JP6378650B2 - 形状記憶合金ワイヤを用いた入力装置 - Google Patents

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本発明は、形状記憶合金ワイヤを用いた入力装置に関する。
形状記憶合金には、温度が低いときのマルテンサイト相の状態と、温度が高いときのオーステナイト相の状態とがあり、僅かな温度差で相転移し、マルテンサイト相からオーステナイト相に転移するとき、オーステナイト相の記憶形状に戻る特性がある。これにより、形状記憶合金は、通電加熱により収縮し、通電を止めると元に戻るといった動作が得られるので、人工筋肉、胃カメラ等の各種機器駆動用のアクチュエータとして広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。
このようなアクチュエータとしての利用にあって、スマートフォン、ウエアラブル端末など小型機器に信号が入力されたことをユーザに知らせるために、形状記憶合金への通電を断続することで形状記憶合金を振動させることも知られている。その特異な例として50Hz程度のパルス電圧を形状記憶合金に与えることにより形状記憶合金を微振動させ、それでもって末梢神経を検査する装置が知られている。また、形状記憶合金は、その長さが抵抗値に対応していることを利用して、形状記憶合金の抵抗値を検出して形状記憶合金の位置制御を行うことも知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2010−78732号公報 特開2011−157923号公報
しかしながら、上記のいずれの装置にあっても、形状記憶合金は、通電加熱等により収縮し、又は振動する作用を利用したアクチュエータ(出力装置)として用いられているに過ぎず、スイッチ等の入力装置は別個に設けられている。すなわち、従来の装置は、いずれも動作のきっかけを、スイッチなど他の入力デバイスに頼っていて、そのデバイスからの入力信号に基づいて形状記憶合金に通電して所望の動作を得るものであって、形状記憶合金とは別個に入力デバイスを装備する必要があった。
ところで、形状記憶合金には、外部から応力(外力という)を加えると固有抵抗値が増加し、外力を外すと元に戻る性質がある。本出願人は、かかる性質を利用して、形状記憶合金を常温で外力により伸ばしたり縮めたりして、そのときの形状記憶合金の抵抗変化を捉えれば、形状記憶合金を入力装置として利用可能となることを知見した。
本発明は、かかる知見に基づき成されたもので、形状記憶合金とは別個に入力デバイスを装備する必要をなくした、形状記憶合金を用いた入力装置を提供することを目的とする。
本発明は、形状記憶合金ワイヤと、通常時に前記形状記憶合金ワイヤが弛緩状態と成り、外部から応力が加えられた時に伸長状態と成るようにワイヤ両端を保持する基板と、ワイヤが相転移しない程度の微小電流を同ワイヤに流すための通電回路と、ワイヤに応力が加えられてワイヤが伸長することによるワイヤに流れている電流変化を検出し、その電流変化が応力に比例することを利用して変化量をアナログの電気量に変換し、それが所定値以上であるとき応力の入力有りと判定する検出回路と、を備えた形状記憶合金を用いた入力装置である。
通電回路は、定電流源又は定電圧源を含み、検出回路は、少なくとも形状記憶合金ワイヤの両端電圧を微分する微分回路を含むことが望ましい。
入力装置は、入力待ちモードと、形状記憶合金ワイヤを振動させる振動モードとを有し、さらに、検出回路により入力有りと判定されたとき入力待ちモードから振動モードに切り替えるモード切替回路と、パルス発信器とを備え、入力待ちモードにおいて、通電回路は形状記憶合金ワイヤに微小電流を流し、振動モードにおいて、通電回路は、パルス発信器の出力をもとに、形状記憶合金ワイヤが収縮・伸長するようにワイヤが相転移する大きさのパルス電流を断続して流す、ものであることが望ましい。
形状記憶合金ワイヤが複数個、アレイ状に配置され、通電回路及び検出回路は、形状記憶合金ワイヤの各々について配置され、検出回路は、各検出回路の検出出力を加算する加算回路をさらに含み、加算回路の加算出力に基づいて入力有りか否かを判定する、ものであることが望ましい。
本発明の形状記憶合金を用いた入力装置によれば、形状記憶合金に流れる電流変化を検出することで形状記憶合金の抵抗変化を捉えることができるので、形状記憶合金に外部応力が加わった、つまり、入力有りと判定することができ、入力装置として機能するものが得られる。
また、入力有りと判定した後、形状記憶合金を振動駆動させれば、アクチュエータとしても利用でき、高機能のマンインターフェースとして利用価値が得られる。
(a)(b)は本発明の一実施形態に係る形状記憶合金を用いた入力装置の構成図。 同入力装置の一例に係る回路図。 同入力装置の他例に係る回路図。 同入力装置のさらに他例に係る回路図。 同入力装置のさらに他例に係る回路図。 (a)は同入力装置の実施例による断面図、(b)は他の実施例による断面図。 (a)は同入力装置の動作原理を説明するための構成図、(b)は動作原理を説明するための電圧波形図。 (a)は同入力装置の動作原理を説明するための構成図、(b)は動作原理を説明するための抵抗変化図。 (a)は同入力装置の応用例を示す図、(b)は同応用例での動作原理を説明するための抵抗変化図。 (a)は同入力装置の応用例を示す構成図、(b)は同応用例での動作を説明するための構成図。 (a)は同入力装置における形状記憶合金に荷重を加えた耐久試験の結果を示し、破断に至るまでの荷重と抵抗との関係図、(b)は(a)をグラフ化した図。 (a)は300g荷重までの同上耐久試験での荷重と抵抗との関係図、(b)は(a)をグラフ化した図。 (a)は同上の長期試験後の荷重と抵抗との関係図、(b)は(a)をグラフ化した図。 (a)は複数の形状記憶合金に永久歪を与えた後の荷重と抵抗との関係図、(b)は(a)をグラフ化した図。
本発明の一実施形態に係る形状記憶合金ワイヤを用いた入力装置(以下、入力装置という)を、図面を参照して説明する。図1は、実施形態による入力装置1の構成を示す。この入力装置1は、形状記憶合金ワイヤ(以下、SMAという)2に常温で外力を加えて延ばすと、それに比例して固有抵抗が増加し、外力を取り除くと、元の抵抗値に戻る。この性質を利用して、抵抗変化を捉えることにより、外力の有無を検知するものである。入力装置1は、SMA2と、SMA2の両端を保持する基板3と、を備えている。入力装置1は装置外部からSMA2に応力を加えることができるような構成とされている。SMA2は、その両端が通常時に弛緩状態と成り、装置外部からユーザの手指等により矢印で示すように外力(応力)が加えられた時に伸長状態と成るように基板3に保持されている。
入力装置1は、微小電流をSMA2に流すための通電回路5と、SMA2に流れている電流変化を検出する検出回路6と、を備えている。通電回路5は、SMA2が相転移しない程度の微小電流を流し、定電流駆動が好ましい。この状態が入力待ちモードとなる。SMA2は、応力が加えられて伸長すると抵抗が変化する。検出回路6は、この抵抗変化に起因した電流変化を検出し、電流変化が所定値以上であるとき、応力の「入力有り」と判定し、「入力有り」の検出信号を外部に出力する。ここに、電流変化は、応力に比例することを利用して変化量をアナログの電気量に変換し、それが所定値以上であるとき応力の入力有りと判定するようにすればよい。
SMA2は、その両端部が基板3のリード40に電気接続されており、その中間部位に応力が加えられることにより、二点鎖線で示すように伸長し、このときSMA2が破断し又は永久歪を残さないようにするための構成を持つことが望ましい。そのために、本実施形態の入力装置1は、応力が加えられる側とは反対側にSMA2の伸長を規制するためのケースから成る操作部4を備えるが、この例に限られない。操作部4は応力の加えられる側が開口し、この開口を通してユーザは手指で入力装置1のSMA2を押す。また、検出回路6がSMA2の電流変化を検出し易くするために、SMA2と直列に高抵抗Rを挿入することが望ましい。
具体的に、SMA2は、長さ1mmあたり0.6Ω程度の抵抗値を持ち、長さ5mmのSMA2であれば、抵抗値は3Ωになる。これに1KΩの抵抗を直列に接続し、この回路に10mAの電流を流すと、SMA2の両端に30mVの電位が発生する。これを100倍増幅して3.0Vとする。この状態で太さ100μmのSMA2に300gの荷重を吊り下げ、張力を掛けると、出力電圧は3.15Vに変化し、荷重を取り除くと、3.0Vに戻る。出力電圧を微分して変化分の150mVのみを取り出すことも有効である。
本実施形態の入力装置1において、入力待ちモードにおいてSMA2に応力が加わり、SMA2が伸長したとき、SMA2の抵抗が変化し、それによりSMA2の通電電流が変化する。検出回路6は、この電流変化を検出して、SMA2に応力が加わっているか否かを判断する。検出回路6は、電流変化を電圧変化に変換して検出すること、さらには、SMA2の両端電圧を増幅して検出することが好ましい。また、SMA2に加わる応力と、その抵抗変化率は比例するので、入力装置1は、応力・張力の検出や測定に利用可能になる。
さらに、SMA2は、電流を流せば、オーム損で加熱され、縮む性質がある。強い電気パルスを断続して繰り返し加えれば、断続的に加熱され、それに伴い収縮膨張を繰り返し、振動させることができる。従って、入力装置1が、そのための構成をさらに備えることにより、同一のSMA2を用いて、外力を入力信号として検知し、そのレスポンスとしてアクチュエータとして振動させることが可能となる。すなわち、そのような入力装置1は、押されたことをSMA2の抵抗変化で捉えるスイッチとなって他の機器に通達すると同時に、SMA2の振動によるクリック感を出すことができる。振動による信号伝達は、クリック感だけではなしに、仮現運動による振動の移動感や、文字の呈示など高度な振動による情報提示が可能である。
図2乃至図5は、入力装置1の各種実施例に係る回路図を示す。いずれも、スイッチ機能を十分に実現するための入力装置1である。図2に示す入力装置1において、通電回路5は定電流源51から成る。検出回路6は、SMA2の両端電圧を微分する微分回路61、増幅器62、フィルタ63、判定回路64、及びマイコン65を備える。入力装置1は、SMA2に定電流を流し、その両端の電圧を取り出す。微分回路61で変化分だけを取り出し、増幅器62により増幅した後、フィルタ63を通して判定回路64により、ある程度以上の変化を判定する。その出力を基にマイコン65は入力信号を判定する。定電流の替りに定電圧源を用いてSMAと抵抗を直列に接続し、その間の電圧を測定するようにしてもよい。定電流源51は、SMA2の抵抗の100倍程度の抵抗に置き換えることも有効である。
図3に示す入力装置1は、上記と同様に通電回路5と検出回路6を備える。検出回路6は、SMA2の両端電圧を差動増幅する差動増幅器66、ゼロ補正(回路)67、AD変換器68、及びマイコン65を含む。SMA2の抵抗変化は外力に比例する。例えば、外力(g)と抵抗変化率との関係は、外力が0g、100g、200g、300gと変化したとき、抵抗変化率は0、0.01、0.03、0.05となる。
このため、SMA2の抵抗値を測定することで、SMA2に対する外力を測定することができる。図3に示すように、定電流で駆動されたSMA2の両端の電圧とゼロ補正(回路)67の電圧を差動増幅器66に入力し、外力がないとき又は基準のときに、SMA2の両端の電圧がゼロになるように、ゼロ補正(回路)67を調整する。その出力をAD変換し、マイコン65により処理することにより、応力(テンション)を測定することができる。
図4及び図5は、スイッチ機能に加えてスイッチ入力のレスポンスとしてアクチュエータとして機能させる入力装置1の例を示す。SMA2は、熱による相転移できるほどの温度を与えると収縮し、熱を取り去ると元に戻る性質がある。従い、SMA2にパルス電圧を加えると、そのオン期間中にオーム損で加熱され、相転移温度を超えて収縮し、オフ期間で冷却され、伸長して元に戻る。そのため、パルスの周期に従って、SMA2は収縮運動を起こし振動する。
図4に示す入力装置1は、入力待ちモードと、SMA2を振動させる振動モードと、を有する。入力装置1は、上記と同様の通電回路5と検出回路6を備え、さらに、検出回路6により入力有りと判定されたとき入力待ちモードから振動モードに切り替える送受切替器7(モード切替回路)と、振動モードで用いられるパルス発信器8を備える。検出回路6は、検出電流を微分する微分回路61と、微分回路61の出力を増幅する増幅器62と、フィルタ63と、判定回路64と、マイコン65を備える。
この構成において、入力待ちモードでは通電回路5は、定電流源51からSMA2に微小電流(例えば10mA程度の電流)を流し、検出回路6はSMA2の抵抗の変位分を監視する。SMA2に応力が加わり、抵抗値が所定値を超えて変化したとき、入力ありと判定し、マイコン65は、送受切替器7の送受を切り替えて振動モードとする。このモードで、パルス発信器8は、SMA2が相転移する大きさのパルス電流(例えば500mA程度の電流)をSMA2に断続して加え,SMA2を収縮・伸長させ、SMA2を振動させる。これにより、入力装置1はユーザにクリック感を与えるアクチュエータとして機能する。
ここに、送受切替器7の送受を切り替えて入力から出力へ切り替えるとき、SMA2に流す電流レベルを変える。そのために、定電流源51の制御線をマイコン65に接続している。入力時は定電流であれば、抵抗変化が電圧変化として現れ、信号を増幅する処理が容易となる。また、出力時は、定電流であれば、SMA2のリードとの接触抵抗が大きくなっても、SMA2の振動強度が変化する要因が少なくなり、好都合である。SMA2は抵抗が小さいため、僅かの接触抵抗の増加が振動強度に大きく影響するが、その問題がなくなる。
SMA2の駆動形態に振動の強度を得るためや、仮現運動を利用して振動部位の移動感を出すために、複数個のSMA2をアレイ状又はマトリックス状に配置することが多い。入力信号を待つ状態は、各SMA2からの信号を微分し、それを加算回路で加算すれば、外力(応力)による電圧値変化(抵抗変化)のノイズを打消し、外力による電圧変化信号は加算されて効率良く信号のみを検出することができる。
図5に示す入力装置1は、上記を達成する実施例である。複数個のSMA2と、SMA2の各々について配置された通電回路5及び検出回路6を備え、さらに送受切替器7を備える。通電回路5は、複数の定電流源51を備え、検出回路6は、複数の微分回路61と、微分回路61の各検出出力を加算する加算増幅器69(加算回路)と、フィルタ63と、判定回路64と、マイコン65を備える。検出回路6は、加算増幅器69の加算出力に基づいて入力有りか否かを判定するので、効率の良い検出が可能となる。アレイ状又はマトリックス状に配置された複数のSMA2をマイコン65により時系列的に動作させることにより、ユーザに振動の移動感、文字の提示等を行うことができる。
図6(a)(b)は、それぞれ入力装置1の操作部4の構成例を示す。図6(a)の操作部4は、振動ピン41と、ケースとしての外装42とを備える。振動ピン41は、複数のSMA2の各々に対応して配置されている。振動ピン41にはユーザによって応力が加えられる。SMA2は基板3に設けられ、基板3は外装42に対して移動可能に保持され、基板3と外装42との間にはバネ43が挿入されている。振動ピン41は、その頭部が外装42の孔から突出し、基端部がSMA2の中間位置に係合されている。なお、この例に限られず、少なくとも1つ以上の振動ピン41とSMA2とを備えたものであってもよい。
この構成において、ユーザの手指により振動ピン41の頭部に応力が加えられると、SMA2に応力を加える。振動ピン41は、SMA2が振動駆動された時にその振動をユーザに与えることができる。振動ピン41をユーザの手指で押したとき、外装42に対して基板3が逃げるので、SMA2に過荷重が加えられることが防止される。つまり、SMA2をプロテクトすることができる。
図6(b)の操作部4は、ケースとしての外装44自体により構成されている。外装44は、樹脂などの撓み得る材質で構成され、一体に設けられた複数の振動ピン45を有する。各振動ピン45はその根元周囲を凹部46とされている。凹部46は外装44の肉厚を薄くすることで形成されている。振動ピン45は、その下端部がSMA2の各々に係合されている。
この構成において、ユーザの手指により振動ピン45の根元付近の外装44に外面から応力が加えられると、外装44が撓んで振動ピン45を介してSMA2に応力を加える。振動ピン45は、SMA2が振動駆動された時にその振動をユーザに与えることができる。外装44をユーザの手指で押したとき、外装42が一部撓むが、大きくは歪まないので、SMA2に過荷重が加えられることが防止される。つまり、SMA2をプロテクトすることができる。
以下、本発明の入力装置が機能することを実験的に試みた事例について図7乃至図9を参照して説明する。図7(a)はSMA2に繰り返し応力(張力)を加える構成を示す。SMA2の一端は固定端10とし、他端は回転体11の外周付近にバネ12を介して取付けている。SMA2の両端には、定電流源51及びオシロスコープ9を接続している。定電流源51からSMA2に電流を流した状態で、回転体11を回転させることでSMA2に張力を加える。図7(b)は、その時のSMA2の電圧波形をオシロスコープ9により計測したものである。SMA2の両端には、SMA2の抵抗変化に基づくsinカーブの電圧波形が現れる。この実験は10万回行ったが、抵抗値の変化率は変わらなかった。この事例から、破断に至る張力の2/3までの外力に対するバネ特性は、繰り返し荷重に耐え、外力に比例した抵抗変化が得られ、外力(張力)を測定できることを明示している。また、この事例から、通電した状態のSMA2の抵抗変化は、直線性が良好で張力測定などにも利用できることを示す。また、検出信号を微分することで容易に判定できることが分かる。
図8(a)は、SMA2に応力を加えるための簡単な構成を示す。SMA2は、その両端が基板兼外装42のリード40に弛緩状態で固定されている。SMA2の中間部位に振動ピン41を介して手指13で応力を加える。SMA2に通電する回路及びSMA2の電圧検出回路は図示を省いている。図8(b)は、応力変化とSMA2の抵抗変化を示す。SMA2に加える応力と、その抵抗変化率はほぼ比例する。このことから、抵抗変化が或る閾値を超えたとき、入力ありと判定すればよい。
図9(a)は、入力装置を張力測定に利用できることを示す事例である。この入力装置は、SMA2に接続されたワイヤ14を操作釦15の操作により移動させることができる構成を持つ。SMA2の一端は固定点16とされ、他端はワイヤ14に接続され、ワイヤ14の他端側は支点17を経由して固定点18に固定されている。操作釦15は支点17と固定点18との間のワイヤ14を押す。SMA2には、計測回路90が接続されている。ワイヤ14は、被測定物として例えば人体臓器内にできたポリープ19に引っ掛けられる。この状態で操作釦15を押すと、ワイヤ14が移動してポリープ19を引っ張り、SMA2には張力が加わる。このときのSMA2の抵抗変化を計測回路90により計測する。図9(b)は張力変化に対するSMA2の抵抗変化を示す。このような抵抗変化の測定により張力を検出でき、被測定物の硬さ等を計測可能となる。
図10(a)(b)は、SMA2を布になっている繊維47に織り込んで、繊維が伸び縮みする量を測定することができる入力装置の事例を示す。SMA2の両端はそれぞれリード線48に接続され、各リード線48の他端は定電流回路51a、計測回路90に接続されている。SMA2は、運動用衣服の布の繊維47に織り込まれている。その織り込み位置は、ユーザが運動用衣服を装着して運動したとき、腕、足、指等、運動に応じて伸縮する部位が望ましい。この構成により、繊維47の伸縮運動に連れてSMA2も伸縮運動する。そのときのSMA2の抵抗変化を計測することにより、運動量を測定することができる。また、測定の結果、被験者にその運動が適正か、どう矯正するか、など伝えたい情報を振動にて伝送することができる。
図11乃至図14は、形状記憶合金(SMA)を用いた入力装置の実用上の耐久性、検出信号のリニアリティを検査した試験データを示す。その結果、SMAは、約400g(4N)を超える応力(荷重)が加わると破断するが、その半分(2N)までは荷重を取り去ると初期状態に戻り、バネ特性が得られる。半分から2/3までの荷重(3.0N)までは荷重を取り去ると完全には元に戻らなくなるが、実用可能な範囲である。2/3を超える荷重(3.5N)を超えると、SMAには大きな永久歪みが残る。歪みが残ってもバネ特性は消えず、荷重に対する抵抗変化率はむしろ大きくなる。なお、張力の単位は、1N=0.10197Kgf=101.97gf、よって、400gは、4Nとした。実験に用いたSMA(トキコーポレーション製)の抵抗は、0.6Ω/mm、直径75μm、実験温度24度Cである。下記の、破断したSMAの長さは、29.5mm、荷重300gまでのSMAの長さは、26.2mm、長期のSMAの長さは、47.5mmである。
図11(a)(b)は、入力装置におけるSMAが破断するまで荷重を加えた耐久試験データで、荷重と抵抗との関係を示す。荷重が380gを超えると、破断することが分かる。図12(a)(b)は、300g荷重までの耐久試験での荷重と抵抗との関係を示す。図13(a)(b)は、長期試験後の荷重と抵抗との関係を示す。
図14(a)(b)は、系列1乃至4から成る4種類の形状記憶合金に永久歪を与えた後の荷重と抵抗との関係を示す。具体的には荷重350gを加えた後の変化具合を示す再現性試験である。過荷重後の変化を見たものである。この結果から、SMAに破断に至らない或る限度までの荷重を繰り返し加えても、入力装置として実用上、問題はないことが判明した。
以上のように、本発明は、入力装置としてばかりか、出力装置としても利用可能であり、さらにまた、張力測定等としても利用可能である。本発明は、上記実施形態の構成に限られず、種々の変形が可能である。
1 入力装置
2 形状記憶合金ワイヤ(SMA)
3 基板
5 通電回路
6 検出回路
61 微分回路
62 増幅器
63 フィルタ
64 判定回路
65 マイコン
69 加算増幅器(加算回路)
7 送受切替器(モード切替回路)
8 パルス発信器

Claims (4)

  1. 形状記憶合金ワイヤと、
    通常時に前記形状記憶合金ワイヤが弛緩状態と成り、外部から応力が加えられた時に伸長状態と成るように同ワイヤ両端を保持する基板と、
    同ワイヤが相転移しない程度の微小電流を同ワイヤに流すための通電回路と、
    同ワイヤに応力が加えられて同ワイヤが伸長することによる同ワイヤに流れている電流変化を検出し、その電流変化が応力に比例することを利用して変化量をアナログの電気量に変換し、それが所定値以上であるとき応力の入力有りと判定する検出回路と、を備えたことを特徴とする形状記憶合金ワイヤを用いた入力装置。
  2. 前記通電回路は、定電流源又は定電圧源を含み、
    前記検出回路は、少なくとも前記形状記憶合金ワイヤの両端電圧を微分する微分回路を含むことを特徴とする請求項1に記載の形状記憶合金ワイヤを用いた入力装置。
  3. 入力装置は、入力待ちモードと、前記形状記憶合金ワイヤを振動させる振動モードとを有し、さらに、前記検出回路により入力有りと判定されたとき前記入力待ちモードから前記振動モードに切り替えるモード切替回路と、パルス発信器とを備え、
    前記入力待ちモードにおいて、前記通電回路は前記形状記憶合金ワイヤに微小電流を流し、
    前記振動モードにおいて、前記通電回路は、前記パルス発信器の出力をもとに、前記形状記憶合金ワイヤが収縮・伸長するように該ワイヤが相転移する大きさのパルス電流を断続して流す、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の形状記憶合金ワイヤを用いた入力装置。
  4. 前記形状記憶合金ワイヤが複数個、アレイ状に配置され、
    前記通電回路及び検出回路は、前記形状記憶合金ワイヤの各々について配置され、
    前記検出回路は、各検出回路の検出出力を加算する加算回路をさらに含み、前記加算回路の加算出力に基づいて入力有りか否かを判定することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の形状記憶合金ワイヤを用いた入力装置。
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