JP6386150B2 - 窒素酸化物センサー及びこれの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、窒素酸化物センサーに関する構造と製造方法に関し、より詳しくは溶射コーティングされた固体電解質層を有する窒素酸化物センサーに関する構造と製造方法に関する。
センサーは、物理量や化学量の絶対値や変化、音、光、電波の強度を検知及び検出したり判別及び測定して有用な信号に変換する機能を備えた素子である。
特に化学センサーは、外部の化学物質または化学量を選択的に感知して電気信号に変換する素子であり、化学センサーの受感部で感知物質に対する選択機能を有し、その変換部で電気信号に変換する機能を備えたものである。
固体電解質を利用した電気化学式ガスセンサーは、大気だけでなく、溶融金属などの苛酷な環境でも安定的で、特定の化学種を感知する特に優秀な方法である。
自動車のエンジン、ディーゼルエンジンなどの内燃機関の作動時に発生する排気ガス中には相当量のNO、CO、H及び炭化水素が注入バルブの機能障害または不完全燃焼の結果で発生し得る。従って、燃焼反応を最適化するためには排気ガスの組成を知る必要がある。
特に、窒素酸化物(NO)は、自動車のエンジンでの燃焼空気(O+N)及び燃料に含まれた窒素が、温度及び圧力などの影響を受けて酸素と結合して生成される。窒素(NO)、二酸化窒素(NO)、及び三酸化二窒素(N)を含んだものを総称して窒素酸化物またはNOと表示する。
特に、NOは刺激的な匂いがする有毒な気体であり、多くのNOは、NO及びNOである。NOは車両などによって相当量発生する大気汚染源であり、これの制御及び管理のためにNO濃度測定の必要性が増加している。
測定しようとするガス成分が含まれた固体物質が存在しなかったり、熱的安定性が脆弱な場合には適合したセンサー用セルを構成することができない。NH、C、NO、NOガスなどがこのケースに該当し、このようなガス測定のために電気化学−触媒的特性を有する貴金属または酸化物電極を利用して製作されたのが、混合電位型センサー(mixed potentiometric type sensor)である。
特に、従来のNOの濃度を測定することができるセンサーは混合電位方式を利用するNOセンサーが提案されている。混合電位型センサーの構造は、単純で、固体電解質、貴金属基準電極及び酸化物感知電極で構成されている。
通常、固体電解質は、酸素イオン伝導体である安定化ジルコニアを使用し、貴金属基準電極は、酸素電極の特性を示す白金(Pt)が使用され、酸化物感知電極は、酸化物半導体が主に利用される。
混合電位型センサーの感知電極では二つの電気化学反応が同時に起きて、これら電気化学反応の速度が等しくなる条件で決定される混合電位ポテンシャルと基準電極の平衡ポテンシャルとの間に測定される起電力信号を利用する。
混合電位方式のセンサーは、熱力学的に平衡状態にないCO、HC、NOなどのガスをセンシングする方法である。貴金属触媒電極と酸化物触媒電極との間の触媒反応差を利用するので、起電力方式のネルンストの法則(Nernstian behavior)に従わない。
混合電位方式を利用するNOセンサーの酸化物感知電極は、NOと酸素に反応性を有するが基準電極は酸素にだけ反応性を有している。従って、ガス中に含まれたNOの濃度により基準電極と酸化物感知電極との間に電圧差が生じるので、この起電力の差の値を測定してNOの量を測定する方式が混合電位方式である。
NOによる混合電位の大きさは、酸化物によって異なるが、酸化物の微細構造、酸化物電極と電解質の界面、電極の厚さ、ガスと電解質の三重点界面、ガスの吸着、電極の触媒/電気化学触媒活動度(catalytic/electrocatalytic reactivity)等により異なる。
一般に酸化物電極のNOの酸化還元反応に対する触媒性能が高いほど、NOは酸化物/電極/電解質界面にまで到達できず、多くは電極表面でNOが酸化還元反応を起こして混合電位の大きさが少ない問題点がある。
従来の混合電位方式を利用するNOセンサーは、酸素イオン伝導体である固体電解質層を含んでいる。固体電解質層を製作するために固体電解質粉末を利用して成型体を作って、これを焼結して製作する。これの方法で製作された焼結体は、焼結温度により孔隙率が決まるが、焼結温度が高いほど孔隙率は小さくなる傾向を示す。これは、固体電解質層のイオン伝導度に影響を与えてNOセンサーの性能を低下させる問題点がある。
特許文献1(出願日2007年4月5日)では、NOセンサーを酸素イオン伝導性の固体電解質、酸化物感知電極及び貴金属電極で構成し、酸素イオン伝導性固体電解質と酸化物感知電極は少なくとも二つ以上の界面を形成する構造で製作して効率が向上したNOセンサーを開示する。
特に、EMF=α1lnPNO2−α2PNO+αの濃度算出方程式を利用して、全窒素酸化物の濃度を算出しているので、一定範囲にある窒素酸化物の濃度にだけ適合するとの問題点がある。
また、固体電解質と感知電極が少なくとも二つ以上の界面を形成している構造で、高費用及び製作方法が難しい問題点がある。
また、固体電解質の両面に感知電極を部分的に形成しているので、材料間の熱膨張による基板の撓みが発生しやすい。
特許文献2(出願日1998年12月10日)では多孔性の固体電解質を含むセンサーであり、NO、CO、H、不飽和炭化水素類及びその他ガスを決めるセンサーを開示する。
触媒的に有効な固体電解質材質を選定して、基準電極を撹乱するガスが酸化されるようにして信号評価を簡略化または評価可能にする。これのための方法で固体電解質及び測定電極も多孔質化して測定対象ガスの分子が基準電極に拡散するのをさらに改善することができる。
または、固体電解質に電極物質に該当する添加物を混合して、電極の付着力向上で、センサーの寿命を改善することができると主張している。
しかし、固体電解質物質に電極物質を添加する場合に、固体電解質の酸素イオン伝導度の低下の可能性が高いので、全体的にセンサーの性能低下の可能性が大きくなる問題点がある。
また、多孔質化された固体電解質の感知電極との接触面積は、限定されている状態なので、窒素酸化物(NO)センサーの性能及び寿命向上には寄与し難しい。
韓国登録特許第10−0864381号公報 韓国公開特許第10−2000−0016502号公報
本発明が解決しようとする第一の技術的課題は、窒素酸化物を高効率でセンシングする窒素酸化物センサーを提供することにある。
また、本発明が解決しようとする第二の技術的課題は、前記第一の技術的課題を達成するための窒素酸化物センサーの製造方法を提供することにある。
上述した第一の技術的課題を達成するための本発明は、基板、前記基板の一方の面上に配置された緩衝層、前記緩衝層上に配置されて、前記緩衝層の表面粗度より大きい表面粗度を有する固体電解質層、前記基板の他方の面側に配置されたバランス層、前記バランス層上に配置された白金ヒーター層、前記固体電解質層上の一部分に配置された感知物質層、前記感知物質層と離隔していて、前記固体電解質層上に配置された第一の電極及び前記感知物質層上に配置された第二の電極を含む窒素酸化物センサーであることを特徴とする。
前記基板の材質は、アルミナ、多孔性アルミナ、シリコン、酸化シリコン、ジルコニア、安定化ジルコニア及びシリコンカーバイドからなる群から選択されたいずれか一つを有することができる。
前記固体電解質層は、酸化マグネシウム、ジルコニア、イットリア、安定化ジルコニア、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)及びアルミナ安定化ジルコニアからなる群から選択されたいずれか一つであり得る。
前記感知物質層は、NiO、YSZが混合されたNiO、CuO、LaNiO、LaSrMnO、nitrateが固溶されたGd、Sr(NO、Ba(NO、Cr、Fe、LaCoO、2CuO・Cr、ペロブスカイト(Perovskite)構造の酸化物及びスピネル(spinel)構造の酸化物からなる群から選択されたいずれか一つを有することができる。
前記第一の電極及び前記第二の電極は、Pt、Au、Cu、Ni及びZnOからなる群から選択されたいずれか一つを有することができる。
前記緩衝層及び前記バランス層は、アルミナ、ジルコニア、安定化ジルコニア、イットリア、シリコン酸化物、チタニア及びシリコンカーバイドからなる群から選択されたいずれか一つを有することができる。
上述した第二の技術的課題を達成するための本発明は、基板を準備する段階、前記基板の一方の面上に緩衝層を形成する段階、前記基板の他方の面側にバランス層を形成する段階、前記バランス層上に白金ヒーター層を形成する段階、前記緩衝層上に配置されて、前記緩衝層の表面粗度より大きい表面粗度を有する固体電解質層を形成する段階、前記固体電解質層上の一部分に感知物質層を形成する段階、前記感知物質層上に第一の電極を形成する段階及び前記感知物質層と離隔して、前記固体電解質層上に第二の電極を形成する段階を含む窒素酸化物センサーの製造方法を提供する。
前記緩衝層は、アルミナ、ジルコニア、安定化ジルコニア、イットリア、シリコン酸化物、チタニア及びシリコンカーバイドからなる群から選択されたいずれか一つである窒素酸化物センサーの製造方法を提供する。
前記バランス層は、アルミナ、ジルコニア、安定化ジルコニア、イットリア、シリコン酸化物、チタニア及びシリコンカーバイドからなる群から選択されたいずれか一つである窒素酸化物センサーの製造方法を提供する。
前記固体電解質層は、溶射コーティング方法で形成された窒素酸化物センサーの製造方法を提供する。
前記固体電解質層は、ジルコニア、イットリア、安定化ジルコニア、イットリア安定化ジルコニア、アルミナ及びイットリア安定化ジルコニア、ハフニア安定化ジルコニアからなる群から選択されたいずれか一つである窒素酸化物センサーの製造方法を提供する。
前記感知物質層は、NiO、YSZが混合されたNiO、CuO、LaNiO、LaSrMnO、nitrateが固溶されたGd、Sr(NO、Ba(NO、Cr、Fe、LaCoO、2CuO・Cr、ペロブスカイト(Perovskite)構造の酸化物、スピネル(spinel)構造の酸化物からなる群から選択されたいずれか一つである窒素酸化物センサーの製造方法を提供する。
上述した本発明によると、溶射コーティング方式を利用して製作された固体電解質層を含む窒素酸化物センサーの性能を大きく向上する効果がある。
また、基板の両面に緩衝層とバランス層を採用して安定した固体電解質層を製作することができるので、窒素酸化物センサーの使用を大きく延長する効果がある。
また、低価工程である溶射コーティング工程を導入して窒素酸化物センサーを製作することによる低価高性能の窒素酸化物センサーの製作を可能にする効果がある。
また、固体電解質層の表面粗度を制御して窒素酸化物センサーの感度を制御するので、ガス高感度特性を満足する窒素酸化物センサー製作が可能になる効果がある。
本発明の好ましい実施形態に係る窒素酸化物(NO)センサー構造の断面図である。 本発明の好ましい実施形態に係る緩衝層及びバランス層を含む窒素酸化物(NO)センサー構造の断面図である。 本発明の一実施形態に係る溶射ガンを利用して溶射粉末が基板上にコーティングされる工程の模式図である。 本発明の好ましい実施例に係るアルミナ基板上に形成された緩衝層の断面イメージである。 本発明の好ましい実施例に係るアルミナ基板上に形成された緩衝層の焼成温度に係る断面イメージである。 本発明の好ましい実施例に係るアルミナ基板の表面処理に係る表面粗さに関する表面イメージである。 本発明の好ましい実施例に係る8mol%イットリア安定化されたジルコニア(8YSZ)粉末の粒度分析グラフである。 本発明の好ましい実施例に係るサンディング処理されたアルミナ基板上に8YSZ粉末及びLGZ+8YSZをコーティングして形成された固体電解質層の断面図である。LGZは、Lantanium Gadolinium Zirconiaで、基本造成式はLa1−xGdZrOである。 本発明の好ましい実施例に係る緩衝層110がスプレーコーティングされたアルミナ基板の緩衝層上に8YSZ及びLGZ+8YSZを形成して、これの緩衝層及び固体電解質層の断面図である。 本発明の好ましい実施例に係る緩衝層がスプレーコーティングされたアルミナ基板の緩衝層上に8YSZ及びLGZ+8YSZを形成して、これの緩衝層及び固体電解質層の詳細断面図である。 本発明の好ましい実施例に係る最適条件で緩衝層上に固体電解質層が形成されたサンプル表面のイメージである。 本発明の好ましい実施例に係る最適条件で緩衝層上に固体電解質層が形成されたサンプルの内部気孔を測定したイメージである。 本発明の好ましい実施例に係る温度変化による溶射皮膜のイオン伝導度に対するグラフである。 本発明の好ましい実施形態に係るNOセンサー製作工程に関する工程図である。 本発明の好ましい実施例に係るNOセンサーのパッケージングイメージとNOセンサーの完了した構造体に関するイメージである。 本発明の好ましい実施例に係る固体電解質層の製作方法により製造されたNOセンサーの起電力評価グラフである。 本発明の好ましい実施例に係る感知物質層の種類によるNOセンサーの性能評価に関するグラフである。
本発明は、様々な変更を加えることができて、様々な形態を有することができ、特定実施例を図面に例示して本文に詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定の開示形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるいずれの変更、均等物乃至代替物を含むものと理解されなければならない。各図面を説明しながら類似する参照符号を類似する構成要素に対して使用した。
異なるように定義されない限り、技術的や科学的な用語を含んでここで使用されるいずれの用語は、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって通常理解されるものと同じ意味を有している。通常使用される辞典に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本出願で明白に定義しない限り、理想的や過度に形式的な意味と解釈されない。
以下、添付図を参照して、本発明の好ましい実施形態をより詳細に説明する。
図1は、本発明の好ましい実施形態に係る窒素酸化物(NO)センサー構造の断面図である。
図1を参照すると、アルミナ基板20上に固体電解質層30が形成されて、アルミナ基板20の他面には加熱機能の白金ヒーター層10が形成されている。
また、固体電解質層30上には感知物質層40が形成されて、感知物質層40と離隔した位置に第二の電極60が形成されて、感知物質層40上には第一の電極50が形成されている混合電位センサーの構造である。
混合電位センサーでは酸化物感知電極が重要で、固体電解質層30の形状構造がセンサーの性能に重要な影響を与える。
固体電解質層30は、安定化ジルコニア材質で、特にイットリア安定化されたジルコニア(YSZ)である。固体電解質層30は、LGZ(Lantanium Gadolinium Zirconia)、CeO、Yまたはジルコニアが混合されたAl、安定化ジルコニアであってもよく、酸素イオン伝導度を向上させるために多孔性YSZを形成することができる。
固体電解質層30は、粉末がローディングされた溶射ガン(spray gun)を利用して皮膜を形成する。様々な溶射ガンがあるが、本発明では主にDCプラズマガンを利用して溶射皮膜を製作する。
本発明では、イットリア安定化ジルコニア粉末を適用して、溶射コーティング方法による溶射皮膜を製作する。溶射皮膜を製作時に溶射コーティング条件により多孔性の皮膜層形成及び皮膜層表面の表面粗さを制御することができる。
なお、本明細書において、別段の説明のない限り、「表面粗度」または「表面粗さ」は、算術平均粗さRaをいう。
溶射コーティングされたイットリア安定化ジルコニア皮膜層の表面状態を見ると、相当水準のピークが多数存在し、皮膜層の表面積は、アルミナ基板の表面積対比数十倍以上増加した。これは、イットリア安定化ジルコニア粉末を利用して製作された焼結体の表面状態と比較してみると、皮膜層の表面積は、イットリア安定化ジルコニア粉末を利用して製作された焼結体の表面積対比数十倍以上増加した。
容易にイットリア安定化ジルコニアをスクリーン印刷(screen printing)またはグリーンシート(green sheet)を利用して形成することができ、技術者はこの方法の便宜性に相当適応されていた。
本発明では、異種技術の適用観点から溶射技術を窒素酸化物製作に適用していて、センサー製作上の非常に難しい難関を技術的に克服した。
固体電解質層30の表面粗さの増大は、NOセンサーのセンシング感度を高めることになり、NOセンサーの濃度の正確度及び信頼性が向上する。これは実行せずには確認することが難しい技術的な事項である。
NOセンサーにおける固体電解質層30には、高い緻密性と高い表面粗度が要求される。溶射コーティングは、顆粒粉末(溶射粉末)を火炎に投入して粉末の表面を部分的に溶融させる。一方で、粉末の各粒子内部は、固体状態が維持される。この結果、固体電解質層30は、その形成時において固体状体の粒子内部同士が液状の表面により融着し、粒子形状に起因した表面を形成する。
なお、溶射コーティングにおいては、溶射粉末として、例えば5〜53μmの平均粒径の材料を使用することができる。平均粒径が5μm以上であることにより、固体電解質層30の表面粗度の低下を防止しつつ緻密度を大きくすることができる。平均粒径が53μm以下であることにより、固体電解質層30の緻密性の低下を防止ししつつ、表面粗度を十分に大きくすることができる。
NOセンサーを加熱するための白金ヒーター層10は、白金ペーストを利用してアルミナ基板20の他面に塗布されて、焼成して完成される。白金ペーストにはNi、CuまたはAuなどが含まれてもよい。
第一の電極50及び第二の電極60は、Au、Ag、Ni、Ni alloy、NiCr、AgNi、Pt、Pt alloy、Cu及びCu alloyのうち少なくともいずれか一つであり得る。第一の電極50及び第二の電極60は、金属ペーストを利用して塗布し焼成して製作する。また、金属スパッタリング、金属熱蒸着などの方法を使用することができる。
感知物質層40は、注入されるNOガスの分解により酸素イオンが形成されて、酸素イオンは、固体電解質層30を通して移動するので、電極の間には起電力が発生するようになる。
感知物質層40として使用できる材料は、Ba(NO、NiO、YSZが混合されたNiO、CuO、LaNiO、LaSrMnO、nitrateが固溶されたGd、Sr(NO、Ba(NO、Cr、Fe、LaCoO、2CuO・Cr、ペロブスカイト(Perovskite)構造の酸化物及びスピネル(spinel)構造の酸化物のうち少なくともいずれか一つを使用することができる。
図2は、本発明の好ましい実施形態に係る緩衝層及びバランス層を含む窒素酸化物(NO)センサー構造の断面図である。
図2を参照すると、アルミナ基板20上に緩衝層110が形成されていて、緩衝層110上に固体電解質層30が形成されて、アルミナ基板20の他側面にはバランス層120が形成されて、バランス層120上に加熱機能の白金ヒーター層10が形成されている。
また、固体電解質層30上には感知物質層40が形成されて、感知物質層40と離隔した位置に第二の電極60が形成されて、感知物質層40上には第一の電極50が形成されている。
緩衝層110は、アルミナ、ジルコニア、安定化ジルコニア、イットリア、シリコン酸化物、チタニア及びシリコンカーバイドのうちで選択されたいずれか一つでありうる。溶射コーティングによって固体電解質層30をアルミナ基板20上に形成する時、熱膨張の差によるアルミナ基板20の撓み現象が発生する可能性がある。これによって固体電解質層30の脱落が発生し易くなる可能性がある。これを防止するために、アルミナ基板20上に緩衝層110を形成して熱膨張特性によるアルミナ基板20の変形または固体電解質層30の脱落などの問題を抑制する。
すなわち、一般に溶射コーティングにより固体電解質層を形成する場合、固体電解質層は膜厚が比較的小さいことから、窒素酸化物センサーの機械的強度が小さくなりやすい。さらに、一般にアルミナ基板上に溶射コーティングを行うと、アルミナ基板の低い表面粗度に起因して、固体電解質層の形成が困難である。
このために、本実施形態においては緩衝層110を配置し、緩衝層110上に固体電解質層30を形成する。このような緩衝層110により、固体電解質層30を溶射コーティングを用いてより好適に形成することが可能となる。また、形成される固体電解質層30を緩衝層110より大きくすることができる。
具体的には、表面が溶融した固体電解質層30の顆粒材料(溶射粉末)を緩衝層110に衝突させることにより、溶射粉末の表面付近に存在する液状部分は、緩衝層110の表面部分の空隙を埋めて、新たな表面粗度を有する緩衝層110の表面を形成する。一方で、固体電解質層30の表面粗度は、溶射粉末の粒径等に起因して緩衝層110の粗度よりも大きくなる。さらに、溶射粉末の液状部分が固体電解質層30の間隙を埋めることにより、固体電解質層30の緻密度も向上する。
緩衝層110は、通常のスプレーコーティング方式で製作される。アルミナ粉末を含むスラリーをスプレーコーティング機にローディングした後、スプレーコーティング、乾燥及び熱処理を介して緩衝層110は形成できる。なお、熱処理後には、緩衝層110により、アルミナ基板20と固体電解質層30との間の接合を強化し、固体電解質層30の表面粗度を大きくすることができる。また、緩衝層110をスプレーコーティングによって形成することにより、固体電解質層30の表面粗度がより一層大きくなる。
また、緩衝層110の表面粗度は、熱処理における温度により制御可能である。緩衝層110の表面粗度は、熱処理において加熱温度が大きいほど、減少する傾向にある。一方で、酸または塩基等により表面処理を行っても、緩衝層110の表面粗度は影響を受けない。
バランス層120は、アルミナ基板20の他面に形成されたもので、緩衝層110の形成で発生可能なアルミナ基板20の撓み現象を防止して、NOセンサーの稼動中に発生する高熱によって、固体電解質層30との熱膨張差があるアルミナ基板20の撓みまたは固体電解質層30の脱落などを防止するためのものである。
バランス層120の形成方法は、通常のコーティング方法で可能で、本発明ではスプレーコーティング方法を使用する。
バランス層120は、アルミナ、ジルコニア、安定化ジルコニア、イットリア、シリコン酸化物、チタニア及びシリコンカーバイドの中から選択されたいずれか一つであり得る。
また、緩衝層110とバランス層120は、同じ材料であってもよく、厚さまたは表面粗さは異なってもよい。
図3は、本発明の一実施例に係る溶射ガンを利用して溶射粉末が基板上にコーティングされる工程の模式図である。
図3を参照すると、溶射粉末は溶射ガンのスプレーフリューム(flume)の中に投入されて、溶解して準備された基板上にコーティングされていることを見ることができる。溶射コーティング時には基板移動または溶射ガンの移動によってコーティングは進行される。
プラズマ溶射ガンを利用した溶射コーティングにおいて、プラズマの内部温度は12,000〜18,000℃で、プラズマの炎の移動速度は600〜700m/secと非常に速い速度である。溶射コーティング方法でセラミック材質の溶射粉末を高温のプラズマを利用して迅速に溶融させて、溶融した溶射粉末を速い速度で母材の表面に伝達して溶融したセラミック粉末を接着させる。プラズマの炎によって溶融した粉末の温度は、約2000〜3000℃で、溶融した粉末が母材にコーティングされる時の温度は約600〜700℃である。
特に、大気プラズマ溶射コーティング装備は、コーティングロボット、高温のプラズマ発生装置であるプラズマスプレーガン、粉末供給装置であるホッパー(Hopper)、溶射コーティング条件を調節可能にする制御部及び高温のプラズマによって発生可能な装備破損を防ぐためにプラズマスプレーガンの内部に冷却水を供給する冷却装置で構成されている。
実施例1
アルミナ基板20上に緩衝層110を形成するためのアルミナ粉末を含むスラリーを準備する。スラリーの粘度は、スプレーコーティングに適正な粘度を有するように製作し、乾燥及び熱処理してアルミナ基板20上にアルミナ粉末を含む緩衝層110を形成する。
図4は、本発明の好ましい実施例に係るアルミナ基板20上に形成された緩衝層110の断面イメージである。
図4(a)〜図4(d)を参照すると、電子顕微鏡の倍率を拡大して緩衝層110の断面を示す。アルミナ基板20上に形成された緩衝層110の屈曲が類似水準に形成されたことを確認することができる。
図5は、本発明の好ましい実施例に係るアルミナ基板20上に形成された緩衝層110の焼成温度に係る断面イメージである。
図5(a1)〜図5(d4)を参照すると、(a1)及び(a2)は、1200℃で焼成した緩衝層110の断面イメージで、(b1)及び(b2)は、1300℃で焼成した緩衝層110の断面イメージで、(c1)及び(c2)は、1400℃で焼成した緩衝層110の断面イメージで、(a1)及び(a2)は、1500℃で焼成した緩衝層110の断面イメージである。
緩衝層110の粗度は熱処理温度により異なる値を示し、平均粗度値が2μm以上であることを表1から確認することができる。また、緩衝層110の焼成温度が増加するほど緩衝層110の表面粗度は低くなる傾向を示す。
図6は、本発明の好ましい実施例に係るアルミナ基板20の表面処理による表面粗度に関する表面イメージである。
図6(a)〜図6(e)を参照すると、(a)は表面処理前のアルミナ基板20の表面イメージで、(b)はG/B表面処理(Grit Blasting Sanding処理)をしたアルミナ基板20の表面イメージで、(c)は酸溶液でエッチング処理したアルミナ基板20の表面イメージで、(d)は塩基性溶液でエッチング処理したアルミナ基板20の表面イメージである。また、(e)はアルミナ基板20上にスプレーコーティング方法で形成された緩衝層110の表面イメージである。
アルミナ基板20の表面処理条件による表面粗度値は表2にまとめられている。図6の表面イメージに示された通り、アルミナ基板20の表面処理条件による粗度の差は殆どないことが分かる。
アルミナ基板20の表面をサンディング方式を適用して表面粗さ形成を行ったが、未処理アルミナ基板20の表面状態とほとんど差がなかった。塩基性溶液を利用したアルミナ基板20処理時にアルミナが塩基溶液と化学反応をしたが、アルミナ基板20の表面の粗度にはほとんど影響を与えなかった。
実施例2
実施例1で準備された緩衝層110がコーティングされたアルミナ基板20を使用して固体電解質層30を形成する。
固体電解質層30の形成時に使用したプラズマ溶射ガンとアルミナ基板20との離隔距離は、150mmであり、8YSZ(8YSZは8mol% Yttria stabilized Zirconiaを意味する。)の粉末供給量は30g/minにして、100μm厚さの固体電解質層30を形成した。固体電解質層30の厚さは、50μm〜200μmの範囲で形成されるが、これに限定されない。また、使用した8YSZの平均粒径は5〜53μmの範囲内にあった。
図7は、本発明の好ましい実施例に係る8mol%イットリア安定化されたジルコニア(8YSZ)粉末の粒度分析グラフである。
図7(a)及び図7(b)を参照すると、(a)は、噴霧乾燥で製作された顆粒粉末を1200℃で4時間1次焼結を進行した後、1次焼結された粉末に対する粒度測定結果である。1次焼結された粉末のD90は54.11μmで、見かけ密度は1.7016
g/ccである。(b)は、(a)の1次焼結された粉末を1600℃で4時間2次焼結を進行した後、2次焼結された粉末に対する粒度測定結果である。2次焼結された粉末のD90は、47.58μmで、見かけ密度は2.785g/ccである。
図8は、本発明の好ましい実施例に係るサンディング処理されたアルミナ基板20上に8YSZ粉末及び(LGZ+8YSZ)をコーティングして形成された固体電解質層30の断面図である。LGZは、Lantanium Gadolinium Zirconiaで、基本組成式はLa1−xGdZrOである。また、使用した8YSZおよびLGZ+8YSZの平均粒径は5〜53μmの範囲内にあった。
図8(a)〜図8(d)を参照すると、(a)及び(b)は、サンディング処理されたアルミナ基板20上に8YSZを溶射コーティングして固体電解質層30を形成したサンプルの断面イメージである。アルミナ基板20の粗度が低い値で、コーティングされた固体電解質層30の表面粗度も同様に低い粗度を示す。(c)及び(d)は、サンディング処理されたアルミナ基板20上にLGZ及び8YSZを溶射コーティングして固体電解質層30を形成したサンプルの断面イメージである。溶射粉末の材料を変更して溶射コーティングを進行した場合にも固体電解質層30の表面粗度は低い値を示す。
図9は、本発明の好ましい実施例に係る緩衝層110がスプレーコーティングされたアルミナ基板20の緩衝層110上に8YSZ及びLGZ+8YSZを形成して、これの緩衝層110及び固体電解質層30の断面図である。
図9(a)〜図9(d)を参照すると、(a)及び(b)は、固体電解質層30で8YSZがコーティングされた断面で、(c)及び(d)は、LGZ+8YSZがコーティングされたサンプルの断面図である。
図9(b)及び図9(d)を参照すると、固体電解質層30と緩衝層110の界面での接着状態が非常に強いものと理解することができる。また、(a)及び(c)を参照すると、固体電解質層30の表面の粗度が、緩衝層110の粗度と同様に形成されたことを把握することができる。
図10は、本発明の好ましい実施例に係る緩衝層110がスプレーコーティングされたアルミナ基板20の緩衝層110上に8YSZ及びLGZ+8YSZを形成して、これの緩衝層110及び固体電解質層30の詳細断面図である。
図10(a)〜図10(d)を参照すると、固体電解質層30の表面の粗度が非常に大きい状態であることが分かる。
図11は、本発明の好ましい実施例に係る最適条件で緩衝層110上に固体電解質層30が形成されたサンプル表面のイメージである。
図11(a)及び図11(b)を参照すると、固体電解質層30の表面粗度が非常に大きい状態であることが分かる。
図12は、本発明の好ましい実施例に係る最適条件で緩衝層110上に固体電解質層30が形成されたサンプルの内部気孔を測定したイメージである。
図12を参照すると、最適条件で緩衝層110上に固体電解質層30が形成されたサンプルのコーティング層の内部気孔率は5.4%であった。
評価例1
本発明の8YSZで製作した溶射コーティング膜であるサンプル#1とサンプル#2のイオン伝導度を他社のYSZを利用して製作した溶射コーティング膜である他社サンプルと比較してみると、サンプル#1とサンプル#2で溶射コーティング膜のイオン伝導度が酸素分圧と関係なく一定の値を有していることを確認した。また、本発明の8YSZは、焼結密度が95%以上で、粒子間のネッキング(necking)が充分に行われていて、イオン伝導がスムーズ行われている。
図13は、本発明の好ましい実施例に係る温度変化による溶射皮膜のイオン伝導度に関するグラフである。
図13を参照すると、温度によるイオン伝導度を評価してみると、他社サンプルのイオン伝導度に対する活性化エネルギーは、0.87eVで、本発明の8YSZで製作されたサンプル#1とサンプル#2は、0.91eV〜0.92eVの値を示した。これにより、NOセンサーに固体電解質層30として、本発明のイットリア安定化ジルコニア粉末使用が正常水準以上であることを示すものである。
実施例3
図14は、本発明の好ましい実施形態に係るNOセンサー製作工程に関する工程図である。
図14を参照すると、準備されたアルミナ基板20上にYSZ粉末を溶射コーティング方式を利用してコーティングして固体電解質層30を形成し、固体電解質層30上に感知物質層40を塗布する。続いて、感知物質層40を熱処理した後、アルミナ基板20の他側面に白金ヒーター層10を塗布して熱処理する。白金ヒーター層10の熱処理後に、第一の電極50及び第二の電極60を形成して、白金ワイヤーボンディングをした後熱処理する。続いて、NOセンサーをパッキングして工程を完了する。
図15は、本発明の好ましい実施例に係るNOセンサーのパッケージングイメージとNOセンサーの完了した構造体に関するイメージである。
図15(a)及び図15(b)を参照すると、(a)は、パッケージングされたセンサーのイメージで、上部にガスが流入する領域のメッシュ形状があって、下部には電極リード線が突出している。また(b)は、アルミナ基板20上に形成された第一の電極50、第二の電極60、固体電解質層30、感知物質層40及び白金ワイヤー200を含むNOセンサー構造体である。
評価例2
実施例1で製作されたNOセンサーを評価する。
図16は、本発明の好ましい実施例に係る固体電解質層30の製作方法により製造されたNOセンサーの起電力評価グラフである。
図16(a)及び図16(b)を参照すると、(a)は、NOセンサーの起電力評価グラフで、これのNOセンサー構造体を製造で、スクリーンプリンティング方法またはグリーンシート方法を適用して固体電解質層30を形成した。また(b)は、NOセンサーの起電力評価グラフで、これのNOセンサー構造体を製造において、溶射コーティング方法を適用して固体電解質層30を形成した。
感知物質層40は、NiOを使用して形成して、緩衝層110は、アルミナ粉末を利用して形成して、第一の電極50及び第二の電極60は、白金ペーストを利用して形成した。
図16(a)及び図16(b)を参照すると、作動温度550℃で反応時間6分〜12分の範囲の起電力値が30mV〜50mVの範囲にある。
また、(a)を参照すると、作動温度700℃で反応時間6分〜12分の範囲の起電力値が5mV以下の低い値を示すが、(b)を参照すると、700℃で反応時間6分〜12分の範囲の起電力値が5mV〜15mVの範囲にあることを確認することができる。これは、固体電解質層30の形成方法によりNOセンサーの性能差が大きく生じていることを示す。特に窒素酸化物のセンシング温度上昇時により安定した起電力値を得ることが重要な事項で、溶射コーティング方式で形成された固体電解質層30の性能がNOセンサーの性能を左右している。
図16(a)及び図16(b)を参照すると、(b)と同様に溶射コーティング方式で固体電解質層30を形成したNOセンサーは、(a)と同様にスクリーンプリンティング方法を利用した後膜センサーに比べてガス感応度が高く、回復時間がより速いことを確認することができる。
また、固体電解質層30を形成時にアルミナ基板20上の表面粗さを1μm以上有するように製作することによってNOセンサーの性能向上に大きく寄与している。
また、溶射コーティング方式で固体電解質層30を形成してNOセンサーを製作する技術適用は、相当水準の原価節減が可能な革新的な技術である。
図17は、本発明の好ましい実施例に係る感知物質層40の種類によるNOセンサーの性能評価に関するグラフである。
図17(a)及び図17(b)を参照すると、(a)は、適用された感知物質別に製作されたNOセンサーの起電力グラフで、(b)は、感知物質別の反応時間及び回復時間に関するグラフである。
使用可能な感知物質としては、NiO、Cr、In、CuO及びYSZが混合されたNiOがあり、この中でYSZが混合されたNiOを感知物質層40で適用した時、NOxセンサーの窒素酸化物感度特性が最も良い結果を示している。また、YSZが混合されたNiOを感知物質層40で適用したNOセンサーの窒素酸化物に対する反応時間及び回復時間で最も優秀な特性値を示している。
YSZが混合されたNiOを感知物質層40として使用した場合には固体電解質層30でYSZを使っているので、接触するYSZによるイオン伝導度の向上特性を有するためである。
また、感知物質層40でInを使用した時、NOセンサーの感度特性が優秀な結果を示すが、これはInの電気的特性が優秀で、普通以上のイオン伝度特性を有するためである。
評価例3
アルミナ基板20上にスプレーコーティングでアルミナ層である緩衝層110を形成して、緩衝層110形成条件により緩衝層110の接着力を評価した結果を表3に示した。
接着力値が3Mpaより小さい場合は、測定途中基板が壊れて正確に評価された値ではなく、他のサンプルの場合にもコーティング層が剥がれ落ちながら測定された値ではなく、ドリーが離脱する時の値を記録したものであるため、緩衝層110の接着力は表3の値よりさらに高い水準である。
表3において、スラリー製作時に凝集剤を0.33%が含まれたスラリーをスプレーコーティング時にサンプルと20cmの離隔距離で2passでコーティングを進行した時、緩衝層110の接着力が最大となり、この条件を利用して実施例1のサンプルを製作した。
評価例4
固体電解質層30の接着特性を評価した結果を表4に示した。アルミナ基板20の表面処理方法により、固体電解質層30の接着力が大きく変化していることを表4で見ることができる。
表4に示されたように、最終アルミナスプレーコーティングして緩衝層110を形成した後、固体電解質層30でYSZコーティングして製作したサンプルの場合に接着力が5.26Mpaで最も高い値を示している。
10・・・白金ヒーター層
20・・・アルミナ基板
30・・・固体電解質層
40・・・感知物質層
50・・・第一の電極
60・・・第二の電極
110・・・緩衝層
120・・・バランス層
200・・・白金ワイヤー

Claims (12)

  1. 基板と;
    前記基板の一方の面上に配置された緩衝層と;
    前記緩衝層上に配置されて、前記緩衝層の表面粗度より大きい表面粗度を有する固体電解質層と;
    前記基板の他方の面側に配置されたバランス層と;
    前記バランス層上に配置された白金ヒーター層と;
    前記固体電解質層上の一部分に配置された感知物質層と;
    前記感知物質層と離隔していて、前記固体電解質層上に配置された第一の電極と;
    前記感知物質層上に配置された第二の電極と;を含むことを特徴とする、窒素酸化物センサー。
  2. 前記基板の材質は、アルミナ、多孔性アルミナ、シリコン、酸化シリコン、ジルコニア、安定化ジルコニア及びシリコンカーバイドからなる群から選択されたいずれか一つであることを特徴とする、請求項1に記載の窒素酸化物センサー。
  3. 前記固体電解質層は、酸化マグネシウム、ジルコニア、イットリア、安定化ジルコニア、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)及びアルミナ安定化ジルコニアからなる群から選択されたいずれか一つであることを特徴とする、請求項1または2に記載の窒素酸化物センサー。
  4. 前記感知物質層は、NiO、YSZが混合されたNiO、CuO、LaNiO、LaSrMnO、nitrate固溶されたGd、Sr(NO、Ba(NO、Cr、Fe、LaCoO、2CuO・Cr、ペロブスカイト(Perovskite)構造の酸化物及びスピネル(spinel)構造の酸化物からなる群から選択されたいずれか一つであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の窒素酸化物センサー。
  5. 前記第一の電極及び前記第二の電極は、Pt、Au、Cu、Ni及びZnOからなる群から選択されたいずれか一つであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の窒素酸化物センサー。
  6. 前記緩衝層及び前記バランス層は、アルミナ、ジルコニア、安定化ジルコニア、イットリア、シリコン酸化物、チタニア及びシリコンカーバイドからなる群から選択されたいずれか一つであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の窒素酸化物センサー。
  7. 基板を準備する段階と;
    前記基板の一方の面上に緩衝層を形成する段階と;
    前記基板の他方の面側にバランス層を形成する段階と;
    前記バランス層上に白金ヒーター層を形成する段階と;
    前記緩衝層上に配置されて、前記緩衝層の表面粗度より大きい表面粗度を有する固体電解質層を形成する段階と;
    前記固体電解質層上の一部分に感知物質層を形成する段階と;
    前記感知物質層上に第一の電極を形成する段階と;
    前記感知物質層と離隔して、前記固体電解質層上に第二の電極を形成する段階と;を含むことを特徴とする、窒素酸化物センサーの製造方法。
  8. 前記緩衝層は、アルミナ、ジルコニア、安定化ジルコニア、イットリア、シリコン酸化物、チタニア及びシリコンカーバイドからなる群から選択されたいずれか一つであることを特徴とする、請求項7に記載の窒素酸化物センサーの製造方法。
  9. 前記バランス層は、アルミナ、ジルコニア、安定化ジルコニア、イットリア、シリコン酸化物、チタニア及びシリコンカーバイドからなる群から選択されたいずれか一つであることを特徴とする、請求項7または8に記載の窒素酸化物センサーの製造方法。
  10. 前記固体電解質層は、溶射コーティング方法で形成されたことを特徴とする、請求項7〜9のいずれか一項に記載の窒素酸化物センサーの製造方法。
  11. 前記固体電解質層は、ジルコニア、イットリア、安定化ジルコニア、イットリア安定化ジルコニア、アルミナ及びイットリア安定化ジルコニア及びハフニア安定化ジルコニアからなる群から選択されたいずれか一つであることを特徴とする、請求項7〜10のいずれか一項に記載の窒素酸化物センサーの製造方法。
  12. 前記感知物質層は、NiO、YSZが混合されたNiO、CuO、LaNiO、LaSrMnO、nitrateが固溶されたGd、Sr(NO、Ba(NO、Cr、Fe、LaCoO、2CuO・Cr、ペロブスカイト(Perovskite)構造の酸化物及びスピネル(spinel)構造の酸化物からなる群から選択されたいずれか一つであることを特徴とする、請求項7〜11のいずれか一項に記載の窒素酸化物センサーの製造方法。
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