JP6380131B2 - 絶縁基板の反り量の調整方法 - Google Patents
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Description
辺X及び辺Yからなる矩形のセラミックス基板と、
前記セラミックス基板の一方の面に接合された第一の金属板に、前記第一の金属板を任意の形状及び任意の数に分割するスリットを設けてなる回路板と、
前記セラミックス基板の他方の面に形成された放熱板とからなる絶縁基板の反り量を調整する方法であって、
前記セラミックス基板の一方の面に形成された回路板によって生じる絶縁基板のX方向(前記セラミックス基板の辺Xに平行する方向)の反り能力WX1(前記放熱板側に凸)を求める工程、及び
前記放熱板のY方向(前記セラミックス基板の辺Yに平行する方向)の長さを、前記第一の金属板のY方向長さよりも短く形成することによって、前記絶縁基板のX方向の反り能力WX2(前記回路板側に凸)を付与する工程を有することを特徴とする。
前記放熱板のX方向の長さを、前記第一の金属板のX方向長さよりも短く形成することによって、前記絶縁基板のY方向の反り能力WY2(前記回路板側に凸)を付与する工程を有するのが好ましい。
前記反り能力WX2が前記反り能力WX1を打ち消すように、前記放熱板のY方向の長さを調節し、
前記反り能力WY2が前記反り能力WY1を打ち消すように、前記放熱板のX方向の長さを調節するのが好ましい。
前記反り能力WX1及びWX2の差が0.1 mm以下になるように前記放熱板のY方向の長さを調節し、
前記反り能力WY1及びWY2の差が0.1 mm以下になるように前記放熱板のX方向の長さを調節するのが好ましい。
(a)前記回路板を構成するスリットを、n本の線分からなる部分スリットS(i)[iは1からnの整数]に分割する工程、
(b)前記各部分スリットS(i)によって生じるX方向の反り能力Wx(S(i))及びY方向の反り能力Wy(S(i))(共に前記放熱板側に凸)を求める工程、及び
(c)反り能力Wx(S(i))及びWy(S(i))を全ての部分スリットS(i)について合計し、それぞれWX1及びWY1を求める工程からなるのが好ましい。
(a)前記セラミックス基板の厚さをtc、
(b)前記第一の金属板の厚さをtm1、
(c)前記第二の金属板の厚さをtm2、
(d)前記第二の金属板のX方向及びY方向の長さをそれぞれx及びy、及び
(e)前記放熱板のX方向及びY方向の長さをそれぞれ(x-a)及び(y-b)、
としたとき、
前記反り能力WX2[mm]及びWY2[mm]が、
WX2=-0.0557+0.0211*Bx+0.000652*Cx-0.0143*Dx+1.171*Ex-0.0569*Hx(ただし、Bx=tm2/tc、Cx=x/tc、Dx=y/x、Ex=b/y、Hx=Ex/2)で表され、
WY2=-0.0557+0.0211*By+0.000652*Cy-0.0143*Dy+1.171*Ey-0.0569*Hy(ただし、By=tm2/tc、Cy=y/tc、Dy=x/y、Ey=a/x、Hy=Ey/2)で表すことができる。
本発明の方法が適用できる絶縁基板は、辺X及び辺Yからなる矩形のセラミックス基板と、前記セラミックス基板の一方の面に形成された回路板と、前記セラミックス基板の他方の面に形成された放熱板とからなる。前記回路板は、前記セラミックス基板の一方の面に接合された第一の金属板に、前記第一の金属板を任意の形状及び任意の数に分割するスリットを設けたものであり、絶縁基板の使用目的に応じて様々なパターンを有する。前記放熱板は、半導体チップ動作時の発熱を効率よくヒートシンク側に伝導するため、分割されていない1枚の金属板をセラミックス基板に接合してなる。
絶縁基板のX方向の反り量の調整は、前記セラミックス基板の一方の面に形成された回路板によって生じる絶縁基板のX方向(前記セラミックス基板の辺Xに平行する方向)の反り能力WX1(前記放熱板側に凸)を求める工程、及び前記放熱板のY方向(前記セラミックス基板の辺Yに平行する方向)の長さを、前記第一の金属板のY方向長さよりも短く形成することによって、前記絶縁基板のX方向の反り能力WX2(前記回路板側に凸)を付与する工程を有する。ここで、反り能力WX2は、放熱板のY方向長さを短くすることによって発生するものであり、この反り能力WX2を回路板によって生じる絶縁基板のX方向の反り能力WX1と同程度に調節することにより、回路板によって生じる放熱板側に凸の反り能力と、放熱板によって生じる回路板側に凸の反り能力とが互いに打ち消し合い、絶縁基板に発生する反りを少なくすることができる。
WX1=-0.157-0.00594*B1+0.00123*C1+0.121*D1+0.0382*E1+0.167*H1
(ただし、B1=tm1/tc、C1=y/tc、D1=x/y、E1=d/x及びH1=q/x)で表される。
WX2=WX2(1)+WX2(2)
(ただし、WX2(1)[mm]=-0.0557+0.0211*Bx+0.000652*Cx-0.0143*Dx+1.171*Ex1-0.0569*Hx1、及びWX2(2)[mm]=-0.0557+0.0211*Bx+0.000652*Cx-0.0143*Dx+1.171*Ex2-0.0569*Hx2、Bx=tm2/tc、Cx=x/tc、Dx=y/x、Ex1=b1/y、Hx1=Ex1/2、Ex2=b2/y及びHx2=Ex2/2)で表される。すなわち、セラミックス基板11の厚さtc及び第二の金属板16(放熱板13)の厚さtm2が決まれば、WX2[mm]は、第二の金属板16のY方向長さと放熱板13のY方向長さとの差b(=b1+b2)の1次関数で表すことができる。
前述した絶縁基板のX方向の反り量の調整に加えて、さらに絶縁基板のY方向の反り量の調整を行うのが好ましい。絶縁基板のY方向の反り量の調整は、前記セラミックス基板の一方の面に形成された回路板によって生じる絶縁基板のY方向の反り能力WY1(前記放熱板側に凸)を求める工程、及び前記放熱板のX方向の長さを、前記第一の金属板のX方向長さよりも短く形成することによって、前記絶縁基板のY方向の反り能力WY2(前記回路板側に凸)を付与する工程を有する。ここで、反り能力WY2は、放熱板のX方向長さを短くすることによって発生するものであり、この反り能力WY2を回路板によって生じる絶縁基板のY方向の反り能力WY1と同程度に調節することにより、回路板によって生じる放熱板側に凸の反り能力と、放熱板によって生じる回路板側に凸の反り能力とが互いに打ち消し合い、絶縁基板に発生するX方向及びY方向の反りを少なくすることができる。
WY1=-0.157-0.00594*B1+0.00123*C1+0.121*D1+0.0382*E1+0.167*H1
(ただし、B1=tm1/tc、C1=x/tc、D1=y/x、E1=d/y及びH1=q/y)で表される。
WY2=WY2(1)+WY2(2)
(ただし、WY2(1)[mm]=-0.0557+0.0211*By+0.000652*Cy-0.0143*Dy+1.171*Ey1-0.0569*Hy1、及びWY2(2)[mm]=-0.0557+0.0211*By+0.000652*Cy-0.0143*Dy+1.171*Ey2-0.0569*Hy2、並びにBy=tm2/tc、Cy=y/tc、Dy=x/y、Ey1=a1/x、Hy1=Ey1/2、Ey2=a2/x及びHy2=Ey2/2)で表される。すなわち、セラミックス基板11の厚さtc及び第二の金属板16(放熱板23)の厚さtm2が決まれば、WY2[mm]は、第二の金属板16のX方向長さと放熱板23のX方向長さとの差a(=a1+a2)の1次関数で表すことができる。
回路板12によって生じるX方向の反り量を放熱板のY方向長さをb(=b1+b2)短く形成して調整し、Y方向の反り量を放熱板のX方向長さをa(=a1+a2)短く形成して調整する方法を説明したが、これらの回路板12によって生じるX方向及びY方向の両方の反り量を調整するには、放熱板のY方向長さを第一の金属板15(回路板12)のY方向長さに対してb(=b1+b2)短く形成し、放熱板のX方向長さを第一の金属板15(回路板12)のX方向長さに対してa(=a1+a2)短く形成することによって行う。すなわち、図10に示す絶縁基板30のように、X方向長さが{x-(a1+a2)}及びY方向長さが{y-(b1+b2)}の放熱板33を設けることによって調整する。
(a)前記回路板を構成するスリットを、n本の線分からなる部分スリットS(i)[iは1からnの整数]に分割する工程、
(b)前記各部分スリットS(i)によって生じるX方向の反り能力Wx(S(i))及びY方向の反り能力Wy(S(i))(共に前記放熱板側に凸)を求める工程、及び
(c)反り能力Wx(S(i))及びWy(S(i))を全ての部分スリットS(i)について合計し、それぞれWX1及びWY1を求める工程からなるのが好ましい。
一般に回路板は、目的に応じて様々な複数のスリットによって形成された複雑なパターンを有するため、それらのスリットによって発生する反り能力を求めるためには、前述したように、回路板を構成するスリットを複数の部分スリットに分割し、それぞれの部分スリットについてX方向及びY方向の反り能力を見積もり、それらを積算することにより、回路板によって生じるX方向及びY方向のトータルの反り能力を求めることが可能である。
前述したように、図1に示すような1本のスリットからなる回路板の場合は、前記1本のスリットによって発生する反り能力のみを考慮すれば求めることが可能である。スリットが1本の場合をさらに一般化して、図11に示すようなスリットが形成された回路板112と放熱板113がセラミックス基板111の両面に形成された絶縁基板100の場合を考える。絶縁基板100は、一辺の長さがL及びbの第一の金属板(厚さtm1)に幅d及び長さ(L-p1-p2)のスリット114が形成された回路板112がセラミックス基板111(厚さtc)の一方の面に形成され、前記第一の金属と同じ大きさの第二の金属板(厚さtm2)からなる放熱板113がセラミックス基板111の他方の面に形成されている。前記スリット114は、前記第一の金属板の辺Lに平行に形成され、辺bからの距離がp1(ただし、0≦p1≦L/6)であり、辺b'からの距離がp2(ただし、0≦p2≦L/2)であり、スリット114の長軸と辺Lとの距離がq(ただし、d/2≦q≦b/2)である。
WL=-0.0557+0.0211*B+0.000652*C-0.0143*D+1.171*E-0.0174*F-0.0517*G-0.0569*H、及び
Wb=-0.157-0.00594*B+0.00123*C+0.121*D+0.0382*E-0.0477*F-0.102*G+0.167*H
(ただし、B=tm1/tc、C=L/tc、D=b/L、E=d/b、F=p1/L、G=p2/L及びH=q/b)
で表される。
WL=-0.0557+0.0211*B+0.000652*C-0.0143*D+1.171*E-0.0569*H、及び
Wb=-0.157-0.00594*B+0.00123*C+0.121*D+0.0382*E+0.167*H
(ただし、B=tm1/tc、C=L/tc、D=b/L、E=d/b及びH=q/b)
で表される。この回路板の構成は、図1に示す絶縁基板10の場合とスリットの方向が異なるだけで同じ構成である。
次に、図13(a)に示すように、T字形のスリット214が設けられた回路板212を有する以外、図11に示す絶縁基板100と同様にして形成された絶縁基板200の場合を考える。このような場合、スリット214を、辺Lに平行で長さLのスリット214a(図13(b)を参照)と、辺bに平行で長さ(b-p2)のスリット214b(図13(c)を参照)とに分割して、それぞれのスリットに起因する辺L方向及び辺b方向の反り能力を求める。
WL1=-0.0557+0.0211*B+0.000652*C-0.0143*D+1.171*E-0.0569*H、及び
Wb1=-0.157-0.00594*B+0.00123*C+0.121*D+0.0382*E+0.167*H
(ただし、B=tm1/tc、C=L/tc、D=b/L、E=d1/b及びH=q1/b)
で表される。
WL2=-0.157-0.00594*B+0.00123*C+0.121*D+0.0382*E-0.102*G+0.167*H、及び
Wb2=-0.0557+0.0211*B+0.000652*C-0.0143*D+1.171*E-0.0517*G-0.0569*H
(ただし、B=tm1/tc、C=b/tc、D=L/b、E=d2/L、G=p2/b及びH=q2/L)
で表される。
WL=WL1+WL2、及び
Wb=Wb1+Wb2
となる。
図14に示すように、辺Lにも辺bにも平行でない、斜めに形成されたスリット314が設けられた回路板312を有する以外、図11に示す絶縁基板100と同様にして形成された絶縁基板300の場合を考える。このような場合、斜めに形成されたスリット314を、辺Lに平行で長さ(L-p11-p21)のスリット成分314a(図14(b)を参照)と、辺bに平行で長さ(b-p12-p22)のスリット成分314b(図14(c)を参照)とに置き換えて、それぞれのスリット成分に起因する辺L方向及び辺b方向の反り能力を求める。ここで、スリット成分314aの長さはスリット314を辺Lに投影した長さであり、幅はスリット314の幅dと同じであり、スリット314と重心が重なるような位置に設ける。同様にスリット成分314bの長さはスリット314を辺bに投影した長さであり、幅はスリット314の幅dと同じであり、スリット314と重心が重なるような位置に設ける。
WL=-0.0557+0.0211*B+0.000652*C-0.0143*D+1.171*E-0.0174*F-0.0517*G-0.0569*H、及び
Wb=-0.157-0.00594*B+0.00123*C+0.121*D+0.0382*E-0.0477*F-0.102*G+0.167*H
(ただし、B=tm1/tc、C=L/tc、D=b/L、E=d/b、F=p11/L、G=p21/L及びH=q1/b)
で表される。
WL2=-0.157-0.00594*B+0.00123*C+0.121*D+0.0382*E-0.0477*F-0.102*G+0.167*H、及び
Wb2=-0.0557+0.0211*B+0.000652*C-0.0143*D+1.171*E-0.0174*F-0.0517*G-0.0569*H
(ただし、B=tm1/tc、C=b/tc、D=L/b、E=d/L、F=p12/b、G=p22/b及びH=q2/L)
で表される。
WL=WL1+WL2、及び
Wb=Wb1+Wb2
となる。
このように、様々なスリットからなる回路板によって生じる反り能力は、どのような複雑なパターンであっても、スリットのパターンから複数の部分スリットに分割し、さらに必要に応じて辺Lに平行な部分スリット成分及び辺bに平行な部分スリット成分に置き換え、それぞれの部分スリット(又は部分スリット成分)について辺L方向及び辺b方向の反り能力を求め、それらを合計することにより求めることができる。
<構成>
図16は第1実施形態に係る絶縁基板30を示す。図17は、図16の正面図のうち、絶縁基板短部近傍の拡大図である。絶縁基板30は、長辺1a及び短辺1bを有する矩形のセラミックス基板1と、前記セラミックス基板1の一方の面に前記セラミックス基板1よりも平面寸法が小さく形成された回路板2と、前記セラミックス基板1の他方の面に形成された放熱板3とを有し、前記回路板2には前記回路板2を2以上の部分に分割するように幅dのスリット4a、4bが形成されている。前記放熱板3は、短辺1bに平行する幅a1及び幅a2の帯状のギャップ5a及びギャップ5a'と、長辺1aに平行する幅b1及び幅b2の帯状のギャップ5b及びギャップ5b'とを有しており、前記回路板2の平面寸法よりも長辺1a方向(X方向)の長さが(a1+a2)だけ短く形成されており、短辺1b方向(Y方向)の長さが(b1+b2)だけ短く形成されている。なおここで回路板2の長辺1a及び短辺1bの長さは、回路板2のスリット4a、4bを形成する前の金属板(図示せず)の各辺の長さと同じである。
図18に示すように、第1実施形態に係る絶縁基板30に半導体チップ6をはんだ7によって接合した実施例1の解析モデル31を作製した。セラミックス基板1は窒化珪素、回路板2及び放熱板3は銅、半導体チップ6はシリコンとし、銅及びはんだは弾塑性体、窒化珪素及び半導体チップは弾性体とした。セラミックス基板1の外形は長辺1aが32 mm、短辺1bが29 mmとした。各部材の厚さはそれぞれ、半導体チップ6が0.1 mm、はんだ7が0.2 mm、回路板2が0.8 mm、セラミックス基板1が0.32 mm、放熱板3が0.8 mmとした。スリット4の幅dは全て1 mm、絶縁基板30の短辺1bと平行なギャップ5a、5a'の幅a1、a2はいずれも1 mm、絶縁基板30の長辺1aと平行なギャップ5b、5b'の幅b1、b2はいずれも1.5 mmとした。
本発明者らは、以下で説明する検討により、回路板又は放熱板(以下、回路板及び/又は放熱板を「金属板」と呼称することがある)の塑性変形によって、金属板に形成したスリット又は帯状のギャップと平行な方向の反り量が増大する現象を発見した。本発明は、放熱板側にギャップを形成したときに前述の現象によって生じる反りを利用することによって、回路板側に凸の反り能力を発生させ、絶縁基板の反り量を低減するという技術的思想を基になし得たものである。
本現象をさらに詳細に調べるために、L18直交表を用いた感度解析により、反りへの影響の大きい形状パラメータを評価した。図26に用いた解析モデルを示し、図27に制御因子及び水準を示す。評価構造の重複を避けるために、各制御因子は、セラミックス基板1の厚さt1を基準とした相対値とした。スリット4の位置については、鏡面対称にすると同一構造になるような水準の組合せが存在しないように考慮して、絶縁基板端部からの距離p1、p2及びqによって定めた。
第1実施形態の他にも、本発明の趣旨を損なわなければ、第1実施形態を適宜変更して実施可能である。
図35に示すように、回路板2にスリット4が形成されていなくても構わない。放熱板3側のギャップ5によって、温度変化時の反りを低減することが本発明の趣旨であるので、例えば、図35に示すように、スリット4は形成されていないが、回路板2と放熱板3との厚さが違うことによって生じる反りを、本発明と同様にして放熱板3の反り能力を調節することによって低減することができる。
1a・・・長辺
1b・・・短辺
2・・・回路板
3・・・放熱板
4・・・スリット
5a、5a'、5b、5b'・・・ギャップ
6・・・半導体チップ
7・・・はんだ
10、10'、10"、20、20'、30・・・絶縁基板
11・・・セラミックス基板
12・・・回路板
13・・・放熱板
14・・・スリット
15・・・第一の金属板
16・・・第二の金属板
100、200、200a、200b、300、300a、300b・・・絶縁基板
112、212、312・・・回路板
114、214、314・・・スリット
314a、314b・・・スリット成分
30・・・絶縁基板
Claims (10)
- 辺X及び辺Yからなる矩形のセラミックス基板と、
前記セラミックス基板の一方の面に接合された第一の金属板に、前記第一の金属板を任意の形状及び任意の数に分割するスリットを設けてなる回路板と、
前記セラミックス基板の他方の面に形成された第二の金属板からなる放熱板とからなる絶縁基板の反り量を調整する方法であって、
前記セラミックス基板の一方の面に形成された回路板によって生じる絶縁基板のX方向(前記セラミックス基板の辺Xに平行する方向)の反り能力WX1(前記放熱板側に凸)を求める工程、及び
前記放熱板のY方向(前記セラミックス基板の辺Yに平行する方向)の長さを、前記第一の金属板のY方向長さよりも短く形成することによって、前記絶縁基板のX方向の反り能力WX2(前記回路板側に凸)を付与する工程を有することを特徴とする絶縁基板の反り量の調整方法。 - 請求項1に記載の絶縁基板の反り量を調整する方法において、
さらに前記セラミックス基板の一方の面に形成された回路板によって生じる絶縁基板のY方向の反り能力WY1(前記放熱板側に凸)を求める工程、及び
前記放熱板のX方向の長さを、前記第一の金属板のX方向長さよりも短く形成することによって、前記絶縁基板のY方向の反り能力WY2(前記回路板側に凸)を付与する工程を有することを特徴とする絶縁基板の反り量の調整方法。 - 請求項2に記載の絶縁基板の反り量を調整する方法において、
前記反り能力WX2が前記反り能力WX1を打ち消すように、前記放熱板のY方向の長さを調節し、
前記反り能力WY2が前記反り能力WY1を打ち消すように、前記放熱板のX方向の長さを調節することを特徴とする絶縁基板の反り量の調整方法。 - 請求項2又は3に記載の絶縁基板の反り量を調整する方法において、
前記回路板によって生じる反り能力WX1及びWY1が、前記第一の金属板と同じ形状の前記第二の金属板を前記セラミックス基板の他方の面に、前記セラミックス基板に対して対称な位置に形成したときのX方向の反り量及びY方向の反り量に相当することを特徴とする絶縁基板の反り量の調整方法。 - 請求項2〜4のいずれかに記載の絶縁基板の反り量を調整する方法において、
前記放熱板によって付与する反り能力WX2及びWY2が、前記セラミックス基板の一方の面にスリットを有さない前記第一の金属板を形成したときのX方向及びY方向の反り量に相当することを特徴とする絶縁基板の反り量の調整方法。 - 請求項5に記載の絶縁基板の反り量を調整する方法において、
前記反り能力WX1及びWX2の差が0.1 mm以下になるように前記放熱板のY方向の長さを調節し、
前記反り能力WY1及びWY2の差が0.1 mm以下になるように前記放熱板のX方向の長さを調節することを特徴とする絶縁基板の反り量の調整方法。 - 請求項2〜6のいずれかに記載の絶縁基板の反り量を調整する方法において、
前記反り能力WX1及びWY1を求める工程が、
(a)前記回路板を構成するスリットを、n本の線分からなる部分スリットS(i)[iは1からnの整数]に分割する工程、
(b)前記各部分スリットS(i)によって生じるX方向の反り能力Wx(S(i))及びY方向の反り能力Wy(S(i))(共に前記放熱板側に凸)を求める工程、及び
(c)反り能力Wx(S(i))及びWy(S(i))を全ての部分スリットS(i)について合計し、それぞれWX1及びWY1を求める工程からなることを特徴とする絶縁基板の反り量の調整方法。 - 請求項2〜7のいずれかに記載の絶縁基板の反り量を調整する方法において、
(a)前記セラミックス基板の厚さをtc、
(b)前記第一の金属板の厚さをtm1、
(c)前記第二の金属板の厚さをtm2、
(d)前記第二の金属板のX方向及びY方向の長さをそれぞれx及びy、及び
(e)前記放熱板のX方向及びY方向の長さをそれぞれ(x-a)及び(y-b)、
としたとき、
前記反り能力WX2[mm]及びWY2[mm]が、
WX2=-0.0557+0.0211*Bx+0.000652*Cx-0.0143*Dx+1.171*Ex-0.0569*Hx(ただし、Bx=tm2/tc、Cx=x/tc、Dx=y/x、Ex=b/y、Hx=Ex/2)で表され、
WY2=-0.0557+0.0211*By+0.000652*Cy-0.0143*Dy+1.171*Ey-0.0569*Hy(ただし、By=tm2/tc、Cy=y/tc、Dy=x/y、Ey=a/x、Hy=Ey/2)で表されることを特徴とする絶縁基板の反り量の調整方法。 - 請求項8に記載の絶縁基板の反り量を調整する方法において、
前記第一の金属板の厚さをtm1及び前記第二の金属板の厚さtm2のうち厚い方の厚さtmと、前記セラミックス基板の厚さtcとの比tm/tcが1.875以上であることを特徴とする絶縁基板の反り量の調整方法。 - 請求項1〜9に記載の絶縁基板の反り量を調整する方法において、
前記セラミックス基板が窒化珪素セラミックスからなり、前記第一の金属板及び前記放熱板が銅からなることを特徴とする絶縁基板の反り量の調整方法。
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