JP6385533B2 - リパーゼ阻害剤および皮脂分解抑制用皮膚化粧料 - Google Patents

リパーゼ阻害剤および皮脂分解抑制用皮膚化粧料 Download PDF

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Description

本発明は、リパーゼ阻害剤および皮脂コントロール用皮膚化粧料に関するものである。
皮膚においては、皮膚表層に常在する微生物が産生するリパーゼや、表皮角化細胞のリパーゼが、皮脂類を分解して脂肪酸を生成する。生じた脂肪酸は、皮膚に対して刺激性の炎症反応を誘起し、ひいてはニキビ、フケ、皮膚炎などの皮膚疾患の原因となる。そのため、リパーゼの酵素活性を制御することができれば、皮膚における皮脂の状態をコントロールすることができ、これによりニキビ、フケ、皮膚炎などの皮脂分解に起因する皮膚疾患を予防、治療または改善することができると考えられる。
一方、消化酵素の一種であるリパーゼは、膵臓から分泌され、飲食された飲食品中の脂質類を分解することにより、消化吸収を促進している。したがって、リパーゼの作用を阻害することにより、脂質の消化吸収が抑制され、肥満症、高脂血症、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症などを予防、治療または改善することができると考えられる。
このような観点から、リパーゼの活性を阻害するリパーゼ阻害剤の探索が進められており、例えば、シャクヤク、オオレン、オオバク、ボタンピ、ゲンノショウコ、チャ、クジンなどの生薬の溶媒抽出エキス(以上、特許文献1参照)、ピーマン、かぼちゃ、しめじ、まいたけ、ひじき、緑茶、紅茶、ウーロン茶の水抽出物(以上、特許文献2参照)などの植物からの抽出物を利用したリパーゼ阻害剤が提案されている。
特開昭64−90131号公報 特開平3−219872号公報
本発明は、安全性の高い天然物の中からリパーゼ阻害作用を有するものを見出し、それを有効成分とするリパーゼ阻害剤、およびリパーゼ阻害作用を有する天然物を配合した皮脂コントロール用皮膚化粧料を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のリパーゼ阻害剤は、フェンネル、メロン、イチジクおよびセンネンボクからなる群より選択される1種または2種以上の植物からの抽出物を有効成分とすることを特徴とする。また、本発明の皮脂コントロール用皮膚化粧料は、フェンネル、メロン、イチジクおよびセンネンボクからなる群より選択される1種または2種以上の植物からの抽出物を配合したことを特徴とする。
本発明によれば、優れたリパーゼ阻害作用を有し、かつ安全性の高いリパーゼ阻害剤および皮脂コントロール用皮膚化粧料を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本実施形態のリパーゼ阻害剤は、フェンネル、メロン、イチジクおよびセンネンボクからなる群より選択される1種または2種以上の植物からの抽出物(以下、それぞれ「フェンネル抽出物」、「メロン抽出物」、「イチジク抽出物」、および「センネンボク抽出物」ということがある。)を有効成分とするものである。
また、本実施形態の皮脂コントロール用皮膚化粧料は、フェンネル、メロン、イチジクおよびセンネンボクからなる群より選択される1種または2種以上の植物からの抽出物を配合したものである。
ここで、本実施形態において「抽出物」には、上記植物を抽出原料として得られる抽出液、当該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、当該抽出液を乾燥して得られる乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物のいずれもが含まれる。
本実施形態において使用する抽出原料は、フェンネル(学名:Foeniculum vulgare)、メロン(学名:Cucumis melo)、イチジク(学名:Ficus carica L.)またはセンネンボク(学名:Cordyline terminalis)である。
フェンネル(Foeniculum vulgare)は、セリ科ウイキョウ属に属する多年生草本であって、別名ウイキョウ、ショウウイキョウとも呼ばれる。フェンネルは、インド、中国、エジプト等において栽培されており、これらの地域から容易に入手することができる。抽出原料として使用し得るウイキョウの構成部位としては、例えば、葉部、茎部、鱗茎部、花部、種子部、地上部、根部、全草、またはこれらの混合物等が挙げられるが、好ましくは葉部である。
メロン(Cucumis melo)は、ウリ科キュウリ属に属する一年生草本であって、ヨーロッパから西アジアにかけて、また北米や日本においても栽培されており、これらの地域から容易に入手することができる。果実部は食用に付される。抽出原料として使用し得るメロンの構成部位としては、例えば、葉部、茎部、蔓部、花部、果実部、果皮部、種子部等の地上部、根部等の地下部、またはこれらの混合物が挙げられるが、好ましくは果実部である。
イチジク(Ficus carica L.)は、クワ科イチジク属に属する落葉高木であって、地中海沿岸から南アジアにかけて、また日本においても栽培されており、これらの地域から容易に入手することができる。イチジクの果実部は、生のまままたは乾燥して食用に付される。抽出原料として使用し得るイチジクの構成部位としては、葉部、枝部、幹部、樹皮部、花部、果実部、果皮部、種子部等の地上部、根部等の地下部、またはこれらの混合物が挙げられるが、好ましくは果実部である。
センネンボクは、別名ティ(Cordyline terminalis ‘Ti’)と言われるリュウゼツラン科センネンボク属に属する常緑低木であって、インド、オーストラリア、熱帯アフリカ、中国などに分布しており、これらの地域から容易に入手することができる。抽出原料として使用し得るセンネンボクの構成部位としては、例えば、葉部、枝部、幹部等の地上部、根部等の地下部、またはこれらの混合物が挙げられるが、好ましくは葉部である。
フェンネル抽出物、メロン抽出物、イチジク抽出物、またはセンネンボク抽出物に含まれるリパーゼ阻害作用を有する物質の詳細は不明であるが、天然物の抽出に一般に用いられている抽出方法によって、これらの天然物から上記作用を有する抽出物を得ることができる。
例えば、抽出原料を乾燥した後、そのままで、または粗砕機を用いて粉砕した後、抽出溶媒による抽出に供することにより得ることができる。乾燥は天日で行ってもよいし、通常使用される乾燥機を用いて行ってもよい。また、ヘキサン等の非極性溶媒によって脱脂等の前処理を施してから抽出原料として使用してもよい。脱脂等の前処理を行うことにより、上記植物の極性溶媒による抽出処理を効率よく行うことができる。
抽出溶媒としては、極性溶媒を使用することが好ましく、例えば、水、親水性有機溶媒等が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上を組み合わせて、室温または溶媒の沸点以下の温度で使用することが好ましい。
抽出溶媒として使用し得る水としては、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水等のほか、これらに各種処理を施したものが含まれる。水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、濾過、イオン交換、浸透圧調整、緩衝化等が含まれる。したがって、本実施形態において抽出溶媒として使用し得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。
抽出溶媒として使用し得る親水性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜5の低級脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2〜5の多価アルコール等が挙げられる。
2種以上の極性溶媒の混合液を抽出溶媒として使用する場合、その混合比は適宜調整することができる。例えば、水と低級脂肪族アルコールとの混合液を抽出溶媒として使用する場合には、水と低級脂肪族アルコールとの混合比が9:1〜1:9(容量比)であることが好ましく、7:3〜2:8(容量比)であることがさらに好ましい。また、水と低級脂肪族ケトンとの混合液を使用する場合には、水と低級脂肪族ケトンとの混合比が9:1〜2:8(容量比)であることが好ましく、水と多価アルコールとの混合液を使用する場合には、水と多価アルコールとの混合比が7:3〜1:9(容量比)であることが好ましい。
抽出処理は、抽出原料に含まれる可溶性成分を抽出溶媒に溶出させ得る限り特に限定はされず、常法に従って行うことができる。例えば、抽出原料の5〜30倍量(質量比)の抽出溶媒に、抽出原料を浸漬し、低温〜常温または還流加熱下で可溶性成分を抽出させた後、濾過して抽出残渣を除去することにより抽出液を得ることができる。得られた抽出液から溶媒を留去するとペースト状の濃縮物が得られ、この濃縮物をさらに乾燥すると乾燥物が得られる。
〔リパーゼ阻害剤〕
以上のようにして得られるフェンネル抽出物、メロン抽出物、イチジク抽出物、またはセンネンボク抽出物は、優れたリパーゼ阻害作用を有しているため、リパーゼ阻害剤の有効成分として用いることができる。本実施形態のリパーゼ阻害剤は、医薬品、医薬部外品、化粧品等の幅広い用途に使用することができる。
なお、フェンネル抽出物、メロン抽出物、イチジク抽出物、またはセンネンボク抽出物は、これらが有するリパーゼ阻害作用を利用して、ニキビ、フケ、皮膚炎などの皮脂分解に起因する皮膚疾患の予防、治療または改善剤;抗肥満剤;高脂血症の予防、治療または改善剤;アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症等の疾患の予防、治療又は改善剤;の有効成分として使用してもよい。
本実施形態においては、上記植物のうちの1種の植物からの抽出物を上記有効成分として使用してもよいし、上記植物のうちの2種以上の植物からの抽出物を混合して上記有効成分として使用してもよい。上記植物のうちの2種以上の植物からの抽出物を混合して上記有効成分として用いる場合、その配合比は、それらの作用の程度に応じて適宜決定すればよい。
本実施形態のリパーゼ阻害剤は、フェンネル抽出物、メロン抽出物、イチジク抽出物、センネンボク抽出物またはこれらの混合物のみからなるものでもよいし、フェンネル抽出物、メロン抽出物、イチジク抽出物、センネンボク抽出物またはこれらの混合物を製剤化したものでもよい。
本実施形態のリパーゼ阻害剤は、デキストリン、シクロデキストリン等の薬学的に許容し得るキャリアーその他任意の助剤を用いて、常法に従い、粉末状、顆粒状、錠剤状、液状等の任意の剤形に製剤化することができる。この際、助剤としては、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味・矯臭剤等を用いることができる。リパーゼ阻害剤は、他の組成物(例えば、皮膚外用剤、美容用飲食品等)に配合して使用することができるほか、軟膏剤、外用液剤、貼付剤等として使用することができる。
本実施形態のリパーゼ阻害剤を製剤化した場合、フェンネル抽出物、メロン抽出物、イチジク抽出物、センネンボク抽出物またはこれらの混合物の含有量は、特に限定されるものではなく、目的に応じて適宜設定することができる。
なお、本実施形態のリパーゼ阻害剤は、必要に応じて、リパーゼ阻害作用を有する他の天然抽出物等を、フェンネル抽出物、メロン抽出物、イチジク抽出物、センネンボク抽出物またはこれらの混合物とともに配合して有効成分として用いることができる。
本実施形態のリパーゼ阻害剤の患者に対する投与方法としては、経皮投与、経口投与等が挙げられるが、疾患の種類に応じて、その予防・治療等に好適な方法を適宜選択すればよい。また、本実施形態のリパーゼ阻害剤の投与量も、疾患の種類、重症度、患者の個人差、投与方法、投与期間等によって適宜増減すればよい。
本実施形態のリパーゼ阻害剤は、フェンネル抽出物、メロン抽出物、イチジク抽出物、またはセンネンボク抽出物が有するリパーゼ阻害作用を通じて、皮膚における皮脂の分解を抑制することにより皮脂の状態をコントロールし、これによりニキビ、フケ、皮膚炎などの皮脂分解に起因する皮膚疾患を予防、治療または改善することができる。また、本実施形態のリパーゼ阻害剤は、フェンネル抽出物、メロン抽出物、イチジク抽出物、またはセンネンボク抽出物が有するリパーゼ阻害作用を通じて、小腸における脂質の吸収を抑制し、肥満症、高脂血症、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症等の疾患を予防、治療又は改善することができる。ただし、本実施形態のリパーゼ阻害剤は、これらの用途以外にもリパーゼ阻害作用を発揮することに意義のあるすべての用途に用いることができる。
また、本実施形態のリパーゼ阻害剤は、優れたリパーゼ阻害作用を有するため、例えば、皮膚外用剤または飲食品に配合するのに好適である。この場合に、フェンネル抽出物、メロン抽出物、イチジク抽出物、センネンボク抽出物またはこれらの混合物をそのまま配合してもよいし、フェンネル抽出物、メロン抽出物、イチジク抽出物、センネンボク抽出物またはこれらの混合物から製剤化したリパーゼ阻害剤を配合してもよい。
ここで、皮膚外用剤としては、その区分に制限はなく、後述する皮脂コントロール用皮膚化粧料のほか、経皮的に使用される医薬部外品、医薬品等を幅広く含むものである。
飲食品としては、その区分に制限はなく、経口的に摂取される一般食品、健康食品、保健機能食品等を幅広く含むものである。
また、本実施形態のリパーゼ阻害剤は、優れたリパーゼ阻害作用を有するので、例えばリパーゼによる脂質分解に関連する研究のための試薬としても好適に利用することができる。
〔皮脂コントロール用皮膚化粧料〕
フェンネル抽出物、メロン抽出物、イチジク抽出物、またはセンネンボク抽出物は、優れたリパーゼ阻害作用を有しているため、皮脂の状態をコントロールする用途に用いられる皮膚化粧料(以下、「皮脂コントロール用皮膚化粧料」という。)に配合するのに好適である。本実施形態の皮脂コントロール用皮膚化粧料は、フェンネル抽出物、メロン抽出物、イチジク抽出物またはセンネンボク抽出物が有するリパーゼ阻害作用を通じて、皮膚において皮脂の分解を抑制することにより皮脂の状態をコントロールし、これによりニキビ、フケ、皮膚炎などの皮脂分解に起因する皮膚疾患を予防、治療または改善することができる。
本実施形態に係る皮脂コントロール用皮膚化粧料には、フェンネル抽出物、メロン抽出物、イチジク抽出物、センネンボク抽出物またはこれらの混合物をそのまま配合してもよいし、フェンネル抽出物、メロン抽出物、イチジク抽出物、センネンボク抽出物またはこれらの混合物から製剤化したリパーゼ阻害剤を配合してもよい。フェンネル抽出物、メロン抽出物、イチジク抽出物、センネンボク抽出物もしくはこれらの混合物または上記リパーゼ阻害剤を皮膚化粧料に配合することによって、皮膚化粧料にリパーゼ阻害作用を付与することができ、特に皮脂の分解に起因する皮膚疾患の予防、治療または改善の用途に好適な皮脂コントロール用皮膚化粧料とすることができる。
フェンネル抽出物、メロン抽出物、イチジク抽出物、センネンボク抽出物もしくはこれらの混合物または上記リパーゼ阻害剤を配合し得る皮脂コントロール用皮膚化粧料としては、特に限定されるものではなく、例えば、軟膏、クリーム、乳液、ローション、パック、ファンデーション、リップクリーム、入浴剤、ヘアートニック、ヘアーローション、石鹸、ボディシャンプー等が挙げられる。
フェンネル抽出物、メロン抽出物、イチジク抽出物、センネンボク抽出物もしくはこれらの混合物または上記リパーゼ阻害剤を皮脂コントロール用皮膚化粧料に配合する場合、その配合量は、皮脂コントロール用皮膚化粧料の種類に応じて適宜調整することができるが、好適な配合率は約0.0001〜10質量%(固形分換算)であり、特に好適な配合率は約0.001〜1質量%である。
本実施形態の皮脂コントロール用皮膚化粧料は、フェンネル抽出物、メロン抽出物、イチジク抽出物またはセンネンボク抽出物が有するリパーゼ阻害作用を妨げない限り、通常の皮脂コントロール用皮膚化粧料の製造に用いられる主剤、助剤またはその他の成分、例えば、収斂剤、殺菌・抗菌剤、紫外線吸収剤、保湿剤、細胞賦活剤、消炎・抗アレルギー剤、抗酸化・活性酸素除去剤、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、香料等を併用することができる。このように併用することで、より一般性のある製品となり、また、併用された他の有効成分との間の相乗作用が通常期待される以上の優れた効果をもたらすことがある。
なお、本実施形態のリパーゼ阻害剤および皮脂コントロール用皮膚化粧料は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、それぞれの作用効果が奏される限り、ヒト以外の動物(例えば,マウス,ラット,ハムスター,イヌ,ネコ,ウシ,ブタ,サル等)に対して適用することもできる。
以下、実施例および試験例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の各例に何ら制限されるものではない。
〔実施例1〕フェンネル抽出物の調製
フェンネル(奈良県産)の葉部の乾燥物20gに対し、50%BG(1,3ブチレングリコール,ハイシュガーケインBG,高級アルコール工業社製)4kgを混合し、7日間浸漬した。ADVANTEC定性濾紙(No.2,東洋濾紙社製)およびメンブラン(0.45μm)を用いて濾過し、濾液としてフェンネル葉部抽出物(固形分:0.12質量%)を得た。
〔実施例2〕メロン抽出物の調製
摘果メロン(北海道産)の果実部の細断物400gを用いて実施例1と同様に抽出し、メロン果実部抽出物(固形分:0.26質量%)を得た。
〔実施例3〕イチジク抽出物の調製
摘果イチジク(島根産)の果実部の乾燥物20gを用いて実施例1と同様に抽出し、イチジク果実部抽出物(固形分:0.15質量%)を得た。
〔実施例4〕センネンボク抽出物の調製
アオヒロバセンネンボク(東京都小笠原諸島産)の葉部の乾燥物20gを用いて実施例1と同様に抽出し、センネンボク葉部抽出物(固形分:0.22質量%)を得た。
〔比較例1〕チャ抽出物の調製
宍喰寒茶(徳島県産)の葉部の乾燥物20gを用いて実施例1と同様に抽出し、チャ葉部抽出物(固形分:0.12質量%)を得た。
〔試験例1〕リパーゼ活性の測定
上述のようにして得られたフェンネル抽出物(実施例1)、メロン抽出物(実施例2)、イチジク抽出物(実施例3)、センネンボク抽出物(実施例4)およびチャ抽出物(比較例1)について、以下のようにしてリパーゼ活性を測定した。
ヒト血中リパーゼ定量試薬(リパーゼキットS,DSファーマバイオメディカル社製)を用い定量した。被験試料(実施例1〜4および比較例1,固形分0.1%)20μL、0.2U豚膵臓由来リパーゼ(ナカライテスク社製)25μL、および蒸留水5μLを15mLスピッツに加え混合し、さらに発色液1mLおよびエラスターゼ阻害剤20μLを加えて混合した後、30℃、5分間インキュベートした。基質液100μLを加え正確に30℃、30分間インキュベート後、反応停止液2mLを加え、405nmにおける吸光度を測定した。反応停止後に基質液を加えるブランクを設け、被験試料とブランクの吸光度の差からリパーゼ活性を求めた。対照(50%BG)を100%としてリパーゼ活性比(%)を算出した。結果を表1に示す。
Figure 0006385533
表1に示すように、フェンネル抽出物(実施例1)、メロン抽出物(実施例2)は、陽性対照であるチャ抽出物(比較例1)と比較しても、優れたリパーゼ活性阻害作用を有することが確認された。また、イチジク抽出物(実施例3)及びセンネンボク抽出物(実施例4)は、陽性対照であるチャ抽出物(比較例1)と同等の優れたリパーゼ活性阻害作用を有することが確認された。
〔配合例1〕
下記組成に従い、乳液を常法により製造した。
フェンネル抽出物(実施例1) 0.01g
ホホバオイル 4.00g
1,3−ブチレングリコール 3.00g
アルブチン 3.00g
ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 2.50g
オリーブオイル 2.00g
スクワラン 2.00g
セタノール 2.00g
モノステアリン酸グリセリル 2.00g
オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 2.00g
パラオキシ安息香酸メチル 0.15g
グリチルリチン酸ステアリル 0.10g
黄杞エキス 0.10g
グリチルリチン酸ジカリウム 0.10g
イチョウ葉エキス 0.10g
コンキオリン 0.10g
オウバクエキス 0.10g
カミツレエキス 0.10g
香料 0.05g
精製水 残部(全量を100gとする)
〔配合例2〕
下記組成のクリームを常法により製造した。
メロン抽出物(実施例2) 0.05g
クジンエキス 0.1g
オウゴンエキス 0.1g
流動パラフィン 5.0g
サラシミツロウ 4.0g
スクワラン 10.0g
セタノール 3.0g
ラノリン 2.0g
ステアリン酸 1.0g
オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 1.5g
モノステアリン酸グリセリル 3.0g
油溶性甘草エキス 0.1g
1,3−ブチレングリコール 6.0g
パラオキシ安息香酸メチル 1.5g
香料 0.1g
精製水 残部(全量を100gとする)
〔配合例3〕
下記組成の美容液を常法により製造した。
イチジク抽出物(実施例3) 0.01g
センネンボク抽出物(実施例4) 0.01g
カミツレエキス 0.1g
ニンジンエキス 0.1g
キサンタンガム 0.3g
ヒドロキシエチルセルロース 0.1g
カルボキシビニルポリマー 0.1g
1,3−ブチレングリコール 4.0g
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1g
グリセリン 2.0g
水酸化カリウム 0.25g
香料 0.01g
防腐剤(パラオキシ安息香酸メチル) 0.15g
エタノール 2.0g
精製水 残部(全量を100gとする)
本発明のリパーゼ阻害剤および皮脂コントロール用皮膚化粧料は、その優れたリパーゼ阻害作用により、ニキビ、フケ、皮膚炎などの皮脂分解に起因する皮膚疾患の予防、治療または改善;脂質吸収の抑制による肥満症、高脂血症、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症等の疾患の予防、治療又は改善に大きく貢献できる。

Claims (2)

  1. センネンボクの葉部を極性溶媒で抽出して得られる抽出物を有効成分とすることを特徴とするリパーゼ阻害剤。
  2. センネンボクの葉部を極性溶媒で抽出して得られる抽出物を配合したことを特徴とする皮脂分解抑制用皮膚化粧料。
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