JP6386239B2 - 船外機 - Google Patents

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この発明は船外機に関する。
従来より、船外機や自動車などにおいて、クランクアームに連結されるクランクジャーナルを回転自在に支持するシリンダブロックのジャーナル支持部と、クランクジャーナルとジャーナル支持部との間に設けられ、クランクジャーナルの径方向(ラジアル方向)の荷重を受けるジャーナル軸受と、クランクアームとジャーナル支持部との間に設けられ、クランクシャフトの軸方向(スラスト方向)の荷重を受けるスラスト軸受とを備えたクランクシャフトの軸受構造が種々提案されており、その例として例えば特許文献1記載の技術を挙げることができる。
特許文献1記載の技術は、特に船外機に限定したものではないが、そこではスラスト軸受のクランクアームとの摺接面に傾斜部等を設けることで、エンジン組み付け時のボルト締め付けなどによってジャーナル支持部が変形するような場合であっても、スラスト軸受の摺接面とクランクアームとの間で当たりが生じるのを防止する技術が開示されている。
特開2013−238277号公報
ところで、例えば船外機のエンジンのように、クランクシャフトが重力軸(鉛直軸)と平行になるように配置される、いわゆるバーチカルエンジンでは、スラスト軸受に上方からクランクシャフト等の重量が常に加わり、スラスト軸受とクランクアームとが接触状態となる。そのため、エンジンがまだ新しく初期の慣らし(摺接面のなじみ)が不十分であったり、エンジン温度の上昇に伴ってシリンダブロックの熱変形などが生じた場合、スラスト軸受の摺接面には大きな荷重と熱が発生し、これがスラスト軸受の表層剥離や異常磨耗といった不具合を生じさせる原因となっていた。
従って、この発明の目的は上記した課題を解決し、クランクシャフトが重力方向と平行に配置されるとき、スラスト軸受の摺接面の潤滑性やスラスト軸受の冷却性を向上させるようにした船外機を提供することにある。
上記した課題を解決するために、請求項1にあっては、クランクシャフトが重力方向と平行になるように船体に取り付け可能なエンジンを備えると共に、前記クランクシャフトのクランクアームに連結されるクランクジャーナルを回転自在に支持するジャーナル支持部と、前記クランクジャーナルと前記ジャーナル支持部との間に設けられ、前記クランクジャーナルの径方向の荷重を受けるジャーナル軸受と、前記クランクアームと前記ジャーナル支持部との間に設けられ、前記クランクシャフトの軸方向の荷重を受けるスラスト軸受と、前記クランクシャフトに接続され、前記ジャーナル支持部に形成される第1油路を介して潤滑油を前記ジャーナル軸受に供給する油圧ポンプとを備える船外機において、前記第1油路から分岐して前記潤滑油の一部を前記スラスト軸受に供給する第2油路を形成し、前記スラスト軸受は、重力方向において上方から前記ジャーナル支持部に当接される第1スラスト軸受と、重力方向において下方から前記ジャーナル支持部に当接される第2スラスト軸受とからなると共に、前記油圧ポンプは、前記潤滑油の一部を前記第2油路を介して前記第1スラスト軸受に供給し、前記第2油路は、前記第1スラスト軸受と第2スラスト軸受のうち、前記第1スラスト軸受にのみ連通する如く構成した。
請求項2に係る船外機にあっては、前記スラスト軸受は、前記ジャーナル支持部に当接する当接面と前記クランクアームに摺接する摺接面を有すると共に、前記第2油路は、前記潤滑油の一部を少なくとも前記スラスト軸受の前記当接面に供給する如く構成した。
請求項に係る船外機にあっては、前記スラスト軸受に前記当接面と前記摺接面を貫通する貫通孔を形成すると共に、前記貫通孔を前記第2油路に接続する如く構成した。
請求項に係る船外機にあっては、前記スラスト軸受の前記摺接面に前記クランクジャーナルの周方向に沿って延びる円弧状の第1油溝を形成すると共に、前記第1油溝を前記第2油路に接続する如く構成した。
請求項に係る船外機にあっては、前記スラスト軸受の前記摺接面に前記第1油溝から分岐して前記摺接面の端縁まで延びる第1分岐溝を形成する如く構成した。
請求項に係る船外機にあっては、前記スラスト軸受の前記当接面に前記クランクジャーナルの周方向に沿って延びる円弧状の第2油溝を形成すると共に、前記第2油溝を前記第2油路に接続する如く構成した。
請求項に係る船外機にあっては、前記スラスト軸受の前記当接面に前記第2油溝から分岐して前記当接面の端縁まで延びる第2分岐溝を形成する如く構成した。
請求項1にあっては、クランクシャフトが重力方向と平行になるように船体に取り付け可能なエンジンを備えると共に、クランクジャーナルを回転自在に支持するジャーナル支持部と、クランクジャーナルとジャーナル支持部との間に設けられ、クランクジャーナルの径方向の荷重を受けるジャーナル軸受と、クランクアームとジャーナル支持部との間に設けられ、クランクシャフトの軸方向の荷重を受けるスラスト軸受と、クランクシャフトに接続され、ジャーナル支持部に形成される第1油路を介して潤滑油をジャーナル軸受に供給する油圧ポンプとを備える船外機において、第1油路から分岐して潤滑油の一部をスラスト軸受に供給する第2油路を形成する如く構成したので、スラスト軸受に潤滑油が供給されることで、スラスト軸受の摺接面の潤滑性やスラスト軸受の冷却性を向上させることができる。従って、クランクシャフトが重力方向と平行に配置される船外機のエンジンであっても、スラスト軸受の摺接面には大きな荷重や熱が発生せず、スラスト軸受の表層剥離や異常磨耗等を抑制することができる。また、スラスト軸受は、重力方向において上方からジャーナル支持部に当接される第1スラスト軸受と、重力方向において下方からジャーナル支持部に当接される第2スラスト軸受とからなると共に、油圧ポンプは、潤滑油の一部を第2油路を介して第1スラスト軸受に供給する如く構成したので、上記した効果に加え、摺接面により大きな荷重と熱が発生する第1スラスト軸受に対して潤滑性と冷却性を向上させることができる。また、第2油路は、第1スラスト軸受と第2スラスト軸受のうち、第1スラスト軸受にのみ連通する如く構成したので、摩擦の大きい上側に優先的に潤滑油を供給できると共に、構成を簡易にすることができる。
請求項2に係る船外機にあっては、スラスト軸受は、ジャーナル支持部に当接する当接面とクランクアームに摺接する摺接面を有すると共に、第2油路は、潤滑油の一部を少なくともスラスト軸受の当接面に供給する如く構成したので、上記した効果に加え、スラスト軸受の当接面に直接潤滑油を供給することができるため、スラスト軸受の冷却性をより向上させることができる。
請求項に係る船外機にあっては、スラスト軸受に当接面と摺接面を貫通する貫通孔を形成すると共に、貫通孔を第2油路に接続する如く構成したので、上記した効果に加え、潤滑油は貫通孔を通過して摺接面にも供給されるため、スラスト軸受の摺接面の潤滑性やスラスト軸受の冷却性をより向上させることができる。
請求項に係る船外機にあっては、スラスト軸受の摺接面にクランクジャーナルの周方向に沿って延びる円弧状の第1油溝を形成すると共に、第1油溝を第2油路に接続する如く構成したので、上記した効果に加え、第1油溝によってスラスト軸受の摺接面に供給された潤滑油が摺接面全体に広く行き渡るようになるため、スラスト軸受の摺接面の潤滑性やスラスト軸受の冷却性を一層向上させることができる。
請求項に係る船外機にあっては、スラスト軸受の摺接面に第1油溝から分岐して摺接面の端縁まで延びる第1分岐溝を形成する如く構成したので、上記した効果に加え、第1分岐溝によって第1油溝を流れる潤滑油を摺接面の外へ排出することができるため、摺接面により多くの潤滑油を流すことができるようになり、スラスト軸受の摺接面の潤滑性やスラスト軸受の冷却性をより一層向上させることができる。
請求項に係る船外機にあっては、スラスト軸受の当接面にクランクジャーナルの周方向に沿って延びる円弧状の第2油溝を形成すると共に、第2油溝を第2油路に接続する如く構成したので、上記した効果に加え、第2油溝によってスラスト軸受の当接面に供給された潤滑油が当接面全体に広く行き渡るようになるため、スラスト軸受の冷却性を一層向上させることができる。
請求項に係る船外機にあっては、スラスト軸受の当接面に第2油溝から分岐して当接面の端縁まで延びる第2分岐溝を形成する如く構成したので、上記した効果に加え、第2分岐溝によって第2油溝を流れる潤滑油を当接面の外へ排出することができるため、当接面により多くの潤滑油を流すことができるようになり、スラスト軸受の冷却性をより一層向上させることができる。
この発明の実施例に係る船外機の部分断面側面図である。 図1に示すクランクシャフトのクランクジャーナル付近を軸方向から見たときの部分拡大断面図である。 図1に示すジャーナル支持部付近を拡大して示す部分拡大断面図である。 図3に示すスラストワッシャの摺接面に形成された油溝および分岐溝を説明するための説明図である。 図3に示すスラストワッシャの当接面に形成された油溝および分岐溝を説明するための説明図である。
以下、添付図面に即してこの発明に係る船外機を実施するための形態について説明する。
図1はこの発明の実施例に係る船外機の部分断面側面図、図2は図1に示すクランクシャフトのクランクジャーナル付近を軸方向から見たときの部分拡大断面図、図3は図1に示すジャーナル支持部付近を拡大して示す部分拡大断面図である。
図1において、符号10は船外機を示す。船外機10は、スターンブラケット12とチルティングシャフト14を介して船体16の後尾(船尾)に取り付けられる。船外機10の上部には、エンジン(内燃機関)18が搭載される。エンジン18は、排気量2000cc程度の火花点火式水冷ガソリンエンジンからなり、船外機10に搭載されるとき、クランクシャフト20が重力方向と平行になるように配置される。また、船外機10においてエンジン18は水面上に位置するように配置されると共に、エンジンカバー22によって覆われる。
エンジン18のシリンダブロック24にはクランクシャフト20が収容される。クランクシャフト20は、クランクシャフト20の回転中心軸上に位置し、クランクシャフト20の主回転軸を構成する複数のクランクジャーナル20aと、コンロッド26を介してピストン28(図2参照)に連結される複数のクランクピン20bと、クランクジャーナル20aとクランクピン20bとを偏心させた状態で連結する複数のクランクアーム20cとからなる。
クランクシャフト20はシリンダブロック24に回転自在に支持されるが、具体的には、クランクシャフト20のクランクジャーナル20aがシリンダブロック24に形成されたジャーナル支持部30によって回転自在に支持される。
ジャーナル支持部30は、図2に示すように、クランクジャーナル20aの外周のほぼ2分の1に相当する部分をピストン方向(図面左側)から支持するバルク部30aと、残り2分の1に相当する部分をバルク部30aとは反対方向(クランクケース側(図面右側))から支持するベアリングキャップ30bとから構成される。
バルク部30aにはクランクジャーナル20aの外周面を支持する半円状のジャーナル支持面30a1が形成される。また、ベアリングキャップ30bにもバルク部30aと同様、クランクジャーナル20aの外周面を支持する半円状のジャーナル支持面30b1が形成される。
従って、バルク部30aとベアリングキャップ30bとがボルト31によって締結されると、バルク部30aとベアリングキャップ30bのクランクジャーナル支持面30a1,30b1同士が対向するように配置され、対向するこれら2つのクランクジャーナル支持面30a1,30b1によってクランクジャーナル20aを挿通するための円筒状のジャーナル挿通孔32が形成される。
ジャーナル挿通孔32の内周面には、クランクジャーナル20aの外周面に摺接し、クランクジャーナル20aの径方向の荷重を受けるメインメタル(ジャーナル(ラジアル)軸受)34が設けられる。メインメタル34は、二分割(半割)構造の円筒状部材からなるすべり軸受であり、一方の半円筒状部材を構成するメインメタル34aがバルク部30aのジャーナル支持面30a1に配置され、他方の半円筒状部材を構成するメインメタル34bがベアリングキャップ30bのジャーナル支持面30b1に配置される。
複数のバルク部30aのうちの少なくとも一つ以上のバルク部30aには、図3に示すように、クランクシャフト20の軸方向(図面上下方向)における両側面、換言すると、バルク部30aの上下方向に位置するクランクアーム20cとの対向面に、それぞれジャーナル挿通孔32の周縁部に沿って半円状(半ドーナツ形状。図2参照)のスラスト溝30a2が形成される。
スラスト溝30a2には、スラスト溝30a2とほぼ同形状(半円状)のスラストワッシャ(スラスト軸受)36が嵌合される。スラストワッシャ(スラスト軸受)36は、クランクシャフト20の軸方向の荷重を受けるすべり軸受からなる。尚、スラストワッシャ36は、バルク部30aの軸方向両側面に形成される二つのスラスト溝30a2にそれぞれ嵌合されるため、一つのバルク部30aには、上方からバルク部30aに当接されるスラストワッシャ(第1スラスト軸受)36と、下方からバルク部30aに当接されるスラストワッシャ(第2スラスト軸受)36の、合計二つのスラストワッシャ(第1、第2スラスト軸受)36が設けられる。
このように、ジャーナル支持部30には、クランクシャフト20の径方向の荷重を受けるメインメタル34と、クランクシャフト20の軸方向の荷重を受けるスラストワッシャ36が設けられる。
図1の説明に戻ると、クランクシャフト20の一端(図面下方側の端部)には、フライホイールボス38を介してフライホイール40が接続されると共に、バーチカルシャフト42が重力軸回りに回転自在に接続される。
バーチカルシャフト42は、クランクシャフト20の回転中心軸、即ち、クランクジャーナル20aの回転軸心と同軸上に、重力軸と平行となるように配置され、エンジン18の出力、即ち、クランクシャフト20の回転によって重力軸回りに回転させられる。バーチカルシャフト42の回転はギヤ機構44に伝達され、そこで水平軸回りの回転に変換された後、プロペラシャフト46を介してプロペラ48に伝達される。
ギヤ機構44は、バーチカルシャフト42の下方側の端部(下端)に設けられるピニオンギヤ44aと、ピニオンギヤ44aに係合(噛合)されて相反する方向に回転させられる前進ベベルギヤ44bおよび後進ベベルギヤ44cと、プロペラシャフト46を前進ベベルギヤ44bと後進ベベルギヤ44cのいずれかに係合自在とするクラッチ44dとからなり、クラッチ44dを図示しないシフト用電動モータによって動作させることで、シフトポジションをフォワード、リバースまたはニュートラルに切り替えることができる。
また、シリンダブロック24の下方には、バーチカルシャフト42に接続され、オイルパン50に貯留される潤滑油を吸引してエンジン18各部に供給するオイルポンプ(油圧ポンプ)52が設けられる。オイルポンプ52は、オイルチューブ54とメインギャラリ56との接続部付近に配置されるギヤポンプからなり、オイルパン50に貯留される潤滑油をストレーナ58とオイルチューブ54を介して吸引すると共に、メインギャラリ56に圧送する。
メインギャラリ56は、クランクシャフト20の軸方向と平行にシリンダブロック24内を下方から上方に延びるように構成される。メインギャラリ56の途中には、クランクシャフト20の各クランクジャーナル20aに向けて分岐する四つのサブギャラリ(第1油路)60が形成される。
サブギャラリ60は、ジャーナル支持部30のバルク部30a内に形成され、メインギャラリ56からバルク部30aの先端部、即ち、メインメタル34まで延びるように構成される。従って、メインギャラリ56を流れる潤滑油の一部は、サブギャラリ60を通ってメインメタル34に供給される。
メインメタル34には、図3に示すように、バルク部30a(ジャーナル支持部30)との当接面34aと、クランクジャーナル20aとの摺接面34bとを貫通する貫通孔34cが形成される。そのため、サブギャラリ60を介してメインメタル34の当接面34aに供給された潤滑油は貫通孔34cを通ってメインメタル34の摺接面34bへと流れる。また、メインメタル34の摺接面34bには、クランクジャーナル20aの周方向に沿って油溝34dが形成される。従って、メインメタル34の摺接面34bに供給された潤滑油は油溝34dを通って摺接面34b全体に行き渡り、メインメタル34とクランクジャーナル20aとの間の潤滑性を向上させる。
尚、クランクシャフト20には、図2に示すように、クランクジャーナル20aの外周面とクランクピン20bの外周面を連通する連通路20dが形成される。そのため、クランクジャーナル20aの外周面に供給された潤滑油は、クランクジャーナル20aの外周面に形成された連通路20dの入口20d1から流入して連通路20d内を通り、クランクピン20bの外周面に形成された連通路20dの出口20d2から排出され、クランクピン20bとコネクティングロッド軸受(図示ぜす)との間の潤滑性を向上させる。
図3に示すように、サブギャラリ60には、バルク部30aの先端部近傍であって、スラストワッシャ36が配置される付近で上方に分岐する分岐路(第2油路)62が形成される。分岐路62は、サブギャラリ60からスラストワッシャ(バルク部30aの上側に配置されるスラストワッシャ)36まで延び、サブギャラリ60を流れる潤滑油の一部がスラストワッシャ36に供給可能なように構成される。
スラストワッシャ36には、バルク部30a(ジャーナル支持部30)との当接面36aと、クランクアーム20cとの摺接面36bとを貫通する貫通孔36cが形成される。貫通孔36cは分岐路62と接続されるため、分岐路62からの潤滑油は貫通孔36cを通って摺接面36bに流れ、摺接面36bを潤滑する。
尚、「貫通孔36cと分岐路62が接続する」とは、貫通孔36cと分岐路62の開口部同士が全部または一部において直接繋がって連通する場合(この場合、潤滑油は分岐路62および貫通孔36c内をほぼ真直ぐ上方に流れて摺接面36bに到達する)のみならず、貫通孔36cと分岐路62の開口部同士が直接連通しない(互いの開口部がずれていて開口部同士が重なり合わない)ものの、分岐路62から流出した潤滑油がバルク部30aと当接面36aとの間の隙間を経由してから貫通孔36cに流れる場合(この場合、分岐路62からの潤滑油は一旦当接面36aに沿って屈曲して横方向に流れ、その後貫通孔36cに到達すると今度は貫通孔36cに沿って上方に屈曲して流れて摺接面36bに到達する)も含む。
図4はスラストワッシャ36の摺接面36bに形成された油溝および分岐溝を説明するための説明図であり、図4(a)は摺接面36bに油溝のみが形成された場合を、(b)は摺接面36bに油溝と分岐溝が形成された場合を示す。
図4(a)に示すように、スラストワッシャ36の摺接面36bには、クランクジャーナル20aの周方向(外周)に沿って延びる円弧状の油溝(第1油溝)36b1が形成される。油溝36b1は、貫通孔36cのほぼ真上から左右方向(図面上下方向)に、摺接面36bの形状に沿うようにして円弧状に延びる。従って、貫通孔36cから流入してきた潤滑油は、油溝36b1を通って摺接面36b全体に広く行き渡り、摺接面36bを十分に潤滑し、冷却する。
また、図4(b)に示すように、油溝36b1に摺接面36bの端縁まで延びる少なくとも一つ以上の分岐溝(第1分岐溝)36b2を形成しても良い(図では六つの分岐溝36b2を示す)。分岐溝36b2を形成することで、潤滑油が摺接面36b全体により広く行き渡るだけでなく、潤滑油が分岐溝36b2から摺接面36bの外に排出されるようになるため、油溝36b1や分岐溝36b2を介して摺接面36bを流れる潤滑油の流量を増やすことができ、よって摺接面36bの潤滑性や冷却性をより向上させることができる。
図5はスラストワッシャ36の当接面36aに形成された油溝および分岐溝を説明するための説明図であり、図5(a)は当接面36aに油溝のみが形成された場合を、(b)は当接面36aに油溝と分岐溝が形成された場合を示す。
図5(a)(b)に示すように、スラストワッシャ36の当接面36aにも摺接面36bと同様、油溝(第2油溝)36a1や分岐溝(第2分岐溝)36a2を形成しても良い。スラストワッシャ36の当接面36aにも油溝36a1や分岐溝36a2を形成することで、スラストワッシャ36をより冷却することができると共に、摺接面36bの潤滑性をも向上させることができる(当接面36aにより多くの潤滑油が流れるようにすることで、当接面36aの潤滑油がスラストワッシャ36の側面を伝って摺接面36bにも多く流れ込むようになるため、結果的に摺接面36bの潤滑性も向上する)。
以上の如く、この発明の実施例にあっては、クランクシャフト20が重力方向と平行になるように船体16に取り付け可能なエンジン18を備えると共に、前記クランクシャフトのクランクアーム20cに連結されるクランクジャーナル20aを回転自在に支持するジャーナル支持部30と、前記クランクジャーナルと前記ジャーナル支持部との間に設けられ、前記クランクジャーナルの径方向の荷重を受けるジャーナル軸受(メインメタル)34と、前記クランクアームと前記ジャーナル支持部(バルク部30a)との間に設けられ、前記クランクシャフトの軸方向の荷重を受けるスラスト軸受(スラストワッシャ)36と、前記クランクシャフトに接続(バーチカルシャフト42を介してクランクシャフト20に接続)され、前記ジャーナル支持部に形成される第1油路(サブギャラリ)60を介して潤滑油を前記ジャーナル軸受に供給する油圧ポンプ(オイルポンプ)52とを備える船外機10において、前記第1油路から分岐して前記潤滑油の一部を前記スラスト軸受に供給する第2油路(分岐路)62を形成する如く構成したので、スラストワッシャ(特に、上方からバルク部30aに当接されるスラストワッシャ(バルク部30aの上側に配置されるスラストワッシャ))36に潤滑油が供給されることで、スラストワッシャ36の摺接面36bの潤滑性やスラストワッシャ36の冷却性を向上させることができる。従って、クランクシャフト20が重力方向と平行に配置される船外機10のエンジン18であって、スラストワッシャ36に上方からクランクシャフト20等の重量が常に加わってスラストワッシャ36とクランクアーム20cとが接触状態となる場合であっても、スラストワッシャ36の摺接面36bには大きな荷重や熱が発生せず、スラストワッシャ36の表層剥離や異常磨耗等を抑制することができる。また、前記スラスト軸受は、重力方向において上方から前記ジャーナル支持部に当接される第1スラスト軸受(バルク部30aの上側に配置されたスラストワッシャ)36と、重力方向において下方から前記ジャーナル支持部に当接される第2スラスト軸受(バルク部30aの下側に配置されたスラストワッシャ)36とからなると共に、前記油圧ポンプは、前記潤滑油の一部を前記第2油路を介して前記第1スラスト軸受に供給する如く構成したので摺接面36bにより大きな荷重と熱が発生するバルク部30aの上側に配置されたスラストワッシャ36に対して潤滑性と冷却性を向上させることができる。また、前記第2油路は、前記第1スラスト軸受と第2スラスト軸受のうち、前記第1スラスト軸受にのみ連通する如く構成したので、摩擦の大きい上側に優先的に潤滑油を供給できると共に、構成を簡易にすることができる。
また、前記スラスト軸受は、前記ジャーナル支持部に当接する当接面36aと前記クランクアームに摺接する摺接面36bを有すると共に、前記第2油路は、前記潤滑油の一部を少なくとも前記スラスト軸受の前記当接面に供給する如く構成したので、スラストワッシャ36の当接面36aに直接潤滑油を供給することができるため、スラストワッシャ36の冷却性をより向上させることができる。
また、前記スラスト軸受に前記当接面と前記摺接面を貫通する貫通孔36cを形成すると共に、前記貫通孔を前記第2油路に接続する如く構成したので、潤滑油は貫通孔36cを通過して摺接面36bにも供給されるため、スラストワッシャ36の摺接面36bの潤滑性やスラストワッシャ36の冷却性をより向上させることができる。
また、前記スラスト軸受の前記摺接面に前記クランクジャーナルの周方向に沿って延びる円弧状の第1油溝(油溝)36b1を形成すると共に、前記第1油溝を前記第2油路に接続する如く構成したので、油溝36b1によってスラストワッシャ36の摺接面36bに供給された潤滑油が摺接面36b全体に広く行き渡るようになるため、スラストワッシャ36の摺接面36bの潤滑性やスラストワッシャ36の冷却性を一層向上させることができる。
また、前記スラスト軸受の前記摺接面に前記第1油溝から分岐して前記摺接面の端縁まで延びる第1分岐溝(分岐溝)36b2を形成する如く構成したので、分岐溝36b2によって油溝36b1を流れる潤滑油を摺接面36bの外へ排出することができるため、摺接面36bにより多くの潤滑油を流すことができるようになり、スラストワッシャ36の摺接面36bの潤滑性やスラストワッシャ36の冷却性をより一層向上させることができる。
また、前記スラスト軸受の前記当接面に前記クランクジャーナルの周方向に沿って延びる円弧状の第2油溝(油溝)36a1を形成すると共に、前記第2油溝を前記第2油路に接続する如く構成したので、油溝36a1によってスラストワッシャ36の当接面36aに供給された潤滑油が当接面36a全体に広く行き渡るようになるため、スラストワッシャ36の冷却性を一層向上させることができる。
また、前記スラスト軸受の前記当接面に前記第2油溝から分岐して前記当接面の端縁まで延びる第2分岐溝(分岐溝)36a2を形成する如く構成したので、分岐溝36a2によって油溝36a1を流れる潤滑油を当接面36aの外へ排出することができるため、当接面36aにより多くの潤滑油を流すことができるようになり、スラストワッシャ36の冷却性をより一層向上させることができる。
尚、実施例では、分岐路62を介して、バルク部30aの上側に配置されるスラストワッシャ36にのみ潤滑油を供給するようにしたが、分岐路62をサブギャラリ60から下方側にも延ばしてバルク部30aの下側に配置されるスラストワッシャ36にも潤滑油を供給するようにしても良い。
また、実施例では、スラストワッシャ36の摺接面36bのみに油溝36b1や分岐溝36b2を設ける場合と、スラストワッシャ36の当接面36aと摺接面36bの両方に油溝36a1,36b1や分岐溝36a2,36b2を設ける場合を説明したが、例えばスラストワッシャ36の摺接面36bには油溝36b1や分岐溝36b2を設けずに、当接面36aのみに油溝36a1や分岐溝36a2を設けるようにしても良い。尚、当接面36aのみに油溝36a1や分岐溝36a2を設ける場合にはスラストワッシャ36には貫通孔36cを形成してもしなくても良い。
10 船外機、16 船体、18 エンジン、20 クランクシャフト、20a クランクジャーナル、20c クランクアーム、24 シリンダブロック、30 ジャーナル支持部、30a バルク部、30b ベアリングキャップ、34 メインメタル(ジャーナル軸受)、36 スラストワッシャ(スラスト軸受)、36a スラストワッシャの当接面、36a1 油溝(第2油溝)、36a2 分岐溝(第2分岐溝)、36b スラストワッシャの摺接面、36b1 油溝(第1油溝)、36b2 分岐溝(第1分岐溝)、36c スラストワッシャの貫通孔、52 オイルポンプ(油圧ポンプ)、60 サブギャラリ(第1油路)、62 分岐路(第2油路)

Claims (7)

  1. クランクシャフトが重力方向と平行になるように船体に取り付け可能なエンジンを備えると共に、前記クランクシャフトのクランクアームに連結されるクランクジャーナルを回転自在に支持するジャーナル支持部と、前記クランクジャーナルと前記ジャーナル支持部との間に設けられ、前記クランクジャーナルの径方向の荷重を受けるジャーナル軸受と、前記クランクアームと前記ジャーナル支持部との間に設けられ、前記クランクシャフトの軸方向の荷重を受けるスラスト軸受と、前記クランクシャフトに接続され、前記ジャーナル支持部に形成される第1油路を介して潤滑油を前記ジャーナル軸受に供給する油圧ポンプとを備える船外機において、前記第1油路から分岐して前記潤滑油の一部を前記スラスト軸受に供給する第2油路を形成し、
    前記スラスト軸受は、重力方向において上方から前記ジャーナル支持部に当接される第1スラスト軸受と、重力方向において下方から前記ジャーナル支持部に当接される第2スラスト軸受とからなると共に、前記油圧ポンプは、前記潤滑油の一部を前記第2油路を介して前記第1スラスト軸受に供給し、
    前記第2油路は、前記第1スラスト軸受と第2スラスト軸受のうち、前記第1スラスト軸受にのみ連通することを特徴とする船外機。
  2. 前記スラスト軸受は、前記ジャーナル支持部に当接する当接面と前記クランクアームに摺接する摺接面を有すると共に、前記第2油路は、前記潤滑油の一部を少なくとも前記スラスト軸受の前記当接面に供給することを特徴とする請求項記載の船外機。
  3. 前記スラスト軸受に前記当接面と前記摺接面を貫通する貫通孔を形成すると共に、前記貫通孔を前記第2油路に接続したことを特徴とする請求項記載の船外機。
  4. 前記スラスト軸受の前記摺接面に前記クランクジャーナルの周方向に沿って延びる円弧状の第1油溝を形成すると共に、前記第1油溝を前記第2油路に接続したことを特徴とする請求項記載の船外機。
  5. 前記スラスト軸受の前記摺接面に前記第1油溝から分岐して前記摺接面の端縁まで延びる第1分岐溝を形成したことを特徴とする請求項記載の船外機。
  6. 前記スラスト軸受の前記当接面に前記クランクジャーナルの周方向に沿って延びる円弧状の第2油溝を形成すると共に、前記第2油溝を前記第2油路に接続したことを特徴とする請求項2からのいずれかに記載の船外機。
  7. 前記スラスト軸受の前記当接面に前記第2油溝から分岐して前記当接面の端縁まで延びる第2分岐溝を形成したことを特徴とする請求項記載の船外機。
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