JP6390261B2 - 点火コイル装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関用の点火プラグに高電圧を供給するための点火コイル装置に関するものである。
特許文献1には、ケースと、当該ケース内に中心鉄芯と外周鉄芯とからなる鉄芯の少なくとも一部を収容し、前記ケース内に1次ボビンに1次巻線を巻き回した1次コイルと、2次ボビンに2次巻線を巻き回した2次コイルを収容し、前記ケース内のコイル収容部にモールド樹脂を充填した内燃機関用の点火コイルにおいて、前記外周鉄芯は前記鉄芯の磁路が前記ケースの開口面と垂直方向の向きに配置され、前記外周鉄芯の外周鉄芯側コイル対向面にモールド樹脂と剥離するテープを備え、当該外周鉄芯側コイル対向面の水平方向延長上に突部を備え、前記外周鉄芯側コイル対向面及び前記モールド樹脂と剥離するテープ、前記突部は前記モールドの樹脂面より低い位置に備えたことを特徴とする内燃機関用の点火コイル装置が開示されている。
比較例1として、図6Aに示す従来の点火コイル装置1zでは、その一部をPET樹脂やPBT樹脂などのモールド樹脂からなるコアカバー15に覆われた側面鉄心14の一部が絶縁樹脂40zの外部に露出している。
一方、側面鉄心14の下側及び中心鉄心10は、ハウジング30z内に充填された絶縁樹脂40zによって封止固定されている。
さらに、ハウジング30z内には、樹脂モールドされた回路モジュール20がコネクタ32の附近に収容され、絶縁樹脂40zによって封止固定されている。
このような構造の点火コイル装置1zでは、側面鉄心14の一部が外部に露出しており、ハウジング30zの上面は大きく開口しているために、側面鉄心14に対する絶縁樹脂40zの拘束力が弱く、熱応力も低く、コアカバー15やその周辺の絶縁性樹脂40zに亀裂を生じ難くなっている。
このため、特許文献1にあるように、二次コイル12と側面鉄心14との間に剥離性のテープを介装しても、コアカバー15や絶縁樹脂40z等の亀裂防止に対する効果は薄いと考えられる。
一方、近年、難着火性の内燃機関において、着火の安定化を図るべく、回路モジュール20には、高精度な制御性能が要求され、大容量のエネルギ供給を可能とするパワーMOSFETやIGBT等が用いられるようになっており、回路モジュール20からの発熱量が大きくなる傾向にある。
ところが、従来の点火コイル装置1zの構造では、図6Cに比較例1として示すように、回路モジュール20zの周囲を覆う絶縁樹脂40zの容積が大きく、金属に比べて熱伝導性の低い樹脂部に蓄熱して、回路モジュール20の制御安定性を低下させるおそれがある。
また、従来の点火コイル装置1zでは、専ら回路モジュール20zから引き出されたリード21zを経由した熱伝導によって回路モジュール20zに発生した熱の放熱が行われている。
このため、回路モジュール20zからの発熱量の増加に伴い、リード21zに対する冷熱ストレスが大きくなり、コネクタターミナル22zとの接続不良や断線等を招き、点火コイル装置1zの信頼性が低下するおそれがあった。
そこで、比較例2として、図6Dに示すように、回路モジュール20の大きさに合わせて、回路収容部31yの容積を小さくすることによって、回路ジュール20から外部への直接的な熱の発散による放熱が可能とし、放熱経路を分散させることにより、リード21yへの冷熱ストレスの低減を図ると同時に、回路モジュール20の制御安定化を図ることができると考えられた。
特開2012−146896号公報
ところが、比較例2の点火コイル装置1yでは、回路モジュール20から、回路収容部31yを介して直接的に外部への放熱が可能となったが、図6Dの右側に示すように、その分、回路収容部31yが回路モジュール20からの熱応力を受けることになる。
特に、ハウジングの幅広部301と回路収容部31yを構成する幅狭部311yとを連結する連結部302yと幅狭部311yとが交わる内周側角部313yに応力集中するため、内周側角部313yから外周側角部314yに向かって亀裂を発生させるおそれがあることが判明した。
そこで、本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、点火コイル装置において、回路モジュールの放熱性を向上させるべくハウジングの横幅を部分的に狭くした幅狭部を設けて回路モジュールを収容する回路収容部とした場合に、ハウジングの幅広部と回路収容部の幅狭部とを連結する連結部が幅狭部と交わる内周側角部に亀裂を生じ難く、安定した制御を実現可能な信頼性の高い点火コイル装置を提供することを目的とするものである。
本発明(1、1a、1b、1c、1d、1e、1f)では、少なくとも、一次コイル(11)と、二次コイル(12)と、前記一次コイル(11)の内側に配置した中心鉄心(10)と、前記二次コイル(12)の外側に配置した側面鉄心(14)と、を含む点火コイル(100)と、前記コイル(100)への電圧の供給と遮断とを制御する回路モジュール(20)と、をハウジング(30)の内側に収容し、絶縁性樹脂(40)によって封止した点火コイル装置であって、
前記ハウジングが、前記回路モジュールの横幅方向に対して、前記点火コイルを収容可能な横幅(W1)に形成した幅広部(301)と、前記回路モジュールを収容する回路収容部(31)を構成し、前記幅広部よりも狭い横幅(W2)に形成された幅狭部(311)と、前記幅広部と前記幅狭部とを連結する連結部(302)とを具備し、前記幅狭部と前記連結部とが交わる内周側角部(313)と前記回路モジュールとの間に前記絶縁性樹脂との接着力が相対的に弱い剥離部材(50、50a〜50g)を介装したことを特徴とする。
本発明によれば、前記剥離部材を、前記回路モジュールと前記内周側角部との間に介装することによって、前記絶縁樹脂と、前記回路収容部との間の拘束力が弱まり、熱応力が緩和され、前記内周側角部から外周側角部(314)に向かって前記ハウジングに亀裂を生じるのを防止することができる。
発明者等の鋭意試験により、前記幅狭部の横幅(W2)に対する前記回路モジュールの横幅(W3)が63%以上、100(%)以下の場合に上記内周側角部への応力集中が顕著となり、前記ハウジングを構成するモールド樹脂の疲労限界を超え、亀裂を招く虞を生じるが、前記剥離部材を介装することで、前記内周側角部への応力集中を緩和し、亀裂の発生を防止できることが判明した。
また、前記回路モジュールの厚み方向における前記剥離部材の幅(T2)を前記回路モジュールの厚み(T1)の60%以上とすることで前記剥離部材の応力緩和効果を発揮できることが判明した。
本発明の第1の実施形態における点火コイル装置1の斜視図 図1Aの点火コイル装置1の上面図 図1Aの点火コイル装置1の断面図 図1Aの点火コイル装置1の下面図 図1C中A−Aに沿った要部断面図 図1C中B−Bに沿った要部断面図 第1の実施形態における点火コイル装置の変形例1bを示し、左側はA−Aに沿った断面図、右側はB−Bに沿った断面図 第2の実施形態における点火コイル装置1cの要部断面図 第2の実施形態における点火装置の変形例1dの要部断面図 第3の実施形態における点火コイル装置1dの要部断面図 第3実施形態における点火コイル装置の変形例1eを示す要部断面図 第4の実施形態における点火コイル装置1fの要部断面図 第4実施形態における点火コイル装置の変形例1gを示す要部断面図 比較例1として示す従来の点火装置1zの斜視図 比較例2として示す回路収容部を縮小した点火装置1yの斜視図 比較例1の問題点を示す要部断面図 比較例2の問題点を示す要部断面図 有限要素法による熱応力解析結果を示す特性図 ハウジングの幅狭部と回路モジュールとの横幅比W3/W2による最大主応力の変化を示す特性図 最大主応力に対する剥離部材の効果を示す特性図 ハウジングの幅広部と幅狭部との横幅比W2/W1による最大主応力の変化を示す特性図 ハウジングの幅広部と幅狭部との高さ比H2/H2の最大主応力に対する影響を示す特性図
図1A、図1B、図1C、図1D、図1Eを参照して、本発明の点火コイル装置1の概要について説明する。
本発明の点火コイル装置1は、一次コイル11と、二次コイル12と、一次コイル11の内側に配置した中心鉄心10と、二次コイル12の外側に配置した側面鉄心14と、中心鉄心10と側面鉄心14との間隙に配設した永久磁石13とからなる点火コイル100と、一次コイル11への電流の供給と遮断とを制御する回路モジュール20と、一次コイル11及び回路モジュール20のリード部21と外部との接続を図るコネクタターミナル22と、二次コイル12の出力端と図略の点火栓との接続を図る出力中継端子120、高圧端子121、バネ端子122と、をハウジング30内に収容し、絶縁性樹脂40によって封止してある。
本発明の点火コイル装置1においては、ハウジング30の回路モジュール20を収容する回路収容部31の容積を、回路モジュール20の大きさに合わせて縮小し、回路モジュール20から外部への放熱がし易い構造となっている。
ハウジング30は、回路モジュール20の横幅方向に対して、点火コイル100を収容可能な横幅W1に形成された幅広部301と、回路モジュール20を収容する回路収容部31を構成し、幅広部301よりも狭い横幅W2に形成された幅狭部311と、前記幅広部と前記幅狭部とを連結する連結部302とを具備する。
さらに、回路モジュール20と回路収容部31との間において、特に、応力集中を引き起こし易い回路収容部31の幅狭部311と連結部302とが交わる内周側角部313と回路モジュール20の側面との間には、絶縁樹脂40との接着性の低い剥離部材50が介装されている特徴としている。
絶縁樹脂40には、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等が用いられ、剥離部材50には、エポキシ樹脂との接着性の低い、シリコーン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリイミド、ナイロン、フッ素等の樹脂が用いられる。
また、剥離部材50には、耐熱性樹脂をシート状に形成した基材の表面にシリコーン樹脂等の剥離剤を塗布し、裏面側にゴム系接着剤、シリコーン接着剤等の粘着剤を塗布したテープ状部材を用いても良い。
尚、上記において剥離部材50には、エポキシ樹脂との接着性の低い樹脂が使用されると表現しているが、これは、剥離部材50と絶縁樹脂40を構成するエポキシ樹脂との間に作用する接着力が、他の部材(例えば、ハウジング30、一次側ボビン111、や二次側ボビン121を構成する樹脂、側面鉄心14を構成する金属)と絶縁樹脂40を構成するエポキシ樹脂との間に作用する接着力より、相対的に低いことを意味しており剥離部材の基材を示すものではない。
また、基材をPETとしたテープ状のシリコーンフィルム等を使うことで貼り付け作業性を向上させることもできる。
本実施形態においては、図1Eに示すように、テープ状のシリコーンフィルムからなる剥離部材50を回路収容部31の内周側角部313の内側面に沿って貼り付けてある。
特に、裏面に接着剤の付いたテープ状のシリコーンフィルム等のテープ部材を使用することで、極めて簡単に、素子収容部31の内側への貼り付けを行うことができる。
一般的に、このような樹脂テープの表面には、表面側にシリコーン処理が施されて剥離性が向上されており、絶縁樹脂40に対しても高い剥離性を呈する。
加えて、樹脂テープの裏面側に塗布された接着剤は、粘弾性を有するため、シリコーンテープの剥離性に加えて、接着剤の粘弾性によって、回路モジュール20を構成するモールド樹脂と絶縁樹脂40との熱膨張率差による冷熱ストレス、又は、素子収容部31と絶縁樹脂40との熱膨張差による冷熱ストレスを抑制できると考えられる。
剥離部材50の貼り付け範囲は、図1B、図1Dに示すように回路モジュール20の側面に対向する範囲かそれ以上の長さの範囲とする。
発明者等の鋭意試験により、幅狭部311の横幅W2に対する回路モジュール20の横幅W3が63%以上、100%以下とした場合に内周側角部313への応力集中が顕著となり、ハウジング30を構成するモールド樹脂の疲労限界を超え、内周側角部313から外周側角部314に向かって亀裂を生じる虞がことが判明した。
しかし、回路モジュール20と内周側角部313との間に剥離部材50を介装することで、内周側角部313への応力集中を緩和し、亀裂の発生を防止できることが判明した。
また、回路モジュール20の厚み方向における剥離部材の幅T2を回路モジュール20の厚みT1の60%以上とすることで剥離部材50の応力緩和効果を発揮できることが判明した。
回路収容部31の内周側角部313に剥離部材50を貼り付けることによって、内周側角部313と絶縁樹脂40との間の拘束力が弱まり、熱応力が緩和され、内周側角部313に外側に向かって亀裂を生じるのを防止することができる。
加えて、図1Fに示すように、中心鉄心10と回路収容部31の内周側角部313との間には、絶縁樹脂40との接着性の低い剥離部材51が介装しても良い。
このような構成とすることによって、回路モジュール20からの発熱による熱応力だけでなく、点火コイル100への通電に伴う中心鉄心10の発熱による熱応力が内周側角部313に集中するのを抑制し、内周側角部313に亀裂が生じるのを防止できる。
なお、本実施形態においては、剥離部材50、51を別体で設けた例を示してあるが、剥離部材50と剥離部材51を一枚のシリコーンテープで連続的に形成したものでも良い。
また、少なくとも、冷熱ストレスの大きい、回路モジュール20の側面に対向する位置において、回路収容部31の内周側角部313を覆うように剥離部材50を設ければ、本発明の効果を発揮できる。
以下、本発明に係る点火コイル装置1の一般的な構成について説明する。
一次側ボビン111に、一次巻線110が、所定回数N1だけ巻回され一次コイル11を構成している。
一次コイル11の一方の端は、コネクタターミナル22を介して外部に設けた図略の電源に接続されている。
一次コイル11の他方の端は、回路モジュール20の所定のリード部21に接続されている。
二次側ボビン121に、二次巻線120が、所定回数N2だけ巻回され二次コイル12を構成している。
二次コイル12の一方の端は、ダイオード16を介して一次巻線11の一方の端に接続されている。
二次コイル12の他方の端は、出力中継端子122、高圧端子123、バネ端子124に接続されており、内燃機関に設けた点火プラグの中心電極に接続できるようになっている。
一次巻線110及び二次巻線120には、銅、アルミニウム等の導体の表面に、エナメル、ポリウレタン、ポリエステル等の絶縁を施した公知の絶縁電線が用いられている。
一次コイル11と二次コイル12とは同心に配設され、一次コイル11の内側には、中心鉄心10が配設され、二次コイル12の外側には側面鉄心14が配設されている。
側面鉄心14の一部は、樹脂成形されたコアカバー15によって覆われている。
コアカバー15の一部は、絶縁性樹脂40の表面から露出している。
中心鉄心13は、帯状のケイ素鋼板を複数枚積層して柱状としたものであり、励磁コアを構成している。
側面鉄心14は、コ字型に形成したケイ素鋼板を複数積層し、かしめ固定したものである。
側面鉄心14と中心鉄心10との間隙には永久磁石13が配設されている。
側面鉄心14と中心鉄心10との協働により閉磁路を形成している。
コアカバー15は、PET樹脂、PBT樹脂等のモールド樹脂材料からなり、機械的強度向上のための繊維を添加した繊維強化樹脂や、放熱性向上のための放熱フィラーを添加した放熱性向上樹脂を用いても良い。
コアカバー15の一部は、絶縁性樹脂40の表面から外部に露出している。
コアカバー15の一部を絶縁性樹脂40の表面から露出させることにより、放熱性を良好にすると共に、冷熱ストレスを開放し易くし、コアカバー15や、絶縁性樹脂40、ハウジング30等に亀裂を生じ難くしている。
ハウジング30に設けたコネクタ32の内側には、一次コイル11の入力端、及び、イグナイタ20と外部との接続を図るコネクタターミナル22が配設され、図略の電源及び制御装置に接続されるようになっている。
また、ハウジング30には、筒状のプラグキャップ33が延設され、内燃機関に設けた図略の点火プラグへの装着が可能となっている。
プラグキャップ33の内側には、出力中継端子120、高圧端子121を介して二次巻線12の出力端に接続されたバネ端子122が配設されている。
ハウジング30の内側に収容された昇圧コイル100は、側面鉄心14を覆うコアカバー15の一部が露出するように配設され、絶縁性樹脂40によって封止固定されている。
絶縁性樹脂40には、エポキシ樹脂等が用いられており、機械的強度向上のための繊維を添加した繊維強化樹脂や、放熱性向上のための放熱フィラーを添加したものを用いても良い。
回路モジュール20は、外部に設けた図略のECUに接続され、ECUから発信された点火信号IGtにしたがって、一次巻線11への通電と停止とを制御する。
回路モジュール20には、パワーMOSFETやIGBT等のスイッチング素子やスイッチング素子を開閉駆動するためのドライバ、制御IC等が内蔵されている。
点火コイル装置1は、回路モジュール20によって制御され、一次コイル線11への通電と遮断を行うことにより、一次コイル11の巻回数N1と二次コイル12の巻回数N2との比N2/N1に比例する二次電圧を発生させることができる。
なお、必要に応じて、雑音防止用コンデンサや、補助電源用コンデンサ等を内蔵させても良い。
図2を参照して、第1の実施形態における点火コイル装置の変形例1aについて説明する。
なお、以下の実施形態はいずれも、基本的な構成は、第1の実施形態と同様であり、本発明の要部である剥離部材50、51の配設位置、配設範囲、形状等が異なる。
したがって、以下の説明において、第1の実施形態と同様の構成については説明を省略し、相違する構成を中心に説明する。
本変形例1aにおいては、剥離部材50a、51aとして、シート状のシリコーンテープ等を用いる点は、第1の実施形態における点火コイル装置1と同様である。
変形例1aでは、図2の左側に示すように、内周側角部313に対向する位置において、回路モジュール20の側面と上面とを覆うように、剥離部材50aを貼り付け、さらに、本図右側に示すように、剥離部材51aを内周側角部313に対向する位置において、中心鉄心10の底面と側面とを覆うように貼り付けている。
このような構成とすることにより、回路モジュール20の熱膨張率と絶縁樹脂40の熱膨張率とに差があっても、剥離部材50aが介在する部分には、絶縁樹脂40に引っ張り応力が作用し難くなり、その結果、内周側角部313への応力集中が抑制され、亀裂の発生を防止することができる。
また、中心鉄心100と絶縁樹脂40との間においても同様に、剥離部材51aによって熱応力が内周側角部313へ集中することがない。
図3A、図3Bを参照して、第2の実施形態における点火コイル装置1b、とその変形例1cについて説明する。
第1の実施形態においては、回路収容部31の内周側角部313を覆うように、又は、内周側角部313に対向する範囲を覆うように剥離部材50、50a、51,51aを貼り付けたが、本実施形態においては、剥離部材50b、50c、51b、51cの貼り付け範囲を拡大した点が相違する。
第2の実施形態における点火コイル装置1bに置いては、図3Aの左側に示すように、剥離部材50bを、内周側角部313の内側面のみならず、回路モジュール20の側面に対向する回路収容部31の内壁全体を覆うように貼り付けてある。
また、図3Aの右側に示すように、剥離部材51bを、内周側角部313の内周面のみならず、回路収容部31の内壁全体を覆うように貼り付けてある。
変形例1cにおいては、図3Bに示すように、剥離部材50cを回路モジュール20側の広い範囲を、剥離部材51cを中心鉄心10側の広い範囲を覆うように貼り付けてある。
本実施形態においても、第1の実施形態の同様の効果を発揮できる。
図4A、図4Bを参照して、本発明の第3の実施形態における点火コイル装置1dと、その変形例1eについて説明する。
本実施形態においては、剥離部材50d、51d、50e、51eの貼り付け範囲をさらに拡大した点が相違する。
図4Aに示す点火コイル装置1dでは、剥離部材50d、51dをハウジング30の内周面のリード部21に対向する位置まで延設してある。
このような構成とすることにより、上記実施形態と同様の効果に加え、リード部21に対する熱応力の緩和も期待できる。
ただし、本実施形態においても、剥離部材50dが絶縁樹脂40の表面から露出することはなく、ハウジング30の開口部は、絶縁樹脂40によって封止されていなければならない。
また、図4Bに示す変形例1eでは、剥離部材50dが回路モジュール20の上面の一部、側面及び底面を取り囲むように配設され、剥離部材51dが中心鉄心10の側面及び底面、側面鉄心14の側面のそれぞれ一部を取り囲むように配設されている。
このような構成とすることによって、第1の実施形態と同様の効果が発揮され、内周側角部313への応力集中による亀裂の発生を抑制できる。
図5A、図5Bを参照して、本発明の第4の実施形態における点火コイル装置1fと、その変形例1gについて説明する。
上記実施形態においては、剥離部材として、シート状のPETフィルムを貼り付けする例を示したが、本実施形態においては、剥離部材50f、50g、51f、51gを、ハウジング30を樹脂成型した後、ハウジング30に収容設置したり、ハウジング30の内周面に塗布したりする方法によって、形成した点が相違する。
また、本実施形態においても、剥離部材の形成範囲は、上述の実施形態と同様に適宜変更可能である。
本実施形態においては、熱応力発生源となる回路モジュール20の側面とこれに対向する回路収容部31の内周面との両方に剥離部材50f、50gが接しており、その間には、拘束力を生じる絶縁性樹脂40が介在しないので、内周側角部313への応力集中を回避し、亀裂の発生を抑制できると考えられる。
さらに、剥離部材として、PET等の硬質の材料のみならず、シリコーン樹脂やフッ素樹脂等の弾性を有する材料を用いることにより、絶縁部材40との剥離による応力の緩和だけでなく、弾性変形することでより一相の応力緩和を図ることも期待できる。
図7及び、表1、表2を参照して、本発明に係る点火コイル装置1について、回路モジュール20の熱変化に伴う主応力分布について、有限要素法による熱応力解析を行った結果について説明する。
点火コイル装置1の基本モデルとして、幅広部301の横幅W1を28mm、幅狭部311の横幅W2を14mm、回路モジュール20の横幅W3を14mmとし、幅広部301の高さH1を16mとし、幅狭部311の高さH2を6mmとし、回路モジュール20の高さH3を6mmとした。
また、ハウジング30を構成する材料がPBTであり、充填樹脂40を構成する材料がエポキシ樹脂であり、回路モジュール20を構成する材料が銅に等しいものと見なして、基本条件を設定し、回路モジュール20に0℃から160℃の温度変化があった場合の熱応力を有限要素法を用いた熱解析を行った。
このときの主応力は、図7に示すように、回路モジュール20の上端縁が最も高く、回路収容部31に対して内側角部313に作用していることが分かる。
図8を参照して、ハウジング30の幅狭部311の横幅W2に対する回路モジュール20の横幅W3の比率を変化させたときの最大主応力の変化について説明する。
図8に示すように、幅狭部311の横幅W2に対する回路モジュール20の横幅W3の比率W3/W2が高くなると、即ち、回路モジュール20の側面と幅狭部311との距離が短くなるにしたがって、主応力の最大値PSm(MPa)は高くなり、幅狭部311の横幅W2に対する回路モジュール20の横幅W3の比率W3/W2が63%を超えると、材料樹脂の疲労限界を超え、内周側角部313に亀裂が発生する虞を生じることが判明した。
ここで、図9を参照して、内周側角部313と回路モジュール20との間に介装した剥離部材50の幅T2を回路モジュール20の厚みT1に対する比率T2/T1を変化させたときの効果について説明する。
図9に示すように、回路モジュール20の横幅W3と幅狭部311の横幅W2の比率W3/W2が63%以上であっても、剥離部材50を介装することで、最大主応力PSmを低くすることができることが判明した。
特に、回路モジュール20の板厚方向における剥離部材50の幅T2を回路モジュール20の板厚T1に対する比率T2/T1を60%以上とすることで、幅狭部311の横幅W2に対する回路モジュール20の横幅W3比率W3/W2が100%に近い値、即ち、剥離部材50を介して回路モジュール20と幅狭部311とが密接している状態においても、最大主応力PSmが材料の疲労限界を超えないため、確実に内周側角部313に亀裂が生じるのを防止できる。
図10を参照して、ハウジング30の幅広部301の横幅W1に対する幅狭部311の横幅W2の比率W2/W1を変化させたときの最大主応力について説明する。
なお、図10においては、剥離部材50を設けず、幅狭部311の横幅W2に対する回路モジュール20の横幅W3の比率W3/W2を100%としたときと、50%としたときにおいて、ハウジング30の幅広部301の横幅W1に対する幅狭部311の横幅W2の比率W2/W1を20%〜100%まで変化させた場合について最大主応力PSm(MPa)の変化を解析した。
その結果、図10に示すように、ハウジング30の幅広部301の横幅W1に対する幅狭部311の横幅W2の比率W2/W1を変化させたときの最大主応力PSmの変化が少ないことが判明した。
図11を参照して、ハウジング30の幅広部301の高さH1と、幅狭部311の高さH2の影響について説明する。
剥離部材50を介装せず、主応力PSmが最大となる幅狭部311の横幅W2に対する回路モジュール20の横幅W3の比率W3/W3が100%で、ハウジング30の幅広部301の横幅W1に対する幅狭部311の横幅W2の比率W2/W3を25%、50%、100%とし、幅広部301の高さH1に対する幅狭部311の高さH2の比率を50%、100%、150%、200%としたときの最大主応力PSmの変化を解析した。
その結果、図11に示すように、幅広部301の高さH1と幅狭部311の高さH2との違いにより発生する最大主応力の変化は小さいことが判明した。
以上のことから、内周側角部313に亀裂を生じ難くするためには、幅狭部311の横幅W1に対する回路モジュール20の横幅W2が63%以上、100%以下である場合に、内周側角部313と回路モジュール20との間に剥離部材50を介装することで、最大主応力PSmをハウジング30を構成する材料の疲労限界以下とすることが可能となり内周側角部313に亀裂が発生するのを防止できる。
さらに、回路モジュール20の厚み方向における剥離部材50の幅T2を回路モジュール20の厚さT1に対して60%以上とすることで、幅狭部311の横幅W1に対する回路モジュール20の横幅W2の比率の如何にかかわらず、最大主応力PSmをハウジング30を構成する材料の疲労限界以下とすることが可能となり内周側角部313に亀裂が発生するのを防止できることが判明した。
Figure 0006390261
Figure 0006390261
1 点火コイル装置
100 点火コイル
10 中心鉄心
11 一次コイル
110 一次巻線
111 一次ボビン
12 二次コイル
120 二次巻線
121 二次ボビン
122 出力中継端子
123 高圧端子
124 バネ端子
13 永久磁石
14 側面鉄心
15 コアカバー
20 回路モジュール
21 リード部
22 コネクタターミナル
30 ハウジング
301 幅広部
302 連結部
31 回路収容部
311 幅狭部
313 内周側角部
32 コネクタ
33プラグキャップ
34 フランジ
40 絶縁樹脂
50、51 剥離性樹脂
W1 幅広部横幅
W2 幅狭部横幅
W3 回路モジュール横幅
T1 回路モジュール厚さ
T2 回路モジュールの厚さ方向における剥離部材の幅

Claims (6)

  1. 少なくとも、一次コイル(11)と、二次コイル(12)と、前記一次コイル(11)の内側に配置した中心鉄心(10)と、前記二次コイル(12)の外側に配置した側面鉄心(14)と、を含む点火コイル(100)と、前記コイル(100)への電圧の供給と遮断とを制御する回路モジュール(20)と、をハウジング(30)の内側に収容し、絶縁性樹脂(40)によって封止した点火コイル装置であって、
    前記ハウジングが、前記回路モジュールの横幅方向に対して、前記点火コイルを収容可能な横幅(W1)に形成した幅広部(301)と、
    前記回路モジュールを収容する回路収容部(31)を構成し、前記幅広部よりも狭い横幅(W2)に形成された幅狭部(311)と、
    前記幅広部と前記幅狭部とを連結する連結部(302)とを具備し、
    前記幅狭部と前記連結部とが交わる内周側角部(313)と前記回路モジュールとの間に前記絶縁性樹脂との接着力が相対的に弱い剥離部材(50、50a〜50g)を介挿したこと特徴とする点火コイル装置(1、1a〜1g)
  2. 前記幅狭部の横幅(W2)に対する前記回路モジュールの横幅(W3)の比率(W3/W2)が63%以上、100%以下である請求項1に記載の点火コイル装置(1、1a〜1g)
  3. 前記回路モジュールの厚さ(T1)に対する前記剥離部材の幅(T2)の比率(T2/T1)が60%以上である請求項1又は2に記載の点火コイル装置(1、1a〜1g)
  4. 前記剥離部材を、少なくとも、前記内周側角部を覆う位置、又は、これに対向する範囲における前記回路モジュールを覆う位置に設けた請求項1ないし3のいずれかに記載の点火コイル装置(1、1a〜1g)
  5. 前記中心鉄心及び/又は、前記側面鉄心と前記回路収容部との間に、前記絶縁樹脂との接着力が相対的に低い第2の剥離部材(51、51a、51b、51c、51d、51e、51f、51g)を介装せしめた請求項1ないし4のいずれかに記載の点火コイル装置(1、1a〜1g)
  6. 前記絶縁樹脂がエポキシ樹脂、ウレタン樹脂のいずれかから選択した樹脂材料からなり、前記剥離部材が、シリコーン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリイミド、ナイロン、フッ素樹脂のいずれかから選択した樹脂材料からなる請求項1ないし5のいずれかに記載の点火コイル装置(1、1a〜1g)
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