JP6387753B2 - バルブ装置 - Google Patents
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回動バルブを回動操作することで、回動バルブに設けたバルブ開口と、バルブシートに設けたシート開口との連通度合が変化するバルブ装置の一例として、特許文献1に開示される技術が知られている。
特許文献1に開示される技術は、回動バルブに円筒形状を呈したロータリバルブを用いるものであり、ロータリバルブを回動操作することで、ロータリバルブの外周面に設けたバルブ開口と、ハウジング側のバルブシートに設けたシート開口との連通度合が変化する。
従来技術の問題点を、図6を参照して説明する。なお、以下で用いる符合は、後述する実施例と同一機能物に同一符合を付したものである。
ロータリバルブを組付けた状態で、バルブ開口1bの設計上の開口位置を、図6(a)の実線に示す位置とする。
バルブ開口1bが設計上の位置で開口する場合に、ロータリバルブを回動した際の流量変化(開度変化に伴う流量変化)を図6(c)の実線Aに示す。
この時、バルブ開口1bとシート開口2bが非連通から連通状態に切り替わる開弁開始角をA1とする。
このように、バルブ開口1bが軸方向へ位置ズレした状態で、ロータリバルブを回動した際の流量変化を図6(c)の破線Bに示す。
この時、バルブ開口1bとシート開口2bが非連通から連通状態に切り替わる開弁開始角をB1とする。
このように、バルブ開口1bが軸方向へ位置ズレすることにより、ロータリバルブの作動角に対して開弁開始角がズレてしまうため、作動角に対して流量のバラツキが生じてしまい、作動角に対する流量の制御性が劣化する不具合が生じてしまう。
これにより、組付誤差や寸法公差等によりバルブ開口(1b)とシート開口(2b)の相対位置が軸方向へズレた場合であっても、開弁開始角を一定にできる。その結果、開弁開始角のズレによって生じる流量のバラツキを防ぐことができ、バルブ装置に対する流量制御の信頼性を高めることができる。
図1、図2を参照して実施例1を説明する。
この実施例のバルブ装置は、自動車に搭載されるものであり、ボールバルブ1のボール面1aに、バルブシート2のシート面2aを押し付け、ボールバルブ1を回動操作することでエンジン冷却水の流量制御(流路の開閉および開度調整)、あるいは分配制御(流路の切替)を行うものである。
(a)冷却水入口と冷却水出口が設けられるハウジング3と、
(b)このハウジング3に対して回動自在に支持されるシャフト4と、
(c)このシャフト4を回動操作する電動アクチュエータと、
(d)シャフト4と一体に回動するボールバルブ1と、
(e)このボールバルブ1に押し付けられるリング状のバルブシート2と、
を備えて構成される。
ハウジング3がエンジンに直接組付けられる場合を説明すると、ハウジング3のエンジン装着面に開口部が設けられ、開口部を介して冷却水がバルブ室(具体的には、ボールバルブ1の内側)へ供給される。
一方、ハウジング3がエンジンから独立して搭載される場合は、エンジンを通過した冷却水をバルブ室へ導くインレットパイプがハウジング3に設けられる。
そして、ボールバルブ1が回動操作されることで、バルブ開口1bとシート開口2bの連通度合が変化するものであり、バルブ開口1bとシート開口2bが連通することで開弁し、バルブ開口1bとシート開口2bが非連通になることで閉弁する。
あるいは、シート面2aの内側の曲率を「ボール面1aの曲率=シート面2aの曲率」に設け、シート面2aの外側の曲率を「ボール面1aの曲率>シート面2aの曲率」に設けている。
この支持手段は、
(a)ハウジング3に固定される装着部品5と、
(b)バルブシート2と装着部品5の間に配置されるスプリング6と、
(c)このスプリング6と装着部品5との間に配置されるプレート7と、
(d)バルブシート2を支持するスリーブ8と、
を用いて構成される。
スプリング6は、例えば圧縮コイルスプリングであり、圧縮された状態で組付けられる。
プレート7は、金属製のバネ座であり、リング円板形状を呈する。
具体的に、スリーブ8は、体腐食性に優れたステンレス等の金属材料によって設けられるものであり(限定するものではない)、筒状を呈するスリーブ8の一端には、バルブシート2を支持する手段として、バルブシート2の外周面を拘束する筒体8aと、シート裏面に圧接するリング板8bとが一体に設けられている。なお、シート裏面は、バルブシート2のうち、シート面2aとは反対側の面(図1の左側の面)である。
また、スリーブ8と装着部品5の間には、シール部品(リップシール等)9が配置されており、スリーブ8と装着部品5の間から冷却水が溢流するのを防いでいる。
直線部αは、閉弁時にシート面2aに接するものであり、閉弁時にシート面2aと直線部αの間に隙間が形成されないように設けられている。
具体的に、直線部αは、図2(a)に示すように、シャフト4の軸芯方向から見た場合に直線形状を成すものであり、直線部αにおいてシート面2aと接する箇所は、シート面2aの曲率に沿って湾曲するものである。
一方、シート開口2bの形状は、図2(a)に示すように、円形を呈する。
次に、図2(b)を参照して、実施例1の効果を説明する。
ボールバルブ1を組付けた状態で、バルブ開口1bの設計上の開口位置を、図2(b)の実線に示す位置とする。
バルブ開口1bが設計上の位置で開口する場合、バルブ開口1bとシート開口2bが非連通から連通状態に切り替わる開弁開始角をA1とする。
このように、バルブ開口1bが軸方向へ位置ズレした場合、バルブ開口1bとシート開口2bが非連通から連通状態に切り替わる開弁開始角をB1とする。
このように、組付誤差等によりボールバルブ1に軸方向の位置ズレが生じて、バルブ開口1bがシート開口2bに対して軸方向へズレた場合であっても、開弁開始角のズレを防ぐことができる。これにより、開弁開始角のズレによって生じる流量のバラツキを防ぐことができるため、バルブ装置に対する流量制御の信頼性を高めることができる。
図3を参照して実施例2を説明する。なお、以下の各実施例において上記実施例1と同一符合は同一機能物を示すものである。
上記実施例1では、バルブ開口1bに直線部αを設ける例を示した。
これに対し、この実施例2は、シート開口2bに直線部αを設けるものである。即ち、シート開口2bの開弁開始箇所に回動方向に対して垂直な直線部αを設けるものである。この直線部αは、閉弁時にボール面1aに接するものであり、閉弁時にボール面1aと直線部αの間に隙間が形成されないように設けられている。
このように設けても、実施例1と同様の効果を得ることができる。
図4を参照して実施例3を説明する。
この実施例3は、バルブ装置に複数の冷却水出口を設ける場合の具体例を示す。
この場合、図4に示すように、1つのボールバルブ1には、複数(図面では2つ)のバルブ開口1bが設けられる。
一方、ハウジング3には、複数の冷却水出口にそれぞれが通じる複数(図面では2つ)のバルブシート2が設けられる。
そして、ボールバルブ1を回動操作することで、各バルブ開口1bと、各バルブシート2に設けられるシート開口2bとの連通度合の調整が成され、各冷却水出口への向かう冷却水の流量調整が成される。
このように設けることで、組付誤差等によりボールバルブ1に軸方向の位置ズレが生じる場合であっても、それぞれの開弁開始角のズレを防ぐことができるため、各冷却水出口への向かう冷却水の流量制御の信頼性を高めることができる。
図5を参照して実施例4を説明する。
この実施例4は、上記実施例3と同様、バルブ装置に複数の冷却水出口を設ける例を示す。
そして、この実施例4では、複数のシート開口2bの開弁開始箇所に直線部αを設けたものである。
このように設けても、実施例3と同様の効果を得ることができる。
1b バルブ開口
2 バルブシート
2b シート開口
3 ハウジング
4 シャフト
α 直線部
Claims (3)
- 回動操作される回動バルブ(1)と、この回動バルブ(1)を収容するハウジング(3)に設けられるバルブシート(2)とを備え、
前記回動バルブ(1)を回動操作することで、
前記回動バルブ(1)の外周面に設けられたバルブ開口(1b)と、
前記バルブシート(2)に設けられたシート開口(2b)と、
の連通度合が変化するバルブ装置において、
前記バルブ開口(1b)と前記シート開口(2b)が非連通から連通状態に切り替わる個所を開弁開始箇所とした場合、
前記バルブ開口(1b)または前記シート開口(2b)の少なくとも一方の開弁開始箇所には、前記回動バルブ(1)の回動方向に対して垂直な直線部(α)が設けられており、
前記バルブ開口(1b)および前記シート開口(2b)のうち、前記直線部(α)が設けられる箇所は前記開弁開始位置のみであり、
前記直線部(α)を除いた前記バルブ開口(1b)および前記シート開口(2b)の形状は円形であることを特徴とするバルブ装置。
- 請求項1に記載のバルブ装置において、
前記回動バルブ(1)は、外周面に凸形球面形状のボール面(1a)が設けられたボールバルブ(1)であり、
前記バルブ開口(1b)は、前記ボール面(1a)に開口することを特徴とするバルブ装置。 - 請求項2に記載のバルブ装置において、
前記バルブシート(2)において前記ボール面(1a)に摺接するシート面(2a)は、凹形球面形状を呈することを特徴とするバルブ装置。
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