記載の燃料電池発電システム。
  11. 未焼成の燃料極を焼成することにより、金属基板、燃料極、電解質及び空気極を備え、これらがこの順で積層された状態で配置されている金属支持型固体酸化物形燃料電池として成立する未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池と、
    上記未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池の焼成運転に当たり、上記未焼成の燃料極への燃料供給流量及び燃料供給方向を制御して、該未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池の発電量を高めるセル内位置を調整する空気極焼成装置と、を具備した
    ことを特徴とする燃料電池発電システム。
  12. 未焼成の空気極及び燃料極を焼成することにより、金属基板、燃料極、電解質及び空気極を備え、これらがこの順で積層された状態で配置されている金属支持型固体酸化物形燃料電池として成立する未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池と、
    上記未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池の焼成運転に当たり、上記未焼成の空気極への空気供給流量及び上記未焼成の燃料極への燃料供給流量並びに上記未焼成の空気極への空気供給方向と上記未焼成の燃料極への燃料供給方向の相対的な関係を制御して、該未完成の金属支持型固体酸化物形燃料電池の発電量を高めるセル内位置を調整する空気極及び燃料極の焼成装置と、を具備した
    ことを特徴とする燃料電池発電システム。
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