JP2001004560A - X線検査装置 - Google Patents

X線検査装置

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JP2001004560A
JP2001004560A JP17024799A JP17024799A JP2001004560A JP 2001004560 A JP2001004560 A JP 2001004560A JP 17024799 A JP17024799 A JP 17024799A JP 17024799 A JP17024799 A JP 17024799A JP 2001004560 A JP2001004560 A JP 2001004560A
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Ryoichi Sawada
良一 澤田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 検出器の感度、およびX線管のX線照射線量
の経時変化があっても、検査作業を中断することなく、
正常な検査ができるX線検査装置を提供する。 【解決手段】 検査中、検出器1の素子上にX線が検査
物2なしに照射されているか否かを判断する手段を備
え、コンベア3の移動中に再補正データ取得スパン4の
期間に、X線OFF時にオフセットデータと、X線ON
時のデータから感度補正係数を演算する。そして、X線
ON時に再補正データ取得スパン4の期間に生データを
取得して、オンラインで随時、素子間感度補正テーブル
を自動的に更新する。外部から検査物2なしの判別の許
容値、平均化のデータ取得数をコマンドで設定できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に、医用、食
品、非破壊検査等の分野で使用されるX線検査装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来技術をX線異物検査装置を例にとり
説明する。食品等の分野で異物が混入していないかを調
べるために、ベルトコンベアにて検査物をX線管とX線
検出器の間に流し、その透過像またはデータから異物の
有無を判定している。図5に従来のX線式異物検査装置
のシステムを示す。コンベア3上に検査物がセットさ
れ、所定の速度で検査物がX線発生器6からのX線放射
下に送られ、その透過X線が一次元X線検出器1aに入
力される。その一次元X線検出器1aからの出力信号は
制御・異物判定・画像処理装置9で、データ処理され異
物が存在しない画像と異物が存在する画像を比較し、異
物の存在する検査物をデータ上でチェックし、現物をコ
ンベア3から排出したり、または現物にマーキングした
りして摘出している。検査物のX線透視像はTVモニタ
7上で観察ができ、検査装置のシステム全体を操作部8
で操作している。
【0003】一次元X線検出器1aは、図6にその構造
を模式的断面図で示すように、n型半導体11内にp型
半導体12を一次元状に並べたMOS型1次元イメージ
センサ13の有感面に、GdS:Tbからなるシ
ート状のシンチレータ10を配置した構造のもの等が用
いられ、各素子ごとに異なる固有のオフセット値および
感度差がある。この各素子ごとのオフセット値および感
度差は、一般に、実際の検査に先立つ補正データ取得ル
ーチンにより取得され、実際の検査に際しては、各素子
からの出力データは、データ処理手段において補正デー
タを用いた補正演算が施されたうえで画素情報等として
使用される。
【0004】すなわち、補正データ取得ルーチンでは、
図7にそのフローチャートを例示するように、X線非照
射時の各素子の出力データと、X線照射時の各素子の出
力データを採取し、X線非照射時の各素子の出力データ
をオフセットデータOiとして記憶するとともに、X線
照射時の各素子のの出力データから該当のオフセットデ
ータOiを減算した値を感度補正係数Siとして記憶す
る。そして実際の検査ルーチンにおいては、図8にその
フローチャートを例示するように、データ処理手段にて
各素子からの出力(生データ)Riから該当のオフセッ
トデータOiを減算した後、その各減算後の値(中間デ
ータ)Xiを該当の感度補正係数Siで除算することに
よって補正後のデータYiを求める。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の異物検査装置は
以上のように構成されているが、検査作業は連続して行
われるため、装置の時間的な安定性が求められる。しか
しながら、一般に、X線検出器1の感度、およびX線発
生器6のX線照射強度は時間経過にともなって変動す
る。X線検出器1はシンチレータ10がX線照射により
発光強度が減少する特性があり、また光センサ部13a
の素子間には変動のばらつきもある。さらにX線発生器
6のX線照射強度も温度上昇とともに同様に変動する。
このためデータ補正処理直後は全素子同一であった出力
が、時間とともに出力が所定値よりずれてきて、全体の
値が低下したり、素子間の出力ばらつきが生じ、結果と
して装置の設定が厳しすぎると異物検査の誤動作になっ
たり、装置の設定を粗くすると異物検査の検出能力の低
下につながってしまうという問題があった。そのため、
たびたび検査作業を中断し、補正操作をする必要があっ
た。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、X線検出器1の感度、およびX線発生
器6のX線照射強度が時間経過にともなって変動するこ
とがあっても、検査作業を中断することなく、正常な検
査ができるX線検査装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明のX線検査装置は、入射X線量に応じた出力
を発生する放射線検出器と、オフセット減算補正、素子
間感度補正を各素子毎におこなうことができるデータ処
理装置とを備えたX線検査装置において、動作時にX線
が遮蔽物なしに前記放射線検出器に照射されているか否
かを判別する手段と、素子毎の補正前データを取得し保
存する手段と、前記判別手段の出力によって前記取得デ
ータを元に素子間感度補正テーブルを動作中に自動的に
更新する手段とを備えるものである。
【0008】さらに、再補正時のパラメータとして、遮
蔽物なしの判別の許容値と、平均化のデータ取得数とを
外部からコマンドにて設定できる手段を備えるものであ
る。
【0009】本発明のX線検査装置は上記のように構成
されており、動作時に、X線が遮蔽物なしに放射線検出
器に照射されているか否かを判別することができ、素子
毎の補正前データを元に素子間感度補正テーブルを、動
作中に自動的に更新することができ、さらに、再補正時
のパラメータとして、遮蔽物なしの判別の許容値と、平
均化のデータ取得数とを外部からコマンドで設定できる
ので、X線検出器の感度、およびX線発生器のX線照射
強度が時間経過にともなって変動することがあっても、
検査作業を中断することなく、正常な検査ができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のX線検査装置は、ハード
ウエアに関しては従来の装置と同様で、図5に示すよう
に、X線発生器6と、それに対向して配置された一次元
X線検出器1aと、その両者の間を検査物を載せて移動
するコンベア3と、一次元X線検出器1aからの検査物
のX線透過信号を取込み、データ処理をする制御・異物
判定・画像処理装置9と、画像処理された検査物のX線
像を観察するTVモニタ7と、全システムを操作する操
作部8とから構成されている。
【0011】一方、ソフトウエアに関しては、従来から
のオフセット減算補正、即ち、X線非照射時のオフセッ
トデータを取得して生データから減算するプログラム
(1)、および、素子間感度補正、即ち、X線照射時の
感度補正データを取得し、前記のオフセット減算補正が
された後の中間データを、感度補正データで除算して、
テーブルとしてメモリするプログラム(2)の両プログ
ラムが、ルーチンに使われており、本装置は、このプロ
グラム(1)及びプログラム(2)以外に、動作時にX
線が遮蔽物なしにシンチレータに照射されているか否か
を判別し、素子毎の補正前データを元に素子間感度補正
テーブルを動作中に自動的に更新するプログラム(3)
とを備えている。
【0012】本装置のコンベア3のベルト上には遂次検
査物が流れているが、隙間なく、常に流れていることは
実用上なく、通常、10cm〜1m程度以上離れて流れ
ることが多い。場合によっては、数分間全く検査物が流
れてこないこともある。本発明の再補正データの取得
は、この検査物が流れていない区間を利用するものであ
る。
【0013】図4に再補正データを取得するタイミング
を示す。即ち上方からX線が照射され、それと対向した
位置にセットされた検出器1に検査物2を透過したX線
データが取込まれる。コンベア3が作動して所定の速度
で移動し、それに載せられた検査物2が移動して、検査
物2が検出器1の上にない状態の時、検出器1にはX線
が直接入射することになり、この状態での検出器1の各
素子からの出力データを取込み保存して、感度補正用と
して用いる。図4では再補正データ取得スパン4として
太い矢印の期間を示す。検査物2が検出器1の上に位置
する状態の時、検出器1には検査物2の生データが取込
まれる。
【0014】次に本装置の一実施例を図1を参照しなが
ら説明する。図1は検出器1の各素子毎に遮蔽物(検査
物2)があるかどうかを判別し、個々の素子に関して、
再補正データの取得と感度補正値の修正をするフローチ
ャートを示す。X線照射時の検査物2の透過データを生
データRi、X線非照射時のデータをオフセットデータ
Oi、X線照射時の検査物2がない透過データからオフ
セットデータOiを減算した感度補正係数Si、生デー
タRiからオフセットデータOiを減算したデータを中
間データXi、中間データXiをK倍して感度補正係数
Siで除算したデータを補正データYi、検査物2のX
線透過データの検査許容値をKx、中間データXiの蓄
積回数をJi、中間データXiをJi回累積したデータ
を累積データMi、その最終の蓄積回数をN、N回蓄積
した時の中間データをZとする。そして、測定ルーチン
に入る検査前に、X線OFFの状態で装置のオフセット
データOiを取り込み、制御・異物判定・画像処理装置
9に記憶しておく。
【0015】測定ルーチンは初期化(i=0、Mi=J
i=0)されて開始される。まず、X線照射時の検査物
2の透過データの生データRiを取得する。そして次の
補正処理を行う。中間データXi=生データRi−オフ
セットデータOi、補正データYi=K*中間データX
i/感度補正係数Si。
【0016】一方、再補正時のパラメータとして遮蔽物
なしの判別の許容値Kxと、平均化のデータ取得蓄積回
数Nとを外部の操作部8からコマンドで設定する。そし
て、素子i上にX線検査物2があるか否かをYiとKx
を比較して判別する。あれば次の素子(i+1)に進
む。検査物2がなければ中間データXiにMiを加算し
て累積データMiとする。このループを繰り返し、蓄積
回数Ji=Nになれば、累積データMiを平均化して中
間データをZ=Mi/Nとし、初期条件(Ji=Mi=
0)に戻す。
【0017】そして、感度補正係数をSi=Zとして置
換える。このように素子間感度補正テーブルの再校正
を、次々と行うことができる。上記のルーチンをオンラ
インで行い、検査を中断することなく再補正を自動的に
行うことができ、出力が常に一定に保たれ、安定性が向
上し異物検査能力の向上につながる。
【0018】図2に別の実施例として、検出器全体とし
て一部でも検査物があるか否かを判別し、全体として再
補正データを取得し、個別の感度補正係数の修正をする
フローチャートを示す。
【0019】測定ルーチンは初期化(J=1、Miは全
てのi)されて開始される。ここでJは走査するチャン
ネルを意味し、蓄積回数にあたる。まず、X線照射時の
検査物2の透過データの全てのiについての生データR
iを取得する。そして、全てのiについて次の補正処理
を行う。中間データXi=生データRi−オフセットデ
ータOi、補正データYi=K*中間データXi/感度
補正係数Si。
【0020】一方、再補正時のパラメータとして、全て
の素子i上に線遮蔽物が有るか否かの判別の許容値Kx
と、データ取得蓄積最終回数Nとを外部の操作部8から
コマンドで設定する。
【0021】そして、全ての素子i上にX線検査物2が
一つでも有るか否かを、YiとKxを比較して判別す
る。検査物2があれば、再び生データRi取得に進む。
検査物2がなければ、累積データMiに中間データXi
を加算して累積データMiとする。そして、蓄積カウン
タJ時点で中間データZ=Miとする。そして、感度補
正係数をSj=Zとして置換える。このループを一回通
るたびにiにおいて1チャンネルのみ再補正が行われ
る。
【0022】次に、ここでMi=0とし、蓄積カウンタ
J=J+1にして、初期に戻り、全てのiについて生デ
ータRi取得を再び行う。このループを繰り返し、蓄積
カウンタJがiの最終値Nを超えたら、J=1として初
期に戻り、再開始を行う。
【0023】この方式では、図1の中ほどの「所定の蓄
積回数か?Ji:N」のループがないので、演算時間を
要する検出器の再補正実行が、主ループ内で1回です
み、演算時間に差異がなく、オンライン処理の本実施例
の装置には実用的である。例えば、素子数が512で再
補正データの蓄積平均化回数が512の場合、図2では
512ループ毎に全素子の感度補正を更新することにな
る。
【0024】また、補正データの蓄積回数JをN以上に
増やし、精度を上げたい場合には、図2の*印部分に待
ちループを入れ、図3のように「積算回数判別L:L
x」のループを実行すれば実現できる。
【0025】図3において、全ての素子i上にX線検査
物2が一つでも有るか否かを、YiとKxを比較して判
別し、検査物2がなければ、中間データXiに累積デー
タMiを加算して累積データMiとする。そして、積算
回数L=L+1として、積算回数判別を行い、積算回数
Lが設定値の積算回数Lxよりも小さい時には、生デー
タRi取得を行い、積算回数Lが設定値の積算回数Lx
に等しい時には、積算回数L=0とし、そして、カウン
タJ時点で中間データZ=Mi/Lxとし、感度補正係
数をSj=Zとして置換える。
【0026】また、別の実施例として、図1、図2内に
も示したように、感度補正係数を、再校正でSi=Zと
せず、Si=(Z+Si)/2として、急激な変化を捉
えることも、演算式の一部を変更することにより簡単に
適用できる。
【0027】また、以上のようなデータ処理機能を制御
・異物判定・画像処理装置9から検出器1内に組み込ん
だ場合でも同じである。
【0028】上記の実施例では一次元X線検出器1aの
場合について説明したが、二次元イメージセンサ及び、
二次元放射線検出器にも適用できる。
【0029】また、本説明では、特に異物検査装置に関
して説明を行ったが、内部構造や、割れ欠け、欠品、空
港の手荷物検査など、一般に用いられるX線検査装置で
も適用できる。
【0030】
【発明の効果】本発明のX線検査装置は上記のように構
成されており、動作時に、X線が遮蔽物なしにX線検出
器に照射されているか否かを判別し、素子毎の補正前デ
ータから素子間感度補正テーブルを、動作中に自動的に
更新し、さらに、再補正時のパラメータとして、遮蔽物
なしの判別の許容値と、平均化のデータ取得数とを外部
からコマンドで設定できるので、X線検出器の感度、お
よびX線発生器のX線放射量が時間経過にともなって変
動することがあっても、検査作業を中断することなく、
正常な検査をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のX線検査装置の一実施例を示す図で
ある。
【図2】 本発明のX線検査装置の他の実施例を示す図
である。
【図3】 本発明のX線検査装置の変形実施例を示す図
である。
【図4】 本発明のX線検査装置のデータ取得のスパン
を示す図である。
【図5】 X線によるX線検査装置のシステムを示す図
である。
【図6】 検出器の構造を示す図である。
【図7】 従来のX線検査装置の補正データ取得におけ
るフローチャートを示す図である。
【図8】 従来のX線検査装置の補正処理におけるフロ
ーチャートを示す図である。
【符号の説明】
1…検出器 1a…一次元X
線検出器 2…検査物 3…コンベア 4…再補正データ取得スパン 5…再補正デー
タ非取得スパン 6…X線発生器 7…TVモニタ 8…操作部 9…制御・異物
判定・画像処理装置 10…シンチレータ 11…n型半導
体 12…p型半導体 13…MOS型
イメージセンサ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入射X線量に応じた出力を発生する放射線
    検出器と、オフセット減算補正、素子間感度補正を各素
    子毎におこなうことができるデータ処理装置とを備えた
    X線検査装置において、動作時にX線が遮蔽物なしに前
    記放射線検出器に照射されているか否かを判別する手段
    と、素子毎の補正前データを取得し保存する手段と、前
    記判別手段の出力によって前記取得データを元に素子間
    感度補正テーブルを動作中に自動的に更新する手段とを
    備えることを特徴とするX線検査装置。
  2. 【請求項2】前記請求項1のX線検査装置において、再
    補正時のパラメータとして、遮蔽物なしの判別の許容値
    と、平均化のデータ取得数とを外部からコマンドにて設
    定できる手段を備えることを特徴とするX線検査装置。
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