JP6330673B2 - X線検出器の感度補正係数算出システム及びx線分析装置 - Google Patents

X線検出器の感度補正係数算出システム及びx線分析装置 Download PDF

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Description

本発明は、X線回折装置や蛍光X線分析装置やX線吸収スペクトル測定装置等のX線分析装置に用いられるX線検出器の感度補正係数算出システムに関し、特に、試料に特性X線を照射し、試料によって回折されたX線を検出して試料成分の定性・定量分析を行うX線回折装置に関する。
X線回折装置は、X線源から特性X線を粉末試料等に照射し、粉末試料等から放射される回折X線をゴニオメータに搭載されたX線検出器によって回折角度ごとに検出するものである(例えば、特許文献1参照)。これにより、粉末試料等に含まれる結晶成分の定性・定量分析を行っている。
図8は、従来のX線回折装置の一例を示す概略構成図である。X線回折装置101は、X線源部10と、検出部120と、ゴニオメータ30と、X線回折装置101全体の制御を行うコンピュータ140とを備える。なお、ここでは、試料Sとして、試料ホルダ等を用いて20mm角程度の大きさの平板状に成形された粉末試料を用いることとする。
X線源部10は、X線管11と、所定の設置位置と所定のスリット幅とを持つ発散スリット12とを備える。X線管11は、例えば、ポイントフォーカスのX線管球であり、筐体を有し、筐体の内部に陽極であるターゲットと陰極であるフィラメントとが配置されている。これにより、ターゲットとフィラメントとの間に高電圧を印加することで、フィラメントから放射された熱電子をターゲットに衝突させて、ターゲットで発生した特性X線を出射するようになっている。そして、特性X線は、発散スリット12によってその広がりが1°〜3°程度に規制されて出射されるようになっている。
検出部120は、検出スリット121と、1個(1ch)の検出素子からなるX線検出器122とを備える。そして、検出素子から実測X線強度(読出データ)Iがコンピュータ140に出力されるようになっている。
また、検出部120は、ゴニオメータ30の2θ軸に搭載されるとともに、粉末試料Sは、ゴニオメータ30のθ軸に搭載されるようになっており、θ−2θ連動の駆動方法でゴニオメータ30の中心軸を中心として回転されることにより、回折角度ごとに実測X線強度Iが出力されていくことで、X線回折パターンが得られるようになっている。
コンピュータ140は、CPU141と入力装置42と表示装置43とメモリ144とを備える。CPU141が処理する機能をブロック化して説明すると、X線管11から特性X線を出射させるX線源制御部41aと、X線検出器122から実測X線強度Iを取得する取得部141bと、X線強度分布画像を作成するX線強度分布画像作成部141cと、ゴニオメータ30を回転駆動する動作制御部41eとを有する。
このようなX線回折装置101を用いて粉末試料Sを分析する際には、ユーザ(顧客)が粉末試料Sをθ軸上のゴニオメータ30の中心に載置し、X線管11から出射された特性X線は、発散スリット12を介して粉末試料S表面に照射される。このとき、ゴニオメータ30の2θ軸がθ軸に対して2倍の関係を保ちながら連動して回転駆動され、粉末試料Sから放射される回折X線が2θ軸に搭載された検出スリット121とX線検出器122とによって検出されていく。
また、検出部として、粉末試料Sを短時間で分析するために、X線強度を検出するN個(例えば1280個)の検出素子が一次元に配列された検出面を有するラインセンサを備えるX線回折装置が開発されている。
ところで、ラインセンサが出力する実測X線強度データは、検出素子ごとの感度特性のバラツキ等によって、真の(正確な)X線強度分布ではなく、強度ムラを含んでいる(図6参照)。
そこで、ラインセンサを備えるX線回折装置では、各検出素子それぞれの感度補正係数α(検出素子番号n=1、2、・・・、N)を予めメモリに記憶させておき、ユーザが粉末試料Sを測定したときには、CPU(X線強度分布画像作成部)が、感度補正係数αと下記式(1)とを用いて検出素子で検出された実測X線強度(読出データ)Iを補正演算して、補正X線強度I’と検出素子番号nとの関係を示す補正X線強度分布画像を作成して表示装置に表示している(図7参照)。
補正X線強度(測定データ)I’=実測X線強度I×感度補正係数α・・・(1)
ここで、メモリに記憶させる感度補正係数α(検出素子番号n=1、2、・・・、N)を算出する感度補正係数算出方法について説明する。
すなわち、X線源等からのX線の配光ムラの影響を除去するため、一様なX線強度分布を出射することが可能な均一X線源(特殊なX線源)を準備するX線源準備ステップ(A’)と、均一X線源からのX線をラインセンサの検出面に照射する照射ステップ(B’)と、全検出素子で検出された実測X線強度Iの平均X線強度Iaveを算出する平均X線強度算出ステップ(C’)と、各検出素子について実測X線強度Iと下記式(2)とを用いて感度補正係数αを算出する感度補正係数算出ステップ(D’)とを含む。
感度補正係数α=平均X線強度Iave/実測X線強度I・・・(2)
なお、Iave=(I+I+・・・+I+・・・+I(N−1)+I)/N
特開平10−185844号公報
しかしながら、上述したような感度補正係数算出方法では、X線源準備ステップ(A’)において、高価で大掛かりな均一X線源(特殊なX線源)を準備する必要がある。このような均一X線源は、ラインセンサ生産工場等では配備可能であるが、ユーザの使用環境下であるフィールドでの配備は困難である。よって、ユーザの使用環境下であるフィールドで感度補正係数αの再調整が必要になった場合には、X線回折装置からラインセンサを外して生産工場等に送り返す必要があるという問題点があった。また、X線回折装置の状態で感度補正係数αの再調整の必要性の確認を行うことが困難であるという問題点もあった。
そこで、本発明は、均一X線源(特殊なX線源)を用いずに手軽に用意できる汎用X線源を用いて感度補正係数αを算出することができるX線検出器の感度補正係数算出システムを提供することを目的とする。また、感度補正係数αの再調整が可能なX線回折装置等を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明のX線検出器の感度補正係数算出システムは、X線源から出射する特性X線が試料に照射され、前記試料から放射されるX線強度を検出するN個の検出素子が一次元又は二次元に配列された検出面を有するX線検出器の感度補正係数算出システムであって、感度補正係数を算出する際に、前記試料として、急峻な強度差がない領域を有するX線が放射される標準試料が前記特性X線の照射位置に配置され、前記X線検出器を固定した状態で、前記標準試料からのX線をN個の検出素子で検出することにより、N箇所の固定実測X線強度を取得する検出器固定取得ステップと、前記標準試料からのX線をN個より少ないA個の検出素子で、前記X線検出器を走査しながら検出していくことにより、N箇所の走査実測X線強度を取得する検出器走査取得ステップと、前記検出器固定取得ステップで取得された第n箇所の固定実測X線強度と、前記検出器走査取得ステップで取得された第n箇所の走査実測X線強度との比から、第nの検出素子の感度補正係数αを算出するように、N個の検出素子に対してそれぞれ感度補正係数αを算出する感度補正係数算出ステップとを含むようにしている。
本発明のX線検出器の感度補正係数算出システムによれば、例えば、まず、ユーザやサービスマン等は、急峻な強度差がないX線を検出面に照射することになる。このとき、特殊なX線源を用意するのでなく、例えば、ユーザが使っている装置に設けられた汎用X線源で感度補正係数αを算出する。そして、検出器固定取得ステップにおいて、X線検出器を固定した状態で、所定の範囲に照射されたX線を1280個(全部)の検出素子で検出することにより、所定の範囲となる1280箇所の固定実測X線強度(X線強度分布)Iを取得する。
次に、検出器走査取得ステップにおいて、所定の範囲内における第1範囲に照射されたX線を第635〜第644の検出素子で検出することにより、第1範囲となる第1箇所〜第10箇所の走査実測X線強度を取得した後にX線検出器を走査し、最終的に所定の範囲内における第2範囲に照射されたX線を第635〜第644の検出素子で検出することにより、第2範囲となる第11箇所〜第20箇所の走査実測X線強度を取得していくように、所定の範囲となる1280箇所の走査実測X線強度(X線強度分布)iを取得する。これは0次元検出器によるデータ取得と等価であり、このデータは正確なX線強度分布を表している。
次に、感度補正係数算出ステップにおいて、第n箇所の固定実測X線強度Iと、第n箇所の走査実測X線強度iと下記式(3)とを用いて、第nの検出素子の感度補正係数αを算出する。
感度補正係数α=走査実測X線強度i/固定実測X線強度I・・・(3)
このようにして、各検出素子について感度補正係数αをそれぞれ算出する。
以上のように、本発明のX線検出器の感度補正係数算出システムによれば、特殊なX線源がなくても、場所による急峻な強度差がないX線をX線検出器に照射することができれば、感度補正係数αを算出することができる。
(他の課題を解決するための手段および効果)
また、上記の発明において、前記検出器走査取得ステップで取得されたN箇所の走査実測X線強度を記憶させる走査実測X線強度記憶ステップを含むようにしてもよい。
本発明のX線検出器の感度補正係数算出システムによれば、1度取得した1280箇所の走査実測X線強度(X線強度分布)iを記憶させておき、2度目の感度補正係数αを算出する際には、取得済の1280箇所の走査実測X線強度(X線強度分布)iを用いることができ、算出時間を短縮することができる。なお、このとき、取得した1280箇所の固定実測X線強度(X線強度分布)Iに、記憶されている1280箇所の走査実測X線強度(X線強度分布)iをフィッティングしてから、感度補正係数αを算出することが好ましい。
そして、上記の発明において、前記A個の検出素子は、前記検出面の中央に配列されたものであるようにしてもよい。
さらに、本発明のX線分析装置は、試料に特性X線を出射するX線源と、前記試料から放射されるX線強度を検出するN個の検出素子が一次元又は二次元に配列された検出面を有するX線検出器と、前記X線検出器を移動させるX線検出器移動機構と、N個の検出素子に対してそれぞれ感度補正係数αを記憶するための感度補正係数記憶部と、前記感度補正係数αを用いて第nの検出素子で検出された固定実測X線強度を補正演算して、補正X線強度分布画像を作成するX線強度分布画像作成部とを備えるX線分析装置であって、前記感度補正係数αを前記感度補正係数記憶部に記憶させるための感度補正係数算出モードを有し、前記感度補正係数算出モードが設定された際には、前記試料として、急峻な強度差がない領域を有するX線が放射される標準試料が前記特性X線の照射位置に配置され、前記X線検出器を固定した状態で、前記標準試料からのX線をN個の検出素子で検出することにより、N箇所の固定実測X線強度を取得する検出器固定取得ステップと、前記標準試料からのX線をN個より少ないA個の検出素子で、前記X線検出器を走査しながら検出していくことにより、N箇所の走査実測X線強度を取得する検出器走査取得ステップと、前記検出器固定取得ステップで取得された第n箇所の固定実測X線強度と、前記検出器走査取得ステップで取得された第n箇所の走査実測X線強度との比から、第nの検出素子の感度補正係数αを算出するように、N個の検出素子に対してそれぞれ感度補正係数αを算出する感度補正係数算出ステップとを実行する補正係数算出部を備えるようにしている。
本発明のX線分析装置によれば、例えば、まず、ユーザやサービスマン等は、「感度補正係数算出モード」に設定する。つまり、補正X線強度I’を算出することになる「試料分析モード」を「OFF」にする。次に、ユーザやサービスマン等が標準試料(急峻な強度差がない領域を有するX線を放射する試料)S’等を配置する。つまり、X線分析装置の状態で感度補正係数αを算出することになる。
次に、ユーザやサービスマン等は、その準備した標準試料S’からのX線を検出面に照射する。次に、検出器固定取得ステップにおいて、X線検出器を固定した状態で、所定の範囲に照射されたX線を1280個(全部)の検出素子で検出することにより、1280箇所の固定実測X線強度Iを取得する。
次に、検出器走査取得ステップにおいて、所定の範囲内における第1範囲に照射されたX線を第635〜第644の検出素子で検出することにより、第1箇所〜第10箇所の走査実測X線強度iを取得した後、X線検出器を走査し、所定の範囲内における第2範囲に照射されたX線を第635〜第644の検出素子で検出することにより、第2箇所〜第11箇所の走査実測X線強度iを取得していくように、1280箇所の走査実測X線強度iを取得する。このとき、第n箇所のX線強度が、第635〜第644の10個の検出素子でそれぞれ取得されるため、それらを平均したもので1280箇所の走査実測X線強度iを作成する。
次に、感度補正係数算出ステップにおいて、第n箇所の固定実測X線強度Iと、第n箇所の走査実測X線強度iと式(3)とを用いて、第nの検出素子の感度補正係数αを算出する。このようにして、各検出素子について感度補正係数αをそれぞれ算出する。
以上のように、本発明のX線分析装置によれば、ユーザ等への出荷前のみならず出荷後等に適宜、「感度補正係数算出モード」にして標準試料S’等を配置するだけで、感度補正係数αを算出することができる。
本発明の実施形態に係るX線回折装置の一例を示す概略構成図。 本発明のX線回折装置の使用方法を説明するフローチャート。 検出器固定取得ステップ(A)で取得した実測X線強度分布を示すグラフ。 検出器走査取得ステップ(B)で取得した固定実測X線強度分布を示すグラフ。 各検出素子の感度補正係数を示すグラフ。 ラインセンサによって検出された測定対象試料からの実測X線強度分布を示すグラフ。 補正X線強度分布画像を示すグラフ。 従来のX線回折装置の一例を示す概略構成図。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は、以下に説明するような実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の態様が含まれることはいうまでもない。
図1は、本発明の実施形態に係るX線回折装置の一例を示す概略構成図である。なお、X線回折装置101と同様のものについては、同じ符号を付している。
X線回折装置1は、X線源部10と、検出部20と、ゴニオメータ30と、X線回折装置1全体の制御を行うコンピュータ40とを備える。
検出部20は、N個(例えば1280個)の検出素子(半導体素子)がX方向(一次元)に配列された検出面を有するラインセンサ(X線検出器)21を備える。そして、各検出素子から固定実測X線強度(読出データ)I(検出素子番号n=1、2、・・・、N)がコンピュータ40にそれぞれ出力されるようになっている。
また、検出部20は、ゴニオメータ30の2θ軸に搭載されるとともに、粉末試料Sは、ゴニオメータ30のθ軸に搭載されるようになっており、θ−2θ連動の駆動方法でゴニオメータ30の中心軸を中心として回転されるようになっている。
コンピュータ40は、CPU41と入力装置42と表示装置43とメモリ44とを備える。CPU41が処理する機能をブロック化して説明すると、X線管11から特性X線を出射させるX線源制御部41aと、ラインセンサ21からN個の固定実測X線強度Iを取得する取得部41bと、補正X線強度分布画像を作成するX線強度分布画像作成部41cと、N個の感度補正係数αn、tを算出する補正係数算出部41dと、ゴニオメータ30を回転駆動する動作制御部41eとを有する。
また、メモリ44は、N個の感度補正係数αn、tを記憶するための補正係数記憶部44aと、走査実測X線強度(X線強度分布)iを記憶するための走査実測X線強度記憶部44bとを有する。なお、N個の感度補正係数αn、tは、後述する「感度補正係数算出モード」で算出されれば、現在(算出前時(t−1)に)記憶されているN個の感度補正係数αn、(t−1)を更新するように補正係数記憶部44aに記憶されるようになっている。
X線強度分布画像作成部41cは、入力装置42からの入力信号に基づいて、「試料分析モード」が「ON」に設定されたときには、補正係数記憶部44aに記憶されている感度補正係数αn、tと取得部41bで取得された固定実測X線強度Iとを式(1)に代入して補正X線強度I’を算出し、補正X線強度I’と検出素子番号nとの関係を示す補正X線強度分布画像を作成して表示装置43に表示する制御を行う。
なお、ユーザ等は「試料分析モード」を「ON」に設定したときには、測定対象試料Sをθ軸上のゴニオメータ30の中心に載置することになるが、この測定対象試料Sとしては、例えば試料ホルダ等を用いて20mm角程度の大きさの平板状に成形された粉末試料等が挙げられる。
補正係数算出部41dは、入力装置42からの入力信号に基づいて、「試料分析モード」が「OFF」に設定されたとき、つまり「感度補正係数算出モード」に設定されたときには、検出器固定取得ステップ(A)と検出器走査取得ステップ(B)と感度補正係数算出ステップ(C)とを実行する制御を行う。
なお、ユーザやサービスマン等が「補正係数算出モード」を設定したときには、急峻な強度差がない領域を有するX線を放射する標準試料S’をθ軸上のゴニオメータ30の中心に載置することになるが、この標準試料S’としては、例えば20mm角程度の大きさの平板状に成形された銅板等が挙げられる。
検出器固定取得ステップ(A)では、ラインセンサ21を所定位置(第635位置)に固定した状態で、標準試料S’からのX線を1280個(N個)の検出素子で検出することにより、N箇所の固定実測X線強度I(n=1、2、・・・、N)を取得する。
検出器走査取得ステップ(B)では、まず、ラインセンサ21を第1位置に配置した状態で、標準試料S’からのX線を検出面の中央に位置する第635〜第644(10個、A個)の検出素子で検出することにより、第1箇所〜第10箇所の走査実測X線強度i(n=635、636、・・・、644)を取得する。次に、ラインセンサ21を第2位置に配置した状態で、標準試料S’からのX線を第635〜第644の検出素子で検出することにより、第1箇所〜第10箇所からX方向にずれた第2箇所〜第11箇所の走査実測X線強度i(n=635、636、・・・、644)を取得する。このようにラインセンサ21を第1位置から第1271位置まで走査することで、1280箇所の走査実測X線強度iを取得する。
感度補正係数算出ステップ(C)では、第n箇所の固定実測X線強度Iと、第n箇所の走査実測X線強度iと式(3)とを用いて、第nの検出素子の感度補正係数αを算出するように、N個の検出素子に対してそれぞれ感度補正係数αを算出する。このとき、例えば、第644箇所の走査実測X線強度iが、ラインセンサ21が第1位置に配置された状態で、第644の検出素子で取得され、ラインセンサ21が第2位置に配置された状態で、第643の検出素子で取得されるように、第n箇所の走査実測X線強度iが、第635〜第644の10個の検出素子でそれぞれ取得されるため、それらを平均したものを走査実測X線強度iとする。そして、補正係数記憶部44aに感度補正係数α(n=1、2、・・・、N)を記憶させる。
次に、X線回折装置1の使用方法の一例について説明する。図2は、使用方法を説明するフローチャートである。
まず、ステップS101の処理において、更新回数パラメータt=0とする。
次に、ステップS102の処理において、CPU41は、「試料分析モード」が「OFF」に設定されたか否かを判定する。
「試料分析モード」が「OFF」に設定された、つまり「感度補正係数算出モード」に設定されたと判定したときには、ステップS103の処理において、t=t+1とする。なお、感度補正係数αn、tは、ユーザ等が必要を感じたとき等に適宜算出されるようにすればよい。
次に、ステップS104の処理において、ユーザは、標準試料S’をθ軸上のゴニオメータ30の中心に載置するとともに、ラインセンサ21が所定位置(第635位置)に配置される。
次に、ステップS105の処理において、X線管11から出射された特性X線が、発散スリット12を介して標準試料S’表面に照射され、標準試料S’から放射される回折X線が1280個(N個)の検出素子によって検出されることにより、N箇所の固定実測X線強度I(n=1、2、・・・、N)を取得する(検出器固定取得ステップ(A))。図3は、検出器固定取得ステップ(A)で取得された実測X線強度分布を示すグラフである。
次に、ステップS106の処理において、X線管11から出射された特性X線が、発散スリット12を介して標準試料S’表面に照射され、ラインセンサ21が走査されながら、標準試料S’から放射される回折X線が第635〜第644(10個)の検出素子で検出されることにより、N箇所の固定実測X線強度I(n=1、2、・・・、N)を取得して、走査実測X線強度記憶部44bに記憶させる(検出器走査取得ステップ(B))。図4は、検出器走査取得ステップ(B)で取得された固定実測X線強度分布を示すグラフである。なお、t=1のステップS106の処理において、走査実測X線強度記憶部44bに固定実測X線強度I(n=1、2、・・・、N)を一度記憶させるため、t=2以降のステップS106の処理を省略して、走査実測X線強度記憶部44bに記憶された固定実測X線強度I(n=1、2、・・・、N)を用いてもよい。
次に、ステップS107の処理において、第n箇所の固定実測X線強度Iと、第n箇所の走査実測X線強度iと式(3)とを用いて、第nの検出素子の感度補正係数αを算出するように、N個の検出素子に対してそれぞれ感度補正係数α(n=1、2、・・・、N)を算出して補正係数記憶部44aに記憶させる(補正係数算出ステップ(C))。図5は、各検出素子についての感度補正係数αを示すグラフである。そして、ステップS107の処理が終了すれば、ステップS102の処理に戻る。つまり、「感度補正係数算出モード」が設定されると、ステップS102の処理〜ステップS107の処理が実行され、補正係数記憶部44aに記憶されている現在のN個の感度補正係数αn、(t−1)が、N個の感度補正係数αn、tに更新されることになる。
一方、ステップS102の処理において、「試料分析モード」が「ON」に設定されていると判定したときには、ステップS108の処理において、ユーザは、測定対象試料Sをθ軸上のゴニオメータ30の中心に載置する。
次に、ステップS109の処理において、X線管11から出射された特性X線が、発散スリット12を介して測定対象試料S表面に照射され、測定対象試料Sから放射される回折X線が2θ軸に搭載されたラインセンサ21によって検出される。図6は、ラインセンサ21によって検出された測定対象試料Sからの実測X線強度分布を示すグラフである。
次に、ステップS110の処理において、X線強度分布画像作成部41cは、補正係数記憶部44aに記憶されている感度補正係数αn、tと取得部41bで取得された固定実測X線強度Iとを式(1)に代入して補正X線強度I’を算出する。
次に、ステップS111の処理において、X線強度分布画像作成部41cは、補正X線強度I’と検出素子番号nとの関係を示す補正X線強度分布画像を作成して表示装置43に表示する。図7は、補正X線強度分布画像を示すグラフである。
次に、ステップS112の処理において、新たな測定対象試料Sの分析を行うか否かを判定する。新たな測定対象試料Sの分析を行うと判定したときには、ステップS102の処理に戻る。一方、新たな測定対象試料Sの分析を行わないと判定したときには、本フローチャートを終了させる。
以上のように、本発明のX線回折装置1によれば、ユーザへの出荷後等に適宜、「感度補正係数算出モード」にして標準試料S’等を配置するだけで、感度補正係数αn、tを算出することができる。
<他の実施形態>
(1)上述したX線回折装置1では、N個の検出素子が一次元に配列された検出面を有するラインセンサ21を備えた構成を示したが、(N×M)個の検出素子が二次元に配列された検出面を有するX線検出器を備える構成としてもよい。
(2)上述したX線回折装置1では、検出器走査取得ステップ(B)において、第635〜第644(10個)の検出素子で検出させる構成を示したが、1個の第640の検出素子で検出させたり、20個の第630〜第649の検出素子で検出させたりするような構成としてもよい。
(3)上述した実施形態ではX線回折装置1の構成を示したが、蛍光X線分析装置やX線吸収スペクトル測定装置であってもよい。
また、X線回折装置1で感度補正係数αn、tを算出する場合について説明したが、ラインセンサ生産工場等においてラインセンサの状態で汎用X線源を用いて感度補正係数αn、tを算出してもよい。なお、この場合には、X線検出器を回転移動させるのではなく、X方向に直線移動させるようにすることが好ましい。
本発明は、X線回折装置や蛍光X線分析装置やX線吸収スペクトル測定装置等に用いられるX線検出器等に利用することができる。
1 X線回折装置
21 ラインセンサ(X線検出器)

Claims (4)

  1. X線源から出射する特性X線が試料に照射され、前記試料から放射されるX線強度を検出するN個の検出素子が一次元又は二次元に配列された検出面を有するX線検出器の感度補正係数算出システムであって、
    感度補正係数を算出する際に、前記試料として、急峻な強度差がない領域を有するX線が放射される標準試料が前記特性X線の照射位置に配置され、
    前記X線検出器を固定した状態で、前記標準試料からのX線をN個の検出素子で検出することにより、N箇所の固定実測X線強度を取得する検出器固定取得ステップと、
    前記標準試料からのX線をN個より少ないA個の検出素子で、前記X線検出器を走査しながら検出していくことにより、N箇所の走査実測X線強度を取得する検出器走査取得ステップと、
    前記検出器固定取得ステップで取得された第n箇所の固定実測X線強度と、前記検出器走査取得ステップで取得された第n箇所の走査実測X線強度との比から、第nの検出素子の感度補正係数αを算出するように、N個の検出素子に対してそれぞれ感度補正係数αを算出する感度補正係数算出ステップとを含むことを特徴とするX線検出器の感度補正係数算出システム。
  2. 前記検出器走査取得ステップで取得されたN箇所の走査実測X線強度を記憶させる走査実測X線強度記憶ステップを含むことを特徴とする請求項1に記載のX線検出器の感度補正係数算出システム。
  3. 前記A個の検出素子は、前記検出面の中央に配列されたものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のX線検出器の感度補正係数算出システム。
  4. 試料に特性X線を出射するX線源と、
    前記試料から放射されるX線強度を検出するN個の検出素子が一次元又は二次元に配列された検出面を有するX線検出器と、
    前記X線検出器を移動させるX線検出器移動機構と、
    N個の検出素子に対してそれぞれ感度補正係数αを記憶するための感度補正係数記憶部と、
    前記感度補正係数αを用いて第nの検出素子で検出された固定実測X線強度を補正演算して、補正X線強度分布画像を作成するX線強度分布画像作成部とを備えるX線分析装置であって、
    前記感度補正係数αを前記感度補正係数記憶部に記憶させるための感度補正係数算出モードを有し、
    前記感度補正係数算出モードが設定された際には、前記試料として、急峻な強度差がない領域を有するX線が放射される標準試料が前記特性X線の照射位置に配置され、
    前記X線検出器を固定した状態で、前記標準試料からのX線をN個の検出素子で検出することにより、N箇所の固定実測X線強度を取得する検出器固定取得ステップと、
    前記標準試料からのX線をN個より少ないA個の検出素子で、前記X線検出器を走査しながら検出していくことにより、N箇所の走査実測X線強度を取得する検出器走査取得ステップと、
    前記検出器固定取得ステップで取得された第n箇所の固定実測X線強度と、前記検出器走査取得ステップで取得された第n箇所の走査実測X線強度との比から、第nの検出素子の感度補正係数αを算出するように、N個の検出素子に対してそれぞれ感度補正係数αを算出する感度補正係数算出ステップとを実行する補正係数算出部を備えることを特徴とするX線分析装置。
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