JP6384197B2 - 電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、電子機器に関する。
近年、時計などの電子機器は、EL(electro-luminescence)素子、ソーラセル、裏蓋など、異なる層を基板と電気的に導通させることで様々な機能を実現している。
電気接続が必要な層(コンタクト層)同士の間の導通構造の一例として、図8に示すような、第1のコンタクト層100と、第2のコンタクト層200との間にバネ300などを配置し、このバネ300で電気的な接続を行うようなものがある。
具体的には、第1のコンタクト層100と、第2のコンタクト層200との間にバネ300のガイドとなる穴を持ったハウジング400が配置され、この穴内にバネ300を配置することで、安定した第1のコンタクト層100と第2のコンタクト層200との電気的な導通が行われている。
また、別の導通構造としては、図9に示すように、ハウジング400から第1のコンタクト層100に向かって延びるボス500を立てて、第2のコンタクト層200の貫通孔に、そのボス500を通すようにして、第2のコンタクト層200をハウジング400上に配置した後に、ボス500をガイドにバネ300の他端を第2のコンタクト層200に接触させるように搭載するとともに、第1のコンタクト層100をバネ300の一端に接触するように配置することで、第1のコンタクト層100と第2のコンタクト層200の間の安定した電気的な導通を行うものもある。
このような従来の導通構造は、1つの導通構造で一対の電極間、つまり、第1のコンタクト層100の1つの電極と第2のコンタクト層200の1つの電極の間の導通しかできない。
このため、更なる多機能化に伴い、層と層の導通箇所が増えると、コンタクトエリア(電気接続部)が占める割合が増大するという問題がある。
ここで、例えば、特許文献1には、2つのコイルバネを導通用の部材に活用し、径の小さいコイルバネを径の大きいコイルバネの中に収容する方法が開示されている。
このように構成することで、1箇所に設ける導通構造で二対の電極間の導通ができるので、コンタクトエリアを小さく抑えることが期待できる。
特開2002−320289号公報
しかしながら、径の小さいコイルバネを径の大きいコイルバネの中に収容する導通構造の場合、コイルバネの座屈により、2つのコイルバネが接触してショートを起こす可能性がある。
このため、特許文献1では、コイルバネを巻径が一端側から他端側に向けて大きくしたテーパ形状にすることで座屈などが起きにくい形状としている。
ところが、このようにすると、他端側のコイルバネの巻径が大きくなるため、導通を取るために必要な導通構造の占める範囲(コンタクトエリア)が、その分だけ大きくなるという問題がある。また、座屈が発生しにくい構造になっているものの、依然として座屈等によるショートの可能性がある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、コンタクトエリアの占める割合を小さく抑えるとともに、ショートなどの恐れのないコンタクト構造を備えた電子機器を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために以下の構成によって把握される。
本発明の電子機器は、第1コンタクト層と、前記第1コンタクト層と一端側の端部を離間させて配置される筒状絶縁部と、前記筒状絶縁部内に配置され、一端が前記第1コンタクト層と電気的に接続される第1導電性弾性体と、前記筒状絶縁部の外周に配置され、一端が前記第1コンタクト層と電気的に接続される第2導電性弾性体と、前記第1導電性弾性体と第2導電性弾性体を介して、前記第1コンタクト層と電気的に接続される1又は2の他のコンタクト層と、を備え、前記第1導電性弾性体の前記一端は、少なくとも前記第1コンタクト層と前記筒状絶縁部の間の離間している範囲に座屈防止部が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、コンタクトエリアの占める割合を小さく抑えるとともに、ショートなどの恐れのないコンタクト構造を備えた電子機器を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る電子機器の模式図である。 本発明の第1実施形態に係る電子機器の異なる層同士の電気的導通構造を示した断面図である。 電気的導通構造の各層とのコンタクト例1を示す図である。 電気的導通構造の各層とのコンタクト例2を示す図である。 発明の第2実施形態に係る電子機器の異なる層同士の電気的導通構造を示した断面図である。 発明の第3実施形態に係る電子機器の異なる層同士の電気的導通構造を示した断面図である。 発明の第4実施形態に係る電子機器の異なる層同士の電気的導通構造を示した断面図である。 従来の電子機器の導通機構1である。 従来の電子機器の導通機構2である。
本発明の電子機器1の一例は、図1に示すように、電子制御によって指針を回転させて時刻を表示する、例えば、置時計や腕時計などの時計である。以下では、電子機器1として時計を例にして説明を行う。
(第1実施形態)
図1に示すように、本発明の電子機器(時計)1は、順に、文字板10、ソーラセル20、電子回路基板30及び、受基板40を有している。
なお、実際には、時計の前面に設けられる風防ガラス、時計の外枠となる筐体、筐体の裏面に設けられる蓋などの部品も有しているが、これらの部品等については図示を省略している。
文字板10、ソーラセル20及び電子回路基板30の中央には、貫通孔が設けられている。
また、受基板40の中央には、機械軸41が設けられており、その機械軸41が文字板10、ソーラセル20及び電子回路基板30の貫通孔を通り、その先端に秒針11、分針12、時針13が取り付けられる。
そして、各機械軸が回転することで、文字板10上で秒針11と分針12と時針13が回転し、時刻が表示されるようになっている。
なお、詳細は後述するが、受基板40には、円筒状の筒状絶縁部42が設けられている。
図2は、図1に示す受基板40に形成されている筒状絶縁部42の近傍を示す拡大図であり、図2(a)では、文字板10などを省略している。
また、図2(b)は、筒状絶縁部42の周辺の受基板40だけを図示したものになっている。
図2(a)に示すように、ソーラセル20には、電気接点61と電気接点63との2つの電気接点が設けられている。
なお、第1実施形態において、以下では、ソーラセル20を第1コンタクト層20という。
より具体的には、この電気接点61、63は、図3に示すような形状に形成されており、一方が第1コンタクト層(ソーラセル)20のプラス極であり、他方が第1コンタクト層(ソーラセル)20のマイナス極である。
一方、電子回路基板30には、図2(a)に示すように、第1コンタクト層(ソーラセル)20の電気接点61、63に対応した2つの電気接点62、64が設けられている。
なお、第1実施形態において、以下では、電子回路基板30を他のコンタクト層30という。
より具体的には、第1コンタクト層(ソーラセル)20の電気接点61に電気的に接続される電気接点62は、他のコンタクト層(電子回路基板)30の第1コンタクト層(ソーラセル)20に対向する表面に設けられており、第1コンタクト層(ソーラセル)20の電気接点63に電気的に接続される電気接点64は、他のコンタクト層(電子回路基板)30の裏面に設けられている。
そして、第1コンタクト層20の電気接点61と他のコンタクト層30の表面の電気接点62との電気的な接続は、筒状絶縁部42の外周に設けられるコイルバネからなる第2導電性弾性体52の一端が電気接点61に接触して電気的に接続されるとともに、第2導電性弾性体52の他端が電気接点62に接触して電気的に接続されることで行われている。
また、第1コンタクト層20の電気接点63と他のコンタクト層30の裏面の電気接点64との電気的な接続は、筒状絶縁部42内に設けられているコイルバネからなる第1導電性弾性体51の一端が電気接点63に接触して電気的に接続されるとともに、第1導電性弾性体51の他端に設けられるひげ部54が電気接点64に接触して電気的に接続されることで行われている。
このような電気的な接続を行うために、図2(b)に示すように、受基板40の筒状絶縁部42の第1コンタクト層20側となる一端側の端部から他端側に向けてスリット44が形成されている。
また、図2(a)に示す筒状絶縁部42の他端側に設けられた他のコンタクト層30を第1コンタクト層20に対向配置する受基板40の板状部43には、図2(b)に示すように、スリット44に繋がる溝部45が形成されている。
したがって、筒状絶縁部42のスリット44に第1導電性弾性体51のひげ部54を通すようにして第1導電性弾性体51を筒状絶縁部42内に挿入してひげ部54を溝部45に位置するように第1導電性弾性体51を配置し、次に、第1導電性弾性体51のひげ部54に電気接点64を接触させるように、他のコンタクト層30の貫通孔に筒状絶縁部42を通すようにして、他のコンタクト層30を板状部43上に配置した後、第2導電性弾性体52の他端を他のコンタクト層30の表面の電気接点62に接触させるように、筒状絶縁部42の外周に配置して、最後に、第1導電性弾性体51の一端を電気接点63に接触させるとともに第2導電性弾性体52の一端を電気接点61に接触させるように第1コンタクト層20を配置することで上述した第1コンタクト層20と他のコンタクト層30との間の電気的な接続が行える。
図示していないが第1コンタクト層20は、例えば、電子機器(時計)1の外周枠を形成する筐体などで支持されており、筒状絶縁部42の第1コンタクト層20側となる一端側の端部が、第1コンタクト層20と離間するようにされている。
これは、電子機器(時計)1が、例えば、振動したりするときに、筒状絶縁部42の一端側の端部が、第1コンタクト層20に擦れるなどして、第1コンタクト層20の電気接点などを傷つけることを抑制するためである。
一方、このようにすると、図2(a)に示すように、筒状絶縁部42の一端側の端部と第1コンタクト層20との間に、隙間ができる。
そして、第1導電性弾性体51は、細線の導電性材料で形成されているので電子機器(時計)1が振動したりしたときに、第1導電性弾性体51に座屈が発生して第2導電性弾性体52と接触し、第1導電性弾性体51と第2導電性弾性体52との間でショートが起きる可能性がある。
このようなことがないように、第1導電性弾性体51の一端は、少なくとも第1コンタクト層20と筒状絶縁部42の一端側の端部との間の離間している範囲に位置する部分に座屈防止部53を設けるようにしている。
より具体的には、この座屈防止部53の所は、弾性変形が起きにくいように細線の導電性材料の螺旋巻のピッチが狭く、接触し合うような状態にすることで座屈が発生しないようにしている。
また、座屈防止部53以外の部分は、図2(a)から明らかなように、第1導電性弾性体51と第2導電性弾性体52との間に、筒状絶縁部42が介在しているので物理的に第1導電性弾性体51と第2導電性弾性体52とが接触するようなことがないようにされている。
このため、第1導電性弾性体51と第2導電性弾性体52の間でのショートが確実に防止される。
したがって、従来のように、ショートを回避するために、第1導電性弾性体51及び第2導電性弾性体52を、一端から他端又は他端から一端に向けて巻径を大きくすることなく、第2導電性弾性体52の内側に第1導電性弾性体51を配置できるので、コンタクトエリアの占める割合を小さく抑えることができる。
なお、上記では、第1コンタクト層20がソーラセルで他のコンタクト層30が電子回路基板の場合について説明してきたが、このような場合に限られるものではない。
例えば、図2(a)を流用して別の形態について説明すると、例えば、第1コンタクト層20の部分が、電子機器(時計)1の蓋(裏蓋)であり、他のコンタクト層30の部分が電子回路基板であるような場合にも図2(a)に示したような導通構造を設けるようにすることができる。
最近は、時計(電子機器)1の蓋が外されている状態にあるのか否かを感知する機構が設けられている場合が多い。
このような感知は、他のコンタクト層(電子回路基板)30の一方の電極と他方の電極とが蓋を介して導通状態にあるときには、蓋が取付けられており、導通できない時には蓋部が外されている状態にあることをもとに行われている。
このため、このような目的の場合には、第1コンタクト層(蓋)20に設ける電気接点の形状を図4に示すようにしておき、第1導電性弾性体51の一端と第2導電性弾性体52の一端とが短絡されるようにすればよい。
(第2実施形態)
ところで、図2(b)に示すように、筒状絶縁部42は、中空状であり、また、一端側から他端側に向かってスリット44も形成されているため、力などがかかると変形しやすい。
このため、筒状絶縁部42に板状部43に対して横に曲げる方向に力が加わるようなことがあると、筒状絶縁部42の変形のし易さと相まって、筒状絶縁部42と板状部43との境目に応力が集まり、この境目に亀裂が発生したり、筒状絶縁部42の他端側(根元)が折れる可能性がある。
そこで、以下、この境目の強度を向上させた態様について、図5を参照しながら説明する。
なお、以下、第2実施形態の説明では、主に第1実施形態と異なる点について説明し、第1実施形態と同様である部分については、説明を割愛する場合がある。
図5に示すように、筒状絶縁部42の第1コンタクト層20側である一端から他端まで貫通する孔に、板状部43の裏面側(図下側)からアクセスできるように、板状部43が形成されている。
そして、筒状絶縁部42内に配置された第1導電性弾性体51の他端を受ける導電性材料からなる受部材46が筒状絶縁部42の他端側の端部(以後、他端ともいう)に取付けられている。
この受部材46は、筒状絶縁部42の他端側から孔内に挿入されて、筒状絶縁部42の貫通孔を、少なくとも、筒状絶縁部42と板状部43との境目を超えるまで閉塞させるように構成されている。
このため、この境目の部分では、筒状絶縁部42の孔が閉塞されて中実の状態になるので空洞の状態の時よりも筒状絶縁部42の変形が起こりにくい。
また、第1導電性弾性体51は、筒状絶縁部42の他端側の開口から筒状絶縁部42内に収納することができるので、第1実施形態のように、筒状絶縁部42にスリット44を形成する必要もないので強度が高くなりより変形が起こりにくい。
したがって、亀裂や折れに至る前段の境目に応力が集中するような変形自体の発生が抑制されるので亀裂や折れを低減することが可能である。
ここで、他のコンタクト層30の電気接点64との電気的接続のために、第2実施形態では、筒状絶縁部42の他端と受部材46とで挟持される導電性材料からなるコンタクトバネ(本例では、板バネ)55が設けられている。
このコンタクトバネ(板バネ)55を他のコンタクト層30の電気接点64にコンタクトさせるために、板状部43には、板状部43上に配置される他のコンタクト層30の裏面にアクセスするための開口が形成されており、コンタクトバネ(例えば、板バネ)55の一端が、この開口を通じて他のコンタクト層30の裏面にある電気接点64に電気的に接続されている。
したがって、第1コンタクト層20の電気接点63と他のコンタクト層30の電気接点64との間は、第1導電性弾性体51と、第1導電性弾性体51の他端を受ける導電性材料からなる受部材46と、筒状絶縁部42の他端と受部材46とで挟持される導電性材料からなるコンタクトバネ55とによって電気的な接続が実現されている。
一方、第1コンタクト層20の電気接点61と他のコンタクト層30の電気接点62との電気的な接続は、第1実施形態と同様に、第2導電性弾性体52の他端が他のコンタクト層30の表面にある電気接点62に接触して電気的に接続されるとともに、一端が第1コンタクト層20の電気接点62に接触することで実現されている。
第2実施形態の場合、組立は以下のように行うことができる。
まず、板状部43上に他のコンタクト層30を配置し、他のコンタクト層30の電気接点62に第2導電性弾性体52の他端が当接するように第2導電性弾性体52を筒状絶縁部42に被せる。
そして、第2導電性弾性体52に第1コンタクト層20の電気接点61を接触させるとともに、第1コンタクト層20の電気接点63が筒状絶縁部42の一端側の開口に対向するように第1コンタクト層20を配置する。
その後、筒状絶縁部42の他端側の開口から第1導電性弾性体51を孔内に挿入し、筒状絶縁部42の根元方向(他端側)からコンタクトバネ(例えば、板バネ)55を筒状絶縁部42の他端側の端部とで挟むように、導電性材料からなる受部材46(ビス又は支柱等)を取付ける。
なお、この取付けは、筒状絶縁部42の孔内に挿入させる受部材46の部分を筒状絶縁部42の孔の内径より少しだけ大きい外径として、筒状絶縁部42の孔に圧入固定させる態様でもよく、また、筒状絶縁部42の孔の内周面に雌ネジ構造を形成しておき、受部材46の外周面に雄ネジ構造を形成しておくことで受部材46を筒状絶縁部42の孔に対して螺合させる態様でもよい。
(第3実施形態)
第1実施形態、第2実施形態では、ソーラセル(第1コンタクト層)20と電子回路基板(他のコンタクト層)30との間での電気的な接続や、蓋(第1コンタクト層)20と電子回路基板(他のコンタクト層)30との間の電気的な接続を例に説明してきた。
しかしながら、近年、時計(電子機器)1は、どんどん多機能化してきているので、それに応じて電源回路などを有するメインの電子回路基板とは、別に個別の動作に応じたサブの電子回路基板を設けるような場合がある。
例えば、GPSの機能を実現するためのサブ基板や歩数計などの機能を実現するためのサブ基板などが設けられるような場合がある。
さらには、例えば、時計(電子機器)1が計測した歩数(歩数計)のデータを自分の携帯端末(スマートフォンなど)の健康管理のアプリケーションに送るために、BlueTooth(登録商標)などの近距離通信用の回路基板が設けられるようなことも考えられる。
そこで、以下では、第3実施形態として、3つのコンタクト層との間での信号のやり取りを行うような通信線などとして用いることができる電気的な接続を行う場合について図6を参照しながら説明する。
上述のように、第3実施形態は、メインになる電源回路などを備える電子回路基板(第1コンタクト層)20に対して、例えば、GPS用のサブの電子回路基板である他のコンタクト層30や通信機能などを主に担うサブの電子回路基板である他のコンタクト層70が設けられている例を示す。
なお、上述のように、他のコンタクト層30、70は、上記に限られず、歩数計用の電子回路基板などであってもよく、また、第1コンタクト層20が電源回路などを備える電子回路基板でなく、他の機能を実現するための電子回路基板であっても問題はない。
図6に示すように、第1コンタクト層20には、電気接点61と電気接点63との2つの電気接点が設けられている。
そして、一方の他のコンタクト層30には、第1コンタクト層20の電気接点61に対応した電気接点62が設けられており、他方の他のコンタクト層70には、第1コンタクト層20の電気接点63に対応した電気接点65が設けられている。
より具体的には、第1コンタクト層20の電気接点61に電気的に接続される電気接点62は、一方の他のコンタクト層30の第1コンタクト層20に対向する表面に設けられており、そして、一方の他のコンタクト層30は、第1コンタクト層20と対向配置されるように、筒状絶縁部42の他端側(第1コンタクト層20と遠い側)に設けられた板状部43上に配置されている。
また、第1コンタクト層20の電気接点63に電気的に接続される電気接点65は、他方の他のコンタクト層70の第1コンタクト層20側の表面に設けられており、他方の他のコンタクト層70は、筒状絶縁部42の他端側の端部から離間するとともに、他方の他のコンタクト層70の電気接点65が筒状絶縁部42の孔の下に位置するように、対向配置されている。
ここで、他方の他のコンタクト層70を筒状絶縁部42の他端側の端部から離間させているのは、第1コンタクト層20を筒状絶縁部42の一端側の端部から離間させているのと同じ理由であり、振動などが発生した時に、筒状絶縁部42の他端側の端部が、他方の他のコンタクト層70の電気接点65などを傷つけることを抑制するためである。
そして、第1コンタクト層20の電気接点61と一方の他のコンタクト層30の表面の電気接点62との電気的な接続は、筒状絶縁部42の外周に設けられるコイルバネからなる第2導電性弾性体52の一端が電気接点61に接触して電気的に接続されるとともに、第2導電性弾性体52の他端が電気接点62に接触して電気的に接続されることで行われている。
また、第1コンタクト層20の電気接点63と他方の他のコンタクト層70の表面の電気接点65との電気的な接続は、筒状絶縁部42内に設けられているコイルバネからなる第1導電性弾性体51の一端が電気接点63に接触して電気的に接続されるとともに、第2導電性弾性体52の他端が、筒状絶縁部42の他端側の端部から離間して対向配置される他方の他のコンタクト層70の電気接点65に接触して電気的に接続されることで行われている。
なお、第3実施形態では、第1実施形態で説明した第1導電性弾性体51の一端側に設けられる座屈防止部53を設けているだけでなく、同様の構造からなる座屈防止部を第1導電性弾性体51の他端側にも設けている。
このように第1導電性弾性体51の他端側の端部に座屈防止部を設けるようにすることで、第1導電性弾性体51の他端側が座屈して筒状絶縁部42と他方の他のコンタクト層70との間の隙間から横に位置ズレを起こすことがないので、他方の他のコンタクト層70の電気接点65に対して第1導電性弾性体51の他端を安定して接触させることが可能となる。
上記のようにすることで、第1実施形態や第2実施形態と同様に、コンタクトエリアの占める割合を小さく抑えることができ、さらに、3つのコンタクト層(第1コンタクト層20と2つの他のコンタクト層30、70)の間の電気的な接続を実現することができる。
(第4実施形態)
第1実施形態から第3実施形態では、主に電気的接続を行うための構造について説明してきたが、以下では、コンタクト層を安定に配置するための構成について説明を行う。
図7は、図6に示した構成について少し広い範囲を示すようにし、コンタクト層を安定して配置するための構成部分を図示した図になっている。
なお、第3実施形態で図6を参酌して説明した内容と同様の部分については説明を割愛する場合がある。
図7に示すように、受基板40には、筒状絶縁部42に対して、左右一対のボス47が板状部43から第1コンタクト層20側及び他方の他のコンタクト層70側に延びるように形成されている。
そして、各コンタクト層(第1コンタクト層20、一方の他のコンタクト層30及び他方の他のコンタクト層70)には、このボス47を通すための貫通孔が設けられている。
したがって、各コンタクト層は、このボス47を貫通孔に通すように組付けるだけで位置決めができるようになっており、2つのボス47によって回転方向などの移動も禁止されるので安定して各コンタクト層が位置決めされる。
さらに、受基板40の板状部43には、第1コンタクト層20と他方の他のコンタクト層70とを受ける支持部48が設けられている。
この支持部48は、第1コンタクト層20と他方の他のコンタクト層70が支持部48上に当接配置された時に、第1コンタクト層20が筒状絶縁部42の一端側の端部(一端)と所定の距離離間するように形成されているとともに、他方の他のコンタクト層70が筒状絶縁部42の他端側の端部(他端)と所定の距離離間するように形成されている。
したがって、第1コンタクト層20と他方の他のコンタクト層70とを支持部48に当接させるように配置するだけで、電子機器1が振動したりしたときに、筒状絶縁部42の端部が、第1コンタクト層20や他方の他のコンタクト層70に擦れて電気接点61、62、65が傷ついたりすることがないように、第1コンタクト層20や他方の他のコンタクト層70を配置することができる。
上記のように、ボス47や支持部48を板状部43に設けておけば、時計(電子機器)1の組立て作業時に簡単に各コンタクト層間の位置合わせができるだけでなく、組立後の各コンタクト層の位置安定性を高めることが可能である。
以上、具体的な実施形態に基づき、本発明の説明を行ってきたが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、コンタクト層として、ELバックライトを用いるようにしてもよく、この場合は、複数接点にGNDと出力端子を割り当てることが可能である。
また、何のための電気的な接続を実現しているのかについても特に限定されるものではない。
例えば、コンタクト層がアナログ高周波回路の場合、筒状絶縁部42内の第1導電性弾性体51を高速通信用の信号線として、第2導電性弾性体52を電子機器のGNDに接続するようにして、第2導電性弾性体52を高速通信用の信号線(第1導電性弾性体51)を取り囲む電磁シールドとして用いることも可能である。
さらに、上記実施形態では、電子機器として時計の場合について説明してきたが、時計に限定されるものではない。
例えば、ウェアブル端末など小型で多機能化のために複数の電子回路基板を用いたい電子機器においては、安定した電気接続を小さいコンタクトエリアで実現することが求められるので、上記実施形態で説明したような電気接続の態様を好適に用いることが可能である。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
<請求項1>
第1コンタクト層と、
前記第1コンタクト層と一端側の端部を離間させて配置される筒状絶縁部と、
前記筒状絶縁部内に配置され、一端が前記第1コンタクト層と電気的に接続される第1導電性弾性体と、
前記筒状絶縁部の外周に配置され、一端が前記第1コンタクト層と電気的に接続される第2導電性弾性体と、
前記第1導電性弾性体と第2導電性弾性体を介して、前記第1コンタクト層と電気的に接続される1又は2の他のコンタクト層と、を備え、
前記第1導電性弾性体の前記一端は、少なくとも前記第1コンタクト層と前記筒状絶縁部の離間している範囲に座屈防止部が設けられていることを特徴とする電子機器。
<請求項2>
前記第1導電性弾性体の前記座屈防止部における螺旋巻のピッチは、前記第1導電性弾性体の前記座屈防止部以外の部分における螺旋巻のピッチよりも狭く設定されていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
<請求項3>
前記他のコンタクト層が1つであり、
前記筒状絶縁部に設けられ、前記他のコンタクト層を前記第1コンタクト層と対向配置する板状部を備え、
前記筒状絶縁部には、前記一端側の前記端部から他端側に向けてスリットが形成され、
前記板状部には、前記スリットに繋がる溝部が形成され、
前記第1導電性弾性体が前記溝部に配置されるひげ部を有し、
前記第1導電性弾性体の前記ひげ部が前記他のコンタクト層の一方の面に電気的に接続されるとともに、前記第2導電性弾性体の他端が前記他のコンタクト層の他方の面に電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
<請求項4>
前記他のコンタクト層が1つであり、
前記筒状絶縁部に設けられ、前記他のコンタクト層を前記第1コンタクト層と対向配置する板状部と、
前記筒状絶縁部の他端に取付けられ、前記筒状絶縁部内に配置された前記第1導電性弾性体の他端を受ける導電性材料からなる受部材と、
前記筒状絶縁部の他端と受部材とで挟持される導電性材料からなるコンタクトバネと、を備え、
前記板状部には、前記板状部上に配置される前記他のコンタクト層の他方の面にアクセスするための開口が形成され、
前記コンタクトバネが前記開口を通じて前記他のコンタクト層の一方の面に電気的に接続されるとともに、前記第2導電性弾性体の他端が前記他のコンタクト層の他方の面に電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
<請求項5>
前記他のコンタクト層が2つであり、
前記筒状絶縁部に設けられ、一方の前記他のコンタクト層を前記第1コンタクト層と対向配置する板状部を備え、
前記第2導電性弾性体の他端が前記一方の他のコンタクト層に電気的に接続され、
前記第1導電性弾性体の他端が、前記筒状絶縁部の他端側の端部から離間して対向配置される他方の前記他のコンタクト層に電気的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
<請求項6>
前記電子機器が時計であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の電子機器。
1 電子機器
10 文字盤
11 秒針
12 分針
13 時針
20 第1のコンタクト層(ソーラセル)
30 他のコンタクト層(電子回路基板)
40 他のコンタクト層(受基板)
41 機械軸
42 筒状絶縁部
43 板状部
44 スリット
45 溝部
46 受部材
47 ボス
48 支持部
51 第1導電性弾性体
52 第2導電性弾性体
53 座屈防止部
54 ひげ部
61〜65 電気接点
70 他のコンタクト層

Claims (6)

  1. 第1コンタクト層と、
    前記第1コンタクト層と一端側の端部を離間させて配置される筒状絶縁部と、
    前記筒状絶縁部内に配置され、一端が前記第1コンタクト層と電気的に接続される第1導電性弾性体と、
    前記筒状絶縁部の外周に配置され、一端が前記第1コンタクト層と電気的に接続される第2導電性弾性体と、
    前記第1導電性弾性体と第2導電性弾性体を介して、前記第1コンタクト層と電気的に接続される1又は2の他のコンタクト層と、を備え、
    前記第1導電性弾性体の前記一端は、少なくとも前記第1コンタクト層と前記筒状絶縁部の離間している範囲に座屈防止部が設けられていることを特徴とする電子機器。
  2. 前記第1導電性弾性体の前記座屈防止部における螺旋巻のピッチは、前記第1導電性弾性体の前記座屈防止部以外の部分における螺旋巻のピッチよりも狭く設定されていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
  3. 前記他のコンタクト層が1つであり、
    前記筒状絶縁部に設けられ、前記他のコンタクト層を前記第1コンタクト層と対向配置する板状部を備え、
    前記筒状絶縁部には、前記一端側の前記端部から他端側に向けてスリットが形成され、
    前記板状部には、前記スリットに繋がる溝部が形成され、
    前記第1導電性弾性体が前記溝部に配置されるひげ部を有し、
    前記第1導電性弾性体の前記ひげ部が前記他のコンタクト層の一方の面に電気的に接続されるとともに、前記第2導電性弾性体の他端が前記他のコンタクト層の他方の面に電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
  4. 前記他のコンタクト層が1つであり、
    前記筒状絶縁部に設けられ、前記他のコンタクト層を前記第1コンタクト層と対向配置する板状部と、
    前記筒状絶縁部の他端に取付けられ、前記筒状絶縁部内に配置された前記第1導電性弾性体の他端を受ける導電性材料からなる受部材と、
    前記筒状絶縁部の他端と受部材とで挟持される導電性材料からなるコンタクトバネと、を備え、
    前記板状部には、前記板状部上に配置される前記他のコンタクト層の他方の面にアクセスするための開口が形成され、
    前記コンタクトバネが前記開口を通じて前記他のコンタクト層の一方の面に電気的に接続されるとともに、前記第2導電性弾性体の他端が前記他のコンタクト層の他方の面に電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
  5. 前記他のコンタクト層が2つであり、
    前記筒状絶縁部に設けられ、一方の前記他のコンタクト層を前記第1コンタクト層と対向配置する板状部を備え、
    前記第2導電性弾性体の他端が前記一方の他のコンタクト層に電気的に接続され、
    前記第1導電性弾性体の他端が、前記筒状絶縁部の他端側の端部から離間して対向配置される他方の前記他のコンタクト層に電気的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
  6. 前記電子機器が時計であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の電子機器。
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