JP6381201B2 - 置換芳香族化合物、青色発光材料、有機el素子 - Google Patents

置換芳香族化合物、青色発光材料、有機el素子 Download PDF

Info

Publication number
JP6381201B2
JP6381201B2 JP2013239933A JP2013239933A JP6381201B2 JP 6381201 B2 JP6381201 B2 JP 6381201B2 JP 2013239933 A JP2013239933 A JP 2013239933A JP 2013239933 A JP2013239933 A JP 2013239933A JP 6381201 B2 JP6381201 B2 JP 6381201B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
anthracene
synthesis
cyanophenyl
organic
nmr
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013239933A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014122212A (ja
Inventor
勇進 夫
勇進 夫
鑑勇 胡
鑑勇 胡
城戸 淳二
淳二 城戸
孝 武田
孝 武田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chemipro Kasei Kaisha Ltd
Original Assignee
Chemipro Kasei Kaisha Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chemipro Kasei Kaisha Ltd filed Critical Chemipro Kasei Kaisha Ltd
Priority to JP2013239933A priority Critical patent/JP6381201B2/ja
Publication of JP2014122212A publication Critical patent/JP2014122212A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6381201B2 publication Critical patent/JP6381201B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

本発明は、置換芳香族化合物、これを用いた青色発光材料及び有機EL素子に関する。
IT社会と言われる今日、それを支える携帯電話(スマートフォン)、PDAや車載情報端末などの発展に伴い、これらに使用される中小型表示装置が多様化されるようになった。一般には、これらに用いられるディスプレイとして液晶ディスプレイ(LCD)が採用されている。液晶ディスプレイは、過去には視野角依存性の問題やバックライトが必要なため軽量薄型化することが非常に困難であるという問題があった。しかし配光膜や偏光板などの技術の進歩による光の取り出し技術が向上したことやバックライトが冷陰極管から軽量小型な白色発光ダイオード(LED)に変わったこと等の理由により、これらの問題はほぼ解決されるところまできている。しかし液晶ディスプレイは、バックライトからの受発光型であるため、光を取り出すためのディスプレイの構成が複雑である。
この液晶ディスプレイとよく対比されるディスプレイの1つとして、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ(OLED)がある。
有機ELディスプレイは、プラズマディスプレイ(PDP)と同様に自発光型のディスプレイであり、液晶ディスプレイのようにバックライトを必要としない。そのためディスプレイの構成は単純であり、より薄くかつ軽量にすることが可能で持ち運び用の表示手段として適している。一部の携帯電話、携帯ゲーム機や音楽プレーヤーでは、有機ELディスプレイが液晶ディスプレイに取って代わりつつある状況である。また次世代のテレビとしての応用研究も始まっている。
最近のディスプレイは、フルカラー化技術が進歩し高精細化が図られている。有機ELディスプレイでも光の3原色(青、緑、赤)を取り出すため、これに適した蛍光材料が使用されている。
例えば青色蛍光材料では、楠本らの非特許文献1に開示された下記式で示される4,4′−ビス[2,2−ビス(4−メチルフェニル)エテニル]−1,1′−ビフェニル(DTVBi)が良く知られている。
Figure 0006381201
また、緑色蛍光材料では、コダックのTangらが最初に有機ELで使用した下記式で示されるトリス(8−ヒドロキシキノリノラト)アルミニウム(Alq)が良く用いられている(非特許文献2)。
Figure 0006381201
また、赤色蛍光材料については、レーザー色素としても良く用いられている下記式で示される4−(ジシアノメチレン)−2−t−ブチル−6−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジル−9−エテニル)−4H−ピラン(DCJTB)などのピラン化合物が良く用いられている(非特許文献3)。
Figure 0006381201
中でも高効率な青色材料の開発は、有機EL照明、有機ELディスプレイの高性能化において極めて重要である。有機EL照明の高い演色性、有機ELディスプレイの高い色再現性のためには、色純度の高い深い青色発光が望まれている。
例えば、特許文献1には、下記式で示される9,10−ジフェニルアントラセン誘導体{9−フェニル−10−[4−(10−フェニル−9−アントラセニル)フェニル]アントラセン}が、蛍光有機EL素子のホスト材料として記載されているが、青色発光材料としての用途開発はほとんど行われていない。
Figure 0006381201
特開2006−114844号公報
H.Tokairin,M.Matsuura,H.Higashi,C.Hosokawa and T.Kusumoto,SPIE proceedings,1910,38(1993) C.W.Tang and S.A.VanSlyke,Appl.Phys.Lett.,51,913(1987) C.H.Chen,C.W.Tang,J.Shi and P.Klubek,Macromolecular Symposia(1997),49−58,125(1998)
本発明は、置換芳香族化合物、これを用いた高い色再現性を有し色純度の高い高効率な青色発光材料、及び有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子の提供を目的とする。
上記課題は、次の1)〜3)の発明によって解決される。
1) 下記一般式[1]で示される置換芳香族化合物。
Figure 0006381201
〔上記式中、R〜R28は、それぞれ独立に、水素又は炭素数1〜4の直鎖若しくは枝分かれしていても良いアルキル基、Aは、水素、炭素数1〜4の直鎖若しくは枝分かれしていても良いアルキル基、又は炭素数1〜4の直鎖若しくは枝分かれしていても良いアルコキシ基、EWGは、シアノ基又はトリフルオロメチル基である。〕
2) 1)記載の置換芳香族化合物を用いた青色発光材料。
3) 2)記載の青色発光材料を用いた有機EL素子。
本発明によれば、置換芳香族化合物、これを用いた高い色再現性を有し色純度の高い高効率な青色発光材料、及び有機EL素子を提供できる。
本発明の青色発光材料は、片側の末端に電子吸引性の置換基を有しており、色度座標上でx=0.15、y=0.06という従来にない深い青色発光を示し、外部量子効率においても5%を超える高効率を達成できる。このような高効率の青色発光材料は、有機EL照明の高い演色性、有機ELディスプレイの高い色再現性において必要不可欠なものである。したがって本発明の青色発光材料は、工業的に極めて有用である。
実施例1の9−phenylanthraene(1)のH−NMRスペクトル(400MHz,in CDCl)を示す図。 実施例1の9−phenylanthraene(1)のEI−MSスペクトルを示す図。 実施例1の9−ブロモ−10−フェニルアントラセン(2)のH−NMRスペクトル(400MHz,in CDCl)を示す図。 実施例1の9−ブロモ−10−フェニルアントラセン(2)のEI−MSスペクトルを示す図。 実施例1の9−(4−シアノフェニル)アントラセン(3)のH−NMRスペクトル(400MHz,in CDCl)を示す図。 実施例1の9−(4−シアノフェニル)アントラセン(3)のEI−MSスペクトルを示す図。 実施例1の9−ブロモ−10−(4−シアノフェニル)アントラセン(4)のH−NMRスペクトル(400MHz,in CDCl)を示す図。 実施例1の9−ブロモ−10−(4−シアノフェニル)アントラセン(4)のEI−MSスペクトルを示す図。 実施例1の9−(4−シアノフェニル)−10−(4−クロロフェニル)アントラセン(5)のH−NMRスペクトル(400MHz,in CDCl)を示す図。 実施例1の9−(4−シアノフェニル)−10−(4−クロロフェニル)アントラセン(5)のEI−MSスペクトルを示す図。 実施例1の4,4,5,5−テトラメチル−2−{4−〔10−(4−シアノフェニル)アントラセン−9−イル〕フェニル}−1,3,2−ジオキサボロラン(6)のH−NMRスペクトル(400MHz,in CDCl)を示す図。 実施例1の4,4,5,5−テトラメチル−2−{4−〔10−(4−シアノフェニル)アントラセン−9−イル〕フェニル}−1,3,2−ジオキサボロラン(6)のEI−MSスペクトルを示す図。 実施例1の1−(10−フェニルアントラセン−9−イル)−4−(10−(4−シアノフェニル)アントラセン−9−イル)ベンゼン(1PA4CAB)のH−NMRスペクトル(400MHz,in CDCl)を示す図。 実施例1の1−(10−フェニルアントラセン−9−イル)−4−(10−(4−シアノフェニル)アントラセン−9−イル)ベンゼン(1PA4CAB)のEI−MSスペクトルを示す図。 実施例2の9−(4−メトキシフェニル)アントラセン(7)のH−NMRスペクトル(400MHz,in CDCl)を示す図。 実施例2の9−(4−メトキシフェニル)アントラセン(7)のEI−MSスペクトルを示す図。 実施例2の9−ブロモ−10−(4−メトキシフェニル)アントラセン(8)のH−NMRスペクトル(400MHz,in CDCl)を示す図。 実施例2の9−ブロモ−10−(4−メトキシフェニル)アントラセン(8)のEI−MSスペクトルを示す図。 実施例2の1−(10−(4−メトキシフェニル)アントラセン−9−イル)−4−(10−(4−シアノフェニル)アントラセン−9−イル)ベンゼン(1MPA4CAB)のH−NMRスペクトル(400MHz,in CDCl)を示す図。 実施例2の1−〔10−(4−メトキシフェニル)アントラセン−9−イル〕−4−〔10−(4−シアノフェニル)アントラセン−9−イル〕ベンゼン(1MPA4CAB)のEI−MSスペクトルを示す図。 実施例12の9−(4−トリフルオロメチルフェニル)アントラセン(27)のH−NMRスペクトル(600MHz,in CDCl)を示す。 実施例12の9−ブロモ−10−(4−トリフルオロメチルフェニル)アントラセン(28)のH−NMRスペクトル(600MHz,in CDCl)を示す。 実施例12の9−(4−トリフルオロメチルフェニル)−10−(4−クロロフェニル)アントラセン(29)のH−NMRスペクトル(600MHz,in CDCl)を示す。 実施例12の4,4,5,5−テトラメチル−2−(4−(10−(4−トリフルオロメチルフェニル)−アントラセン−9−イル)−フェニル)−1,3,2−ジオキサボロラン(30)のH−NMRスペクトル(600MHz,in CDCl)を示す。 実施例12の1−(10−フェニルアントラセン−9−イル)−4−(10−(4−トリフルオロメチルフェニル)−アントラセン−9−イル)ベンゼン(1PA4TAB)のH−NMRスペクトル(600MHz,in CDCl)を示す。 実施例12の1−(10−フェニルアントラセン−9−イル)−4−(10−(4−トリフルオロメチルフェニル)−アントラセン−9−イル)ベンゼン(1PA4TAB)のEI−MSスペクトルを示す。 実施例13の1−(10−(4−メトキシフェニルアントラセン−9−イル)−4−(10−(4−トリフルオロメチルフェニル)アントラセン−9−イル)ベンゼン(1MPA4TAB)のH−NMRスペクトル(600MHz,in CDCl)を示す。 実施例13の1−(10−(4−メトキシフェニルアントラセン−9−イル)−4−(10−(4−トリフルオロメチルフェニル)アントラセン−9−イル)ベンゼン(1MPA4TAB)のEI−MSスペクトルを示す。 実施例14の1−(10−(4−トリル)アントラセン−9−イル)−4−(10−(4−トリフルオロメチルフェニル)アントラセン−9−イル)ベンゼン(1TA4TAB)のH−NMRスペクトル(600MHz,in CDCl)を示す。 実施例14の1−(10−(4−トリル)アントラセン−9−イル)−4−(10−(4−トリフルオロメチルフェニル)アントラセン−9−イル)ベンゼン(1TA4TAB)のEI−MSスペクトルを示す。
実施例1、2、比較例1の融点の測定結果を示す図。 実施例1、2、比較例1の分解温度の測定結果を示す図。 実施例1、2、比較例1のトルエン溶液状で測定したUVとPLの結果を示す図。 実施例1、2、比較例1の薄膜上で測定したUVとPLの結果を示す図。 実施例15、16、比較例2の電流密度−電圧特性を示す図。 実施例15、16、比較例2の電流効率−輝度特性を示す図。 実施例15、16、比較例2の電力効率−輝度特性を示す図。 実施例15、16、比較例2の外部量子効率−電流密度特性を示す図。 実施例15、16、比較例2のELスペクトルを示す図。 実施例17、18、比較例3の電流密度−電圧特性を示す図。 実施例17、18、比較例3の電流効率−輝度特性を示す図。 実施例17、18、比較例3の電力効率−輝度特性を示す図。 実施例17、18、比較例3の外部量子効率−輝度特性を示す。 実施例17、18、比較例3のELスペクトルを示す図。 本発明の有機EL素子の一例を示す断面図。 本発明の有機EL素子の他の例を示す断面図。 本発明の有機EL素子の他の例を示す断面図。 本発明の有機EL素子の他の例を示す断面図。 本発明の有機EL素子の更に他の例を示す断面図。 本発明の有機EL素子の更に他の例を示す断面図。 本発明の有機EL素子の更に他の例を示す断面図。 本発明の有機EL素子の更に他の例を示す断面図。
前記一般式[1]におけるR〜R28の炭素数1〜4の直鎖若しくは枝分かれしていても良いアルキル基としては、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、ターシャリーブチル基などが挙げられる。炭素数1〜4の直鎖若しくは枝分かれしていても良いアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ノルマルプロポキシ基、イソプロポキシ基、ノルマルブトキシ基、イソブトキシ基、ターシャリーブトキシ基などが挙げられる。
本発明の置換芳香族化合物は、下記の反応により製造することができる。
Figure 0006381201
上記式中、R〜R12は、それぞれ独立に、水素又は炭素数1〜4の直鎖若しくは枝分かれしていても良いアルキル基、Aは、水素、炭素数1〜4の直鎖若しくは枝分かれしていても良いアルキル基、又は炭素数1〜4の直鎖若しくは枝分かれしていても良いアルコキシ基である。また、Pd(PPhはテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムである。
Figure 0006381201
上記式中、R13〜R16は、それぞれ独立に、水素又は炭素数1〜4の直鎖若しくは枝分かれしていても良いアルキル基である。Pd(OAc)は酢酸パラジウムであり、S−Phosは、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2′,6′−ジメトキシビフェニルの略称であり、KOAcは酢酸カリウムである。
Figure 0006381201
上記式中、R17〜R28は、それぞれ独立に、水素又は炭素数1〜4の直鎖若しくは枝分かれしていても良いアルキル基であり、EWGはシアノ基又はトリフルオロメチル基である。
Figure 0006381201
上記製造方法は、臭素化物とホウ酸エステルとのカップリング反応である。一般に鈴木カップリングと呼ばれる反応で有機合成反応では良く用いられる手法である。反応で用いるパラジウム触媒は、反応系中で0価を示すものであれば特に限定されるものではない。例示すれば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]パラジウム(0)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0)などが挙げられる。取り扱いやすさからテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)が好ましい。
反応に用いる塩基については無機物でも有機物でもよい。無機物としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムなどの炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどの炭酸水素塩、フッ化カリウム、フッ化セシウムなどのフッ化物、有機物しては、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラートなどのアルコラート化合物、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ターシャリーブチルアミンなどのアミン化合物が挙げられる。取り扱い易さの点からは炭酸カリウムが好ましい。無機塩を使用する場合は、反応系での分散性を上げるため水溶液として用いることが好ましい。
反応溶媒は、前記パラジウム触媒や塩基と反応しないものであれば特に限定されない。その例としては、トルエンやキシレンのような芳香族溶媒、1,4−ジオキサンや1,2−ジメトキシエタンのようなエーテル系溶媒が挙げられる。芳香族溶媒の場合、メタノールやエタノールなどのアルコール系溶媒と併用して使用することもできる。
原料合成の際、アントラセン化合物の臭素化については、一般的な方法としてN−ブロモコハク酸イミドを用いるが、触媒量の臭化第二鉄の存在下で臭素と反応させる方法でもよい。
中間原料の塩素化物からホウ酸化合物を得る反応については、塩素の反応性の低さからグリニャール試薬や金属リチウム試薬の合成が困難なため、下記〔化10〕に示す、S−Phos(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2′,6′−ジメトキシビフェニル)とビス(ピナコラート)ジボランを用いてボロン酸エステルを直接合成する。
Figure 0006381201
本発明の一般式[1]で示される化合物の例を表1〜表11に示す。表中のA、R〜R28、EWGは、一般式[1]の置換基を指す。なお、表中のメチル基は、エチル基、プロピル基、ブチル基などの他のアルキル基と置き換えることができる。
Figure 0006381201
Figure 0006381201
Figure 0006381201
Figure 0006381201
Figure 0006381201
Figure 0006381201
Figure 0006381201
Figure 0006381201
Figure 0006381201
Figure 0006381201
Figure 0006381201
本発明の青色発光材料は深い青色発光を示すので工業的に極めて有用である。この材料を用いた層の形成は、蒸着又は塗布により行うことが望ましい。
本発明の青色発光材料を有機EL素子の発光材料に使用する場合、単独で用いてもよいし、適当なホスト材料と組み合わせて用いてもよい。
次に本発明の有機EL素子について説明する。
本発明の有機EL素子は、陽極と陰極間に複数層の有機化合物を積層した素子であり、発光層の発光材料として本発明の青色発光材料を含有する。発光層は、発光材料単独又は発光材料とホスト材料から構成される。
多層型の有機EL素子の構成例としては、例えば陽極(例えばITO)/ホール輸送層/発光層/電子輸送層/陰極、ITO/ホール輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極、ITO/ホール輸送層/発光層/ホールブロック層/電子輸送層/陰極、ITO/ホール輸送層/発光層/ホールブロック層/電子輸送層/電子注入層/陰極、ITO/ホール注入層(正孔注入層)/ホール輸送層/発光層/ホールブロック層/電子輸送層/電子注入層/陰極等の多層構成で積層したものが挙げられる。また、必要に応じて陰極上に封止層を有していても良い。
ホール輸送層、電子輸送層、及び発光層のそれぞれの層は、各機能を分離した多層構造であることが望ましい。またホール輸送層、電子輸送層はそれぞれの層で注入機能を受け持つ層(ホール注入層及び電子注入層)と輸送機能を受け持つ層(ホール輸送層及び電子輸送層)を別々に設けることもできる。
以下、本発明の有機EL素子の構成要素について、陽極/ホール輸送層/発光層/電子輸送層/陰極からなる素子構成を例として説明する。
本発明の有機EL素子は基板に支持されていることが好ましい。基板の素材については特に制限はなく、従来の有機EL素子に慣用されているものが使用でき、例えばガラス、石英ガラス、透明プラスチックなどからなるものを用いることができる。
陽極は、仕事関数の大きな金属単体(4eV以上)、仕事関数の大きな金属同士の合金(4eV以上)、導電性物質、及びこれらの混合物を電極材料とすることが好ましい。電極材料の具体例としては、金、銀、銅等の金属、ITO(インジウム−スズオキサイド)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)などの導電性透明材料、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性高分子材料が挙げられる。陽極は、これらの電極材料を用いて、蒸着、スパッタリング、塗布などの方法で作製することができる。陽極のシート電気抵抗は数百Ω/cm以下が好ましい。陽極の膜厚は材料にもよるが、一般に5〜1,000nm程度、好ましくは10〜500nmである。
陰極は、仕事関数の小さな金属単体(4eV以下)、仕事関数の小さい金属同士の合金(4eV以下)、導電性物質、及びこれらの混合物を電極材料とすることが好ましい。
電極材料の具体例としては、リチウム、リチウム−インジウム合金、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、アルミニウム、アルミニウム−リチウム合金、アルミニウム−マグネシウム合金などが挙げられる。陰極は、これらの電極材料を用いて蒸着、スパッタリングなどの方法で薄膜を形成させることにより作製することができる。陰極のシート電気抵抗は数百Ω/cm以下が好ましい。陰極の膜厚は材料にもよるが、一般に5〜1,000nm程度、好ましくは10〜500nmである。有機EL素子の発光を効率よく取り出すため、陽極と陰極の少なくとも一方は透明又は半透明であることが好ましい。
ホール輸送層はホール伝達物質からなり、陽極から注入されたホールを発光層に伝達する機能を有している。電界が与えた2つの電極の間に正孔伝達化合物が配置されて陽極からホールが注入された場合、少なくとも10−6cm/V・秒以上のホール移動度を有するホール伝達物質が好ましい。
ホール伝達物質としては、前記性能を有するものであれば特に制限はなく、従来光導電材料においてホールの電荷注入材料として慣用されているものや有機EL素子のホール輸送層に使用されている公知の材料の中から任意のものを選択して用いることができる。
ホール伝達物質の例としては、銅フタロシアニンなどのフタロシアニン誘導体、N,N,N′,N′−テトラフェニル−1,4−フェニレンジアミン、N,N′−ジ(m−トリル)−N,N′−ジフェニル−4,4−ジアミノフェニル(TPD)、N,N′−ジ(1−ナフチル)−N,N′−ジフェニル−4,4−ジアミノフェニル(α−NPD)等のトリアリールアミン誘導体、ポリフェニレンジアミン誘導体、ポリチオフェン誘導体、水溶性のPEDOT−PSS(ポリエチレンジオキサチオフェン−ポリスチレンスルホン酸)などが挙げられる。
ホール輸送層は、上記ホール伝達物質を一種又は二種以上用いた一層構成のもので良いが、更に上記以外のホール伝達物質からなるホール輸送層を積層したものでも良い。
ホール注入材料としては、下記のPEDOT−PSS(ポリマー混合物)、DNTPDなどが挙げられる。
Figure 0006381201
ホール輸送材料としては、下記のTPD、DTASi、α−NPDなどが挙げられる。
Figure 0006381201
電子輸送層は電子輸送材料からなり、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有している。電界が与えた2つの電極の間に電子輸送材料が配置されて陰極から電子が注入された場合、少なくとも10−6cm/V・秒以上の電子移動度を有する電子輸送材料が好ましい。電子輸送材料としては、前記性能を有するものであれば特に制限はなく、従来光導電材料において電子の電荷注入材料として慣用されているものや有機EL素子の電子輸送層に使用されている公知の材料の中から任意のものを選択して用いることができる。
電子輸送材料の例としては、トリス(8−ヒドロキシキノリノラト)アルミニウム錯体(Alq)のようなキノリン錯体、1−N−フェニル−2−(p−ビフェニルイル)−5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン(TAZ)のようなトリアジン誘導体、1,4−ジ(1,10フェナントロリン−2−イル)ベンゼン(DPB)のようなフェナントロリン誘導体、フッ化リチウムのようなハロゲン化アルカリ金属などが挙げられる。
電子輸送層は、上記電子輸送材料を一種又は二種以上用いた一層構成のもので良いが、更に上記以外の電子輸送材料からなる電子輸送層を積層したものでも良い。
電子注入材料としては、フッ化リチウム(LiF)や下記の8−ヒドロキシキノリノラトリチウム錯体(Liq)などの他に、本出願人の出願に係る特開2008−106015号公報及び特開2008−195623号公報で開示した下記のフェナントロリン誘導体のリチウム錯体(LiPB)やフェノキシピリジンのリチウム錯体(LiPP)を用いることもできる。
Figure 0006381201
電子輸送材料としては、下記のAlq、TAZなどが挙げられる。
Figure 0006381201
また、本出願人の出願に係る特開2007−137829号公報及び特開2008−063232号公報で開示した下記のトリアジン誘導体(TmPyPhTAZ)やビフェニル誘導体(tetra−pPyPhBP)などを用いることもできる。
Figure 0006381201
本発明の有機EL素子の発光層には本発明の青色発光材料を用いるが、他の発光材料を併用することもできる。
併用する発光材料としては、ペリレン誘導体、ナフタセン誘導体、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体(例えばクマリン1、クマリン540、クマリン545など)ピラン誘導体(例えばDCM−1、DCM−2、DCJTBなど)、有機金属錯体、例えばトリス(8−ヒドロキシキノリノラト)アルミニウム錯体(Alq)、トリス(4−メチル−8−ヒドロキシキノリノラト)アルミニウム錯体(Almq)等の蛍光材料や、[2−(4,6−ジフルオロフェニル)ピリジル−N,C2′]イリジウム(III)ピコリレート(FIrpic)、トリス{1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−ピラゾラート−N,C2′}イリジウム(III)(Irtfmppz)、ビス[2−(4′,6′−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2′]イリジウム(III)テトラキス(1−ピラゾリル)ボレート(FIr6)、トリス(2−フェニルピリジナト)イリジウム(III)(Irppy)などのリン光材料などが挙げられる。
発光層は、一般にホスト材料と発光材料(ドーパント)から形成されるが[Appl.Phys.Lett.,65 3610(1989)]、本発明の青色発光材料はホスト材料なしでも使用できる。本発明の青色発光材料とホスト材料を併用する場合のホスト材料の例としては、下記の2−ターシャリーブチル−9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン(TBADN)、2−メチル−9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン(MADN)などが挙げられる。また、ドーパントにリン光材料を併用する場合の例としては、下記の4,4′−ジ(N−カルバゾリル)−1,1′−ビフェニル(CBP)、1,4−ジ(N−カルバゾリル)ベンゼン−2,2′−ジ[4″−(N−カルバゾリル)フェニル]−1,1′−ビフェニル(4CzPBP)などが挙げられる。
本発明の青色発光材料は、ホスト材料に対して0.01〜40重量%用いることが好ましく、より好ましくは0.1〜20重量%である。
Figure 0006381201
本発明の有機EL素子は、ホール注入性を更に向上させる目的で陽極と有機化合物の層の間に有機導電体から構成されるホール注入層を更に設けても良い。ここで使用されるホール注入材料としては、本発明の化合物の他に銅フタロシアニンなどのフタロシアニン誘導体、ポリフェニレンジアミン誘導体、ポリチオフェン誘導体、及びPEDOT−PSS(ポリエチレンジオキシチオフェン−ポリスチレンスルホン酸)などが挙げられる。
本発明の青色発光材料を含むホール注入層、ホール輸送層の形成方法は特に限定されないが、例えば乾式製膜法(真空蒸着法、イオン化蒸着法など)、湿式製膜法[溶媒塗布法(スピンコート法、キャスト法、インクジェット法など)]を使用することができる。
電子輸送層の製膜については、湿式製膜法で行うと下層が溶出する恐れがあるため乾式製膜法(真空蒸着法、イオン化蒸着法など)に限定される。
有機EL素子の作製全体については上記の製膜法を併用しても構わない。
真空蒸着法によりホール輸送層、発光層、電子輸送層などの各層を形成する場合、真空蒸着条件は特に限定されないが、通常10−5Torr程度以下の真空下、50〜500℃程度のボート温度(蒸着原温度)、−50〜300℃程度の基板温度で、0.01〜50nm/sec.程度蒸着することが好ましい。正孔輸送層、発光層、電子輸送層の各層を複数の化合物を使用して形成する場合、化合物を入れたボートをそれぞれ温度制御しながら共蒸着することが好ましい。
ホール注入層、ホール輸送層を溶媒塗布法で形成する場合、各層を構成する成分を溶媒に溶解又は分散させて塗布液とする。溶媒としては、炭化水素系溶媒(ヘプタン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン等)、ケトン系溶媒(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、ハロゲン系溶媒(ジクロロメタン、クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等)、エステル系溶媒(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、アルコール系溶媒(メタノール、エタノール、ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等)、エーテル系溶媒(ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等)、非プロトン性溶媒(N,N′−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等)、水等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で使用しても、複数の溶媒を併用しても良い。
ホール輸送層、発光層、電子輸送層等の各層の膜厚は、特に限定されないが、通常5〜5,000nmになるようにする。
また、本発明の有機EL素子は、酸素や水分等の接触を遮断するため保護層(封止層)を設けたり、不活性物質中に素子を封入して保護することができる。不活性物質としてはパラフィン、シリコンオイル、フルオロカーボン等が挙げられる。保護層に使用する材料としては、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、光硬化性樹脂等が挙げられる。
本発明の有機EL素子は、通常、直流駆動の素子として使用する。直流電圧を印加する場合、陽極をプラス、陰極をマイナスの極性として1.5〜20V程度印加すると発光が観察される。また本発明の有機EL素子は交流駆動の素子としても使用できる。交流電圧を印加する場合には、陽極がプラス、陰極がマイナスの状態になった時に発光する。
本発明の有機EL素子は、例えば電子写真感光体、フラットパネルディスプレイなどの平面発光体、複写機、プリンター、液晶ディスプレイのバックライト、計器等の光源、各種発光素子、各種表示装置、各種標識、各種センサー、各種アクセサリーなどに使用することができる。
図45〜図52に、本発明の有機EL素子の好ましい例を示す。
図45は、本発明の有機EL素子の一例を示す断面図である。図45は、基板1上に陽極2、正孔輸送層5、発光層3、電子輸送層6及び陰極4を順次設けた構成のものである。これはキャリア輸送と発光の機能を分離したものであり、材料選択の自由度が増すので、発光の高効率化や発光色の自由度が増すことになる。
図46は、本発明の有機EL素子の他の例を示す断面図である。図46は、基板1上に陽極2、ホール注入層7、ホール輸送層5、発光層3、電子輸送層6及び陰極4を順次設けた構成のものである。ホール注入層7を設けることにより、陽極2とホール輸送層5の密着性が高まり、陽極からのホール注入が良くなり、発光素子の低電圧化に効果がある。
図47は、本発明の有機EL素子の他の例を示す断面図である。図47は、基板1上に陽極2、ホール輸送層5、発光層3、電子輸送層6、電子注入層8及び陰極4を順次設けた構成のものである。この場合、陰極4からの電子注入が良くなり、発光素子の低電圧化に効果がある。
図48は、本発明の有機EL素子の他の例を示す断面図である。図48は、基板1上に陽極2、ホール注入層7、ホール輸送層5、発光層3、電子輸送層6、電子注入層8及び陰極4を順次設けた構成のものである。この場合、陽極2からのホール注入が良くなり、陰極4からの電子注入が良くなり、最も低電圧駆動に効果がある構成である。
図49〜図52は、本発明の有機EL素子の更に他の例を示す断面図であり、素子の中にホールブロック層を挿入した構成のものである。ホールブロック層は、陽極から注入されたホール、又は発光層3で再結合により生成した励起子が、陰極4に抜けることを防止する効果があり、有機EL素子の発光効率の向上に効果がある。ホールブロック層9については、発光層3と陰極4の間、発光層3と電子輸送層6の間、又は発光層3と電子注入層8の間に挿入することができる。好ましいのは発光層3と電子輸送層6の間である。
図49〜図52で、ホール輸送層5,ホール注入層7、電子輸送層6、電子注入層8、発光層3、ホールブロック層9のそれぞれの層は、一層構造でも多層構造でも良い。
上記図45〜図52は、あくまでも基本的な素子構成であり、本発明の化合物を用いた有機EL素子の構成はこれらに限定されるものではない。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1
1−(10−フェニルアントラセン−9−イル)−4−〔10−(4−シアノフェニル)アントラセン−9−イル〕ベンゼン(1PA4CAB;表1のNo.1の化合物)の合成
Figure 0006381201
<1>9−フェニルアントラセン(1)の合成
Figure 0006381201
9−ブロモアントラセン(5.00g,19.45mmol)、フェニルボロン酸(3.56g,29.18mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(1.12g,0.97mmol)、2M−炭酸カリウム水溶液(40mL,KCO 26.00g,194.50mmol)、エタノール(40mL)、トルエン(180mL)の混合物を窒素雰囲気下で24時間還流した。室温まで冷却後、トルエン(500mL)で抽出・洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)により精製した。ヘキサンにより再結晶後、薄黄色粉末を得た(4.74g,収率96%)。
この薄黄色粉末を核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)及び質量分析(EI−MS)で確認した。H−NMRの図を図1に、EI−MSの図を図2に示す。また得られた結果は、H−NMR(400MHz,CDCl)d8.50(s,1H),8.04(d,J=8.68Hz,2H),7.66(d,J=9.16Hz,2H),7.61−7.53(m,4H)7.47−7.42(m,4H),7.34(t,1H)ppm.EI−MS:m/z254[M]であり、(1)の構造を支持するものであった。
<2>9−ブロモ−10−フェニルアントラセン(2)の合成

Figure 0006381201
9−フェニルアントラセン(1)(2.54g,10.0mmol)、N−ブロモコハク酸イミド(2.14g,12.0mmol)、クロロホルム(200mL)を窒素雰囲気下60°Cで1時間加熱した。室温まで冷却後、溶媒を減圧留去した。アセトンに再溶解後、メタノールに再沈殿させて濾別し、黄色固体を得た(3.26g,収率98%)。
この薄黄固体を、核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)及び質量分析(EI−MS)で確認した。H−NMRの図を図3に、EI−MSの図を図4に示す。また、得られた結果は、H−NMR(400MHz,CDCl)d8.60(d,J=9.12Hz,2H),7.64(d,J=9.16Hz,2H),7.60−7.54(m,4H),7.41−7.35(m,5H)ppm.EI−MS:m/z333[M]であり、(2)の構造を支持するものであった。
<3>9−(4−シアノフェニル)アントラセン(3)の合成
Figure 0006381201
9−ブロモアントラセン(5.00g,19.45mmol)、4−シアノフェニルボロン酸(4.28g,29.18mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(1.12g,0.97mmol)、2M−炭酸カリウム水溶液(40mL,KCO 26.00g,194.50mmol)、エタノール(40mL)、トルエン(180mL)の混合物を窒素雰囲気下で24時間還流した。室温まで冷却後、トルエン(500mL)で抽出・洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)により精製した。アセトンに再溶解後、メタノールに再沈殿させて濾別し、薄黄色粉末を得た(5.16g,収率95%)。
この薄黄色粉末を、核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)及び質量分析(EI−MS)で確認した。H−NMRの図を図5に、EI−MSの図を図6に示す。また得られた結果は、H NMR(400MHz,CDCl)d8.54(s,1H),8.07(d,J=8.72Hz,2H),7.89(d,J=8.24Hz,2H),7.56(d,J=7.80Hz,2H)7.52−7.46(dd,dd,4H),7.40−7.36(dd,J=7.80Hz,J=7.32Hz,2H)ppm.EI−MS:m/z279[M]であり、(3)の構造を支持するものであった。
<4>9−ブロモ−10−(4−シアノフェニル)アントラセン(4)の合成
Figure 0006381201
9−ベンゾニトリルアントラセン(3)(2.79g,10.0mmol)、N−ブロモコハク酸イミド(2.67g,15.0mmol)、クロロホルム(200L)を窒素雰囲気下60°Cで1時間加熱した。室温まで冷却後、溶媒を減圧留去した。アセトンに再溶解後、メタノールに再沈殿させて濾別し、黄色固体を得た(3.40g,収率95%)。
この黄色固体を、核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)及び質量分析(EI−MS)で確認した。H−NMRの図を図7に、EI−MSの図を図8に示す。また、得られた結果は、H−NMR(400MHz,CDCl):8.63(d,J=8.68,2H),7.89(d,J=8.24,2H),7.63−7.59(m,2H),7.54(d,J=8.24,2H),7.49(d,J=9.16,2H),7.43−7.39(m,2H)ppm.EI−MS:m/z357[M]であり、(4)の構造を支持するものであった。
<5>9−(4−シアノフェニル)−10−(4−クロロフェニル)アントラセン(5)の合成
Figure 0006381201
9−ブロモ−10−ベンゾニトリルアントラセン(4)(3.57g,10.0mmol)、p−クロロフェニルボロン酸(2.35g,15.0mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0.58mg,0.5mmol)、2M−炭酸カリウム水溶液(KCO 27.60g,200mmol,80mL)、エタノール(80mL)、トルエン(160mL)の混合物を窒素雰囲気下で終夜還流した。室温まで冷却後、ジクロロメタン(500mL)で抽出・洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)により精製した。ヘキサンにより再結晶後、薄黄色粉末を得た(3.46g,収率96%)。
この薄黄色粉末を核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)及び質量分析(EI−MS)で確認した。H−NMRの図を図9に、EI−MSの図を図10に示す。また得られた結果は、H−NMR(400MHz,CDCl):7.92(d,J=8.24Hz,2H),7.69−7.67(dd,J=3.20Hz,J=3.20Hz,2H),7.61-7.59(dd,J=4.60Hz,J=5.04Hz,4H),7.55-7.53(dd,J=3.20Hz,J=3.20Hz,2H),7.41(d,J=8.72,2H),7.40−7.36(dd,J=3.20Hz,J=3.20Hz,4H)ppm.EI−MS:m/z389[M]であり、(5)の構造を支持するものであった。
<6>4,4,5,5−テトラメチル−2−{4−〔10−(4−シアノフェニル)アントラセン−9−イル〕フェニル}−1,3,2−ジオキサボロラン(6)の合成
Figure 0006381201
9−(4−シアノフェニル)−10−(4−クロロフェニル)アントラセン(5)(3.89g,10.0mmol)、ビス(ピナコラート)ジボラン(3.81g,15.0mmol)、酢酸パラジウム(112.26mg,0.5mmol)、S−Phos(410.53mg,1.0mmol)、酢酸カリウム(2.96g,30.0mmol)、1,4−ジオキサン(200.00mL)の混合物を窒素雰囲気下で終夜還流した。室温まで冷却後、ジクロロメタン(600mL)で抽出・洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:ジクロロメタン=1:2)により精製した。ヘキサンにより再結晶後、白色固体を得た(2.50g,収率52%)。
この白色固体を、核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)及び質量分析(EI−MS)で確認した。H−NMRの図を図11に、EI−MSの図を図12に示す。また得られた結果は、H−NMR(400MHz,CDCl,25°C):d=8.05(d,J=7.76Hz,2H),7.91(d,J=8.24Hz,2H),7.71−7.68(dd,J=2.76Hz,J=1.80Hz,2H),7.61(d,J=8.24Hz,2H),7.54−7.51(dd,J=2.28Hz,J=3.20Hz,2H),7.49(d,J=7.76Hz,2H),7.36−7.32(m,4H),1.43(s,12H)ppm.EI−MS:m/z482[M]であり、(6)の構造を支持するものであった。
<7>1PA4CABの合成
Figure 0006381201
9−ブロモ−10−フェニルアントラセン(2)(0.832g,2.50mmol)、4,4,5,5−テトラメチル−2−{4−〔10−(4−シアノフェニル)アントラセン−9−イル〕フェニル}−1,3,2−ジオキサボロラン(6)(1.803g,3.75mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0.145g,0.125mmol)、2M−炭酸カリウム水溶液(KCO 6.90g,50mmol,20mL)、エタノール(20mL)、トルエン(80mL)の混合物を窒素雰囲気下で終夜還流した。室温まで冷却後、トルエン(500mL)で抽出・洗浄した。無水MgSOで乾燥後、溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:ジクロロメタン=1:4)により精製し、薄黄色粉末を得た(1.25g,収率82%)。
m.p.376℃.
この薄黄色粉末を、核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)、質量分析(EI−MS)及び元素分析で確認した。H−NMRの図を図13に、EI−MSの図を図14に示す。また、得られた結果は、H−NMR(400MHz,CDCl,25°C):d8.00(d,J=9.16Hz,2H),7.97(d,J=8.24Hz,2H),7.95(d,J=5.96Hz,2H),7.77(d,J=8.68Hz,2H),7.73(d,J=4.56Hz,2H),7.70(d,J=5.48Hz,2H),7.66(d,J=5.92Hz,2H),7.63(d,J=7.80Hz,2H),7.59(d,J=7.32Hz,2H),7.54−7.49(dd,dd,6H),7.45(d,J=8.24Hz,2H),7.41(d,J=7.12Hz,2H),7.40(t,1H)ppm.EI−MS:m/z608[M].Anal.Calcd for C4629N:C.92.89;H.4.81;N.2.30.Found C.92.71;H.5.04;N.2.25であり、1PA4CABの構造を支持するものであった。
実施例2
1−〔10−(4−メトキシフェニル)アントラセン−9−イル〕−4−〔10−(4−シアノフェニル)アントラセン−9−イル〕ベンゼン(1MPA4CAB;表2のNo.31の化合物)の合成
Figure 0006381201
<1>9−(4−メトキシフェニル)アントラセン(7)の合成
Figure 0006381201
9−ブロモアントラセン(5.00g,19.45mmol)、4−メトキシフェニルボロン酸(4.43g,29.18mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(1.12g,0.97mmol)、2M−炭酸カリウム水溶液(40mL,KCO 26.00g,194.50mmol)、エタノール(40mL)、トルエン(180mL)の混合物を窒素雰囲気下で24時間還流した。室温まで冷却後、トルエン(500mL)で抽出・洗浄した。無水MgSOで乾燥後、溶媒を減圧留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)により精製した。ヘキサンにより再結晶後、薄黄色粉末を得た(5.41g,収率98%)。
この薄黄色粉末を、核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)及び質量分析(EI−MS)で確認した。H−NMRの図を図15に、EI−MSの図を図16に示す。また得られた結果は、H−NMR(400MHz,CDCl):8.48(s,1H),8.04(d,J=8.24Hz,2H),7.72(d,J=8.68Hz,2H),7.48−7.44(dd,2H),7.37−7.35(dd,dd,4H),7.12(d,J=8.68Hz,2H),3.95(s,3H)ppm.EI−MS:m/z284[M]であり、(7)の構造を支持するものであった。
<2>9−ブロモ−10−(4−メトキシフェニル)アントラセン(8)の合成
Figure 0006381201
9−(4−メトキシフェニル)アントラセン(7)(2.84g,10.0mmol)、N−ブロモコハク酸イミド(2.14g,12.0mmol)、クロロホルム(200mL)を窒素雰囲気下60°Cで1時間加熱した。室温まで冷却後、溶媒を減圧留去した。アセトンに再溶解後、メタノールに再沈殿させて濾別し、黄色固体を得た(3.56g,収率98%)。
この黄色固体を、核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)及び質量分析(EI−MS)で確認した。H−NMRの図を図17に、EI−MSの図を図18に示す。また得られた結果は、H−NMR(400MHz,CDCl):8.61(d,J=9.16Hz,2H),7.71(d,J=8.68,2H),7.61-7.57(dd,J=7.76Hz,J=7.86Hz,2H),7.40-7.36(dd,J=9.16Hz,J=8.68Hz,2H),7.32(d,J=8.68,2H),7.12(d,J=8.72,2H),3.95(s,3H)ppm.EI−MS:m/z363[M]であり(8)の構造を支持するものであった。
<3>1MPA4CABの合成
Figure 0006381201
9−ブロモ−10−(4−メトキシフェニル)アントラセン(8)(0.908g,2.50mmol)、前記ジオキサボロラン(6)(1.803g,3.75mmol)、Pd(PPh(0.145g,0.125mmol)、2M−炭酸カリウム水溶液(KCO 6.90g,50mmol,20mL)、エタノール(20mL)、トルエン(80mL)の混合物を窒素雰囲気下で終夜還流した。室温まで冷却後、トルエン(500mL)で抽出・洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:ジクロロメタン=1:2)により精製し、黄色粉末を得た(1.37g,収率86%)。m.p.415℃.
この黄色粉末を、核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)、質量分析(EI−MS)及び元素分析で確認した。H−NMRの図を図19に、EI−MSの図を図20に示す。また得られた結果は、H−NMR(400MHz,CDCl,25°C):d8.00(d,J=8.72Hz,2H),7.96(d,J=1.84Hz,2H),7.94(d,J=1.36Hz,2H),7.82(d,J=8.72Hz,2H),7.73(d,J=4.56Hz,2H),7.72(d,J=3.64Hz,2H),7.68(d,J=8.24Hz,2H),7.61(d,J=8.68Hz,2H),7.52−7.49(m,4H),7.45(d.J=8.68Hz,2H),7.44−7.41(m,4H),7.18(d,J=8.24Hz,2H),3.98(s,3H)ppm.EI−MS:m/z638[M].Anal.Calcd for C4831NO:C.90.40;H.4.90;N.2.20.Found C.90.48;H.4.83;N.2.32であり、1MPA4CABの構造を支持するものであった。
実施例3
1−〔10−(4−トリル)アントラセン−9−イル〕−4−〔10−(4−シアノフェニル)アントラセン−9−イル〕ベンゼン(1TA4BAB;表1のNo.16の化合物)の合成
Figure 0006381201
<1>9−(4−トリル)アントラセン(9)の合成
Figure 0006381201
実施例1の<1>9−フェニルアントラセン(1)の合成におけるフェニルボロン酸に代えて、4−トリルボロン酸(4.00g,29.18mmol)を用いた点以外は同様にして9−(4−トリル)アントラセン(9)を合成した。(4.85g,収率93%)
<2>9−ブロモ−10−(4−トリル)アントラセン(10)の合成
Figure 0006381201
実施例1の<2>9−ブロモ−10−フェニルアントラセン(2)の合成に倣って、9−ブロモ−10−(4−トリル)アントラセン(10)を合成した。(3.30g,収率95%)
<3>1TA4BABの合成
Figure 0006381201
実施例1の1PA4CABの合成に倣って、1TA4CABを合成した。(1.32g,収率85%)
実施例4
1−(2−メチル−10−フェニルアントラセン−9−イル)−4−〔10−(4−シアノフェニル)アントラセン−9−イル〕ベンゼン(1PMA4CAB;表1のNo.6の化合物)の合成
Figure 0006381201
<1>2−メチル−9−フェニルアントラセン(11)の合成
Figure 0006381201
実施例1の<1>9−フェニルアントラセン(1)の合成における9−ブロモアントラセンに代えて2−メチル−9−ブロモアントラセン(5.27g,19.45mmol)を用いた点以外は同様にして、2−メチル−9−フェニルアントラセン(11)を合成した。(4.69g,収率90%)
<2>2−メチル−9−ブロモ−10−フェニルアントラセン(12)の合成
Figure 0006381201
実施例1の<2>9−ブロモ−10−フェニルアントラセン(2)の合成に倣って、2−メチル−9−ブロモ−10−フェニルアントラセン(12)を合成した。(3.33g,収率96%)
<3>1PMA4CABの合成
Figure 0006381201
実施例1の1PA4CABの合成に倣って、1PMA4CABを合成した。(1.35g、収率87%)
実施例5
1−(10−フェニルアントラセン−9−イル)−2−メチル−4−〔10−(4−シアノフェニル)アントラセン−9−イル〕ベンゼン(1PA2M4CAB;表1のNo.8の化合物)の合成
Figure 0006381201
<1>9−(4−シアノフェニル)−10−(3−メチル−4−クロロフェニル)アントラセンの合成(13)
Figure 0006381201
実施例1の<5>9−(4−シアノフェニル)−10−(4−クロロフェニル)アントラセン(5)の合成におけるp−クロロフェニルボロン酸に代えて、3−メチル−4−クロロフェニルボロン酸(2.56g,15.0mmol)を用いた点以外は同様にして、9−(4−シアノフェニル)−10−(3−メチル−4−クロロフェニル)アントラセン(13)を合成した。(3.71g、収率92%)
<2>4,4,5,5−テトラメチル−2−{4−〔10−(4−シアノフェニル)アントラセン−9−イル〕−3−メチルフェニル}−1,3,2−ジオキサボロラン(14)
の合成
Figure 0006381201
実施例1の<6>ジオキサボロラン(6)の合成に倣って、4,4,5,5−テトラメチル−2−{4−〔10−(4−シアノフェニル)アントラセン−9−イル〕−3−メチルフェニル}−1,3,2−ジオキサボロラン(14)を合成した。(2.33g、収率47%)
<3>1PA2M4CABの合成
Figure 0006381201
実施例1の<7>1PA4CABの合成に倣って、1PA2M4CABを合成した。
(1.29g、収率83%)
実施例6
1−(10−フェニルアントラセン−9−イル)−4−〔3−メチル−10−(4−シアノフェニル)アントラセン−9−イル〕ベンゼン(1PAM4CAB;表1のNo.11の化合物)の合成
Figure 0006381201
<1>2−メチル−9−(4−シアノフェニル)アントラセンの合成(15)
Figure 0006381201
実施例1の<3>9−(4−シアノフェニル)アントラセン(3)の合成における9−ブロモアントラセンに代えて2−メチル−9−ブロモアントラセン(5.27g,19.45mmol)を使用した点以外は同様にして、2−メチル−9−(4−シアノフェニル)アントラセン(15)を合成した。(5.30g、収率93%)
<2>3−メチル−9−ブロモ−10−(4−シアノフェニル)アントラセンの合成(16)
Figure 0006381201
実施例1の<4>9−ブロモ−10−(4−シアノフェニル)アントラセン(4)の合成に倣って、2−メチル−9−(4−シアノフェニル)アントラセン(15)(2.93g,10.0mmol)から、3−メチル−9−ブロモ−10−(4−シアノフェニル)アントラセン(16)を合成した。(3.42g,収率92%)
<3>3−メチル−9−(4−シアノフェニル)−10−(4−クロロフェニル)アントラセンの合成(17)
Figure 0006381201
実施例1の<5>9−(4−シアノフェニル)−10−(4−クロロフェニル)アントラセン(5)の合成に倣って、3−メチル−9−ブロモ−10−(4−シアノフェニル)アントラセン(16)(3.72g,10.0mmol)から、3−メチル−9−(4−シアノフェニル)−10−(4−クロロフェニル)アントラセン(17)を合成した。(3.83g,収率95%)
<4>4,4,5,5−テトラメチル−2−{4−〔3−メチル−10−(4−シアノフェニル)アントラセン−9−イル〕フェニル}−1,3,2−ジオキサボロラン(18)の合成
Figure 0006381201
実施例1の<6>ジオキサボロラン(6)の合成に倣って、4,4,5,5−テトラメチル−2−{4−〔3−メチル−10−(4−シアノフェニル)アントラセン−9−イル〕フェニル}−1,3,2−ジオキサボロラン(18)を合成した。(2.33g,収率47%)
<5>1PAM4CABの合成
Figure 0006381201
実施例1の<7>1PA4CABの合成に倣って、1PAM4CABを合成した。(1.30g、収率84%)
実施例7
1−(10−フェニルアントラセン−9−イル)−4−〔10−(3−メチル−4−シアノフェニル)−アントラセン−9−イル〕ベンゼン(1PA4MCAB;表1のNo.14の化合物)の合成
Figure 0006381201
<1>9−(3−メチル−4−シアノフェニル)アントラセン(19)の合成
Figure 0006381201
実施例1の<3>9−(4−シアノフェニル)アントラセン(3)の合成における4−シアノフェニルボロン酸に代えて3−メチル−4−シアノフェニルボロン酸(4.69g,29.18mmol)を使用した点以外は同様にして、3−メチル−9−(4−シアノフェニル)アントラセン(19)を合成した。(5.36g,収率94%)
<2>9−ブロモ−10−(3−メチル−4−シアノフェニル)アントラセン(20)の合成
Figure 0006381201
実施例1の<4>9−ブロモ−10−(4−シアノフェニル)アントラセン(4)の合成に倣って、9−(3−メチル−4−シアノフェニル)アントラセン(19)(2.93g,10.0mmol)から、3−メチル−9−ブロモ−10−(4−シアノフェニル)アントラセン(20)を合成した。(3.49g,収率94%)
<3>9−(3−メチル−4−シアノフェニル)−10−(4−クロロフェニル)アントラセン(21)の合成
Figure 0006381201
実施例1の<5>9−(4−シアノフェニル)−10−(4−クロロフェニル)アントラセン(5)の合成に倣って、9−ブロモ−10−(3−メチル−4−シアノフェニル)アントラセン(20)(3.72g,10.0mmol)から、9−(3−メチル−4−シアノフェニル)−10−(4−クロロフェニル)アントラセン(21)を合成した。(3.83g,収率95%)
<4>4,4,5,5−テトラメチル−2−{4−〔10−(3−メチル−4−シアノフェニル)アントラセン−9−イル〕フェニル}−1,3,2−ジオキサボロラン(22)の合成
Figure 0006381201
実施例1の<6>ジオキサボロラン(6)の合成に倣って、4,4,5,5−テトラメチル−2−{4−〔10−(3−メチル−4−シアノフェニル)アントラセン−9−イル〕フェニル}−1,3,2−ジオキサボロラン(22)を合成した。(2.22g,収率45%)
<5>1PA4MCABの合成
Figure 0006381201
実施例1の<7>1PA4CABの合成に倣って、1PA4MCABを合成した。(1.32g,収率85%)
実施例8
1−〔10−(2−メチル−4−メトキシ)フェニルアントラセン−9−イル〕−4−〔10−(4−シアノフェニル)アントラセン−9−イル〕ベンゼン(1MMPA4CAB;表2のNo.33の化合物)の合成
Figure 0006381201
<1>9−(2−メチル−4−メトキシフェニル)アントラセン(23)の合成
Figure 0006381201
実施例2の<1>9−(4−メトキシフェニル)アントラセン(7)の合成における4−メトキシボロン酸に代えて、2−メチル−4−メトキシフェニルボロン酸(4.84g,29.18mmol)を使用した点以外は同様にして、9−(2−メチル−4−メトキシフェニル)アントラセン(23)を合成した。(5.22g,収率90%)
<2>9−ブロモ−10−(2−メチル−4−メトキシフェニル)アントラセン(24)の合成
Figure 0006381201
実施例2の<2>9−ブロモ−10−(4−メトキシフェニル)アントラセン(8)の合成に倣って、9−(2−メチル−4−メトキシフェニル)アントラセン(23)(2.98g,10mmol)から、9−ブロモ−10−(2−メチル−4−メトキシフェニル)アントラセン(24)を合成した。(3.69g,収率98%)
<3>1MMPA4CABの合成
Figure 0006381201
実施例2の<3>1MPA4CABの合成に倣って、1MMPA4CABを合成した。(1.38g,収率85%)
実施例9
1−〔3−メチル−10−(4−メトキシフェニル)アントラセン−9−イル〕−4−〔10−(4−シアノフェニル)アントラセン−9−イル〕ベンゼン(3MMPA4CAB;表2のNo.35の化合物)の合成
Figure 0006381201
<1>3−メチル−9−(4−メトキシフェニル)アントラセン(25)の合成
Figure 0006381201
実施例2の<1>9−(4−メトキシフェニル)アントラセン(7)の合成における4−メトキシボロン酸に代えて3−メチル−9−ブロモアントラセン(5.27g,19.45mmol)を用いた点以外は同様にして、3−メチル−9−(4−メトキシフェニル)アントラセン(25)を合成した。(5.46g,収率94%)
<2>3−メチル−9−ブロモ−10−(4−メトキシフェニル)アントラセン(26)の合成
Figure 0006381201
実施例2の<2>9−ブロモ−10−(4−メトキシフェニル)アントラセン(8)の合成に倣って、3−メチル−9−(4−メトキシフェニル)アントラセン(25)(2.98g,10mmol)から、3−メチル−9−ブロモ−10−(4−メトキシフェニル)アントラセン(26)を合成した。(3.53g,収率94%)
<3>3MMPA4CABの合成

Figure 0006381201
実施例2の<3>1MPA4CABの合成に倣って、3MMPA4CABを合成した。(1.40g,収率86%)
実施例10
1−〔10−(4−メトキシフェニル)アントラセン−9−イル〕−2−メチル−4−〔10−(4−シアノフェニル)アントラセン−9−イル〕ベンゼン(1MPA2M4CAB;表2のNo.38の化合物)の合成
Figure 0006381201
実施例2の<3>1MPA4CABの合成に倣って、9−ブロモ−10−(4−メトキシフェニル)アントラセン(8)と実施例5の4,4,5,5−テトラメチル−2−(4−(10−(4−シアノフェニル)−アントラセン−9−イル)−3−メチルフェニル)−1,3,2−ジオキサボロラン(14)を使用し、1MPA2M4CABを合成した。(1.37g,収率84%)
実施例11
1−〔10−(4−メトキシフェニル)アントラセン−9−イル〕−4−〔3−メチル−10−(4−シアノフェニル)アントラセン−9−イル〕ベンゼン(1MPA43MCAB;表2のNo.41の化合物)の合成
Figure 0006381201
実施例2の<3>1MPA4CABの合成に倣って、9−ブロモ−10−(4−メトキシフェニル)アントラセン(8)と、実施例6の4,4,5,5−テトラメチル−2−(4−(3−メチル−10−(4−シアノフェニル)アントラセン−9−イル)フェニル)−1,3,2−ジオキサボロラン(18)を使用し、1MPA43MCABを合成した。(1.41g,収率87%)
実施例12
1−(10−フェニルアントラセン−9−イル)−4−〔10−(4−トリフルオロメチルフェニル)アントラセン−9−イル〕ベンゼン(1PA4TAB;表2のNo.46の化合物)の合成
Figure 0006381201
<1>9−(4−トリフルオロメチルフェニル)アントラセン(27)の合成
Figure 0006381201
実施例1の<3>9−(4−シアノフェニル)アントラセンの合成(3)における4−シアノフェニルボロン酸に代えて4−トリフルオロメチルフェニルボロン酸(22.2g,116.7mmol)を用いた点以外は同様にして、白色結晶の2,6−ジメチル−9−(4−シアノフェニル)アントラセン(27)を合成した。(19.1g,収率76%,m.p.211.0℃)
得られた白色結晶を、核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)で確認した。H−NMRの図を図21に示す。また得られた結果は、H−NMR(600MHz,CDCl,25℃):δ9.08(s,1H),8.62(d,J=8.22Hz,2H),8.42(d,J=8.28Hz,2H),8.14(d,J=8.94Hz,2H),8.12(d,J=8.28Hz,2H),8.04(d,J=6.9Hz,1H),8.03(d,J=7.56Hz,1H),7.94(d,J=7.56Hz,1H),7.93(d,J=7.56Hz,1H)ppmであった。
<2>9−ブロモ−10−(4−トリフルオロメチルフェニル)アントラセン(28)の合成
Figure 0006381201
実施例1の<4>9−ブロモ−10−(4−シアノフェニル)アントラセンの合成に倣って、9−(4−トリフルオロメチルフェニル)アントラセン(27)(18.0g,55.8mmol)から、9−ブロモ−10−(4−トリフルオロメチルフェニル)アントラセン(28)を合成した。(20.9g,収率93%,m.p.256.5℃)
得られたものを核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)で確認した。H−NMRの図を図22に示す。なお、図22の下図は全体図、上図は一部拡大図である。また得られた結果は、H−NMR(600MHz,CDCl,25℃):δ 8.61(d,J=8.22,2H),7.84(d,J=7.56Hz,2H),7.60(d,J=6.84Hz,1H),7.58(d,J=6.84Hz,1H)
,7.53(d,J=7.56Hz,2H),7.52(d,J=8.9Hz,2H),7.39(d,J=6.9Hz,1H),7.38(d,J=6.18,1H)ppmであった。
<3>9−(4−トリフルオロメチルフェニル)−10−(4−クロロフェニル)アントラセン(29)の合成
Figure 0006381201
実施例1の<5>9−(4−シアノフェニル)−10−(4−クロロフェニル)アントラセン(5)の合成に倣って、9−ブロモ−10−(4−トリフルオロメチルフェニル)アントラセン(28)(20.0g,49.8mmol)から、9−(4−トリフルオロメチルフェニル)−10−(4−クロロフェニル)アントラセン(29)を合成した。(15.9g,収率74%,m.p.332.52℃)
得られたものを核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)で確認した。H−NMRの図を図23に示す。なお、図23の下図は全体図、上図は一部拡大図である。また得られた結果は、H−NMR(600MHz,CDCl,25℃):δ8.14(d,J=8.22Hz,2H),7.84−7.82(m,6H),7.76−7.74(m,2H),7.63−7.61(m,2H),7.54−7.51(m,4H)ppmであった。
<4>4,4,5,5−テトラメチル−2−{4−〔10−(4−トリフルオロメチルフェニル)アントラセン−9−イル〕フェニル}−1,3,2−ジオキサボロラン(30)の合成
Figure 0006381201
実施例1の<6>4,4,5,5−テトラメチル−2−(4−(10−(4−シアノフェニル)−アントラセン−9−イル)−フェニル)−1,3,2−ジオキサボロラン(6)の合成に倣って、4,4,5,5−テトラメチル−2−(4−(10−(4−トリフルオロメチルフェニル)−アントラセン−9−イル)−フェニル)−1,3,2−ジオキサボロラン(30)を合成した。(28.5g,収率77%,m.p.345.9℃)
得られたものを核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)で確認した。H−NMRの図を図24に示す。なお、図24の下図は全体図、上図は一部拡大図である。また得られた結果は、H−NMR(600MHz,CDCl,25℃):δ8.19(d,J=7.56Hz,2H),8.13(d,J=7.56Hz,2H),7.84(d,J=7.56Hz,2H),7.83(d,J=8.22Hz,2H),7.74(d,J=8.22Hz,2H),7.62(d,J=6.18Hz,2H),7.52−7.48(m,4H),1.60(S,12H)ppmであった。
<5>1PA4TABの合成
Figure 0006381201
実施例1の<7>1−(10−フェニルアントラセン−9−イル)−4−(10−(4−シアノフェニル)アントラセン−9−イル)ベンゼン(1PA4CAB)の合成に倣って、9−ブロモ−10−フェニルアントラセン(2)(2.5g,7.6mmol)と、4,4,5,5−テトラメチル−2−(4−(10−(4−トリフルオロメチルフェニル)−アントラセン−9−イル)−フェニル)−1,3,2−ジオキサボロラン(30)(6.5g,11.4mmol)から、1−(10−フェニルアントラセン−9−イル)−4−(10−(4−トリフルオロメチルフェニル)−アントラセン−9−イル)ベンゼン(1PA4TAB)を合成した。(3.08g,収率62%,m.p.360.67℃)
得られたものを、核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)及び質量分析(EI−MS)で確認した。H−NMRの図を図25に、EI−MSの図を図26に示す。なお、図25の下図は全体図、上図は一部拡大図である。また得られた結果は、H−NMR(600MHz,CDCl,25℃):δ8.18(d,J=8.22Hz,2H),8.17(d,J=8.22,2H),8.15(d,J=8.94Hz,2H),7.93(d,J=8.28Hz,2H),7.92(d,J=5.52Hz,2H),7.91(d,J=7.56Hz,2H),7.90(d,J=8.22Hz,2H),7.82(d,J=8.28Hz,2H),7.81(d,J=7.56Hz,2H),7.75(t,1H),7.69−7.54(m,10H)ppm.EI−MS:m/z651[M+1]であり、1PA4TABの構造を支持するものであった。
実施例13
1−〔10−(4−メトキシフェニル)アントラセン−9−イル〕−4−〔10−(4−トリフルオロメチルフェニル)アントラセン−9−イル〕ベンゼン(1MPA4TAB;表3のNo.76の化合物)の合成
Figure 0006381201
実施例2の<3>1−(10−(4−メトキシ−フェニルアントラセン−9−イル)−4−(10−(4−シアノフェニル)アントラセン−9−イル)ベンゼン(1MPA4CAB)の合成に倣って、9−ブロモ−10−(4−メトキシフェニル)アントラセン(8)(6.2g,16.7mmol)と、4,4,5,5−テトラメチル−2−(4−(10−(4−トリフルオロメチルフェニル)−アントラセン−9−イル)−フェニル)−1,3,2−ジオキサボロラン(30)(6.0g,11.1mmol)から、1−(10−(4−メトキシフェニル)アントラセン−9−イル)−4−(10−(4−トリフルオロメチルフェニル)アントラセン−9−イル)ベンゼン(1MPA4TMB)を合成した。(5.09g,収率65%,m.p.430.08℃)
得られたものを、核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)及び質量分析(EI−MS)で確認した。H−NMRの図を図27に、EI−MSの図を図28に示す。なお、図27の上は全体図、下は一部拡大図である。また得られた結果は、H−NMR(600MHz,CDCl,25℃):δ8.18(d,J=8.94Hz,2H),8.17(d,J=8.28Hz,2H),8.13(d,J=8.28、Hz,2H),7.96(d,J=8.28Hz,2H),7.91(d,J=10.3Hz,6H),7.81(d,J=8.94Hz,2H),7.67−7.54(m,10H),4.89(s,3H)ppm.EI−MS:m/z681[M+1]であり1MPA4TABの構造を支持するものであった。
実施例14
1−〔10−(4−トリル)アントラセン−9−イル〕−4−〔10−(4−トリフルオロメチルフェニル)アントラセン−9−イル〕ベンゼン(1TA4TAB;表3のNo.63の化合物)の合成
Figure 0006381201
実施例1の<7>1−(10−フェニルアントラセン−9−イル)−4−(10−(4−シアノフェニル)アントラセン−9−イル)ベンゼン(1PA4CAB)の合成に倣って、9−ブロモ−10−(4−トリル)アントラセン(10)(4.4g,16.7mmol)と、4,4,5,5−テトラメチル−2−(4−(10−(4−トリフルオロメチルフェニル)−アントラセン−9−イル)−フェニル)−1,3,2−ジオキサボロラン(30)(6.0g,11.1mmol)から、1−(10−(4−トリルアントラセン−9−イル)−4−(10−(4−トリフルオロメチルフェニル)アントラセン−9−イル)ベンゼン(1TA4TAB)を合成した。(5.77g,収率75%,m.p.421.3℃)
得られたものを、核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)及び質量分析(EI−MS)で確認した。H−NMRの図を図29に、EI−MSの図を図30に示す。なお、図29の上は全体図、下は一部拡大図である。また得られた結果は、H−NMR(600MHz,CDCl,25℃):δ8.18(d,J=8.94Hz,2H),8.17(d,J=7.56Hz,2H),8.14(d,J=8.94Hz,2H),7.93(D,J=8.28Hz,4H),7.91(d,J=8.28Hz,4H),7.67−7.53(m,12H),1.87(s,3H)ppm.EI−MS:m/z664[M]であり1TA4TABの構造を支持するものであった。
<融点、分解温度>
実施例1の1PA4CAB、実施例2の1MPA4CAB、及び比較例1として、特開2006−114844号公報記載の下記の9,10−ジフェニルアントラセン誘導体{9−フェニル−10−[4−(10−フェニル−9−アントラセニル)フェニル]アントラセン(9P10PAPA)}の熱分析を行った。それぞれの化合物の融点及び分解温度の測定結果を表12及び、図31(融点)、図32(分解温度)に示す。図中の「compaund00」は「9P10PAPA」、「compaund01」は「1PA4CAB」、「compaund02」は「1MPA4CAB」である。
Figure 0006381201
融点は、DSC(示差熱量計)中にサンプルを加えて昇温させていくと、吸熱カーブが現れるので、その極大のところの温度を読んで、融点とした。測定装置にはPerkin−Elmer Diamond DSC Pyrisを用い、窒素雰囲気下、昇温レート10℃/minで測定した。
分解温度は、DTA(示差熱分析装置)にサンプルを加えて加熱していくと、サンプルが熱によって分解し重量が減少し出すので、5%重量が減少したところの温度を読んで、分解温度とした。測定装置には、SEIKO EXSTAR 6000 TG/DTA 6200を用い、窒素雰囲気下、昇温レート10℃/minで測定した。
Figure 0006381201
<光特性、電気化学特性>
実施例1の1PA4CAB、実施例2の1MPA4CAB、比較例1の9P10PAPAの光特性及び電気化学特性を測定した。光特性の結果を表13に、電気化学特性の結果を表14に示す。また、トルエン溶液で測定したUVとPLの結果を図33に、薄膜で測定したUVとPLの結果を図34に示す。図中の「○」は「9P10PAPA」、「△」は「1PA4CAB」、「□」は「1MPA4CAB」である。
UV(紫外可視吸収スペクトル)は、分光光度計UV−3150(島津製作所製)により、PL(蛍光スペクトル)は、蛍光光度計FluroMax−4(Jobin−Yvon−Spex社製)により測定した。各化合物についてトルエン溶液及びフィルムを作製し、トルエン溶液は、濃度10−5mol/Lとし室温で測定した。フィルムは真空蒸着により50nmの厚みに調整したものについて測定した。
Figure 0006381201
HOMO(最高占有軌道)のエネルギー準位は、大気下、光電子収量分光(理研計器社製AC−3)により測定したイオン化ポテンシャルとした。LUMO(最低被占有軌道)のエネルギー準位は、UVスペクトルの吸収端より算出したエネルギーギャップとイオン化ポテンシャルの差(Eg)から算出した。算出方法は以下のとおりである。
エネルギーギャップとイオン化ポテンシャルの差(Eg)は、真空蒸着により作製した薄膜について紫外−可視吸光度計で吸収曲線を測定し、その薄膜の短波長側の立ち上がりのところに接線を引き、吸収曲線との交点の波長W(nm)を次の式に代入して求めた。
Eg=1240÷W
例えば接線を引いて得られたW(nm)が470nmならば、Egは次のようになる。
Eg=1240÷470=2.63(eV)
HOMO(最高占有軌道)の値は、イオン化ポテンシャル測定装置(理研計器社製AC−3)を用い、サンプルがイオン化を開始したときの電圧(eV)の値とした。
LUMO(最低被占有軌道)の値は、HOMOからEgを引いた値である。
Figure 0006381201
実施例15、16、比較例2
実施例1の1PA4CAB、実施例2の1MPA4CAB、比較例1の9P10PAPAを、それぞれ発光層に用いた、実施例15、16、比較例2の各有機EL素子を作製し素子特性を評価した。素子作製に用いた他の材料は以下のとおりである。
Figure 0006381201
上記材料を用いて作製した素子の構成は以下のとおりである。(括弧内の数値は膜厚)
・比較例2:ITO(陽極)/TAPC(40nm)(ホール輸送層)/9P10PAPA(20nm)(発光層)/B3PyPB(40nm)(電子輸送層)/LiF(1nm)(電子注入層)/Al(80nm)(陰極)
・実施例15:ITO(陽極)/TAPC(40nm)(ホール輸送層)/1PA4CAB(20nm)(発光層)/B3PyPB(40nm)(電子輸送層)/LiF(1nm)(電子注入層)/Al(80nm)(陰極)
・実施例16:ITO(陽極)/TAPC(40nm)(ホール輸送層)/1MPA4CAB(20nm)(発光層)/B3PyPB(40nm)(電子輸送層)/LiF(1nm)(電子注入層)/Al(80nm)(陰極)

作製した素子の、電流密度−電圧−輝度特性を図35に、電流効率−輝度特性を図36に、電力効率−輝度特性を図37に、外部量子効率−電流密度特性を図38に、ELスペクトルを図39にそれぞれ示す。図中の「○」は比較例2、「△」は実施例15、「□」は実施例16である。
また、100cd/m時及び1000cd/m時の電圧、電力効率、電流効率及び外部量子効率の値と、1000cd/m時の最大発光波長、半値幅及び色度座標の値を表15に示す。
Figure 0006381201
実施例17、18、比較例3
下記のCBP〔4,4′−ジ(カルバゾール−9−イル)−1,1′−ビフェニル〕に対し、実施例1の1PA4CAB、実施例2の1MPA4CAB、比較例1の9P10PAPAを、それぞれ6重量%共蒸着して発光層を形成した、実施例17、18、比較例3の各有機EL素子を作製し、素子特性を評価した。
Figure 0006381201
上記材料を用いて作製した素子の構成は以下のとおりである。(括弧内の数値は膜厚)
・比較例3:ITO(陽極)/TAPC(40nm)(ホール輸送層)/CBP:6重量%9P10PAPA(20nm)(発光層)/B3PyPB(40nm)(電子輸送層)/LiF(1nm)(電子注入層)/Al(80nm)(陰極)
・実施例17:ITO(陽極)/TAPC(40nm)(ホール輸送層)/CBP:6重量%1PA4CAB(20nm)(発光層)/B3PyPB(40nm)(電子輸送層)/LiF(1nm)(電子注入層)/Al(80nm)(陰極)
・実施例18:ITO(陽極)/TAPC(40nm)(ホール輸送層)/CBP:6重量%1MPA4CAB(20nm)(発光層)/B3PyPB(40nm)(電子輸送層)/LiF(1nm)(電子注入層)/Al(80nm)(陰極)

作製した素子の電流密度−電圧−輝度特性を図40に、電流効率−輝度特性を図41に、電力効率−輝度特性を図42に、外部量子効率−輝度特性を図43に、ELスペクトルを図44にそれぞれ示す。図中の「○」は比較例3、「△」は実施例17、「□」は実施例18である。
また、100cd/m時及び1000cd/m時の電圧、電力効率、電流効率及び外部量子効率の値と、1000cd/m時の最大発光波長、半値幅及び色度座標の値を表16に示す。
Figure 0006381201
実施例19、20、比較例4
実施例1の1PA4CAB、実施例2の1MPA4CAB、比較例1の9P10PAPをそれぞれ用いたニート膜と、これらの化合物を前記CBPにそれぞれ3重量%共蒸着した膜(3%ドープCBP膜)の蛍光量子効率を測定した。結果を表17に示す。
Figure 0006381201
1 基板
2 陽極(ITO)
3 発光層
4 陰極
5 正孔(ホール)輸送層
6 電子輸送層
7 正孔(ホール)注入層
8 電子注入層
9 ホールブロック層

Claims (3)

  1. 下記一般式[1]で示される置換芳香族化合物。
    Figure 0006381201
    〔上記式中、R〜R28は、それぞれ独立に、水素又は炭素数1〜4の直鎖若しくは枝分かれしていても良いアルキル基、Aは、水素、炭素数1〜4の直鎖若しくは枝分かれしていても良いアルキル基、又は炭素数1〜4の直鎖若しくは枝分かれしていても良いアルコキシ基、EWGは、シアノ基又はトリフルオロメチル基である。〕
  2. 請求項1記載の置換芳香族化合物を用いた青色発光材料。
  3. 請求項2記載の青色発光材料を用いた有機EL素子。
JP2013239933A 2012-11-21 2013-11-20 置換芳香族化合物、青色発光材料、有機el素子 Active JP6381201B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013239933A JP6381201B2 (ja) 2012-11-21 2013-11-20 置換芳香族化合物、青色発光材料、有機el素子

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012255601 2012-11-21
JP2012255601 2012-11-21
JP2013239933A JP6381201B2 (ja) 2012-11-21 2013-11-20 置換芳香族化合物、青色発光材料、有機el素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014122212A JP2014122212A (ja) 2014-07-03
JP6381201B2 true JP6381201B2 (ja) 2018-08-29

Family

ID=51403035

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013239933A Active JP6381201B2 (ja) 2012-11-21 2013-11-20 置換芳香族化合物、青色発光材料、有機el素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6381201B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20220095213A (ko) 2020-01-09 2022-07-06 주식회사 엘지화학 가용성 치환기를 갖는 비스안트라센 유도체 및 그들을 이용한 유기 전계 발광 소자

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102606275B1 (ko) * 2015-10-27 2023-12-05 삼성디스플레이 주식회사 유기 발광 소자
CN109678759A (zh) * 2018-12-28 2019-04-26 陕西师范大学 一种基于双蒽的d-a型有机蓝色荧光材料及其制备方法和应用
CN111423340B (zh) * 2020-03-30 2021-07-20 华南理工大学 一种基于三线态-三线态湮灭机制的蓝光有机小分子及其应用
CN112939813B (zh) * 2021-02-22 2022-06-17 江西师范大学 一种9-芳基-10-芳氧基蒽衍生物及其制备方法和作为发光材料的应用

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006114844A (ja) * 2004-10-18 2006-04-27 Tdk Corp 有機el素子材料の選択方法、有機el素子の製造方法及び有機el素子
WO2006126389A1 (ja) * 2005-05-25 2006-11-30 Konica Minolta Holdings, Inc. 有機エレクトロルミネッセンス素子材料、有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置及び照明装置
JP2009057367A (ja) * 2007-08-03 2009-03-19 Idemitsu Kosan Co Ltd 金属錯体化合物、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料及びそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子
KR20100108914A (ko) * 2009-03-31 2010-10-08 다우어드밴스드디스플레이머티리얼 유한회사 신규한 유기 발광 화합물 및 이를 채용하고 있는 유기 전계발광 소자
JP2010254642A (ja) * 2009-04-28 2010-11-11 Chemiprokasei Kaisha Ltd ジベンゾカルコゲニルピラゾールイリジウム錯体、それよりなる発光材料およびそれを含有する有機el素子
KR20110085178A (ko) * 2010-01-19 2011-07-27 주식회사 엘지화학 유기전자소자 재료 및 이를 이용한 유기전자소자

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20220095213A (ko) 2020-01-09 2022-07-06 주식회사 엘지화학 가용성 치환기를 갖는 비스안트라센 유도체 및 그들을 이용한 유기 전계 발광 소자

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014122212A (ja) 2014-07-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10686137B2 (en) Aromatic amine derivative, and organic electroluminescent element comprising the same
EP1885818B2 (en) Electroluminescent device
WO2020039930A1 (ja) 有機発光素子、組成物および膜
EP2028249B1 (en) Material for light-emitting device, and light-emitting device
EP1748045A1 (en) Light-emitting device material and light-emitting device
JP2012176929A (ja) 新規なフェナンスロ[9,10−d]イミダゾール誘導体、発光材料及び有機エレクトロルミネッセンス素子
US20130048966A1 (en) Condensed polycyclic compound and organic light emitting element including the same
JP5783749B2 (ja) エキシマー特性を有する1,8−アリール置換ナフタレン誘導体及びこれを用いた有機el素子
JP6381201B2 (ja) 置換芳香族化合物、青色発光材料、有機el素子
TW201329059A (zh) 芳香族胺衍生物、有機電致發光元件用材料及有機電致發光元件
JP5495578B2 (ja) 新規なトリアリールホスフィンオキシド誘導体、それよりなるホスト材料およびそれを含む有機エレクトロルミネッセンス素子
JP5727237B2 (ja) 新規なビカルバゾリル誘導体、それよりなるホスト材料およびそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子
JP5481076B2 (ja) 新規な9,10−ジフェニルアントラセン誘導体、それよりなるホール輸送材料、発光材料およびそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子
JP5476034B2 (ja) 新規なトリアリールアミン化合物、それよりなるホール輸送材料およびそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子
JP5963467B2 (ja) 単分子でエキシプレックス発光を示す化合物を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2008120688A (ja) 新規なジ(フェナントロリン)誘導体、それよりなる電子輸送材料およびそれを含む有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2001332384A (ja) 発光素子
JP6081210B2 (ja) 単分子でエキシプレックス発光を示す化合物
JP5349889B2 (ja) 新規なターフェニル誘導体、それよりなる電子輸送材料およびそれを含む有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2010090084A (ja) 新規なビス(カルバゾリルフェニル)誘導体、それを用いたホスト材料および有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2010013421A (ja) 新規なビス(ジカルバゾリルフェニル)誘導体、それを用いたホスト材料および有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2012167028A (ja) 置換フェニルピリジンイリジウム錯体、該錯体よりなる発光材料及び該錯体を用いた有機el素子
JP5371312B2 (ja) 新規なジカルバゾリルフェニル誘導体、それを用いたホスト材料および有機エレクトロルミネッセンス素子
JP5674266B2 (ja) 新規なカルバゾール系誘導体、それよりなるホスト材料およびそれを含む有機エレクトロルミネッセンス素子
JP6091240B2 (ja) 新規な置換シアノフェニルピレン誘導体、発光材料及びそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161012

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170531

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170606

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170801

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170822

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180731

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6381201

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250