JP6376840B2 - 永久磁石材料及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、回転機器、音響機器等に有用な永久磁石材料とその製造方法に関するものである。
従来、土類元素を含まない磁石材料として、AlTi相を主相とするMn−Ga系の永久磁石材料が特許文献1,2に提案されている。
特開平07-268534号公報 特開平09-293606号公報
上記従来の磁石材料は、その結晶構造が正方晶のAlTi型結晶構造(D022構造)であるときに高い保磁力が得られる。しかし実際には、Mnとそれ以外の原子比が3:2の近傍の合金組成においては、正方晶のAlTi型結晶構造(D022構造)が得難く、より安定的な立方晶のCuAu型結晶構造(L12構造)や六方晶構造(D019構造)の結晶が生成され易く、高い磁気特性を示さない。
したがって、本発明は、Mn−Ga−Alの3元系合金をAlTi型結晶構造(D022構造)と異なるが正方晶の結晶構造を有することにより、磁気特性の高い永久磁石材料を安定的に提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するため、本発明は、急冷凝固法により作製し、不活性ガス雰囲気又は真空雰囲気で熱処理し、一般式[MnxGayAlz](60≦x≦80at%、10≦y≦30at%、10≦z≦30at%)の合金組成で表され、主相がキュリー温度400℃の磁気特性を持つ正方晶構造である永久磁石材料を構成した。
Mnは、50at%以下の範囲で、他の3d遷移金属(Ti、V、Cr、Fe、Co、Ni、Cu)の群から選ばれる少なくとも1つの元素で置換できる。
非金属元素(N、B、C)の群から選ばれる少なくとも1以上の元素を5〜10at%含める。
急冷凝固法により合金を作製した後、これを不活性ガス雰囲気又は真空雰囲気で熱処理する永久磁石材料の製造方法を採用した。
本発明の永久磁石材料は、Mn−GaにAlを添加したMn-Ga-Alの3元系合金をAlTi型結晶構造(D022構造)と異なる正方晶の結晶構造となることにより高い保磁力を有する永久磁石材料を安定的に製造できる。
本発明の実施例の永久磁石材料と比較例の永久磁石材料のヒステリシス曲線を示す図である。 本発明に係る永久磁石材料の透過電子顕微鏡写真である。 本発明に係る永久磁石材料のX線回折図である。 本発明に係る永久磁石材料の磁化の強度の温度変化を示すグラフである。
本願発明者は、Mn-Ga系合金の製造条件および組成について鋭意検討を加えたところ、Mn−GaにAlを添加したMn-Ga-Alの3元系の組成により、より安定的に保磁力の高い正方晶の合金を作製できることを見出した。この結晶構造の詳細は明らかでないが、従来のキュリー温度489℃の結晶構造のものとは異なる、キュリー温度400℃の磁気特性を持つものであることを見出した。
(実施例1)
高純度のMn、Ga、Alの原料よりアルゴン雰囲気中アーク溶解により、Mn70at%、Ga10at%、Al20at%の組成のMn-Ga-Al合金インゴットを作製し、このMn-Ga-Al合金インゴットをアルゴン雰囲気中で高周波溶解した溶湯を高速回転(周速度50m/s)している銅ロール上に噴射して急冷凝固させる単ロール法を用いた急冷凝固法により試料1を得た。試料1のMn-Ga-Al合金急冷薄帯をアルゴン雰囲気中600℃で1時間熱処理を施して試料2を得た。
試料1,2のヒステリシス曲線を図1に示す。横軸は試料に印加した磁界(単位Oe)を、縦軸は試料に生じた磁化(単位emu)を表す。保磁力は磁化が0になった時の磁界、すなわちヒステリシス曲線と横軸との交点の値である。急冷凝固法により作製した試料1はほとんど保磁力を示さないが、試料2は9.1kOeの大きな保磁力を示した。
透過電子顕微鏡で観察した試料2の組織写真を図2に示す。試料2は、1〜2μmの微細な組織を持つ。
(実施例2)
同じ組成のMn-Ga-Al合金インゴットの溶湯を低速回転(周速度10m/s)で銅ロール上に噴射して急冷凝固することにより試料3を得た。試料3をアルゴン雰囲気中600℃で1時間熱処理を施して試料4を得た。試料3,4の磁気特性を測定したところ、試料3は1.2kOeの小さい保磁力を示し、試料4は7.7kOeの大きな保磁力を示した。
(実施例3)
Mn70at%、Ga20at%、Al10at%の組成のMn-Ga-Al合金インゴットの溶湯を高速回転(周速度50m/s)で銅ロール上に噴射して急冷凝固することにより試料5を得た。試料5をアルゴン雰囲気中600℃で1時間熱処理して試料6を得た。試料5は、1.0kOeの小さい保磁力を示し、試料6は、7.1kOe程度の大きな保磁力を示した。
比較例として、Mn70at%、Ga30at%の組成のMn-Ga合金インゴットの溶湯を高速回転(周速度50m/s)で銅ロール上に噴射して急冷凝固し、600℃で1時間熱処理を施して試料7を得た。この試料7に対するMn70Ga10Al20の試料2、Mn70Ga20Al10の組成の試料6の結晶構造の違いをX線回折装置で調べた。この結果、図3のX線回折図(横軸は回折角度2θを、縦軸はX線の強度を示す。なお、X線回折では結晶構造に対応した鋭い回折ピークが表れる。)に示すように、試料2,6は、試料7の結晶相のAlTi型結晶構造(D022構造)の回折ピークの他に、図中の矢印位置にピークを持つ。すなわち、試料2,6は、比較例の試料7に見られる従来のAlTi型結晶構造(D022構造)と異なる正方晶であり、現在報告されているX線回折のデータにない新しい結晶相である。試料2のキュリー温度(材料固有の磁気変態温度)を測定したところ、図4に示すように、加熱により低下していく磁化の強度が0になるキュリー温度は400℃であることがわかった。AlTi型結晶構造(D022構造)のキュリー温度は489℃(J. Kubler, J. Phys. Condens. M原子ter. 18, 9795 (2006).)であるため、試料2,6は別の異なる結晶相であることが確認できる。
(実施例4)
Mn、Ga、Alの原料の添加量を種々変えて、アルゴン雰囲気中高周波溶解によりMn-Ga-Al合金インゴットを作製し、このMn-Ga-Al合金インゴットをアルゴン雰囲気中で高周波溶解した溶湯を高速回転(周速度50m/s)している銅ロール上に噴射して急冷凝固し、アルゴン雰囲気中600℃で1時間熱処理を施して組成の異なる試料8〜24を得た。これらの試料の保磁力を測定した結果を表1に示す。
表1から、Mn-Ga合金の試料8,11,20に対して、Mn-Ga-Al合金は、Mnが60〜80原子%、Gaが10〜30原子%、Alが10〜30原子%の合金組成で高い保磁力が得られた。しかし、Mn-Al合金の試料10,14,19になると保磁力は大きく低下することがわかった。
(実施例5)
Mn、Ga、Al、B又はCの原料を、アルゴン雰囲気中高周波溶解により、Mn-Ga-Al−B合金インゴット及びMn-Ga-Al−C合金インゴットを作製し、これらの合金インゴットをアルゴン雰囲気中で高周波溶解した溶湯を高速回転(周速度50m/s)している銅ロール上に噴射して急冷凝固し、アルゴン雰囲気中600℃で1時間熱処理を施して組成の異なる試料25〜28を得た。これらの試料の保磁力を上記試料12と併せて表2に示す。
表2からMn-Ga-Al合金に少量のBまたはCを添加すると、Mn-Ga-Al合金よりも保磁力が大きくなることがわかった。Bは、周期表においてAlと同じ13族原子で物性が非常に似ており、その上BはAlよりも小さな原子であるため、新しい正方晶化合物の形成を助けるものと思われる。Cは、Bの隣の14族原子であるがBと同じ半金属(金属元素と非金属元素の中間的な性質をもつ元素)の小さな原子であり、原子の結合においてもCはBと同じ共有結合をしているため、一般にBとCは非常に似ている元素と考えられており、このCもBと同様に新しい正方晶化合物の形成を助けるものと思われる。また、Nは周期表においてCの隣の15族原子であり、一般に合金の組成成分としてCとほぼ同じような働きをすることが知られているため、Cと同様に新しい正方晶化合物の形成を助けるものと思われる。
なお、引用文献2にも記載があるように、Mn-Ga-Alの3元系合金の主成分であるMnの一部を他の3d遷移金属(Ti、V、Cr、Fe、Co、Ni、Cu)で50%以下の範囲で置換してもよい。これらの元素は、Mnと同じ3d遷移金属であり、電子配置のうち3d軌道の電子の数が異なるだけでその他の電子配置はMnと同じあるためである。ただし、Mnに対する置換量が50at%を超えると磁化を低下させる恐れがある。
(実施例6)
Mn、Ga、Alの原料を、アルゴン雰囲気中アーク溶解により、Mn70at%、Ga10at%、Al20at%の組成のMn-Ga-Al合金インゴットを作製し、このMn-Ga-Al合金インゴットをアルゴン雰囲気中で高周波溶解した溶湯を高速回転(周速度50m/s)している銅ロール上に噴射して急冷凝固させ、このMn-Ga-Al合金急冷薄帯を真空雰囲気中600℃で1時間熱処理を施して試料29を得た。真空雰囲気中で熱処理を施した試料29の磁気特性を測定したところ、アルゴン雰囲気中600℃で1時間熱処理した試料2とほぼ同じ7.6kOeの大きな保磁力を示すことがわかった。
なお、Mn-Ga-Al合金は、インゴットを粉砕、成形、焼結する焼結法、溶湯をガスの噴射で急冷するアトマイズ法、合金粉末を硬質のボール等と共に振動機に入れ機械的な衝撃を長時間与えるメカニカルアロイング法によって作製することができ、さらにこれを不活性ガス雰囲気又は真空雰囲気中で熱処理すれば上記と同様に磁気特性が向上する。

Claims (4)

  1. 急冷凝固法により作製され、不活性ガス雰囲気又は真空雰囲気で熱処理され、一般式[MnxGayAlz](60≦x≦80at%、10≦y≦30at%、10≦z≦30at%)の合金組成にて表され、主相がキュリー温度400℃の磁気特性を持つ正方晶構造であることを特徴とする永久磁石材料。
  2. 前記Mnは、50at%以下の範囲で、他の3d遷移金属(Ti、V、Cr、Fe、Co、Ni、Cu)の群から選ばれる少なくとも1つの元素で置換されることを特徴とする請求項1に記載の永久磁石材料。
  3. 非金属元素(N、B、C)の群から選ばれる少なくとも1以上の元素を5〜10at%含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の永久磁石材料。
  4. 急冷凝固法により前記組成の合金を作製し、これを不活性ガス雰囲気又は真空雰囲気で熱処理することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の永久磁石材料の製造方法。
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