JP6380667B2 - 形状測定装置及び形状測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、形状測定装置及び形状測定方法に関する。
鉄鋼半製品であるスラブや、かかるスラブを利用して製造される厚板等は、その製造過程において複数のロールから構成される製造ライン上を搬送される。この際に、これらスラブや厚板等の剛体の表面高さを測定するために、いわゆる光切断法を利用した形状測定が行われている。しかしながら、スラブや厚板といった剛体が製造ラインを搬送される際には、測定される表面高さに対して、剛体の上下動や回転(以下、「外乱」と称する。)に起因する表面高さの変動が重畳されてしまい、真の表面高さが測定できないという問題があった。
上記問題に対応するために、以下の特許文献1に示した技術では、被測定剛体の幅方向に形成した本来の形状測定のための光切断線に加えて、当該光切断線に対して斜め方向(互いに平行でない方向)に更なる光切断線を形成することが提案されている。かかる技術では、本来同じ表面高さを有するはずの被測定剛体の同一点の測定を、異なる長手方向位置、異なる幅方向位置の複数点についてそれぞれ2回ずつ実施する。その後、上記複数点の表面高さが最も良く一致するような外乱(上下動や回転)の大きさを最適化計算によって導出し、測定結果から外乱の影響を除去している。
特開2013−221799号公報
しかしながら、上記特許文献1に示した技術では、各測定点の表面高さ測定において測定誤差が大きくなると、最適化計算が正しく収束しないことがある。また、上記特許文献1に示した技術は、外乱として存在しうる、上下動(高さ方向の平行移動)、長手方向軸回りの回転、幅方向軸回りの回転、の3つが同時に存在する場合には、測定結果に誤差が重畳されてしまうという問題があった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、搬送時に、高さ方向の平行移動、長手方向軸回りの回転又は幅方向軸回りの回転の3つの外乱のうちの何れかが生じた場合であっても、被測定剛体の表面高さをより正確に測定することが可能な、形状測定装置及び形状測定方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、被測定剛体の長手方向に沿って当該被測定剛体に対して相対移動する複数の線状レーザ光源から、前記被測定剛体の表面へと照射された、複数の線状レーザ光による複数の光切断線により、当該被測定剛体の形状を測定するものであり、長手方向に沿って相対移動する前記被測定剛体の表面に対して、3本の前記線状レーザ光を照射するとともに、前記3本の線状レーザ光の前記被測定剛体の表面からの反射光を所定の長手方向間隔で撮像する撮像装置と、前記撮像装置により撮像された前記光切断線に関する撮像画像に対して画像処理を実施して、前記被測定剛体の表面形状を算出する演算処理装置と、を備え、前記撮像装置は、前記被測定剛体の幅方向に延びる前記光切断線であり、前記被測定剛体の表面形状を算出するために用いられる形状測定用光切断線を射出する第1線状レーザ光源と、前記被測定剛体の長手方向に対して平行であり、かつ、前記形状測定用光切断線と交差しており、前記被測定剛体に作用する外乱の影響を補正するために用いられる第1の補正用光切断線を射出する第2線状レーザ光源と、前記被測定剛体の長手方向に対して平行であり、前記形状測定用光切断線と交差し、かつ、前記第1の補正用光切断線とは異なる前記被測定剛体の幅方向位置に存在しており、前記被測定剛体に作用する外乱の影響を補正するために用いられる第2の補正用光切断線を射出する第3線状レーザ光源と、前記形状測定用光切断線を、所定の長手方向間隔に対応する各時刻に撮像し、各時刻におけるそれぞれの前記形状測定用光切断線の撮像画像を生成する第1のカメラと、前記補正用光切断線を、所定の長手方向間隔に対応する各時刻に撮像し、各時刻におけるそれぞれの前記補正用光切断線の撮像画像を生成する第2のカメラと、を有しており、前記演算処理装置は、前記第1のカメラにより生成された各時刻での前記形状測定用光切断線の撮像画像に基づいて、前記被測定剛体の表面の3次元形状を表わし、かつ、前記外乱に起因する測定誤差の重畳された形状データを算出する形状データ算出部と、前記被測定剛体の同一位置について異なる2つの時刻に取得した前記被測定剛体の表面高さに関する高さ測定値から、当該位置における前記外乱に起因する高さ変化値を取得する高さ変化値取得処理を、前記第1の補正用光切断線の撮像画像を用いて、当該第1の補正用光切断線の異なる長手方向位置の複数の点に対して実施するとともに、前記高さ変化値取得処理を、前記第2の補正用光切断線の撮像画像を用いて、当該第2の補正用光切断線の異なる長手方向位置の複数の点に対して実施し、前記第1の補正用光切断線の撮像画像から得られた複数の前記外乱に起因する高さ変化値と、前記第2の補正用光切断線の撮像画像から得られた複数の前記外乱に起因する高さ変化値と、を利用して、前記形状データに重畳された前記外乱に起因する高さ変動量を推定する外乱推定部と、前記形状データから前記高さ変動量を差し引くことで、前記外乱に起因する測定誤差を補正する補正部と、を有する形状測定装置が提供される。
前記外乱推定部は、前記第1の補正用光切断線上の複数の点における前記外乱に起因する高さ変化値を直線近似して、当該直線と前記形状測定用光切断線との交点における前記外乱に起因する高さ変化値を推定し、前記第2の補正用光切断線上の複数の点における前記外乱に起因する高さ変化値を直線近似して、当該直線と前記形状測定用光切断線との交点における前記外乱に起因する高さ変化値を推定し、2つの前記交点における前記外乱に起因する高さ変化値を結ぶ直線により、前記高さ変動量を推定することが好ましい。
前記第1のカメラ及び前記第2のカメラは、所定の長手方向間隔に対応する各時刻に撮像を行って、それぞれN枚(Nは、2以上の整数。)の撮像画像を生成し、前記外乱推定部は、1枚目の撮像画像に前記外乱が生じていないとみなして、前記高さ変動量を算出することが好ましい。
前記第1のカメラ及び前記第2のカメラの撮像タイミングは、互いに隣り合う撮像時刻に撮像した前記第2のカメラの撮像画像において、共通して前記補正用光切断線が照射されている前記被測定剛体の部分である共通照射領域が存在するように制御されており、前記外乱推定部は、前記第1の補正用光切断線、及び、前記第2の補正用光切断線のそれぞれでの前記共通照射領域に該当する前記複数の点について、前記外乱に起因する高さ変化値を算出することが好ましい。
前記外乱推定部は、前記第2のカメラのi+1枚目(i=1,2,・・・,N−1)の撮像画像から得られる前記高さ変化値を含む見かけの表面高さと、前記第2のカメラのi枚目の撮像画像から得られる、当該撮像画像の前記共通照射領域における前記高さ変化値を除去した後の表面高さと、を用いて、前記i+1枚目の撮像画像における前記高さ変化値と、当該高さ変化値を除去した後の表面高さと、を算出することが好ましい。
前記外乱推定部は、前記第2のカメラの1枚目の撮像画像を基準として、前記第2のカメラのi枚目(i=2,・・・,N)の撮像画像における前記高さ変化値を算出することが好ましい。
前記第1線状レーザ光源、前記第2線状レーザ光源及び前記第3線状レーザ光源は、それぞれの光源の光軸が前記被測定剛体の長手方向及び幅方向で規定される平面に対して垂直となるように配設されることが好ましい。
前記第1のカメラの光軸と前記第1線状レーザ光源の光軸とのなす角、前記第2のカメラの視線と前記第2線状レーザ光源の光軸とのなす角、及び、前記第2のカメラの視線と前記第3線状レーザ光源の光軸とのなす角は、互いに独立に、30度以上60度以下であることが好ましい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、被測定剛体の長手方向に沿って当該被測定剛体に対して相対移動する複数の線状レーザ光源から、前記被測定剛体の表面へと照射された、複数の線状レーザ光による複数の光切断線により、当該被測定剛体の形状を測定するものであり、前記被測定剛体の幅方向に延びる前記光切断線であり、前記被測定剛体の表面形状を算出するために用いられる形状測定用光切断線を射出する第1線状レーザ光源と、前記被測定剛体の長手方向に対して平行であり、かつ、前記形状測定用光切断線と交差しており、前記被測定剛体に作用する外乱の影響を補正するために用いられる第1の補正用光切断線を射出する第2線状レーザ光源と、前記被測定剛体の長手方向に対して平行であり、前記形状測定用光切断線と交差し、かつ、前記第1の補正用光切断線とは異なる前記被測定剛体の幅方向位置に存在しており、前記被測定剛体に作用する外乱の影響を補正するために用いられる第2の補正用光切断線を射出する第3線状レーザ光源と、前記形状測定用光切断線を、所定の長手方向間隔に対応する各時刻に撮像し、各時刻におけるそれぞれの前記形状測定用光切断線の撮像画像を生成する第1のカメラと、前記補正用光切断線を、所定の長手方向間隔に対応する各時刻に撮像し、各時刻におけるそれぞれの前記補正用光切断線の撮像画像を生成する第2のカメラと、を有する撮像装置から、長手方向に沿って相対移動する前記被測定剛体の表面に対して3本の前記光切断線を照射して、当該3本の光切断線の前記被測定剛体の表面からの反射光を所定の長手方向間隔で撮像する撮像ステップと、前記第1のカメラにより生成された各時刻での前記形状測定用光切断線の撮像画像に基づいて、前記被測定剛体の表面の3次元形状を表わし、かつ、前記外乱に起因する測定誤差の重畳された形状データを算出する形状データ算出ステップと、前記被測定剛体の同一位置について異なる2つの時刻に取得した前記被測定剛体の表面高さに関する高さ測定値から、当該位置における前記外乱に起因する高さ変化値を取得する高さ変化値取得処理を、前記第1の補正用光切断線の撮像画像を用いて、当該第1の補正用光切断線の異なる長手方向位置の複数の点に対して実施するとともに、前記高さ変化値取得処理を、前記第2の補正用光切断線の撮像画像を用いて、当該第2の補正用光切断線の異なる長手方向位置の複数の点に対して実施して、前記第1の補正用光切断線の撮像画像から得られた複数の前記外乱に起因する高さ変化値と、前記第2の補正用光切断線の撮像画像から得られた複数の前記外乱に起因する高さ変化値と、を利用して、前記形状データに重畳された前記外乱に起因する高さ変動量を推定する外乱推定ステップと、前記形状データから前記高さ変動量を差し引くことで、前記外乱に起因する測定誤差を補正する補正ステップと、を含む形状測定方法が提供される。
前記外乱推定ステップでは、前記第1の補正用光切断線上の複数の点における前記外乱に起因する高さ変化値を直線近似することで、当該直線と前記形状測定用光切断線との交点における前記外乱に起因する高さ変化値が推定され、前記第2の補正用光切断線上の複数の点における前記外乱に起因する高さ変化値を直線近似することで、当該直線と前記形状測定用光切断線との交点における前記外乱に起因する高さ変化値が推定され、2つの前記交点における前記外乱に起因する高さ変化値を結ぶ直線により、前記高さ変動量が推定されることが好ましい。
前記第1のカメラ及び前記第2のカメラは、所定の長手方向間隔に対応する各時刻に撮像を行って、それぞれN枚(Nは、2以上の整数。)の撮像画像を生成し、前記外乱推定ステップでは、1枚目の撮像画像に前記外乱が生じていないとみなして、前記高さ変動量が算出されることが好ましい。
前記第1のカメラ及び前記第2のカメラの撮像タイミングは、互いに隣り合う撮像時刻に撮像した前記第2のカメラの撮像画像において、共通して前記補正用光切断線が照射されている前記被測定剛体の部分である共通照射領域が存在するように制御されており、前記外乱推定ステップでは、前記第1の補正用光切断線、及び、前記第2の補正用光切断線のそれぞれでの前記共通照射領域に該当する前記複数の点について、前記外乱に起因する高さ変化値が算出されることが好ましい。
前記外乱推定ステップでは、前記第2のカメラのi+1枚目(i=1,2,・・・,N−1)の撮像画像から得られる前記高さ変化値を含む見かけの表面高さと、前記第2のカメラのi枚目の撮像画像から得られる、当該撮像画像の前記共通照射領域における前記高さ変化値を除去した後の表面高さと、を用いて、前記i+1枚目の撮像画像における前記高さ変化値と、当該高さ変化値を除去した後の表面高さと、が算出されることが好ましい。
前記外乱推定ステップでは、前記第2のカメラの1枚目の撮像画像を基準として、前記第2のカメラのi枚目(i=2,・・・,N)の撮像画像における前記高さ変化値が算出されることが好ましい。
前記第1線状レーザ光源、前記第2線状レーザ光源及び前記第3線状レーザ光源は、それぞれの光源の光軸が前記被測定剛体の長手方向及び幅方向で規定される平面に対して垂直となるように配設されることが好ましい。
前記第1のカメラの光軸と前記第1線状レーザ光源の光軸とのなす角、前記第2のカメラの視線と前記第2線状レーザ光源の光軸とのなす角、及び、前記第2のカメラの視線と前記第3線状レーザ光源の光軸とのなす角は、互いに独立に、30度以上60度以下であることが好ましい。
以上説明したように本発明によれば、搬送時に、高さ方向の平行移動、長手方向軸回りの回転又は幅方向軸回りの回転の3つの外乱のうちの何れかが生じた場合であっても、被測定剛体の表面高さをより正確に測定することが可能となる。
本発明の実施形態に係る形状測定装置の構成を模式的に示した説明図である。 同実施形態に係る形状測定装置が備える撮像装置の構成を模式的に示した説明図である。 同実施形態に係る撮像装置の構成を模式的に示した説明図である。 同実施形態に係る撮像装置の構成を模式的に示した説明図である。 同実施形態に係る撮像装置の構成を模式的に示した説明図である。 同実施形態に係る撮像装置の構成を模式的に示した説明図である。 同実施形態に係る撮像装置の構成を模式的に示した説明図である。 被測定剛体に生じうる外乱について説明するための模式図である。 被測定剛体に生じうる外乱について説明するための模式図である。 被測定剛体に生じうる外乱について説明するための模式図である。 被測定剛体に生じうる外乱について説明するための模式図である。 同実施形態に係る形状測定装置が備える演算処理装置の画像処理部の構成の一例を示したブロック図である。 同実施形態に係る外乱推定部が実施する外乱推定処理について説明するための説明図である。 同実施形態に係る外乱推定部が実施する外乱推定処理について説明するための説明図である。 同実施形態に係る外乱推定部が実施する外乱推定処理について説明するための説明図である。 同実施形態に係る画像処理部が備える外乱推定部の構成の一例を示したブロック図である。 同実施形態に係る外乱推定部が実施する外乱推定処理について説明するための説明図である。 同実施形態に係る外乱推定部が実施する外乱推定処理について説明するための説明図である。 同実施形態に係る外乱推定部が実施する外乱推定処理について説明するための説明図である。 同実施形態に係る外乱推定部が実施する外乱推定処理について説明するための説明図である。 同実施形態に係る外乱推定部が実施する外乱推定処理について説明するための説明図である。 同実施形態に係る外乱推定部が実施する外乱推定処理について説明するための説明図である。 同実施形態に係る外乱推定部が実施する外乱推定処理について説明するための説明図である。 同実施形態に係る形状データ算出部が実施する形状データ算出処理について説明するための説明図である。 同実施形態に係る補正処理部が実施する補正処理について説明するための説明図である 同実施形態に係る補正処理部が実施する補正処理について説明するための説明図である 同実施形態に係る撮像装置の変形例を模式的に示した説明図である。 同実施形態に係る撮像装置の変形例を模式的に示した説明図である。 同実施形態に係る形状測定方法の流れの一例を示した流れ図である。 同実施形態に係る形状測定方法の流れの一例を示した流れ図である。 同実施形態に係る演算処理装置のハードウェア構成の一例を示したブロック図である。 実験例1について説明するための説明図である。 実施例1について説明するための説明図である。 実験例1の結果を示したグラフ図である。 実験例1の結果を示したグラフ図である。 実験例2について説明するための説明図である。 実施例2について説明するための説明図である。 実験例2の結果を示したグラフ図である。 実験例2の結果を示したグラフ図である。 実験例3について説明するための説明図である。 実施例3について説明するための説明図である。 実験例3の結果を示したグラフ図である。 実験例3の結果を示したグラフ図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(形状測定装置の全体構成について)
以下では、まず、図1を参照しながら、本発明の実施形態に係る形状測定装置10の全体構成について説明する。図1は、本実施形態に係る形状測定装置の構成を模式的に示した説明図である。
本実施形態に係る形状測定装置10は、被測定剛体の長手方向に沿って当該被測定剛体に対して相対移動する複数の線状レーザ光源から、被測定剛体の表面へと照射された、複数の線状レーザ光による複数の光切断線によって、いわゆる光切断法により、被測定剛体の形状を測定する装置である。以下では、被測定剛体が製造ライン上を搬送される場合を例に挙げて、説明を行うものとする。
また、以下の説明では、図1に示したように、形状測定装置10が配設されている空間に設定された空間座標系を用いるものとする。なお、説明の便宜上、被測定剛体Sの幅方向を(空間座標系での)C軸方向とし、被測定剛体Sの長手方向すなわち搬送方向をL軸方向とし、被測定剛体Sの高さ方向をZ軸方向とする。
ここで、本実施形態で着目する被測定剛体Sは、以下で説明するような形状測定処理の際に、その形状や体積が変化しないとみなすことが可能な物体とする。従って、例えば、鉄鋼業における半製品であるスラブや厚板等は、本実施形態における被測定剛体Sとして取り扱うことが可能である。また、鉄鋼業におけるスラブや厚板だけでなく、例えば、チタン、銅、アルミニウム等といった鉄以外の各種金属、セラミックス、複合材料のスラブや厚板等についても、本実施形態における被測定剛体Sとして取り扱うことが可能である。
本実施形態に係る形状測定装置10は、図1に示したように、被測定剛体Sの表面に対して複数の線状レーザ光を照射するとともに、被測定剛体Sの表面での線状レーザ光の反射光を撮像する撮像装置100と、撮像装置100により撮像された画像に対して所定の画像処理を実施して、被測定剛体Sの3次元形状(すなわち、L軸−C軸平面の各位置における表面高さ)を算出する演算処理装置200と、を備える。
撮像装置100は、被測定剛体Sの表面に対して3本の線状レーザ光を照射するとともに、被測定剛体Sの表面を長手方向に沿って所定の長手方向間隔に対応する各時刻で順次撮像し、撮像の結果得られる撮像画像(光切断画像)を後述する演算処理装置200に出力する装置である。撮像装置100は、後述する演算処理装置200によって、被測定剛体Sへの線状レーザ光の照射タイミングや、被測定剛体Sの表面の撮像タイミング等が制御されている。かかる撮像装置100は、例えば撮像装置100に対する被測定剛体Sの長手方向位置の変化に伴って、被測定剛体Sの搬送を制御している駆動機構等に設けられたPLG(Pulse Logic Generator:パルス型速度検出器)から出力されるPLG信号等に基づいて、被測定剛体Sが所定距離(例えば、1mm等)移動するごとに、1回の撮像処理を行う。
また、演算処理装置200は、撮像装置100によって生成された各時刻における光切断画像に対して、以下で説明するような画像処理を行うことで、被測定剛体Sの3次元形状を算出する装置である。
以下では、これら撮像装置100及び演算処理装置200について、図を参照しながら詳細に説明する。
<撮像装置について>
続いて、図2〜図7を参照しながら、本実施形態に係る形状測定装置10が備える撮像装置100について、詳細に説明する。図2〜図7は、本実施形態に係る撮像装置の構成を模式的に示した説明図である。
本実施形態に係る撮像装置100は、図2に模式的に示したように、それぞれが線状レーザ光を射出する3台の線状レーザ光源101a,101b,101c(以下、まとめて「線状レーザ光源101」とも称する。)と、2台のエリアカメラ111,113と、を主に備える。ここで、線状レーザ光源101aは、第1線状レーザ光源の一例であり、線状レーザ光源101bは、第2線状レーザ光源の一例であり、線状レーザ光源101cは、第3線状レーザ光源の一例である。また、エリアカメラ111は、第1のカメラの一例であり、エリアカメラ113は、第2のカメラの一例である。
なお、図2以降の図では、撮像装置100が2台のエリアカメラを有する場合を例に挙げて説明を行うが、本実施形態に係る撮像装置100が備えるエリアカメラの台数は、かかる例に限定されるものではない。また、撮像装置100が3台のエリアカメラを備える場合ついては、後述する。
線状レーザ光源101は、測定対象物である被測定剛体(以下、単に「剛体」とも称する。)Sの表面に対して、線状のレーザ光(線状レーザ光)を照射する装置である。本実施形態に係る線状レーザ光源101は、剛体Sの表面に対して線状レーザ光を照射可能なものであれば、任意の光源を利用することが可能であるが、線状レーザ光源101は、レーザ光源及びロッドレンズ等の各種レンズを用いて構成することが可能である。
レーザ光源としては、例えば、連続的にレーザ発振を行うCW(Continuous Wave)レーザ光源を用いることが可能である。レーザ光源が発振するレーザ光の波長は、例えば400nm〜800nm程度の可視光帯域に属する波長であることが好ましい。かかるレーザ光源は、後述する演算処理装置200から送出される発振タイミング制御信号に基づいて、レーザ光の発振を行う。
なお、レーザ光源として、パルス状のレーザ発振を行うパルスレーザ光源を用いた場合であっても、パルスレーザの発振タイミングと、エリアカメラ111,113の撮像タイミングと、を同期させることで、CWレーザ光源と同様に扱うことが可能である。
ロッドレンズは、レーザ光源から射出されたレーザ光を、剛体Sの表面に向かって扇状の面に広げるレンズである。これにより、レーザ光源から射出されたレーザ光は線状レーザ光となり、剛体Sの表面に照射される。また、後述する演算処理装置200における画像処理の観点から、ロッドレンズにより得られる扇状の面がZ軸と平行になるように、レーザ光源を設置することが好ましい。なお、本実施形態に係る線状レーザ光源101では、レーザ光を扇状に広げることが可能なものであれば、シリンドリカルレンズやパウエルレンズ等といったロッドレンズ以外のレンズを利用することも可能である。
線状レーザ光が照射された剛体Sの表面には、線状の明るい部位(図2等では、黒線として示している。)が形成される。本実施形態に係る撮像装置100では、3台の線状レーザ光源101a,101b,101cを用いているため、3つの明るい部位が形成される。これら線状の明るい部位のことを、光切断線と呼ぶ。剛体Sの表面での光切断線の反射光は、エリアカメラまで伝播して、エリアカメラに設けられた撮像素子に結像し、エリアカメラによって撮像される。
以下の説明では、線状レーザ光源101aにより得られる光切断線を、光切断線Lと呼び、線状レーザ光源101bにより得られる光切断線を、光切断線Lと呼び、線状レーザ光源101cにより得られる光切断線を、光切断線Lと呼ぶ。また、光切断線L,L,Lをまとめて、「光切断線L」とも称する。ここで、光切断線Lは、形状測定用光切断線の一例である。また、光切断線L及び光切断線Lは、補正用光切断線の一例であり、例えば、光切断線Lが第1の補正用光切断線に対応し、光切断線Lが第2の補正用光切断線に対応する。
ここで、本実施形態に係る線状レーザ光源101は、図2に例示したように、以下の3つの条件を全て満たすように、搬送ライン上に設置される。
・光切断線Lと光切断線Lが交点Aを持つ。
・光切断線Lと光切断線Lが交点Bを持つ。
・光切断線Lと光切断線Lは、いずれもL軸と平行であり、光切断線Lと光切断線Lは、剛体Sの表面上の互いに異なる幅方向位置に存在する。
いわゆる光切断法では、図2に示した光切断線Lのみを利用して、光切断線Lにより照射される剛体Sの長手方向位置の表面高さを算出し、得られた表面高さを剛体Sと撮像装置との相対移動(例えば、剛体Sの搬送)に応じて長手方向に連ねることで、剛体S全体の表面高さを求めることができる。しかしながら、剛体Sの搬送中に外乱が生じる場合、1本の光切断線を用いた光切断法により得られる表面高さは、外乱を含んだ見かけの表面高さであり、真の表面高さとは異なる誤差を含んだ計測値となる。
そこで、本実施形態に係る形状測定装置10では、以下で詳述するように、剛体Sの長手方向に延びる光切断線Lを加え、光切断線L上の長手方向位置の各点と外乱起因の表面高さ変化との関係を直線近似する。その上で、本実施形態に係る形状測定装置10では、光切断線Lが存在する長手方向位置(すなわち、光切断線Lと光切断線Lの交点A)における近似直線の値を、光切断線Lの外乱起因の表面高さ変化として、一意に確定する。ここで、本実施形態に係る形状測定装置10では、測定対象物が剛体であることから、外乱による見かけの表面高さの外乱除去後の表面高さからの変化(すなわち、外乱による見かけの表面高さの真の表面高さからの変化)は、長手方向に沿って直線状に変化する。従って、光切断線L上の各点における測定値を直線近似することで、測定誤差による値のばらつきを吸収する効果がある。このような光切断線Lの追加によって、Z方向の上下動(近似直線の値が、長手方向位置によらず一定値をとる。すなわち、近似直線の傾きが0)、C軸回りの回転(近似直線が、長手方向位置に対して一定の傾きを持つ。)という2種類の外乱の大きさを、一意に求めることが可能となる。
本実施形態に係る形状測定装置10では、光切断線Lとは異なる幅方向位置に対して、光切断線Lを更に追加し、光切断線Lと同様の処理を実施する。これにより、本実施形態に係る形状測定装置10では、外乱起因の表面高さの変化と幅方向位置との関係を特定することが可能となり、L軸回りの回転の大きさも導出することが可能となる。
従って、本実施形態に係る形状測定装置10では、上記のような3本の光切断線を利用することによって、搬送時に、高さ方向の平行移動、長手方向軸回りの回転又は幅方向軸回りの回転の3つの外乱のうちの何れかが生じた場合であっても、被測定剛体の表面高さをより正確に測定することが可能となる。
なお、図2以降の図では、光切断線Lと光切断線Lが直交する場合、及び、光切断線Lと光切断線Lが直交する場合について図示しているが、光切断線の配置(すなわち、線状レーザ光源101の配置)は、これらの図に示した場合に限定されるものではない。すなわち、光切断線Lと、光切断線L及び切断線Lとが直交しない場合においても、以下の説明は同様に成立する。これは、以下で詳述するように、本実施形態では、上記近似直線を利用して交点A及び交点Bにおける外乱の大きさを算出しており、2本の光切断線が直交しなくともよいためである。更に、図2以降の図では、剛体Sの表面が平坦な場合について図示しているが、以下の説明は、これらの図に示した場合に限定されるものではなく、剛体Sの表面が平坦でない場合にも同様に成立する。その理由については、別途説明する。
また、光切断線Lの具体的な長さについては、特に限定されるものではなく、剛体Sの表面において、光切断線の輝度分布が一様となるように、適宜長さを決定すればよい。また、光切断線L,Lの幅方向位置についても、特に限定されるものではなく、どのような幅の剛体Sが搬送ライン上を搬送された場合であっても、光切断線L、Lが剛体Sの表面に存在するように、その位置を設定すればよい。
エリアカメラ111,113には、所定の焦点距離を有するレンズと、CCD(Charge Coupled Device)、又は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子と、が搭載されている。エリアカメラ111,113は、剛体Sの表面に対して照射された線状レーザ光の反射光である光切断線を、剛体Sが所定の距離だけ移動する毎に撮像して、光切断画像を生成する。その上で、エリアカメラ111,113は、生成した光切断画像を、後述する演算処理装置200へと出力する。
ここで、エリアカメラ111,113は、後述する演算処理装置200によって制御されており、剛体Sが所定の距離だけ移動する毎に、演算処理装置200から撮像のためのトリガ信号が出力される。エリアカメラ111,113は、演算処理装置200から出力されたトリガ信号に応じて、線状レーザ光の照射された剛体Sの表面を撮像して光切断画像を生成し、生成した光切断画像を演算処理装置200へと出力する。これにより、演算処理装置200へは、各エリアカメラ111,113から、それぞれN枚(Nは、2以上の整数)の撮像画像が出力される。
図3に模式的に示したように、線状レーザ光源101aは、かかる光源から射出された線状レーザ光を含む平面がL軸−C軸平面に対して垂直となるように(換言すれば、線状レーザ光源101aの光軸がZ軸に対して略平行となるように)、搬送ラインに設置される。かかる設置条件を満たさない場合、線状レーザ光は、後述する外乱によって、剛体Sの長手方向位置の異なる部分を照射するようになり、正確な表面形状の測定を行うことが困難となる。線状レーザ光源101b,101cについても、上記と同様の理由により、図4に示したように、射出された線状レーザ光を含む平面がL軸−C軸平面に対して垂直となるように(換言すれば、線状レーザ光源101b,101cの光軸がZ軸に対して略平行となるように)、各光源が搬送ラインに設置される。
上記のように光源を設置した場合でも、外乱により各光切断線L,L,Lに対して平行な軸回りに剛体Sが回転した場合(例えば、光切断線Lに対してはC軸回り、光切断線L,Lに対してはL軸回りに剛体Sが回転した場合)には、厳密には、線状レーザ光の照射位置が同一ではなくなる。しかしながら、剛体Sの真の表面高さがなめらかに変化すること、及び、剛体Sの回転量が大きくないことを仮定すれば、このような回転があった場合であっても、線状レーザ光は、剛体Sの表面の同一位置を照射していると考えることができる。特に、スラブや厚板等といった質量の大きな剛体Sの表面形状に着目する場合、後者の仮定は適切であるといえる。
線状レーザ光源101aとエリアカメラ111との間の光学的な位置関係について、図3に示すように、L軸−Z軸平面においてエリアカメラ111の光軸と線状レーザ光源101aの光軸(換言すれば、Z軸)とのなす角αの大きさは、任意の値に設定することが可能である。しかしながら、かかる角αの大きさは、30度〜60度程度とすることが好ましい。角度α<30度となる場合には、同一の高さ変化に対して、カメラ視野内での光切断線Lの移動量が少なくなり、高さ方向に沿った分解能が低下する。一方、角度α>60度となる場合には、エリアカメラ111が線状レーザ光源101aの正反射方向から離隔して、エリアカメラ111で撮影される光切断線Lが暗くなってしまい、同一明るさで撮影を実施するためには、より高出力のレーザが必要となってしまう。
また、図5に示すように、L軸−C軸平面に投影されたエリアカメラ111の光軸と、光切断線Lとが互いに直交するように、エリアカメラ111を設置することが好ましい。これにより、エリアカメラ111から見た光切断線LのC軸方向の分解能(1ピクセルに相当する長さ(単位:mm))を揃えることが可能となる。ただし、先だって言及したように、光切断線Lと光切断線Lb,とは直交していなくともよい。すなわち、光切断線Lは、幅方向(C軸方向)に対して平行でなくともよい。これは、前述のように、交点A、交点Bにおける外乱量を算出するためには、光切断線Lと光切断線Lb,とが直交していなくともよいからである。
ここで、図5に模式的に示したように、エリアカメラ111は、光切断線Lの全体が撮像視野に含まれるように、エリアカメラ111の撮像領域AR1が設定される。
線状レーザ光源101b,101cとエリアカメラ113との間の光学的な位置関係について、図4に模式的に示したように、C軸−Z軸平面における光切断線L,Lに対するエリアカメラ113の視線と、それぞれの線状レーザ光源101b,101cの光軸(換言すれば、Z軸)と、のなす角α,αの大きさは、角度αと同様に任意の値に設定することが可能である。しかしながら、角度αと同様の理由により、角α,αの大きさは、それぞれ30度〜60度程度とすることが好ましい。
また、光切断線Lとエリアカメラ111との関係と同様に、L軸−C軸平面における光切断線Lと、L軸−C軸平面に投影されたエリアカメラ113の光軸とは、互いに直交することが好ましい。この際に、光切断線Lと光切断線Lとは互いに平行であることから、光切断線Lについてかかる条件が成立すれば、光切断線Lについても自動的に条件が満たされる。
ここで、図6に模式的に示したように、エリアカメラ113は、交点A及び交点Bが撮像視野に含まれるように、エリアカメラ113の撮像領域AR2が設定される。ここで、図6では光切断線L,L全体が撮像視野に含まれている場合を図示しているが、少なくとも交点A及び交点Bが撮像視野に含まれていれば、後述する外乱推定処理を実施可能である。なお、後述する外乱推定処理の精度を上げるために、光切断線L,L全体を撮像視野に含めることが好ましい。
また、エリアカメラ111,113の撮像タイミングは、例えば図7に模式的に示したように、互いに隣り合う時刻(例えば、i枚目の撮像時刻(iは、1以上の整数。)と、i+1枚目の撮像時刻)に撮像したエリアカメラ113の撮像画像において、共通して光切断線が照射されている剛体Sの部分(以下、「共通照射部分」という。)が存在するように設定される。以下で詳述するように、本実施形態に係る演算処理装置200では、共通照射部分における光切断線L,Lに着目して、外乱の大きさを算出するからである。なお、図7では、剛体Sの表面が平坦であり、かつ、連続した2枚の画像間に外乱が生じていない場合について図示しているが、剛体Sの表面が平坦でない場合、又は、連続した2枚の画像間に外乱が生じている場合であっても、共通照射部分は存在する。
以上、図2〜図7を参照しながら、本実施形態に係る撮像装置100の構成について、詳細に説明した。
<被測定剛体に生じる外乱について>
次に、図8〜図11を参照しながら、被測定剛体Sに生じる外乱と、かかる外乱に伴って撮像される撮像画像(光切断画像)について、具体的に説明する。図8〜図11は、被測定剛体に生じうる外乱について説明するための模式図である。
本実施形態に係る形状測定装置10は、スラブや厚板等の剛体が連続的に搬送される際などに、剛体Sの表面高さを測定するものである。ここで、剛体Sの搬送中には、搬送ライン等に設けられた駆動機構に起因する振動等のように、様々な測定誤差の要因がある。
本実施形態に係る形状測定装置10では、図8に示すように、測定誤差の要因として次の3つに着目する。
(1)Z軸方向(剛体Sの高さ方向)の平行移動
(2)L軸(剛体Sの長手方向)回りの回転
(3)C軸(剛体Sの幅方向)回りの回転
以下、これら3つの測定誤差の要因をまとめて、外乱とも称する。
図9〜図11を参照しながら、表面が平坦な剛体Sを対象に、外乱の有無により生じる、エリアカメラ113で撮影される撮像画像の変化を説明する。
なお、図9〜図11では、剛体Sの表面が平坦な場合に着目して図示しているが、以下の説明は、図9〜図11に示した場合に限定されるものではなく、剛体Sの表面が平坦ではない場合にも、全て同様に成立する。剛体Sの表面が平坦ではない場合、光切断線そのものは曲線となるものの、外乱の有無による光切断線の変化は、平坦である場合と同様に長手方向に沿って直線的に変化するからである。
まず、互いに異なる2つの時刻の2枚の画像(例えば、i枚目の撮像画像とi+1枚目の撮像画像)間に上記のような外乱が生じていない場合には、それぞれの光切断線Lの位置は、撮像画像間で変化しない。しかしながら、i+1枚目の撮像時に外乱としてZ軸方向の平行移動が生じた場合には、図9に示したように、光切断線L,L,Lのそれぞれは、互いに同じ量だけ画像内を縦方向に平行移動する。また、i+1枚目の撮像時に外乱としてL軸回りの回転が生じた場合には、図10に示したように、光切断線Lの傾きや長さが変化するとともに、光切断線L,Lは、互いに異なる量だけ画像内を平行移動する。更に、i+1枚目の撮像時に外乱としてC軸回りの回転が生じた場合には、図11に示したように、光切断線L,Lの傾きが変化することとなる。
そこで、以下で詳述する演算処理装置200では、エリアカメラ113により得られる連続した2枚の画像を比較することで、剛体Sに発生した外乱に起因する表面高さの変化(Z座標の変化)を、それぞれの画像撮像時刻で算出する。その後、得られた外乱に起因する表面高さの変化(換言すれば、外乱の大きさ)に基づいて、エリアカメラ111の光切断画像から得られる、外乱による測定誤差の重畳されている表面高さを補正し、真の表面高さを出力する。
<演算処理装置について>
次に、図1、及び、図12〜図26を参照しながら、本実施形態に係る形状測定装置10が備える演算処理装置200について、詳細に説明する。図12は、本実施形態に係る形状測定装置が備える演算処理装置の画像処理部の構成の一例を示したブロック図である。図14及び図15、並びに、図17〜図23は、本実施形態に係る外乱推定部が実施する外乱推定処理について説明するための説明図である。図16は、本実施形態に係る画像処理部が備える外乱推定部の構成の一例を示したブロック図である。図24は、本実施形態に係る形状データ算出部が実施する形状データ算出処理について説明するための説明図である。図25及び図26は、本実施形態に係る補正処理部が実施する補正処理について説明するための説明図である
[演算処理装置の全体構成について]
再び図1に戻って、本実施形態に係る形状測定装置10が備える演算処理装置200の全体構成について説明する。
本実施形態に係る演算処理装置200は、図1に示したように、撮像制御部201と、画像処理部203と、表示制御部205と、記憶部207と、を主に備える。
撮像制御部201は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、通信装置等により実現される。撮像制御部201は、本実施形態に係る撮像装置100による剛体Sの撮像処理を統括して制御する。
より詳細には、撮像制御部201は、剛体Sの撮像を開始する場合に、撮像装置100に対して線状レーザ光源101の発振を開始させるための制御信号を送出する。また、撮像装置100が剛体Sの撮像を開始すると、撮像制御部201は、剛体Sの搬送を制御している駆動機構等から定期的に送出されるPLG信号(例えば、剛体Sが1mm移動する毎等に出力されるPLG信号)を取得する毎に、エリアカメラ111,113に対して、撮像を開始するためのトリガ信号を送出する。
画像処理部203は、例えば、CPU、ROM、RAM、通信装置等により実現される。画像処理部203は、エリアカメラ111,113が生成した撮像データ(すなわち、光切断画像に関する撮像画像データ)を取得し、かかる撮像データに対して以下で説明する画像処理を行って、剛体Sの表面全体の高さを3次元形状データとして算出する。画像処理部203は、剛体Sの表面高さの算出処理を終了すると、得られた算出結果に関する情報を、表示制御部205や記憶部207に伝送したり、形状測定装置10の外部に設けられた各種機器等に伝送したりする。
なお、この画像処理部203については、以下で改めて詳細に説明する。
表示制御部205は、例えば、CPU、ROM、RAM、出力装置、通信装置等により実現される。表示制御部205は、画像処理部203から伝送された、剛体Sの測定結果を、演算処理装置200が備えるディスプレイ等の出力装置や演算処理装置200の外部に設けられた出力装置等に表示する際の表示制御を行う。これにより、形状測定装置10の利用者は、剛体Sの3次元形状に関する計測結果を、その場で把握することが可能となる。
記憶部207は、演算処理装置200が備える記憶装置の一例であり、例えば、ROM、RAM、ストレージ装置等により実現される。この記憶部207には、画像処理部203で実施される画像処理で利用される光切断線Lに関する校正データが格納されている。また、記憶部207には、撮像装置100が有する線状レーザ光源101、エリアカメラ111,113の光学的な位置関係を示す情報や、形状測定装置10の外部に設けられた上位計算機(例えば、搬送ラインを全般的に管理している管理コンピュータ等)から伝送される情報といった、形状測定装置10の設計パラメータに関する情報も格納されている。更に、記憶部207には、本実施形態に係る演算処理装置200が何らかの処理を行う際に保存する必要が生じた様々なパラメータや処理の途中経過(例えば画像処理部203から伝送された計測結果、事前に格納されている校正データ、各種のデータベース、及び、プログラム等)が、適宜記録される。この記憶部207は、撮像制御部201、画像処理部203、表示制御部205及び上位計算機等が、自由にデータのリード/ライト処理を行うことが可能である。
なお、記憶部207に格納されている校正データの詳細については、以下で改めて説明する。
[画像処理部の構成について]
次に、図12〜図26を参照しながら、演算処理装置200が備える画像処理部203の構成について説明する。
本実施形態に係る画像処理部203は、図12に示したように、撮像データ取得部211と、外乱推定部213と、形状データ算出部215と、補正部217と、結果出力部219と、を備える。
撮像データ取得部211は、例えば、CPU、ROM、RAM、通信装置等により実現される。撮像データ取得部211は、撮像装置100のエリアカメラ111,113から出力された、光切断線の撮像データ(すなわち、光切断画像に関する画像データ)を取得する。撮像データ取得部211は、エリアカメラ113から、補正用光切断線として用いられる光切断線L,Lに関する撮像データ(換言すれば、図6における撮像領域AR2を撮像した撮像データ)を取得すると、かかる撮像データを、後述する外乱推定部213に対して出力する。また、撮像データ取得部211は、エリアカメラ111から、形状測定用光切断線として用いられる光切断線Lに関する撮像データ(換言すれば、図5における撮像領域AR1を撮像した撮像データ)を、後述する形状データ算出部215に対して出力する。
また、撮像データ取得部211は、撮像装置100から取得した光切断線に関する撮像データに、当該撮像データを取得した日時等に関する時刻情報を関連づけて、記憶部207等に履歴情報として格納してもよい。
外乱推定部213は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。外乱推定部213は、エリアカメラ113によって撮像された、補正用光切断線(すなわち、光切断線L,L)の撮像データを利用して、剛体Sに生じた外乱の大きさを推定する処理部である。
より詳細には、外乱推定部213は、剛体Sの同一位置について異なる2つの時刻に取得した、剛体Sの表面高さに関する高さ測定値から、当該位置における外乱に起因する高さ変化値を取得する高さ変化値取得処理を、エリアカメラ113から得られた撮像画像に対して実施する。この際に、外乱推定部213は、光切断線Lの異なる長手方向位置の複数の点に対して、上記の高さ変化値取得処理を実施するとともに、光切断線Lの異なる長手方向位置の複数の点に対して、上記の高さ変化値取得処理を実施する。その上で、外乱推定部213は、光切断線Lから得られた交点Aにおける高さ変化値と、光切断線Lから得られた交点Bにおける高さ変化値と、を利用して、後述する形状データ算出部215で算出される形状データに重畳されている高さ変動量を推定する。
かかる外乱推定部213における外乱推定処理については、以下で改めて詳細に説明する。
外乱推定部213は、以下で詳述する外乱推定処理を終了すると、得られた外乱の推定結果を、後述する補正部217に出力する。また、外乱推定部213は、得られた外乱に関する推定結果を表わすデータに、当該データを生成した日時等に関する時刻情報を関連づけて、記憶部207等に履歴情報として格納してもよい。
形状データ算出部215は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。形状データ算出部215は、エリアカメラ111により生成された各時刻での光切断線Lに関する撮像画像に基づいて、剛体Sの表面の3次元形状を表わし、かつ、外乱に起因する測定誤差の重畳された形状データを算出する。
かかる形状データ算出部215における形状データの算出処理については、以下で改めて説明する。
形状データ算出部215は、以下で説明する形状データの算出処理を終了すると、得られた形状データを、後述する補正部217に出力する。また、形状データ算出部215は、得られた形状データに、当該形状データを生成した日時等に関する時刻情報を関連づけて、記憶部207等に履歴情報として格納してもよい。
補正部217は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。補正部217は、形状データ算出部215によって算出された形状データから、前記外乱推定部213によって算出された高さ変動量を差し引くことで、外乱に起因する測定誤差を補正する。これにより、剛体Sに生じうる外乱に伴う測定誤差の除去された、剛体Sに関する真の形状データが生成されることとなる。
かかる補正部217における補正処理については、以下で改めて説明する。
補正部217は、以下で説明する補正処理を終了すると、補正された形状データを、後述する結果出力部219に出力する。
結果出力部219は、例えば、CPU、ROM、RAM、出力装置、通信装置等により実現される。結果出力部219は、補正部217から出力された、剛体Sの表面形状に関する情報を、表示制御部205に出力する。これにより、剛体Sの表面形状に関する情報が、表示部(図示せず。)に出力されることとなる。また、結果出力部219は、得られた表面形状に関する測定結果を、製造管理用プロコン等の外部の装置に出力してもよく、得られた測定結果を利用して、各種の帳票を作成してもよい。また、結果出力部219は、剛体Sの表面形状に関する情報を、当該情報を算出した日時等に関する時刻情報と関連づけて、記憶部207等に履歴情報として格納してもよい。
○外乱推定部213における外乱推定処理について
以下では、図13〜図23を参照しながら、外乱推定部213で実施される外乱推定処理について、詳細に説明する。
まず、外乱推定処理について説明するに先立って、かかる外乱推定処理で用いられる校正データについて説明する。
◇校正データについて
先だって言及したように、記憶部207には、外乱推定部213における外乱推定処理や、形状データ算出部215における形状算出処理で用いられる、光切断線Lに関する校正データが、予め格納されている。記憶部207に事前に格納される校正データには、第1の校正データ及び第2の校正データという、2種類の校正データがある。
第1の校正データは、エリアカメラ111,113で撮像された撮像画像上での光切断線の位置の変化量(単位:ピクセル)を、実空間での量(単位:mmやm等の長さの単位、以下では、mmの単位を用いて説明する。)に変換するために必要な校正データである。
第1の校正データは、エリアカメラの通常撮像分解能(mm/ピクセル)と、光切断線L,L,Lに対する視線とZ軸方向とのなす角α,α,αと、から算出されるデータである。しかしながら、本発明においては、測定対象である剛体Sがカメラ光軸に対して前後するため、厳密には、撮像分解能や角度α,α,αは定数ではなく、剛体Sの高さにより異なる値となる。従って、測定対象である剛体Sの高さ変化が大きい場合には、撮像画像中での光切断線の位置と、実空間での高さとの関係を表す校正曲線が必要となる。以下では、かかる第1の校正データのことを、校正曲線と呼ぶ。かかる校正曲線は、それぞれの光切断線L,L,Lに対してそれぞれ設定される。
第1の校正データは、計算によって算出することも可能であるし、実測により得ることも可能である。
計算によって第1の校正データを算出する場合には、エリアカメラ111,113に装着されたレンズの焦点距離fと、レンズから測定対象(すなわち、剛体S)までの距離aと、エリアカメラ111,113に設けられた撮像素子からレンズまでの距離bと、を利用する。より詳細には、これらのパラメータを利用して、以下の式101で表わされる結像公式により式103で表わされる倍率mを求めて、第1の校正データを計算することができる。
結像公式:1/f=1/a+1/b ・・・(式101)
倍率:m=b/a ・・・・(式103)
ここで、エリアカメラ111,113に設けられた撮像素子の画素サイズをd(mm)とした場合、撮像分解能D(mm/ピクセル)は、以下の式105で表わされる値となる。かかる撮像分解能Dは、視線と垂直な面内での撮像分解能であるため、視線と法線方向とのなす角度がα度である場合、1画素に対応する測定対象の上下動量H(mm)は、以下の式107で表わされる値となる。
D=d/m ・・・(式105)
H=D/sinα ・・・(式107)
以上のようにして得られる、1画素に対応する測定対象の上下動量Hが、エリアカメラ111,113で撮像された撮像画像上での光切断線の変化量(単位:ピクセル)を、実空間での量(単位:例えばmm)に変換するための変換係数となる。従って、エリアカメラ111,113と、各エリアカメラ111,113に対応する光切断線L,L,Lとの光学的な位置関係に基づき上記式107で与えられる値を、各光切断線L,L,Lに関する校正曲線C,C,C(すなわち、第1の校正データ)として用いることが可能である。
第1の校正データを実測する場合には、校正板を準備して、高さ方向の座標Z=0となる基準面に設置し、かかる校正板をΔZ[mm]だけZ軸方向に平行移動させながら、各エリアカメラ111,113により光切断画像を撮像する。その上で、得られた各エリアカメラ111,113の撮像画像での画素単位の光切断線Lの移動量ΔZimg[単位:ピクセル]を複数点に関して実測し、校正曲線ΔZ=C(ΔZimg)を作成すればよい(ただし、C(ΔZimg)は、ΔZimgを変数とする関数を表す。)。これにより、各光切断線L,L,Lに関する校正曲線C,C,Cを得ることが出来る。
次に、第2の校正データについて、図13を参照しながら説明する。
第2の校正データは、図13に示した実空間上での連続する2枚の画像撮像時刻間において、剛体Sの実空間での搬送距離(単位:mmやm等の長さの単位)に相当する画像内での水平方向の移動量(単位:ピクセル)を表わしたデータである。この第2の校正データは、光切断線L,Lに対して、それぞれ設定される。後述するように、かかる移動量の分だけエリアカメラ113で撮像された撮像画像を水平方向(実空間におけるL軸方向に対応する方向)に平行移動させることで、連続する2枚の撮影画像において剛体S上の同じ点の上下方向の移動量を比較することができる。このように、第2の校正データは、外乱の大きさを推定するために用いられる校正データである。
第2の校正データについても、計算によって算出することも可能であるし、実測により得ることも可能である。
前述のように、第2の校正データは、連続する2枚の撮影画像が生成される間における剛体Sの実空間における搬送距離Δs(図13に示したΔs)が、生成された撮像画像において、どの程度の画素数に対応するかを示したデータである。従って、計算によって第2の校正データを算出する場合には、上記式105で算出される撮像分解能Dを、光切断線L,Lの双方について算出し、得られた撮像分解能D,Dを用いて、実空間における搬送距離Δsの設定値を割ればよい。すなわち、光切断線Lに関する水平方向の移動量をΔLとし、光切断線Lに関する水平方向の移動量をΔLとすると、これらの値は、以下の式109及び式111によって算出することができる。
ΔL=Δs/D ・・・(式109)
ΔL=Δs/D ・・・(式111)
第2の校正データを実測する場合には、第1の校正データを実測する場合と同様にしてZ=0の基準面に校正板を設置し、校正板をΔs[mm]だけL軸方向に平行移動させながら、撮像画像を生成すればよい。その上で、得られた撮像画像を解析して、撮像画像内での水平方向の移動量ΔL,ΔLを測定すればよい。
以上、本実施形態に係る画像処理部203で用いられる、2種類の校正データについて説明した。
◇外乱推定処理で用いられる座標系について
次に、図14及び図15を参照しながら、外乱推定処理で用いられる座標系について、具体的に説明する。
本実施形態に係る外乱推定部213で実施される外乱推定処理では、エリアカメラ113によって撮像された撮像画像に固定された座標系を用いて、画像処理が行われる。すなわち、エリアカメラ113によって生成された光切断画像において、剛体Sの長手方向に対応する方向(すなわち、光切断画像の水平方向)をX軸方向とし、X軸方向に対して直交する方向(すなわち、光切断画像の高さ方向)をY軸方向とする。
また、校正板などの平坦面をZ=0の位置に配置した上で撮像したエリアカメラ113の撮像画像において、光切断線Lが撮像されている高さ方向の位置を、光切断線Lに関するY座標Yの基準位置(すなわち、Y=0の位置)とし、X座標Xの基準位置を、撮像画像の左端とする。その結果、光切断線Lに関するX座標Xは、光切断線Lの延伸方向に沿って規定され、光切断線Lに関するX軸方向X及びY軸方向Yは、図14に示したように規定される。
同様に、校正板などの平坦面をZ=0の位置に配置した上で撮像したエリアカメラ113の撮像画像において、光切断線Lが撮像されている高さ方向の位置を、光切断線Lに関するY座標Yの基準位置(すなわち、Y=0の位置)とし、X座標Xの基準位置を、撮像画像の左端とする。その結果、光切断線Lに関するX座標Xは、光切断線Lの延伸方向に沿って規定され、光切断線Lに関するX軸方向X及びY軸方向Yは、図15に示したように規定される。
なお、校正板などの平坦面をZ=0の位置に配置した上で撮像したエリアカメラ111の撮像画像においても、同様にして座標系を規定することが可能である。すなわち、光切断線Lが撮像されている高さ方向の位置を、光切断線Lに関するY座標Yの基準位置(すなわち、Y=0の位置)として規定し、光切断線Lに関するX座標Xを、撮像画像の左端を基準として光切断線Lの延伸方向に沿って規定する。光切断線Lに関する座標系の具体例については、以下で図24を参照しながら、改めて言及する。
なお、以降の説明において、「高さ」と言及した場合は、撮像画像中での縦方向、すなわち、Y,Y,Y座標(単位:ピクセル)での値を表し、校正曲線C,C,Cにより撮像画像中での「高さ」を実空間(単位:mm)へと変換した場合の値を、「Z座標における高さ」等と表すこととする。
◇外乱推定処理の詳細について
それでは、図16〜図23を参照しながら、外乱推定部213で実施される外乱推定処理について、詳細に説明する。
本実施形態に係る外乱推定部213では、エリアカメラ113で撮像された、光切断線L,Lが写る撮像画像を基に、剛体Sの表面のうち、光切断線L,L上に存在する部分における、外乱起因の高さ変化値(すなわち、実空間におけるZ座標の変化量)を算出する。
□外乱推定処理の概略
上記特許文献1で提案されているような光切断法では、光切断線上の異なる長手方向位置の複数の点について、異なる時刻で表面高さ測定を行い、各点の表面高さ測定結果の差異(すなわち外乱起因の変化)を、そのまま外乱の大きさの計算に用いていた。しかしながら、本実施形態に係る形状測定装置10で実施される光切断法では、外乱推定部213が実施する外乱推定処理によって、光切断線L上の各点の長手方向位置(すなわち、X座標の値)と、これらの点での外乱に起因するY座標の値の変化との関係を、異なる時刻に撮像された複数の撮像画像を利用して特定する。その上で、外乱推定部213は、Y座標の変化量のX方向に沿った分布を、直線で近似する。かかる近似直線を利用することで、外乱推定部213は、光切断線L上の各点における測定誤差による値のばらつきを抑えながら、図2に示した交点Aに対応するX座標でのY座標の値の変化量を、正確に算出することができる。その後、外乱推定部213は、先だって説明したような校正曲線Cを用いることで、画素単位で表わされているY座標の値の変化量を、実空間でのZ座標の変化量(すなわち、外乱に起因する高さ変動量)に変換する。
また、図2に示した交点Bにおける外乱起因のZ座標の変化についても、光切断線Lの代わりに光切断線Lに着目することで、上記と同様に求めることが可能となる。
次に、実空間におけるC座標(すなわち、剛体Sの幅方向)を基準として考えてみると、上記のようにして算出される交点A及び交点BでのZ座標の変化量を、C座標を横軸にとり、Z座標の変化量を縦軸にとった平面上に、プロットすることができる。本実施形態に係る形状測定装置10で着目する測定対象物は剛体であるため、実空間において、交点Aと交点Bとの間に位置する剛体Sの幅方向の各点でのZ座標の変化量は、直線的に変化するはずである。そこで、上記のようなC軸−Z軸平面上において、交点A及び交点BでのZ座標の変化量を通る直線を考えれば、実空間において、交点Aと交点Bとの間に位置する剛体Sの幅方向の各点でのZ座標の変化量を表わすことができる。従って、外乱推定部213は、C軸−Z軸平面上における上記のような直線を求めることで、2交点を結ぶ各幅方向位置における外乱起因のZ座標の変化を求めることが可能となる。
以上が、外乱推定部213で実施される外乱推定処理の概略であるが、かかる外乱推定処理を実施する外乱推定部213は、図16に示したように、共通照射部分外乱推定部221と、交点位置外乱推定部223と、を有している。
□共通照射部分外乱推定部221について
共通照射部分外乱推定部221は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。共通照射部分外乱推定部221は、上記の外乱推定処理の概略で簡単に言及した処理のうち、光切断線L,L上の各点の長手方向位置(すなわち、X座標、X座標の値)と、これらの点での外乱に起因するY座標、Y座標の値の変化との関係を、異なる時刻に撮像された複数の撮像画像を利用して特定する処理部である。
共通照射部分外乱推定部221は、上記のような外乱に起因するY座標及びY座標の値の変化値の算出処理を、図7に示した共通照射部分に対して実施する。以下では、この共通照射部分外乱推定部221が実施する処理について、図17〜図20を参照しながら、詳細に説明する。
図7を参照しながら説明したように、移動している剛体Sをエリアカメラ113で撮像すると、連続した2枚の撮像画像(例えば、i枚目とi+1枚目の撮像画像)内には、共通して撮像される領域(すなわち、図7に示した共通照射部分)が存在する。従って、第2の校正データに基づいて、エリアカメラ113で撮像されたi枚目の撮像画像をX軸の負方向にΔLだけ平行移動させると、i枚目の共通照射部分のX座標と、i+1枚目の共通照射部分のX座標と、を一致させることができる。同様に、光切断線Lについても、エリアカメラ113で撮像されたi枚目の撮像画像を、第2の校正データに基づいてX軸の負方向にΔLだけ平行移動させると、i枚目の共通照射部分のX座標と、i+1枚目の共通照射部分のX座標と、を一致させることができる。共通照射部分は、剛体S上の同一位置であるから、実空間における共通照射部分の真の表面高さは同じである。従って、X座標を揃えた後に、i枚目における共通照射部分のY座標とi+1枚目における共通照射部分のY座標とを比較することで、i+1枚目の撮像時に剛体Sに生じた外乱の大きさを推定することが可能となる。
より詳細には、共通照射部分外乱推定部221は、i+1枚目の撮像画像から得られる、外乱成分を含んだみかけの表面高さ(以下、「みかけの高さ」と称する。)と、i枚目の撮像画像中の共通照射部分における外乱除去後の表面高さと、を用いて、i+1枚目の撮像画像における外乱除去後の表面高さと、i+1枚目の画像における外乱成分による高さ変化(以下、「外乱成分」と称する。)と、を計算する。
剛体Sにおいて外乱が生じると、エリアカメラ113で得られる撮像画像に写る光切断線LのY座標及び光切断線LのY座標は、図9〜図11に例示したように変化する。図17は、共通照射部分外乱推定部221における外乱起因のY座標の変化値の算出方法を説明するための説明図である。なお、図17では、連続した2枚の画像間で外乱としてZ軸方向の平行移動が生じている場合について図示しているが、以下の説明は、外乱としてZ軸方向の平行移動が生じた場合に限定されるわけではなく、L軸回りの回転が生じている場合や、C軸回りの回転が生じている場合においても、全て同様に成立する。この理由は、3つの外乱のいずれにおいても、外乱起因のY座標及びY座標の変化は、着目している測定対象物が剛体であるが故に直線近似できるためである。
なお、共通照射部分外乱推定部221は、光切断線Lに対して実施したものと同様の処理を、光切断線Lに対しても実施する。従って、以下の図や説明では、光切断線Lに対して実施される処理を代表させて、記載を行うものとする。
共通照射部分外乱推定部221は、まず、エリアカメラ113で撮影されたi枚目とi+1枚目の2つの撮像画像に対して、それぞれの共通照射部分に属するX座標に対して、以下の処理を実行する。
なお、以下の説明では、(X、Y)座標系におけるi枚目の撮像画像における光切断線LをXの関数としてとらえ、Y=Fobs (i,X)と表すこととする。また、以下では、Fobs (i,X)を光切断線Lの「見かけの高さ」と称することとする。
また、外乱により、図9〜図11に示したように、撮像画像中における光切断線の位置が変化するが、i=1枚目の撮像画像を基準としたi枚目の撮像画像の外乱起因による光切断線の上下動を、外乱成分d(i,X)と表すこととする。ここで、一般的な光切断法について考えてみると、i枚目の撮像画像での光切断線の位置を基準としてi+1枚目の撮像画像での光切断線の位置の上下動を特定し、外乱の大きさを推定する(すなわち、撮像画像フレーム間で外乱を推定する)方法であることがわかる。しかしながら、本実施形態に係る光切断法は、只今言及し、また、以降でも詳細に説明するように、1枚目の撮像画像における光切断線の位置を基準として外乱の大きさを推定する方法である点に注意されたい。
i枚目の撮像画像における光切断線Lの見かけの高さは、図9〜図11等を参考に考えてみると、「外乱が存在しない場合に観測されるであろう表面高さに、外乱成分に起因する光切断線の位置変化が加わったものである」と考えることができる。すなわち、i枚目の撮像画像の光切断線Lの見かけの高さは、図17に模式的に示したように、外乱成分と、外乱が除去された後の表面高さ(すなわち、外乱が存在しない場合に観測されるであろう表面高さ。以下、単に、「外乱除去後の表面高さ」とも称する。)と、の和であると考えることができる。先ほどから言及しているように、測定対象が剛体であることから、外乱成分d(i,X)は、Xについての一次関数、すなわち直線としてとらえることができる。
ここで、本実施形態に係る外乱推定処理では、「1枚目の撮像画像における外乱成分はゼロである」とみなす。すなわち、1枚目の撮像画像と、1枚目の撮像画像における共通照射部分が存在する2枚目以降の撮像画像において、共通照射部分に属する全てのX座標に対しては、以下の式121が成立するとみなす。
(1,X)=0 ・・・(式121)
なお、1枚目の画像に外乱が加わっている場合も考えうるが、その場合において、本実施形態に係る画像処理によって最終的に出力される表面高さは、本来の表面高さに対して、1枚目の画像撮像時に既に加わっていた外乱成分の大きさによって決まる平面が一様に加算された値となる。しかしながら、剛体Sが例えば鉄鋼半製品のスラブのように基準面が定まる場合には、最終的に出力される全長全幅の表面高さが基準面に一致するように平面を差し引く補正を行うことで、基準面から見た表面高さを得ることができる。そのため、以下では、上記式121が成立するとみなして説明を行う。
いま、図17に示すように、i枚目の撮影時刻において光切断線Lにより照射された部分の外乱除去後の表面高さは、見かけの表面高さから外乱成分を引けばよい。すなわち、i枚目の撮像画像における光切断線Lに照射された剛体Sの外乱除去後の表面高さH(i,X)は、以下の式123に従って求めることができる。
(i,X)=Fobs (i,X)−d(i,X) ・・・(式123)
また、i+1枚目の撮像画像における外乱成分は、i+1枚目の撮像画像における見かけの高さから、外乱除去後の表面高さを引けば求められる。すなわち、以下の式125が成立する。
(i+1,X)=Fobs (i+1,X)−H(i+1,X
・・・(式125)
ここで、i+1枚目の撮像画像における外乱除去後の表面高さH(i+1,X)は、i+1枚目の画像のみからは測定することができない。しかしながら、共通照射部分が、剛体S上の同一位置であることから、i+1枚目の撮像画像における外乱除去後の表面高さは、i枚目の撮像画像における外乱除去後の表面高さと等しい。そこで、本実施形態に係る共通照射部分外乱推定部221は、式123で既に求められている、i枚目における外乱除去後の表面高さH(i,X)を、搬送方向(すなわち、X軸の負方向)にΔLだけ平行移動させて共通照射部分を揃えたものを、i+1枚目の撮像画像における外乱除去後の表面高さH(i+1,X)として利用する。すなわち、以下の式127で表わされる関係が成立していることを利用する。
(i+1,X)=H(i,X+ΔL) ・・・(式127)
従って、式127を式125に代入することにより、i+1枚目の外乱成分d(i+1,X)は、i+1枚目の画像から得られるみかけの高さと、i枚目の外乱除去後の表面高さと、を利用して、以下の式129により求めることができる。
(i+1,X)=Fobs (i+1,X)−H(i,X+ΔL
・・・(式129)
また、上記式123において、パラメータiを一つ進めてi=i+1とし、d(i+1,X)の部分に、上記式129で得られたi枚目の外乱成分を代入することで、i+1枚目の撮像画像における外乱除去後の表面高さH(i+1,X)を求めることができる。
このように、共通照射部分外乱推定部221は、i=1における式121を初期値として式129と式123とを交互に適用し、パラメータiの値を1つずつ増やしていくことで、i枚目における外乱除去後の表面高さと、i+1枚目における外乱成分とを順次算出することができる。
以下では、上記の共通照射部分外乱推定部221による共通照射部分での外乱成分の特定処理が、図18に示したような状況に適用した場合にどのように実施されるかを、具体的に説明を行う。
なお、以下では、光切断線Lに関してのみ説明を行うが、光切断線Lについても同様である。
図18では、光切断線Lが照射される部分の一部に凹凸がある剛体Sを、測定対象とする。いま、図18の左半分に示すように、1枚目と2枚目の撮像画像を撮像する間に、外乱としてZ方向の平行移動が生じたものとする。
図19は、1枚目の撮像画像と2枚目の撮像画像の共通照射部分において、式129に基づく処理を説明するための説明図である。上記式125が示すように、2枚目の撮像画像における外乱成分d(2,X)は、見かけの高さFobs (2,X)と、2枚目の撮像画像における外乱除去後の表面高さH(2,X)と、の差である。一方で、先ほどから説明しているように、2枚目の撮像画像における外乱除去後の表面高さH(2,X)は、1枚目の撮像画像における外乱除去後の表面高さH(1,X)を、図19中の破線のようにΔLだけ平行移動したもの(すなわち、H(1,X+ΔL))である。ここで、上記式121から、H(1,X)は、Fobs (1,X)と等しい。従って、H(1,X+ΔL)は、Fobs (1,X+ΔL)と等しくなる。よって、図19を参照すると、2枚目の撮像画像における外乱成分d(2,X)は、見かけの高さFobs (2,X)から、1枚目の見かけの高さをΔL平行移動したものを引いたものと等しくなる。すなわち、図19に示す状況が、上記式129として示した式を図として表わしたものに対応している。
なお、図18の場合、剛体Sに生じている外乱がZ方向の平行移動であるため、式129により求められた外乱成分(図19における一点鎖線で表わした大きさ)d(2,X)は、X座標によらず一定となる。
次に、図18の右半分に示したように、2枚目と3枚目の撮像画像を撮像する間に、C軸回りの回転が生じたとする。この場合、図18において、1枚目の撮像画像と3枚目の撮像画像とを比較すると明らかなように、1枚目の撮像画像を基準として考えると、剛体Sには、外乱として、Z方向の平行移動とC軸回りの回転とが生じていることとなる。
図20は、2枚目の撮像画像と3枚目の撮像画像の共通照射部分において、式123及び式129に基づく処理を説明するための説明図である。
図20の右半分の部分に示すように、2枚目の画像から得られたみかけの高さFobs (2,X)から、図19に基づき既に算出した外乱成分d(2,X)を差し引くことで、外乱除去後の表面高さH(2,X)を算出することができる。この関係は、上記式123で表わされる関係を図示したものである。
次に、図20の左半分の部分に示したように、2枚目の撮像画像の共通照射部分における、外乱除去後の表面高さH(2,X)を、3枚目の撮像画像と共通照射部分が一致するようにΔLだけ平行移動させ、3枚目の撮像画像から得られたみかけの高さから差し引くことで、3枚目の撮像画像における外乱成分d(3,X)を算出することができる。
ここで、2枚目の撮像画像と3枚目の撮像画像との間には、C軸周りの回転が加わっているが、図20の左半分に示した一点鎖線の長さ(すなわち、d(3,X))を、X座標Xに対してプロットすると、d(3,X)は、ある傾きを持つ直線となる。
ここで、図20からも明らかなように、3枚目の撮像画像の外乱成分d(3,X)は、3枚目の撮像画像のみかけの高さFobs (3,X)から、2枚目の撮像画像における外乱除去後の表面高さH(2,X)を差し引いたものであり、2枚目の撮像画像における外乱除去後の表面高さH(2,X)は、2枚目の撮像画像のみかけの高さFobs (2,X)から、2枚目の撮像画像の外乱成分d(2,X)を差し引いたものである。従って、3枚目の撮像画像の外乱成分d(3,X)は、2枚目の撮像画像の外乱成分d(2,X)に基づいた量であると考えることもできる。同様にして、2枚目の撮像画像の外乱成分d(2,X)は、1枚目の撮像画像の外乱成分d(1,X)に基づいた量としてとらえることができる。このような関係から明らかなように、本実施形態に係る外乱推定処理は、i枚目の撮像画像における外乱成分d(i,X)を、1枚目の撮像画像における外乱からi−1枚目の撮像画像における外乱までの全ての外乱の積算の結果として、特定する。
なお、外乱としてL軸回りの回転が生じた場合には、Z方向の平行移動が生じた場合と同様に、光切断線L上の外乱成分の大きさはX座標によらず一定となる。また、実空間において異なる幅方向位置に存在する光切断線L上の外乱成分d(i,X)も、座標Xによらず一定となる。しかしながら、外乱成分dと外乱成分dとの値が異なることより、L軸回りの回転が存在することを把握することができる。
以上のような処理を共通照射部分外乱推定部221が実施することにより、2枚の連続する撮像画像を用いて、光切断線Lの上での外乱成分d(i,X)の大きさを算出することができる。上記のような処理を、光切断線Lに対しても同様に適用することで、共通照射部分外乱推定部221は、光切断線L上での外乱成分d(i,X)の大きさを算出することができる。
共通照射部分外乱推定部221は、このようにして算出した、各光切断線L,L上での外乱成分の大きさに関する情報を、後述する交点位置外乱推定部223に出力する。
□交点位置外乱推定部223について
交点位置外乱推定部223は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。交点位置外乱推定部223は、上記の外乱推定処理の概略で簡単に言及した処理のうち、光切断線Lに関して、Y座標の変化量のX方向に沿った分布を直線で近似するとともに、光切断線Lに関して、Y座標の変化量のX方向に沿った分布を直線で近似する処理を実施して、交点A、Bの位置での外乱の大きさを推定する処理部である。
より詳細には、交点位置外乱推定部223は、共通照射部分外乱推定部221が算出した、共通照射部分における外乱の大きさを利用して、X座標に沿った外乱の大きさの分布を直線近似し、得られた近似直線を交点位置まで外挿(場合によっては、内挿)することで、交点A及び交点Bにおける外乱の大きさを算出する。かかる直線近似により、光切断線L,L上の各点に生じるばらつきを吸収し、上記特許文献1に記載の発明を含めた従来の光切断法と比較してより精度良く、交点A及び交点Bにおける外乱の値を求めることが可能となる。その後、交点位置外乱推定部223は、第1の校正データである校正曲線C,Cを利用して、画素単位で表わされた表面高さを、Z座標(単位:mm)での値に変換して、交点A,BのZ座標における外乱の大きさを算出する。
上記のように、交点位置外乱推定部222は、i番目の画像における
・交点Aにおける外乱成分に起因するZ座標の変化ΔZ(i)(単位:mm)
・交点Bにおける外乱成分に起因するZ座標の変化ΔZ(i)(単位:mm)
のそれぞれを算出する処理部である。
なお、2交点A,Bでの外乱成分を求める理由は、以下の2つである。第1の理由は、測定対象物が剛体であることから、エリアカメラ111で撮像された撮像画像における光切断線Lに沿った外乱成分d(i,X)と、かかる外乱成分d(i,X)を校正曲線Cによって換算したZ座標における外乱成分とは、光切断線L,Lの場合と同様に直線となるからである。また、第2の理由は、光切断線Lに関する直線上の2点での外乱成分の値が特定できることで、光切断線Lに関して、交点以外の場所での外乱成分の値を推定することが可能となるためである。
以下では、この交点位置外乱推定部223が実施する処理について、図21〜図23を参照しながら、詳細に説明する。なお、図21では、連続した2枚の撮像画像間において、外乱としてZ軸方向の平行移動が生じている場合について図示しているが、以下の説明は図21に示した場合に限定されるものではなく、L軸回りの回転が生じている場合、及び、C軸回りの回転が生じている場合にも同様に適用可能である。
いま、i枚目の撮像画像の撮像時刻において、光切断線Lと光切断線Lとの交点Aに関して、外乱成分を含んだみかけのZ座標をZ(i)と表わし、光切断線Lと光切断線Lとの交点Bに関して、外乱成分を含んだみかけのZ座標Z(i)と表すこととする。
また、図21に示したように、1枚目の撮像画像の撮像時を基準として、i枚目まで外乱が生じないとみなしたZ座標での表面高さ(すなわち、外乱除去後のZ座標での表面高さ)を、交点AについてはZ (i)と表わし、交点BについてはZ (i)と表すこととする。
図21及び下記の式131に示すように、Z座標における交点Aでのみかけの表面高さZ(i)と、Z座標における外乱除去後の表面高さZ (i)との差を、外乱成分によるZ座標の変化ΔZ(i)と規定する。同様に、下記の式133に示すように、Z座標における交点Bでのみかけの表面高さZ(i)と、Z座標における外乱除去後の表面高さZ (i)との差を、外乱成分によるZ座標の変化ΔZ(i)と規定する。
ΔZ(i)=Z(i)−Z (i) ・・・(式131)
ΔZ(i)=Z(i)−Z (i) ・・・(式133)
外乱成分によるZ座標の変化ΔZ(i)を算出するために、交点位置外乱推定部223は、図22に示したように、共通照射部分外乱推定部221から出力された外乱成分d(i,X)の大きさが、X方向に沿ってどのように分布しているかを考慮する。その上で、交点位置外乱推定部223は、最小二乗法等の公知の統計処理により、X方向に沿った外乱成分d(i,X)の分布を直線近似する。その後、交点位置外乱推定部223は、交点AのX座標と、算出した近似直線とを利用して、交点Aでの外乱成分の大きさである外乱成分d(i,A)(単位:ピクセル)を算出する。
交点Aでの外乱成分d(i,A)(単位:ピクセル)を算出すると、交点位置外乱推定部223は、第1の校正データである校正曲線Cを利用して、画素単位での外乱成分の大きさを、Z座標における外乱成分ΔZ(i)(単位:mm)へと変換する。
ここで、実空間でのZ座標における外乱成分ΔZ(i)を算出する際には、校正曲線Cが曲線であり、かつ、外乱成分d(i,A)が、先ほどから言及しているように、1枚目の撮像画像を基準とした外乱成分であることを考慮することが重要である。具体的には、図23に示すような校正曲線Cを適用してΔZ(i)を求めるためには、校正曲線上の2点でピクセル単位からmm単位への変換を行い、Z座標において差を取る必要がある。
ここで、先ほどから言及しているように、外乱除去後の表面高さH(i,A)に対して、外乱成分d(i,A)を加えたものが、撮像画像内でのi枚目における交点Aのみかけの高さFobs (i,A)となる。そこで、交点位置外乱推定部223は、図23に示したように、交点Aのみかけの高さFobs (i,A)と、校正曲線Cとを利用して、i枚目のZ座標における交点Aのみかけの表面高さZ(i)を算出する。また、交点位置外乱推定部223は、外乱除去後の表面高さH(i,A)と、校正曲線Cとを利用して、i枚目のZ座標における外乱除去後の表面高さZ (i)を算出する。その後、交点位置外乱推定部223は、得られた2つの表面高さの差を算出することで、交点AでのZ座標における外乱成分ΔZ(i)を算出する。また、交点位置外乱推定部223は、全く同様にして、交点BでのZ座標における外乱成分ΔZ(i)も算出する。
交点位置外乱推定部223は、このようにして算出した、交点A及び交点Bでの外乱成分の大きさに関する情報を、補正部217に出力する。
以上、図16〜図23を参照しながら、外乱推定部213で実施される外乱推定処理について、詳細に説明した。
○形状データ算出部215における形状データ算出処理について
続いて、図24を参照しながら、形状データ算出部215で実施される形状データ算出処理について、詳細に説明する。なお、図24では、外乱としてL軸回りの回転が生じている場合について図示しているが、これまでの説明と同様に、以下の説明は、図24に示した場合に限定されるものではない。
形状データ算出部215では、まず、撮像データ取得部211から出力された、エリアカメラ111により撮像された撮像画像データを参照して、図24に示すように、i枚目の撮像画像での光切断線Lに関するみかけの高さFobs (i,X)(単位:ピクセル)を特定する。ここで、図24に示した撮像画像内の座標系は、先だって説明したように、校正板などの平坦面をZ=0の位置に配置した上で撮像したエリアカメラ111の撮像画像を用いて規定することができる。すなわち、光切断線Lが撮像されている高さ方向の位置を、光切断線Lに関するY座標Yの基準位置(すなわち、Y=0の位置)として規定し、光切断線Lに関するX座標Xを、撮像画像の左端を基準として光切断線Lの延伸方向に沿って規定することができる。
次に、形状データ算出部215は、i枚目の撮像画像から得られたみかけの高さFobs (i,X)(単位:ピクセル)を、記憶部207に格納されている第1の校正データである校正曲線Cを利用して、Z座標におけるみかけの高さZ(i,X)(単位:mmなどの長さの単位)へと変換する。
このようにして算出された、Z座標におけるみかけの高さZ(i,X)は、外乱に起因するZ座標の変化(すなわち、測定誤差)が重畳されている値である。形状データ算出部215は、このようにして算出したZ座標におけるみかけの高さZ(i,X)に関する情報を、後述する補正部217へと出力する。
○補正部217における補正処理について
続いて、図25及び図26を参照しながら、補正部217で実施される補正処理について、詳細に説明する。
本実施形態に係る補正部217は、形状データ算出部215により算出された測定誤差を含む形状データ(Z座標におけるみかけの高さZ(i,X))と、外乱推定部213により算出された外乱成分(Z座標における外乱成分ΔZ(i))と、を利用して補正処理を実施し、測定対象物である剛体Sの真の表面高さを算出する。かかる補正処理をエリアカメラ111で撮像された全画像に対して反復することで、真の表面高さを長手方向に重ね合わせることとなり、結果として、剛体Sの全体における真の表面高さを算出することが可能となる。
より詳細には、補正部217は、まず、外乱推定部213により算出された、交点A及び交点BでのZ座標における外乱成分ΔZ(i),ΔZ(i)を利用して、図25に示したような直線を算出する。先だって言及しているように、光切断線Lに沿ったZ座標における外乱成分ΔZ(i、X)は、測定対象が剛体である故に、座標Xに関して一次関数(すなわち直線)となる。従って、交点A及び交点BでのZ座標における外乱成分ΔZ(i),ΔZ(i)を結ぶ直線を算出することで、光切断線Lに沿ったZ座標における外乱成分ΔZ(i、X)を特定できたことになる。
続いて、補正部217は、図26及び以下の式141に示したように、形状データ算出部215で得られたZ(i,X)から、外乱によるZ座標の変化(すなわち、外乱成分ΔZ(i、X))を差し引くことで、Z座標での真の表面高さZout(i,X)を算出する。
out(i,X)=Z(i,X)−ΔZ(i,X) ・・・(式141)
補正部217は、エリアカメラ111で撮像された全画像に対して以上の処理を反復(すなわち、エリアカメラ111,113で撮影された画像の枚数がそれぞれN枚とすると、i=1,2,・・・,Nに対してZout(i,X)を求める処理を反復)し、真の表面高さを長手方向に順に並べることで、剛体S全体の真の表面高さを算出することができる。
以上、図25及び図26を参照しながら、本実施形態に係る補正部217で実施される補正処理について説明した。
以上、本実施形態に係る演算処理装置200の機能の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材や回路を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。また、各構成要素の機能を、CPU等が全て行ってもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用する構成を変更することが可能である。
なお、上述のような本実施形態に係る演算処理装置の各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作製し、パーソナルコンピュータ等に実装することが可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリなどである。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信してもよい。
(撮像装置の変形例)
次に、図27及び図28を参照しながら、本実施形態に係る撮像装置100の変形例について、簡単に説明する。図27及び図28は、本実施形態に係る撮像装置の変形例を模式的に示した説明図である。
上記の説明では、撮像装置100において、2台のエリアカメラ111,113が設けられている場合について説明したが、本実施形態に係る撮像装置100の構成は、かかる例に限定されるものではない。
例えば図27に示したように、光切断線Lをエリアカメラ115で撮像するとともに、光切断線Lをエリアカメラ117で撮像し、エリアカメラ111とあわせて3台のエリアカメラを使用することも可能である。
それぞれのエリアカメラ115,117は、撮像装置100として2台のエリアカメラ111,113を使用する場合と同様に、図28に示すように、光切断線LとL軸―C軸平面に投影されたエリアカメラ115の光軸とが直交し、かつ、光切断線LとL軸―C軸平面に投影されたエリアカメラ117の光軸とが直交するように設置する。エリアカメラ115の撮像領域AR3、及び、エリアカメラ117の撮像領域AR4は、撮像装置100として2台のエリアカメラ111,113を使用する場合と同様に、それぞれ交点A及び交点Bを撮像視野に含むように、適宜設定すればよいが、光切断線L,L全体が撮像視野に含まれていることが好ましい。
各エリアカメラの光軸とZ軸とがなす角α,αは、エリアカメラが2台の場合と同様の理由で、例えば30度〜60度程度とすることが好ましい。また、角度α,αは、同一の値であってもよいし、互いに異なる値であってもよい。いずれの場合においても、1台のエリアカメラを用いる場合と同じ計算処理により、求める形状を計測することが可能である。
また、図27及び図28では、剛体Sの幅方向の片側に、2台のエリアカメラ115,117が配設される場合を図示しているが、外乱推定部213における平行移動の方向にさえ注意すれば、剛体Sの光切断線L側の側方にエリアカメラ115を配置し、剛体Sの光切断線L側の側方にエリアカメラ117を配置することも可能である。
更に、光切断線L,L,Lのそれぞれに対して撮影視野を分割することで、4台以上のエリアカメラを使用することも可能である。
以上、図27及び図28を参照しながら、本実施形態に係る撮像装置100の変形例について説明した。
(形状測定方法の流れについて)
次に、図29A及び図29Bを参照しながら、本実施形態に係る形状測定装置10で実施される形状測定方法の流れについて、簡単に説明する。図29A及び図29Bは、本実施形態に係る形状測定方法の流れの一例を示した流れ図である。
なお、以下の説明に先立ち、上記のような各種の方法を利用して、第1の校正データ及び第2の校正データが適切に生成され、記憶部207に格納されているものとする。
まず、本実施形態に係る形状測定装置10の撮像装置100は、演算処理装置200における撮像制御部201の制御のもとで、搬送されている被測定剛体Sを各エリアカメラ111,113で撮像して、それぞれN枚の撮像画像を生成する(ステップS101)。撮像装置100のエリアカメラ111,113は、1枚の撮像画像を生成する毎に、生成した撮像画像の撮像データを、演算処理装置200に出力する。
演算処理装置200の撮像データ取得部211は、撮像装置100から撮像データを取得すると、エリアカメラ111で生成された撮像データを形状データ算出部215に対して出力するとともに、エリアカメラ113で生成された撮像データを、外乱推定部213に対して出力する。
外乱推定部213、形状データ算出部215及び補正部217は、各処理部で実施する処理において使用するパラメータiを、i=1に初期化する(ステップS103)。続いて、外乱推定部213、形状データ算出部215及び補正部217は、パラメータiの値が、撮像画像の枚数N以下であるか否かを判断する(ステップS105)。パラメータiの値がN以下である場合には、外乱推定部213は、上記のような外乱推定処理を開始するとともに、形状データ算出部215は、上記のような形状データ算出処理を開始する。また、補正部217は、外乱推定部213及び形状データ算出部215からのデータの出力の待ち受けを開始する。一方、パラメータiの値がN超過である場合には、形状測定装置10は、形状測定処理を終了する。
なお、外乱推定部213における外乱推定処理、及び、形状データ算出部215における形状データ算出処理は、それぞれ並行して実施されてもよいし、どちらか一方の処理部における処理が、他方の処理部における処理に先立って実施されてもよいことは、言うまでもない。
形状データ算出部215は、先だって説明したような方法により、i枚目の撮像画像を参照しながら、形状測定用光切断線(すなわち、光切断線L)と、校正曲線Cとを利用して、実空間での形状データ(Z座標における表面高さ)を算出する(ステップS107)。形状データ算出部215は、i枚目の撮像画像に関して実空間での形状データを算出すると、得られた形状データに関する情報を、補正部217に出力する。
一方、外乱推定部213は、先だって説明したような方法により、i枚目の撮像画像を参照しながら、各補正用光切断線(すなわち、光切断線L,L)に基づき、共通照射部分の外乱成分を算出する(ステップS109)。その後、外乱推定部213は、算出した外乱成分を利用して近似直線を算出した後、交点A及び交点Bでの外乱成分を算出する(ステップS111)。続いて、外乱推定部213は、交点A及び交点Bでの外乱成分を、校正曲線C,Cを利用して、実空間での量へと変換する(ステップS113)。その後、外乱推定部213は、得られた実空間での外乱成分の大きさに関する情報を、補正部217に出力する。
補正部217は、外乱推定部213から出力された、交点A及び交点Bの実空間での外乱成分に基づき、先だって説明したような方法により、形状測定用光切断線の位置での外乱成分を算出する(ステップS115)。その後、補正部217は、形状データ算出部215から出力された、実空間での形状データから、実空間での外乱成分を差し引いて、真の表面高さを算出する(ステップS117)。
その後、外乱推定部213、形状データ算出部215及び補正部217は、パラメータiの値を、i=i+1へと更新し(ステップS119)、ステップS105の処理を再度実施する。
以上、図29A及び図29Bを参照しながら、本実施形態に係る形状測定方法の流れを簡単に説明した。
(ハードウェア構成について)
次に、図30を参照しながら、本発明の実施形態に係る演算処理装置200のハードウェア構成について、詳細に説明する。図30は、本発明の実施形態に係る演算処理装置200のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
演算処理装置200は、主に、CPU901と、ROM903と、RAM905と、を備える。また、演算処理装置200は、更に、バス907と、入力装置909と、出力装置911と、ストレージ装置913と、ドライブ915と、接続ポート917と、通信装置919とを備える。
CPU901は、中心的な処理装置及び制御装置として機能し、ROM903、RAM905、ストレージ装置913、又は、リムーバブル記録媒体921に記録された各種プログラムに従って、演算処理装置200内の動作全般またはその一部を制御する。ROM903は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM905は、CPU901が使用するプログラムや、プログラムの実行において適宜変化するパラメータ等を一次記憶する。これらはCPUバス等の内部バスにより構成されるバス907により相互に接続されている。
バス907は、ブリッジを介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バスに接続されている。
入力装置909は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチ及びレバーなどユーザが操作する操作手段である。また、入力装置909は、例えば、赤外線やその他の電波を利用したリモートコントロール手段(いわゆる、リモコン)であってもよいし、演算処理装置200の操作に対応したPDA等の外部接続機器923であってもよい。更に、入力装置909は、例えば、上記の操作手段を用いてユーザにより入力された情報に基づいて入力信号を生成し、CPU901に出力する入力制御回路などから構成されている。ユーザは、この入力装置909を操作することにより、形状測定装置10に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
出力装置911は、取得した情報をユーザに対して視覚的又は聴覚的に通知することが可能な装置で構成される。このような装置として、CRTディスプレイ装置、液晶ディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置、ELディスプレイ装置及びランプなどの表示装置や、スピーカ及びヘッドホンなどの音声出力装置や、プリンタ装置、携帯電話、ファクシミリなどがある。出力装置911は、例えば、演算処理装置200が行った各種処理により得られた結果を出力する。具体的には、表示装置は、演算処理装置200が行った各種処理により得られた結果を、テキスト又はイメージで表示する。他方、音声出力装置は、再生された音声データや音響データ等からなるオーディオ信号をアナログ信号に変換して出力する。
ストレージ装置913は、演算処理装置200の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置913は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)等の磁気記憶部デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、又は、光磁気記憶デバイス等により構成される。このストレージ装置913は、CPU901が実行するプログラムや各種データ、及び、外部から取得した各種のデータなどを格納する。
ドライブ915は、記録媒体用リーダライタであり、演算処理装置200に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ915は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は、半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体921に記録されている情報を読み出して、RAM905に出力する。また、ドライブ915は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は、半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体921に記録を書き込むことも可能である。リムーバブル記録媒体921は、例えば、CDメディア、DVDメディア、Blu−ray(登録商標)メディア等である。また、リムーバブル記録媒体921は、コンパクトフラッシュ(登録商標)(CompactFlash:CF)、フラッシュメモリ、または、SDメモリカード(Secure Digital memory card)等であってもよい。また、リムーバブル記録媒体921は、例えば、非接触型ICチップを搭載したICカード(Integrated Circuit card)又は電子機器等であってもよい。
接続ポート917は、機器を演算処理装置200に直接接続するためのポートである。接続ポート917の一例として、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)ポート、RS−232Cポート等がある。この接続ポート917に外部接続機器923を接続することで、演算処理装置200は、外部接続機器923から直接各種のデータを取得したり、外部接続機器923に各種のデータを提供したりする。
通信装置919は、例えば、通信網925に接続するための通信デバイス等で構成された通信インターフェースである。通信装置919は、例えば、有線又は無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、又は、WUSB(Wireless USB)用の通信カード等である。また、通信装置919は、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ、又は、各種通信用のモデム等であってもよい。この通信装置919は、例えば、インターネットや他の通信機器との間で、例えばTCP/IP等の所定のプロトコルに則して信号等を送受信することができる。また、通信装置919に接続される通信網925は、有線または無線によって接続されたネットワーク等により構成され、例えば、インターネット、家庭内LAN、社内LAN、赤外線通信、ラジオ波通信または衛星通信等であってもよい。
以上、本発明の実施形態に係る演算処理装置200の機能を実現可能なハードウェア構成の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用するハードウェア構成を変更することが可能である。
以下では、実施例を示しながら、本発明に係る形状測定装置及び形状測定方法について、具体的に説明する。なお、以下に示す実施例は、本発明に係る形状測定装置及び形状測定方法のあくまでも一例であって、本発明に係る形状測定装置及び形状測定方法が、下記に示す実施例に限定されるものではない。
以下に示す実施例1〜実施例3では、表面が平坦であることが既知のアルミ板を被測定剛体Sとして利用した。また、形状測定に使用した形状測定装置は、図1及び図2に示したような、本実施形態に係る形状測定装置10である。
実施例1〜実施例3では、上記のようなアルミ板を、一定速度5mm/秒で60mm搬送しながら、2台のエリアカメラで0.2秒につき1枚撮像し、各エリアカメラで60枚の撮像画像を得た。なお、事前に、校正曲線C,C,C及びΔL、ΔLを作成し、得られたデータを記憶部に格納しておいた。
以下に示す実施例では、アルミ板の搬送中に、3種類の外乱(Z軸方向の移動、L軸回りの回転、C軸回りの回転)をそれぞれ付加し、外乱に起因するZ座標の変化が含まれた値Z(i,X)と、演算処理装置200から出力された真の表面高さZout(i,X)(i=1,2,・・・,60)と、を比較した。なお、以下では、X座標(単位:ピクセル)を剛体Sの幅方向であるC座標(単位:mm)に変換して得られる結果を、示している。
(実施例1)
実施例1では、図31Aに示したようなZ方向の平行移動を、アルミ板の搬送中に外乱として付加した。なお、光切断線の位置は、図31Bに示した通りである。その結果、図31Cに示すように、Z(i,X)は、外乱によるZ軸方向の変化が重畳されており、該当する部分の表面高さが平坦になっていないことがわかる。この結果は、Z(i,X)では正確な表面高さを表現できていないことを示している。一方、図31Dに示したように、Zout(i,X)(i=1,2,・・・,60)は平坦となり、正確な表面高さが測定されていることが確認できた。
(実施例2)
実施例2では、図32Aに示したようなL軸回りの回転(回転軸は、アルミ板の幅方向中央位置とし、回転角の正方向は、L軸正方向に沿って時計回りとした。)を、アルミ板の搬送中に外乱として付加した。なお、光切断線の位置と回転軸との位置関係は、図32Bに示した通りである。その結果、図32Cに示すように、Z(i,X)は、L軸回りの回転によるZ軸方向の変化が重畳されており、該当する部分の表面高さが平坦になっていないことがわかる。この結果は、Z(i,X)では正確な表面高さを表現できていないことを示している。一方、図32Dに示したように、Zout(i,X)(i=1,2,・・・,60)は平坦となり、正確な表面高さが測定されていることが確認できた。
(実施例3)
実施例3では、図33Aに示したようなC軸回りの回転(回転軸は、アルミ板の長手方向中央位置とし、回転角の正方向は、C軸正方向に沿って時計回りとした。)を、アルミ板の搬送中に外乱として付加した。なお、光切断線の位置と回転軸との位置関係は、図33Bに示した通りである。その結果、図33Cに示すように、Z(i,X)は、C軸回りの回転によるZ軸方向の変化が重畳されており、該当する部分の表面高さが平坦になっていないことがわかる。この結果は、Z(i,X)では正確な表面高さを表現できていないことを示している。一方、図33Dに示したように、Zout(i,X)(i=1,2,・・・,60)は平坦となり、正確な表面高さが測定されていることが確認できた。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
10 形状測定装置
100 撮像装置
101a,101b,101c 線状レーザ光源
111,113,115,117 エリアカメラ
200 演算処理装置
201 撮像制御部
203 画像処理部
205 表示制御部
207 記憶部
211 撮像データ取得部
213 外乱推定部
215 形状データ算出部
217 補正部
219 結果出力部
221 共通照射部分外乱推定部
223 交点位置外乱推定部

Claims (16)

  1. 被測定剛体の長手方向に沿って当該被測定剛体に対して相対移動する複数の線状レーザ光源から、前記被測定剛体の表面へと照射された、複数の線状レーザ光による複数の光切断線により、当該被測定剛体の形状を測定するものであり、
    長手方向に沿って相対移動する前記被測定剛体の表面に対して、3本の前記線状レーザ光を照射するとともに、前記3本の線状レーザ光の前記被測定剛体の表面からの反射光を所定の長手方向間隔で撮像する撮像装置と、
    前記撮像装置により撮像された前記光切断線に関する撮像画像に対して画像処理を実施して、前記被測定剛体の表面形状を算出する演算処理装置と、
    を備え、
    前記撮像装置は、
    前記被測定剛体の幅方向に延びる前記光切断線であり、前記被測定剛体の表面形状を算出するために用いられる形状測定用光切断線を射出する第1線状レーザ光源と、
    前記被測定剛体の長手方向に対して平行であり、かつ、前記形状測定用光切断線と交差しており、前記被測定剛体に作用する外乱の影響を補正するために用いられる第1の補正用光切断線を射出する第2線状レーザ光源と、
    前記被測定剛体の長手方向に対して平行であり、前記形状測定用光切断線と交差し、かつ、前記第1の補正用光切断線とは異なる前記被測定剛体の幅方向位置に存在しており、前記被測定剛体に作用する外乱の影響を補正するために用いられる第2の補正用光切断線を射出する第3線状レーザ光源と、
    前記形状測定用光切断線を、所定の長手方向間隔に対応する各時刻に撮像し、各時刻におけるそれぞれの前記形状測定用光切断線の撮像画像を生成する第1のカメラと、
    前記補正用光切断線を、所定の長手方向間隔に対応する各時刻に撮像し、各時刻におけるそれぞれの前記補正用光切断線の撮像画像を生成する第2のカメラと、
    を有しており、
    前記演算処理装置は、
    前記第1のカメラにより生成された各時刻での前記形状測定用光切断線の撮像画像に基づいて、前記被測定剛体の表面の3次元形状を表わし、かつ、前記外乱に起因する測定誤差の重畳された形状データを算出する形状データ算出部と、
    前記被測定剛体の同一位置について異なる2つの時刻に取得した前記被測定剛体の表面高さに関する高さ測定値から、当該位置における前記外乱に起因する高さ変化値を取得する高さ変化値取得処理を、前記第1の補正用光切断線の撮像画像を用いて、当該第1の補正用光切断線の異なる長手方向位置の複数の点に対して実施するとともに、前記高さ変化値取得処理を、前記第2の補正用光切断線の撮像画像を用いて、当該第2の補正用光切断線の異なる長手方向位置の複数の点に対して実施し、前記第1の補正用光切断線の撮像画像から得られた複数の前記外乱に起因する高さ変化値と、前記第2の補正用光切断線の撮像画像から得られた複数の前記外乱に起因する高さ変化値と、を利用して、前記形状データに重畳された前記外乱に起因する高さ変動量を推定する外乱推定部と、
    前記形状データから前記高さ変動量を差し引くことで、前記外乱に起因する測定誤差を補正する補正部と、
    を有する、形状測定装置。
  2. 前記外乱推定部は、
    前記第1の補正用光切断線上の複数の点における前記外乱に起因する高さ変化値を直線近似して、当該直線と前記形状測定用光切断線との交点における前記外乱に起因する高さ変化値を推定し、
    前記第2の補正用光切断線上の複数の点における前記外乱に起因する高さ変化値を直線近似して、当該直線と前記形状測定用光切断線との交点における前記外乱に起因する高さ変化値を推定し、
    2つの前記交点における前記外乱に起因する高さ変化値を結ぶ直線により、前記高さ変動量を推定する、請求項1に記載の形状測定装置。
  3. 前記第1のカメラ及び前記第2のカメラは、所定の長手方向間隔に対応する各時刻に撮像を行って、それぞれN枚(Nは、2以上の整数。)の撮像画像を生成し、
    前記外乱推定部は、1枚目の撮像画像に前記外乱が生じていないとみなして、前記高さ変動量を算出する、請求項1又は2に記載の形状測定装置。
  4. 前記第1のカメラ及び前記第2のカメラの撮像タイミングは、互いに隣り合う撮像時刻に撮像した前記第2のカメラの撮像画像において、共通して前記補正用光切断線が照射されている前記被測定剛体の部分である共通照射領域が存在するように制御されており、
    前記外乱推定部は、前記第1の補正用光切断線、及び、前記第2の補正用光切断線のそれぞれでの前記共通照射領域に該当する前記複数の点について、前記外乱に起因する高さ変化値を算出する、請求項1〜3の何れか1項に記載の形状測定装置。
  5. 前記外乱推定部は、前記第2のカメラのi+1枚目(i=1,2,・・・,N−1)の撮像画像から得られる前記高さ変化値を含む見かけの表面高さと、前記第2のカメラのi枚目の撮像画像から得られる、当該撮像画像の前記共通照射領域における前記高さ変化値を除去した後の表面高さと、を用いて、前記i+1枚目の撮像画像における前記高さ変化値と、当該高さ変化値を除去した後の表面高さと、を算出する、請求項4に記載の形状測定装置。
  6. 前記外乱推定部は、前記第2のカメラの1枚目の撮像画像を基準として、前記第2のカメラのi枚目(i=2,・・・,N)の撮像画像における前記高さ変化値を算出する、請求項4又は5に記載の形状測定装置。
  7. 前記第1線状レーザ光源、前記第2線状レーザ光源及び前記第3線状レーザ光源は、それぞれの光源の光軸が前記被測定剛体の長手方向及び幅方向で規定される平面に対して垂直となるように配設される、請求項1〜6の何れか1項に記載の形状測定装置。
  8. 前記第1のカメラの光軸と前記第1線状レーザ光源の光軸とのなす角、前記第2のカメラの視線と前記第2線状レーザ光源の光軸とのなす角、及び、前記第2のカメラの視線と前記第3線状レーザ光源の光軸とのなす角は、互いに独立に、30度以上60度以下である、請求項1〜7の何れか1項に記載の形状測定装置。
  9. 被測定剛体の長手方向に沿って当該被測定剛体に対して相対移動する複数の線状レーザ光源から、前記被測定剛体の表面へと照射された、複数の線状レーザ光による複数の光切断線により、当該被測定剛体の形状を測定するものであり、
    前記被測定剛体の幅方向に延びる前記光切断線であり、前記被測定剛体の表面形状を算出するために用いられる形状測定用光切断線を射出する第1線状レーザ光源と、前記被測定剛体の長手方向に対して平行であり、かつ、前記形状測定用光切断線と交差しており、前記被測定剛体に作用する外乱の影響を補正するために用いられる第1の補正用光切断線を射出する第2線状レーザ光源と、前記被測定剛体の長手方向に対して平行であり、前記形状測定用光切断線と交差し、かつ、前記第1の補正用光切断線とは異なる前記被測定剛体の幅方向位置に存在しており、前記被測定剛体に作用する外乱の影響を補正するために用いられる第2の補正用光切断線を射出する第3線状レーザ光源と、前記形状測定用光切断線を、所定の長手方向間隔に対応する各時刻に撮像し、各時刻におけるそれぞれの前記形状測定用光切断線の撮像画像を生成する第1のカメラと、前記補正用光切断線を、所定の長手方向間隔に対応する各時刻に撮像し、各時刻におけるそれぞれの前記補正用光切断線の撮像画像を生成する第2のカメラと、を有する撮像装置から、長手方向に沿って相対移動する前記被測定剛体の表面に対して3本の前記光切断線を照射して、当該3本の光切断線の前記被測定剛体の表面からの反射光を所定の長手方向間隔で撮像する撮像ステップと、
    前記第1のカメラにより生成された各時刻での前記形状測定用光切断線の撮像画像に基づいて、前記被測定剛体の表面の3次元形状を表わし、かつ、前記外乱に起因する測定誤差の重畳された形状データを算出する形状データ算出ステップと、
    前記被測定剛体の同一位置について異なる2つの時刻に取得した前記被測定剛体の表面高さに関する高さ測定値から、当該位置における前記外乱に起因する高さ変化値を取得する高さ変化値取得処理を、前記第1の補正用光切断線の撮像画像を用いて、当該第1の補正用光切断線の異なる長手方向位置の複数の点に対して実施するとともに、前記高さ変化値取得処理を、前記第2の補正用光切断線の撮像画像を用いて、当該第2の補正用光切断線の異なる長手方向位置の複数の点に対して実施して、前記第1の補正用光切断線の撮像画像から得られた複数の前記外乱に起因する高さ変化値と、前記第2の補正用光切断線の撮像画像から得られた複数の前記外乱に起因する高さ変化値と、を利用して、前記形状データに重畳された前記外乱に起因する高さ変動量を推定する外乱推定ステップと、
    前記形状データから前記高さ変動量を差し引くことで、前記外乱に起因する測定誤差を補正する補正ステップと、
    を含む、形状測定方法。
  10. 前記外乱推定ステップでは、
    前記第1の補正用光切断線上の複数の点における前記外乱に起因する高さ変化値を直線近似することで、当該直線と前記形状測定用光切断線との交点における前記外乱に起因する高さ変化値が推定され、
    前記第2の補正用光切断線上の複数の点における前記外乱に起因する高さ変化値を直線近似することで、当該直線と前記形状測定用光切断線との交点における前記外乱に起因する高さ変化値が推定され、
    2つの前記交点における前記外乱に起因する高さ変化値を結ぶ直線により、前記高さ変動量が推定される、請求項9に記載の形状測定方法。
  11. 前記第1のカメラ及び前記第2のカメラは、所定の長手方向間隔に対応する各時刻に撮像を行って、それぞれN枚(Nは、2以上の整数。)の撮像画像を生成し、
    前記外乱推定ステップでは、1枚目の撮像画像に前記外乱が生じていないとみなして、前記高さ変動量が算出される、請求項9又は10に記載の形状測定方法。
  12. 前記第1のカメラ及び前記第2のカメラの撮像タイミングは、互いに隣り合う撮像時刻に撮像した前記第2のカメラの撮像画像において、共通して前記補正用光切断線が照射されている前記被測定剛体の部分である共通照射領域が存在するように制御されており、
    前記外乱推定ステップでは、前記第1の補正用光切断線、及び、前記第2の補正用光切断線のそれぞれでの前記共通照射領域に該当する前記複数の点について、前記外乱に起因する高さ変化値が算出される、請求項9〜11の何れか1項に記載の形状測定方法。
  13. 前記外乱推定ステップでは、前記第2のカメラのi+1枚目(i=1,2,・・・,N−1)の撮像画像から得られる前記高さ変化値を含む見かけの表面高さと、前記第2のカメラのi枚目の撮像画像から得られる、当該撮像画像の前記共通照射領域における前記高さ変化値を除去した後の表面高さと、を用いて、前記i+1枚目の撮像画像における前記高さ変化値と、当該高さ変化値を除去した後の表面高さと、が算出される、請求項12に記載の形状測定方法。
  14. 前記外乱推定ステップでは、前記第2のカメラの1枚目の撮像画像を基準として、前記第2のカメラのi枚目(i=2,・・・,N)の撮像画像における前記高さ変化値が算出される、請求項12又は13に記載の形状測定方法。
  15. 前記第1線状レーザ光源、前記第2線状レーザ光源及び前記第3線状レーザ光源は、それぞれの光源の光軸が前記被測定剛体の長手方向及び幅方向で規定される平面に対して垂直となるように配設される、請求項9〜14の何れか1項に記載の形状測定方法。
  16. 前記第1のカメラの光軸と前記第1線状レーザ光源の光軸とのなす角、前記第2のカメラの視線と前記第2線状レーザ光源の光軸とのなす角、及び、前記第2のカメラの視線と前記第3線状レーザ光源の光軸とのなす角は、互いに独立に、30度以上60度以下である、請求項9〜15の何れか1項に記載の形状測定方法。
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