JP6390562B2 - 新規熱可塑性オルガノポリシロキサンの製造方法及び該熱可塑性オルガノポリシロキサン - Google Patents

新規熱可塑性オルガノポリシロキサンの製造方法及び該熱可塑性オルガノポリシロキサン Download PDF

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Description

本発明は、熱可塑性を有する新規なオルガノポリシロキサン化合物の製造方法、特には分子内にジシクロペンタジエン骨格を有するオルガノポリシロキサン化合物の製造方法および該製造方法によって得られる新規なオルガノポリシロキサン化合物に関する。
オルガノポリシロキサンは、高い耐熱酸化性および冷間弾力性、高い耐候性を示すため、特に重要な化合物であり、電気・電子部品、半導体素子の封止剤、充填剤或いはコーティング剤、光半導体絶縁被覆保護剤のベースポリマー等として産業上広い分野で利用される。
これらの機能を鑑み、種々の熱可塑性樹脂をオルガノポリシロキサン化合物に導入することが検討されているが、これらはオルガノポリシロキサンと他の樹脂材料とのグラフト共重合体からなり、オルガノポリシロキサンの特性を十分に発揮出来ない可能性があると共に、製造のための操作が非常に煩雑であるのが実情であった。またポリマー分子自身が熱可塑性を持つオルガノポリシロキサン化合物はほとんど知られていない。(特許文献1〜4参照)。
特開平05−009297 特開平09−136901 特開2006−328312 特開2015−093927
従って、本発明は、簡便に製造可能な熱可塑性を有する新規なオルガノポリシロキサン化合物及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、以下に示すディールス・アルダー反応(Diels−Alder)を容易に起こすことの出来る構造(即ち、ジシクロペンタジエン骨格)を含む新規なオルガノポリシロキサン化合物が上述した課題の解決に有用であることを見出すと共にその製造方法を見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、下記の熱可塑性を有する新規なオルガノポリシロキサン化合物の製造方法および該製造方法によって得られるオルガノポリシロキサン化合物を提供するものである。
〈1〉 下記式(1)
Figure 0006390562

(式中、Aはそれぞれ独立に炭素数1〜6の二価炭化水素基であり、Xはそれぞれ独立に置換又は非置換の炭素数1〜12の一価炭化水素基である。)
で表されるビニルシラン化合物と分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン化合物とをヒドロシリル化付加反応させる工程を有することを特徴とするジシクロペンタジエン骨格を分子内に少なくとも1個有するオルガノポリシロキサン化合物の製造方法。
〈2〉 オルガノハイドロジェンポリシロキサン化合物が分子鎖末端にヒドロシリル基を有するものである〈1〉記載の製造方法。
〈3〉 オルガノハイドロジェンポリシロキサン化合物が分子中に2個のヒドロシリル基を有するものである〈1〉又は〈2〉記載の製造方法。
〈4〉 分子内にジシクロペンタジエン骨格を有するオルガノポリシロキサン化合物が下記一般式(2)
Figure 0006390562
(式中、Aはそれぞれ独立に炭素数1〜6の二価炭化水素基であり、X、Yはそれぞれ独立に置換又は非置換の炭素数1〜12の一価炭化水素基であり、Zはオルガノハイドロジェンポリシロキサン残基である。)で表される構造を分子内に少なくとも1個有するオルガノポリシロキサン化合物である〈1〉〜〈3〉のいずれか1記載の製造方法。
〈5〉 Aがそれぞれ独立にメチレン基又はトリメチレン基である〈1〉〜〈4〉のいずれか1記載の製造方法。
〈6〉 Xがメチル基である〈1〉〜〈5〉のいずれか1記載の製造方法。
〈7〉 オルガノハイドロジェンポリシロキサン化合物の分子鎖末端に存在するヒドロシリル基が−O1/2Si(Y)H(式中、Yはそれぞれ独立に置換又は非置換の炭素数1〜12の一価炭化水素基である。)で示されるジオルガノハイドロジェンシロキシ単位として存在するものである〈2〉〜〈6〉のいずれか1記載の製造方法。
〈8〉 〈1〉記載の製造方法により得られる、分子内にジシクロペンタジエン骨格を有するオルガノポリシロキサン化合物。
〈9〉 分子内にジシクロペンタジエン骨格を有するオルガノポリシロキサン化合物が下記一般式(2)
Figure 0006390562
(式中、Aはそれぞれ独立に炭素数1〜6の二価炭化水素基であり、X、Yはそれぞれ独立に置換又は非置換の炭素数1〜12の一価炭化水素基であり、Zはオルガノハイドロジェンポリシロキサン残基である。)で表される構造を分子内に少なくとも1個有するものである〈8〉記載のオルガノポリシロキサン化合物。
〈10〉 Aがそれぞれ独立にメチレン基またはトリメチレン基である〈9〉記載のオルガノポリシロキサン化合物。
〈11〉 Xがメチル基である〈9〉又は〈10〉記載のオルガノポリシロキサン化合物。
〈12〉 Yがメチル基又はフェニル基である〈9〉〜〈11〉のいずれか1記載のオルガノポリシロキサン化合物。
本発明のオルガノポリシロキサン化合物は、好適には、上記式(2)の範囲で表される構造を分子内に少なくとも1個、好ましくは2個以上有するものであれば、構造が異なる種々のオルガノポリシロキサン化合物の混合物であってもよい。
本発明のオルガノポリシロキサン化合物は構造内に含まれるジシクロペンタジエン骨格が、熱の吸収/放出(加熱/冷却)に伴って、二量体と単量体との変化を可逆的に起こすことで、熱可塑性を示す。従って、本発明の上記オルガノポリシロキサン化合物は、熱可塑性を有するオルガノポリシロキサン化合物として有用である。
本発明の上記オルガノポリシロキサン化合物は、上記一般式(1)で表されるビニルシラン化合物と分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基(SiH基)を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン化合物とをヒドロシリル化付加反応させることにより得られる、ジシクロペンタジエン骨格を有する構造を、分子内に少なくとも1個、好ましくは2個以上(即ち、上記ビニルシラン化合物とオルガノハイドロジェンポリシロキサン化合物とのヒドロシリル化付加反応が連続することによって進行する鎖長延長の平均数だけ)含むオルガノポリシロキサン化合物である。
ここで、上記一般式(1)において、Aで表される炭素数1〜6、特には炭素数1〜4、とりわけ炭素数1〜3の二価炭化水素基は、−(CH−(nは1〜6、特には1〜4、とりわけ1〜3の整数である)で表される直鎖状アルキレン基が好ましい。これらの中でも、特に−(CH)−で示されるメチレン基または−(CH−で示されるトリメチレン基が好ましい。
次に、上記一般式(1)において、Xで表される置換又は非置換の炭素数1〜12、好ましくは炭素数1〜6の一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、α−,β−ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、2−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基等のアラルキル基;また、これらの基の水素原子の一部又は全部が、F、Cl、Br等のハロゲン原子やシアノ基等で置換された基、例えば、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、2−シアノエチル基等を例示することができる。これらの中でも、メチル基、フェニル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
次に、上記一般式(1)において、Yで表される置換又は非置換の炭素数1〜12、好ましくは炭素数1〜6の一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、α−,β−ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、2−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基等のアラルキル基;また、これらの基の水素原子の一部又は全部が、F、Cl、Br等のハロゲン原子やシアノ基等で置換された基、例えば、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、2−シアノエチル基等を例示することができる。これらの中でも特に、メチル基、フェニル基が好ましい。
上記一般式(1)で表されるビニルシラン化合物は、例えば、次の方法により、容易に製造することができる。即ち、下記式(3)
Figure 0006390562

(式中、Aは炭素数1〜6、特には炭素数1〜4、とりわけ炭素数1〜3の二価炭化水素基であり、Xはそれぞれ独立に置換又は非置換の炭素数1〜12、好ましくは炭素数1〜6の一価炭化水素基であり、Halは、F、Cl、Br、I等のハロゲン原子である。)
で表されるビニルジオルガノハロオルガノシランとアルカリシクロペンタジエニリドを有機溶媒中で反応させればよい。
上記アルカリシクロペンタジエニリドとしては、ナトリウムシクロペンタジエニリド、カリウムシクロペンタジエニリド等が例示される。
アルカリシクロペンタジエニリドの使用量は、ビニルジオルガノハロオルガノシラン1モルに対して、1.0〜2.0モルとすることが好ましく、特に1.0〜1.2モルとすることが好ましい。
また、上記有機溶媒としては、ベンゼンやトルエン、キシレン等の芳香族類;ジエチルエーテルやジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素類が例示される。
一般式(1)で表されるビニルシラン化合物の製造方法における反応温度は、アルカリシクロペンタジエニリド内のDiels−Alder反応が進行する温度であれば特に制限されない。150℃以上だと生成した二量体の熱分解により単量体になるおそれがあるため、反応温度は室温(25℃±10℃)〜100℃とすることが好ましい。
反応終了後、目的化合物を減圧蒸留等により精製し、一般式(1)で表されるビニルシラン化合物を得ることができる。
本発明のジシクロペンタジエン骨格を分子内に少なくとも1個有するオルガノポリシロキサン化合物は、例えば、次の方法により、製造することができる。
即ち、下記式(1)
Figure 0006390562
(式中、Aはそれぞれ独立に炭素数1〜6、特には炭素数1〜4、とりわけ炭素数1〜3の二価炭化水素基であり、Xはそれぞれ独立に置換又は非置換の炭素数1〜12、好ましくは炭素数1〜6の一価炭化水素基である。)
で表されるビニルシラン化合物と分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基(SiH基)を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン化合物とを、常法に従って白金系触媒の存在下に、SiH基/ビニル基の反応比率を、ほぼ等モル付近でヒドロシリル化付加反応することによって、式(1)で示されるビニルシラン化合物の分子末端に位置する各ビニル基(−Si(X)CH=CH2)が、好適にはオルガノハイドロジェンポリシロキサン化合物中の分子鎖末端に存在するヒドロシリル基(通常、−O1/2Si(Y)2Hの形で存在する)と付加反応してシルエチレンを含む連結構造(−Si(X)-CH2CH2-Si(Y)2O−)を形成させることによって製造することができる。
本発明の製造方法に用いる末端にヒドロシリル基を有するオルガノポリハイドロジェンシロキサン化合物の分子構造としては、直鎖状、環状、一部分枝を有する直鎖状(分枝鎖状)、三次元網状、樹枝鎖状が例示される。
なお、オルガノポリハイドロジェンシロキサン化合物の分子中に少なくとも2個存在するヒドロシリル基は、分子鎖末端のケイ素原子に結合するものであっても、分子鎖非末端(分子鎖途中又は側鎖)のケイ素原子に結合するものであってもよく、これらの両方であってもよいが、少なくとも分子鎖末端のケイ素原子に結合するヒドロシリル基を含有するものであることが好ましい。なお、分子鎖末端に存在するヒドロシリル基は、通常、−O1/2Si(Y)2Hで示されるジオルガノハイドロジェンシロキシ単位の形で存在し、分子鎖途中(側鎖)に存在するヒドロシリル基は、通常、−O2/2Si(Y)(H)−で示されるオルガノハイドロジェンシロキサン単位又は−O3/2Si(H)で示されるハイドロジェンシルセスキオキサン単位の形で存在するものである。
なお、上記式(1)で表される2官能性のビニルシラン化合物と効率的にヒドロシリル化付加反応を進行させ鎖長延長させる観点からは、オルガノポリハイドロジェンシロキサン化合物中のヒドロシリル基は分子鎖末端に存在することが好ましく、特には、該ヒドロシリル基は分子鎖末端にのみ存在すること、とりわけ、分子鎖両末端にそれぞれ1個ずつ(即ち、分子中に2個だけ)存在するものであることが好ましい。
このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば、1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキサン、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)メチルシラン、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)フェニルシラン、メチルハイドロジェンシロキサン環状重合体、メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、(CHHSiO1/2単位とSiO4/2単位からなる三次元網状オルガノポリシロキサン、これらのオルガノポリシロキサンのメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基で置換したポリオルガノシロキサン、およびこれらのポリオルガノシロキサンの二種以上の混合物が例示される。
本発明のヒドロシリル化反応に用いるヒドロシリル化触媒としては白金系触媒(白金族金属触媒)が好ましく用いられる。白金系触媒としては、白金微粉末、白金黒、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、白金とジケトンの錯体、塩化白金酸とオレフィン類の錯体、塩化白金酸とアルケニルシロキサンの錯体およびこれらをアルミナ、シリカ、カーボンブラックなどの担体に担持させたものが例示される。これらの中でも塩化白金酸とアルケニルシロキサンの錯体がヒドロシリル化反応触媒としての触媒活性が高いので好ましく、特に特公昭42−22924号公報に開示されているような塩化白金酸とジビニルテトラメチルジシロキサン錯体が好ましい。これらの白金系触媒の添加量は、通常、上記式(1)で示されるビニルシラン化合物と末端ヒドロシリル基含有オルガノハイドロジェンポリシロキサン化合物との合計質量に対して、白金族金属の質量換算で0.1〜1,000ppm、好ましくは0.5〜500ppm程度とすることができる。
本発明の製造方法における反応温度は、ヒドロシリル化反応が進行する温度であれば特に制限されない。150℃以上だとジシクロペンタジエン構造の熱分解のおそれがあるため、反応温度は室温(25℃±10℃)〜100℃程度とすることが好ましい。
かようにして、本発明のジシクロペンタジエン骨格を分子中に少なくとも1個有するオルガノポリシロキサン化合物が得られる。このような化合物としては、好適には、次の一般式(2)で表される構造を分子内に少なくとも1個有するオルガノポリシロキサン化合物が挙げられる。
Figure 0006390562
(式中、Aはそれぞれ独立に炭素数1〜6、特には炭素数1〜4、とりわけ炭素数1〜3の二価炭化水素基であり、X、Yはそれぞれ独立に置換又は非置換の炭素数1〜12、好ましくは炭素数1〜6の一価炭化水素基であり、Zは、前記オルガノポリハイドロジェンシロキサン化合物からヒドロシリル基を除いた部分から構成される、直鎖状、環状、一部分枝を有する直鎖状(分枝鎖状)、三次元網状、樹枝鎖状等の、好適には直鎖状の、オルガノハイドロジェンポリシロキサン残基である。)
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
合成例1
1000ml4つ口フラスコにビニルジメチルクロロメチルシラン94.3g(0.7mоl)とテトラヒドロフラン100mlを仕込み、0℃に冷却した。撹拌しながらナトリウムシクロペンタジエニリドの2.0Mテトラヒドロフラン溶液350ml(0.7mоl)(アルドリッチ社製)を滴下した。滴下終了後50℃に昇温し、12時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止後、有機層を分離し、減圧下、溶媒を留去後、目的物を減圧蒸留により精製し、沸点51℃/300Paの無色透明の液体35.4g(30%)を得た。
生成物の構造を確認するために、H−NMRスペクトルの測定を行ったところ、ここで得られたものは式(4)の構造の3a,4,7,7a,−テトラヒドロ−1,8−ビス(ビニルジメチルシリルメチル)−4,7−メタノ−1H−インデンであると考えられる。
Figure 0006390562
実施例1
合成例1で得られた3a,4,7,7a,−テトラヒドロ−1,8−ビス(ビニルジメチルシリルメチル)−4,7−メタノ−1H−インデン0.8質量部(以下、単に「部」という)と主鎖のジメチルシロキサン単位の繰り返し数が40個程度で分子鎖両末端がジメチルハイドロジェンシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン)7.4部を加えて室温にて5分混合した後、白金触媒(信越化学製CAT−PL−50T)0.1部を加えて再度室温にて5分混合した。得られた混合物をガラスシャーレ内で60℃で48時間加熱することで化合物1を得た。
実施例2
合成例1で得られた3a,4,7,7a,−テトラヒドロ−1,8−ビス(ビニルジメチルシリルメチル)−4,7−メタノ−1H−インデン0.8部と主鎖のジメチルシロキサン単位の繰り返し数が60個程度で分子鎖両末端がジメチルハイドロジェンシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン)11.5部を加えて室温にて5分混合した後、白金触媒(信越化学製CAT−PL−50T)0.1部を加えて再度室温にて5分混合した。得られた混合物をガラスシャーレ内で60℃で48時間加熱することで化合物2を得た。
比較例1
1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン0.5部と主鎖のジメチルシロキサン単位の繰り返し数が40個程度で分子鎖両末端がジメチルハイドロジェンシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン)11.5部を加えて室温にて5分混合した後、白金触媒(信越化学製CAT−PL−50T)0.1部を加えて再度室温にて5分混合した。得られた混合物をガラスシャーレ内で60℃で48時間加熱することで化合物3を得た。
(試験)
実施例1〜2及び比較例1で調製された化合物1〜3をそれぞれアルミシャーレ上に取り出し、180℃のオーブン内で1時間加熱した。加熱後に性状を確認し、更に加熱後の化合物を室温(25℃±10℃)にて放置し、化合物の性状が変化するかどうか(熱可塑性に可逆性があるかどうか)を確認した。
これらの結果を下記表1に示した。
Figure 0006390562
表1の結果より、実施例1、2で得られた本発明のオルガノポリシロキサン化合物は、熱によって固体と液体との状態変化を可逆的に起こすことで、熱可塑性を有していることが明らかである。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
本発明のオルガノポリシロキサン化合物は、ビニルシラン化合物由来のジシクロペンタジエン骨格が、熱によって二量体と単量体との変化を可逆的に起こすことで、熱可塑性を有する。従って、本発明のオルガノポリシロキサン化合物は、簡便に製造可能な熱可塑性を有するオルガノポリシロキサン化合物として有用である。

Claims (12)

  1. 下記式(1)
    Figure 0006390562
    (式中、Aはそれぞれ独立に炭素数1〜6の二価炭化水素基であり、Xはそれぞれ独立に置換又は非置換の炭素数1〜12の一価炭化水素基である。)
    で表されるビニルシラン化合物と分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン化合物とをヒドロシリル化付加反応させる工程を有することを特徴とするジシクロペンタジエン骨格を分子内に少なくとも1個有するオルガノポリシロキサン化合物の製造方法。
  2. オルガノハイドロジェンポリシロキサン化合物が分子鎖末端にヒドロシリル基を有するものである請求項1記載の製造方法。
  3. オルガノハイドロジェンポリシロキサン化合物が分子中に2個のヒドロシリル基を有するものである請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 分子内にジシクロペンタジエン骨格を有するオルガノポリシロキサン化合物が下記一般式(2)
    Figure 0006390562
    (式中、Aはそれぞれ独立に炭素数1〜6の二価炭化水素基であり、X、Yはそれぞれ独立に置換又は非置換の炭素数1〜12の一価炭化水素基であり、Zはオルガノハイドロジェンポリシロキサン残基である。)で表される構造を分子内に少なくとも1個有するオルガノポリシロキサン化合物である請求項1〜3のいずれか1項記載の製造方法。
  5. Aがそれぞれ独立にメチレン基又はトリメチレン基である請求項1〜4のいずれか1項記載の製造方法。
  6. Xがメチル基である請求項1〜5のいずれか1項記載の製造方法。
  7. オルガノハイドロジェンポリシロキサン化合物の分子鎖末端に存在するヒドロシリル基が−O1/2Si(Y)2H(式中、Yはそれぞれ独立に置換又は非置換の炭素数1〜12の一価炭化水素基である。)で示されるジオルガノハイドロジェンシロキシ単位として存在するものである請求項2〜6のいずれか1項記載の製造方法。
  8. 請求項1記載の製造方法により得られる、分子内にジシクロペンタジエン骨格を有するオルガノポリシロキサン化合物。
  9. 分子内にジシクロペンタジエン骨格を有するオルガノポリシロキサン化合物が下記一般式(2)
    Figure 0006390562
    (式中、Aはそれぞれ独立に炭素数1〜6の二価炭化水素基であり、X、Yはそれぞれ独立に置換又は非置換の炭素数1〜12の一価炭化水素基であり、Zはオルガノハイドロジェンポリシロキサン残基である。)で表される構造を分子内に少なくとも1個有するものである請求項8記載のオルガノポリシロキサン化合物。
  10. Aがそれぞれ独立にメチレン基またはトリメチレン基である請求項9記載のオルガノポリシロキサン化合物。
  11. Xがメチル基である請求項9又は10記載のオルガノポリシロキサン化合物。
  12. Yがメチル基又はフェニル基である請求項9〜11のいずれか1項記載のオルガノポリシロキサン化合物。
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