JP6388778B2 - Pem電解槽の陽極のチタンコンポーネントにおけるパッシベーション酸化物層の改善されたインサイチュ還元方法 - Google Patents

Pem電解槽の陽極のチタンコンポーネントにおけるパッシベーション酸化物層の改善されたインサイチュ還元方法 Download PDF

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Description

本発明は、電解セルを再生するための方法、特にPEM電解槽又はアルカリ電解槽を再生するための方法に関する。更に本発明は、特にPEM電解槽又はアルカリ電解槽のための電解セルに関し、この電解セルにおいては、陽極のチタンコンポーネントに1μm未満の厚さの非常に薄い金属コーティングが設けられている。
本発明による電解槽とは、特に、プロトン交換膜(Proton Exchange Membrane)電解槽(PEM電解槽)と解され、この電解槽における陽極及び陰極はプロトン伝導膜によって相互に離隔されている。膜材料として、通常の場合、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)マトリクス中のポリスルホン酸(PFSA)が使用される。
通常動作時に陽極に生じている電位のもとで、チタンにはパッシベーション酸化物層が形成され、そのパッシベーション酸化物層は時間と共に増大する。これによって、確かにチタン表面の酸素との更なる反応が十分に妨げられるが、しかしながらそれと同時に、接触抵抗が著しく高まる。これによって、セルにおけるオーム損失が大幅に上昇する。これは電解槽における陽極の寿命に関する制約因子である。
従って、陽極におけるコーティングされていないチタン表面は、科学的な分野において、最大でも数1000時間動作すれば良い実験用電解槽においてしか使用されない。商用の電解槽では、陽極においてコーティングされたチタン表面が常に使用されている。その場合、コーティングは酸化物層の形成を防止し、またチタン層間の低い接触抵抗を長期にわたり提供する。もっともそれらのコーティングは、大抵の場合は貴金属、例えば金が使用されるので、一般的には非常に高価である。従って、今日では、陽極及び陰極の電流分配層を含む全体の流れ分配構造は、PEM電解スタックのコストの50%にまで達している。更に、PEM電解スタックの寿命(約6,000から9,000時間)にわたり低い接触抵抗を生じさせるコーティングは、従来技術では通常非常に厚く実施されており、典型的には1μmから5μmの厚さで実施されている。これによって、特に貴金属コーティングの場合にはコストが非常に高くなる。
本発明の課題は、従来技術による厚いコーティングを回避することができる、酸化物層の改善された還元方法を提供することである。
従って本発明によれば、電解セルにおける陽極のチタンコンポーネントの酸化物層を還元するための方法が提供され、この方法は、陽極を負の電位に分極させるステップと、陽極に還元媒体を供給するステップとを備えており、チタン表面は1μm未満の厚さの金属層でもってコーティングされている。
本発明の発明者は、還元雰囲気及び適切な電位への分極によるパッシベーション酸化物層の定期的な処理と関連させてコーティングを1μm未満の厚さに大幅に低減させることによって、そのパッシベーション酸化物層の還元を達成できることを発見した。従って、本方法は、通常使用されているコーティングを低減でき、ひいてはコストを大幅に削減することができる。
本発明の枠内での電解槽とは、特に、プロトン交換膜(Proton Exchange Membrane)電解槽(PEM電解槽)と解され、この電解槽における陽極及び陰極はプロトン伝導膜によって相互に離隔されている。膜材料として、通常の場合、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)マトリクス中のポリスルホン酸(PFSA)が使用される。
電解槽の電解セルの水素側にある陰極には、一般的に、当業者には公知の標準水素電極(NHE:Normal Hydrogen Electrode)に対する約0Vの電位が印加される。陰極は有利には、プロトン伝導膜に被着されている触媒層と、多孔性の電流分配層と、流れ分配構造とから構成されている。多孔性の電流分配層は、有利には、炭素繊維から成る不織布又は織物から構成されているか、薄く伸長された複数のチタン薄板から成る積層体から構成されているか、織られていても織られていなくても良いチタン繊維から構成されているか、多孔性のチタン焼結体から構成されているか、若しくは、それらが組み合わされたものから構成されている。
本発明による電解槽の電解セルの陽極には通常動作時に、+1.0Vから+2.5Vまでの範囲の電位が印加される。陽極は有利には、プロトン伝導膜に被着されている触媒層と、多孔性の電流分配層と、流れ分配構造とから構成されている。多孔性の電流分配層は、有利には、薄く伸長された複数のチタン薄板から成る積層体から構成されているか、織られていても織られていなくても良いチタン繊維から構成されているか、多孔性のチタン焼結体から構成されているか、若しくは、それらが組み合わされたものから構成されている。流れ分配構造を、液体の水を電極へと供給し、且つ、発生した気体状の酸素を排出する、チタンプレート内のチャネルから構成することができるか、又は、多孔性のチタン構造から構成することができる。流れ分配構造は有利には、チャネル構造を含んでいる導電性ポリマーから構成されている。ポリマーの導電性を例えば、カーボンブラックのような炭素の充填によって達成することができる。チャネル構造を射出成形、型打ち又はフライス削りによって形成することができる。択一的に、陰極の流れ分配構造もチタンから形成することができる。その場合には、有利には、チタンの上にセルの寿命にわたり厚い保護層が形成されている。その種の保護層は、従来技術から当業者には公知であり、その例としては炭素から成る保護層が挙げられる。その種の保護層を、例えば、PVD(physical vapour deposition)法によって被着させることができる。それと同時に、チタンプレートをバイメタル・セルセパレータのチタン薄板部として使用することができる。流れ分配構造が多孔性の材料から構成されている場合には、付加的に、薄いチタン薄板がバイポーラプレートとして必要になる。
本発明の枠内におけるチタンとして、市販のチタン薄板も、同様に市販のチタン合金、例えばTi−6Al−4V(即ち、アルミニウムを6%含み、且つ、バナジウムを4%含むチタン合金)も使用することができる。有利なチタン合金は、チタンが少なくとも50重量%であるものから成る。一般的に適した別のチタン合金も当業者には公知である。
セルセパレータは、鋼薄板及びチタン薄板から成るバイメタル薄板を含むことができる。バイメタルとは一般的に、異なる金属又は異なる金属合金の二つの層から成る金属板であると解される。それらの層は、大抵の場合、形状結合(即ち、形状による束縛:formschluessig)及び素材結合(即ち、素材による束縛:stoffschluessig)により結合されている。
有利には、使用される鋼は特殊鋼であり、有利には、AISI規格316,316L,410,304,303,304L,301,P2000及び321、特に有利にはAISI規格316及び316Lの特殊鋼のグループから選定されている。AISI規格は、特殊鋼の組成に関するアメリカ鉄鋼協会(American Iron and Steel Institute)の標準化された規格であり、当業者には周知である。ここに挙げた特殊鋼は例示的なものであると解するべきであり、それらに基づき当業者は本発明における使用に適した別の特殊鋼を選択することもできる。
セルセパレータのバイメタル薄板を、鋼薄板とチタン薄板の結合によって得ることができる。この結合を、リベット接合、点溶接、ねじ締めによって得ることができ、特に有利にはクラッディングによって得ることができる。
電極の電位は一般的に、NHE(「Normal Hydrogen Electrode」)、即ち、標準水素電極に対する差として表される。標準水素電極とは、従来技術において一般的である、電解液としての1mol/Lの塩酸及び大気条件下で動作する、即ち通常条件下の1013mbarのもとで動作する白金/水素電極の定義であると解される。あらゆる温度において1013mbarの水素圧力及び1mol/Lのプロトン活量で標準化されている標準水素電極に対する偏差は最小であって無視することができる。基準水素電極又は標準水素電極の電位は従来技術において、標準的には0Vとして定義されている。本明細書において電位が表されている場合、それらの電位は上記においても述べたように、従来技術と同様に、基準水素電極又は標準水素電極の電位に対する差として表されている。
通常動作時に陽極に生じている1.0V〜2.5Vの電位のもとで、相応の構成部材のチタンにはパッシベーション酸化物層が形成され、そのパッシベーション酸化物層は時間と共に増大する。このことは、確かに、通常動作時に陽極に存在する酸素とチタン表面の更なる反応を著しく緩慢にするが、それにもかかわらず、数千時間の動作時間にわたり、酸化物層は大幅に増大する。この酸化物層は本発明の方法によって再び還元され、構成部材のチタン表面が再生され、またそのようにして、陽極の構成部材間のコンタクト面における接触抵抗が低減され、それにより陽極は再び経済的で効果的な範囲で動作することができる。
電解セルの陽極のチタンコンポーネントのこの酸化物層を還元するための本発明による方法は、陽極を負の電位に分極させるステップと、陽極に還元媒体を供給するステップとを備えており、チタン表面は1μm未満の厚さの金属層でもってコーティングされている。
本発明の還元媒体は、選択された条件下で、特に陽極に印加される電位の下で、チタン酸化物層を還元することができるが、しかしながら少なくともチタン酸化物層の還元を支援することができる媒体である。有利には、還元媒体は気体である。
本発明の一つの有利な実施の形態においては、還元媒体は、水素、一酸化炭素、アンモニア及び炭化水素並びにそれらの混合物から成るグループから選択された気体である。適切な炭化水素は当業者には公知であり、有利には、メタン、エタン、プロパン、ブタン、エテン、プロペン、ブテン、エチン、プロピン、ブチン及びそれらの混合物である。上記の気体は加湿されていても良い。水素を使用することが好適である場合が多い。従って、本発明による方法の特に有利な還元媒体は水素であり、その水素を必要に応じて加湿することができる。
驚くべきことに、適切な電位の印加時に還元媒体を使用した再生の実施によって、金属コーティングの厚さを非常に大幅に低減できることが分かった。このことは、相当の節約効果を意味する。更には、やはり驚くべきことに、チタン表面において非常に薄い金属コーティングが使用されることによって、チタン酸化物層の還元を更に加速させることができる、若しくは、還元の際の陽極における負の電位を低減できることが分かった。a)1μm未満の金属コーティングと、b)還元媒体を使用して負の電位を印加することによる再生の実施との相乗効果によって、一方では、高価な金属コーティングを大幅に低減することができ、他方では電解セルの寿命を延ばすことができる。
本発明の一つの有利な実施の形態においては、金属層の厚さは800nm未満、有利には500nm未満、また更に有利には200nm未満である。100nm未満の金属層の厚さも、本発明の枠内では有利である。
更に有利には、所定の金属又は合金を用いる非常に薄いコーティングも実施することができる。リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、カルシウム、アルミニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、クロム、モリブデン、酸化モリブデン、マンガン、酸化マンガン、鉄、ルテニウム、酸化ルテニウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、金及びそれらの合金から選択された金属は、還元を加速させることができる、及び/又は、例えば水素雰囲気下での還元に必要とされる、NHEに対する負の電位を低減することができる。このことは、それらの金属又は合金がチタン酸化物の還元に触媒作用を及ぼすこと、及び/又は、生じているチタン酸化物の自由な(負の)反応エンタルピーを低減することに起因すると考えられる。従って本発明の一つの有利な実施の形態においては、金属は、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、カルシウム、アルミニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、クロム、モリブデン、酸化モリブデン、マンガン、酸化マンガン、鉄、ルテニウム、酸化ルテニウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、金及びそれらの合金から成るグループから選択されている。この場合、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、パラジウム、白金、銀、金及びそれらの合金が有利である。その内、ルテニウム、ロジウム、イリジウム並びにそれらの合金が特に有利である。コーティング及び/又は表面合金については、一般的なあらゆるコーティング方法が対象となる。特に、物理気相成長法(PVD,physical vapor deposition)及び化学気相成長法(CVD,chemical vapour deposition)が適しており、その内にスパッタリング法(陰極スパッタリングとも称される)が特に有利である。
上記においても述べたように、PEM電解槽における陽極は通常の電解動作時に、通常は+1.0V〜+2.5Vの電位で動作する。本発明による方法においては、陰極に約0Vの電位が印加され、且つ、陽極に負の電位が印加されることが有利である。約0Vの電位とは、本発明の枠内で、−0.5V〜+0.5Vの範囲にある電位、有利には−0.25V〜+0.25Vの範囲にある電位、特に有利には−0.1V〜+0.1Vの範囲にある電位、非常に有利には−0.01V〜+0.01Vの範囲にある電位を意味している。負の電位は、NHEに対する負の電位、即ち0Vよりも低い電位、また有利には陰極の電位よりも低い電位、即ち陰極の電位よりも負である電位を意味している。従って、本発明による方法における陽極の有利な電位は、0V未満、有利には−0.5V未満、更に有利には−1.0V未満、特に有利には−1.5V未満である。つまり、本発明の一つの有利な実施の形態においては、陰極に約0Vの電位が印加され、陽極に負の電位が印加される。
商用の枠内においては一般的であるような恒常的な動作時には、約数千時間の比較的等しい時間間隔で上述のチタン酸化物層が形成され、既述の不利な結果が生じるので、本発明による方法がまさにそのような時間間隔でそれらの層を分解するために実施されることは好適である。従って、本発明の方法の一つの有利な実施の形態においては、本方法は規則的な再生周期で、有利には1,000時間毎から10,000時間毎までの時間間隔で実施される。本発明の枠内では、この時間間隔は特に電解セル、電解スタック又は電解槽の1,000動作時間毎から10,000動作時間毎の時間間隔を意味している。従って、本発明の別の有利な実施の形態においては、再生方法は、1,000時間毎から10,000時間毎までの範囲の規則的な再生周期で実施される。
この再生を監視せずに実施することができるか、又は、例えば1kHzの交流インピーダンスの規則的な監視によって監視しながら実施することができる。少なくとも1キロヘルツ(1kHz)のインピーダンスの測定は、特に有利には、接触抵抗のオーム成分の検出に適している。本発明の一つの有利な実施の形態においては、再生が電解セル又は陽極の1kHzのインピーダンスの監視の下で行われる。このようにして、所定の限界値を下回るまで再生動作を維持することができるか、又は、そのような限界値を上回るまで、あらゆる無負荷状態で再生処理がトリガされる。ここで無負荷状態とは、電解槽によって電力が消費されないことを意味している。所定の限界値は殊に有利には、電解槽が新品の状態で測定される値であり、図2に例示的に示されているような、チタン酸化物層を有していないか、最小限のチタン酸化物層しか有していない状態の値である。択一的に、1kHzのインピーダンスがもはや変化しなくなるまで、即ち、更なる再生がもはや行われなくなるまで、再生方法を実施することもできる。
本発明による方法を、有利には個々の電解セルにおいて、有利には電解スタック(即ち、一緒に接続された複数のセルから成る積層体)及び/又は電解槽において実施することができる。
本発明の一つの別の有利な実施の形態においては、還元媒体は水素であり、陽極には負の電位が印加され、金属層の厚さは500nm未満、有利には200nm未満であり、また金属はルテニウム、ロジウム、イリジウム、パラジウム、白金、銀、金及びそれらの合金、有利には、ロジウム、イリジウム、パラジウム及びそれらの合金を含んでいる。
従って、本発明による方法は、電解セルにおけるチタン表面上のオーム接触抵抗を低減すること、ひいては、コーティングされていないチタン陽極構造の寿命を延ばすことに非常に適している。それと同時に、本発明による方法を使用することによって、陽極のチタン表面の高価なコーティングを十分に省略することができる。そのようにして、本発明による方法は更に、その種の陽極又は電解槽の経済性の向上に寄与する。
従って、本発明の別の対象は、チタンコンポーネントを含む電解槽のための電解セルであり、その際に、チタン表面は上述のように、1μm未満の厚さの金属層によってコーティングされている。
PEM電解セルの陽極の層の断面図を示す。 図1による陽極の分解図であって、ここでは各構成部材に酸化物層が形成されている。 電解槽の通常動作中のPEM電解セル内の経過を示す。 PEM電解セルにおける本発明による方法の経過を示す。
図1には、PEM電解セルの陽極1の複数の層の断面図が示されている。チタン薄板又はチタン/特殊鋼バイメタルから成るバイポーラプレート/セルセパレータ2上には流れ分配層3が直接的に配置されており、またその流れ分配層3上には電流分配層4が配置されている。流れ分配層3及び電流分配層4は大抵の場合チタンから構成されている。電流分配層4と外側の膜6との間には触媒層5が設けられている。
図2には、図1による陽極1における酸化物層7が示されている。この図2において酸化物層7は、構成部材又はコンポーネント3及び4の間の接触面上に、並びに、構成部材又はコンポーネント4及び5の間の接触面上に示されている。更に、酸化物層7は、電流分配層4の焼結されていない繊維構造の内部表面8及び内部コンタクト層9にも生じている。個々の構成部材3、4及び5は、酸化物層7の視覚化のために、図1と比較して相互に間隔を空けて示されている。
図3には、電解槽の通常動作中のPEM電解セル10内の経過が視覚化されている。陰極には約0Vの電位が印加されており(11)、それに対して陽極は約1.5V〜2.5Vの電位にある(12)。流れ分配層を通って水(13)が陽極に到達し、相応に分解され、その際に生じた陽子が膜を介して陰極へと移動し(14)、その陰極において気体状の水素に変わり、その気体状の水素は陽極の流れ分配層を介して再び排出される(15)。陽極の流れ分配層を介して、陽極において生じた気体状の酸素が水と共に排出される(16)。
図4には、PEM電解セル10内の本発明による方法の経過が例示的に略示されている。陰極には約0Vの電位が印加されており(17)、陽極には0V未満の電位が印加されている(18)。このことは原理的に、電解セルの通常動作時と比較して、再生プロセス中の電位比が逆転されたことを意味している。陰極及び陽極の各流れ分配層を通過して、必要に応じて加湿された気体状の水素が誘導される(19)。通常動作と比較して逆転された電位に応じて、ここでは陽子が陰極から膜を通過して陽極の方向へと拡散される(20)。ここでもまた、陰極の流れ分配層から気体状の水素が流出し(21)、その一方で、陽極の流れ分配層から気体状の水素と少量の気体状の酸素とが流出する(22)。

Claims (8)

  1. 電解セルにおける陽極のチタンコンポーネントの酸化物層を還元するための方法において、
    前記陽極を負の電位に分極させるステップと、
    前記陽極に還元媒体を供給するステップと
    を備えており、
    チタン表面は1μm未満の厚さの金属層でもってコーティングされており、
    前記還元媒体は、水素、一酸化炭素、アンモニア及び炭化水素並びにそれらの混合物から成るグループから選択された気体である、
    方法。
  2. 電解セルにおける陽極のチタンコンポーネントの酸化物層を還元するための方法において、
    前記陽極を負の電位に分極させるステップと、
    前記陽極に還元媒体を供給するステップと、
    を備えており、
    チタン表面は、1μm未満の厚さの金属層でもってコーティングされており、
    前記方法を、1,000時間毎から10,000時間毎までの範囲の規則的な再生周期で実施する、
    方法。
  3. 陰極に0Vの電位を印加し、且つ、前記陽極に負の電位を印加する、
    請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記金属層の厚さは800nm未満、又は500nm未満、又は200nm未満である、
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記金属層の金属は、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、カルシウム、アルミニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、クロム、モリブデン、酸化モリブデン、マンガン、酸化マンガン、鉄、ルテニウム、酸化ルテニウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、金及びそれらの合金から成るグループから選択されている、
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記還元媒体は水素であり、
    前記陽極に負の電位を印加し、
    前記金属層の厚さは500nm未満、又は200nm未満であり、
    前記金属層の金属はパラジウム、白金、銀、金及びそれらの合金を含んでいる、
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 1kHzインピーダンスを規則的に測定することによって、再生を監視する、
    請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 電解スタック、又はPEM電解スタックにおいて、及び/又は、電解槽において実施する、
    請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法。
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