JP6390328B2 - 加熱圧縮成形用成形材料及びその成形品 - Google Patents

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Description

本発明は、加熱圧縮成形法により成形可能で、表面の撥水性及び撥油性に優れる成形品が得られる加熱圧縮成形用成形材料及びその成形品に関する。
一般に不飽和ポリエステル樹脂をマトリックス樹脂とした成形材料である、シートモールディングコンパウンド(SMC)と呼ばれるシート状の成形材料、バルクモールディングコンパウンド(BMC)と呼ばれる塊状の成形材料は、住設用部材、自動車用部材、鉄道車両用部材、船舶用部材、電気用部材、土木用部材などに広く用いられている。
上記用途例中でも、浴室部材、洗面部材、キッチン部材など、水周りの成形品分野に用いられることが多く、これらの成形品の使用環境では、洗い落とされるべき汚れや水アカが成形品表面に付着したまま固着してしまう場合がある。これら成形品表面に固着してしまった汚れにより、美観や衛生を損なうだけでなく、清掃に手間がかかることが多い。この分野においては、前述の汚れが付着し難く、仮に汚れが付着した場合にでも容易除去できる防汚性が求められている。
防汚性の指標として、代表的には撥水性や撥油性が挙げられ、この特性を成形品表面に付与するには、表面改質剤や界面活性剤として知られるフッ素系化合物やシリコン系化合物など、撥水性や撥油性を示す添加剤を用いる方法が一般的に知られている。これらの添加方法としては、成形品表面に撥水・撥油性添加剤を塗装する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、塗装による方法は表面特性を改善し易い反面、表面調整・塗装・焼き付けなど製造工程が増えるだけでなく、塗装特有のピンホールや表面波打ちなどの不具合が起こった場合に、補修が必要となり、コスト高になるという課題がある。また、塗膜表面だけに特性を持たすことになるため、長期間使用していると、撥水、撥油効果が低下する場合が考えられる。
また、撥水・撥油性添加剤を成形材料中に配合し、成形品そのものを防汚性にする方法も提案されている(例えば、特許文献2、3参照)。特許文献2は、熱可塑性樹脂中に比較的低温化で流動性を有するパーフルオロアルキルエーテル基含有フッ素化合物を練り込み、成形後の表面移行により防汚性を付与する手法であるが、SMC又はBMCのような熱硬化性成形材料では、前記の様な撥水・撥油性効果はほとんど得られない。
また、特許文献3では、炭素原子数6のパーフルオロアルキル基を含有するフッ素系ブロック共重合体を添加する硬化性樹脂組成物が提案されている。炭素原子数6のパーフルオロ基を有するフッ素系ブロック共重合体は結晶性を有さず、注型成形品の表面に配向するため、防汚性が発現すると記載されているが、SMCおよびBMCの加熱圧縮成形法で得られる成形品には適用できない。すなわち、無機充填材やガラス繊維などを含むSMCおよびBMCなどの加熱圧縮成形用材料では、炭素原子数6のパーフルオロアルキル基を含有するフッ素系ブロック共重合体が、加熱圧縮成形の際、金型表面に選択的に配向することはない。
また、前記特許文献2および特許文献3の様な、マトリックス樹脂中に撥水・撥油性添加剤を練り込む手法で、十分な効果を得るためには、一般的に高価な添加剤を成形材料全体に練り込むため、前記特許文献1の方法より大幅にコスト高になるという問題もある。そのため加熱圧縮成形用成形材料を二層以上に重ねて、防汚性機能を持たせる成形品表面層のみに、フルオロオレフィンとアクリル系化合物との共重合体に(メタ)アクリロイル基を導入したフッ素系共重合体を添加する方法が提案されている(例えば、特許文献4参照。)。しかしながら、加熱圧縮成形の際、表面層と下層の成形材料が混ざり合ってしまうため、この手法で浴室部材など複雑形状の成形品表面のみに均一な防汚性を持たせるのは困難である。加えて、該フッ素系共重合体が非常に高価であるというコスト面での課題もある。
特開2012−45486号公報 特開2009−138093号公報 特開2013−173840号公報 特開2014−043530号公報
本発明が解決しようとする課題は、低コストで、且つ、優れた撥水・撥油性を有する成形品が得られる加熱圧縮成形用成形材料およびその成形品を提供することである。
本発明者等は、上記の課題を解決するため鋭意研究した結果、熱硬化性樹脂、ラジカル重合性希釈剤及び熱可塑性樹脂を必須成分とする樹脂成分と、無機充填材と、フッ素系共重合体と、ノニオン系界面活性剤とを含有するコンパウンドを、ガラス繊維に含浸して得られる加熱圧縮成形用成形材料が、表面の撥水・撥油性に優れる成形品を成形可能であることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、熱硬化性樹脂(a1)、ラジカル重合性希釈剤(a2)及び熱可塑性樹脂(a3)を必須成分とする樹脂成分(A)と、無機充填材(B)と、フッ素化アルキル基を有する(メタ)アクリレート化合物(c1)及びアルキル(メタ)アクリレート化合物(c2)を必須成分とする重合性モノマーを共重合して得られるフッ素系共重合体(C)と、ノニオン系界面活性剤(D)とを含有するコンパウンドを、ガラス繊維に含浸して得られることを特徴とする加熱圧縮成形用成形材料に関する。
本発明の加熱圧縮成形用成形材料は、低コストで簡便に、均一で優れた撥水・撥油性を有する成形品、すなわち、防汚性に優れる成形品を得られることから、SMCおよびBMCの用途として一般的である、浴槽、洗面ボウル、キッチンカウンター等の住宅設備部材などに好適に用いることができる。
本発明の加熱圧縮成形用成形材料は、熱硬化性樹脂(a1)、ラジカル重合性希釈剤(a2)及び熱可塑性樹脂(a3)を必須成分とする樹脂成分(A)と、無機充填材(B)と、フッ素化アルキル基を有する(メタ)アクリレート化合物(c1)及びアルキル(メタ)アクリレート化合物(c2)を必須成分とする重合性モノマーを共重合して得られるフッ素系共重合体(C)と、ノニオン系界面活性剤(D)とを含有するコンパウンドを、ガラス繊維に含浸して得られるものである。
まず、前記コンパウンドについて説明する。前記コンパウンドは、前記樹脂成分(A)、無機充填材(B)、前記フッ素系共重合体(C)、及びノニオン系界面活性剤(D)を含有するものである。
前記樹脂成分(A)は、熱硬化性樹脂(a1)、ラジカル重合性希釈剤(a2)及び熱可塑性樹脂(a3)を必須成分とするものである。
前記熱硬化性樹脂(a1)は特に限定されるものではないが、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート及びアクリル(メタ)アクリレート等の各種熱硬化性(メタ)アクリル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド、ポリウレタン、メラミン樹脂、ユリア樹脂などが挙げられる。これらの中でも、不飽和ポリエステル樹脂及びビニルエステル樹脂が好ましく、さらに、本発明の加熱圧縮成形用成形材料が、SMCまたはBMCである場合は、成形材料として増粘させやすいことから、加熱圧縮成形で多く使用される不飽和ポリエステル樹脂を主体成分とすることが好ましい。
前記不飽和ポリエステル樹脂は、公知の方法により得られるが、例えば、不飽和二塩基酸と多価アルコールとを縮合重合して得られる。
前記不飽和ポリエステル樹脂の原料となる前記不飽和二塩基酸は、1分子中に2個のカルボン酸基を有し、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、これら二塩基酸の無水物、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、グルコン酸、フタル酸無水物、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸無水物、及びクロレンド酸無水物等が挙げられる。これらの不飽和二塩基酸は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記不飽和ポリエステル樹脂の原料となる多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、水素添加ビスフェノールA、ジオキシエチレングリコール、トリオキシエチレングリコール、ジオキシプロピレングリコール、トリオキシプロピレングリコール、オクチルアルコール、オレイルアルコール、トリメチロールプロパン等が挙げられる。これらの多価アルコール成分は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記ビニルエステル樹脂は、1分子中に2以上の(メタ)アクリロイル基を有するものであるが、例えば、エポキシ樹脂のエポキシ基に不飽和一塩基酸を反応させて得られるものが挙げられる。
前記エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、これらの樹脂の臭素化エポキシ樹脂等のフェノールのグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物のジグリシジルエーテル、水素化ビスフェノールAのジグリシジルエーテル等の多価アルコールのグリシジルエーテル、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、1−エポシエチル−3,4−エポキシシクロヘキサン等の脂環式エポキシ樹脂、フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ジグリシジル−p−オキシ安息香酸、ダイマー酸グリシジルエステルなどのグリシジルエステル、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、トリグリシジル−p一アミノフェノール、N,N−ジグリシジルアニリンなどのグリシジルアミン、1,3−ジグリシジル−5,5−ジメチルヒダントイン、トリグリシジルイソシアヌレートなどの複素環式エポキシ樹脂などが挙げられる。また、これらのエポキシ樹脂は単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記不飽和一塩基酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、アクリル酸ダイマー、モノメチルマレート、モノメチルフマレート、モノシクロヘキシルフマレート、あるいはソルビン酸等が挙げられる。これらの不飽和一塩基酸は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
また、前記ビニルエステル樹脂として、上記で得られたビニルエステル樹脂を無水マレイン酸及び無水コハク酸等の酸無水物;ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ポリメリックMDI、水素添加MDI、及びm−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等のイソシアネート化合物などで変性したものも用いることができる。
前記ラジカル重合性希釈剤(a2)としては、ラジカル重合性の二重結合を有するモノマー、オリゴマー、ポリマー等が挙げられる。具体的には、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、ジビニルベンゼン、t−ブチルスチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、ジアリールフタレート、トリアリールシアヌレート等のビニル単量体、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリレート、(無水)フタル酸、及びこれらの重合物、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタンアクリレート樹脂等が挙げられる。また、これらのラジカル重合性希釈剤(a2)は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記熱可塑性樹脂(a3)としては、例えば、ナイロン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−オレフィン共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、及びこれらを共重合等により変性させたものが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂を低収縮化剤として使用する場合には、これらの中でも、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−オレフィン共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。また、これらの熱可塑性樹脂(a3)は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記樹脂成分(A)中の各成分の質量比率は、特に限定されるものではないが、SMCまたはBMCが作製し易く、ガラス繊維との含浸性が良好で、得られる加熱圧縮成形品の物性がより安定することから、前記樹脂成分(A)を100質量部とした場合、熱硬化性樹脂(a1)20〜50質量部の範囲であり、ラジカル重合性希釈剤(a2)が30〜78質量部の範囲であり、熱可塑性樹脂(a3)が2〜20質量部の範囲であることが好ましい。
前記無機充填材(B)としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、マイカ、タルク、カオリン、クレー、セライト、アスベスト、バーライト、バライタ、シリカ、ケイ砂、ドロマイト石灰石、石こう、アルミニウム微粉、中空バルーン、アルミナ、ガラス粉、水酸化アルミニウム、寒水石、酸化ジルコニウム、三酸化アンチモン、酸化チタン、二酸化モリブデン、鉄粉などが挙げられる。これらの無機充填材(B)は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記フッ素系共重合体(C)は、フッ素化アルキル基を有する(メタ)アクリレート化合物(c1)及びアルキル(メタ)アクリレート化合物(c2)を必須成分とする重合性モノマーを共重合して得られるものである。ここで、フッ素化アルキル基を有する(メタ)アクリレート化合物(c1)は、分子内にフルオロアルキルエーテル基を有さない化合物であり、アルキル(メタ)アクリレート化合物(c2)は、分子内にアルキルエーテル基を有さない化合物である。前記フッ素系共重合体(C)として、フルオロアルキルエーテル基及びアルキルエーテル基を有するフッ素系共重合体を用いた場合、本発明で得られる成形品の撥水・撥油性効果は得られない。
前記フッ素化アルキル基を有する(メタ)アクリレート化合物(c1)としては、例えば、以下に示す化合物が挙げられる。これらのフッ素化アルキル基を有する(メタ)アクリレート化合物は、単独で用いることも2種類以上を併用することもできる。具体的には、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、5,5,5−トリフルオロペンチル(メタ)アクリレート、トリフルオロイソプロピル(メタ)アクリレート、(2,2,2−トリフルオロ−1−メチル)エチル(メタ)アクリレート、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレート、2−トリフルオロメチル−3,3,3−トリフルオロプロピル(メタ)アクリレート、3−トリフルオロメチル−4,4,4−トリフルオロブチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1−メチル−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,4−へプタフルオロブチル(メタ)アクリレート、1−メチル−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロヘプチル(メタ)アクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチル(メタ)アクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナデカフルオロデシル(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
前記フッ素化アルキル基を有する(メタ)アクリレート化合物(c1)のフッ素化アルキル基は、本発明の成形品の撥水・撥油性がより向上することから、パーフルオロアルキル(メタ)アクリレートであることが好ましく、フッ素化アルキル基の炭素原子数が3〜8のものが更に好ましい。
前記アルキル(メタ)アクリレート化合物(c2)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのアルキル(メタ)アクリレート化合物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
また、前記フッ素化アルキル基を有する(メタ)アクリレート化合物(c1)及び前記アルキル(メタ)アクリレート化合物(c2)以外の重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、スチレン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、アクリロニトリル等が挙げられる。
前記フッ素系共重合体(C)の重合方法は、特に限定されないが、例えば、前記フッ素化アルキル基を有する(メタ)アクリレート化合物(c1)、前記アルキル(メタ)アクリレート化合物(c2)、必要に応じて、これら以外の重合性モノマーを、有機溶剤中で、重合開始剤存在下、ラジカル重合する方法が挙げられる。
前記フッ素化アルキル基を含む(メタ)アクリレート化合物(c1)と前記アルキル(メタ)アクリレート化合物(c2)との質量比[(c1)/(c2)]は、得られる成形品の撥水・撥油性がより向上することから、20/80〜80/20の範囲内であることが好ましい。
また、前記フッ素系共重合体(C)中のフッ素原子含有率は、得られる成形品の撥水・撥油性がより向上することから、5〜40質量%の範囲内であることが好ましい。
前記フッ素系共重合体(C)の数平均分子量(Mn)は特に限定されないが、得られる成形品の撥水・撥油性がより向上することから、500〜100,000が好ましく、1,000〜50,000の範囲がより好ましい。
ここで、数平均分子量(Mn)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(以下、「GPC」と略記する。)測定に基づきポリスチレン換算した値である。なお、GPCの測定条件は以下の通りである。
[GPC測定条件]
測定装置:東ソー株式会社製「HLC−8220 GPC」、
カラム:東ソー株式会社製ガードカラム「HHR−H」(6.0mmI.D.×4cm)
+東ソー株式会社製「TSK−GEL GMHHR−N」(7.8mmI.D.×30cm)
+東ソー株式会社製「TSK−GEL GMHHR−N」(7.8mmI.D.×30cm)
+東ソー株式会社製「TSK−GEL GMHHR−N」(7.8mmI.D.×30cm)
+東ソー株式会社製「TSK−GEL GMHHR−N」(7.8mmI.D.×30cm)
検出器:ELSD(オルテックジャパン株式会社製「ELSD2000」)
データ処理:東ソー株式会社製「GPC−8020モデルIIデータ解析バージョン4.30」
測定条件:カラム温度 40℃
展開溶媒 テトラヒドロフラン(THF)
流速 1.0ml/分
試料:樹脂固形分換算で1.0質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(5μl)。
標準試料:前記「GPC−8020モデルIIデータ解析バージョン4.30」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
(単分散ポリスチレン)
東ソー株式会社製「A−500」
東ソー株式会社製「A−1000」
東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「A−5000」
東ソー株式会社製「F−1」
東ソー株式会社製「F−2」
東ソー株式会社製「F−4」
東ソー株式会社製「F−10」
東ソー株式会社製「F−20」
東ソー株式会社製「F−40」
東ソー株式会社製「F−80」
東ソー株式会社製「F−128」
東ソー株式会社製「F−288」
東ソー株式会社製「F−550」
前記ノニオン系界面活性剤(D)としては、例えば、(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、エチレングリコール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、高級アルコール脂肪酸、アルキルグルコシド等が挙げられる。これらのなかでも、本発明の加熱圧縮成形用成形材料を、高温の金型を用いプレス成形する際に、前記フッ素系共重合体(C)を成形品表面(金型表面)に配向させる効果が高いことから、(ポリ)グリセリン脂肪酸エステルが好ましい。また、前記ノニオン系界面活性剤(D)は、分子中に不飽和二重結合を有していてもよい。これらのノニオン系界面活性剤(D)は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
本発明において、「(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル」とは、グリセリン脂肪酸エステルとポリグリセリン脂肪酸エステルの一方又は両方をいう。
なお、前記ノニオン系界面活性剤(D)の代わりとして、SMCおよびBMCの離型剤として多用される、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の陰イオン系界面活性剤を添加した場合は、本発明の撥水・撥油性効果は全く得られない。
前記コンパウンド中の前記無機充填材(B)の含有量は、前記コンパウンドをより適切な粘度に調整することができ、後述のガラス繊維への含浸性、SMCの均一塗工性、BMCの均一混練性、及び加熱圧縮成形性がより向上することから、前記樹脂成分(A)100質量部に対して、30〜350質量部の範囲が好ましく、50〜300質量部の範囲内がより好ましい。
前記コンパウンド中の前記フッ素系共重合体(C)の含有量は、得られる成形品の撥水・撥油性、引張強度等の機械的物性、及び耐煮沸性等の耐熱物性がより向上することから、前記樹脂成分(A)100質量部に対して、0.5〜5質量部の範囲が好ましい。
また、前記コンパウンド中の前記ノニオン系界面活性剤(D)の含有量は、前記樹脂成分(A)100質量部に対して、1〜10質量部の範囲が好ましい。前記ノニオン系界面活性剤(D)は、単独添加では撥水・撥油性の効果がほとんど得られないが、前記フッ素系共重合体(C)との併用により効果を発揮するため、前記フッ素系共重合体(C)1質量部に対して、1〜20質量部の範囲であることが好ましく、1〜10質量部の範囲がより好ましい。
前記コンパウンドには、前記樹脂成分(A)、前記無機充填材(B)、前記フッ素系共重合体(C)、前記ノニオン系界面活性剤(D)以外に、重合開始剤、重合禁止剤、増粘剤、離型剤、顔料、減粘剤、分離防止剤、老化防止剤、可塑剤、難燃剤、抗菌剤、安定剤、補強材、光硬化剤等を含有することができる。
前記重合開始剤は、特に限定されないが、有機過酸化物が好ましく、例えば、ジアシルパーオキサイド化合物、パーオキシエステル化合物、ハイドロパーオキサイド化合物、ケトンパーオキサイド化合物、アルキルパーエステル化合物、パーカーボネート化合物等が挙げられ、成形条件に応じて適宜選択できる。これらの重合開始剤は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記重合開始剤の含有量は、本発明の目的を達成する範囲であれば、特に限定されるものではないが、本発明の成形材料の硬化特性と保存安定性が共に優れることから、前記樹脂成分(A)100質量部に対して、0.1〜5質量%の範囲が好ましい。
前記重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン、p−t−ブチルカテコール、t−ブチルハイドロキノン、トルハイドロキノン、p−ベンゾキノン、ナフトキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、フェノチアジン、ナフテン酸銅、塩化銅等が挙げられる。これらの重合禁止剤は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。これらの重合禁止剤は、前記樹脂成分(A)中に、10〜1000ppm含有することが好ましい。
前記増粘剤としては、例えば、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム等の金属酸化物や金属水酸化物、イソシアネート化合物などが挙げられ、本発明の加熱圧縮成形材料の取り扱い性によって適宜選択肢できる。これらの増粘剤は、単独で用いることも、2種以上併用することもできる。これらの中でも、酸化マグネシウムが好ましい。
前記離型剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、カルナバワックス等が挙げられるが、これらの中でも、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、カルナバワックスが好ましい。これらの離型剤は、単独で用いることも、2種以上併用することもできる。
次に、本発明のガラス繊維について説明する。前記ガラスとしては、例えば、ロービングと呼ばれる長繊維をカットした繊維、予め短くカットされたチョップドストランドと呼ばれる短繊維等が挙げられる。また、繊維を平織り、朱子織り、不織布、マット状の形態にしたものも使用できる。これらのガラス繊維は、単独で用いることも、2種以上併用することもできる。
前記ガラス繊維の種類としては、例えば、Eガラス、Cガラス、Rガラス、ARガラス、または低ホウ素含有率ガラス等を、繊維径10〜25μmで、線密度1000〜5000g/km(TEX)で集束したものなどを用いることができる。また、集束剤(サイジング剤)としては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂と、シランカップリング剤とを併用することが好ましい。
本発明の加熱圧縮成形用成形材料は、前記コンパウンドを、前記ガラス繊維に含浸させて得られるものであるが、加熱圧縮成形用成形材料中の前記ガラス繊維の含有率は、得られる成形品の強度及び表面平滑性がより向上することから、5〜40質量%の範囲が好ましく、10〜35質量%の範囲がより好ましい。
また、本発明の加熱成形用成形材料は、成形材料としての取り扱い性や成形性がより向上することから、シートモールディングコンパウンド(SMC)又はバルクモールディングコンパウンド(BMC)であることが好ましい。
前記SMCの製造方法としては、通常のロール、インターミキサー、プラネタリーミキサー、ニーダー、押し出し機などの混合機を用いて、前記熱硬化性樹脂(a1)、前記ラジカル重合性希釈剤(a2)、前記熱可塑性樹脂(a3)、前記無機充填材(B)、前記フッ素系共重合体(C)、前記ノニオン系界面活性剤(D)、前記重合開始剤、前記増粘剤等を含む前記コンパウンドの各成分を混合分散し、上下に設置されたキャリアフィルムに均一な厚さになるように塗布し、所定の長さにカットされた前記ガラス繊維を、前記上下に設置されたキャリアフィルムの樹脂コンパウンドに挟み込み、次いで、全体を含浸ロールの間に通して、圧力を加えて繊維補強材に樹脂コンパウンドを含浸させた後、ロール状に巻き取るか又はつづら折りに畳んでSMCが得られる。必要に応じて、この後に熟成等を行う。増粘剤を配合した場合は、25〜60℃の温度で熟成することが好ましい。キャリアフィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等を用いることができる。
前記BMCの製造方法としては、前記SMCの製造方法と同様に、通常のロール、インターミキサー、プラネタリーミキサー、ニーダー、押し出し機などの混合機を用いて、前記熱硬化性樹脂(a1)、前記ラジカル重合性希釈剤(a2)、前記熱可塑性樹脂(a3)、前記無機充填材(B)、前記フッ素系共重合体(C)、前記ノニオン系界面活性剤(D)、前記重合開始剤、前記増粘剤等を含む前記コンパウンドを分散させた後、最後に前記ガラス繊維を混合、分散させる方法が好ましい。BMCの場合、前記ガラス繊維としては、分散性がより向上することから短繊維を使用することが好ましく、例えば、5〜13mm長さの範囲のものが好ましい。また、SMCと同様に増粘剤を混合した場合は、25〜60℃の温度で熟成することが好ましい。
本発明の成形品は、前記加熱成形用成形材料より得られるが、成形材料としての取り扱い性や成形性がより向上することから、その成形方法としては、SMC又はBMCの加熱圧縮成形法が好ましい。
前記加熱圧縮成形法としては、例えば、SMC、BMC等の成形材料を所定量計量し、予め110℃〜180℃に加熱した金型に投入し、圧縮成形機にて型締めを行い、成形材料を賦型させ、1〜20MPaの成形圧力を保持することによって、成形材料を硬化させ、その後成形品を取り出し成形品を得る製造方法が用いられる。この場合シェアエッジを有する金型内で金型温度120℃〜160℃にて、成形品の厚さ1mm当たり1〜2分間という規定の時間を、5〜15MPaの成形圧力を保持し、加熱圧縮成形する製造方法が好ましい。
本発明の加熱圧縮成形用成形材料から得られる成形品は、低コストで、且つ、均一で優れた撥水・撥油性を有し、防汚性に優れることから、SMCおよびBMCの用途として一般的である、浴槽、洗面ボウル、キッチンカウンターなどの住宅設備部材等に好適に用いることができる。
以下に本発明を具体的な実施例を挙げてより詳細に説明する。
(合成例1:不飽和ポリエステル樹脂(a1−1)の合成)
温度計、攪拌機、不活性ガス導入口および還流冷却器を備えたガラスフラスコに、無水マレイン酸3モル、イソフタル酸1モル、ネオペンチルグリコール2モル及びプロピレングリール2モルを仕込み、窒素気流中、攪拌しながら、205℃にて10時間、脱水縮合反応した。次いで、スチレンを添加し、不飽和ポリエステル樹脂(a1−1)の60質量%スチレン溶液を得た。この不飽和ポリエステル樹脂(a1−1)の酸価は14mgKOH/gであった。
(合成例2:フッ素系共重合体(C−1)の合成)
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口、還流冷却器および滴下装置を備えたガラスフラスコに、トルエンを200質量部入れ、窒素気流中、攪拌しながら105℃に昇温した。次いで、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルアクリレート55質量部及びステアリルアクリレート45質量部をトルエン125質量部に溶解したモノマー溶液と、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート8質量部をトルエン20質量部に溶解したラジカル重合開始剤溶液との2種類の滴下液をそれぞれ別々の滴下装置にセットし、フラスコ内を105℃に保ちながら同時に2時間かけて滴下した。滴下終了後、105℃で13時間攪拌した後、減圧下で溶媒を留去することにより、フッ素系共重合体(C−1)を得た。このフッ素系共重合体(C−1)のフッ素原子の含有率は32質量%であった。
(合成例3:比較用フッ素系共重合体(RC−1)の合成)
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口、還流冷却器および滴下装置を備えたガラスフラスコに、トルエンを200質量部入れ、窒素気流中、攪拌しながら105℃に昇温した。次いで、下記式(1)で表されるフルオロアルキルエーテル基を有するアクリレート30質量部および下記式(2)で表される平均繰り返し単位数6のポリオキシアルキレン鎖を有するポリプロピレングリコールモノメタクリレート70質量部をトルエン125質量部に溶解したモノマー溶液と、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート8質量部をトルエン20質量部に溶解したラジカル重合開始剤溶液との2種類の滴下液をそれぞれ別々の滴下装置にセットし、フラスコ内を105℃に保ちながら同時に2時間かけて滴下した。滴下終了後、105℃で13時間攪拌した後、減圧下で溶媒を留去することにより、比較用フッ素系共重合体(RC−1)を得た。この比較用フッ素系共重合体(RC−1)のフッ素原子の含有率は8.1質量%であった。
Figure 0006390328
(式中、mの平均値は6であり、nの平均値は8である。)
Figure 0006390328
(式中、pの平均値は6である。)
(製造例1:コンパウンド(1)の製造)
合成例1で得られた不飽和ポリエステル樹脂(a1−1)の60質量%スチレン溶液80質量部、ポリスチレンの35質量%スチレン溶液(ディーエイチ・マテリアル株式会社製「PS−954」)20質量部、炭酸カルシウム(平均粒子径3μm)160質量部、合成例2で得られたフッ素系共重合体(C−1)1質量部、デカグリセリンオレイン酸エステル(阪本薬品工業株式会社製「DOA−7S」)5質量部、重合開始剤(化薬アクゾ株式会社製「カヤカルボンBIC−75」)1質量部、酸化マグネシウム1質量部、ステアリン酸亜鉛3部をディゾルバーにより混合し、コンパウンド(1)271質量部を得た。
(製造例2:比較用コンパウンド(R1)の製造)
製造例1で用いたフッ素系共重合体(C−1)及びデカグリセリンオレイン酸エステルを用いなかった以外は、製造例1と同様に操作することにより、比較用コンパウンド(R1)265質量部を得た。
(製造例3:比較用コンパウンド(R2)の製造)
製造例1で用いたデカグリセリンオレイン酸エステルを用いなかった以外は、製造例1と同様に操作することにより、比較用コンパウンド(R2)266質量部を得た。
(製造例4:比較用コンパウンド(R3)の製造)
製造例1で用いたフッ素系共重合体(C−1)を用いなかった以外は、製造例1と同様に操作することにより、比較用コンパウンド(R3)270質量部を得た。
(製造例5:比較用コンパウンド(R4)の製造)
製造例1で用いたデカグリセリンオレイン酸エステルを用いず、且つ、フッ素系共重合体(C−1)1質量部の代わりに、合成例3で得られた比較用フッ素系共重合体(RC−1)5質量部を用いた以外は、製造例1と同様に操作することにより、比較用コンパウンド(R4)270質量部を得た。
(製造例6:比較用コンパウンド(R5)の製造)
製造例1で用いたフッ素系共重合体(C−1)1質量部の代わりに、合成例3で得られた比較用フッ素系共重合体(RC−1)5質量部を用いた以外は、製造例1と同様に操作することにより、比較用コンパウンド(R5)275質量部を得た。
(実施例1:加熱圧縮成形用成形材料(1)の製造及び評価)
製造例1で得られたコンパウンド(1)271質量部を上下に設置された2枚のポリプロピレン製キャリアフィルム上に均一な厚さになるように塗布し、25.4mmにカットしたガラス繊維(日東紡績株式会社製「PB−549」)93質量部を前記上下に設置されたキャリアフィルム上の樹脂組成物の間に挟み込み、全体を含浸ロールの間に通して圧力を加えてコンパウンド(1)をガラス繊維に含浸させた後、45℃で24時間養生し、ガラス繊維含有率が25.5質量%の加熱圧縮成形用成形材料(1)を得た。また、加熱圧縮成形用成形材料(1)中のフッ素原子含有率は、0.09質量%であった。
上記で得られた加熱圧縮成形用成形材料(1)を用いて、下記の成形品の評価を行った。
[成形品の作製]
上記で得られた加熱圧縮成形用成形材料(1)650gを300×300mmの金型を用いて加熱圧縮成形し、厚さ4mmの平板状の成形品(1)を得た。加熱圧縮成形条件は、金型温度が上型145℃、下型130℃とし、キープ時間6分間、印加圧力10MPaとした。尚、得られた成形品(1)の上型側を評価面とした。
[成形品の撥水性(成形品の水接触角)]
上記で得られた成形品(1)について、協和界面科学株式会社製の全自動接触角計CA−V型を用いて、JIS K6768に準拠し、常温下、蒸留水を用いた液滴法で水接触角測定し、下記の基準により、成形品の撥水性を評価した。
○:接触角が100度以上
△:接触角が95度以上100度未満
×:接触角が95度未満
[成形品の撥油性(成形品のオレイン酸接触角)]
上記で得られた成形品(1)について、上記の[成形品の水接触角測定]で用いた蒸留水の代わりにオレイン酸液を用いた以外は同様の手法を用いてオレイン酸接触角を測定し、下記の基準により、成形品の撥油性を評価した。
○:接触角が50度以上
△:接触角が45度以上50度未満
×:接触角が45度未満
(比較例1:比較用加熱圧縮成形用成形材料(R1)の製造)
実施例1で用いたコンパウンド(1)271質量部を、製造例2で得られた比較用コンパウンド(R1)265質量部に変更した以外は、実施例1と同様に操作することにより、ガラス繊維含有率26.0質量%の比較用加熱圧縮成形用成形材料(R1)を得た。この比較用加熱圧縮成形用成形材料(R1)のフッ素原子含有率は0質量%であった。
(比較例2〜5:比較用加熱圧縮成形用成形材料(R2)〜(R5)の製造)
実施例1で用いたコンパウンド(1)を、比較用コンパウンド(R2)〜(R5)に変更した以外は、実施例1と同様に操作することにより、比較用加熱圧縮成形用成形材料(R2)〜(R5)を得た。それぞれのガラス繊維含有率は、(R2)が25.9質量%、(R3)が25.6質量%、(R4)が25.6質量%、(R5)が25.3質量%であった。また、それぞれのフッ素原子含有率は、(R2)が0.09質量%、(R3)が0質量%、(R4)が0.11%、(R5)が0.11質量%であった。
(比較用加熱圧縮成形用成形材料(R1)〜(R5)の評価)
実施例1で用いた加熱圧縮成形用成形材料(1)を、上記で得られた比較用加熱圧縮成形用成形材料(R1)〜(R5)に変更した以外は、実施例1と同様に操作することにより、比較用成形品(R1)〜(R5)を作製して、成形品の水接触角及びオレイン酸接触角を測定し、撥水性及び撥油性を評価した。
上記で得られた加熱圧縮成形用成形材料(1)及び比較用加熱圧縮成形用成形材料(R1)〜(R5)の組成、及び評価結果を表1に示す。
Figure 0006390328
実施例1の加熱圧縮成形用成形材料(1)から得られた成形品は、撥水性及び撥油性に優れることがわかった。
比較例1は、フッ素系共重合体(C)及びノニオン系界面活性剤(D)をともに含有していない例であるが、得られた成形品は、撥水性、撥油性ともに不十分であることがわかった。
比較例2は、ノニオン系界面活性剤(D)を含有していない例であるが、得られた成形品は、撥水性が不十分であることがわかった。
比較例3は、フッ素系共重合体(C)を含有していない例であるが、得られた成形品は、撥水性、撥油性ともに不十分であることがわかった。
比較例4は、フッ素系共重合体(C)の代わりに、フルオロアルキルエーテル基及びアルキルエーテル基を有するフッ素系共重合体を含有し、且つ、ノニオン系界面活性剤(D)を含有していない例であるが、得られた成形品は、撥水性、撥油性ともに不十分であることがわかった。
比較例5は、フッ素系共重合体(C)の代わりに、フルオロアルキルエーテル基及びアルキルエーテル基を有するフッ素系共重合体を含有する例であるが、得られた成形品は、撥水性、撥油性ともに不十分であることがわかった。

Claims (7)

  1. 熱硬化性樹脂(a1)、ラジカル重合性希釈剤(a2)及び熱可塑性樹脂(a3)を必須成分とする樹脂成分(A)と、無機充填材(B)と、フッ素化アルキル基を有する(メタ)アクリレート化合物(c1)及びアルキル(メタ)アクリレート化合物(c2)を必須成分とする重合性モノマーを共重合して得られるフッ素系共重合体(C)と、ノニオン系界面活性剤(D)とを含有するコンパウンドを、ガラス繊維に含浸して得られることを特徴とする加熱圧縮成形用成形材料。
  2. 前記コンパウンドが、前記樹脂成分(A)100質量部に対して、前記無機充填材(B)を30〜350質量部、前記フッ素系共重合体(C)を0.5〜5質量部、前記ノニオン系界面活性剤(D)を1〜10質量部含有するものである請求項1記載の
    加熱圧縮成形用成形材料。
  3. 前記熱硬化性樹脂(a1)が不飽和ポリエステル樹脂である請求項1又は2記載の加熱圧縮成形用成形材料。
  4. 前記フッ素系共重合体(C)のフッ素化アルキル基が、パーフルオロアルキル基である請求項1〜3のいずれか1項記載の加熱圧縮成形用成形材料。
  5. 前記ノニオン系界面活性剤(D)が、(ポリ)グリセリン脂肪酸エステルである請求項1〜4のいずれか1項記載の加熱圧縮成形用成形材料。
  6. 前記加熱圧縮成形用成形材料が、シートモールディングコンパウンド(SMC)又はバルクモールディングコンパウンド(BMC)である請求項1〜5のいずれか1項記載の加熱圧縮成形用成形材料。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項記載の加熱圧縮成形用成形材料を成形して得られたものであることを特徴とする成形品。
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