JP2017127091A - 非接触送電装置及び非接触電力伝送システム - Google Patents
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Abstract
【課題】小電力の送電時に小電源に生じる負荷を抑制することができる非接触送電装置及び非接触電力伝送システムを提供する。
【解決手段】送電装置10は、交流電源100から受けた電力を用いて生成される送電電力を、受電装置20に含まれる蓄電装置350の充電のために非接触で送電する。この送電装置10は、小電源110と、インバータ220と、送電部240と、電源ECU250とを備える。小電源110は、交流電源100よりも小さい電力を供給する。送電部240は、コイルとキャパシタとが直列接続された共振回路を含み、インバータ220から小電力を受けて受電装置20へ非接触で送電する。電源ECU250は、共振回路における共振周波数と異なる周波数の小電力を生成するようにインバータ220を制御する。
【選択図】図1
【解決手段】送電装置10は、交流電源100から受けた電力を用いて生成される送電電力を、受電装置20に含まれる蓄電装置350の充電のために非接触で送電する。この送電装置10は、小電源110と、インバータ220と、送電部240と、電源ECU250とを備える。小電源110は、交流電源100よりも小さい電力を供給する。送電部240は、コイルとキャパシタとが直列接続された共振回路を含み、インバータ220から小電力を受けて受電装置20へ非接触で送電する。電源ECU250は、共振回路における共振周波数と異なる周波数の小電力を生成するようにインバータ220を制御する。
【選択図】図1
Description
この発明は、非接触送電装置及び非接触電力伝送システムに関し、特に、送電装置から受電装置に非接触で送電する技術に関する。
送電装置から受電装置に非接触で送電する非接触電力伝送システムが知られている(特許文献1〜6参照)。特許第5418583号公報(特許文献1)は、送電装置に対する車両(受電装置)の位置合わせにおける位置ずれを小さくすることができる非接触電力伝送システムを開示する。この非接触電力伝送システムにおいて、送電装置は、車両の位置合わせに用いられる位置合わせ用電力を車両に送電する。位置合わせ用電力は、車両に含まれる蓄電装置の充電のために送電される電力(充電電力)よりも小さい電力である。充電電力よりも小さい電力を以下では「小電力」とも称する。特許文献1に開示される車両は、位置合わせ用電力の受電状況に従って送電装置に対する位置合わせを行なうことができる(特許文献1参照)。
上記特許文献1に開示されるような非接触電力伝送システムにおいて、送電装置は、車両の位置合わせの他、各種回路の動作確認等のために小電力を受電装置に送電し得る。この送電装置において、小電力が送電される場合には、充電電力が送電される場合に用いられる電源(系統電源)よりも小さい電力を生成する小電源が用いられ得る。
送電装置は、コイルとキャパシタとが直列接続された共振回路の共振現象を利用して送電し得る。送電装置がこのような共振回路を含む場合に、小電源により生成された小電力が共振回路の共振周波数で送電されるとすると、送電時のインピーダンスは最小となる。その結果、小電力の送電時に形成される閉回路に生じる電流は過大となる。したがって、小電力の送電のために印加される電圧が低いとしても、小電力の送電時に用いられる小電源に過大な負荷が生じ得る。小電源は、一般的には、充電電力の送電時に用いられる電源よりも小さい電流が流れることを想定して設計されているので、小電源に過大な電流が生じることは好ましくない。
この発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、小電力の送電時に小電源に生じる負荷を抑制することができる非接触送電装置及び非接触電力伝送システムを提供することである。
この発明のある局面に従う非接触送電装置は、系統電源から受けた電力を用いて生成される送電電力を、受電装置に含まれる蓄電装置の充電のために非接触で送電する。この非接触送電装置は、小電源と、インバータと、送電部と、制御装置とを備える。小電源は、系統電源よりも小さい電力を生成する。インバータは、小電源から受けた電力を用いて交流の小電力を生成する。送電部は、コイルとキャパシタとが直列接続された共振回路を含み、インバータから小電力を受けて受電装置へ非接触で送電する。制御装置は、共振回路の共振周波数と異なる周波数の小電力を生成するようにインバータを制御する。
この発明の別の局面に従う非接触電力伝送システムは、蓄電装置を含む受電装置と、系統電源から受けた電力を用いて生成される送電電力を蓄電装置の充電のために非接触で送電する送電装置とを備える。受電装置は、受電部をさらに含む。受電部は、送電装置から非接触で受電する。送電装置は、小電源と、インバータと、送電部と、制御装置とを含む。小電源は、系統電源よりも小さい電力を生成する。インバータは、小電源から受けた電力を用いて交流の小電力を生成する。送電部は、コイルとキャパシタとが直列接続された共振回路を有し、インバータから小電力を受けて受電部へ非接触で送電する。制御装置は、共振回路の共振周波数と異なる周波数の小電力を生成するようにインバータを制御する。
これらの発明において、小電源から受けた電力を用いて生成された小電力は、共振回路における共振周波数と異なる周波数で送電される。したがって、送電時のインピーダンスは最小とはならない。その結果、小電力の送電時に形成される閉回路に生じる電流は過大とはならない。よって、これらの発明によれば、小電力の送電時に小電源に生じる負荷を抑制することができる。
この発明によれば、小電力の送電時に小電源に生じる負荷を抑制することができる非接触送電装置及び非接触電力伝送システムを提供することができる。
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
[電力伝送システムの構成]
図1は、この発明の実施の形態1に係る電力伝送システムの全体構成図である。図1を参照して、この電力伝送システムは、送電装置10と、受電装置20とを備える。受電装置20は、送電装置10から供給された電力を用いて走行可能な車両(不図示)に搭載される。受電装置20の受電部310(後述)は、車両の底面に配置され得る。送電装置10は、車両を停車可能な場所(駐車場等)に配置され得る。送電装置10の送電部240(後述)と受電装置20の受電部310との位置関係によって、送電装置10から受電装置20への送電効率が変化する。たとえば、送電部240と受電部310とが正対している場合には、高い送電効率を維持することができる。
[電力伝送システムの構成]
図1は、この発明の実施の形態1に係る電力伝送システムの全体構成図である。図1を参照して、この電力伝送システムは、送電装置10と、受電装置20とを備える。受電装置20は、送電装置10から供給された電力を用いて走行可能な車両(不図示)に搭載される。受電装置20の受電部310(後述)は、車両の底面に配置され得る。送電装置10は、車両を停車可能な場所(駐車場等)に配置され得る。送電装置10の送電部240(後述)と受電装置20の受電部310との位置関係によって、送電装置10から受電装置20への送電効率が変化する。たとえば、送電部240と受電部310とが正対している場合には、高い送電効率を維持することができる。
受電装置20が搭載される車両は、送電装置10に対する受電装置20の位置合わせを支援する機能を有する。具体的には、送電装置10は、送電装置10に対する車両の駐車動作時に、位置合わせ用電力を受電装置20に送電する。位置合わせ用電力は、受電装置20に含まれる蓄電装置350(後述)を充電するために送電装置10が受電装置20に送電する電力(充電電力)よりも小さい電力(小電力)である。受電装置20が搭載される車両においては、送電装置10から受電した位置合わせ用電力の受電状況に従って送電装置10に対する受電装置20の位置合わせが支援される。位置合わせ支援機能については後程詳しく説明する。
送電装置10は、力率改善(PFC(Power Factor Correction))回路210と、小電源110と、リレー回路115と、インバータ220と、検査信号生成回路120と、フィルタ回路230と、送電部240とを含む。また、送電装置10は、電源ECU(Electronic Control Unit)250と、通信部260と、電圧センサ270と、電流センサ274とをさらに含む。
PFC回路210は、交流電源100から受ける交流電力を整流及び昇圧してインバータ220へ供給するとともに、入力電流を正弦波に近づけることで力率を改善することができる。なお、交流電源100は系統電源である。このPFC回路210には、公知の種々のPFC回路を採用し得る。なお、PFC回路210に代えて、力率改善機能を有しない整流器を採用してもよい。
小電源110は、位置合わせ用電力を生成するための直流電源である。小電源110は、PFC回路210の出力電圧よりも低い電圧を出力する。たとえば、小電源110は、12(V)電源である。
リレー回路115は、PFC回路210及び小電源110のインバータ220(後述)に対する接続状態を変更するためのリレーである。リレー回路115がPFC回路210側の接点に閉成されると、インバータ220はPFC回路210と電気的に接続される。リレー回路115が小電源110側の接点に閉成されると、インバータ220は小電源110と電気的に接続される。また、リレー回路115は、PFC回路210側の接点及び小電源110側の接点の何れにも閉成されない状態にもなり得る。なお、PFC回路210及び小電源110のインバータ220に対する接続状態を変更するためのリレーの構成は、これに限定されない。たとえば、PFC回路210とインバータ220との接続状態を変更する第1のリレーと、小電源110とインバータ220との接続状態を変更する第2のリレーとを設ける構成としてもよい。この場合には、第1及び第2のリレーの接続状態を制御することにより、PFC回路210及び小電源110のインバータ220に対する接続状態を変更することができる。
インバータ220は、リレー回路115がPFC回路210側の接点に閉成されている場合に、PFC回路210から受ける直流電力を、所定の伝送周波数を有する充電電力に変換する。インバータ220によって生成された充電電力は、フィルタ回路230を通じて送電部240へ供給される。また、インバータ220は、リレー回路115が小電源110側の接点に閉成されている場合に、小電源110から受ける直流電力を、位置合わせ用電力に変換する。インバータ220によって生成された位置合わせ用電力は、フィルタ回路230を通じて送電部240へ供給される。インバータ220は、電圧形インバータであり、インバータ220を構成する各スイッチング素子に逆並列に還流ダイオードが接続されている。インバータ220は、たとえば単相フルブリッジ回路によって構成される。
検査信号生成回路120は、スイープ信号を生成する回路である。スイープ信号とは、予め定められた範囲内で周波数が時間的に変化する信号である。検査信号生成回路120は、内部に駆動電源(不図示)を含む。この駆動電源の電圧は、小電源110の電圧よりも低い。したがって、検査信号生成回路120により生成されるスイープ信号の電力は、位置合わせ用電力よりも小さい。スイープ信号は、送電部240(後述)に含まれる共振回路の共振周波数を推定するために用いられる。共振回路の共振周波数を推定する趣旨及び方法については後程詳しく説明する。
フィルタ回路230は、インバータ220と送電部240との間に設けられ、インバータ220から発生する高調波ノイズを抑制する。フィルタ回路230は、たとえば、インダクタ及びキャパシタを含むLCフィルタによって構成される。
送電部240は、伝送周波数を有する交流電力をインバータ220からフィルタ回路230を通じて受け、送電部240の周囲に生成される電磁界を通じて、受電装置20の受電部310へ非接触で送電する。送電部240は、リレー回路115がPFC回路210側の接点に閉成している場合には、PFC回路210から受けた電力に基づいて生成された充電電力を送電し、リレー回路115が小電源110側の接点に閉成している場合には、小電源110から受けた電力に基づいて生成された位置合わせ用電力を送電する。送電部240は、受電部310へ非接触で送電するための共振回路を含む。共振回路は、コイルとキャパシタとによって構成される。
電圧センサ270は、インバータ220の出力電圧(V0)を検出し、その検出値を電源ECU250へ出力する。電流センサ274は、送電部240に流れる電流(Is)を検出し、その検出値を電源ECU250へ出力する。電圧V0及び電流Isに基づいて、インバータ220から送電部240に供給される電力が検出される。
電源ECU250は、CPU(Central Processing Unit)、記憶装置、入出力バッファ等を含み(いずれも図示せず)、各種センサや機器からの信号を受けるとともに、送電装置10における各種機器の制御を行なう。一例として、電源ECU250は、受電装置20が搭載された車両の駐車動作時に、リレー回路115が小電源110側の接点に閉成するようにリレー回路115を制御する。その後、電源ECU250は、インバータ220が位置合わせ用電力を生成するようにインバータ220のスイッチング制御を行なう。各種制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で処理することも可能である。電源ECU250により実現される主要な機能として、位置合わせ用電力の伝送周波数の決定機能がある。位置合わせ用電力の伝送周波数がどのように決定されるかについては後程詳しく説明する。
通信部260は、受電装置20の通信部370と無線通信するように構成され、受電装置20から送信される充電電力の目標値(目標電力)を受信するほか、受電装置20の送電装置10に対する位置合わせの開始指示や完了通知を受信する。
一方、受電装置20は、受電部310と、フィルタ回路320と、整流部330と、リレー回路340と、蓄電装置350とを含む。また、受電装置20は、充電ECU360と、通信部370と、電圧センサ380と、電流センサ382と、モニタ390とをさらに含む。
受電部310は、送電装置10の送電部240から出力される電力(交流)を非接触で受電する。受電部310は、たとえば、送電部240から非接触で受電するための共振回路を含む。共振回路は、コイルとキャパシタとによって構成される。受電部310は、受電した電力をフィルタ回路320を通じて整流部330へ出力する。
フィルタ回路320は、受電部310と整流部330との間に設けられ、受電時に発生する高調波ノイズを抑制する。フィルタ回路320は、たとえば、インダクタ及びキャパシタを含むLCフィルタによって構成される。整流部330は、受電部310によって受電された交流電力を整流して蓄電装置350へ出力する。
蓄電装置350は、再充電可能な直流電源であり、たとえばリチウムイオン電池やニッケル水素電池などの二次電池によって構成される。蓄電装置350は、整流部330から出力される電力を蓄える。そして、蓄電装置350は、その蓄えられた電力を図示しない負荷駆動装置等へ供給する。なお、蓄電装置350として大容量のキャパシタも採用可能である。
リレー回路340は、整流部330と蓄電装置350との間に設けられ、送電装置10による蓄電装置350の充電時に閉成される。また、受電装置20の位置合わせ時(位置合わせ用電力受電時)には、リレー回路340は開放される。リレー回路340が開放された状態で、電圧センサ380(後述)と蓄電装置350とを接続する正極線と負極線との間が不図示の回路により短絡される。充電ECU360(後述)は、不図示の回路による短絡が生じた状態で、電圧センサ380の出力を参照することにより、位置合わせ用電力の受電状況を認識することができる。
電圧センサ380は、整流部330の出力電圧(受電電圧)を検出し、その検出値を充電ECU360へ出力する。電流センサ382は、整流部330からの出力電流(受電電流)を検出し、その検出値を充電ECU360へ出力する。電圧センサ380及び電流センサ382の検出値に基づいて、受電部310による受電電力を検出することができる。
充電ECU360は、CPU、記憶装置、入出力バッファ等を含み(いずれも図示せず)、各種センサや機器からの信号を受けるとともに、受電装置20における各種機器の制御を行なう。各種制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で処理することも可能である。
充電ECU360により実行される主要な機能として、送電装置10に対する受電装置20の位置合わせを支援する機能(位置合わせ支援機能)がある。位置合わせ支援機能とは、受電装置20が搭載された車両の駐車動作中に、送電装置10と受電装置20との位置関係の変化をユーザに通知する機能である。充電ECU360は、たとえば、受電装置20が送電装置10から高効率で受電できる範囲に進入したか否かを示す画像(支援画像)をモニタ390(後述)に表示させる。ユーザは、支援画像を参照しながら車両を停止させることで、受電装置20の送電装置10に対する位置合わせを容易に行なうことができる。
通信部370は、送電装置10の通信部260と無線通信するように構成され、充電ECU360において生成される充電電力の目標値(目標電力)を送電装置10へ送信するほか、受電装置20の送電装置10に対する位置合わせの開始指示や完了通知を送信する。
モニタ390は、受電装置20が搭載される車両内に配置される。モニタ390は、たとえば、カーナビゲーションシステムのディスプレイやMID(Multi Information Display)である。モニタ390は、上述の支援画像等を表示することができる。
図2は、図1に示した送電部240及び受電部310の回路構成の一例を示した図である。図2を参照して、送電部240は、コイル242と、キャパシタ244とを含む。キャパシタ244は、充電電力の力率を補償するために設けられ、コイル242に直列に接続される。受電部310は、コイル312と、キャパシタ314とを含む。キャパシタ314は、受電電力の力率を補償するために設けられ、コイル312に直列に接続される。
再び図1を参照して、この電力伝送システムにおいては、リレー回路115がPFC回路210側の接点に閉成されている場合には、インバータ220からフィルタ回路230を通じて送電部240へ充電電力(交流)が供給される。送電部240及び受電部310の各々は、コイルとキャパシタとを含み、伝送周波数において共振するように設計されている。送電部240及び受電部310の共振強度を示すQ値は、100以上であることが好ましい。
送電装置10において、インバータ220から送電部240へ充電電力が供給されると、送電部240のコイルと受電部310のコイルとの間に形成される電磁界を通じて、送電部240から受電部310へエネルギー(電力)が移動する。受電部310へ移動したエネルギー(電力)は、フィルタ回路320及び整流部330を通じて蓄電装置350へ供給される。
[位置合わせ用電力の伝送周波数]
以上のような構成の電力伝送システムにおいて、送電装置10は、受電装置20の位置合わせ時に位置合わせ用電力(小電力)を受電装置20に送電する。送電装置10において、位置合わせ用電力が送電される場合には、交流電源100よりも小さい電力を生成する小電源110が用いられる。
以上のような構成の電力伝送システムにおいて、送電装置10は、受電装置20の位置合わせ時に位置合わせ用電力(小電力)を受電装置20に送電する。送電装置10において、位置合わせ用電力が送電される場合には、交流電源100よりも小さい電力を生成する小電源110が用いられる。
送電装置10は、共振回路の共振現象を利用して送電する。この共振回路においては、コイル242とキャパシタ244とが直列接続されている。したがって、位置合わせ用電力が共振回路の共振周波数で送電されると、送電時のインピーダンスは最小となる。その結果、位置合わせ用電力の送電時に形成される閉回路に生じる電流は過大となる。よって、位置合わせ用電力の送電のために印加される電圧が低いとしても、位置合わせ用電力の送電時に用いられる小電源110に過大な負荷が生じ得る。小電源110は、交流電源100よりも小さい電流が流れることを想定して設計されているため、小電源110に過大な電流が生じることは好ましくない。
この実施の形態1に従う電力伝送システムに含まれる送電装置10において電源ECU250は、送電部240に含まれる共振回路の共振周波数と異なる周波数の位置合わせ用電力を生成するようにインバータ220を制御する。したがって、送電時のインピーダンスは最小とはならない。その結果、位置合わせ用電力の送電時に形成される閉回路に生じる電流は過大とはならない。よって、この実施の形態1に従う電力伝送システムによれば、位置合わせ用電力の送電時に小電源110に生じる負荷を抑制することができる。以下、送電装置10に対する受電装置20の位置合わせ時の送電装置10の動作、及び受電装置20が搭載された車両の動作について順に説明する。
[位置合わせ時の送電装置動作]
図3は、送電装置10に対して車両が位置合わせ中(駐車動作中)である場合における電源ECU250の処理を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、位置合わせ動作の開始指示を通信部370,260を通じて電源ECU250が受信した場合に実行される。なお、このフローチャートに示される処理の開始時に、電源ECU250は、リレー回路115が開放状態(PFC回路210の接点及び小電源110の接点の何れにも閉成されない状態)となるようにリレー回路115を制御する。
図3は、送電装置10に対して車両が位置合わせ中(駐車動作中)である場合における電源ECU250の処理を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、位置合わせ動作の開始指示を通信部370,260を通じて電源ECU250が受信した場合に実行される。なお、このフローチャートに示される処理の開始時に、電源ECU250は、リレー回路115が開放状態(PFC回路210の接点及び小電源110の接点の何れにも閉成されない状態)となるようにリレー回路115を制御する。
電源ECU250は、スイープ信号の出力を開始するように検査信号生成回路120を制御する(ステップS100)。また、電源ECU250は、併せて、スイープ信号の出力中に、スイープ信号の各周波数における電圧センサ270及び電流センサ274の出力変化を監視する。
その後、電源ECU250は、既定範囲におけるスイープ信号の周波数変化が完了したか否かを判定する(ステップS110)。既定範囲としては、送電部240に含まれる共振回路の共振周波数を含み得る範囲が設定される。スイープ信号の周波数変化が完了していないと判定されると(ステップS110においてNO)、電源ECU250は、スイープ信号の周波数変化を継続するように検査信号生成回路120を制御する。なお、上述の通り、スイープ信号の電力は位置合わせ用電力よりも小さい。したがって、スイープ信号が共振周波数で送電されたとしても、位置合わせ用電力が共振周波数で送電される場合よりも小さい電流しか回路内には生じないため、大きな問題とはならない。
スイープ信号の周波数変化が完了したと判定されると(ステップS110においてYES)、電源ECU250は、送電部240に含まれる共振回路の共振周波数を推定する(ステップS120)。スイープ信号の出力中における電圧V0と電流I2との積(電力)は、スイープ信号の周波数が共振周波数であるときに最大となる。したがって、電源ECU250は、電圧V0と電流I2との積が最大となる時のスイープ信号の周波数を共振周波数と推定する。
電源ECU250は、リレー回路115が小電源110側の接点に閉成するようにリレー回路115を制御し、その後、送電部240に含まれる共振回路の共振周波数と異なる周波数の位置合わせ用電力をインバータ220が生成するようにインバータ220を制御する(ステップS130)。たとえば、電源ECU250は、位置合わせ用電力の大きさが共振時の半分以下となるように、位置合わせ用電力の伝送周波数を共振周波数と異ならせる。仮に、共振周波数の位置合わせ用電力が送電されると、小電源110を含む閉回路に大電流が生じる可能性があり、小電源110に過大な負荷が生じ得る。しかしながら、この実施の形態1に従う送電装置10においては、共振周波数と異なる周波数の位置合わせ用電力が送電されるため、小電源110を含む閉回路に生じる電流が抑制され、その結果、小電源110に生じる負担が抑制される。
その後、電源ECU250は、通信部370,260を通じて、位置合わせの完了通知を受信したか否かを判定する(ステップS140)。位置合わせの具体的な制御については後程詳しく説明する。位置合わせの完了通知を受信していないと判定されると(ステップS140においてNO)、電源ECU250は、インバータ220が位置合わせ用電力の生成を継続するようにインバータ220を制御する。位置合わせの完了通知を受信したと判定されると(ステップS140においてYES)、電源ECU250は、インバータ220が位置合わせ用電力の生成を停止するようにインバータ220を制御する(ステップS150)。なお、位置合わせ用電力の送電停止後、リレー回路115はPFC回路210の接点に閉成され、電源ECU250は、PFC回路210から電力供給を受けてインバータ220が充電電力を生成するようにインバータ220を制御する。これにより、この電力伝送システムにおける蓄電装置350の充電のための非接触電力伝送が開始される。
[位置合わせ時の受電装置動作]
図4は、送電装置10に対して車両が位置合わせ中(駐車動作中)である場合における充電ECU360の処理を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、位置合わせ動作の開始指示を通信部370,260を通じて充電ECU360が電源ECU250に送信した後に実行される。
図4は、送電装置10に対して車両が位置合わせ中(駐車動作中)である場合における充電ECU360の処理を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、位置合わせ動作の開始指示を通信部370,260を通じて充電ECU360が電源ECU250に送信した後に実行される。
受電部310が送電部240から位置合わせ用電力の受電を開始し、充電ECU360は、受電部310による受電状況の監視を開始する(ステップS200)。具体的には、リレー回路340が開放された状態であり、かつ、電圧センサ380と蓄電装置350とを接続する正極線と負極線との間が不図示の回路により短絡された状態で、充電ECU360は、電圧センサ380及び電流センサ382の出力を監視することにより、受電部310による受電状況を監視する。その後、充電ECU360は、受電部310による受電状況に従って、モニタ390が支援画像を表示するようにモニタ390を制御する(ステップS210)。たとえば、充電ECU360は、受電部310による受電効率が予め定められた効率以上となった場合に、受電装置20と送電装置10との距離が予め定められた範囲内となったことをユーザに示すために、モニタ390に表示させる支援画像の色を変化させる。ユーザは、モニタ390に表示される支援画像の色変化を参照することで、送電装置10に対する受電装置20の位置合わせを容易に行なうことができる。
その後、充電ECU360は、ユーザにより車両のシャットダウン指示(Ready Off指示)が行なわれたか否かを判定する(ステップS220)。車両のシャットダウン指示が行なわれていないと判定されると(ステップS220においてNO)、処理はステップS210に戻る。車両のシャットダウン指示が行なわれたと判定されると(ステップS220においてYES)、充電ECU360は、位置合わせが完了したと判定し、位置合わせの完了通知を通信部370,260を通じて電源ECU250に送信する(ステップS230)。なお、位置合わせが完了したか否かの判定は、必ずしもユーザによる車両のシャットダウン指示の有無により行なわれる必要はない。たとえば、充電ECU360は、不図示のシフトレバーがパーキングポジションに設定されているか否かにより、位置合わせが完了したか否かを判定してもよい。
以上のように、この実施の形態1に従う電力伝送システムに含まれる送電装置10において電源ECU250は、送電部240に含まれる共振回路の共振周波数と異なる周波数の位置合わせ用電力を生成するようにインバータ220を制御する。したがって、この電力伝送システムによれば、位置合わせ用電力の送電時に小電源110に生じる負荷を抑制することができる。
(他の実施の形態)
以上のように、この発明の実施の形態として実施の形態1を説明した。しかしながら、この発明は必ずしもこの実施の形態1に限定されない。ここでは、他の実施の形態の一例について説明する。
以上のように、この発明の実施の形態として実施の形態1を説明した。しかしながら、この発明は必ずしもこの実施の形態1に限定されない。ここでは、他の実施の形態の一例について説明する。
実施の形態1においては、位置合わせ用電力が共振周波数と異なる周波数で送電されることとしたが、この技術の適用範囲はこれに限定されない。たとえば、送電装置10及び受電装置20の動作確認のために、送電装置10から受電装置20に小電力を送電する場合であってもこの技術を適用することができる。この場合には、送電装置10及び受電装置20の動作確認のために、送電部240内の共振回路の共振周波数と異なる周波数の小電力が送電装置10から受電装置20に送電される。
また、実施の形態1においては、検査信号生成回路120がスイープ信号を出力することにより、送電部240に含まれる共振回路の共振周波数が推定された。しかしながら、共振周波数の推定方法はこれに限定されない。たとえば、既定の周波数範囲を探索するために十分なスペクトルを有するノイズ信号(たとえば、ホワイトノイズ)の電圧を検査信号生成回路120が出力し、電源ECU250が電流センサ274の検知結果の周波数特性を分析することにより共振周波数を推定してもよい。この場合においても、ノイズ信号の電力は位置合わせ用電力よりも小さいことが好ましい。
また、実施の形態1においては、インバータ220とは別に検査信号生成回路120が設けられた。しかしながら、送電装置10の構成は必ずしもこれに限定されない。図5は、他の実施の形態における電力伝送システムの全体構成図である。図5を参照して、たとえば、検査信号生成回路120(図1)が設けられずに、小電源110の電圧を可変とし、位置合わせ用電力の送電時よりも低い電圧を小電源110がインバータ220に印加しつつ、インバータ220を制御することによりスイープ信号を生成する構成としてもよい。この場合には、電源ECU250Aは、電圧センサ270及び電流センサ274の検知結果を監視しつつ、小電源110A及びインバータ220を制御する。
また、実施の形態1においては、リレー回路115により、インバータ220が、PFC回路210と接続されるか小電源110と接続されるかが切り替えられた。しかしながら、これらの接続を切り替える構成はこれに限定されない。たとえば、リレー回路115が設けられず、PFC回路210側から小電源110側に電流が流れないようにダイオードが設けられ、PFC回路210がイネーブル制御されるような構成としてもよい。この場合には、イネーブル制御によりPFC回路210が駆動されるときに充電電力が送電され、PFC回路210が駆動されないときに位置合わせ用電力が送電される。
また、実施の形態1においては、電流センサ274は、フィルタ回路230と送電部240との間に配置されたが、電流センサ274の配置はこれに限定されない。図6は、他の実施の形態における電力伝送システムの全体構成図である。図6を参照して、たとえば、フィルタ回路230の入力部のインピーダンスが共振時に最小となる場合には、電流センサ274Aがインバータ220とフィルタ回路230との間に設けられてもよい。図7は、他の実施の形態における電力伝送システムの全体構成図である。図7を参照して、たとえば、フィルタ回路230(図1)が取り外された構成としてもよい。また、たとえば、電圧センサ270(図1)がフィルタ回路230と送電部240との間に接続される構成としてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 送電装置、20 受電装置、100 交流電源、110 小電源、115,340 リレー回路、120 検査信号生成回路、210 PFC回路、220 インバータ、230,320 フィルタ回路、240 送電部、242,312 コイル、244,314 キャパシタ、250 電源ECU、260,370 通信部、270,380 電圧センサ、274,382 電流センサ、310 受電部、330 整流部、350 蓄電装置、360 充電ECU、390 モニタ。
Claims (2)
- 系統電源から受けた電力を用いて生成される送電電力を、受電装置に含まれる蓄電装置の充電のために非接触で送電する非接触送電装置であって、
前記系統電源よりも小さい電力を生成する小電源と、
前記小電源から受けた電力を用いて交流の小電力を生成するインバータと、
コイルとキャパシタとが直列接続された共振回路を含み、前記インバータから前記小電力を受けて前記受電装置へ非接触で送電する送電部と、
前記共振回路の共振周波数と異なる周波数の前記小電力を生成するように前記インバータを制御する制御装置とを備える、非接触送電装置。 - 蓄電装置を含む受電装置と、系統電源から受けた電力を用いて生成される送電電力を前記蓄電装置の充電のために非接触で送電する送電装置とを備える非接触電力伝送システムであって、
前記受電装置は、前記送電装置から非接触で受電する受電部をさらに含み、
前記送電装置は、
前記系統電源よりも小さい電力を生成する小電源と、
前記小電源から受けた電力を用いて交流の小電力を生成するインバータと、
コイルとキャパシタとが直列接続された共振回路を有し、前記インバータから前記小電力を受けて前記受電部へ非接触で送電する送電部と、
前記共振回路の共振周波数と異なる周波数の前記小電力を生成するように前記インバータを制御する制御装置とを含む、非接触電力伝送システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016004214A JP2017127091A (ja) | 2016-01-13 | 2016-01-13 | 非接触送電装置及び非接触電力伝送システム |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017153231A (ja) * | 2016-02-24 | 2017-08-31 | ローム株式会社 | ワイヤレス送電装置および送電制御回路、充電器 |
JP2020099146A (ja) * | 2018-12-19 | 2020-06-25 | 昭和飛行機工業株式会社 | 非接触給電装置の通信装置 |
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2016
- 2016-01-13 JP JP2016004214A patent/JP2017127091A/ja active Pending
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