JP6895446B2 - プレフィルドシリンジ及びシリンジ - Google Patents

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Description

本発明は、先端部に製剤吐出口が形成されたシリンジ外筒と、前記シリンジ外筒内に設けられた押子と、前記シリンジ外筒の前記先端部に着脱可能なキャップと、を備えたプレフィルドシリンジ及びシリンジに関するものである。
医薬品又は医療機器として使用される製剤の中には、例えば、チキソトロピー性を有し、保管時は固体状であるが撹拌することによって液状化し、シリンジでの生体への注入が可能になるものがある。
例えば、特表2007−506479号公報には、2つのシリンジの先端部を連結具により互いに連結し、押子を押圧してこれらシリンジ間に連結具を介して製剤を移動させることにより製剤を撹拌するシリンジシステムが開示されている。
しかしながら、上述したような従来技術では、2つのシリンジの先端部を連結具によって連結する必要があるため、製剤の撹拌作業が煩雑である。また、2つのシリンジと連結具とを別々に保管する必要があり、保管スペースが比較的広くなるという問題がある。
本発明は、このような課題を考慮してなされたものであり、製剤の撹拌作業を容易に行うことができ、保管スペースを削減しつつ、製剤を収納する収納空間からの製剤の漏れを防止することができるプレフィルドシリンジ及びシリンジを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るプレフィルドシリンジは、先端部に製剤吐出口が形成されたシリンジ外筒と、前記シリンジ外筒内に設けられた押子と、前記シリンジ外筒の前記先端部に着脱可能なキャップと、チキソトロピー性を有する物質又は分散系溶液からなる製剤と、を備えたプレフィルドシリンジであって、前記押子は、筒状の押子外筒と、前記押子外筒内を摺動する押子本体と、を有し、前記押子外筒は、前記押子外筒の外周部に設けられ、前記シリンジ外筒の内周面との間に液密なシールを形成しつつ、前記シリンジ外筒の前記内周面を摺動するシール部材と、前記押子の先端部に設けられ、前記製剤が通る製剤流通口と、を有し、前記押子本体は、前記押子外筒の内周面との間に液密なシールを形成しつつ、前記押子外筒の前記内周面を摺動するガスケットと、先端が前記ガスケットに接続されたロッド部と、前記ロッド部の基端部に設けられた押圧部と、を有し、前記キャップは、前記製剤流通口及び前記製剤吐出口を液密に封止しており、前記製剤は、前記キャップと前記押子外筒と前記ガスケットとに囲まれた収納空間に収納されており、前記ロッド部の前記押圧部を先端方向へ押圧することにより、前記製剤が前記収納空間から前記製剤流通口を通って前記シリンジ外筒内に流入するとともに、前記シリンジ外筒に対して前記押子外筒が基端方向へ摺動することを特徴とする。
このような構成によれば、ロッド部の押圧部を先端方向へ押圧することにより、製剤を収納空間から製剤流通口を通ってシリンジ外筒内(シリンジ外筒内における押子外筒の外側である外側領域)に移動させることができる。また、押子外筒をシリンジ外筒に対して先端方向に押圧することにより、外側領域の製剤を、製剤流通口を介して押子外筒内に移動させることができる。これにより、製剤の撹拌作業を容易に行うことができる。さらに、押子外筒がシリンジ外筒内に設けられるとともに、キャップが製剤流通口及び製剤吐出口を液密に封止しているため、プレフィルドシリンジの保管スペースを削減しつつ、収納空間からの製剤の漏れを防止することができる。
上記のプレフィルドシリンジにおいて、前記キャップは、前記製剤流通口及び前記製剤吐出口を液密に封止する初期位置から、前記製剤流通口が開放された状態で前記製剤吐出口を液密に封止する撹拌位置に変位可能であり、かつ、前記初期位置から前記撹拌位置まで変位する間、前記製剤吐出口を連続的に液密に封止可能であってもよい。
このような構成によれば、キャップを初期位置から撹拌位置に変位させることにより、収納空間が製剤流通口を介してシリンジ外筒内と連通する。このため、ロッド部の押圧部を押圧することにより収納空間の製剤を外側領域に容易に移動させることができる。
上記のプレフィルドシリンジにおいて、前記シリンジ外筒の前記先端部には、第1ねじ部が形成され、前記キャップは、前記製剤流通口及び前記製剤吐出口を閉塞可能なキャップ本体と、前記キャップ本体に固定され、前記第1ねじ部に螺合可能な第2ねじ部が形成されたキャップカバーと、を有していてもよい。
このような構成によれば、キャップカバーを回転させることにより、キャップを初期位置から撹拌位置に容易に変位させることができる。
上記のプレフィルドシリンジにおいて、前記第1ねじ部と前記第2ねじ部とは、前記キャップが前記撹拌位置に位置した状態で互いに螺合していてもよい。
このような構成によれば、製剤の撹拌作業中にキャップが撹拌位置から変位することを抑えることができる。
上記のプレフィルドシリンジにおいて、前記シリンジ外筒には、シリンジ側係合部が設けられ、前記キャップは、当該キャップが前記初期位置から前記撹拌位置に変位したときに前記シリンジ側係合部に係合するキャップ側係合部を有していてもよい。
このような構成によれば、ユーザは、キャップが初期位置から撹拌位置に変位したことをシリンジ側係合部とキャップ側係合部との係合によって容易に把握することができる。また、シリンジ側係合部とキャップ側係合部との係合力によって製剤の撹拌作業中にキャップが容易に回転することを抑えることができる。
上記のプレフィルドシリンジにおいて、前記シリンジ側係合部と前記キャップ側係合部とは、前記キャップが前記初期位置に位置した状態で互いに係合し、前記キャップの開封方向の回転に伴って前記係合が解除されてもよい。
このような構成によれば、シリンジ側係合部とキャップ側係合部との係合力によって初期位置にある未開封状態のキャップが緩むことを抑えることができる。
上記のプレフィルドシリンジにおいて、前記シリンジ側係合部及び前記キャップ側係合部のいずれか一方は、凸部であり、前記シリンジ側係合部及び前記キャップ側係合部のいずれか他方は、前記凸部に係合可能な凹部であってもよい。
このような構成によれば、シリンジ側係合部及びキャップ側係合部の構成を簡素化することができる。
上記のプレフィルドシリンジにおいて、前記シリンジ側係合部は、前記シリンジ外筒の外周面に設けられ、前記凸部及び前記凹部の少なくともいずれかは、前記第1ねじ部と前記第2ねじ部との締め付けが緩む回転方向に向かって前記シリンジ外筒の径方向外方に傾斜した傾斜面が形成されていてもよい。
このような構成によれば、キャップの回転によりシリンジ側係合部とキャップ側係合部の係合を容易に解除することができる。
上記のプレフィルドシリンジにおいて、前記シリンジ側係合部は、前記シリンジ外筒の周方向に180°位相がずれた位置に設けられた第1係合部と第2係合部とを有し、前記キャップ側係合部は、前記キャップ本体の周方向に180°位相がずれた位置に設けられた第3係合部と第4係合部とを有し、前記キャップが前記初期位置に位置した状態で、前記第3係合部が前記第1係合部に係合するとともに前記第4係合部が前記第2係合部に係合し、前記キャップが前記撹拌位置に位置した状態で、前記第3係合部が前記第2係合部に係合するとともに前記第4係合部が前記第1係合部に係合してもよい。
このような構成によれば、ユーザは、キャップが初期位置から撹拌位置に変位したことを一層容易に把握することができる。
上記のプレフィルドシリンジにおいて、前記シリンジ側係合部は、前記シリンジ外筒の外周面に形成された第1凹部と第2凹部とを有し、前記キャップ側係合部は、前記第1凹部及び前記第2凹部に挿入可能な凸部を有し、前記シリンジ外筒の外周面には、前記凸部を前記第1凹部から前記第2凹部に案内する螺旋溝が形成されていてもよい。
このような構成によれば、キャップが初期位置から撹拌位置に変位する際に、凸部を螺旋溝によって第1凹部から第2凹部に容易に案内することができる。
本発明に係るシリンジは、製剤が充填されたプレフィルドシリンジ用のシリンジであって、先端部に製剤吐出口が形成されたシリンジ外筒と、前記シリンジ外筒内に設けられた押子と、前記シリンジ外筒の前記先端部に着脱可能なキャップと、を備え、前記押子は、筒状の押子外筒と、前記押子外筒内を摺動する押子本体と、を有し、前記押子外筒は、前記押子外筒の外周部に設けられ、前記シリンジ外筒の内周面との間に液密なシールを形成しつつ、前記シリンジ外筒の前記内周面を摺動するシール部材と、前記押子の先端部に設けられ、前記製剤が通る製剤流通口と、を有し、前記押子本体は、前記押子外筒の内周面との間に液密なシールを形成しつつ、前記押子外筒の前記内周面を摺動するガスケットと、先端が前記ガスケットに接続されたロッド部と、前記ロッド部の基端部に設けられた押圧部と、を有し、前記キャップは、前記製剤流通口及び前記製剤吐出口を液密に封止する初期位置から、前記製剤流通口が開放された状態で前記製剤吐出口を液密に封止する撹拌位置に変位可能であり、かつ、前記初期位置から前記撹拌位置まで変位する間、前記製剤吐出口を連続的に液密に封止可能であり、前記キャップと前記押子外筒と前記ガスケットとに囲まれた収納空間に前記製剤を収納可能であることを特徴とする。
このような構成のシリンジを用いて、収納空間に製剤を充填したプレフィルドシリンジを製造することにより、上述したプレフィルドシリンジと同様の作用効果を奏するプレフィルドシリンジを得ることができる。また、キャップを初期位置から撹拌位置に変位させることにより、収納空間が製剤流通口を介してシリンジ外筒内と連通する。このため、収納空間に製剤を充填した場合に、ロッド部の押圧部を押圧することにより収納空間の製剤を外側領域に容易に移動させることができる。
本発明によれば、押子本体又は押子外筒を押圧することにより、製剤を容易に撹拌することができる。また、シリンジ外筒内に押子外筒が設けられているため、プレフィルドシリンジの保管スペースを削減しつつ、収納空間からの製剤の漏れを防止することができる。
本発明の第1実施形態に係るプレフィルドシリンジの斜視図である。 図1のプレフィルドシリンジの分解斜視図である。 図1のプレフィルドシリンジの縦断面図である。 図3のプレフィルドシリンジの先端部の拡大断面図である。 図4のV−V線に沿った縦断面図である。 図5のVI−VI線に沿った横断面図である。 製剤が充填される前の保管時のシリンジの縦断面図である。 前記プレフィルドシリンジのキャップが初期位置から撹拌位置に変位した状態を示す縦断面図である。 前記プレフィルドシリンジの製剤を撹拌している状態を示す縦断面図である。 前記プレフィルドシリンジの製剤の撹拌が完了した状態を示す縦断面図である。 前記プレフィルドシリンジに注射針を装着した状態を示す斜視図である。 図11のプレフィルドシリンジの縦断面図である。 本発明の第2実施形態に係るプレフィルドシリンジの斜視図である。 図13のプレフィルドシリンジの分解斜視図である。 図13のプレフィルドシリンジの先端部の縦断面図である。 図13のプレフィルドシリンジのキャップが初期位置から撹拌位置に変位した状態を示す縦断面図である。 図15のXVII−XVII線に沿った横断面図である。
以下、本発明に係るプレフィルドシリンジ及びシリンジについて好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。なお、プレフィルドシリンジに関する以下の説明では、図1の左側を「先端」、右側を「基端」という。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係るプレフィルドシリンジ10Aは、使用時に撹拌する必要がある製剤Fがシリンジ11Aに予め充填されたものである。図1〜図3に示すように、プレフィルドシリンジ10Aは、シリンジ外筒12と、シリンジ外筒12内に設けられた押子14と、シリンジ外筒12の先端部に着脱可能なキャップ16とを備えている。
シリンジ外筒12は、円筒状の胴体部18と、胴体部18の先端から先端方向に向かって縮径するテーパ部20と、テーパ部20の先端から先端方向に突出する先端筒部22と、先端筒部22の外周側に設けられたシリンジ側接続部24と、胴体部18の基端部に設けられたフランジ部26とを有する。胴体部18、テーパ部20、先端筒部22、シリンジ側接続部24及びフランジ部26は、一体的に形成されている。胴体部18の内径は、全長に亘って一定に形成されている。
図4に示すように、先端筒部22は、胴体部18内に連通する製剤吐出口28を形成する円筒状部材であって、ルアーコネクタとして構成されている。シリンジ側接続部24は、胴体部18の先端部から先端側に先端筒部22と同心状に突出し、内周面に雌ねじ部30(第1ねじ部)が形成されたルアーロックである。シリンジ側接続部24には、キャップ16及び注射針140(図10及び図11参照)が着脱可能である。
図2及び図5において、シリンジ側接続部24の外周面には、キャップ16の後述するキャップ側係合部106が係合するシリンジ側係合部32が設けられている。シリンジ側係合部32は、シリンジ側接続部24の周方向に180°位相がずれた位置に形成された第1凹部34(第1係合部)と第2凹部36(第2係合部)とを有する。第1凹部34は、平面視で略長方形状に形成され、シリンジ外筒12の軸線方向に沿って延在している。第2凹部36は、第1凹部34と同様に形成されている。
図1〜図3に示すように、フランジ部26は、胴体部18の基端部から互いに反対方向の径方向外方に突出した一対の指掛け部38、40を有する。フランジ部26の長手方向幅は、短手方向幅よりも大きく、人が指を掛けることができる程度の幅に設定されている。各指掛け部38、40の先端側の面には、複数の凸状の滑り止め部42が設けられている。
シリンジ外筒12の構成材料は、特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエチレン、環状オレフィンポリマー、環状オレフィンコポリマー、ポリメチルペンテン1等のポリオレフィンや、ポリエステル、ナイロン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、フッ素樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアセタール樹脂(POM)等の樹脂性材料や、ステンレス等の金属性材料、ガラス等で形成されるとよい。
図3に示すように、押子14は、シリンジ外筒12の内周面を摺動可能に設けられた押子外筒44と、押子外筒44内に設けられた押子本体46とを有する。押子外筒44は、円筒状の押子胴体部48と、押子胴体部48の先端から先端方向に縮径する押子テーパ部50と、押子テーパ部50の先端から先端方向に突出する押子先端筒部52と、押子胴体部48の基端部に設けられた押子外筒フランジ部54とを有する。押子胴体部48、押子テーパ部50、押子先端筒部52及び押子外筒フランジ部54は、一体的に形成されている。押子外筒44の構成材料は、シリンジ外筒12の構成材料と同様のものが用いられる。
押子胴体部48の内径は、全長に亘って一定に形成されている。押子胴体部48の外周面の先端部には、胴体部18の内周面に液密に軸方向に摺動するシール部材56が配設される環状のシール溝58が軸方向に2つ形成されている。すなわち、シール部材56は、胴体部18の内周面との間に液密なシールを形成する。押子胴体部48は、胴体部18よりも長尺に形成されている。押子テーパ部50のテーパ角度は、テーパ部20のテーパ角度と略同じである。押子先端筒部52は、押子胴体部48内とシリンジ外筒12内における押子外筒44の外側領域12a(図9参照)とを連通する製剤流通口60を先端に有する円筒状部材である。
図1〜図3に示すように、押子外筒フランジ部54は、押子胴体部48の基端部から互いに反対方向の径方向外方に突出した一対の指掛け部62、64を有する。指掛け部62はシリンジ外筒12の指掛け部38に対向し、指掛け部64はシリンジ外筒12の指掛け部40に対向している。各指掛け部62、64の両面には、複数の凸状の滑り止め部66が設けられている。
図3に示すように、プレフィルドシリンジ10Aの保管状態(未使用状態)において、押子外筒44内の押子本体46よりも先端側には製剤Fが充填されている。製剤Fとしては、例えば、撹拌前の状態で固体状であり撹拌することにより液状化するチキソトロピー性を有する物質やコロイド溶液等の分散系溶液等を用いることができる。
押子本体46は、押子胴体部48の内周面に液密に軸方向に摺動するガスケット68と、先端がガスケット68に接続されて軸方向に延在したロッド部70と、ロッド部70の基端部に設けられた押圧部72とを有する。
ガスケット68は、押子胴体部48の内周面との間に液密なシールを形成する。ガスケット68は、弾性材料により構成されており、ガスケット68の先端面74は、テーパ状に形成されており、そのテーパ角度は、押子テーパ部50のテーパ角度と略同じである。押圧部72は、円板状に構成されている(図1及び図2参照)。押圧部72の直径は、押子外筒フランジ部54の長手寸法よりも小さい。
図2及び図4に示すように、キャップ16は、キャップ本体76と、キャップ本体76に固定されたキャップカバー78と、キャップカバー78を覆う外側カバー80とを有する。
キャップ本体76の構成材料としては、ゴム又は合成樹脂等が挙げられる。ゴムとしては、例えば、イソプレンゴム、ブチルゴム、ラテックスゴム、シリコーンゴム等を用いることができる。合成樹脂としては、例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー等を用いることができる。
キャップ本体76は、基端部を構成する円柱状の装着部82と、装着部82の先端側に設けられた中間部84と、中間部84に連なり先端部を構成する大径部86とを有する。装着部82は、先端筒部22内に嵌入可能な装着基部88と、装着基部88の基端面から突出した円環部90とを含む。
キャップ16の未開封状態で、装着部82の外周面は先端筒部22の内周面に液密に接触し、円環部90の内周面は押子先端筒部52の外周面に液密に接触している。また、装着基部88の基端面は、押子先端筒部52の先端面に液密に接触する封止部を構成する。装着部82の基端面の略中央には、押子先端筒部52内に挿入可能な膨出部92が設けられている。中間部84の外周面には、円環状の固定溝94が形成されている。
キャップカバー78は、例えば、シリンジ外筒12の構成材料として例示した樹脂性材料により構成することができる。外側カバー80についても同様である。キャップカバー78は、大径部86を覆う円筒状のキャップカバー本体96と、シリンジ側接続部24の雌ねじ部30に螺合可能な雄ねじ部98(第2ねじ部)が形成されたキャップ側接続部100とを有する。
キャップカバー本体96の内周面の基端部には、固定溝94に嵌合する固定部102が径方向内方に向かって突出している(図4参照)。キャップカバー本体96には、厚み方向に貫通した2つの固定孔104が周方向に180°位相がずれた位置に形成されている。キャップ側接続部100は、円筒状に構成されており、中間部84及び装着部82を覆っている。キャップ側接続部100と装着部82との間には、先端筒部22が挿入可能である。
外側カバー80は、円筒状に構成されており、キャップカバー78よりも軸方向に長い。外側カバー80は、シリンジ側係合部32に係合可能なキャップ側係合部106と、キャップカバー本体96の固定孔104に嵌合された2つの固定爪108とを有する。
図2、図5及び図6に示すように、キャップ側係合部106は、外側カバー80の周方向に180°位相がずれた位置に設けられた第1係合爪110(第3係合部)と第2係合爪112(第4係合部)とを含む。第1係合爪110は、外側カバー80に略U字状のスリット114(図1参照)が形成されることにより構成された第1板状片116と、第1板状片116から径方向内方に向かって突出した第1凸部118とを有する。
第1板状片116は、外側カバー80の軸線方向に沿って延在している。第1凸部118は、第1板状片116の基端部に設けられ、第1凹部34及び第2凹部36に挿入可能である。第1凸部118のキャップ16の軸線方向に沿った長さは、第1凹部34及び第2凹部36のキャップ16の軸線方向に沿った長さよりも短い。第1凸部118には、雄ねじ部98の雌ねじ部30に対する締め付けが緩む回転方向(図6の矢印R方向)に向かって径方向外方(外側カバー80の外周面側)に傾斜した第1傾斜面120が形成されている。第1傾斜面120は、凸状湾曲面として構成されているが、平坦面であってもよい。
第2係合爪112は、第1係合爪110と同様に構成されており、外側カバー80に略U字状のスリット122が形成されることにより構成された第2板状片124と、第2板状片124から径方向内方に向かって突出した第2凸部126とを有する。第2凸部126には、矢印R方向に向かって径方向外方(外側カバー80の外周面側)に傾斜した第2傾斜面128が形成されている。
図2及び図4に示すように、固定爪108は、外側カバー80に略U字状のスリット130が形成されることにより構成された板状片132と、板状片132から径方向内方に向かって突出した爪本体134とを有する。板状片132は、外側カバー80の軸線方向に沿って延在している。爪本体134は、板状片132の基端部に位置し、固定孔104に嵌合している。
本実施形態に係るプレフィルドシリンジ10Aは、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、プレフィルドシリンジ10Aの使用方法について説明する。
図3に示すように、プレフィルドシリンジ10Aの保管時では、キャップ16と押子本体46とガスケット68とによって囲まれた収納空間Sに製剤Fが収納されている。ただし、本実施形態では、保管時において、例えば、図7に示すように、収納空間Sに製剤Fが収納されていなくてもよい。つまり、シリンジ外筒12、押子14及びキャップ16からなるシリンジ11Aを保管しておき、使用直前に、押子本体46を押子外筒44から引抜き、押子外筒44内に製剤Fを充填し、再度押子本体46を押子外筒44内に挿入することにより、収納空間Sに製剤Fが充填されたプレフィルドシリンジ10Aを構成するようにしてもよい。
プレフィルドシリンジ10Aは、図3の保管時において、シリンジ外筒12内に押子外筒44が挿入されるとともに押子外筒44内に押子本体46が挿入されている。すなわち、押子外筒44がシリンジ外筒12の最先端に位置し、押子テーパ部50の外面がテーパ部20の内面に液密に接触している。
また、キャップ16が未開封状態の初期位置に位置して製剤流通口60及び製剤吐出口28がキャップ本体76によって液密に封止された状態で、押子外筒44内のガスケット68よりも先端側の収納空間Sに製剤Fが収納されている。すなわち、押子先端筒部52の先端面が装着基部88の基端面に液密に接触するとともに押子先端筒部52の外周面が円環部90の内周面に液密に接触し、先端筒部22の内周面が装着部82の外周面に液密に接触している。また、図5に示すように、第1凸部118が第1凹部34に挿入されるとともに第2凸部126が第2凹部36に挿入されている。
製剤Fを生体に投与する場合、まず、製剤Fの撹拌作業を行う。具体的には、ユーザは、外側カバー80を手指で摘み、キャップ16を雄ねじ部98の雌ねじ部30に対する締め付けが緩む方向(図6の矢印R方向)に回転させる。そうすると、第1傾斜面120が第1凹部34の縁部に乗り上げるとともに第2傾斜面128が第2凹部36の縁部に乗り上げて、第1板状片116が弾性変形して第1凸部118が第1凹部34から抜け出るとともに第2板状片124が弾性変形して第2凸部126が第2凹部36から抜け出る。
そして、ユーザがキャップ16を矢印R方向に半回転(180°回転)させると、第1凸部118が第2凹部36に挿入されるとともに第2凸部126が第1凹部34に挿入され、第1板状片116及び第2板状片124が元の形状に復帰する。これにより、図8に示すように、キャップ16が初期位置から撹拌位置に変位し、製剤吐出口28がキャップ本体76に液密に封止された状態で製剤流通口60が開放される。換言すれば、キャップ本体76は、キャップ16が初期位置から撹拌位置に変位する間、製剤吐出口28を連続的に液密に封止している。つまり、キャップ本体76の円環部90が押子先端筒部52から引き抜かれ、円環部90の外周面が先端筒部22の内周面の先端部に液密に接触した状態で先端筒部22内と押子先端筒部52内とが互いに連通する。
その後、ユーザは、例えば、右手の人差し指と中指とを押子外筒44の指掛け部62の先端側の面に掛けるとともに左手の人差し指と中指とを押子外筒44の指掛け部64の先端側の面に掛ける。そして、人差し指と中指とで指掛け部62と指掛け部64とを基端方向に引きながら親指で押圧部72の基端側の面を先端方向に押圧する。そうすると、ガスケット68が押子外筒44内を先端方向に液密に摺動することにより押子外筒44内の製剤Fが製剤流通口60を介して先端筒部22内に導入される。このとき、製剤吐出口28がキャップ本体76によって液密に封止されているため、製剤Fがシリンジ外筒12の外側に漏出することはない。
押子外筒フランジ部54を基端方向に引きながら押圧部72を先端方向にさらに押圧すると、ガスケット68が押子外筒44に対して先端方向に変位するとともに押子外筒44がシリンジ外筒12に対して基端方向に変位し、押子外筒44内の製剤Fが製剤流通口60を介してシリンジ外筒12内における押子外筒44の外側領域12aに移動する(図9参照)。ガスケット68の先端面74と押子テーパ部50の内面とが接触した位置で押子本体46と押子外筒44との相対変位が停止する(図10参照)。
続いて、ユーザは、例えば、右手の人差し指と中指とをシリンジ外筒12の指掛け部38の先端側の面に掛けるとともに左手の人差し指と中指とをシリンジ外筒12の指掛け部40の先端側の面に掛ける。そして、右手の親指で押子外筒44の指掛け部62の基端側の面を先端方向に押圧するとともに左手の親指で押子外筒44の指掛け部64の基端側の面を先端方向に押圧する。そうすると、押子外筒44がシリンジ外筒12に対して先端方向に変位し、外側領域12aの製剤Fが製剤流通口60を介して押子外筒44内に流入する。このとき、製剤Fによってガスケット68の先端面74が基端方向に押圧され、押子本体46が押子外筒44に対して基端方向に変位する。なお、製剤吐出口28がキャップ本体76によって塞がれているため、製剤Fがシリンジ外筒12の外側に漏出することはない。
このように、押子外筒44内と外側領域12aとの間で製剤Fを複数回移動させることにより、製剤Fが充分に撹拌される。撹拌作業が完了した時点で、図10のように、ガスケット68の先端面74を押子テーパ部50の内面に接触させる。すなわち、製剤Fの全量をシリンジ外筒12の外側領域12aに移動させておく。このとき、押圧部72の先端側の面は、押子外筒フランジ部54の基端側の面に接触又は近接する。
その後、ユーザは、キャップ16をさらに矢印R方向に回転させる。そうすると、第1傾斜面120が第2凹部36の縁部に乗り上げるとともに第2傾斜面128が第1凹部34の縁部に乗り上げ、第1凸部118が第2凹部36から抜け出るとともに第2凸部126が第1凹部34から抜け出る。そして、キャップ16をシリンジ外筒12から取り外し、図11に示すように、注射針140をシリンジ外筒12の先端部に取り付ける。図12に示すように、注射針140は、中空の針体142と、針体142の基端部に設けられてシリンジ側接続部24の雌ねじ部30に螺合可能な雄ねじ部144が形成された針ハブ146とを備える。
また、ユーザは、図11及び図12において、ロック部材150により押圧部72と押子外筒フランジ部54とを互いに連結する。ここで、ロック部材150は、互いに対向した2枚の略長方形状の板状部152、154と、これら板状部152、154の一方の側部同士を連結する連結部156とを有する。板状部152には、押子外筒44の外周面の円弧形状に対応した形状の円形孔158と、円形孔158から板状部152の他方の側部までテーパ状に拡径するように延出した導入孔160とが形成されている。板状部152と板状部154との間隔は、押圧部72の厚みに押子外筒フランジ部54の厚みを加算した寸法と同一又は若干大きい寸法に設定されている。
このようなロック部材150は、板状部154を押圧部72の基端側の面に接触又は近接させた状態で板状部152の導入孔160を介して円形孔158に押子外筒44を挿入することにより、押子14に対して装着する。これにより、押子本体46の押子外筒44に対する軸線方向の移動が規制される。
その後、ユーザは、針体142を患者(生体)に穿刺し、例えば、右手の人差し指をシリンジ外筒12の指掛け部38の先端側の面に掛けるとともに右手の中指をシリンジ外筒12の指掛け部40の先端側の面に掛けた状態で右手の親指によりロック部材150の板状部154を先端方向に押圧する。これにより、押子外筒44と押子本体46とが一体的にシリンジ外筒12内を先端方向に変位するため、外側領域12aにある製剤Fが押子外筒44内に戻ることなく、製剤吐出口28及び針体142を介して患者に投与される。
本実施形態によれば、キャップ16を初期位置から撹拌位置に変位させ、押子本体46を押圧することにより押子外筒44内の製剤Fを、製剤流通口60を介してシリンジ外筒12内における押子外筒44の外側領域12aに移動させることができる。また、押子外筒44を先端方向に押圧することにより、外側領域12aの製剤Fを、製剤流通口60を介して押子外筒44内に移動させることができる。これにより、製剤Fの撹拌作業を容易に行うことができる。さらに、未使用状態で押子外筒44がシリンジ外筒12内に設けられるとともに、キャップ16が製剤流通口60及び製剤吐出口28を液密に封止しているため、プレフィルドシリンジ10A(シリンジ11A)の保管スペースを削減しつつ、収納空間Sからの製剤Fの漏れを防止することができる。
本実施形態によれば、キャップ16の未開封時でキャップ側接続部100の雄ねじ部98がシリンジ側接続部24の雌ねじ部30に螺合しているため、キャップ16を回転させることによりキャップ16を初期位置から撹拌位置に容易に変位させることができる。
また、キャップ側接続部100の雄ねじ部98とシリンジ側接続部24の雌ねじ部30とは、キャップ16が撹拌位置に位置した状態で互いに螺合しているため、製剤Fの撹拌作業中にキャップ16が撹拌位置から変位することを抑えることができる。
本実施形態において、シリンジ外筒12には、シリンジ側係合部32の第1凹部34と第2凹部36とが形成され、外側カバー80は、キャップ側係合部106の第1係合爪110と第2係合爪112とを有している。そして、キャップ16の初期位置で、第1係合爪110の第1凸部118が第1凹部34に挿入されるとともに第2係合爪112の第2凸部126が第2凹部36に挿入されている。これにより、第1凸部118と第1凹部34との係合力と第2凸部126と第2凹部36との係合力とによって初期位置にある未開封状態のキャップ16が緩むことを抑えることができる。
また、キャップ16が初期位置から撹拌位置に変位したときに第1凸部118が第2凹部36に挿入されるとともに第2凸部126が第1凹部34に挿入される。これにより、ユーザは、キャップ16が初期位置から撹拌位置に変位したことを容易に把握することができる。さらに、第1凸部118と第2凹部36との係合力と第2凸部126と第1凹部34との係合力とによって製剤Fの撹拌作業中にキャップ16が回転することを抑えることができる。
また、第1凸部118に第1傾斜面120が形成されるとともに第2凸部126に第2傾斜面128が形成されているため、キャップ16の回転によりキャップ側係合部106のシリンジ側係合部32の係合を容易に解除することができる。
本実施形態に係るプレフィルドシリンジ10Aは、上述した構成に限定されない。例えば、第1凹部34の縁部には、矢印R方向に向かって径方向外方に傾斜する傾斜面が形成されていてもよい。この場合、第1凸部118の第1傾斜面120は省略されていてもよい。また、第2凹部36の縁部には、矢印R方向に向かって径方向外方に傾斜する傾斜面が形成されていてもよい。この場合、第2凸部126の第2傾斜面128は省略されていてもよい。
上記の構成では、シリンジ側係合部32が凹部を有し、キャップ側係合部106が凸部を有している。しかしながら、シリンジ側係合部32が凸部を有し、キャップ側係合部106が凹部を有していてもよい。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係るプレフィルドシリンジ10Bについて説明する。なお、第2実施形態に係るプレフィルドシリンジ10Bにおいて、上述した第1実施形態に係るプレフィルドシリンジ10Aと同一の構成要素には同一の参照符号を付し、詳細な説明は省略する。また、本実施形態において、第1実施形態に係るプレフィルドシリンジ10Aと同様の構成については同様の作用効果を奏する。
図13〜図15に示すように、プレフィルドシリンジ10Bは、使用時に撹拌する必要がある製剤Fがシリンジ11Bに予め充填されたものである。プレフィルドシリンジ10Bは、シリンジ外筒170、押子14、及びキャップ172を備える。シリンジ外筒170のシリンジ側接続部24には、シリンジ側接続部24の外周面に形成された深さ及び幅が一定の螺旋溝174が形成されている。
螺旋溝174には、その始端部(シリンジ外筒170の基端方向の端部)に設けられた第1深溝部176(第1凹部)と、第1深溝部176に対して周方向に180°位相がずれた位置に設けられた第2深溝部178(第2凹部)と、第1深溝部176からシリンジ側接続部24の先端まで延出した浅溝部180とが形成されている。第1深溝部176及び第2深溝部178は、シリンジ側係合部181として機能する。第1深溝部176の深さ寸法は第2深溝部178の深さ寸法と同一であり、浅溝部180の深さ寸法よりも深い。
キャップ172は、キャップ本体76、キャップカバー78及び外側カバー182を備える。外側カバー182は、円筒状に構成されており、シリンジ側係合部181に係合可能なキャップ側係合部184と、2つの固定爪108とを有する。キャップ側係合部184は、外側カバー182を略U字状のスリット186が形成されることにより構成された板状片188と、板状片188から径方向内方に向かって突出した凸部190とを有する。板状片188は、外側カバー182の周方向に沿って延在している。
凸部190は、板状片188の延在端部に設けられ、第1深溝部176及び第2深溝部178に挿入可能である。凸部190の外側カバー182の軸線方向に沿った幅寸法は、螺旋溝174の溝幅と略同一又は若干小さい。図16に示すように、凸部190には、雄ねじ部98の雌ねじ部30が緩む回転方向に向かって径方向外方に(外側カバー182の外周面側)に傾斜した傾斜面192が形成されている。傾斜面192は、平坦面として構成されているが、凸状湾曲面であってもよい。
本実施形態に係るプレフィルドシリンジ10Bでは、キャップ172が未開封の初期位置に位置した状態で製剤流通口60及び製剤吐出口28がキャップ本体76によって液密に封止されるとともに凸部190が第1深溝部176に挿入されている。
ユーザが、外側カバー182を手指で摘み、キャップ172を雄ねじ部98の雌ねじ部30に対する締め付けが緩む方向(図17の矢印R方向)に回転させると、傾斜面192が第1深溝部176の縁部に乗り上げて、板状片188が弾性変形して凸部190が第1深溝部176から抜け出る。
そして、ユーザがキャップ172を矢印R方向に半回転(180°回転)させると、凸部190は、螺旋溝174内を周方向に回転して第2深溝部178に挿入され、板状片188が元の形状に復帰する。これにより、図16に示すように、キャップ172が初期位置から撹拌位置に変位し、製剤吐出口28がキャップ本体76に液密に封止された状態で製剤流通口60が開放する。
続いて、第1実施形態と同様の製剤Fの撹拌作業を行った後、キャップ172をさらに矢印R方向に回転させる。そうすると、傾斜面192が第2深溝部178の縁部に乗り上げ、板状部が弾性変形して凸部190が第2深溝部178から抜け出る。そして、ユーザがキャップ172を矢印R方向にさらに半回転(180°回転)させると、凸部190が浅溝部180に挿入され、雄ねじ部98と雌ねじ部30との螺合が解除される。その後の手順は、上述した第1実施形態のプレフィルドシリンジ10Aと同様である。
本実施形態によれば、キャップ172が初期位置から撹拌位置に変位する際に、凸部190を螺旋溝174によって第1深溝部176から第2深溝部178に案内することができる。これにより、凸部190を第2深溝部178に確実に挿入させることができる。
プレフィルドシリンジ10Bは、上述した構成に限定されない。例えば、第1深溝部176の縁部には、矢印R方向に向かって径方向外方に傾斜した傾斜面が形成され、第2深溝部178の縁部には、矢印R方向に向かって径方向外方に傾斜した傾斜面が形成されていてもよい。この場合、凸部190の傾斜面192は省略されていてもよい。
本発明に係るプレフィルドシリンジは、上述の実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。

Claims (11)

  1. 先端部に製剤吐出口(28)が形成されたシリンジ外筒(12、170)と、
    前記シリンジ外筒(12、170)内に設けられた押子(14)と、
    前記シリンジ外筒(12、170)の前記先端部に着脱可能なキャップ(16、172)と、
    チキソトロピー性を有する物質又は分散系溶液からなる製剤(F)と、を備えたプレフィルドシリンジ(10A、10B)であって、
    前記押子(14)は、
    筒状の押子外筒(44)と、
    前記押子外筒(44)内を摺動する押子本体(46)と、を有し、
    前記押子外筒(44)は、
    前記押子外筒(44)の外周部に設けられ、前記シリンジ外筒(12、170)の内周面との間に液密なシールを形成しつつ、前記シリンジ外筒(12、170)の前記内周面を摺動するシール部材(56)と、
    前記押子(14)の先端部に設けられ、前記製剤(F)が通る製剤流通口(60)と、を有し、
    前記押子本体(46)は、
    前記押子外筒(44)の内周面との間に液密なシールを形成しつつ、前記押子外筒(44)の前記内周面を摺動するガスケット(68)と、
    先端が前記ガスケット(68)に接続されたロッド部(70)と、
    前記ロッド部(70)の基端部に設けられた押圧部(72)と、を有し、
    前記キャップ(16、172)は、前記製剤流通口(60)及び前記製剤吐出口(28)を液密に封止しており、
    前記製剤(F)は、前記キャップ(16、172)と前記押子外筒(44)と前記ガスケット(68)とに囲まれた収納空間(S)に収納されており、
    前記ロッド部(70)の前記押圧部(72)を先端方向へ押圧することにより、前記製剤(F)が前記収納空間(S)から前記製剤流通口(60)を通って前記シリンジ外筒(12、170)内に流入するとともに、前記シリンジ外筒(12、170)に対して前記押子外筒(44)が基端方向へ摺動する、
    ことを特徴とするプレフィルドシリンジ(10A、10B)。
  2. 請求項1記載のプレフィルドシリンジ(10A、10B)において、
    前記キャップ(16、172)は、前記製剤流通口(60)及び前記製剤吐出口(28)を液密に封止する初期位置から、前記製剤流通口(60)が開放された状態で前記製剤吐出口(28)を液密に封止する撹拌位置に変位可能であり、かつ、前記初期位置から前記撹拌位置まで変位する間、前記製剤吐出口(28)を連続的に液密に封止可能である、
    ことを特徴とするプレフィルドシリンジ(10A、10B)。
  3. 請求項2記載のプレフィルドシリンジ(10A、10B)において、
    前記シリンジ外筒(12、170)の前記先端部には、第1ねじ部(30)が形成され、
    前記キャップ(16、172)は、
    前記製剤流通口(60)及び前記製剤吐出口(28)を液密に封止可能なキャップ本体(76)と、
    前記キャップ本体(76)に固定され、前記第1ねじ部(30)に螺合可能な第2ねじ部(98)が形成されたキャップカバー(78)と、を有する、
    ことを特徴とするプレフィルドシリンジ(10A、10B)。
  4. 請求項3記載のプレフィルドシリンジ(10A、10B)において、
    前記第1ねじ部(30)と前記第2ねじ部(98)とは、前記キャップ(16、172)が前記撹拌位置に位置した状態で互いに螺合している、
    ことを特徴とするプレフィルドシリンジ(10A、10B)。
  5. 請求項4記載のプレフィルドシリンジ(10A、10B)において、
    前記シリンジ外筒(12、170)には、シリンジ側係合部(32、181)が設けられ、
    前記キャップ(16、172)は、当該キャップ(16、172)が前記初期位置から前記撹拌位置に変位したときに前記シリンジ側係合部(32、181)に係合するキャップ側係合部(106、184)を有している、
    ことを特徴とするプレフィルドシリンジ(10A、10B)。
  6. 請求項5記載のプレフィルドシリンジ(10A、10B)において、
    前記シリンジ側係合部(32、181)と前記キャップ側係合部(106、184)とは、前記キャップ(16、172)が前記初期位置に位置した状態で互いに係合し、前記キャップ(16、172)の開封方向の回転に伴って前記係合が解除される、
    ことを特徴とするプレフィルドシリンジ(10A、10B)。
  7. 請求項6記載のプレフィルドシリンジ(10A、10B)において、
    前記シリンジ側係合部(32、181)及び前記キャップ側係合部(106、184)のいずれか一方は、凸部(118、126、190)であり、
    前記シリンジ側係合部(32、181)及び前記キャップ側係合部(106、184)のいずれか他方は、前記凸部(118、126、190)に係合可能な凹部(34、36、176、178)である、
    ことを特徴とするプレフィルドシリンジ(10A、10B)。
  8. 請求項7記載のプレフィルドシリンジ(10A、10B)において、
    前記シリンジ側係合部(32、181)は、前記シリンジ外筒(12、170)の外周面に設けられ、
    前記凸部(118、126、190)及び前記凹部(34、36、176、178)の少なくともいずれかは、前記第1ねじ部(30)と前記第2ねじ部(98)との締め付けが緩む回転方向に向かって前記シリンジ外筒(12、170)の径方向外方に傾斜した傾斜面(120、128、192)が形成されている、
    ことを特徴とするプレフィルドシリンジ(10A、10B)。
  9. 請求項6〜8のいずれか1項に記載のプレフィルドシリンジ(10A)において、
    前記シリンジ側係合部(32)は、前記シリンジ外筒(12)の周方向に180°位相がずれた位置に設けられた第1係合部(34)と第2係合部(36)とを有し、
    前記キャップ側係合部(106)は、前記キャップ本体(76)の周方向に180°位相がずれた位置に設けられた第3係合部(110)と第4係合部(112)とを有し、
    前記キャップ(16)が前記初期位置に位置した状態で、前記第3係合部(110)が前記第1係合部(34)に係合するとともに前記第4係合部(112)が前記第2係合部(36)に係合し、
    前記キャップ(16)が前記撹拌位置に位置した状態で、前記第3係合部(110)が前記第2係合部(36)に係合するとともに前記第4係合部(112)が前記第1係合部(34)に係合する、
    ことを特徴とするプレフィルドシリンジ(10A)。
  10. 請求項6記載のプレフィルドシリンジ(10B)において、
    前記シリンジ側係合部(181)は、前記シリンジ外筒(170)の外周面に形成された第1凹部(176)と第2凹部(178)とを有し、
    前記キャップ側係合部(184)は、前記第1凹部(176)及び前記第2凹部(178)に挿入可能な凸部(190)を有し、
    前記シリンジ外筒(170)の外周面には、前記凸部(190)を前記第1凹部(176)から前記第2凹部(178)に案内する螺旋溝(174)が形成されている、
    ことを特徴とするプレフィルドシリンジ(10B)。
  11. 製剤(F)が充填されたプレフィルドシリンジ(10A、10B)用のシリンジ(11A、11B)であって、
    先端部に製剤吐出口(28)が形成されたシリンジ外筒(12、170)と、
    前記シリンジ外筒(12、170)内に設けられた押子(14)と、
    前記シリンジ外筒(12、170)の前記先端部に着脱可能なキャップ(16、172)と、を備え、
    前記押子(14)は、
    筒状の押子外筒(44)と、
    前記押子外筒(44)内を摺動する押子本体(46)と、を有し、
    前記押子外筒(44)は、
    前記押子外筒(44)の外周部に設けられ、前記シリンジ外筒(12、170)の内周面との間に液密なシールを形成しつつ、前記シリンジ外筒(12、170)の前記内周面を摺動するシール部材(56)と、
    前記押子(14)の先端部に設けられ、前記製剤(F)が通る製剤流通口(60)と、を有し、
    前記押子本体(46)は、
    前記押子外筒(44)の内周面との間に液密なシールを形成しつつ、前記押子外筒(44)の前記内周面を摺動するガスケット(68)と、
    先端が前記ガスケット(68)に接続されたロッド部(70)と、
    前記ロッド部(70)の基端部に設けられた押圧部(72)と、を有し、
    前記キャップ(16、172)は、前記製剤流通口(60)及び前記製剤吐出口(28)を液密に封止する初期位置から、前記製剤流通口(60)が開放された状態で前記製剤吐出口(28)を液密に封止する撹拌位置に変位可能であり、かつ、前記初期位置から前記撹拌位置まで変位する間、前記製剤吐出口(28)を連続的に液密に封止可能であり、
    前記キャップ(16、172)と前記押子外筒(44)と前記ガスケット(68)とに囲まれた収納空間(S)に前記製剤(F)を収納可能である、
    ことを特徴とするシリンジ(11A、11B)。
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