JP6391082B2 - 混合噴出器 - Google Patents
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Description
また、2液混合型の接着剤をノズルなどから噴出させて使用する場合には、混合後時間が経過すると固まってしまうため、使用する直前に混合する必要がある
しかし、このように噴出器のシリンジを振るだけでは、液剤が十分に混合できない場合があり、とくに液剤の粘性が高いような場合や互いに分離しやすい性質の液剤の場合には、混合が不十分となることがあった。
また、上記特許文献2記載の混合噴出器は、複数の液剤を一体にすることはできるが攪拌できるわけではないから、従来と同様にシリンジを振って混合しなければならず、やはり十分に混合することができなかった。
しかも、これら特許文献1や特許文献2記載のものでは、予め各液剤の種類と量の組合せをそろえておかなければならないから、必要とされる液剤の種類や混合比などの多様性に対応することが難しいという問題があった。
また、混合噴出器のプランジャーの具体的実施形態として、外側フランジの後端面には内側フランジが嵌入する凹部を具え、内側フランジが凹部に嵌合したとき、両フランジの後端面が面一となることを特徴とする構成、さらに、外側フランジは円形状をなし、内側フランジは半円形状をなしていることを特徴とする構成を採用する。
さらに、混合噴出器のシリンジの具体的実施形態として、シリンジの装着部は、ノズル部を間隙を介して囲むように筒状に突設された装着筒部であり、その内周面には、ノズル部に嵌合する孔部を有するキャップの筒状部と螺合するねじ部が設けられていることを特徴とする構成を採用する。
図1に示すように、シリンジAは、円筒状の胴部1の一端が開放されて、周囲にフランジ部2が設けられ、胴部1の他端には、シリンジA内に連通する連通孔4を有するノズル部3が、胴部1から縮径して形成された前壁5に設けられている。
前壁5には、装着筒部6が、ノズル部3を間隙を介して囲むように前方に筒状に突出して設けられ、液剤をシリンジA内に吸引する吸引具Cを装着している。装着筒部6の内周面には、吸引具Cと螺合するめねじ7が形成されている。
なお、吸引具Cは必ずしも必要ではなく、ノズル部3から液剤を直接吸引することも可能である。
プランジャーBは、シリンジAの第1シリンダ部8に密接して摺動する円筒状の外側ロッド10と、外側ロッド10の内周面により形成された第2シリンダ部12に摺動可能に嵌入される内側ロッド11とからなっている。
外側ロッド10の先端には、多数の小孔通路13を形成する網状部材からなる前端壁14が設けられ、小孔通路13を介してシリンジAの第1シリンダ部8と外側ロッド10の第2シリンダ部12とが連通するようになっている。
また、前端壁14は網状部材でなくともよく、多数の小孔を穿孔することによって小孔通路13を形成してもよい。
さらに、混合する液剤によっては、小孔通路13は単独の小孔であってもよい。
これらの第1,第2摺接突部15,16は、それぞれ外側ロッド10および内側ロッド11に一体に形成されていてもよいが、ガスケットなどの別部品を装着することによって形成されてもよい。
外側フランジ17の後端面には、内側フランジ18が嵌入可能な凹部19が設けられており、内側フランジ18が凹部19に嵌合して凹部19の底部に接し、外側フランジ17と内側フランジ18が完全に重なり合うと、両フランジの後端面は面一となって外側フランジ17と内側フランジ18とを同時に押圧することが可能となり、あたかもプランジャーB全体のフランジのように機能する。
なお、内側フランジ18は必ずしも半円形状でなくともよく、外側フランジ17のみを容易に操作することができるように、角形形状など外側フランジ17と平面視で重ならない部分ができるような形状とすればよい。
このように、外側ロッド10と内側ロッド11は、互いに軸方向に近接するように押圧され重なり合うと、全体が一体のプランジャーの如く機能するようになっている。
なお、内側ロッド11には、第2シリンダ部12を密封する第2摺接突部16が設けられているから、先端部20は、必ずしも小孔通路13を密閉しなくともよいが、このように前端壁14に接して小孔通路13を密閉するようにすれば、より無駄なく効率的に液剤を混合して噴出させることができる。
取付基部31は、針部30と反対側の後部に、針部30に連通しノズル部3に嵌合する孔部32を有する筒状部33を具え、その外周面には装着筒部6のめねじ7に螺合するおねじ34が設けられている。
筒状部33は、おねじ34がめねじ7に螺合してノズル部3と装着筒部6との間の環状間隙に嵌入するにしたがって、孔部32とノズル部3とを密接して確実に密封するようになっている。
キャップDの前端部には、手指をかけやすいように径大部43が設けられている。
なお、本実施例では、シリンジAに吸引具CおよびキャップDを装着する手段としてねじ結合を採用しているが、必ずしもねじ結合に限定する必要はなく、着脱可能な各種結合手段を採用することができる。
まず、シリンジAに外側ロッド10と内側ロッド11を組み付けたプランジャーBを第1シリンダ部8の最奥まで嵌入させ、吸引具Cを装着筒部6に螺合して装着し、図1に示す状態にする。
次に、図2(a)に示すように、第1液剤を封入した液剤容器M1に吸引具Cの針部30を刺し、シリンジAに対して外側フランジ17を引いて外側ロッド10を後退させると、内側フランジ18は外側フランジ17の凹部19に嵌合しているから内側ロッド11も一緒に後退する。
このように、外側ロッド10と内側ロッド11は一体となってプランシャーBとして機能するから、第1シリンダ部8が負圧となって、第1液剤が第1シリンダ部8に吸入される。
この状態では、第1液剤と第2液剤は攪拌されていないため、均一の混合された状態にはなっていない。
孔部40は有底で連通孔4を密閉するので、第1シリンダ部8は密閉された空間となる。
この状態から、図3(d)に示すように、外側フランジ17のみを力F1でシリンジAに対して押圧し、第1シリンダ部8内で外側ロッド10のみを押し込むように摺動させていく。
このとき、内側フランジ18は半円形状で、かつ外径が外側フランジ17より小径であるから、内側フランジ18が嵌合していない側の外側フランジ17の半円形部で、外側ロッド10のみを容易に押圧摺動させることができる。
そして、第1シリンダ部8内の第1、第2液剤は、ほぼ全てが第2シリンダ部に移行して第3図(d)のようになるが、この過程で第1、第2液剤が攪拌され混合される。
図3(f)のシリンジAとプランジャーBの状態は、図3(c)の状態と同じであるが、図3(f)における第1シリンダ部8内の第1、第2液剤は、図3(d)、図3(e)に示されるロッド操作によって、小孔通路13を通過することで攪拌され、混合された状態になっている。
また、第1、第2液剤をよりきめ細かく混合するためには、小孔通路13を多数の小径孔からなるものとする方がよいが、より小径の流路とするとそれだけ流動抵抗も大きくなるので、小孔通路13の形状については、操作の効率性との兼ね合いで決定されればよい。
第1、第2液剤が十分に混合されて図3(f)の状態になったとき、キャップDを取り外せば、プランジャーBを操作することにより、十分に混合された液剤をノズル部3から噴出させて使用することができる。
また、吸引具Cを再び装着筒部6に装着して、針部30から混合された液剤を噴出して使用することも可能である。
そして、シリンジ内に吸入された複数種類の液剤を、外側ロッド10と内側ロッド11を操作するだけで、第1シリンダ部8と第2シリンダ部12の間を移動させるたびに小孔通路13を通過させることで攪拌混合することができ、そのまま外側ロッド10と内側ロッド11を一体としたプランジャーBとして操作することによって、混合された複数の液剤を簡便に噴出して使用することができる。
B プランジャー
C 吸引具
D キャップ
M 液剤容器
1 胴部
2 フランジ部
3 ノズル部
4 連通孔
5 前壁
6 装着筒部
7 めねじ
8 第1シリンダ部
10 外側ロッド
11 内側ロッド
12 第2シリンダ部
13 小孔通路
14 前端壁
15 第1摺接突部
16 第2摺接突部
17 外側フランジ
18 内側フランジ
19 凹部
20 先端部
30 針部
31 取付基部
32 孔部
33 筒状部
34 おねじ
40 孔部
41 筒状部
42 おねじ
43 径大部
Claims (5)
- 一端は開放されて周囲にフランジ部が設けられ、他端には、複数の液剤を吸引および噴出するノズル部とノズル部を密封するキャップを着脱可能に取り付けるための装着部とが設けられた筒状のシリンジと、シリンジに摺動可能に嵌入されるプランジャーとを含む混合噴出器であって、
プランジャーは、シリンジ内周面により形成された第1シリンダ部に密接して摺動する筒状の外側ロッドと、外側ロッドの内周面により形成された第2シリンダ部に密接して摺動する内側ロッドとからなり、
外側ロッドの先端には、第1シリンダ部と第2シリンダ部とを連通する多数の小孔通路が形成された前端壁が設けられ、
外側ロッドおよび内側ロッドの後端部には、それぞれ外側フランジおよび内側フランジが形成され、内側フランジにより内側ロッドが押圧されたとき、内側フランジは外側フランジに接して外側ロッドをも押圧可能とされ、
内側ロッドの先端部は、外側ロッドの前端壁に接して小孔通路を密閉するように設定されていることを特徴とする混合噴出器。 - 前端壁は、網状部材によって形成されていることを特徴とする請求項1記載の混合噴出器。
- 外側フランジの後端面には内側フランジが嵌入する凹部を具え、内側フランジが凹部に嵌合したとき、両フランジの後端面が面一となることを特徴とする請求項1または2に記載の混合噴出器。
- 外側フランジは円形状をなし、内側フランジは半円形状をなしていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の混合噴出器。
- シリンジの装着部は、ノズル部を間隙を介して囲むように筒状に突設された装着筒部であり、その内周面には、ノズル部に嵌合する孔部を有するキャップの筒状部と螺合するねじ部が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の混合噴出器。
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