JP6378804B1 - 木材印字システム - Google Patents
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Abstract
【課題】木口面または胴付面に識別情報が印字された状態のプレカット加工材を提供する。
【解決手段】印字機コントローラ430は、入力した印字データを印字機駆動データに展開し、シーケンサ420から印字許可信号が入力され、上下方向移動指令が入力されたら、ベース部材44の上下方向の移動状況を推定しつつ印字機駆動データに対応するインク吐出タイミングを決定し、印字ヘッド61を駆動制御する(S410〜S470)。シーケンサ420は、入力した加工データに基づいて端面に対する加工がなされても切除されない領域内に印字領域を特定し、印字領域における前後方向の位置決めを実行した後、印字機コントローラ430に対して印字許可信号を出力すると共に、上下動サーボモータM42及び印字機コントローラ430に対して上下方向移動指令を出力する(S210〜S270)。
【選択図】図4
【解決手段】印字機コントローラ430は、入力した印字データを印字機駆動データに展開し、シーケンサ420から印字許可信号が入力され、上下方向移動指令が入力されたら、ベース部材44の上下方向の移動状況を推定しつつ印字機駆動データに対応するインク吐出タイミングを決定し、印字ヘッド61を駆動制御する(S410〜S470)。シーケンサ420は、入力した加工データに基づいて端面に対する加工がなされても切除されない領域内に印字領域を特定し、印字領域における前後方向の位置決めを実行した後、印字機コントローラ430に対して印字許可信号を出力すると共に、上下動サーボモータM42及び印字機コントローラ430に対して上下方向移動指令を出力する(S210〜S270)。
【選択図】図4
Description
本発明は、木口面または胴付面に識別情報が印字された状態のプレカット加工材を提供するためのシステムに関するものである。
従来、プレカット加工された木材に対して番付を自動印字する技術が提案されている(特許文献1)。梱包するとき、段積みするため木材の側面への印字は隠れることがあることから、木材のホゾ先に印字を行う提案や(特許文献2)、ホゾ先の印字も背割りがなされると欠落する問題からホゾ先への印字を2回以上とする提案もある(特許文献3)。
特許文献2,3の提案は、向きや幅等の異なる各種のホゾへの印字を可能にするため、ホゾ位置の検出結果に応じて、印字ヘッドの移動方向・移動順・移動速度等を変更して印字を実行している。
特許文献2,3の技術は、向きや幅等の異なる各種のホゾへの印字を可能にする反面、印字対象となる木材ごとに印字ヘッドの移動方向や移動速度等を変更するため、印字動作の制御の複雑化や印字ヘッドの動作の不安定化を生じる可能性があり、その結果、印字する文字が乱れ、識別情報を正確に印字できない可能性がある。
そこで、本願は、木口面または胴付面に識別情報が印字された状態のプレカット加工材を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた本発明の木材印字システムは、木材の木口面または胴付面を印字面とし、印字装置の印字ヘッドを用いて印字する木材印字システムにおいて、以下の構成を備えたことを特徴とする。
(1−1)前記印字ヘッドと前記印字面とが前記印字ヘッドの駆動によって印字を開始可能な間隔となる様に、印字開始前に、前記木材の端末側垂直面と前記印字ヘッドとの相対的な位置決めを実行する位置決め手段を備えていること。
(1−2)印字対象の木材に対応する加工データに基づいて、前記端末側垂直面のうちで印字後に切除されることのない領域内に印字領域を特定する印字領域特定手段を備えていること。
(1−3)前記印字領域特定手段により特定される印字領域と、印字対象の木材に対応する印字データとに基づいて前記印字領域に印字すべき印字内容を決定し、その印字内容を示す印字情報を作成して前記印字装置に出力する印字情報出力手段を備えていること。
(1−4)前記印字装置は、前記印字情報に基づいて印字すべき画像を展開する画像展開手段を備えていること。
(1−5)前記印字ヘッドを固定するものであって、駆動装置の駆動力により前記印字面に沿って移動可能に構成された支持体を備えていること。
(1−6)前記駆動装置および前記印字装置のそれぞれに対して、前記駆動装置を駆動させるための駆動指令を出力する駆動指令出力手段を備え、前記印字装置は、前記駆動指令から推定した前記支持体の移動量に基づいて前記画像展開手段が展開した画像の印字タイミングを決定する印字タイミング決定手段を備えていること。
(1−1)前記印字ヘッドと前記印字面とが前記印字ヘッドの駆動によって印字を開始可能な間隔となる様に、印字開始前に、前記木材の端末側垂直面と前記印字ヘッドとの相対的な位置決めを実行する位置決め手段を備えていること。
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(1−3)前記印字領域特定手段により特定される印字領域と、印字対象の木材に対応する印字データとに基づいて前記印字領域に印字すべき印字内容を決定し、その印字内容を示す印字情報を作成して前記印字装置に出力する印字情報出力手段を備えていること。
(1−4)前記印字装置は、前記印字情報に基づいて印字すべき画像を展開する画像展開手段を備えていること。
(1−5)前記印字ヘッドを固定するものであって、駆動装置の駆動力により前記印字面に沿って移動可能に構成された支持体を備えていること。
(1−6)前記駆動装置および前記印字装置のそれぞれに対して、前記駆動装置を駆動させるための駆動指令を出力する駆動指令出力手段を備え、前記印字装置は、前記駆動指令から推定した前記支持体の移動量に基づいて前記画像展開手段が展開した画像の印字タイミングを決定する印字タイミング決定手段を備えていること。
本発明の印字システムによれば、印字領域特定手段は、加工データに基づいて、位置決めがなされた木材の端末側垂直面のうちで印字後に切除されることのない領域内に印字領域を特定する。印字情報出力手段は、印字領域特定手段により特定される印字領域と、印字対象の木材に対応する印字データとに基づいて印字領域に印字すべき印字内容を決定し、その印字内容を示す印字情報を作成して印字装置に出力する。印字装置に備えられた画像展開手段は、この印字情報に基づいて印字すべき画像を展開する。こうして印字を実行するための条件が決まったら、駆動指令手段は、印字ヘッドを印字領域内で印字面に沿って移動させるための駆動指令を駆動装置と印字装置のそれぞれに対して出力する。駆動装置は、この駆動指令に従って、印字ヘッドを固定した支持体を印字領域内において印字面に沿って移動させる。このとき、印字タイミング決定手段が、駆動指令から推定した支持体の移動量に基づいて画像展開手段が展開した画像の印字タイミングを決定する。印字装置は、印字タイミング決定手段が決定した印字タイミングに従って、印字ヘッドを駆動し、印字を実行する。なお、本発明の木材印字システムは、位置決め手段による位置決めの後に、上述した印字面に沿った支持体の移動及び印字ヘッドの駆動を実行する様に構成することができる。この場合、「(2A)前記位置決め手段は、木材を印字位置に配置する際の当該木材の端末の位置が予め設定した位置となる様に前記位置決めを実行する手段として構成されていること。」とすることができる。また、本発明の木材印字システムは、「(2)前記駆動装置は、前記支持体を木材の幅方向及び高さ方向に移動させる第1,第2の駆動装置を備え、前記印字タイミング決定手段は、前記第1,第2の駆動装置の一方又は両方に対する駆動指令によって定まる前記支持体の主走査方向への移動量に基づいて、前記印字タイミングを決定する手段として構成されていること。」という構成を備えさせ、木材に対して、支持体が幅方向へ移動する間に印字させたり、高さ方向に移動する間に印字させたり、あるいは、幅方向と高さ方向の移動を同期させた斜め方向に移動する間に印字させる様に構成することができる。加えて、「(3)前記印字装置は、前記印字ヘッドを前記印字面に交差する軸の回りに回転させて前記主走査方向に直交する方向にインク吐出口が配列された状態とするヘッド回転手段を備え、前記駆動指令出力手段は、前記支持体を前記主走査方向に移動させるための前記第1,第2の駆動装置の一方又は両方に対する駆動指令を出力する手段として構成されていること。」という構成をも備えさせ、インク吐出口の並び方向を印字領域に対応する向きにして、印字面に沿って幅方向、高さ方向、あるいは斜め方向に支持体を移動させる間に実行する印字動作を、印字ヘッドの回転を考慮して実行できる結果、印字動作の複雑化や画像の回転等による情報の乱れを生じることがなく、木材の木口面または胴付面において印字後に切除されることのない領域を印字領域として有効に活用した鮮明な印字を行うことができる。支持体の移動も、印字ヘッドからのインク吐出タイミングも、互いに駆動指令に基づいているので、仮に、振動等の外乱により上下方向移動指令が変化しても、互いにその変化に追従し、印字される画像の誤差を少なくすることができる。そして、印字は、木材の木口面または胴付面のうちで印字後に切除されず木口面または胴付面として残される領域を加工データに基づいて算出し、当該領域内に印字領域を特定して実行するから、例えば、ホゾ加工やパイプ穴加工などが実行される前であってもこれを実行することができる。従って、本発明は、プレカット設備における機械配置の自由度を高めることができるという作用・効果をも奏する。
本発明によれば、端末側垂直面に識別情報が乱れることなく印字された状態のプレカット加工材を提供することができる。
以下に、本発明を適用したプレカット加工装置の実施例を説明する。
実施例1としてのプレカット加工装置1は、木材Wを長手方向に搬送する間に、切断加工、印字、側面加工、及び端面加工をプレカット加工データに基づいて実行するものであって、図1(A),(B)に概略配置を示す様に、搬送装置11〜14、求心バイス21〜24、切断加工機30、側面加工機40、端面加工機50、及び印字装置60を備えている。搬送装置11〜14によって形成される木材搬送路の適宜箇所には、求心バイスの他に、先端検出等のためのセンサ、先端位置決め用のストッパ、材成計測用を兼ねた上押さえシリンダ、木材Wの上面に当接して送り動作を実行する上押さえローラ等が設置されている。
側面加工機40は、図2(A)に示す様に、加工軸41,42を前後方向に移動させる前後動サーボモータM41と、上下方向に移動させる上下動サーボモータM42とを備えている。加工軸41,42は、上下方向ガイド43によって上下方向移動可能に支持されたベース部材44に対して、前後方向移動可能に支持されている。このベース部材44には、前後方向にストローク可能なエアシリンダC61も設置され、そのシリンダロッドC61aの先端に印字ヘッド61が支持されている。印字ヘッド61は、木材Wの端末側垂直面に向かってインクを吐出する多数の吐出口が水平方向に並ぶ様に所定幅に渡って配置され、図2(B1),(B2)に例示する様に、木材Wのホゾ先HSに対してパイプ穴PHに掛からない様に、識別情報SJを印字する様に構成されている。この識別情報SJの印字は、エアリシンダC61を突出位置へと移動させると共に前後動サーボモータM41によって前後方向に印字ヘッド61の位置決めを行った後、上下動サーボモータM42によってベース部材44を上下方向に移動させる間に所定タイミングでインクを吐出させることによって実施される構成となっている。
次に、本実施例のプレカット加工装置1の制御系統の構成について説明する。本実施例の制御系統は、図3に示す様に、プレカット加工装置1が備える搬送装置11〜14、求心バイス21〜24、切断加工機30、側面加工機40、端面加工機50、及び印字装置60を駆動制御して、木材Wに対する切断、側面加工、端面加工、及び印字をプレカット加工データに従って実行するため、制御コンピュータ410と、シーケンサ420と、印字機コントローラ430とを備えている。
制御コンピュータ410は、シーケンサ420へ加工のための加工データを送信し、印字機コントローラ430へ識別情報を印字するための印字データを送信する。
シーケンサ420は、制御コンピュータ410から入力した加工データに基づいて、搬送装置11〜14に対して搬送指令を出力すると共に、求心バイス21〜24に対してクランプ/アンクランプ指令を出力して木材の位置決めを実行させる。
シーケンサ420は、木材を加工位置に位置決めした後、加工データに基づいて、切断加工機30、側面加工機40、及び端面加工機50に対して加工指令を出力すると共に、これら加工機30〜50が備える工具と木材との相対移動のための移動指令を、丸鋸アーム回動用のサーボモータM31、側面加工軸移動用のサーボモータM41,M42、端面加工軸移動用のサーボモータM51に対して移動指令を出力して木材に対する切断加工、側面加工、及び端面加工を実行させる。
また、シーケンサ420は、制御コンピュータ410から入力した加工データに基づいて、印字後に木材の木口面または胴付面に対して当該加工データによる加工がなされても切除されない領域に基づいて印字領域を特定し、木材を印字位置に位置決めした後、エアシリンダC61に対して突出指令を出力して待機位置から突出位置へとシリンダロッドC61aを突出させると共に前後動サーボモータM41に対して移動指令を出力して、加工データに基づいて特定した印字領域において印字ヘッド61を上下動させるための前後方向の移動を実行する。そして、この前後方向の移動を完了した後、印字機コントローラ430に対して印字許可を指令すると共に、上下動サーボモータM42に対して移動指令を出力する。この上下方向の移動指令は、印字機コントローラ430にも入力される。なお、印字ヘッド61の前後方向の位置決めは、ベース部材44が上下方向初期位置に位置した状態で実行される。
印字機コントローラ430は、制御コンピュータ410から入力した印字データを、上下方向の初期位置から上下方向移動速度を考慮したタイミングで印字ヘッド61にインク吐出を実行させるための印字機駆動データに展開する。ここで、上下方向移動速度は、例えば、1パルス当たりの送り量を0.3mmとするサーボモータ駆動指令とする上下方向移動指令に基づいて推定している。この上下方向移動指令は、シーケンサ420からサーボモータM42及び印字機コントローラ430へと、印字許可信号の出力と同時に出力される。
印字機コントローラ430は、シーケンサ420から印字許可信号が入力されることによって、印字機駆動データに基づく印字制御を開始する。この際、印字機コントローラ430は、シーケンサ420から入力される上下方向移動指令に基づいてベース部材44の上下方向移動速度を考慮し、初期位置からの上下方向の移動量を推定しつつ印字機駆動データに従って印字ヘッドを駆動制御する。
次に、制御処理の内容について説明する。図4(A)に示す様に、制御コンピュータ410はシーケンサ420に加工データを、印字機コントローラ430に印字データを送信する(S110)。制御コンピュータ410は、シーケンサ420から加工完了信号が入力されたら(S120:YES)、次の加工材の有無を判定する(S130)。制御コンピュータ410は、次の加工材がある場合はS110へと戻り(S130:YES)、次の加工材がなくなったら(S130:NO)、処理を終了する。
シーケンサ420は、図4(B)に示す様に、制御コンピュータ410から加工データを受信したら(S210:YES)、木材の木口面または胴付面に対する加工の内容を抽出し、木口面または胴付き面に対する加工がなされても切除されない領域に基づいて印字領域を特定する(S220)。シーケンサ420は、加工データに基づいて搬送装置11及び求心バイス21に対して指令を出力して切断加工を実行するための位置決めを行った後、切断加工機30及びサーボモータM31に対して指令を出力して切断加工を実行する(S230)。
次に、シーケンサ420は、搬送装置11,12及び求心バイス21,22に対して指令を出力して木口面または胴付面に対する印字を実行するための位置決めを行った後(S240)、エアシリンダC61及び前後動サーボモータM41に対して指令を出力して印字ヘッド61の印字領域における前後方向の位置決めを実行する(S250)。このとき、上下動サーボモータM42は初期位置に制御されている。
こうして印字領域内において印字ヘッド61の前後方向の位置決めが完了したら、印字機コントローラ430に対して印字許可信号を出力すると共に(S260)、上下動サーボモータM42に対して、上下方向移動指令を出力する(S270)。この上下方向移動指令は印字機コントローラ430に対しても入力される。
次に、シーケンサ420は、搬送装置12,13及び求心バイス22,23に対して指令を出力して側面に対する加工を実行するための位置決めを行った後、側面加工機40及びサーボモータM41,M42に対して指令を出力して、側面加工を実行する(S280)。その後、シーケンサ420は、搬送装置13,14及び求心バイス23,24に対して指令を出力して端面に対する加工を実行するための位置決めを行った後、端面加工機50及びサーボモータM51に対して指令を出力して、端面加工を実行する(S290)。端面加工を木材Wの両端に対して実行し終えたら加工完了信号を制御コンピュータ410に対して出力して処理を終了する(S300)。なお、側面加工を実行しない場合や、端面加工が片方端のみの場合、両端共に実行しない場合もある。
印字機コントローラ430は、図4(C)に示す様に、制御コンピュータ410から印字データを受信したら(S410:YES)、当該印字データを印字機駆動データに展開する(S420)。そして、シーケンサ420から印字許可信号が入力されるのを待つ(S430)。印字許可信号が入力され(S430:YES)、上下方向移動指令が入力されたら(S440:YES)、当該移動指令からベース部材44の上下方向の移動状況を推定し、印字機駆動データに基づいて印字ヘッド61によるインク吐出タイミングを決定する(S450)。そして、決定した吐出タイミングになったときに印字ヘッド61を駆動する制御を実行する(S460,S470)。ここで、上下方向の移動状況の推定は、移動指令によって定まる上下方向の送り量とサーボモータM42による送り速度(1パルス当たり0.3mm)とに基づいた演算による。また、インク吐出タイミングは、印字機駆動データによる画像情報と上下方向移動状況とから演算により決定する。こうして、S420で生成した印字機駆動データは、入力された移動指令に基づいて推定されるベース部材44の上下方向の移動状況に対応して印字され、印字機駆動データに基づく印字が完了したら(S460:YES)、本処理を終了する。
以上の様に構成したので、本実施例によれば、加工データによる加工がなされても切除されない領域に基づいて特定された印字領域に対し、当該印字領域内で印字ヘッド61を上下方向に移動させるための前後方向移動指令を前後動サーボモータM41に対して出力した後に、上下方向移動指令を上下動サーボモータM42に対して出力する結果、印字ヘッド61をエアシリンダC61を介して支持しているベース部材44を、前後方向に移動させ、印字装置の印字ヘッドを印字領域で上下動可能な位置へと移動させた後、上下動サーボモータM42がベース部材44を上下方向に移動させ、印字ヘッド61を印字領域で上下方向に移動させる間に、サーボモータM42に対する上下方向移動指令から推定したベース部材44の上下方向の移動状況に基づいて印字ヘッド61の駆動タイミングを制御するから、仮に、振動等の外乱により上下方向移動指令が変化してもその変化に追従し、印字される画像の誤差を少なくすることができる。そして、印字は、印字対象の木材に対して加工データによる加工がなされても切除されることがない印字領域に対して実行するから、例えば、ホゾ加工やパイプ穴加工などが実行される前であってもこれを実行することができる。従って、本実施例によれば、プレカット設備における機械配置の自由度を高めることができる。
実施例2では、図5(A)に示す様に、最も下流に位置する木材排出装置70に対して印字装置80を設置した構成となっている。木材排出装置70においては、加工データに基づく加工が全て完了した状態の木材を載置台71へと載置する際に、当該木材の木口面または胴付面が載置台71上において規定位置となる様に、長手方向送りと幅方向押し出しとを実行して印字装置80に対する相対的な位置決めを実施している。
図5(A)〜(C)に示す様に、載置台71の一端には、水平コラム72及び垂直コラム73が設置されている。垂直コラム73の上端には、水平コラム72と直交する方向に伸びる長手方向ガイド74が備えられている。この長手方向ガイド74には、水平コラム72と平行に伸びる前後方向アーム75が支持されている。前後方向アーム75は、エアシリンダC71により、長手方向ガイド74に沿って長手方向に移動される。
前後方向アーム75の先端部には、上下動用ロボットシリンダC81が垂直方向にストローク制御可能な状態で取り付けられている。この上下動用ロボットシリンダC81には、垂直方向のストローク動作によって上下方向位置を制御される前後動用ロボットシリンダC82が水平方向にストローク制御可能な状態で取り付けられている。そして、前後動用ロボットシリンダC82には、水平方向のストローク動作によって前後方向位置を制御されるロータリシリンダC83が取り付けられている。印字装置80の印字ヘッド81は、このロータリシリンダC83によって水平軸回りの回転位置を制御可能に取り付けられたホルダ金具76に支持されている。ここで、印字面は垂直面となっているから、ホルダ金具76は、印字面に対して交差する軸の回りに回転し得ることとなる。
印字ヘッド81を支持するホルダ金具76の載置台71側には、ワイパー部材82がエアシリンダC84によって上下動可能に設置されている。
印字を実行する際には、エアシリンダC71を駆動して前後方向アーム75を載置台71の端部から所定距離の位置まで長手方向へと移動させる。次に、図6(A1),(A2)に示す様に、エアシリンダC84を駆動してワイパー部材82を移動させて印字ヘッド81の吐出ノズル83を露出した状態とする。この際、ワイパー部材82が吐出ノズル83に対する拭き取り動作を実行する。
こうしてインクを吐出可能な状態としたら、図6(B1)〜(B4)に示す様に、吐出ノズル83の並び方向を印字領域に対応する向きに回転させる。
図6(B1)は、ホルダ金具76を初期位置に保ったままの状態を示す。シーケンサは、前後動用ロボットシリンダC82に対して前後方向駆動指令を出力して印字ヘッド81を印字領域に対する初期位置へと前後方向に移動させた後、上下動用ロボットシリンダC81に対する上下方向駆動指令を出力してホルダ金具46を上下方向へと移動させる。このとき、シーケンサは、印字装置80を駆動制御する印字機コントローラに対して印字許可と共に、上下動用ロボットシリンダC81に対する上下方向駆動指令と同じ指令を出力する。印字機コントローラは、この印字許可と上下方向駆動指令とに基づいて、ホルダ金具46の上下方向への移動量を推定しつつ印字ヘッド81を駆動して印字を実行する。
図6(B2)は、ホルダ金具76を90度回転させた状態を示す。シーケンサは、上下動用ロボットシリンダC81に対して上下方向駆動指令を出力して印字ヘッド81を印字領域に対する初期位置へと上下方向に移動させた後、前後動用ロボットシリンダC82に対する前後方向駆動指令を出力してホルダ金具46を前後方向へと移動させる。このとき、シーケンサは、印字装置80を駆動制御する印字機コントローラに対して印字許可と共に、前後動用ロボットシリンダC82に対する前後方向駆動指令と同じ指令を出力する。印字機コントローラは、この印字許可と前後方向駆動指令とに基づいて、ホルダ金具46の前後方向への移動量を推定しつつ印字ヘッド81を駆動して印字を実行する。
図6(B3)は、ホルダ金具76を45度回転させた状態を示す。シーケンサは、上下動用ロボットシリンダC81に対する上下方向駆動指令と前後動用ロボットシリンダC82に対する前後方向駆動指令とを出力して、印字ヘッド81を印字領域に対する初期位置へと斜め45度方向に移動させた後、上下動用ロボットシリンダC81に対する上下方向駆動指令と前後動用ロボットシリンダC82に対する前後方向駆動指令とを出力してホルダ金具46を斜め45度方向へと移動させる。このとき、シーケンサは、印字装置80を駆動制御する印字機コントローラに対して印字許可と共に、上下動用ロボットシリンダC81に対する上下方向駆動指令及び前後動用ロボットシリンダC82に対する前後方向駆動指令と同じ指令を出力する。印字機コントローラは、この印字許可と上下方向駆動指令及び前後方向駆動指令とに基づいて、ホルダ金具46の斜め45度方向への移動量を推定しつつ印字ヘッド81を駆動して印字を実行する。
図6(B4)は、ホルダ金具76を135度回転させた状態を示す。シーケンサは、上下動用ロボットシリンダC81に対する上下方向駆動指令と前後動用ロボットシリンダC82に対する前後方向駆動指令とを出力して、印字ヘッド81を印字領域に対する初期位置へと斜め135度方向に移動させた後、上下動用ロボットシリンダC81に対する上下方向駆動指令と前後動用ロボットシリンダC82に対する前後方向駆動指令とを出力してホルダ金具46を斜め135度方向へと移動させる。このとき、シーケンサは、印字装置80を駆動制御する印字機コントローラに対して印字許可と共に、上下動用ロボットシリンダC81に対する上下方向駆動指令及び前後動用ロボットシリンダC82に対する前後方向駆動指令と同じ指令を出力する。印字機コントローラは、この印字許可と上下方向駆動指令及び前後方向駆動指令とに基づいて、ホルダ金具46の斜め135度方向への移動量を推定しつつ印字ヘッド81を駆動して印字を実行する。
なお、この実施例においても、印字機コントローラは、制御コンピュータから入力した印字データを、初期位置からの移動速度を考慮したタイミングで印字ヘッド81にインク吐出を実行させるための印字機駆動データに展開する。本実施例では、ロータリシリンダC83によって印字ヘッド81の向きを印字方向に合わせて回転させているから、上下方向移動中、前後方向移動中、及び斜め方向移動中のいずれであっても、展開した結果が同じで構わないこととなる。この結果、本実施例では、印字方向が変わったとしても、印字データの回転等を実行する必要がない。そして、ロボットシリンダC81,C82は、ボールネジ,リニアガイド,ACサーボモータを装備した電動シリンダであって、多点位置決め,速度・加速度の変更が可能であるから、実施例1のサーボモータM41,M42と同様に、印字機コントローラ側で駆動指令に基づき、移動量の推定をすることができるから、印字領域に対する精度のよい印字を実行することができる。
また、実施例1,2においてシーケンサが決定する印字領域は、印字許可信号を出力する前の初期位置と、印字許可信号と共に印字機コントローラに対して出力する駆動指令(上下のみ、前後のみ、上下及び前後)の種類を決定するための情報として用いる。この結果、印字機コントローラ側では、印字領域がどの様に決定されているかを考慮してインク吐出タイミングを決定する必要はない。
以上、本発明のいくつかの実施例について説明したが、本発明は上述した実施例に限られることなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々の態様にて実施することができる。
例えば、実施例1において木材への印字が端面加工の前ではなく後に実行される機械配置としてもよい。また、実施例1においても印字ヘッドを回転させる機構を備えさせて実施例2と同様に、印字ヘッドの回転によって印字方向を変更する様にしてもよい。逆に、実施例2において木材排出装置ではなく、側面加工や端面加工の前に印字を実行する様な機械配置とすることもできる。
木造住宅用の木材プレカット工場において利用することができる。
1・・・プレカット加工装置、11〜14・・・搬送装置、21〜24・・・求心バイス、30・・・切断加工機、40・・・側面加工機、41,42・・・加工軸、43・・・上下方向ガイド、44・・・ベース部材、50・・・端面加工機、60・・・印字装置、61・・・印字ヘッド、70・・・木材排出装置、71・・・載置台、72・・・水平コラム、73・・・垂直コラム、74・・・長手方向ガイド、75・・・前後方向アーム、76・・・ホルダ金具、80・・・印字装置、81・・・印字ヘッド、82・・・ワイパー部材、83・・・吐出ノズル、410・・・制御コンピュータ、420・・・シーケンサ、430・・・印字機コントローラ、C61・・・エアシリンダ、C61a・・・シリンダロッド、C71・・・エアシリンダ、C81・・・上下動用ロボットシリンダ、C82・・・前後動用ロボットシリンダ、C83・・・ロータリシリンダ、C84・・・エアシリンダ、M31・・・サーボモータ、M41・・・前後動サーボモータ、M42・・・上下動サーボモータ、M51・・・サーボモータ。
Claims (3)
- 木材の木口面または胴付面を印字面とし、印字装置の印字ヘッドを用いて印字する木材印字システムにおいて、以下の構成を備えたことを特徴とする木材印字システム。
(1−1)前記印字ヘッドと前記印字面とが前記印字ヘッドの駆動によって印字を開始可能な間隔となる様に、印字開始前に、前記木材の端末側垂直面と前記印字ヘッドとの相対的な位置決めを実行する位置決め手段を備えていること。
(1−2)印字対象の木材に対応する加工データに基づいて、前記端末側垂直面のうちで印字後に切除されることのない領域内に印字領域を特定する印字領域特定手段を備えていること。
(1−3)前記印字領域特定手段により特定される印字領域と、印字対象の木材に対応する印字データとに基づいて前記印字領域に印字すべき印字内容を決定し、その印字内容を示す印字情報を作成して前記印字装置に出力する印字情報出力手段を備えていること。
(1−4)前記印字装置は、前記印字情報に基づいて印字すべき画像を展開する画像展開手段を備えていること。
(1−5)前記印字ヘッドを固定するものであって、駆動装置の駆動力により前記印字面に沿って移動可能に構成された支持体を備えていること。
(1−6)前記駆動装置および前記印字装置のそれぞれに対して、前記駆動装置を駆動させるための駆動指令を出力する駆動指令出力手段を備え、前記印字装置は、前記駆動指令から推定した前記支持体の移動量に基づいて前記画像展開手段が展開した画像の印字タイミングを決定する印字タイミング決定手段を備えていること。 - さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする請求項1に記載の木材印字システム。
(2)前記駆動装置は、前記支持体を木材の幅方向及び高さ方向に移動させる第1,第2の駆動装置を備え、前記印字タイミング決定手段は、前記第1,第2の駆動装置の一方又は両方に対する駆動指令によって定まる前記支持体の主走査方向への移動量に基づいて、前記印字タイミングを決定する手段として構成されていること。 - さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする請求項2に記載の木材印字システム。
(3)前記印字装置は、前記印字ヘッドを前記印字面に交差する軸の回りに回転させて前記主走査方向に直交する方向にインク吐出口が配列された状態とするヘッド回転手段を備え、前記駆動指令出力手段は、前記支持体を前記主走査方向に移動させるための前記第1,第2の駆動装置の一方又は両方に対する駆動指令を出力する手段として構成されていること。
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