JP6387647B2 - 感度補正係数算出システム及びx線分析装置 - Google Patents

感度補正係数算出システム及びx線分析装置 Download PDF

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Description

本発明は、X線回折装置や蛍光X線分析装置やX線吸収スペクトル測定装置等のX線分析装置に用いられるX線検出器の感度補正係数算出システムに関し、特に、試料に特性X線を照射し、試料によって回折されたX線を検出して試料成分の定性・定量分析を行うX線回折装置に関する。
X線回折装置は、X線源から特性X線を粉末試料等に照射し、粉末試料等から放射される回折X線をゴニオメータに搭載されたX線検出器によって回折角度ごとに検出するものである(例えば、特許文献1参照)。これにより、粉末試料等に含まれる結晶成分の定性・定量分析を行っている。
図8は、従来のX線回折装置の一例を示す概略構成図である。X線回折装置101は、X線源部10と、検出部120と、ゴニオメータ30と、X線回折装置101全体の制御を行うコンピュータ140とを備える。なお、ここでは、試料Sとして、試料ホルダ等を用いて20mm角程度の大きさの平板状に成形された粉末試料を用いることとする。
X線源部10は、X線管11と、所定の設置位置と所定のスリット幅とを持つ発散スリット12とを備える。X線管11は、例えば、ポイントフォーカスのX線管球であり、筐体を有し、筐体の内部に陽極であるターゲットと陰極であるフィラメントとが配置されている。これにより、ターゲットとフィラメントとの間に高電圧を印加することで、フィラメントから放射された熱電子をターゲットに衝突させて、ターゲットで発生した特性X線を出射するようになっている。そして、特性X線は、発散スリット12によってその広がりが1°〜3°程度に規制されて出射されるようになっている。
検出部120は、検出スリット121と、1個(1ch)の検出素子からなるX線検出器122とを備える。そして、検出素子から実測X線強度(読出データ)Iがコンピュータ140に出力されるようになっている。
また、検出部120は、ゴニオメータ30の2θ軸に搭載されるとともに、粉末試料Sは、ゴニオメータ30のθ軸に搭載されるようになっており、θ−2θ連動の駆動方法でゴニオメータ30の中心軸を中心として回転されることにより、回折角度ごとに実測X線強度Iが出力されていくことで、X線回折パターンが得られるようになっている。
コンピュータ140は、CPU141と入力装置42と表示装置43とメモリ144とを備える。CPU141が処理する機能をブロック化して説明すると、X線管11から特性X線を出射させるX線源制御部41aと、X線検出器122から実測X線強度Iを取得する取得部141bと、X線強度分布画像を作成するX線強度分布画像作成部141cと、ゴニオメータ30を回転駆動する動作制御部41eとを有する。
このようなX線回折装置101では、粉末試料Sを分析する際に、まず、ユーザ(顧客)は、粉末試料Sをθ軸上のゴニオメータ30の中心に載置する。そして、X線管11から出射された特性X線が発散スリット12を介して粉末試料S表面に照射される。このとき、ゴニオメータ30の2θ軸がθ軸に対して2倍の関係を保ちながら連動して回転駆動され、粉末試料Sから放射される回折X線が2θ軸に搭載された検出スリット121とX線検出器122とによって検出されていく。
また、検出部として、粉末試料Sを短時間で分析するために、X線強度を検出するN個(例えば1280個)の検出素子が一次元に配列された検出面を有するラインセンサを備えるX線回折装置が開発されている。
ところで、ラインセンサが出力する実測X線強度データは、検出素子ごとの感度特性のバラツキ等によって、真の(正確な)X線強度分布ではなく、図9に示すように強度ムラを含んでいる。
そこで、ラインセンサを備えるX線回折装置では、メモリに各検出素子に対してそれぞれ感度補正係数α(検出素子番号n=1、2、・・・、N)を予め記憶させておき、ユーザが粉末試料Sを測定したときには、CPU(X線強度分布画像作成部)が、感度補正係数αと下記式(1)とを用いて検出素子で検出された実測X線強度(読出データ)Iを補正演算し、補正X線強度I’と検出素子番号nとの関係を示す補正X線強度分布プロファイルを作成して表示装置に表示している(図10参照)。
補正X線強度(測定データ)I’=実測X線強度I×感度補正係数α ・・・(1)
ここで、メモリに記憶させる感度補正係数α(検出素子番号n=1、2、・・・、N)は、一様な強度のX線を検出器全面に照射し、全検出素子で検出された実測X線強度Iの平均X線強度Iaveと、各検出素子について実測X線強度Iと下記式(2)とを用いて算出される。
感度補正係数α=平均X線強度Iave/実測X線強度I ・・・(2)
なお、Iave=(I+I+・・・+I+・・・+I(N−1)+I)/N
特開平10−185844号公報
しかしながら、上述したような感度補正係数算出方法では、高価で大掛かりな均一X線源(特殊なX線源)を準備する必要がある。このような均一X線源は、ラインセンサ生産工場等では配備可能であるが、ユーザの使用環境下であるフィールドに配備することは困難である。よって、ユーザの使用環境下であるフィールドで感度補正係数αの再調整が必要になった場合には、ラインセンサを外してラインセンサ生産工場等に送り返す必要が生じるという問題点があった。また、X線回折装置の状態で感度補正係数αの再調整の必要性の確認を行うことが困難であるという問題点もあった。
そこで出願人は、均一X線源(特殊なX線源)を用いず、手軽に用意できる汎用X線源を用いて感度補正係数αを算出することができるX線検出器の感度補正係数算出システムを先に着想し、出願している(特願2014−27374号)。
この先行出願に記載された発明によれば、X線強度を検出する検出素子が一次元又は二次元に配列された検出面を有するX線検出器の感度補正係数算出システムであって、近似関数で前記検出面に照射されるX線強度分布のフィッティングが可能なX線源を用いて、各検出素子について検出された実測X線強度から関数フィッティングを行い、そのフィッティングされた近似関数から算出される算出X線強度と実測X線強度との比によって、各検出素子の感度補正係数を求めることを特徴としている。
上記先行出願の感度補正係数算出システムでは、まず、ユーザ等は、急峻な強度差がないX線が検出器に照射される条件で測定を行う。つまり、特殊なX線源を用意するのではなく、例えばユーザ所有の装置そのもので測定を行う。次に、ユーザ等は、最小自乗法等の公知の手法で得られた実測X線強度分布を近似関数によりフィッティングさせる。次に、各検出素子について、検出された実測X線強度Iと近似関数から算出される算出X線強度iと下記式(3)とを用いて感度補正係数αを算出する。
感度補正係数α=算出X線強度i/実測X線強度I ・・・(3)
なお、急峻な強度変化のない実測X線強度分布のフィッティングには、例えば下記式(4)のような三次関数が用いられる。
I=an+bn+cn+d ・・・(4)
これによれば、特殊なX線源(均一X線源)を準備しなくても、場所による急峻な強度差が発生しないX線を検出器に照射できれば感度補正係数αの算出が可能となるので、ユーザ等が手軽に用意できる汎用X線源を用いて感度補正を行うことができる。
しかしながら、感度補正に不慣れなユーザ等によって感度補正が行われた場合には、誤った試料や設定条件での感度補正が行われてしまうことがある。具体的には、以下に説明するようなセッティングミスにより誤った感度補正が行われる可能性がある。
第一に、感度補正用の測定試料あるいは測定領域の設定を間違えるセッティングミスである。例えば銅板試料とすべきところを誤ってアルミ板試料を用いて感度補正を行ったことにより、本来なら回折ピークが存在しない測定領域に回折ピークが出現してしまうような場合である。回折ピークが出現しない測定領域であれば、三次関数を用いたフィッティングが可能なので、回折ピークの出現しない測定領域での感度補正については、通常は三次関数を用いてフィッティングするようにしている。しかしながら測定試料を間違えると、本来ならば回折ピークが現れるはずのない測定領域に回折ピークが出現することになり、この誤った測定領域を三次関数でフィッティングしてしまうことになる。
ここで、図6は測定領域に回折ピークが含まれているときの各検出素子についての実測X線強度Iと算出X線強度iとをグラフ上に重ねて示した図である。
図6に示すように、回折ピーク近傍の測定領域では、実測値がフィッティングの近似曲線(ここでは三次関数)から大きく上側に逸脱している。そして、このとき得られた(回折ピークが含まれる)実測値を用いて式(3)で感度補正係数を算出し、算出された感度補正係数をその後の実測定での感度補正係数として使用したとする。その場合、回折ピーク近傍の領域では、感度補正係数が局所的に大きく外れた値となり、感度補正後のX線強度データ(補正X線強度データ)についても、回折ピーク近傍で下側(ピークと反対側)に大きく窪んだ不適切なデータが取得されることになる。
第二に、感度補正用の測定時において、誤ってX線を遮る物体を光路上に存在させるセッティングミスである。例えば、図8で説明したゴニオメータでは、不要な散乱X線が検出器に入り込むことを防ぐために、X線光路から外れた位置に散乱X線を遮る遮蔽板を置いた状態で測定することがある。このような遮蔽板を取り外さず、残したまま感度補正用の測定が行われる場合である。
ここで、図7は測定領域に段差が含まれているときの各検出素子についての実測X線強度Iと算出X線強度iとをグラフ上に重ねて示した図である。
図7に示すように、光路が遮られた測定領域での実測値において急峻な段差が現れることになる。そして、このとき得られた(段差が含まれる)実測値を用いて式(3)で感度補正係数を算出し、算出された感度補正係数をその後の実測定での感度補正係数として使用したとする。その場合、感度補正係数は、段差と同じ位置で急激に変化した係数値となり、感度補正後のX線強度データ(補正X線強度データ)についても、当該段差位置近傍で逆向きの段差が生じた不適切なデータが取得されることになる。
そこで、本発明は、ユーザ等が手軽に準備可能な汎用X線源を用いて感度補正を行うことができるだけでなく、不慣れなユーザ等が感度補正係数の調整を行う場合であっても、誤った感度補正係数の算出を防ぐことができる感度補正係数算出システム及びX線分析装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の感度補正係数算出システムは、X線強度を検出する検出素子が一次元又は二次元に配列された検出面を有するX線検出器の感度補正係数算出システムであって、近似関数で前記検出面に照射されるX線強度分布のフィッティングが可能なX線源を用いて感度補正用の測定を行い、各検出素子について検出された実測X線強度から関数フィッティングを行い、そのフィッティングされた近似関数から算出される算出X線強度と実測X線強度との比によって、各検出素子の感度補正係数を求めるとともに、前記算出X線強度と前記実測X線強度とを比較式によって比較することにより、感度補正用の測定データの良否判定を行うようにしてある。
本発明によれば、特殊なX線源を用意するのではなく、例えばユーザ所有の装置そのもので測定を行うことができ、ユーザ等は、得られた実測X線強度分布を近似関数によりフィッティングさせる。次に、各検出素子について、検出された実測X線強度Iと近似関数から算出される算出X線強度iと式(3)とを用いて感度補正係数αを算出する。そして、前記算出X線強度と前記実測X線強度との比較を行うことによって関数フィッティングにより求められた感度補正係数の良否判定を行う。この良否判定に用いられる比較式は、算出X線強度と実測X線強度との差異を数値化して比較できるものであればよい。
これにより、算出X線強度のデータと実測X線強度のデータとの差異が大きいと判定された場合には、感度補正係数として良好な値が得られていない旨の判定(「否」判定)が行われ、ユーザ等は装置からの警告等によりデータの再取得が必要であることを認識することができる。
上記発明において、良否判定は、算出X線強度と実測X線強度との差の標準偏差を用いた比較式により行われるようにしてもよい。
これによれば、図6のような回折ピークが存在する場合の良否判定を効果的に行うことができる。
具体的には、例えば次式を比較式として用いることができる。
(In−I’n)>α×√(1/NΣ(In−I’n)) ・・・(5)
但し、In、I’nは、それぞれn番目の検出素子の実測強度、算出X線強度であり、αは良否判定の閾値を定める設定値(倍数)であって、例えば初期値として3が設定されている。
上記発明において、良否判定は、算出X線強度の(推定される統計変動の大きさを現す)平方根を用いた比較式により行われるようにしてもよい。
これによっても、図6のような回折ピークが存在する場合の良否判定を効果的に行うことができる。
具体的には、例えば次式を比較式として用いることができる。
(In−I’n)>α×√I’n ・・・(6)
但し、In、I’n、αは、式(5)と同様である。
上記発明において、良否判定は、算出X線強度と実測X線強度との差が正又は負側に連続して偏っている検出素子数を用いた比較式により行われるようにしてもよい。
これによれば、図7のような段差が存在する場合の良否判定を効果的に行うことができる。
具体的には、例えば次式を比較式として用いることができる。
連続するm個の検出素子について(In−I’n)>0
又は、
連続するm個の検出素子について(In−I’n)<0 ・・・(7)
但し、mは良否判定の閾値を定める設定値(整数)であり、例えば初期値として20個が設定されている。
上記発明において、良否判定は、算出X線強度と実測X線強度との差の標準偏差を用いた比較式、算出X線強度の平方根を用いた比較式、算出X線強度と実測X線強度との差が正又は負側に連続して偏っている検出素子数を用いた比較式のうちの複数の比較式を用いて行われるようにしてもよい。
これによれば、一つの比較式では異常データと判定されない場合でも、異なるタイプの比較式によって異常データと判定することができるようになる。特に、「算出X線強度と実測X線強度との差の標準偏差を用いた比較式」、「算出X線強度の(推定される統計変動の大きさを現す)平方根を用いた比較式」の少なくともいずれかと、「算出X線強度と実測X線強度との差が正又は負側に連続して偏っている検出素子数を用いた比較式」とを組み合わせて行われるようにすれば、回折ピークが存在する場合と段差が存在する場合との異なるタイプの異常データのいずれであっても効果的に判定できるようになり、ユーザ等が誤りやすい上記した二つのケースのセッティングミスをほぼ全て解消することができる。
また、別の観点からなされた本発明のX線分析装置は、試料に特性X線を出射するX線源と、前記試料から放射されるX線強度を検出する検出素子が一次元又は二次元に配列された検出面を有するX線検出器と、各検出素子に対してそれぞれ感度補正係数を記憶するための補正係数記憶部と、前記感度補正係数を用いて前記検出素子で検出された実測X線強度を補正演算して、補正X線強度分布画像を作成するX線強度分布画像作成部とを備えるX線分析装置であって、既知試料を測定して得られる感度補正用の実測X線強度分布を関数フィッティングし、そのフィッティング関数により算出される算出X線強度と実測X線強度との比を各検出素子に対する感度補正係数として補正係数記憶部に記憶させるとともに、前記算出X線強度と前記実測X線強度とを比較式によって比較することにより、感度補正用の測定データの良否判定を行う制御部を備えるようにしてある。
これによれば、X線分析装置において、算出X線強度と実測X線強度との比較による関数フィッティングの良否判定を行うことにより、算出X線強度のデータと実測X線強度のデータとの差異が大きい場合には、感度補正係数として良好な値が得られていない旨の判定が行われ、ユーザ等は装置からの警告等により感度補正用の測定データの再取得が必要であることを認識することができる。
本発明によれば、算出X線強度と実測X線強度とのデータの差異が大きい場合に、ユーザ等に対して警告等で通知されるので、再度測定が実行されるようになり、誤った感度補正係数を用いた測定を防ぐことができる。
本発明の実施形態に係るX線回折装置の一例を示す概略構成図。 本発明のX線回折装置の使用方法を説明するフローチャート。 ラインセンサが検出した標準試料からの実測X線強度分布を示すグラフ。 各検出素子についての実測X線強度Iと算出X線強度iとを重ねて示すグラフ。 各検出素子の感度補正係数の一例を示すグラフ。 回折ピーク出現時の各検出素子についての実測X線強度Iと算出X線強度iとを重ねて示すグラフ。 段差出現時の各検出素子についての実測X線強度Iと算出X線強度iとを重ねて示すグラフ。 従来のX線回折装置の一例を示す概略構成図。 ラインセンサが検出した粉末試料からの実測X線強度分布を示すグラフ。 補正X線強度分布画像を示すグラフ。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は、以下に説明するような実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の態様が含まれることはいうまでもない。
図1は、本発明の実施形態に係るX線回折装置の一例を示す概略構成図である。なお、X線回折装置101と同様のものについては、同じ符号を付している。
X線回折装置1は、X線源部10と、検出部20と、ゴニオメータ30と、X線回折装置1全体の制御を行うコンピュータ(制御部)40とを備える。
検出部20は、N個(例えば1280個)の検出素子(半導体素子)が一次元に配列された検出面を有するラインセンサ(X線検出器)21を備える。そして、各検出素子から実測X線強度(読出データ)I(検出素子番号n=1、2、・・・、N)がコンピュータ40にそれぞれ出力されるようになっている。
また、検出部20は、ゴニオメータ30の2θ軸に搭載されるとともに、測定対象試料Sは、ゴニオメータ30のθ軸に搭載されるようになっており、θ−2θ連動の駆動方法でゴニオメータ30の中心軸を中心として回転されるようになっている。
コンピュータ40は、CPU41と入力装置42と表示装置43とメモリ44とを備える。CPU41が処理する機能をブロック化して説明すると、X線管11から特性X線を出射させるX線源制御部41aと、ラインセンサ21からN個の実測X線強度Iを取得する取得部41bと、補正X線強度分布画像を作成するX線強度分布画像作成部41cと、N個の感度補正係数αを算出する補正係数算出部41dと、ゴニオメータ30を回転駆動する動作制御部41eと、算出された感度補正係数αの良否判定を行う良否判定部41fとを有する。
また、メモリ44は、N個の感度補正係数αを記憶するための補正係数記憶部44aを有する。
X線強度分布画像作成部41cは、入力装置42からの入力信号に基づいて、「試料分析モード」が「ON」に設定されたときには、補正係数記憶部44aに記憶されている感度補正係数αと取得部41bで取得された実測X線強度Iとを式(1)に代入して補正X線強度I’を算出し、補正X線強度I’と検出素子番号nとの関係を示す補正X線強度分布画像を作成して表示装置43に表示する制御を行う。
なお、ユーザ等は「試料分析モード」を「ON」に設定したときには、測定対象試料Sをθ軸上のゴニオメータ30の中心に載置することになるが、この測定対象試料Sとしては、例えば試料ホルダ等を用いて20mm角程度の大きさの平板状に成形された粉末試料等が挙げられる。
補正係数算出部41dは、入力装置42からの入力信号に基づいて、「試料分析モード」が「OFF」に設定されたとき、つまり「補正係数算出モード」に設定されたときには、各検出素子について、取得部41bで取得された実測X線強度Iを三次関数の式(4)でフィッティングして近似三次関数の式(4’)を求め、この近似三次関数式(4’)から算出される算出X線強度iと実測X線強度Iとを式(3)に代入して感度補正係数αを算出し、補正係数記憶部44aに記憶させる制御を行う。
I=an+bn+cn+d ・・・(4)
I=−1E−0.6−0.0024n+0.384n+31744 ・・・(4’)
なお、ユーザ等が「補正係数算出モード」を設定したときには、急峻な強度差がない領域を有するX線を放射する標準試料(既知試料)S’をθ軸上のゴニオメータ30の中心に載置することになるが、この標準試料S’としては、例えば20mm角程度の大きさの平板状に成形された銅板等が挙げられる。また、回折ピークの存在しない領域(バックグラウンド領域)を有するX線を放射する銅板である標準試料S’から実測X線強度Iを取得部41bが取得する際には、動作制御部41eによってゴニオメータ30が自動的に回転駆動されて、回折ピークの存在しない領域の回折X線がラインセンサ21の検出面に照射されるようにしてもよい。
良否判定部41fは、「補正係数算出モード」での使用時において、上述した補正係数算出部41dによって感度補正係数αが算出されたときに、算出X線強度と実測X線強度との比較を行うことにより、感度補正係数αの良否判定の演算を行う。
具体的には、比較式として既述の式(5)〜(7)のいずれか一つあるいは二つ以上の演算式を用いて良否判定の演算を行う。そして判定結果が「良」であるときは、その感度補正係数をそのまま補正係数記憶部44aに記憶させる。一方、判定結果が「否」であるときは、補正係数記憶部44aに記憶させた感度補正係数を削除して表示装置43の画面に警告を表示するとともに、表示装置に付設されたスピーカ(図示略)から警告音を発して判定結果を報知する制御を行う。
次に、X線回折装置1の使用方法の一例について説明する。図2は、使用方法について説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS101の処理において、CPU41は、「試料分析モード」が「OFF」に設定されたか否かを判定する。
「試料分析モード」が「OFF」に設定された、つまり「補正係数算出モード」に設定されたと判定したときには、ステップS102の処理に進む。
ステップS102の処理において、ユーザは、標準試料S’をθ軸上のゴニオメータ30の中心に載置する。
次に、ステップS103の処理において、X線管11から出射された特性X線が、発散スリット12を介して標準試料S’表面に照射され、標準試料S’から放射される回折X線が2θ軸に搭載されたラインセンサ21によって検出される。図3は、ラインセンサ21によって検出された標準試料S’からの実測X線強度分布の一例を示すグラフである。なお、このときは回折ピークや段差が含まれていない正常な実測X線強度分布が得られている。
次に、ステップS104の処理において、補正係数算出部41dは、取得部41bで取得された実測X線強度Iを、公知の演算等を用いて三次関数の式(4)でフィッティングし、近似三次関数の式(4’)を作成する。
さらにステップS105の処理において、近似三次関数式(4’)を用いて各検出素子について算出X線強度iを算出する。図4は、各検出素子についての実測X線強度Iと算出X線強度iとをグラフ上に重ねて示したものである。図3のような回折ピークや段差が含まれていない正常な実測X線強度分布のときには、測定領域全体にわたって良好なフィッティングがなされている。
一方、このような図3の取得データに対し、図6や図7の場合では一部に大きく外れた領域があり、良好なフィッティングができていない。
次に、ステップS106の処理において、補正係数算出部41dは、各検出素子について、実測X線強度Iと算出X線強度iとを式(3)に代入して感度補正係数αを算出し、補正係数記憶部44aに記憶させる。
次に、S107の処理において、式(5)による算出X線強度iと実測X線強度Iとの比較を行う。
フィッティングが図4の状態であって式(5)で「良」の判定がなされたときは、「補正係数算出モード」が終了し、S101に戻る。つまり「補正係数算出モード」が設定されると、ステップS102〜S106の処理が実行され、補正係数記憶部44aに記憶されているN個の感度補正係数αがN個の新しい値に更新されることになる。図5は「補正係数算出モード」によって得られた各検出素子についての感度補正係数αの一例を示すグラフである。
一方、S107の処理において、フィッティング結果が図6や図7の状態であって、式(5)等の比較式で「否」の判定がなされたときは、補正係数記憶部44aに記憶させた感度補正係数を削除し、表示装置43の画面に警告表示を行うとともに、表示装置43に付設されたスピーカにより警告音を発する。これによりユーザは再測定の必要性を認識することになる。そしてS102に戻り、試料や装置に問題がないかを確認した上で、再度測定が行われる。
以後、同様の手順が繰り返され、最終的にS107で「良」の判定が出ると「補正係数算出モード」は終了する。
一方、ステップS101の処理において、「試料分析モード」が「ON」に設定されていると判定したときには、ステップS108の処理において、ユーザは、測定対象試料Sをθ軸上のゴニオメータ30の中心に載置する。
次に、ステップS109の処理において、X線管11から出射された特性X線が、発散スリット12を介して測定対象試料S表面に照射され、測定対象試料Sから放射される回折X線が2θ軸に搭載されたラインセンサ21によって検出される。図9は、ラインセンサ21によって検出された測定対象試料Sからの実測X線強度分布を示すグラフである。
次に、ステップS110の処理において、X線強度分布画像作成部41cは、補正係数記憶部44aに記憶されている感度補正係数αと取得部41bで取得された実測X線強度Iとを式(1)に代入して補正X線強度I’を算出する。
次に、ステップS111の処理において、X線強度分布画像作成部41cは、補正X線強度I’と検出素子番号nとの関係を示す補正X線強度分布画像を作成して表示装置43に表示する。図10は、補正X線強度分布画像を示すグラフである。
次に、ステップS112の処理において、新たな測定対象試料Sの分析を行うか否かを判定する。新たな測定対象試料Sの分析を行うと判定したときには、ステップS101の処理に戻る。一方、新たな測定対象試料Sの分析を行わないと判定したときには、本フローチャートを終了させる。
以上のように、本発明のX線回折装置1によれば、ユーザへの出荷後等に適宜、「補正係数算出モード」にして標準試料S’等を配置するだけで、感度補正係数αを算出することができる。そして、「補正係数算出モード」での測定結果について良否判定が行われるとともに、「否」である場合には警告を発して再測定が促されるので、誤った感度補正係数の記憶とそれに伴う誤った測定の実行を防ぐことができる。
<他の実施形態>
(1)上述したX線回折装置1では、N個の検出素子が一次元に配列された検出面を有するラインセンサ21を備え、一次元の近似関数(曲線)を用いる構成を示したが、(N×M)個の検出素子が二次元に配列された検出面を有するX線検出器を備え、二次元の近似関数(曲面)を用いるような構成としてもよい。
(2)上述したX線回折装置1では、近似関数として三次関数の式(4)を用いる構成を示したが、近似関数は、標準試料S’の種類等によって一次関数や二次関数を用いるような構成としてもよく、また、三次関数とガウス関数とを組み合わせたものを用いるような構成としてもよい。すなわち、検出面に照射するX線強度分布の特性を考慮して、それに相応しい関数を用いればよい。
(3)また、上述した実施形態はX線回折装置1である構成を示したが、これに換えて、蛍光X線分析装置やX線吸収スペクトル測定装置であるような構成としてもよい。
そして、X線回折装置1の状態で感度補正係数αを算出したが、ラインセンサ生産工場等でラインセンサの状態で汎用X線源を用いて感度補正係数αを算出してもよい。
本発明は、X線回折装置や蛍光X線分析装置やX線吸収スペクトル測定装置等に用いられるX線検出器等に利用することができる。
1 X線回折装置
10 X線源部
20 検出部
21 ラインセンサ(X線検出器)
30 ゴニオメータ
40 コンピュータ(制御部)
41d 補正係数算出部
41f 良否判定部
44a 補正係数記憶部

Claims (6)

  1. X線強度を検出する検出素子が一次元又は二次元に配列された検出面を有するX線検出器の感度補正係数算出システムであって、
    近似関数で前記検出面に照射されるX線強度分布のフィッティングが可能なX線源を用いて感度補正用の測定を行い、各検出素子について検出された実測X線強度から関数フィッティングを行い、そのフィッティングされた近似関数から算出される算出X線強度と実測X線強度との比によって、各検出素子の感度補正係数を求めるとともに、
    前記算出X線強度と前記実測X線強度とを比較式によって比較することにより、感度補正用の測定データの良否判定を行うことを特徴とする感度補正係数算出システム。
  2. 前記良否判定は、前記算出X線強度と前記実測X線強度との差の標準偏差を用いた比較式により行われる請求項1に記載の感度補正係数算出システム。
  3. 前記良否判定は、前記算出X線強度の平方根を用いた比較式により行われる請求項1に記載の感度補正係数算出システム。
  4. 前記良否判定は、前記算出X線強度と前記実測X線強度との差が正又は負側に連続して偏っている検出素子数を用いた比較式により行われる請求項1に記載の感度補正係数算出システム。
  5. 前記良否判定は、前記算出X線強度と前記実測X線強度との差の標準偏差を用いた比較式、前記算出X線強度の平方根を用いた比較式、前記算出X線強度と前記実測X線強度との差が正又は負側に連続して偏っている検出素子数を用いた比較式のうちの複数の比較式を用いて行われる請求項1に記載の感度補正係数算出システム。
  6. 試料に特性X線を出射するX線源と、
    前記試料から放射されるX線強度を検出する検出素子が一次元又は二次元に配列された検出面を有するX線検出器と、
    各検出素子に対してそれぞれ感度補正係数を記憶するための補正係数記憶部と、
    前記感度補正係数を用いて前記検出素子で検出された実測X線強度を補正演算して、補正X線強度分布画像を作成するX線強度分布画像作成部とを備えるX線分析装置であって、
    既知試料を測定して得られる感度補正用の実測X線強度分布を関数フィッティングし、そのフィッティング関数により算出される算出X線強度と実測X線強度との比を各検出素子に対する感度補正係数として補正係数記憶部に記憶させるとともに、前記算出X線強度と前記実測X線強度とを比較式によって比較することにより、感度補正用の測定データの良否判定を行う制御部を備えることを特徴とするX線分析装置。
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