JP6390600B2 - 車両 - Google Patents
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Description
この発明は、車両に関し、特に、送電装置から非接触で受電する受電装置を搭載した車両に関する。
送電装置から車両に搭載された受電装置へ非接触で電力を伝送する非接触電力伝送システムが知られている(たとえば特許文献1〜6参照)。このような非接触電力伝送システムについて、特開2015−104275号公報(特許文献1)には、充電ステーション(送電装置)の送電部と車両の受電部との位置合わせを支援可能な電力伝送システムが開示されている。この電力伝送システムでは、位置合わせの実行時に、充電ステーションから車両へ位置合わせ用の小電力が出力される。そして、車両において検出される受電電圧の大きさがしきい値を超えると、送電部と受電部との位置関係が充電可能範囲に入ったものとされ、位置合わせが成功したものと判断される(特許文献1参照)。
位置合わせの終了後に乗員が降車し、さらに荷物の乗降が行なわれると、車高が変化することによって送電部に対する受電部の車体上下方向の高さが変化する。乗員の降車等により車高が高くなると、送電部に対する受電部の高さが増加し、送電部と受電部との間の電力伝送効率(以下、単に「送電効率」とも称する。)が低下する。そうすると、位置合わせの実行時には、所望の送電効率が確保できるものとして位置合わせ判定が行なわれたけれども、位置合わせ後に実施される本格的な電力伝送時には、送電効率が低い状態で送電部から受電部への電力伝送が行なわれる可能性がある。
この発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、その目的は、送電装置から非接触で受電する受電装置を搭載した車両において、送電部から受電部への電力伝送時に所望の送電効率が確保されるように位置合わせを実行することである。
この発明によれば、車両は、送電装置から非接触で受電する受電装置を搭載する。受電装置は、受電部と、制御部とを備える。受電部は、送電装置の送電部から磁界を通じて非接触で受電するように構成される。制御部は、送電部に対する受電部の車体水平方向の位置が所定の位置合わせ範囲に納まるように、送電部に対する受電部の位置合わせを実行する。そして、制御部は、位置合わせの実行時における、送電部に対する受電部の車体上下方向の高さと、位置合わせ後の受電部による受電時における前記高さとの差を推定し、その推定結果に従って位置合わせ範囲を変更する。
この発明においては、送電部に対する受電部の車体上下方向の高さについて、位置合わせ後の高さの変化が推定され、その推定結果が位置合わせ実行時の位置合わせ範囲に反映される。これにより、位置合わせの実行時には受電部の位置が位置合わせ範囲に納まっていると判定されたにも拘わらず、位置合わせ後の高さの変化により、位置合わせ後に実施される本格的な電力伝送時に送電効率が低い状態で電力伝送が行なわれるのを抑制することができる。したがって、この発明によれば、送電部から受電部への電力伝送時に所望の送電効率を確保することができる。
この発明によれば、送電装置から非接触で受電する受電装置を搭載した車両において、送電部から受電部への電力伝送時に所望の送電効率が確保されるように位置合わせを実行することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、この発明の実施の形態に従う車両が適用される非接触電力伝送システムの全体構成図である。図1を参照して、この非接触電力伝送システムは、車両10と、送電装置20とを備える。
車両10は、受電部100と、フィルタ回路150と、整流部200と、抵抗211及びリレー212と、リレー220,310と、蓄電装置300と、動力生成装置400とを含む。また、車両10は、車両ECU(Electronic Control Unit)500と、通信装置510と、車高センサ520とをさらに含む。
受電部100は、送電装置20の送電部700(後述)から磁界を通じて非接触で受電する。受電部100は、コイルとキャパシタとを含み、伝送周波数において共振するように設計されている。受電部100は、受電した電力(交流)を整流部200へ出力する。この実施の形態では、送電装置20の送電部700が地表に設けられるものとし、受電部100は、たとえば車体前方寄りの車体下部に設けられるものとする。なお、受電部100の配置箇所はこれに限定されるものではなく、受電部100は、たとえば車体後方寄りの車体下部に設けられてもよい。
フィルタ回路150は、受電部100と整流部200との間に設けられ、送電装置20からの受電時に発生する高調波ノイズを抑制する。フィルタ回路150は、たとえば複数のインダクタ及びキャパシタを含むLCフィルタを含んで構成される。整流部200は、受電部100によって受電された交流電力を整流する。
抵抗211及びリレー212は、直列接続されて整流部200の出力線対間に接続される。抵抗211及びリレー212は、送電部700に対する車体水平方向の受電部100の位置合わせ用に設けられ、位置合わせの実行中に車両ECU500によってリレー212がオンされる(後述のリレー220はオフされる。)。この状態で、送電部700から受電部100へ小電力(蓄電装置300の充電時よりも小さい電力)が出力され、送電部700から受電部100への送電効率に基づいて位置合わせが実行される。送電部700に対する受電部100の位置合わせについては、後ほど詳しく説明する。
リレー220は、抵抗211及びリレー212から成る回路と蓄電装置300との間の電力線に設けられ、蓄電装置300の充電時に車両ECU500によってオンされる(蓄電装置300の充電時は、上記のリレー212はオフされる。)。なお、上述のように、位置合わせの実行時は、リレー220はオフされる。
蓄電装置300は、再充電可能な直流電源であり、たとえばリチウムイオン電池やニッケル水素電池等の二次電池を含んで構成される。蓄電装置300は、整流部200から出力される電力を蓄えるほか、動力生成装置400によって発電される電力も蓄える。そして、蓄電装置300は、その蓄えられた電力を動力生成装置400へ供給する。なお、蓄電装置300として大容量のキャパシタも採用可能である。
なお、特に図示しないが、整流部200と蓄電装置300との間に、整流部200の出力電圧を調整するDC−DCコンバータを設けてもよい。リレー310は、蓄電装置300と動力生成装置400との間の電力線に設けられ、動力生成装置400の起動が要求されると、車両ECU500によってオンされる。
動力生成装置400は、蓄電装置300に蓄えられる電力を用いて車両10の走行駆動力を発生する。特に図示しないが、動力生成装置400は、たとえば、蓄電装置300から電力を受けるインバータ、インバータによって駆動されるモータ、モータによって駆動される駆動輪等を含む。なお、動力生成装置400は、蓄電装置300を充電するための発電機と、その発電機を駆動可能なエンジンとを含んでもよい。
車高センサ520は、車両10の車高を検知するためのセンサである。一例として、車高センサ520は、車両10のサスペンションに設けられ、予め定められた基準位置に対する車両の沈み込み量を磁気変位や抵抗変位として測定することによって車高を検知する。なお、車高センサ520として、車体底面に設置したレーザー変位計を用い、路面との距離の変化を直接測定してもよい。この車高センサ520には、種々の公知のものを採用することができる。
車両ECU500は、CPU(Central Processing Unit)、記憶装置、入出力バッファ等を含み(いずれも図示せず)、各種センサからの信号の入力や各機器への制御信号の出力を行なうとともに、車両10における各機器の制御を行なう。一例として、車両ECU500は、車両10の走行制御や、送電装置20による蓄電装置300の充電制御等を実行する。
車両ECU500により実行される主要な制御として、車両ECU500は、送電部700に対する受電部100の位置合わせを実行する。ここで、「位置合わせ」とは、送電部700に対する受電部100の車体水平方向の位置合わせである。位置合わせの実行時に、車両ECU500は、リレー212,220をそれぞれオン,オフに制御し、さらにリレー310をオンにする。そして、車両ECU500は、送電部700に対する受電部100の車体水平方向の位置が、所定の位置合わせ範囲、すなわち、位置合わせ後に実施される本格的な電力伝送時に送電部700から受電部100への送電が許可される範囲に納まるように、送電部700に対する受電部100の位置合わせを実行する。
位置合わせ範囲は、たとえば、送電部700から受電部100への送電効率に基づいて決定される。すなわち、送電効率が所定のしきい値よりも高くなる範囲が位置合わせ範囲とされる。送電効率は、たとえば、送電部700からの送電電力に対する、受電部100による受電電力の比によって算出される。なお、位置合わせが終了し、送電装置20による蓄電装置300の充電が行なわれるときは、車両ECU500は、リレー212,220をそれぞれオフ,オンに制御する。
そして、この実施の形態に従う車両10においては、車両ECU500は、位置合わせの実行時における、送電部700に対する受電部100の車体上下方向の高さと、位置合わせ後の受電部100による受電時(送電装置20による蓄電装置300の充電時)における上記高さとの差(高さ変化)を推定し、その推定結果に従って位置合わせ範囲を変更する。これにより、送電部700から受電部100への電力伝送時に所望の送電効率を確保することができる。この点については、後ほど詳しく説明する。
また、車両ECU500は、位置合わせの実行時やその後の蓄電装置300の充電時に、通信装置510を用いて送電装置20と通信を行ない、充電の開始/停止や車両10の受電状況等の情報を送電装置20とやり取りする。
なお、車両ECU500により実行される上記の各制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で処理することも可能である。
一方、送電装置20は、電源部600と、フィルタ回路610と、送電部700と、電源ECU800と、通信装置810とを含む。電源部600は、商用系統電源等の外部電源900から電力を受け、所定の伝送周波数を有する交流電力を発生する。電源部600は、たとえば、力率改善回路やインバータ等を含んで構成される。
送電部700は、車両10の受電部100へ磁界を通じて非接触で送電する。送電部700は、コイルとキャパシタとを含み、上記の伝送周波数において共振するように設計されている。そして、送電部700は、伝送周波数を有する交流電力を電源部600から受け、送電部700の周囲に生成される磁界を通じて車両10の受電部100へ非接触で送電する。
フィルタ回路610は、電源部600と送電部700との間に設けられ、電源部600から発生する高調波ノイズを抑制する。フィルタ回路610は、たとえば複数のインダクタ及びキャパシタを含むLCフィルタを含んで構成される。
電源ECU800は、CPU、記憶装置、入出力バッファ等を含み(いずれも図示せず)、各種センサからの信号の入力や各機器への制御信号の出力を行なうとともに、送電装置20における各機器の制御を行なう。一例として、電源ECU800は、伝送周波数を有する交流電力を電源部600が生成するように、電源部600のスイッチング制御を実行する。なお、これらの制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で処理することも可能である。
なお、電源ECU800は、位置合わせの実行時やその後の蓄電装置300の充電時に、通信装置810を用いて車両10の通信装置510と通信を行ない、充電の開始/停止や車両10の受電状況等の情報を車両10とやり取りする。
この非接触電力伝送システムでは、送電装置20において、電源部600からフィルタ回路610を通じて送電部700へ、所定の伝送周波数を有する交流電力が供給される。送電部700及び車両10の受電部100の各々は、コイルとキャパシタとを含み、伝送周波数において共振するように設計されている。送電部700及び受電部100の共振強度を示すQ値は、100以上であることが好ましい。なお、送電部700及び受電部100の各々において、キャパシタは、コイルに直列に接続されてもよいし、コイルに並列に接続されてもよい。また、キャパシタを備えることなく所望の共振周波数を達成できる場合には、キャパシタを備えない構成としてもよい。
電源部600からフィルタ回路610を通じて送電部700へ交流電力が供給されると、送電部700のコイルと受電部100のコイルとの間に形成される磁界を通じて、送電部700から受電部100へエネルギー(電力)が移動する。そして、受電部100へ移動したエネルギー(電力)は、フィルタ回路150及び整流部200を通じて蓄電装置300へ供給される。
なお、位置合わせの実行時は、リレー220がオフされることにより蓄電装置300への電力供給は行なわれず、リレー212がオンされる。この状態で、送電部700から受電部100へ小電力(蓄電装置300の充電時よりも小さい電力)が出力され、送電部700から受電部100への送電効率に基づいて、送電部700に対する受電部100の位置合わせが実行される。なお、位置合わせの実行時に送電装置20から出力される小電力は、たとえば、蓄電装置300の充電時の出力電力の1/100以下に設定される。
なお、以下では、位置合わせ後に行なわれる、送電装置20による蓄電装置300の充電を「外部充電」と称する。
図2及び図3は、位置合わせ時と外部充電時とで送電部700に対する受電部100の高さが変化する様子を示した図である。図2は、位置合わせの実行時における、送電部700に対する受電部100の高さを示した図であり、図3は、外部充電の実行時における、送電部700に対する受電部100の高さを示した図である。
図2を参照して、位置合わせの実行時は、車両10に乗員が搭乗しており、荷物も搭載されているので、車体の沈み込み量は大きい。このときの送電部700に対する受電部100の高さはh1である。
一方、図3を参照して、位置合わせ後の外部充電時は、車両10から乗員が降車しており、荷物も車両10から降ろされていることが多いので、車体の沈み込み量は、位置合わせの実行時よりも小さい。したがって、このときの送電部700に対する受電部100の高さはh2(h2>h1)である。
図4から図6は、車両10の上方から車両10及び送電装置20を平面視したときの、送電部700と受電部100との位置関係及び位置合わせ範囲を示した図である。なお、これらの図は、送電部700に対する受電部100の高さ変化による位置合わせ範囲(送電部700から受電部100への送電が許可される範囲)の変化を説明するために示されるものであり、各図に示されている位置合わせ範囲の形状自体は、必ずしも位置合わせ範囲を正確に示したものではない。
図4は、位置合わせの実行時における、送電部700と受電部100との位置関係及び位置合わせ範囲を示した図である。図4を参照して、範囲R1は、位置合わせの実行時に、送電部700から受電部100への送電効率に基づいて決定される位置合わせ範囲(送電許可範囲)を示す。すなわち、範囲R1は、送電部700から受電部100への送電効率が所定のしきい値よりも高くなる範囲を示しており、たとえば、受電部100の外縁が範囲R1内であれば、受電部100が位置合わせ範囲に納まるように停車したものと判定される。
図5は、位置合わせ時と外部充電時とで、送電部700に対する受電部100の高さが変化したことによる位置合わせ範囲の変化を示した図である。図5を参照して、位置合わせ後に乗員が降車し、さらに荷物の乗降が行なわれると、車高が変化することによって送電部700に対する受電部100の高さが変化する。乗員の降車等により車高が高くなると、送電部700に対する受電部100の高さが増加し、送電部700から受電部100への送電効率が低下する。これにより、位置合わせ後の外部充電時において、送電効率が所定のしきい値よりも高くなる位置合わせ範囲R2は、位置合わせ実行時の範囲R1に比べて狭くなる。そうすると、位置合わせの実行時には、所望の送電効率が確保できるものとして位置合わせ判定が行なわれたけれども、降車後に実行される外部充電時には、送電効率が低い状態で送電部700から受電部100への電力伝送が行なわれてしまう。
そこで、この実施の形態に従う車両10では、送電部700に対する受電部100の車体上下方向の高さについて、位置合わせ後の高さ変化が推定される。この高さ変化は、過去に位置合わせ及びその後の外部充電が実行されたときの車高センサ520の検出値に基づいて推定することができる(具体的な推定手法については後述)。そして、上記の高さ変化の推定結果が位置合わせ実行時の位置合わせ範囲に反映される。
図6は、送電部700に対する受電部100の高さ変化を考慮して変更された位置合わせ範囲を示した図である。図6を参照して、範囲R2は、送電部700に対する受電部100の高さ変化の推定結果に従って変更された位置合わせ範囲(送電許可範囲)を示す。すなわち、範囲R2は、送電部700に対する受電部100の高さが位置合わせの実行時よりも大きくなる外部充電時において、送電部700から受電部100への送電効率が所定のしきい値よりも高くなる範囲を示しており(範囲R2<範囲R1)、たとえば、受電部100の外縁が範囲R2内であれば、受電部100が位置合わせ範囲に納まるように停車したものと判定される。
このように、この実施の形態では、送電部700に対する受電部100の車体上下方向の高さについて、位置合わせ後の高さ変化が推定され、その推定結果が位置合わせ実行時の位置合わせ範囲に反映される。これにより、位置合わせの実行時には受電部100の位置が位置合わせ範囲に納まっていると判定されたにも拘わらず、位置合わせ後の高さ変化により外部充電時に送電効率が低い状態で電力伝送が行なわれるのを抑制することができる。したがって、この実施の形態によれば、送電部700から受電部100への電力伝送時に所望の送電効率を確保することができる。
次に、位置合わせの実行時における、送電部700に対する受電部100の高さと、位置合わせ後の外部充電時における高さとの差(高さ変化)を推定する手法について説明する。なお、以下では、位置合わせの実行時に対する外部充電時の、送電部700に対する受電部100の高さ変化を、単に「高さ変化」とも称する。
図7は、位置合わせ及びその後の外部充電が行なわれる毎の、車高センサ520の検出値の推移の一例を示した図である。ここでは、一日に一回、帰宅時の位置合わせ及びその後の外部充電が行なわれるものとする。また、平日は、運転者のみが乗車して通勤に車両10が使用され、休日は、複数人の家族が乗車して買い物や行楽等に車両10が使用されるものとする。
図7を参照して、平日は、位置合わせ実行時(運転者一人乗車、荷物少)の車高センサ520の検出値はx1(平均値)であり、その後の外部充電時(運転者降車)における車高センサ520の検出値はy2(平均値)である。降車後の外部充電時と乗車時の位置合わせ実行時との高さ変化はa(=y2−x1)である。
一方、休日は、位置合わせ実行時(複数人乗車、荷物多)の車高センサ520の検出値はx2(x2<x1)であり、その後の外部充電時(全員降車、荷物も降ろした状態)における車高センサ520の検出値はy1(y1>y2)である。降車後の外部充電時と乗車時の位置合わせ実行時との高さ変化はb(=y1−x2)であり、b>aである。
このように、平日と休日或いは曜日によって、位置合わせの実行時に対する外部充電時の車高変化すなわち送電部700に対する受電部100の高さ変化に周期性が表れるユーザにおいては、そのような周期性に基づいて、位置合わせの実行時(たとえば位置合わせ開始時)に上記の高さ変化を推定することができる。たとえば、過去1か月間の休日における高さ変化の平均値に基づいて、休日の帰宅時に実行される位置合わせの際に予め高さ変化を推定することができる。また、過去1か月間の平日における高さ変化の平均値に基づいて、平日の帰宅時に実行される位置合わせの際に予め高さ変化を推定することができる。そして、その推定された高さ変化に基づいて、これから実行される位置合わせにおける位置合わせ範囲が変更される。
なお、位置合わせの実行時に対する外部充電時の高さ変化に基づく位置合わせ範囲の変更量については、高さ変化の大きさと位置合わせ範囲の変更量との関係を予めオフラインで求めておくことができる。一例として、高さ変化の大きさ(高さの上昇量)に従って、送電部700と受電部100との位置関係が位置合わせ範囲内であると判定するための送電効率のしきい値を高めることによって、高さ変化の大きさに基づいて位置合わせ範囲を適切に変更することができる。
なお、位置合わせの実行時に対する外部充電時の高さ変化に明確な周期性がない場合には、高さ変化の移動平均(たとえば過去1か月間)に基づいて、位置合わせの実行時(たとえば位置合わせ開始時)に上記の高さ変化を推定してもよい。この送電部700に対する受電部100の高さ変化の推定手法は、上記のような周期性や移動平均による手法に限られず、その他の種々の手法も採用可能である。
図8は、図1に示した車両ECU500により実行される位置合わせ処理を説明するためのフローチャートである。図8を参照して、送電部700に対する受電部100の位置合わせが開始されると(ステップS10においてYES)、車両ECU500は、過去の位置合わせ実行時及びその後の外部充電時における車高センサ520の検出値から、今回の位置合わせ及びその後の外部充電における、送電部700に対する受電部100の高さ変化Δzを推定する(ステップS20)。
具体的には、過去に外部充電が実行されたときの、位置合わせ実行時の車高センサ520の検出値xと、その後の外部充電時の車高センサ520の検出値yとから、過去に外部充電が実行されたときの高さ変化の推移が学習される。たとえば、図7に示されるように、平日であれば高さ変化がaであると学習され、休日であれば高さ変化がb(b>a)であると学習される。そして、その学習結果に基づいて、今回の位置合わせ及びその後の外部充電における高さ変化Δzが推定される。
次いで、車両ECU500は、位置合わせ範囲の変更が必要か否かを判定する(ステップS30)。たとえば、推定された高さ変化Δzの絶対値が下限値よりも小さい場合には、位置合わせ範囲の変更は不要であると判定される。そして、位置合わせ範囲の変更が不要と判定された場合には(ステップS30においてNO)、車両ECU500は、ステップS70(後述)へ処理を移行する。
ステップS30において位置合わせ範囲の変更が必要であると判定されると(ステップS30においてYES)、車両ECU500は、ステップS20において推定された高さ変化Δzが0よりも大きいか否かを判定する(ステップS40)。高さ変化Δzが0よりも大きい、すなわち送電部700に対する受電部100の高さが増加する方向に変化したものと判定されると(ステップS40においてYES)、車両ECU500は、推定された高さ変化Δzに基づいて位置合わせ範囲を縮小する(ステップS50)。この場合は、位置合わせの実行時に比べて外部充電時の送電効率が低下するので、高さ変化Δz(>0)に応じて位置合わせ範囲を縮小することとしたものである。具体的には、送電部700から受電部100への送電を許可する送電効率のしきい値が、高さ変化Δzに応じて高められる。
一方、ステップS40において、Δzが0よりも小さい、すなわち送電部700に対する受電部100の高さが減少する方向に変化したものと判定されると(ステップS40においてNO)、車両ECU500は、推定された高さ変化Δzに基づいて位置合わせ範囲を拡大する(ステップS60)。この場合は、位置合わせの実行時に比べて外部充電時の送電効率が上昇するので、高さ変化Δz(<0)に応じて位置合わせ範囲を拡大することとしたものである。具体的には、送電部700から受電部100への送電を許可する送電効率のしきい値が、高さ変化Δzに応じて低められる。
ステップS50若しくはS60において位置合わせ範囲が変更されるか、又はステップS30において位置合わせ範囲の変更は不要であると判定されると(ステップS30においてNO)、車両ECU500は、位置合わせ用の小電力を送電部700から受電部100へ出力するように、送電装置20へ向けて送電指示を送信する(ステップS70)。
そして、送電部700から受電部100に向けて小電力が出力されると、車両ECU500は、送電効率を算出し、位置合わせ範囲に停車したか否かを送電効率に基づいて判定する(ステップS80)。詳細には、位置合わせ範囲は、送電効率のしきい値によって決定され(ステップS50,S60において、高さ変化Δzに基づいてこのしきい値が変更される。)、送電効率は、たとえば送電装置20からの送電電力に対する車両10の受電電力の比に基づいて算出される。
そして、ステップS80において位置合わせ範囲に停車したものと判定されると(ステップS80においてYES)、車両ECU500は、送電部700からの小電力の出力を停止するように、送電装置20へ向けて送電停止指示を送信する(ステップS90)。これにより、送電部700と受電部100との位置合わせ処理が終了する。
なお、上記では、位置合わせの開始直後に今回の高さ変化Δzを推定するものとしたが(ステップS20)、高さ変化Δzの推定は、位置合わせの開始前に行なってもよい。
以上のように、この実施の形態においては、位置合わせの実行時における、送電部700に対する受電部100の車体上下方向の高さと、位置合わせ後の外部充電時における上記高さとの差(高さ変化)が推定され、その推定結果が位置合わせ実行時の位置合わせ範囲に反映される。これにより、位置合わせの実行時には受電部100の位置が位置合わせ範囲に納まっていると判定されたにも拘わらず、位置合わせ後の高さ変化により、位置合わせ後に実施される外部充電時に送電効率が低い状態で電力伝送が行なわれるのを抑制することができる。したがって、この実施の形態によれば、外部充電時に所望の送電効率を確保することができる。
なお、上記の実施の形態においては、車両10の車両ECU500において位置合わせ処理が実行されるものとしたが、位置合わせ処理に必要な情報を車両10から送電装置20へ送信し、送電装置20の電源ECU800において位置合わせ処理を実行することも可能である。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 車両、20 送電装置、100 受電部、150,610 フィルタ回路、200 整流部、211 抵抗、212,220,310 リレー、300 蓄電装置、400 動力生成装置、500 車両ECU、510,810 通信装置、520 車高センサ、600 電源部、700 送電部、800 電源ECU、900 外部電源。
Claims (1)
- 送電装置から非接触で受電する受電装置を搭載した車両であって、
前記受電装置は、
前記送電装置の送電部から磁界を通じて非接触で受電するように構成された受電部と、
前記送電部に対する前記受電部の車体水平方向の位置が所定の位置合わせ範囲に納まるように、前記送電部に対する前記受電部の位置合わせを実行する制御部とを備え、
前記制御部は、前記位置合わせの実行時における、前記送電部に対する前記受電部の車体上下方向の高さと、前記位置合わせ後の前記受電部による受電時における前記高さとの差を推定し、その推定結果に従って前記位置合わせ範囲を変更する、車両。
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